俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2023年8月20日週の兼題

夜長

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 田舎道欅の間から夜長の灯

    華花開く

  • 絵本からピノキオ歩きだす夜長

    山口葵生

  • モンローやついに夜長のひとピース

    小柳ジョージ

  • オペ室の灯りポツンと夜長かな

    神酒猫

  • 天井の木目数へる夜長かな

    佐藤夏みかんの亭主

  • 長き夜や二〇五ページ進む今日

    音葉りんきょう

  • 方々で集めし本や夜長くる

    小松谷 童鐘

  • 旧懐へ誘う夜長父の手記

    弓人

  • 長き夜に四コマ漫画取り出して

    今井佳香

  • 屋台の灯夜長の町を包みこむ

    森下 一夜茸

  • 謎解きの結末追し夜長の書

    奥田圭衣

  • 困りごと数えて里は夜の長き

    樹木のんのん

  • この酒に合う杯探す夜長かな

    伊東まる

  • こぼれゆく記憶ディケンズ読む夜長

    虎の尾

  • 広辞苑楽しみながら長夜かな

    朱久瑠

  • 吾が為にプラモ組みしや夜長人

    一休み

  • 池袋剥げたペディキュア長い夜

    雀浪乱

  • 長き夜を単位得んとて「赤と黒」

    山村柊五郎

  • 母のぐち引き際知らぬ夜長かな

    森脇レイ

  • クローズドサークルの館で夜長

    珊瑚霧

  • 長き夜体育座りのペシミスト

    岸あすみ

  • 優し子達なれどあなた恋ふ夜長

    松浦福女

  • 夜長し照る星座待つ双眼鏡

    酔丑

  • 部屋掃除終わらぬ地獄の夜長かな

    京野ののか

  • 柘植の櫛匂ひを残し夜長なり

    境界子

  • 長き夜止まり木賑わう亥の刻

    わすれ傘

  • レコードの回転早き夜長かな

    吉野 五福

  • 出羽の路芭蕉と巡る夜長かな

    犬人間陽子

  • 何しようなんか起きてる夜長かな

    山内串だんご

  • アルバムに見つける笑の長き夜

    佐々恵玉

  • 闇背負い道路工事の夜長かな

    山田季聴

  • 長き夜を疲れ知らずのハムスター

    水無月 八子

  • 圧延機壊れる長き夜始まる

    山崎三才

  • とことんに無限に向かふ夜長かな

    春の新々

  • 月も出て会話も進む夜長かな

    久世越仙

  • 手術後の持続点滴夜の長し

    加田紗智

  • 自動車の音のせつなき夜長かな

    井上於莵

  • お悔やみにかける言葉のなき夜長

    井上右彩

  • ちぎり絵の色決め迷う夜長かな

    ルージュ

  • 敗退の棋譜を並べる夜長かな

    森野瑞樹

  • 卓囲むツキの回らぬ夜長かな

    河野空童

  • 火曜日の私は孤独夜長かな

    松山まどけい

  • 長き夜やおひとりさまの四人席

    胡桃ぼたん

  • このままじや出せぬ手紙となる夜長

    姉あね猫

  • 刺繍糸揃えて夜長始まれり

    三富みつ葉

  • 押入れの読書灯呼ぶ夜長かな

    佳芯

  • 長き夜や老眼かけて切り絵切る

    黒猫団子

  • ラジオから夜長に刺さるサヨナラ打

    水戸定家

  • オーブンを冷ます夜長のマドレーヌ

    吉田豆鳩

  • 安酒を煽る夜長の海辺宿

    銀座2丁目創次郎

  • いま姉と見た火事で寝付けぬ夜長

    案山子@いつき組広ブロ俳句部

  • 豆の香や夜長に進む物語

    近藤星崖

  • 夜長の灯円周率を暗記する

    神ヤ飛ビ魚

  • 長き夜やあやす双子のあいらしさ

    久木 諷

  • チェロソナタひとり聴き入る夜長かな

    古谷芳明

  • 一人寝の夜長にかけるブルースよ

    植木照美

  • 長き夜作るも食うも一人きり

    月見里ふく

  • 自販機の釣銭切れや長き夜

