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初級者結果発表

2023年6月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

この場所で父と凌いだ通り雨

雨読人


ここに立つ使命は錆びず避雷針

加塚東隆


雷の色でピカチュウ塗る君や

丸孤


西明石の「のぞみ」雷神のごとし

晴矢


最悪なテストが返り母雷神

相松 凛之介


口答え雷オヤジ飛んで来た

村田淑貞 


自惚れに雷落とす選者かな

内木場拓庵


ザーザーザーゴロピカドーーン!懐愛犬

賑にき子


稲妻を父の傍らで待つ九歳児

しゃりしゃり


梅雨雷のくすり数えて旅支度

永峯星雲


熱燗や冬の雷手は耳に

奥井宣風


稲光夕立つれて帰る道

苅桜守


梅雨の雷今日から姉は未亡人

岸本 五月


銀河をみる星の閃光雷のごとし

春風


梅雨雷病窓の背に万華鏡

渡部貴美子


不思議な魔力稲光家族結束

麻座輝貞


露壇席空し賑やかなる驟雨

木化石


稲妻の雷おこし自慢作

雷おこし


春雷に怯えすがりし君は今

桑名節


墓参り安堵のあとの梅雨雷

君塚謙


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

文字としては「雷」が入っているけど、季語としての雷になっていないケースも多々ありました。怒りの比喩であったり、色を表す喩えに使った場合は季語にはなりませんので注意が必要です。

また、「稲妻」「稲光」など似て非なる季語や、別の季節の「春雷」「梅雨の雷」になっている例もありました。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、9月19日締切の「夜長」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【入力にはお気を付けて】

図書室の

福野 馬子


窓から眺める雷雨かな

福野 馬子


●ピックアップコメント:

投句フォームから投句をお送り頂くにあたり、入力や変換のミスが起きてしまっているケースもあります。

上五を入力したあと、うっかり次の入力欄に移ってしまったのでしょうか。繋げて一句になることはわかるのですが、投句フォームの仕様上、別欄に入力されたものはそれぞれ個別の句として扱われてしまうのです。

悲しいうっかりミスを防ぐため、投句の前には今一度投句内容の見直しを!


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▼【季重なり】

雷や蛙驚く凄い音

ささちさち


あまりにも暑し遠雷も風鈴

たこ山焼之輔


掻き曇り夕立ち雷鳴蝉しぐれ

でえくのぼお


雷に姉と逃げ込む蚊帳の香や

はっとりじいじ


かみなりが夜空を照らす夏の夜

ヒョウ柄の服が似合うおじさん


梅雨明けか雷鳴轟く震える夜

フリーク


かみなりだははがてをとりかやのなか

加藤 凛華


夏の日の雷ぐもは美しく

佐谷香


雷やスイカの甘さしたたれり

春川花空


雨をさく紫陽花も見ず迅雷は

川辺祈風


雷とどろ空に光龍地に驟雨

冬の雪兎


雷にオヘソ隠して蚊帳の中

藤沢マグネット


遠ざかる雷数え蚊帳のなか

北川楠山


雷の音に飛び込む蚊帳のなか

未知女


雷鳴と猫の暴走心太

熊猫 猫


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

一見してどの部分が季重なりになっているかわかりにくい句もあるかもしれませんが「驟雨」や「夕立」も実は季語なんです。

うっかり季重なりは新たな季語を覚える良いきっかけ。これを機会に新しく知識を増やして次に活かしましょう。


季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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※今回の兼題「雷」初級者投句欄へのご投句は、投句数3984句、投句人数1700人となりました。


以下の①については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼①【類想】

遠雷におのずと足どり速くなる

右田俊郎


雷の音に思わず臍隠し

越後縮緬


雷や怯えて妹は押し入れに

k幸女


雷や猫も驚き部屋のすみ

k陽一郎


コンビニに逃げ込むほどの雷の夜

tokisan


雷だ!洗濯しまえ!臍しまえ!

