俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2023年6月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • しっぽ揺らす遠雷の中眠るきみ

    夏野星空

  • 雷が嵌る感染症の痕

    水戸定家

  • 予期せね雷雨ため息と終バスと

    横須賀うらが

  • 火雷余韻も怖し落ち火の粉

    山田季聴

  • 雷や最終〆切まで五分

    山彦おーちゃん

  • 雷鳴で揺れるガラス戸あばら家よ

    上野 鈴女

  • この家を敵のごとく雷鳴よ

    荒木ゆうな

  • 雷や田を駆け抜ける雨連れて

    小原かおる

  • 雷鳴がとどろくなかで行水す

    街の小太郎

  • 日雷聞き流されて独り言

    山根祐子

  • 雷や魚卵のような朝の駅

    讃岐 つばめ

  • 浜猫の目線は沖へ日雷

    神宮寺るい

  • 山羊の目の地平は円し遠く雷

    高根柚子

  • 窓のない風呂に浸かりて夜の雷

    小田 凛空

  • 音のみの雷去って野良仕事

    永田みゆき

  • 雷の地浄め我も浄めける

    松井 檸檬

  • 雷や濡れる石段二段飛び

    古寺 憲子

  • 雷は夜にショパンは耳に満つ

    栖川杏太郎

  • 友の声絵日記まだ遠き雷

    奥野恕宣

  • 遠雷や靴擦れ三つ絆創膏

    高重安眠

  • 落雷や我が家の大樹路塞ぐ

    戸村友美

  • 雷の国語放課後は筋トレ

    橋本椿紗

  • 雷や体を斬ったフリージャズ

    神ヤ飛ビ魚

  • 独り寝の窓に背を向く夜雷かな

    岡 草紅葉

  • 息潜むドラマは佳境夜の雷

    西わこ

  • 受話器から響く雷鳴遠ざかる

    鴨の里

  • 雷雨さり小鳥の群れて空中戦

    山上文月

  • 雷やここぞとばかり疳の虫

    五葉 松子

  • 遠雷に窓を見やりてガチャを引く

    紺野パジャ美

  • 雷の明けし鶏舎や休卵日

    芝滋

  • 遠雷や従兄と走る田舎道

    花空木

  • 雷に剪定中の長脚立

    岡 里詩

  • 雷や校庭ひびく吾子の声

    銀将

  • 今に行く良いなと遠雷告げ来たり

    一條冬青

  • 浅草や揺れるちょうちん日雷

    吾亦紅也

  • 起動音かき消されゆく雷や

    神谷理風

  • まだかいなそろそろどうかいかづちよ

    山乃尾乃道之翁

  • 雷の留守ペットカメラにひと鳴きし

    夏埜さゆり女

  • 遠雷や黙して洗ふ墓三基

    笠谷タカコ

  • 落雷に足留め沈黙の車内

    梶正

  • 遠雷やキールにショパン浸らせて

    歯科衛生子

  • 雷や千円札の富士の山

    岩橋 夕紀

  • 雷や透けていく白のワイシャツ

    小林 よひら

  • 遠雷や君の来るころ六本木

    彩香

  • 雷やどんみり震ふ縁の撥

    吉沢樰

  • 陣痛の波打ち際に夜半の雷

    森 毬子

  • 曇り空よせてかえすは雷か

    遠澤人麻呂

  • 鳴神の声に鳩尾震え雨

    三枝 有紀

  • 遠雷や冷水鎮む枕元

    吹田よしよし

  • ダムカレースプーン崩す山雷や

    佐藤キキヨウ

  • 落球のあとのため息日雷

    佐藤恒治

  • 網仕掛け遠雷よそに川の中

    新一歩

  • 雷鳴に怯える夜はサザン聴く

    蛍草飛田

  • 遠雷か夜中の読書あと少し

    近藤和草

  • 雷や遠のきまどろみにとろけ

    郷舞道

  • 狛犬の阿と吽にゐて日雷

    出楽久眞

  • 雷鳴に花影揺れて水しずく

    渋谷桐峰

  • 雷やジャンベ奏者の大あくび

    貴田雄介

  • 雷や書きかけの小説一つ

    小林共捺哉読

  • 三日目の雷深夜の地響き

    花岡貝鈴

  • 黒雲が我を覆て雷雨かな

    恒産恒心

  • 雷過ぎて木道へ人ポツポツと

    山本つくし

  • 怖演ライブ雷雨の震災仮設

    小暮修

  • 携帯の履歴を消去雷の夜