    桑畑冬猫

  • 目が覚めて占いを見返す夜長妻

    をいなり

  • 老犬の夜泣きなだめる夜ぞ長き

    磯貝あさり

  • 胴上げを4Kで見る夜長かな

    岡崎梗舟

  • 長き夜アジトに向かう靴の音

    午睡眼鏡

  • 長き夜夫の寝息で吾子寝かす

    杉沢藍

  • 骨董の目利き話の夜長かな

    永井無々

  • 夜長には下宿の友の顔浮かぶ

    柴田あやめ

  • 長き夜母に聴かせる赤とんぼ

    桜木レイ

  • 「よく眠れるヨガ」更年期の夜長

    神田ピールリ

  • 手をつなごう夜長を永遠にする魔法

    高重安眠

  • 寂聴の法話聞き入る夜長かな

    四季風吹子

  • 「ごめんね」と言った返信待つ夜長

    橋野虎空

  • ダイブせり道頓堀をゆく夜長

    貴田雄介

  • マジックの減るを楽しむ夜長かな

    下地野雨

  • 通帳であおぐ夜長のわかき妻

    小林一弓

  • 三次会歩く夜長のアーケード

    市川こけもも

  • 夜長あり葉書の黄染み昭和の印

    若狭

  • 夢十夜めくり終えたる夜長かな

    吾孫子彦丸

  • 民宿の襖一枚夜長かな

    三重ノ海

  • くちづけの頃合い探る夜長かな

    夏目あかり

  • 自家製の金山寺味噌夜長衆

    近江菫花

  • 長き夜や父の形見の腕時計

    十四志

  • 空の高さを思い出す夜長にて

    水桜

  • 湯上りにマーラーを聴く夜長かな

    森器

  • 夜長のアイロンいつもより丁寧

    原田芝音

  • マネキンの瞳の動く夜長かな

    三泊みなと

  • かやの内影絵の契り夜長にて

    松瀬章章

  • 刺しゅう糸白から合わせ夜長かな

    影山 明日香

  • 長き夜に迷う自販機赤と青

    森上 準一

  • 日めくりの厚さを測る夜長かな

    安武絹紬

  • 戸籍簿に「安政」の文字夜長かな

    松本ひとみん

  • 長き夜や父の病床日記よむ

    紅さやか

  • 沈香のかぐはし物思ふ夜長

    居之 橙

  • 定時制交わすラインの夜長かな

    小沢Kaz

  • ぬくもりに満たされている夜長かな

    森野翔

  • 長き夜鍋ガシュガシュと磨きをり

    栗花落カナヲ

  • 骨つぼが動いた気する夜長かな

    上村縷々

  • 今は亡き昭和の街恋ふ夜長かな

    神津草茶

  • 転がりて銚子三本夜長かな

    山本八

  • 分からぬと答えて黙る夜長かな

    山本美奈友

  • カラマーゾフ夜長に戻すページかな

    縞子勾苑

  • 音を消しギター奏でる夜長かな

    取渕靖志

  • 長き夜や庭の茂みにホース

    周防 さら

  • ぐずる子の足熱きまま夜長抱く

    横ちゃん

  • もう君に言いたいことはない夜長

    小迫さこ

  • 母の道ほし数増えて長き夜

    垣我実

  • 静けさや凪も驚く長き夜

    空飛ぶミートボール

  • 仏壇に愚痴連ねたる夜長かな

    下田せつちゃん

  • 神社からカラオケ合戦夜長かな

    安曇野くーみん

  • 寝息より小さくページ繰る夜長

    菅勇希

  • 母の愚痴つまみ揃えて聞く夜長

    一輪 奏

  • シニア犬徘徊終わらぬ夜長かな

    銀街ゆきひら

  • 元カレを検索している夜長かな

    黒瀬三保緑

  • 長き夜や勘定合わぬレジスター

    季々諧々

  • 聴き取れぬ中国語聞く夜の長し

    高田多寡太

  • 読みかけを枕に代える夜長かな

    五十嵐 驟雨

  • 遠吠えを耳に太宰を読む夜長

    郁松 松ちゃん

  • 老犬の寝息確かむ長夜かな

    海老 あまびゑ

  • 小さき腹天向け手埋め寝子と夜長

    昆布和布蕪

  • 長き夜や革靴の黒の光るまで

    高木ひーちゃん

  • 浜の夜長やねんねこの遠き日を

    荒木ゆうな

