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初級者結果発表

2023年8月20日週の兼題

夜長

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

Howareyou?Ifinethankyouandyou?

Mark


枕抱き永久の一夜にしわが寄る

ちー


目にまつ毛取るにも邪魔な老眼鏡

ドン キホーテ


目を細めマウス手懐く夜鍋する

モジャンボ


夜中には八犬伝か南総へ

翠善


空眺め兎とびこむ月模様

M


闇の中居座る月は片隅に

あぽろ


月夜の日耳響きわたるひぐらしの声

いとうさん


スズムシや真っ暗闇に溶ける声

お豆腐屋さん


秋の夜睡眠時間に即課金

じゃむさんど


夕やけを深く染めてく藍色に

シロイルカ


おぼろ月夜に染まる星みえんかな

ホンデリング


虫の音がきこえる夜の稲穂かな

錦秋福


穂を眺め世を感じつつ眠る夜

坂之上 千代丸


月あびて髪なびかせる稲穂かな

消しゴムカバー


鈴虫の音色聞きたる夜深く

藤花


白Tにコーラ溢して泡ワワワ

ボイジャー


酒片手さやけき月と次へ逝く

まさのゴウ


とっぷりと暮れた時刻に秋刀魚の香

雨読人


去る夏と消える夏虫大根の青

猿飛ズッコケ


酌みかはすグラスやあかぬ十三夜

横辺理


草紅葉しずかにドライブねむる妻

三階松松田


夜明け前銀河の様な虫の声

小野崎楓


満月を正面に据えココア飲む

松本ばば


秋風に目覚めた街灯やや早い

草根かす


晩秋の旅の終わりか元気な夜

池ばーちゃま


ゆかた着て駆け出す子らに母の声

仲谷清夏


クルマ行きかう街路樹に虫時雨

湯高泰太郎


道端に掃除夫百日紅散る

桧かおる


黄昏に鈴虫鳴いて闇に暮れ

与田薫


お夜食やテレビスマホを見いたりと

流川楓


ああ夜食君の誘惑わたし全敗

髙橋かおり


子に送るおかずの味よし秋の夜

落合ペコ


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

今回の兼題は秋の季語「夜長」。兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。なかには英語の句も届いておりますが、残念ながら英語俳句はこちらでは扱っていないのです。いろんな投句先を探してみてくださいね。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、11月19日締切の「霜」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

夜長く冬の星まで手が届く


虫たちと夜長にひとりライブかな

SHON


秋の夜よふかしすれば夜長かな

あーね


スズムシも静かに佇む長き夜

エム


夜長にねすごく聞こえる虫の音

からあげ


くらい夜虫ひとり鳴きよる長き

ぎー


静寂の夜長に響く虫の声

きのこ


夜は長い、サイダー開けて、楽しもう

コーデリヤス


涼しきや月星光る夜長かな

そこらへんの中学生


リンリンと涼しさ感じる夜長かな

たんかい


静けさで夜長の間月きれい

バスケ少年


さっきからコオロギ鳴いてる夜長かな

ひき肉です


9月の日夜長に吹く風すずしきかな

広島県在住自宅警備員


眠るときすずしさもある夜長の日


お月様ながめてゆれる夜長だね


虫のこえ鳴り響く道夜長かな

中ねずみ


友達と月見て楽しむ夜長の日

無礼那葉


鈴虫が鳴り響く時夜長かな

野野々村 龍田郎


猛暑の夜長ビデオの中の押し

あーすススメ


演奏に夢中の虫や夢夜長

あいあい亭みけ子


虫たちの夜長の王国大宇宙

あみたひとみ


音符なき虫の演奏夜長かな

テディベア


虫の音が響く夜長は悠悠と

なないろ


罹患して身に沁みわたる夜長かな

宇佐美 秀堂


秋風や一人夜長の物思い

海 輝星


冷房を切れぬ夜長の涼しさよ

菅谷 たかす華


盆過ぎて夜長に侘ぶ母の笑顔

星雲


一人夜長のワンルーム芋食らう

星海


夜長月虫の音を連れしずみゆく

双生児のパパ


秋の夜親戚帰り夜長かな

相松 凛之介


風涼し虫鳴く時間コレ夜長

大江戸小紋


長き夜や明日は名月栗を剥く

大泉竹芳


秋夜長耳を澄ませば虫の音や

麻座輝貞


夏休み夢中でゲーム夜長かな

霧雨樂連


つまさきを秋がさわった長夜の縁側

連峰


夏の終わり蒸し暑いけど夜長し

綺音


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

知らずにうっかりの季重なりは新しい季語を覚えるチャンス!