    若林かな

  • 雷は遠いか梅ヶ枝餅を食む

    山路ゆか

  • 遠すぎる君と落雷午前二時

    住吉すいか

  • 怒り立つ映画を切った雷や

    三杏樹

  • 雷響にコミュ症一人つぶやきぬ

    珠桜女絢未来

  • 「運命」のごと雷鳴の響きかな

    小花風美子

  • 雷が止んで潤す水がある

    雀浪乱

  • 雷響よわたなか響く鯨声よ

    広ブロ&新蕎麦 摂田屋酵道

  • 雷や咥えた餌を置き去りに

    響楽境

  • 足下に雷鳴響く御嶽山

    一の介

  • 遠雷の部屋爪を切るエアポケット

    斯波 子庭

  • 遠雷や木匙しづかにささくれて

    松山松男

  • 雷の一撃暗闇の車内

    四季 

  • 雷やイヤホン深く小フーガ

    清瀬ハイジ

  • 雷神の遠のく気配家眠る

    守田jj

  • 雷の痕幹に残して雨上がる

    森里綾里

  • 遠雷や松葉杖の子送る番

    松和み

  • 雷鳴や2ページ先へ飛ぶ記憶

    守山ぽこぽこ

  • 雷に迎え待つ間の避難小屋

    薩克期風

  • 雷よ息子の笑顔ありがたき

    小野小マーチ

  • 雷の音に驚く犬家に

    瑞雲和合

  • 雷雨して地下街急に賑わえり

    笹倉沙希

  • 雷や背負いし吾子も同じなり

    山乃 草花

  • 迅雷や伏せた巨岩を横殴り

    岸 れん

  • 遠雷や絵筆納めた祖父の通夜

    影山 明日香

  • 雷や離婚届の白い闇

    春の風花

  • 雷や波頭は鬣だけの白馬かな

    古舘粋狂

  • 雷の音に追はるる旅の空

    佐藤夏みかんの亭主

  • 遠雷や嘶き一つ霧ヶ峰

    佐藤夏みかん

  • 雷響くなかなか切れぬ足の爪

    秋葉 翠

  • 鎌の柄に雨ひと粒や遠雷す

    英 香朗庵

  • 遠雷や手足絡めて眠る猫

    黒猫団子

  • 雷や駅直前に止まり待つ

    森野瑞樹

  • 犬も人も原始に帰る雷雨かな

    浦見 若菜

  • 無音の雷72時間以内のピル

    曲遊ふくげ

  • 雷神来あすの大漁疑わず

    世忍

  • 風情知る雷爆誕暇なし

    権田童よしこ

  • 雷に諍い事の中途かな

    海野優

  • 雷激し十月の腹の鼓動へ手

    三浦海栗

  • はたた神去つて道のまなかを猫

    慈夢りん

  • いかづちの母むくむくと子を産まふ

    季々諧々

  • 雷や吾子は震える鬼が来る

    成瀬ぽんぽこ

  • 押し出しの四球サヨナラ遠き雷

    小野寺 余伴

  • 雷鳴や神棚の猫眼が光る

    岡崎梗舟

  • 静けさや雷去りて戻る闇

    越乃杏

  • 激雷の翌朝生まる娘かな

    永山シャンシャン

  • 告解の帰途へ俄に雷来

    三角山子

  • WEB会議いざ発表ここは雷

    茄子の花

  • 寝落ちせり雷去るを待たずして

    三富みつ葉

  • はたた神創造したる水の星

    玉井令子

  • 遠雷や耳こそばゆき糸電話

    勝本熊童子

  • 出羽国ズドンとくるや雷雪が

    三谷菫子

  • 蒼天や遠雷永しFー15

    山野烏

  • 雷やベース残塁ベンチ入り

    岸壁の龍崎爺

  • 雷や地這い渡りて人も去り

    笹野いと茶

  • 雷や瞑想さえも遮りて

    小林衆馬

  • 雷やピカからバリへ休符なく

    春の新々

  • 人類に雷神怒る温暖化

    春夏秋冬

  • 雷や恋する空の薔薇の色

    栗花落カナヲ

  • 雷に魂消「だいじ?」と笑ふ妻

    今乃武椪

  • いかずちを酒の肴と粋がって

    輝雲彩

  • 雷をノートに書いて栞とす

    松山まどけい

  • 雷の止み間に汝は紅をぬり

    永井無々

  • 二千八百四十五m雷鳴の夜

    朱胡江

  • 田に伏して雷様を遣り過ごす

    原颯太

  • 雷や双六池を轟かす

    岩岳太郎

  • 雷や去りて出直し晴れとなり

    光さ

  • 午後一の会議の憂鬱雷雨くる

    紅三季

  • 雷や腿に濡れたる犬の鼻