  • 退職し歴史書めくる夜長かな

    古牡丹

  • 引っ越しのもらい菓子食ふ夜長かな

    月山牧風

  • 夜長かな転職の為の作戦

    榛 傘子

  • 我と家一緒に老いて夜長なり

    山元ひかる

  • 独り居の床磨きたる夜長かな

    小原実穂

  • 長き夜半世紀ぶり髭の友

    松の本の 芭蕉

  • 長き夜や出がらしお茶を三杯目

    山口ひろりん

  • 静けさを煮詰めて甘し夜長かな

    灰心

  • いつの間のあごの涙や長き夜

    紫月歪丸

  • 子等は去り月に顔ある夜長かな

    古舘粋狂

  • アルバムに過ぎた青春ああ夜長

    伊予吟会 重松栄翔

  • 窓開けて二の腕ひやり夜長かな

    古寺 憲子

  • 長き夜へ老眼鏡とあぶりいか

    岡本のん

  • ひつそりとをみなになりし夜長かな

    ワタナベタイガ

  • 涙目で独り夜長にバット振る

    華生華名

  • ヨガマット丸めたままの夜長かな

    小野小マーチ

  • 自画像の絵筆休むる夜長かな

    今琳

  • 蟠りほどけはじめる夜長かな

    山下こけ女

  • 妻横に語る事無き夜長かな

    永峯星雲

  • 懐メロのメドレーセピア色の夜長

    岡田道一

  • ゴム編みをもう一区切り夜長かな

    小塚ちか丸

  • 夜長の河川敷草焼きの臭い

    海原ようざん

  • 隣人の気配たしかの夜長かな

    守 菜月

  • 長き夜心に沁みる高瀬舟

    栄音

  • 鍵落とし車中泊する夜長かな

    新城 三九

  • マグカップふと重くなる夜長かな

    新谷桜子

  • 長き夜黒馬車走る罪の音

    春の風花

  • 何度目の注ぎ足しか夜長の猫の水皿へ

    古賀鈴奈

  • 夜長ゆえ夢は三本立てになり

    坂槻みちる

  • いかがせむ素腹も呻くああ夜長

    高瀬小唄

  • 筋トレの脚へ風来る夜長かな

    山埜白熊

  • 電気つけ夜長を独り家族フォト

    嬉居

  • 燐棟に救急車来る夜長かな

    喜与

  • 生命線短き手相夜長かな

    高尾 草風

  • 節電の夜長の家鳴り姦しく

    山樫梢

  • 病室の機械が響く夜長かな

    京都さくら

  • 長き夜や火星移住の決を採る

    空地ヶ有

  • 母逝きて夜の長さをもて余す

    香西敏子

  • まぁいいか石けり散歩した夜長

    水引草

  • 小さきこと大きくなりし夜長かな

    芝野浅次郎

  • 夜長して千夜一夜の長きかな

    海野優

  • Gペンをまた変へてゐる夜長かな

    小林脱太郎

  • 肉じゃがの湯気ハッキリと夜長かな

    響楽境

  • AIと語らう夜長青白し

    菜活

  • 世界地図壁に眺める夜長かな

    小花風美子

  • 救急車の音貫きし夜長也

    住田 赤鈴

  • 床ずれの背当て直して夜長かな

    阿波のコスモス

  • 琴線の跡また重ね夜は長し

    国産 ぱいん

  • まずショパン寝転び猫と聴く夜長

    月夜田 しー太

  • 時計回りに混ぜる夜長の蜂蜜紅茶

    久野 しろ

  • 炊き込みに迷う一人の夜長かな

    羽加羽生

  • 余生なほ命短し夜長し

    鯨之

  • 君の声昨日と違う夜長かな

    横須賀うらが

  • 父酔うて陽気な夜長犬抱きて

    一井かおり

  • できることの減ってゆく母夜長かな

    井上鈴野

  • 長き夜グリム童話とビスケット

    近藤和草

  • 夜長なからしくもないぜ哲学す

    近未来

  • 夜長について考える夜長かな

    久慈川九

  • コンベヤの揺るる夜長の輪廻かな

    鷺沼くぬぎ

  • アメリカ式針の残像夜長かな

    佐竹紫円

  • 連絡帳長くなりゆく夜長かな

    小田嶋隅雀

  • ご無沙汰を夜長に綴るペンの音

    水浜ギコ(俳号変えました)