今回特に多かった季重なりは「虫」。たった二音の言葉だし、虫は一年中いるし、まさか季語だと思わずに使っていた方も多かったのではないかと推察します。「虫」は秋に鳴く虫の総称として使われる立派な季語なのです。


季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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※今回の兼題「夜長」初級者投句欄へのご投句は、投句数4225句、投句人数1799人となりました。


以下の①②については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼①【秋の夜長】

夜過ぎて秋の夜長に読書する


踏切の電車過ぎ去り秋夜長

わきのっぽ


アイデアを秋の夜長に一捻り

雨 逸福


秋夜長カップヌードル罪の味

住吉陽介


秋夜長低音量のブラームス

布施 木啄


●ピックアップコメント:

「秋の夜長」というフレーズに聞き覚えはあるでしょうか。テレビやラジオなどでも聞く一般的な言い回しではありますが、俳句にそのまま使うと少し問題があります。「夜長」は単独で季語ですから、「秋の夜長」となると「秋」と「夜長」の季重なりになってしまうのです。

同じ関係は春の季語「うららか」でもよく見かけます。唱歌の影響か競走馬の影響か「春のうらら」「はるうらら」として使っているケースが多いです。俳句に詠み込む際には注意しておきましょう。


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▼②【類想】

長き夜一人でずっと映画見よ

J N


長き夜煌く星と夜語りを

Y.


夜更かしの液晶画面長き夜

あずまピチュー


夜長き日部屋に籠りて娯楽する

けら丸


未知の世界思い馳せる長き夜

ぱんだ


いつまでも長く続くよ夜長かな

フィッシュ


夜長には空見上げ飲む茶を一杯

ブックマークコンテスト


長い夜早く寝たいが課題する

ぷりきゅあ


長き夜そよかぜただよう孤独かな

ぷりん


部活動早めに終わる夜長かな

メロンソーダ


ダラダラと読書にふける夜長かな

ワンちゃん


夜長かな起床時間遅れていく

願幸運


ペンはしり夜長くるなり夢はしる

銀鮭


受験生ココアと共に夜長かな


夜長にはあの頃の夢思い出し

神無月


大会前寝れないままの夜長く

人面


考えて眠れぬ夜は夜長かな

百足


長き夜水面に映る孤独かな

和良比


長き夜や映画に体操ながら族

Ms. ちょこっと


眠たいな眠たいなもう夜長かな

NOWARもとみな


絵手紙に多くを託す夜長かな

PONホンダ


病室で過ごす夜長の明け遠し

Sみーすけ


朝起きてまだまだ暗い夜長かな

TT


えんえんと絵本読み聞かせる夜長

アガニョーク


長き夜の深夜ラジオに耳立てて

いちばほうすい 


長き夜や晩酌タイムの夫婦仲

いっちょうかみ(東條孝次〉


製氷の音また一つ夜長かな

いぬいぬい


夫が逝き吾の膝は猫夜長なり

エマーシャばあば


長き夜のミステリー今三冊目

オッドアイ


セピア色アルバム眺め夜長かな

かすみ草


母娘、主を偲んで夜長酒

きくち鯉麻


亡き猫を夢で抱きしめ夜長人

ごとう みょん


長き夜漢字のパズル辞書横に

さかい佳乃


入所した母を想う夜長かな

さくら 華


笑う吾子アルバムを繰る夜長かな

しろ


長き夜のひとり暮らしやジャズを聞く

すずき鈴花


夜長にてラインナップにコーヒーと

すずしず


長き夜にまた明日ねと本を閉じ

すずらんおチイ(上殿町から仲町へ)