あすかきょうか


日雷に子らの隠せり臍・耳・目

あずき 游瑚


ぬる風が雷呼びて地を洗い

アツシ


雷や試合中断二十分

アマリリスと夢


幼児は母に抱かれ雷の雨

イーグル東山


雷鳴って中断二度目パーパット

おかもとのん


雷に泡喰い烏賊耳わが子犬

きっちゃん


飛び出した軒下の猫落雷を

こーがはるちゃん


いかづちに思わずクラブを放り投げ

こがね男爵


遠雷またリモート会議中断す

ザザザムシ


雷を怖がりし犬玄関へ

シェルローズ


雷鳴とみなの悲鳴が共に鳴く

しそしーそ


雷鳴を遠くに聞いてうたた寝す

タカハシネコミサ


遠雷に耳を澄ます静寂間

たかぴー


雷やお臍隠して雨宿り

ただのごろちゃん


雷やどこまで響く大太鼓

ちくちく慶


落雷やスマホ片手に夜もすがら

ちゃー


雷にへそ隠しおる子供かな

チャイニーズタイペイ


数える間無し雷の大音響

つく婆あ


雷の音に怯える吾子を抱き

テディベア


雷で味噌がめ割れて身がすくむ

トラマロ


閃いた指折り数えて待つ雷

どんぐりブルース


遠雷に追いつかれるな黄色傘

なか鹿の子


雷に慄える吾子が犬を抱く

にいやのる


ひとり寝の雷猫の手をにぎり

にえ茉莉花


雷や母の手へそに眠りつく

ハイビスカス竹内


雷の怒りすさまじ世を糺す

ビッグネット


釣り半ば雷近し竿仕舞う

ぽんこつしゃ


黒い雲暗く垂れこみ雷うなる

まつはなすみれ


遠い空雷が鳴る悪夢見る

まほろば菊池


孫来たり雷の音耳塞ぐ

みかん


雷鳴ドドド子らの傘止まる泣く

みつや湊子


雷やお臍を隠す孫娘

ゆうちゃん


雷に震えるその肩抱き寄せる

亜田真仁鱈井


突っ伏して遠雷測る耳定規

芦名明日太


雷に入れてくれろとポチの鳴く

安曇野たんたん


雷かニ分で終わる水遊び

安武絹紬


驕りたる人類に悲憤のいかづちか

伊能幸穂


雷や光った後の深き闇

井上右彩


雷鳴のとどろく音で飛び起きる

井上教


ろうそくの焔久しき雷雨の夜

郁松 松ちゃん


山中に雷の声急ぎ下る

磯野ひよどり


雷や天の怒りか戒めか

影夢者亜


雷鳴の音聞くまでの魔の一時

永松佳奈子


雷や遠吠え続く小屋の犬

詠野孔球


雷や電気供給してほしい

夏川涼


雷のイントロ聴いてヘソかくす

歌笛喫茶


かみなり様へそをおさえる母子かな

花咲 春


遠雷や震える犬をそっと撫で

花星壱和


雷神の太鼓の音に犬さわぐ

花風鈴


薄掛けに姉とかくれた雷の日

華 ことり


ラジオから聞こえるノイズ雷よ

海原ようざん


雷夜蝋燭の灯り弟と

海堂一花


寝覚めぎわ二度の落雷跳ねる猫

海風ももみ


なにがこわいゴロゴロゴロゴロ雷神

皆川阿知己


雷鳴に昼寝の犬の駆け回る 

岩橋夕紀


雷響にカタカタゆれるランドセル

嬉居


迅雷や胸騒ぎして夜も寝れず

鬼塚樹童


雷に怯え愛犬背を寄せる

菊桜 翔蘭


遠雷の雑音激しラジオ鳴く

菊川寝ん猫


遠雷や眠る子の臍タオル掛け

吉田行朋


雷と追いかけっこの通学路

久衛


遠き雷こしかた思ひまどろみぬ

久間 いたる


落雷や早よ再エネの旗手となれ

久木 諷


帰り道雷響きペダル蹴る

宮澤博


迅雷や吾子のふるえを抱きしめる

球子


雷の太鼓の音の地にひびく

京野ののか


かみなりや兄とかぞえしひいふうみ

玉川 緑風


きょうてえとびくつく子越しに雷

欣喜雀躍


ありがたや今日も雷田畑の実り

金子恵


雷や亡き父思う西の空