  • 夜長し母に習いしこぎん刺す

    渓翠

  • 志ん生は五十回忌や長き夜

    河地 草芝

  • 海鳴りとラジオ講座の夜長かな

    小田毬藻

  • 長き夜ピンポンマムのみ我がそばに

    丸岡彩映

  • 無水鍋カレー仕込むる夜長かな

    沖 若永

  • 遅延して待合室の夜長かな

    松山女

  • 作り置く総菜仕込む夜長かな

    一谷いちにょ

  • タクト振り指揮者成りきる夜長かな

    愛生園風来坊

  • 街灯消え二等船室夜長かな

    小路愛生

  • 青白き星のさざめく長夜かな

    原口青猫

  • 長き夜を過ごした祖父の袖時計

    遠澤人麻呂

  • 石垣の高さ見上げる夜長かな

    空色種子

  • 鍵穴の薄暮て夜長の初め

    原貼女

  • 長き夜青春歌謡に満たされて

    山清

  • 長編の枕許さぬ夜長かな

    佐藤夏みかん

  • 夜長かな覗く鏡に白髪嗚呼

    朱胡江

  • 授乳ライト消して夜長に食らう飯

    輝野々

  • 母小豆剥く一粒づつ溜まる夜長

    高石蓬莱

  • 短冊を買うて夜長に備へけり

    下島の鬼

  • 長き夜を計る水面の光かな

    渥美一弥

  • 古地理図のイアペトゥス海閉ぢ夜長

    安芸路 虎魚

  • 隣からギタープルタブ引く夜長

    十月小萩

  • ソロ弾きのフレーズ作る夜長かな

    岩岳太郎

  • 海へだてネオンあふれる夜長かな

    侍真満陽陰

  • 星見ればひとり夜長の酒尽きぬ

    宮原渓秀

  • 夜長なり添い寝の犬のたもとほり

    丸山耄碌爺

  • 閃きはぼうっとする時善き夜長

    四葉の苦労婆

  • 子らのこと妻と語らう夜長かな

    岩佐勝弘

  • 穏やかに夜長を乾く漆かな

    花亭五味

  • 餌やりしおしゃぶり直す夜長かな

    神宮くみち

  • 過ぎし日をたどる夜長のシンフォニー

    岡本みい

  • 髪束ね小説家気取りの夜長

    新井ハニワ

  • 懐かしのアニメ一気見せし夜長

    火星ラジオ

  • 鈍色の爪化粧眠れぬ夜長

    小笠原 くう

  • 布を刺す音溜まりゆく夜長かな

    吉沢樰

  • 長き夜の本の扉は世界地図

    小野陽笑

  • 足つりて何度も起きし長き夜

    久世わわ

  • 夜長の湯文字が溶け出て窓の月

    佐宮静

  • 夜長よりクロスワードの思考法

    小林衆馬

  • 夜長には何度も食べる夜泣き蕎麦

    夏川涼

  • 「〆切はハワイ時刻で」と乞う夜長

    伊呂八 久宇

  • チャルメラの音に惹かれる夜長かな

    原 南山

  • 長き夜やおねしょが病気になる時代

    加塚東隆

  • 愛犬と命比べる夜長かな

    上中未明

  • 文庫でも重き長編夜長かな

    森野栞

  • また一人店を離れる夜長かな

    古川一光

  • 往来を空き缶転ぶ夜長かな

    遠山貴弘

  • 言い訳を受けとめる人のいる夜長

    希凛咲女

  • 長き夜ちあきの歌をリクエスト

    塾志

  • 長き夜の食事早くおなかすく

    海原

  • 一筆箋埋まらぬ我の夜長かな

    金子あや女

  • しんと闇痛し眠れぬ夜長かな

    宇都宮ちぃち

  • 長き夜田舎暮らしの一日目

    夏藤涼太

  • 海賊の映画に船を漕ぐ夜長

    笹ノ弓

  • 良い人になりたく思う夜長かな

    雨水二三乃

  • 話し声耳くすぶりて長き夜

    宇都宮ミドリ

  • 静けさに冷蔵庫だけ鳴る夜長

    寺尾向日葵

  • 電灯の唸りを聴きしあの夜長

    三毛山タマ子

  • 長き夜や夢の続きは夜明けまで

    岡孝秀

  • 来年の絵の構想を練る夜長

    三毛保知

  • 隣国のラジオ聞こゆる夜長かな

    蝦夷やなぎ

  • 百年の長き夜をへて知恵くらべ

    山桜昌子

  • 二人なる夜長の始め夕餉かな

    恵みの雨

  • ノクターン聴きつつ夜長楽しめり

    佐藤けい

  • トラブルの長き夜を終え家路着く

    苅桜守

  • 炊きたての飯を冷凍して夜長

    真咲よしの

  • 長き夜の日記帳食うシュレッダー

    根なし草

  • 長き夜心彷徨うハイボール

    花風鈴

  • 独り身の気儘に飽きて夜長し

    神無月みと

  • 湯はぬるめ三煎目つぐ夜長かな

    井口けろよん

  • 触れもせず夜長にきみの薫り帰す

    権田童よしこ

  • 長き夜暗き空は雨催い

    稲城蒼海

  • 朝刊の選句読み切る夜長かな

    郷舞道

  • グーグルで古墳巡りの夜長かな

    加藤万理乃

  • 夜長なる琵琶は平家を偲ぶらむ

    小林乏硯

  • 2本目のエンドロールと長き夜

    山川 一露