つま先でコーヒーに菓子この夜長

そうさく すみれ


いろいろな顔浮かび来る夜長かな

だだちゃ豆


地の熱も冷めず読書の夜長かな

たま ふよう


眠れないラーメン茹でる夜長かな

ねこか花はっか


長き夜は読書し過ぎて目がかすむ

のろのろ爺


ユーチューブポケカにマンガ長き夜

ハチミー


煙草喫むベランダ夜長眠られぬ

パパガンマ


背もたれて読書三到夜長し

ビッグネット


亭主夜勤夜長のお供はYouTube

ぴょんばぁ


ミステリを閉じて欠伸の夜長かな

みかん成人


ゆっくりと夜長の会話酒すすむ

みちくさQ幸


遺されし文に君恋ふ夜長かな

みっちゃん


灯がともり逸る帰宅路夜長かな

ムシ・ミカミ


夜長かな定時帰宅で本三昧

やまもとまさこ


夜長かな塾より帰し子ひとり膳

ヨシよし子


長き夜届くメールにときめきて

愛ちゃん


酒酒と盃重ねしや夜長衆

愛犬ハニー


夜長にて誰そ想う時増していき

愛知ミト


切なくてネットサーフィンする夜長

渥美 さや香


ドラマ見る一人夜長に涙して

井上教


妻と犬寝てはゲエムの夜長かな

英公蒲


街の灯を眺む夜長や我一人

越野緩急車


明日休み酒とつまみで夜長かな

奥井宣風


寝て起きて又寝て起きて夜長かな

岡崎藍


新刊とティーカップ手に夜長かな

夏空なみ


庭集う猫鳴きやまぬ夜長かな

河一子


夜長とてスマホ片手に寝落ちする

海堂一花


本を読みあくびとするりと夜長猫

灰野夢二


耳鳴りの止まぬひとりの夜長かな

笠川香奈


長き夜の人恋しくてスマホ押す

岩橋夕紀


同じ本二度三度読む夜長かな

岩田文彦


故郷に想い寄せるか長き夜は

輝雲彩


ラノベ読みまだまだ続く夜長かな

鬼塚樹童


星かすめ飛行機のゆく夜長かな

鬼灯 タマ


登山宿露天につかる夜長かな

亀くみ


スマホからポロリ音出る夜長かな

吉田 ルイ


夜長には酒酌み交わし午前様

久米 海


長話まだまだ続く夜長かな

京 このん


老二人スローライフの夜長かな

玉治美


縁側で俳句練る錬る夜長かな

玉照


もう居らぬ愛猫の名を呼ぶ夜長

玉水


夜長やテスト前日の一夜漬け

欣喜雀躍


湯を沸かし子の帰りまつ夜長かな

琴乃にいは


静寂の心安らぐ夜長かな

栗まんじゅう


長き夜はまるゲームに猫が鳴く

君塚謙


二杯目の珈琲飲みて夜長人

慶華


長き夜や外湯めぐりの下駄の音

蛍草飛田


君想ひ独り手酌の夜長かな

古都酔仙


夜長には一気にポアロ耽読す

五葉 松子


失恋の涙溢れる長き夜

康寿


夜長は読書!スマホをスクロール

紅い靴


目が冴えて朝待ち遠し夜長かな

香取扇公


電車待ち日が暮れていく夜長かな

香田彩希


コロナ夫会話の夜長スマホにて

高伊あいす


延々と羊数ふる夜長かな

高橋せり花


買いだめのDVD減る我が夜長

高崎怪人


夜長の夜電話の会話家族愛

高崎孝雄


会話なき古き夫婦の夜長なる

高田むべ女


ファミレスに眠れぬ人らの夜長かな

高野妙介


ぽっつりとソファに一人居る夜長

高野綸子


目が覚めてスマホゲームで夜長かな

黒田美月


Switchオン今日もクエストの長き夜

佐々木四郎


三回忌静寂の夜長母偲ぶ

佐藤 蜩


長き夜に儚き母の骨壺や

佐藤キキヨウ


ラジオ聴き今宵寝落ちの夜長かな

佐藤香子


あれこれと思う夜長に観る食べる

彩李緑


夜長には猫とゴロンと転げてる

斎藤コロンのママ


長き夜ふと亡き夫にはなしかけ

坂本 節子


磁器婚式妻とLINEの夜長かな

坂本羊雲


寝不足を夜長のせいと言い聞かせ

桜餅草


熱戦に叫ぶ夜長のテレビ前

三宮香棆


夜長だともっと寂しい一人きり

三粂 二乙


うたた寝の覚めて短し夜長かな

三谷菫子


書に向かい頁進まぬ夜長妻

山口 笑骨


目覚めては枕時計に見る夜長

山口隠元


疲れた目夜長に思ふスマホかな

山太平


積読の山低くなり夜長かな

山田はつみ


チロチロと細き声する夜長かな