    神崎園子

  • 雷や紅茶おかわり止むを待つ

    稲城蒼海

  • 遠雷や戦禍ひたひた迫り来る

    一石 劣

  • 雷鳴やマリオネットの目の光る

    桜ことり

  • 落雷の大楠樹齢五百年

    近江菫花

  • 雷鳴や母の権威も吹き飛ばし

    須藤 松栄

  • 雷や母の布団の柔らかさ

    佐久太郎

  • 遠雷や泣き寝入る子の涙あと

    高津春駒

  • 雷遠くあの日もとおくなりにけり

    花とわこ

  • 下校時に雷ドシャ降り軒の下

    松瀬章章

  • 雷にしゃがみ込む午後子の名呼ぶ

    山田千華

  • 日雷君の手握る橋の上

    楽笑

  • 沈殿物雷一撃で霧散せり

    遠藤 千草

  • 遠雷やぽつくり寺の掲示板

    河地 草芝

  • 雷鳴や病の耳はハウリング

    佐倉英華 

  • 激雷や龍ののたうつ雲の中

    真心素秋

  • 遠雷や昼のいこいに入るノイズ

    西山哲彦

  • 腕の中孫に雷神話しする

    正樹起山

  • 眠れぬ夜カーテン越しにはたた神

    桜餅草

  • 丘陵に雷雨のにほひ倭人の血

    森器

  • 雷や気づかぬ娘と逃げる犬

    黒瀬三保緑

  • 雷や松山城は凛として

    吉河好

  • 雷に跳ぶ鹿の目の丸さかな

    坂口芝園

  • 繰り返す機体旋回下は雷

    山清

  • いかづちの去りゆく午後のあかね空

    佐藤白行

  • 雷の去りて安堵のにごり沢

    神津草茶

  • 雷や抱いて寝た子の居ない朝

    舟端玉

  • 遠雷やお悔やみ欄の知人の名

    十津川ポロ

  • 1億の雷落ちて山河あり

    吉野 五福

  • 雷や大魔神の剣一閃

    神島六男

  • 大地をば揺らす雷幹を打つ

    皐月 蓮

  • 雷や老いた巨木は仁王立ち

    柴田一公丸

  • 雷鳴に骨組み揺する古き家

    金子加行

  • 雷や山頂景色夢に消え

    山野 のりこ

  • 雷に首すくみ稚児寝息かな

    山海動静

  • 遠雷や紫の空に叔父は逝く

    加藤万理乃

  • 僕の横君が怯える雷に

    小鴉 諒

  • 遠雷や仕事帰りの新快速

    鯨夏タスク

  • ゆびきりの指絡ませて夜半の雷

    夏目あかり

  • 雷鳴やお山の猿は定位置に

    小林土璃

  • 失恋の傷焼き払う雷よ来い

    一慎

  • 雷や老親の残高試算

    笠川香奈

  • 日雷殉教者問うサイレンス

    夏藤涼太

  • 雷か問うて草引き止めぬ祖母

    三谷あいこ

  • 雷や腹底えぐる破裂音

    水無瀬りりー

  • 雷やひそひそ話す司書の声

    正雪

  • 雷や太鼓シンバルガラス割り

    小川 秋雄

  • 雷よおれの背骨に喝をくれ

    森塚千明

  • 突然の異動内示や帰路の雷

    山田由紀子

  • 雷雨来てちょっぴり淋しタンゴ聴く

    坂田雪華

  • 雷鳴のカウントフィルターの折り目

    月最中 松本

  • 雷鳴や化生のごとく猫の影

    山樫梢

  • 雷や腹をぬくめし手を偲び

    寺ゆた

  • ホルン吼ゆカデンツァにして雷協せ

    若狭

  • 迫力の余韻を残し雷は去る

    海笑里

  • 雷や半紙破れる右払い

    環柚色

  • 遠雷に無人ブランコの揺れ残る

    小豆島瑠璃蜥蜴

  • 遠雷や次のサーブで決めてやる

    小野陽笑

  • 雷や一人都会の帰りの夜

    音葉りんきょう

  • やはらかに雷届く瓦屋根

    金子あや女

  • ワイパーは最強逃げて雷の果て

    孝崎有辺

  • 青空や雷の音せまりくる

    松本なにわっこ

  • 雷に打たれて死なん無為の日々

    工藤ほたる

  • 庭の木に雷神来たと祖父が言う

    鬼石 祥子

  • 日雷教職試験にエンジン

    小林白雪

  • 上映中固唾吞む外は雷

    高田コブシ

  • 雷鳴にいそいそ握る白むすび

    瀬戸内しずか

  • 遠雷やそばゆすすりて木曽泊まり

    侍真満陽陰

  • 銅の檻捕った獲物は霹靂神