  • 読みいろいろ捜す漢字の夜長かな

    児玉すず子

  • しゆつと糸ほどく着物の夜長かな

    岡田論子

  • 親は床手酌とテレビ夜長かな

    宮下

  • 積分の解見つからぬ夜長かな

    小野寺 余伴

  • 文庫本片手に旅の夜長かな

    黒猫かずこ

  • 次はこれ絵本積もりし夜長かな

    干天の慈雨

  • シェエラザード夜長を辿る全楽章

    光顕

  • 度の合わぬ眼鏡に慣れて夜長かな

    伊達紫檀

  • 書きやすしおまけのペンの夜長かな

    浦野米花瑠

  • 夜長かなガーデンチエアの座の窪み

    松原白士

  • 夜長さて歳時記6B肥後守

    遠藤 千草

  • インボイス導入し難し夜長かな

    花岡貝鈴

  • 野天の湯星の数だけ夜長かな

    松尾なおゆき

  • 前髪をそろえて余る夜長かな

    笑田まき

  • 星と星線で繋ぎたい夜長かな

    織 紫子

  • 帰らぬと泣く子は知らぬ夜長かな

    佐藤ミチカ

  • 夜長かな鯖缶一つ我夢ゆたり

    永松佳奈子

  • ミステリーの小説はまる夜長かな

    下村ヒジリ

  • 涙散らして星にする夜長かな

    春風京桜

  • たらちねの母としりとり夜長かな

    月最中 松本

  • 漆黒のネイル纏はむ長き夜

    坂めぐみ

  • 長き夜や礼服平服詰め急ぐ

    阿々八十六

  • 数独の魔術にはまる夜長かな

    下田あらた

  • アクリル喫煙所もくもくと夜長

    松和み

  • 長き夜にレシピ伝承書き写し

    桜華姫

  • 亡き友の年を数える夜長かな

    紗藍 愛

  • あて欠かず夜長かみしめちびりちび

    玉川 緑風

  • 古希過ぎて自分史たどる夜長かな

    阿蘇の乙女

  • 亡き父の好物を炊く夜長かな

    守屋 淨久

  • 長き夜定点カメラ音はなし

    紫雲蒼月

  • 家猫と探り合いなど夜長かな

    松花遊子

  • 長き夜や父の自伝に未知の父

    佐倉英華 

  • 君と見たライブひとりの夜長かな

    笠谷タカコ

  • 着ぬままのブラウスしまふ夜長かな

    松本くらり

  • 長き夜や犬の吐息のあたたかく

    瑞々

  • 七色の折鶴繋ぐ夜長かな

    春蘭素心

  • まず膝に治療器当てる夜長人

    永井うた女

  • 仏壇の花のはらりと落つ夜長

    叶真茶子

  • 昭和の薀蓄古酒の夜長

    熊手の父

  • 意のままに心の鎧脱ぐ夜長

    水城みずき

  • ぬか床の塩加減みる夜長かな

    山上文月

  • 同じ曲リフレインする夜長かな

    柑たちばな

  • 餓うという文字繰り返し書く夜長

    浦見 若菜

  • 食卓で進路聞かさる夜長かな

    小泉茅比路

  • おほてらのはしらねむれぬよながかな

    弘法小子

  • 夜長の灯訃報の葉書そのままに

    小 日音

  • つくづくと鏡眺むる夜長かな

    高橋ひろみこ

  • B面に針置く夜長星あかり

    咲 まこ

  • 豆球の夜長のひとり献杯す

    森茉那

  • 復学を決めた夜長に劇中歌

    手島オルカ

  • ひとり身の夜長の伴の弾き語り

    永井敞

  • 負けし棋譜駒並べゆく夜長哉

    蒲 公英

  • Aボタン強くマリオ落ちゆく夜長

    若林かな

  • 長き夜や午前三時の総着替え

    井上れんげ

  • 問われてる問いが分からぬ夜長かな

    永山由紀子

  • 封じ手の先を読み切る夜長哉

    ロミ

  • ウィスキーを洋書にこぼす夜長かな

    十津川ポロ

  • 絵の中の妻と語らう夜長かな

    神谷史記

  • 長き夜やドアからもれるフラメンコ

    紙谷杳子

  • 一文字の解けぬ夜長のミステリー

    笹原あゆみ

  • 長き夜タイを緩める仕草好き

    彩香

  • 夜の長さを何度も味わえる河畔宿

    山口鳩子

  • この夜長遠き列車の響きおり

    吹田よしよし

  • 長き夜や海苔も炙れぬIH

    広ブロ&新蕎麦@摂田屋酵道

  • 将棋指すキンと響ける夜長かな

    小春風 幸

  • 長き夜作り作りて常備菜

    秋の桜光

  • 今はただ安息願う夜長かな

    郷角 四葉

  • 長き夜ベープ羽虫と小競り合い

    五月雨

  • 諍いに夜長に呷るコップ酒

    佐藤俊

  • 雁首のかんと響いて夜長かな

    小林土璃

  • 点滴を数へ静寂の夜長かな

    佐藤恒治

  • 泣くまいと気丈の我に夜長かな

    珠桜女絢未来

  • 長き夜仏壇にチョコおわします

    阿部油

  • 夜長し目覚めて外の静かなる

    詠野孔球

  • 静けさを擬音十まで長き夜や

    井上たとぅや

  • 辞めよかな夜長の果ての一人飯