山田由紀子


街路灯早点灯し夜長かな

山本修


アルバムの想いを辿る夜長かな

山野 のりこ


一人旅夜長に想う父母の顔

司 蓮風


夜泣きとの我慢比べの夜長かな

嗣子孫々


ミステリーの次は歴史夜長の灯

紫檀豆蔵


白むまで手酌重ぬる夜長かな

寺ゆた


夜長かな携帯見ながら物思い

寺尾銀次


夜長の一人時間録り溜めたドラマ視聴

鹿哲里


スマホに君の声探す夜長かな

七星麦穂


長き夜たまりたまりし俳句読む

篠原 蝉秀


子は巣立ち閑かな寝屋の夜長かな

柴田一公丸


香焚きて経書き写す夜長かな

釈 弘円


悶々と寝返りをうつ夜長かな

手塚童好


長き夜はアルバムあてにひとり酒

酒井 癒香


家計簿の赤字に悩む夜長かな

秋山 治


一冊の本を楽しむ夜長かな

秋葉 翠


懐かしき学生時代恋う夜長

十八番屋さつき


風そろりごろりうたた寝夜長かな

淑貞


夜長にて目が冴えてきて寝酒飲む

春風浪漫


ウイスキー独り親しむ夜長かな

春木ともこ


逝きし子のアルバム拡ぐ夜長かな

勝瑞 陽


亡き母に電話かけたい夜長かな

小夏にこ


清張をめくる夜長のひとり酒

小原かおる


ため息を五秒夜長の露天風呂

小室雅俊


ひとり寝の娘想ひて長き夜

小田 凛空


旅立ちの支度する夜長かな

小田芙蓉子


手をとりて歩くも楽し夜長かな

小幡 宗滋


干からびた肴と空き瓶夜長かな

小暮修


手紙書く筆も止まらぬ夜長かな

小湊 八雲


旧友と馬齢かぞえる夜長かな

小野一箭


妻たてし寝息を数ふ夜長かな

小林さんぽ


老妻と行く末思う夜長かな

小林浦波


旅かえり妻と荷を解く夜長かな

松下瑠璃


長き夜の楽しみて詠む俳句かな

松本光由


スマホ見て夜長とともにスクロール

上四号庵


スマホでの俳句ざんまい夜長に

信行


お互いに無言のスマホ夜長かな

森の水車


ミステリー読破してなお夜長かな

森里綾里


長い夜見果てぬ明日の夢の中

森澤晋也


下校時の街灯点る夜長かな

神谷理風


待てど来ず夜長のスマホもてあます

須賀川こけ子


録り溜めたドラマで逃避の夜長かな

水晶兎


ピアノ弾き本読みビデオ観る夜長

水晶文旦


旅の宿ゆるりゆるりの夜長かな

水谷未佳


なき友と心で話す夜長かな

水野 孝


叔母逝きて鳴らぬスマホや夜の長し

水野 寿香


酒ちびり未読のLINE夜長かな

酔夏


ワイン手に時代小説夜長なり

菅野望月


足元に猫のじゃれつく夜長かな

星野碧


喧騒経つ珈琲のしずく待つ夜長

清水 木瓜


それぞれがそれぞれの部屋今日も夜長

西紫湖


カップ麺静かにすする夜長かな

西乃羊雲


いそいそと開く夜長の旅チラシ

青い手まっちゃん


スワリングふと手を止める夜長かな

青じろう


長き夜や本に溺れることもあり

青玄


スマホ見て望まぬ夜長寝ときたい

青風ヨシユキ


銘は知らぬワイン独りの夜長なり

石井 幸子 


長き夜や今日もワインの栓を抜く

石川潤子


静けさが心にしみる夜長かな

石川明世


続編焦がれ夜長の第一章

雪乃冬


断捨離のアルバム整理夜長かな

川名キリン


長き夜にナンプレ終える午前5時

奏紗柊英


最初の3ページ繰返す夜長

早朝おうか


夕食後ゲームばかりの夜長かな

相模 筑前


犯人の早く知りたき夜長かな

村上知季


積読の解消の日々夜長の吾

大ちはる


亡き父を偲び手酌の夜長かな

大家由美子


レコードと本と紅茶の夜長かな

大空りんむ


長き夜や戸棚の奥にカップ麺

大谷一鶴


棋譜句集夫婦無言の夜長かな

沢山葵


アレを待ち夜長食い入る画面かな

谷 卓生


長き夜響く工事の金属音

池田風貴


三四冊本読み進む夜長かな

竹内揚羽


リンリンと鳴く声の主調べる夜長

中岡 桂


もの思いさせぬ夜長のスマホかな

中山長風


夜長にも途中覚醒二度三度

中西雨露


寝転んで一冊読んで夜長かな

中川 鉄庵


長き夜をうたた寝猫に話しかけ

中村のりぴ