    五月雨

  • 雷鳴やあなたと手汗を滲ませて

    三浦音央

  • 遠雷や稜線へ早足元に

    佐藤 萬充

  • 雷の香をわかる犬逃げる小屋

    遠藤倫

  • すぐ傍に雷落ちて肩竦め

    桜 遊じろう

  • 園児らと一かたまりや大雷雨

    坂本 節子

  • 雷神の疾走見たり曽爾高原

    紗凡

  • 夕暮れに雷過ぎし帰る君

    笑み

  • LINE越し雷様をなだめる子らの声

    小田芙蓉子

  • 雷やチャリごちゃごちゃに塾の前

    小林乏硯

  • 雷を仕手の足音鎮めおり

    花弘

  • 雷や仕切り直しの時をまち

    光散人

  • 日雷便潜血の+

    河豚ふく子

  • 雷鳴にシャッターの街なほ静か

    山口隠元

  • いかずちに竦めし肩の下ろし時

    新米にぎりめし

  • 不整脈映すモニター日雷

    加田紗智

  • 雷の後で静けき地区予選

    光顕

  • 頭痛して漂う空気雷や

    可可夫豆

  • 砂浜に雷走る我が妻に

    松村 とん

  • 遠雷や試行錯誤のソロキャンプ

    古川一光

  • 雷に追われし野みち母の里

    高々飛々

  • 雷やトイレの窓から見る明日

    才川 眞猿

  • 雷を掻き消すようにドラムソロ

    神谷史記

  • 雷が去りし安堵の夜更けかな

    春野桜草

  • スーパーのタイムサービス雷雨去る

    佐藤俊

  • 迅雷の百億ボルト天地駆け

    岡崎藍

  • 遠雷や深夜放送耳元で

    小梅

  • 雷鳴や先に泣くのは天か子か

    牛匙

  • もっと恐い記憶起動する雷

    鷺沼くぬぎ

  • 追って来雷鳴ワイパーは全開

    咲 まこ

  • 雨の香に遠き雷鳴猫欠伸

    原田芝音

  • 雷の音に紛れて弓を弾く

    晴風

  • 雷鳴に緑うるおう畑の中

    寺尾銀次

  • 眩光や下校途中の日雷

    英公蒲

  • 遠雷に話もそぞろお茶を飲む

    五十嵐 驟雨

  • 低無線に落雷が家を走る

    磯村 ヒナ

  • 夜の雷国際線はミサのごと

    山田はち

  • 落雷が傘伝わり鳴き叫ぶ

    海原

  • 雷が嘶き暗き空を裂く

    十八番屋さつき

  • 四畳半雷おちて同衾す

    古都酔仙

  • 雷に一瞬くすむ民家の灯

    清水猿虎

  • 家路往くとどろく雷鼓避ける木々

    過ぎた春照

  • 日雷激辛カレ-を食す夫

    山口ひろりん

  • 雷や青藍色の赤城山

    呉暮子

  • 雷を吊す水田逆さ見で

    宇都宮千瑞子

  • 幹裂けし雷の後登山道

    亀くみ

  • 甲子園ゴロピカ雷雨三振す

    京 このん

  • 雷鳴や女の園の職場です

    玉水

  • 雷がはたたく空は鉛色

    研亭

  • ピカドドン雷雨のしぶきダグアウト

    新太子

  • 死の予感纏ふ冷気と雷来

    神谷元紀

  • 雷鳴や千年の鳩宮見上ぐ

    春蘭素心

  • 雷や腹ゆるむ心地し気力削げ

    松元春苑

  • 激雷や浅間の山を駆け抜けて

    杉田ひらさこ

  • 雷や枕カバーの縫い目撫づ

    手島オルカ

  • 雷走る残響長く不義の恋

    午睡眼鏡

  • 遠雷のかそけし音に犬の吠ゆ

    月奈利

  • 雷の夜寂しい童話傍らに

    小 日音

  • 雷や一喝喰らいて水を飲み

    横辺理

  • 澱を抜く割烹着の背雷は青

    空地ヶ有

  • 雷の去りし空には鳥の声

    清澄麻子

  • 雷や打たれてしまえ何もかも

    成瀬桃うさぎ

  • 雷や五黄の寅の母は逝く

    一ノ瀬美郷

  • 茄子色に光る樹々の夜はたた神

    古賀鈴奈

  • 遠雷や擂鉢村のひつそりと

    英 凡水

  • 天叩くいかずち不動のみどりご

    橘 春香子

  • 夜の雷我が家の上に小半刻

    黒猫かずこ

  • 雷の夜に開く英国ファンタジー

    久野 しろ

  • 雷や貴重な藁は納屋の中

    高田翠穂

  • 落雷炸裂音で吾子一瞬