    桂 歩

  • 缶蹴り後ランドセル揺らす夜長かな

    群馬爽走

  • 長い夜ポルトガル語の下調べ

    玉 ゆこげん

  • 読みたしと思う書もなき夜長かな

    秋野 麗

  • 夜長かなチェスに嵌りて時忘れ

    薩克期風

  • 沸かし湯の追い焚き長し夜長なり

    菅野あっこ

  • 手に取りてうつら夜長の徒然草

    渋谷桐峰

  • 卓上のジャック横向く夜長かな

    丸 なちか

  • 長き夜に震え触れる手暖かし

    自世 諦

  • 長き夜昭和演歌を懐かしむ

    薩摩南風

  • 「もう無理」の独白夜長の床

    斯波 子庭

  • 長き夜未だ揃わぬ笛太鼓

    加藤理恵子

  • 登校拒否の吾子日曜の夜長

    円谷琢人

  • 伸びる影両手広げて待つ夜長

    九温

  • 夜長の公園三百本とるリバウンド

    椅籠もっと

  • 爆睡に夜長もなにも無関係

    小林弥生

  • 千一夜空飛ぶじゅうたんの夜長

    小林 よひら

  • 5歳児が紙芝居読む夜長かな

    高倉理浩

  • かぎ針を選りて夜長の模様編み

    茨城 つく婆あ

  • 隣室に辞書めくる音長き夜

    環柚色

  • 夜長にてネット通販アンケート

    志きの香凛

  • カップ麺すする夜長の遠心機

    空エリカ

  • 長き夜に「きぼう」を探す遠き宇宙

    上山凡仁

  • どこからかショパンのピアノ夜長かな

    春めだか

  • 検査食は白グレイな夜は長し

    戸村友美

  • 吾子の手が温きになりし夜長かな

    漆崎 明

  • 夜は長し桜の戦士を応援し

    一春

  • 墨を磨る他は無音の夜長かな

    伊能幸穂

  • キー叩く生涯学習夜長かな

    三家端

  • 夜長には『断腸亭日乗』が好い

    三角山子

  • 長き夜ぞ父の遺品に知らぬ女

    歯科衛生子

  • 遠汽笛栞をはさむ夜長かな

    高津春駒

  • 読みさしにレシートはさむ長夜かな

    国谷 円

  • 恋に落ち夜長に心ここにあらず

    咲さこ

  • 長き夜やネオンに見えぬ星座観て

    森島 蓮根

  • 野球の子素振りはじめる夜長かな

    れい

  • どの窓も夜長の明かり灯りけり

    笹倉沙希

  • 奥木曾の古宿手酌の酒夜長

    上池がしお

  • 金曜日帰路にて気づく夜長かな

    住吉すいか

  • 今日の事インコと話す夜長かな

    案山子の鹿か

  • スイスの星空ベッドに沈む夜長

    照三平六

  • 罪と罰独り夜長の読書する

    今乃武椪

  • カンロ飴舌にあそばす夜長かな

    英 香朗庵

  • 洋画二本仕事休みの夜長かな

    山口百太郎

  • 錯覚の消失点を長き夜

    蝦夷野ごうがしゃ

  • ベランダで歯でも磨こか夜長にて

    岩本じゅんじゅ

  • 夫寝てひとりチャンネル夜長かな

    神戸 美優

  • 夜長の灯首に氷嚢朝を待つ

    雅 寝子

  • 妹と喧嘩した日の夜長し

    深空汐音

  • 通学路背徳の飢え夜長漕ぎし

    江ノ島泰成

  • 焼菓子の金色肥沃なる夜長

    玉家屋

  • 宿坊の雨音濁らざる夜長

    喜祝音

  • 富士見酒味わい尽くす夜長かな

    伊豆大黒

  • 病棟より臨むネオンや夜長し

    金治宜子

  • 長き夜を揺らす琥珀の香りたつ

    佐藤白行

  • 長き夜時計眺めつ本を置き

    河内のまさやん

  • 長き夜や短波ラジオのキュウィーシュウィン

    円錐角膜

  • 夜長に厭きず星座の光楽しむ

    朽木 碧

  • 犬じゃれし毛玉ほぐしの夜長かな

    高橋昂昉

  • 長き夜ずらした眼鏡で糸通す

    山広裕果

  • 外に出て脇に猫いて夜長かな

    遠藤倫

  • 昼疲れ夜長人の屋友きょうの楽声

    九鈴

  • 夜長の灯あくびと共にうるみたり

    杉田ひらさこ

  • バスタブは夜長吸い込んでひとり

    河野佑芽

  • 猫に邪魔され脳トレいそしむ夜長かな

    集 真藍

  • 乱取りの気合いが響く夜長かな

    新太子

  • 爪を切るのろひ解けたる長き夜

    笹 靖子

  • 人逝くと知らせて来たる夜長かな

    久間 いたる

  • 家族寝て主婦を忘れてゐる夜長

    宮井そら

  • 巻線香焚きて経読む夜長かな

    岸 れん

  • 長き夜戸外の奏に投げ銭す

    佐藤朱子

  • 琴の音と美酒嗜む夜長かな

    菊桜翔蘭

  • 子守歌がわりのタンゴ聴く夜長

    ルーミイ

  • 自主映画ダルマ片手に見た夜長

    神島六男

  • 海鳴りの止まぬ夜長に鵺は鳴き

    城山 鷺

  • 介護ベルもう何遍の夜長かな

    一石 劣

  • 夜長なり同窓会の返事打つ