群馬爽走


雷響に在宅ワーク中断す

桂都智風


雑音にきざす雷知るラジオ

鯨之


雷鳴や急ぎ軽四トラックへ

古森 田淵


水田の雷ランドセル走る

虎の尾


雷鳴で布団くるまりだんごむし

向日葵


雷に震え止まらぬ愛犬と

広島立葵


雷鳴に尻尾丸めて小屋に入り

康寿


歩み止め雷神だいこ耳すます

香田 野分


雷や自転車こぐこぐ女学生

高橋のりか


帰路急ぐ慣れし立体雷騒ぐ

高橋昂昉


雷に急ぐマイカーしぶきあげ

高崎孝雄


へそ隠し響く雷鳴子の悲鳴

今泉 夏葵


桑原と唱え雷避けにけり

今村 芳雪


雷鳴や遊んでいた子は逃げ惑い

佐竹草流


雷や幼子べそかきへそおさへ

佐藤根 雪華


雷の音と光に追われゆく

佐伯良吉


雷や布団かぶりて時を待つ

彩李緑


雷や部屋では猫が走り出す

斎藤コロンのママ


雷で震えるわが子そっと抱く

坂之上湖空


家中のコンセント抜く雷近し

桜木レイ


芝刈り機駆け足で押す遠雷や

三家端


音よりも光が速い雷よ

三粂 二乙


雷や即解散の立ち話

山田はつみ


雷だヘソをおさえて一目散

山田桜


雷が鳴って目が覚め眠れない

山﨑風花


雷にしっぽ丸め上目づかい

嗣子孫々


雷に尻叩かれて下山する

市川こけもも


雷や押し入れに入る幼き日

市川風花


雷鳴や猫が隠れて出てこない

紫檀豆蔵


雷やパソコンを消す途中でも

柴田あやめ


遠雷にへそ隠し泣く幼子や

酒井 癒香


雷止むな!意中の人とあまやどり

秋谷 忍


はたた神くわばら念ず幼き日

勝瑞 陽


雷にびつくり吾子の熱腹に

小室雅俊


山頂で雷あめ降りて走る

小春風 幸


雷鳴や生徒歓喜の歓喜部倉無音

小鳥遊豪遊


雷や怖がる犬と添い寝して

小塚ちか丸


雷鳴に素早く隠すおへそかな

小島純情


雷鳴に臍出し眠る赤子かな

小林浦波


雷雨去りみどりとりどり山生きる

小林抹茶


雷や怯える猫をそっと抱く

小林弥生


雷に怯える我もゴルフ侍

松島健四郎


雷や遠く聞こゆる大太鼓

上野蕗人


鳴る前の光る雷上がる悲鳴

心夏


父の背に掴まる自転車雷雨なり

森  茉那


雷や負け試合後の急ぎ足

神田ピールリ


おっかない雷様にくわばら唱ふる児

酔丑


雷鳴やヘアピンはずし走り出し

瑞々


雷雨来て試合中断人は去り

数哩


雷が鳴るとひっつく君と僕

菅 ぽん太


雷鳴におののき震え遠吠えか

世主季


しがみつくらいさまきたと犬と子が

星 百群


ナイスショット試合の中止雷魔

星海


雷を怖がる君が愛おしく

星宮雨霧


雷の音に驚き猫ジャンプ

清正


雷が一雨連れて遣つて来る

西岡 信


遠雷や一時休止のロープウェイ

西郡うり


雷鳴に脱走し犬捜す夜

西原 煌舟


雷を犬と散歩の我避けぬ

石川明世


まっ暗ドキドキ雷布団掛け

赤羽ナナ


雷が操りデータぶっとんだ

川端芙弥


遠雷や孫と駆け出す帰り道

泉 恵風


雷やそがれしチャンス山ゴルフ

泉北の石ヤン


雷夜毛布でくっつく子と2人

早朝おうか


稜線で雷避ける恐ろしさ

早風


雷やピカッと光り数かぞえ

相模 筑前


日雷クラブ投げ出し避難小屋

増 田 松月


雷の音と同時に猫が飛ぶ

村のあんず


雷近し会場へと急ぎ足

村上 朝


雷や光と音の舞台開く

大ちはる


雷鳴に手を止め急ぎ物干しへ

大井ゆめか


我の手ぎっとつかむ吾子雷来たる

大熊猫 美由浜


学校で響く雷鳴響く悲鳴

大食い