    水野公於

  • 訃報欄を濃ゆく縁取る雷よ

    森下 紙魚

  • 陣痛の高まるがごと夜の雷

    寄り道

  • 秘密知り雷の音心刺す

    星埜なが瀬

  • 雷や不和の予感は当たりけり

    松本厚史

  • 雷よ去れバス停の二人

    茨との

  • 雷や母の言葉が胸を刺す

    水引草

  • 雷や握るグラブはなお強く

    詠い鳥

  • 雷雨去り街の埃も流れ行く

    京都さくら

  • 大雷雨器材運べずライブなし

    弘月令五

  • 雷に空破れさう山の宿

    上田 薫

  • 雷雨来地面も私も冷やされて

    神戸 美優

  • 雷が照らす寝部屋の君の顔

    深空汐音

  • 雷のあと川面に映る木の葉かな

    松本光由

  • 雷やワイングラスに透かし見る

    横ちゃん

  • いかづちや夜に轟く五秒前

    卯之町空

  • 雷を貨車の警笛引き裂きし

    河島はるちゃん

  • 雷や太く短く生きた人

    守菜月

  • 雷に光る捨て牌ほい当たり

    桂 歩

  • 雷や昔語りの祖母の膝

    朱康君

  • 雷に骨壷の棚百五号

    桜よし榮

  • 雷に醒めて蕾の開きたり

    遠藤玲奈

  • 遠雷や朗読で聴く春琴抄

    岩清水 星斗

  • 落雷や情けない父炙り出し

    高田 仁和加

  • 雷過ぎてマイナスイオン深呼吸

    上山凡仁

  • 雷の記念日ですと予報官

    植木照美

  • 雷や榾木にぬえの神気あり

    守屋 淨久

  • 地母神よ関東ロームに雷雨浸む

    上池がしお

  • 雷や鬼の笑いぞドンゴロン

    夏空なみ

  • 遠雷や主引きずりて帰りくる

    喜与

  • 雷の夜初めての君の部屋

    丸岡彩映

  • 薄墨の街を震わす雷や

    山月 無辺

  • 雷神は背戸の黒松裂きにけり

    山村柊五郎

  • 遠雷や一つ足りないモンブラン

    西尾 翠峰

  • 優等生傘投げ叫ぶ目には雷

    架穂 臨

  • 落雷のスペクタクルに震撼す

    犬塚季夏

  • 意を得たり丹沢山麓雷走る

    垣我実

  • 山の神黙す雷注意報

    古賀衝童

  • 雷さんまだい〜ちって言ってない

    志きの香凛

  • 豪雨なり雷神走りて暗闇に

    幸渓

  • 雷や留守を任され眠れぬ夜

    一歩千金

  • 雷や葬列の黙風に溶け

    銀座2丁目創次郎

  • 雷に映える愛しき妹の貌

    小幡 宗滋

  • 新品のペンかく走りき日雷

    市川文

  • 雷や若き筆跡恐れなし

    坂本 羊雲

  • 日高屋の酢豚頼めば日雷

    松本ぐれみん

  • 急ぎ足雷匂う帰り道

    咲さこ

  • 雷鳴や夜の排水パトロール

    秋山らいさく

  • 雷晴れてポン菓子の音響きけり

    菅野まこ

  • 日雷ペンキ塗りたて容赦なし

    一休み

  • 灰は消ゆガンジス川よ雷よ

    寺尾向日葵

  • 迅雷やボリュームあげてヴェートーベン

    玉照

  • 雷や椅子の背はハンガーとなる

    新城 三九

  • 呼ぶ声に耳を塞げとはたた神

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 雷や男鹿より夫の帰りをり

    小田嶋隅雀

  • 天恵のいかずちは田に刺さりけり

    犬人間陽子

  • ささくれをじっと見ている雷の夜

    高野綸子

  • 雷や死去の速報すべりこむ

    吉田 ルイ

  • 雷やゲネプロ合わぬティンパニー

    小柳ジョージ

  • 遠雷の声の聞こえぬ手紙かな

    喜多川蓮雪 

  • 遠雷や猫と布団の午後三時

    三毛保知

  • 雷鳴や虫歯治療の音の消ゆ

    菅原ゆう

  • 遠雷や一日の疲れ清めゐて

    児玉すず子

  • 雷鳴り出せば電話に出る人

    小林一弓

  • 雷に馴染みの空に時を知る

    正善

  • 激雷過ぎて吐息花草木虫

    山口鳩子

  • 反物質生まれし雷の摩訶不思議

    志都はねこ