    海風ももみ

  • 長き夜や酒のお湯割り濃くなりて

    逢花菜子

  • 亡き父のルーツ辿りし夜長かな

    安田 風花

  • 縄なふを倦まずみておる夜長かな

    舟端玉

  • 長き夜やイーハトーブの風楽し

    勝本熊童子

  • 必需品仕分け込み合う長い夜

    小島純情

  • 練習曲つっかえつっかえの夜長かな

    河島はるちゃん

  • ご無沙汰の日記をつけり夜長かな

    秋田俳楽

  • 夜は長し繰る手進まぬ哲学書

    神崎園子

  • 長き夜にHOT一息きな粉ラテ

    小薗紀彦

  • 鍵音の街灯いまだ夜長かな

    佐伯仙明

  • やや早く吾に沈潜す夜長かな

    松元春苑

  • 嬰児をマスクつけ抱く夜長かな

    高辺知子

  • 升に筆爪痕五つ夜長かな

    桜よし榮

  • ドリップの泡の音沁む夜長かな

    華ことり

  • 里帰り酒と肴の夜長かな

    山乃 草花

  • 夜長飲む茶の湯の音は静かなり

    山月 無辺

  • 日時計がゆっくり休む夜長かな

    高々飛々

  • 長き夜を流行り病で寝苦しく

    菅原レオン

  • 夜は長く冥途の父が訪ね来る

    加藤水玉

  • とりあえずカシスソーダの夜長かな

    花宮光

  • 傾いてた友が寄り合い長夜酒

    鬼石 祥子

  • 悪友の噂話と夜長かな

    越後縮緬

  • もう少し生きてよ猫を抱く夜長

    井上まゆ

  • 長き夜雨音は第二楽章

    紫陽花の父

  • 夜長妻ミシンの音と小悪魔と

    雁梛

  • 長き夜二人消灯四人部屋

    古賀衝童

  • ひとつ灯にありて夜長の二人かな

    山本つくし

  • 妻の愚痴聞くとはなしに夜長かな

    後藤方丈

  • 君の名をノートの隅に書く夜長

    向井 音彩

  • 弾き語りの「少年時代」夜長かな

    春菜理央

  • 初孫の何度も笑ふ夜長かな

    故里恋心

  • 咽喉の痛み激しき夜長かな

    原颯太

  • 長き夜や句集を閉じてナツメ球

    慈夢りん

  • 長き夜や隣家の時報やや遅れ

    四季

  • あす帰国家族で語らう夜長かな

    橘 春香子

  • 君想う筆も惑わぬ夜長かな

    治爺

  • お供えの大福食す夜長かな

    花とわこ

  • 側臥位の心臓畳打つ夜長

    松井 檸檬

  • 五分五分の手術同意し夜長かな

    綾瀬 康子

  • 壺の影物語めく夜長かな

    上田 薫

  • 二杯目の水割り震ふ夜長かな

    越乃杏

  • らく超朝のCD聞くや夜の長さ

    山薔薇

  • 長き夜つま弾く音色闇に溶け

    春野たんぽぽ

  • 文字を追う今は昔の夜長かな

    春野桜草

  • 車座の皆黙り込む長夜かな

    井上のら

  • 喪の家に人多くして夜長かな

    小田緑萌

  • 包帯を解きて巻き直せど夜長

    遠藤玲奈

  • 異国へと子は旅立ちて夜長妻

    紗凡

  • 買いたての本ふと香る夜長かな

    偽蕪村

  • 長き夜分け合う人のなきラーメン

    広島立葵

  • 二の腕にキスをしてみる夜長かな

    女の若生

  • 本持つと耳鳴り響く夜長かな

    今村 芳雪

  • 夜長し明日の悪戯あれこれと

    阿部 晴子

  • 夜長には星々語る夢の中

    影夢者亜

  • 長き夜の常より長き日記かな

    永山シャンシャン

  • 腹叩く胎児の夢や夜長し

    横堀 鯉桜

  • ほっくりと根菜を煮る夜長かな

    岡田瑛琳

  • 長き夜の書を持て余すカップ酒

    家古谷 硯翠

  • 赤電話10円積んだ夜長かな

    岸壁の龍崎爺

  • 夜長し何周目かのバイク音

    曲遊ふくげ

  • 壁隔て二人の夜長ひとりひとり

    薫子

  • ため息よ寝息に変ぜよ夜長にて

    佐藤根 雪華

  • 送信を押しかねている夜長かな

    佐藤澄子

  • 夜長には万歩計さげ河川敷

    三杏樹

  • 後悔もやや鎮まれり長夜にて

    山田ノゾミ子

  • ドリトル先生並べ直して夜長かな

    水きんくⅡ

  • 一行を何度もなぞる夜長し

    三日月今日子

  • 夜長にはトランプタワー見つめをり

    実本礼

  • 夢旅路時差に疲れし夜長かな

    加野余生楽しむ

  • 還暦の手を眺めいる夜長かな

    真心素秋

  • 出勤の増えゆく星や夜長知る

    孝崎有辺

  • 甥っ子の飛車は斜めに飛び夜長

    植田 三八

  • 野球延長(の)び夫居座る夜長かな

    山本明爽

  • 夜長だぞ受賞作品読みまくれ

    菜園ベジタベル

  • 五合を独り呑みきる夜長かな

    山猫宇一

  • 長き夜揚げたてまさる妻の味

    崇拝