読みかけの洋書取り出す夜長かな

中藤古希


多事多用つかの間憩う夜長かな

中野福人


君想う夜長独りのコルトレーン

長嶺阿蘇


どうしても余命数える夜長かな

塚田柳糸


長き夜やメール途絶えし友の顔

低飛行


夕食を気忙しく食べ夜長かな

滴 


残業もドリップコーヒー夜長かな

徹光よし季


日が暮れて慣れない夜長落ち着かぬ

田園 日記


愛猫と妻を思慕する夜長かな

田舎太郎


思慕つのる夜長に母の針運ぶ

渡辺 みゆき


終わり無き推理小説夜長かな

渡辺 小豆


長き夜やグラス傾け遠夜景

渡邉志づ


横たわり只スマホを眺む物憂げな夜長

冬の雪兎


夜長人母を看取りし友もまた

冬藻翠花


歳時記をめくり居眠り長き夜

桃色弥生


百姓家の夕餉早まり長き夜に

藤原訓子


三冊も夜長に備え本買いて

藤村 一寿


机上の携帯は無音の夜長かな

南北亜西


砂時計カップ麺待つ夜長かな

楠十瀬子


夜長さやラジオ聞きつつ居眠りす

馬場馬子 


月を背に君と夜長の散歩道

白米もぐ太郎


長き夜やねじりはちまきカップ麺

薄安


長き夜にギターつま弾き子守唄

畑 あきあん


もういない幾千にも続く長い夜

畠山 保子


瞼閉じ秒針響く夜永かな

飛花 落葉


昔をば思い起こさす夜長酒

尾埜秀樹


夜長も短し韓流ドラマ沼

美んと


夜長し推理小説終わりまで

柊南


頻尿で目醒めて五回長き夜

浜のじじい


「もうすこし」ページをめくる夜長かな

武智浩


吾子たちのアルバム繰りて夜長かな

武田鳥渡仁


法師の湯天井見上げて一人で夜長

武藤ヨーグルト


草むらの声や静まる夜長かな

武本松明


受験生スマホが延びる夜長かな

風花


一人身の猫と語らう夜長かな

風来坊


部屋の隅ひとり夜長に息をする

平沢小歌


眠れずにラジオをつけて夜長かな

平本文


家事終へて自由時間の夜長かな

蜂 鳥子


寝返りと三度の目覚め嗚呼夜長

北の星


夜長白む街行く友去りし友

北野屋英雄


ホームズの事件解決読む夜長

蜜流


キンドルを開く夜長の嬉しさよ


長き夜やカード三昧もう一回

木下野風


隣家より笑ひ声聞く夜長かな

木村 木鶏


夜長思う早々灯る外灯を

野崎 文明


たむろするコンビニの前で夜長かな

野村すず


亡き母と語らい晩酌夜長かな

野本 ゆな


耳澄まし三重奏聞く夜長かな

野々原雀


ころころとしみじみ響くああ夜長

柳原甲賀


ほろ酔いで夜長に散歩の影ふたつ

愉来理あゆむ


積読の目方を減らす夜長かな

唯野 夢色


机上には本のタワー夜長かな

優音


長き夜にノクターン澄み渡りけり

柚木 啓


手にスマホソファーに堕ちる夜長夫

由凛


幾度目のドラマ見て越す長き夜

葉月緑正


製氷機ガタンと鳴りし夜長かな

陽介山


長き夜はバーボンちびり星瞬く

嵐菜


高熱の夜長スマホは充電切れ

藍時 湘


きらきらときら星の眺め夜長かな

立香


夜長です貴方と2人ゴロ寝する

立川夏子


煎じ茶をゆるり飲み干す夜長かな

粒の杏子


深夜便ついつい聞き入る夜長かな

涼風 蘭


たあいないチャット終わらぬ夜長かな

鈴木ピグモン桂香


長き夜のよもやま話母の影

蓮花


寝そびれて来し方思ふ夜長かな

喇叭鳥


妻が逝き一人静かな長き夜

徘徊志太郎


独寝の眠れぬ夜長に肌恋し

翔健


スマホ写真めくりて紅茶夜長かな

薔薇紫


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。「夜長」は文字通り「時間の長さ」が季語の本意に含まれています。今回最大の類想は「どう過ごしているか」という発想そのもの。具体的な物や行為だけではなく、より大きな括りでも類想は成立し得るわけですね。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


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