  • 雷が雨の合図か窓閉める

    集 真藍

  • 雷の切り取りし刻(とき)君を見る

    乗芹空見

  • 雷の轟音母の耳遠し

    紅い靴

  • 雷や朝には消えて旅支度

    雲井草舟

  • 雷(かみなり)や文鳥肩から動かざり

    一谷いちにょ

  • 雷や振り返らずに山翔ける

    星ガラス

  • 遠雷に寝ぼける妻の汗をふき

    紫陽花こげ茶丸

  • 落雷で待つ改札へ人だかり

    珊瑚霧

  • 雷や空と腹とでゴロゴロと

    七つの大罪

  • 遠雷や遠ざかりゆく子等の声

    花螺李

  • 雷鳴に一心に縫う一人の夜

    四季風吹子

  • 雷雨去った草の光るしずくちらちら

    坐花飛鳥

  • 雷の音打ち消すや早太鼓

    桜華姫

  • 鳴神のにほひ残せし夜の闇

    今林快波

  • 雷や黒く燃えたる御神木

    佐野聖光

  • 遠雷にA面の歌詞懐かしむ

    星野碧

  • 遠雷を人ごととして二度寝かな

    神無月みと

  • 辻地蔵威厳示すか雷響く

    家古谷 硯翠

  • 遠雷や走る砂浜我はたち

    栄音

  • 雷す見渡すかぎり闇の夜

    治爺

  • 雷や怯えた頃の母想う

    上四号庵

  • 全力の不真面目ならむはたた神

    縞子勾苑

  • 兵は荒野に眠るはたた神

    西村優杏

  • 雷のさなかなれども行く渡し

    高野妙介

  • 雷は隠した罪を暴きたる

    高石蓬莱

  • 雷や見上げる夫の仁王立ち

    松本くらり

  • 法隆寺雷にらむ相輪鎌

    古谷芳明

  • 雷のあとに雲湧く日暮かな

    山田翔子

  • 雷や空に大きくあみだくじ

    讃岐田打桜

  • 腕帯の締付つよし朝の雷

    紅さやか

  • いかづちや老いた母の手握りしめ

    原 南山

  • 雷鳴や海馬のあたり蒼白く

    四葉の苦労婆

  • 押入れで飲むや雷鳴の牛乳

    松山のとまと

  • 雷を怖くないこと内緒の夜

    柑たちばな

  • 雷神や暗闇の夜に豆を挽く

    出島 蘭

  • 雷の静寂の間に告白す

    心想事成

  • 早朝のかみなりさまや座禅会

    松尾なおゆき

  • 雷や暫し無欲を誓う我

    森の水車

  • 音を聞き雷をしり安心す

    翠善

  • 遠雷に想い彼方の水平線

    三重の海

  • 雷を追ひ抜かしたり那須野原

    鵜飼ままり

  • た走る雷や波山の桃滴る

    三尺玉子

  • いかずちや紀州高野の下で鳴る

    鬼石 祥瑞

  • 雷雨去り匂い立つ土黒々と

    西乃羊雲

  • 雷は卑弥呼の墓を知ってゐる

    高田多寡太

  • 雷だ!浮き上がる影ソハタレカ

    後藤 もこと

  • 遠雷やチャリ通の坂力む脚

    下村ヒジリ

  • 雷鳴を小屋で膝抱き一時間

    下田せつちゃん

  • 別れ告げ遠雷響く静けさや

    星のお爺ちゃま

  • 雷鳴にはたと気づいた締切日

    森野モコ

  • 雷に窓に寄る姉退いた母

    久志fromJAPAN

  • 雷や牛舎に落ちて藁を焼く

    上村 翠

  • 雷雨なり父の黙しをる車中

    咲間元文

  • 雷や急ぐ電動車いす

    高橋くらり

  • 雷や筋肉キレるボディービル

    生駒 遊

  • 雷や夫の中這うカテーテル

    成瀬理子

  • 迅雷や空が破れる子の生まる

    上村縷々

  • 雷に気付かぬが幸午前様

    四王司

  • 山動き車も人も雷も

    山ざくら

  • 雷に御機嫌斜め諏訪大社

    奥村雅道

  • 雷や運命の人どこにいる

    春風京桜

  • 雷鳴に逃げ惑ひては羅生門

    加藤水玉

  • 遠雷に雲の動きと畑を見て

    蒲 公英

  • 雷やステージ4と告げられる

    甘蕉

  • 怒髪天雷掴む摩天楼

    森下 一夜茸

  • 迅雷や補聴器はづし止むを待つ

    工藤遊子

  • 絵具には無き紫や雷の夜

    叶 真茶子

  • 雷が見てるドラマの邪魔をする

    銀玉のおチイ(上殿町)