  • 回路図に半田の匂い夜長かな

    岡 里詩

  • スマホ持つ手のみ明るし夜長かな

    山路ゆか

  • 葡萄屋はジャムをくつくつ夜長かな

    市村 琳音

  • フエラムネすぼめて細く夜長かな

    吉河好

  • 長夜のトランプ遺影の父笑う

    種月 いつか

  • 旅先の夜長の窓の外の音

    久志fromJAPAN

  • 子の刻の明り眩しき夜長かな

    芝滋

  • 感染しうなされ快気を待つ夜長

    月水

  • 似たような話愉しき夜長かな

    官能姉妹

  • 返事止み独り言へとなる夜長

    四王司

  • 刺繍目を数え夜長のはじまれり

    春野鈴菜

  • 子のくれし写真幾度も見る夜長

    神宮寺るい

  • コニャックとバッハのありて良き夜長

    高原徒然想

  • 受話器置くきっかけつかめぬ夜長かな

    山野もも

  • なら今日はうどんにしよう長き夜

    森塚千明

  • コロナ過ぎ出張増えて夜長妻

    新井 紫麻

  • 歳時記の新季語さがす夜長かな

    山田絢爛

  • 打ち直し下書き保存して夜長

    吉田行朋

  • 母老いてまた呼び鈴の夜長かな

    永田みゆき

  • 出張の荷解き無言長き夜

    研亭

  • 終電の過ぎし駅舎の夜長かな

    月奈利

  • 大の字の群星見せし父の夜長

    井植桔梗花

  • 清張をまた読み返す夜長かな

    上野蕗人

  • 弔問の客の途絶えた夜長かな

    寄り道

  • 将棋指し蕎麦休憩の夜長かな

    吉岡幸一

  • 深夜便闇と楽しむ夜長かな

    久生

  • 天井に「ひとり」と言ってみる夜長

    三谷あいこ

  • 愛猫の回復祈る夜長の点滴

    金子恵

  • お香焚き心静まる夜長かな

    数哩

  • ひと棹の断捨離すすむ夜長かな

    玉京子

  • 絵筆換え裸婦と相対せる夜長

    神戸の老寺士

  • 鉛筆に吾子の名のこる長き夜

    坂田雪華

  • 君の睫毛を幾度と数ふ夜長

    恵猫

  • リモコンの電池の切れた夜長かな

    山田はち

  • レコードのゆらぎ頁めくる長夜

    吉見小鈴

  • 夜長とて字あまり字たらず延々と

    鴻いぶりん

  • 煌々と灯り紛れる夜長人

    伊代ちゃんの娘2

  • さお先に月をめでる夜長かな

    一 富丸

  • 映画点け夜長頭痛と付き合へり

    小公園噴水

  • 我が夜長衣類乾燥機と本と

    神谷元紀

  • 境内に深き静寂夜長かな

    宮澤博

  • 長き夜カガミに映る私はダレ

    水無瀬りりー

  • 缶空けてまだ飯炊けぬ夜長かな

    わだつみ

  • 転職の面接試験長き夜や

    松尾 パッション

  • 街の端に本屋残って夜長あり

    須川えい

  • 夜長の灯セレナーデきく女学生

    英 凡水

  • 夜長とは頁をめくる静寂かな

    岩清水 彩香

  • 藤村のあとは鬼六長き夜

    高根柚子

  • 夜長には紺青のペン白き紙

    山村 みかん

  • 愛読書耳折り返す夜長かな

    わかこ

  • すきとほるルアーゆるゆるゆく夜長

    三浦海栗

  • 街灯り夜長こそはと輝けり

    山田翔子

  • ラボの奥分離器回す夜長かな

    三日月なな子

  • 九十路少年文庫夜長かな

    宮内恵子

  • 飴舐める父の禁煙夜長かな

    芝歩愛美

  • 暖簾街悲喜こもごもの夜長かな

    雲井草舟

  • リビングで一人絵を描き夜長かな

    恒産恒心

  • 長き夜葉揺れる程のギターの音色

    新一歩

  • バイオリン風に遊びし夜長かな

    卯之町空

  • 亡骸を撫でる夜長に犬の声

    橋本椿紗

  • 告別式果てスナックの夜長かな

    三上 栞

  • トルストイ繰る手しびれる夜長かな

    伊湾鶴芸

  • 珈琲で時差を埋めゆく夜長かな

    月下檸檬

  • 明日のためストレッチする夜長かな

    笹野いと茶

  • 戸締まりを再度確かむ夜長かな

    上野 鈴女

  • 溢る星夜風に偲ぶ夜長かな

    伊泉不洋

  • 緑濃し夜長恋しや雲の色

    佐藤 萬充

  • 荷解きのひとつふたつと夜長かな

    佐藤のばな

  • 誰人か廊下を軋ます夜長の奇

    夏野星一

  • 長き夜や七の段だけ何回も

    笠嶋夢月

  • 長き夜や秒針音の堆き

    杉崎拙訓

  • ハングルのテキスト閉じる夜長かな

    弘月令五

  • 長き夜に進まぬままの電子書籍

    鞍 律佐

  • 顛末を知るまで続く夜長かな

    水琴子

  • 夫の居て介護の今の夜長かな

    市川風花

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