雷は太鼓叩いて天を裂く

大泉竹芳


全力走コンビニ目指す雷雨なり

大谷トラウト


遠雷や遅延電車に雨の跡

大谷一鶴


雷や小鳥もじっと軒下に

大薮薫子


はたた神怒りの声が響く空

谷村長門


初孫や雷鳴に身をちぢめたり

旦部史芳


雷鳴におののく犬の吠えにけり

竹内あい


雷神の暴れ回りて犬縮む

竹内ダイアナ


雷に笑い声消え帰路急ぎ

茶子父


はたた神空気切り裂く闇の空

中村水音


雷のゴロゴロ待って指を折る

朝波羽丸


雷や逃れる足に重きペダル

朝陽薫


雷や耳を押さえて会話する

長崎てんてこ舞い


雷鳴に怯えるふりで手を繋ぎ

長嶺阿蘇


桑原と呟きみやる闇の雷

鎮森奏


へそ隠し雷さまは通りすぐ

鶴城


雷へ一歩前進臍押さえ

鶴舞櫻山


雷やくわばらくわばら窓の外

田園 日記


雷鳴に浮かぶ無人の観覧車

田中ピロミン


遠雷に犬尾垂らして空に吠え

田中亀子


雷や遠くの桑原唱えけり

田島 さえこ


雷やへそを押さえて苦笑ひ

杜野 ほたる


雷鳴に下校の子らの無事祈る

渡辺 あつし


地袋に逃げ込む猫やはたた神

渡辺ヒロ子


「桑原桑原」雷はじめなんにでも

藤原訓子


遠雷の音まで十秒早歩き

藤城久美子


へそ隠す雷様に睨まれて

陶豪


雷に急ぐ課外の帰り道

日向浜


雷や秒数測つてゐる父よ

猫雪すあま


雷雲やひと雨降るか風吹きて

乃奈


いかずちに慄く吾子よ古刹かな

俳号 篠原 蝉秀


雷鳴や夜中に響き家揺らす

白兎パン


居眠りをたたき起こすや雷が

尾埜秀樹


落雷で久しく触れた竦む妻

浜 一風


雷だ臍押さえ問う亜子の瞳

浜のじじい


雷鳴す100切れるのに避難小屋

富田涯現


雷や腹掛け直す午睡時

武本松明


雷の轟響く空響く

文生


雷まで数えて次を待つ窓辺

芳野政裕


ごろごろと雷近くピカドンと

北斗八星


一閃に目耳塞ぐや雷去るまで

睦悠風


雷鳴にびびりしワン仔吾の顔に

末広野暢一


鳴神やガラス窓揺れ身を縮め

未生 蓮


遠雷に追われ急ぐかランドセル

夢野又夢


雷や家電故障の真犯人

木谷 きょうみ


雷や急いで走る下校中

野原美野


雷や犬はひっつく人間に

野村すず


雷鳴や蜘蛛散らすごと遊びの子

野乃すみれ


遠雷に戻りし愛猫膝の上

矢沢どんぐり


バリバリと天と地つなぐ雷光よ

羅風音


はたた神深夜の怒り注意報

利人


雷神や寝た子を起こすゴロゴロと

立香


迅雷やパソコンのスイッチを切る

粒の杏子


雷に護身の呪文繰り返し

竜眼ジジ


臍守る幼き娘雷鳴や

龍泉灯


雷音に布団被りて母を待つ

涼風鈴音


雷や臍を隠すか五十路の身

鈴木すゞ


遠空に雷ひびき夕餉急く

蓮見玲


落雷やスマホがパーに全部パー

濱のメンドーサ


空を裂きピカっと雷耳塞ぐ

珈琲舎亮


雷や窓辺で観察ピカッドスン

齋藤鉄模写


雷が怖いと寄り添う子犬かな

翡翠 詩憶


はたた神へそ隠す子ら母笑う


雷や聞こえて隠す吾子のへそ

髙田 佳歌


●ピックアップコメント:

雷といえばこわい! 雨も降る! 逃げる! へそを隠す!……と、一連の出来事が全部類想として集まってくるわけです。人間だけでなく動物も隠れたり、身を寄せたり。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


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