  • グリコにもビリケンさんにもはたた神

    花見鳥

  • 雷にうつつなき我テレビ前

    加藤恋入

  • 雷と青丸だらけのプリントと

    宮原渓秀

  • 雷や吾の耳塞ぐ幼き手

    高橋ひろみこ

  • また金の無心でしょうか日雷

    水上ルイボス茶

  • 雷止まずあらゆる物と息潜め

    宮内温子

  • 雷に打たれアイツの恋がまた…

    紫陽花の父

  • コンビニにごった返しの雷雨かな

    森脇レイ

  • かみなりが雨のにほいをつれて来る

    松山女

  • 雷とたった一文字威圧的

    高山 華桜

  • 遠雷や祖父の静かに仕舞う鋸

    植田 三八

  • 鳴り止まぬアラート落ちまくる雷

    種月 いつか

  • 迅雷や再発転移の宣告

    永井うた女

  • 雷や凶兆の報鳴り渡る

    宮下あお

  • 雷鳴はある少年の序曲なり

    鎌倉 あお

  • 雷に冴えてくれるか寝間の老父

    樹木のんのん

  • 雷鳴や遠吠哀し昼の闇

    今井空陀

  • 雷を抱きしめて寝る膝枕

    恵猫

  • 遥かなる君の飛躍や祝う雷

    山田 梯子

  • 揉め事は切手貼る位置日雷

    三上 栞

  • 暗雲に背骨造りつ遠雷来

    器官

  • 雷に背き地べたを見つめをり

    水琴子

  • つねよりも美し粥と汁落雷す

    高瀬小唄

  • 老犬の寝起き緩やかはたたがみ

    高尾 草風

  • 轟く雷鳴彼女はヘッドフォン

    河一子

  • 落雷に泣き止む吾子の丸目玉

    春めだか

  • 雷神のおわす立山一人ゆく

    久世越仙

  • 雷鳴や絶対落ちた鉄塔に

    久世わわ

  • 数式にむかう子にふる雷鳴や

    玉 ゆこげん

  • 廃屋の小窓雷鳴に震える

    横山 稲

  • 雷や欄間の格子揺らす夜

    三日月なな子

  • 雷鳴にはたと気が付く腕時計

    今井佳香

  • 雷の一家総出やドドドドン

    王里かほる

  • 雷やみどりに髪を染める夜

    小林 万花

  • 老いし母携帯取り出す日雷

    佐藤誠溢

  • 遠雷や落し噺は佳境にて

    杉崎拙訓

  • 生きものとなるべき魂(たま)の雷の謎

    原貼女

  • 雷や当選内野五階席

    弘法小子

  • 雷去って都会たちまち乾きけり

    一 富丸

  • 雷に闇照らされし吾をみる

    室井双月

  • 地響きの雷抱きつき祖母にあざ

    華花開く

  • 遠雷や吾の頬沁みる父平手

    佐藤浩章

  • 雷の烈し明かりを消して部屋

    一春

  • 遠雷や話半ばで別れたり

    生田萩の

  • 雷鳴や花蝋燭と震えをり

    岩清水 彩香

  • 雷や長女の腕に仔の二人

    輝久

  • 山野駆く雷の匂ひを噛みしめて

    岡孝秀

  • 雷や逢ひたきものが地にゐたか

    佐竹紫円

  • 野良猫マオーマオー止まぬカミナリよ

    笹原あゆみ

  • 仲見世の雑蹴散らすや大き雷

    姉あね猫

  • 雷落つ再起動するモニタ暗転

    須賀川こけ子

  • 手を止めて次の雷待てる耳

    小夜灯子

  • 雷に熱気の渦や最寄り駅

    実本礼

  • 鈍色の遠雷燻る紫煙かな

    神酒猫

  • 雷や引つ越し先の古地図見に

    佐藤のばな

  • 雷鳴を聞きつつぬる目湯舟かな

    漆崎 明

  • 雷鳴や山際より来太鼓かな

    玉野素人

  • 雷やピッチャー代へるアナウンス

    山本修

  • 雷や天平の甍共鳴し

    小田毬藻

  • 雷は連鎖二番打者は連打

    花蜜伊ゆ

  • 遠雷や独り寝の夜貝になる

    紙谷杳子

  • 午後雷雨手首のピクリ眠りの児

    水浜義勇

  • お隣は更地になりぬはたた神

    胡桃ぼたん

  • 雷で義母と孫らが口喧嘩

    菜緒木モカ

  • 一頁雷一条を一句詠み

    境界子(マージナルマン)

  • 雷鳴や背に隠る妻頬染めし

    山口 笑骨

  • 泣きじゃくる稚児雷鳴は重なりて

    水野 寿香

  • 雷鳴や初徹夜してドリル解く

    住田 赤鈴

  • 取らるると雷恐れし母米寿

    照三平六

  • 雷鳴や小天体の突入音

    清 桜人

  • 雷を過ごし買い物カレーの具

    羽加羽生

  • 2人きり雷様がキューピット

    黒い炭酸水

  • 夢なのか深夜にひびく雷鳴か

    山広裕果

  • 雷やドラムのごと雨街叩く

    高橋順子

  • 雷神様心静かに日々思う

    西池咲希

  • 「あれは竜」雲間に踊る雷や

    佐々木四郎

  • 雷や明日の旅行は2年ぶり

    玉京子

  • 雷激しひとり夕餉を食ひにけり

    香川雅子

  • 遠方の海に雷我ひとり

    夏野星一

  • 雷近し傘持つ母を見つけたり

    向井 音彩

  • 雷や体育館の眠れぬ夜

    森野栞

  • 雷の去りて前より静かなる

    宮井そら

  • 雷が背を押してくれ一等賞

    一井かおり

  • 聞かされる愚痴より雷雨気になりて

    山川 一露

  • 閃光二拍雷鳴轟く

    佐藤 蜩

  • 雷や溜と返しの筆裁き

    沖 若永

  • 野外コンサート佳境かみなりの興奮

    笠原ちいすけ

  • 雷神は向かってひだり勇み足

    朱久瑠

  • 雷のみる夢深く夜を裂く

    水桜

  • 遠雷や栞挟んで夕支度

    月見里ふく

  • 我が家ならあら雷と笑いあえ

    希凛咲女

  • 雷やステンドグラス軋む声

    松尾 パッション

  • 列島を沈没させる雷雨かな

    山田健欄

  • 雷の踊る夜には何もせず

    岡本みい

  • 雷やホイッスル鳴る監視台

    山本八

  • 途切れ勝ち別れの会話雷激し

    春日野 次郎

  • 雨乞いや雷神ついに山の上

    金治宜子

  • 遠雷で終業気づく月曜日

    下地野雨

  • 鍵っ子の自由な孤独日雷

    根なし草

  • 地響きや雷神一歩また一歩

    花亭五味

  • 遠雷や再就職の返事決め

    松花遊子

  • 雷聞こゆ玉虫色の雲の奥

    三毛山タマ子

  • 雷に鼓動が気づく生きたいと

    寺岡はる

  • 雷鳴や吾子治る頃吾臥せる

    杉沢藍

  • 遠雷や怯える犬とニ死満塁

    紫月歪丸

  • 激雷とともに轟く母の声

    小川

  • 君の無事告げるメールや夜の雷

    真咲よしの

  • 静寂の不動明王はたた神

    崇拝

  • 雷や拳銃の音聞こえぬか

    三輪修平

  • やにわに書き出し雷先出し

    音乞

  • この匂い大和国中雷か

    須川えい

  • 雷や雨風連れてどこへゆく

    水野 孝

  • 遠雷やあと一投の魚釣り

    十四志

  • 雷と紅茶の湯気の小フーガ

    雨水 二三乃

  • 雷や明日の衣の色は白

    上中 未明

  • 雷や遠き故郷の在りどころ

    黒猫はなこ

  • 雷に追われ葉陰にコロボックル

    古見屋遊宇民

  • あさぼらけ雷落ちる無の時間 あさぼらけ雷落ちる無の時間

    新美ココア

  • 雷は思てるどこに落ちたろか

    円錐角膜

  • 遠雷や裂帛の間を乱拍子

    山崎三才

  • 雷鳴に越後の海は荒れぬべし

    森田 朴子

  • 落雷や田んぼの赤日々に増し

    手塚童好

  • 雷や会議資料の誤字二十

    月夜田 しー太

  • 雷落つる武蔵の杜の氷川さま

    浩子赤城おろし

  • 雷よ生涯の悔い我にあり

    慶華

  • 雷雲を喰らいて華厳の竜踊る

    城山 鷺

  • 雷の夜の静かよ子の寝息

    吉岡幸一

  • 雷来るこっちへと来るシャワー中

    佐藤けい

  • 雷の二度目を待ちつ餃子焼く

    沼沢さとみ

  • 轟音さり落雷の木に人だかり

    山桜昌子

  • 遠雷を聴くや見つめる掌

    佐藤朱子

  • 雷の迫り来るかな闇標

    雅由

  • 雷の居場所み・は・じで算出す

    水きんくⅡ

  • 雷に打たれし古木なお死せず

    神谷篝火

  • 夜の雷キャリーバッグとバスを待つ

    星鴉乃雪

  • 雷を話のネタに初出勤

    佐藤澄子

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