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初級者結果発表

2024年6月20日週の兼題

夏休

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

よこみちへ曲がりて川風ここちよく

スイフヨウ


木漏れびの孫と夫笑顔浮かべし

孤桜


おもいあふれかすむ手元の砂集め

星野 実


膝小僧何回手術気が済むの

池尾バーチヤマ


見つめ合う二羽の燕尾服

鈴木みかわ


我襲う驟雨いと懐かしき父

あらんなり


待ちわびて指折り数えつり忍

イチゴまんじゅう


門先にテントを張って休み待つ

いちばほうすい


真夏日もティーラテはホット喫茶店ふ

きみこ


登校日夏影ひとつ友を待つ

コリン ピュア


梅雨晴れにゴーヤカーテン雫キラリ

そうちゃん


アスファルト焦げゆく蝉の浅緑

ピザ靴下


黄ばんだ扇風機首振りのカタカタ

よしながまさとし


夏の夕照らす道路また明日

安田漱石


甲子園砂持ち帰りラムネの香

井伊 博


梅雨の雨身に降る雨粒傘の音

一ノ瀬たかし


川べりで竦む足出す夏一歩

永田みゆき


匙二本山が崩れたかき氷

吉野 可憐


左手に握る運玉土用波

球磨門


カブトムシ追う子に我が身映り出る

古都弥 衣霧


名も知らぬ赤き実の落つ晩夏かな

香藤史絵


夏来るどこかに行けよがん細胞

高家美久


あの時の夢叶えと食うアイスクリーム

佐藤すももも


梅雨に舞うカラスの羽さえ澱み

山国恵


鮎つかみ堂堂ほおばる夏の味

山田飛鳥


夏空にピッピッと響くよただ一羽

志津ばあ


気が付けば彼方に見える蜃気楼

時瑞


草刈りの音や里山合奏部

若林くくな


盆帰省実家の廊下はひんやりと

小澤五月


黄金虫飛ぶほど暑い鹿苑寺

真花


川遊び蝉がかき消す友の声

晴耕雨休


なつぞらにくさむらはしりとんぼおう

西牡丹


夕涼み息子に負ける将棋かな

素人


今は亡き父と泳ぎし浜の波

村海


あの日見た花火を肴に君と飲む

大井琳太郎


父逝きて仔牛産まれし盆の朝

仲村江子


盆休みちさき美術館溶け込むよ

辻井風子


清々しき風の中の蝉の声

田中明子


部活動最後の夏で浜松へ

東海 太郎


あの夏がさいご帰省の村祭り

藤倉りえ


グラウンド金属バット蝉の声

道化維瑠


宿題の絵日記探す夏の旅

南ハーブ


夏草を蹴る揃いのミサンガの影

入野小丸


帰省三人ゲームに歓声

乃奈


空蝉や砥草の天辺まで並走

能島 水軍


金賞の夏工作は母の作

飯田風歩


なつかしき家族に逢いたり盆の宵

比企野起承


夏が燃ゆ白檀たなびく古刹の香

豊玉みつを


砂肝とはつとねぎまと生ビール

凡人


パチパチと垂れる火の玉線香花火

麻座輝貞


荷物持つ吾子の帽子に赤とんぼ

矢車菊


まぶたおちすやりと眠る吾子の汗

林 晄史


夏の風電車と過ぎる帰り道

檜葉


鼻血ありプールサイドで休むこと

槇 まこと


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

みなさん「夏休」といえばなにを連想するでしょうか。行った場所、やったこと、テレビに映る印象的なあれこれ。それらを句材にした結果、季語「夏休」そのものが抜け落ちてしまっております。「夏休をイメージした句」ではないことに注意が必要です。

兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、9月19日締切の「色鳥」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【五七五七七】

風呂上がり縁側ひとり人生に慙悔の積乱雲見て

潤間ぼへ



●ピックアップコメント:

五七五の俳句としてはいささか音数が多すぎます。数えてみると二十九音。五七五五七の短歌に近いリズムを取っております。

俳句ポスト365では短歌の良し悪しは判断できませんので、短歌を取り扱う投稿先をお探しの上、そちらへの応募をおすすめします。

「専門は短歌だけど、俳句も始めてみたい」という場合はもちろん俳句ポスト365への俳句の投句は歓迎であります。

まずは基本の五七五・有季定型から一緒に始めて参りましょう。


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▼【季語の考え方】

夏休暇冷えたオフィスで土産待つ

高伊あいす


母許のから揚げ摘む夏中休暇

秋の桜光


夏休み明けて浦島太郎かな

かまど猫


夏休み明けの活気と土産菓子

矢口知


●ピックアップコメント:

季語「夏休」として扱って良いか微妙な例をピックアップ。

「夏休」にはいくつか傍題があります。歳時記によって収録数には差がありますが、代表的なものは「暑中休暇」「暑中休」「夏期休暇」などが挙げられます。高伊あいすさんの「夏休暇」、秋の桜光さんの「夏中休暇」の例は手元の歳時記では確認できませんでした。「夏休」の意味だとは推測しますが、厳密に季語として扱って良いかは多少不安が残ります。

かまど猫さん、矢口知さんは共に「夏休み明け」となっています。夏休が終わっている……となると、これは秋の季語「休暇明」と考えるべきでしょう。惜しい!


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▼【季重なり】

夏休み手放せないよ扇風機

しょうしょうた


星は日に二、三度流る夏休

すげがさ


夏休み外暑すぎて引きこもる

せいしょうなごん


夏休祖母と素麺食べる日々

たかはしねこみさ


夏休み虫かごいっぱい蝉を詰め

のりちゃん


朝顔の葉っぱは毛だらけ夏休み

ひとりこあら


夏休みともにこだます蝉の声

ひらりん2


夏休み朝顔鉢にスイカの芽

ホーネン


朝顔を抱えて下校夏休み

まつおひとし


朝顔の種を数える夏休み

ミント・スチュワート


手土産と愚痴持ち帰省夏休

海風ももみ


山の風冷えた西瓜で夏休み

旧友屋


夏休昼寝ゴロゴロ入道雲

橋本諒駿


日焼けした笑顔がゆれて夏休待つ

後藤美花


夏休み校舎に響く虫の音

佐藤氏流


幼き日蝉蝶とりし夏休み

菜園ベジタベル


蝉騒のただ懐かしき夏休み

春野ふう


ずずずーと祖母とそうめん夏休み

雪うさぎ


夏休み皮膚挟む床昼寝かな

前頭いっぺい


夜叉神の天の川見に夏休

草刈明峰


父の場所占めて昼寝や夏休

大関 邦友


アイス食べ暑さしのぐ夏休み

大野木三太


散る命蝉と花火と夏休み

竹沢富美男


夏休蚊に食われての読書かな

渡部かえる


夏休の夜会いたい君とアイスティー

藤田抹茶


夏休み暑くて外に出られない

備後たろう


蝉の声もう一度だけ夏休

豊里勝喜


夏休みオニグモオニヨメオニヤンマ

鳳 太郎


墓参り蝉と欅の夏休み

麻茶琉


夏休みスイカの形こだわりて

夢野ユメ


夏休線香花火落ちるなと

凌花


夏休西日の風呂に孫三人

緑野隼


夏休海色ソーダに陸アイス

朧提琴


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

「扇風機」「蝉」などはわかりやすい季重なりの例ですが、なかにはどれが季語かわかりにくい句もあるかと思います。それぞれの句の季語はどれかチェックしてみるのも勉強になります。

季節ごとに分かれた歳時記をお使いの場合は他の季節の巻でも調べてみましょう。「夏の巻に入ってないからセーフ!」と思いきや、実は秋の季語と季重なりだった……なんて例もあるかもしれません。


季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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▼【入力にはお気を付けて】

夏休みごろ寝の空は青にけり

相模 筑前


●ピックアップコメント:

入力などに間違いがありそうな句をピックアップ。

相模 筑前さんは下五が気になります。動詞「青む」の連用形「青み」とするはずが、入力の際に「m」と「n」を打ち間違えてしまったのでしょうか……。

せっかくの投句も正しく伝わらないともったいない。送信の前には今一度文字と入力欄の見直しをおすすめします。



※今回の兼題「夏休」初級者投句欄へのご投句は、投句数4471句、投句人数1755人となりました。

以下の①②③については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼①【類想】

夏休温泉つかり家族の和

☆還暦前年者☆


夏休み家族サービス休みなし

JUN 


夏休目を擦りつつ体操へ

moto髪結


追い終われ気がつきゃ終わる夏休

あらいゆう


夏休すぐに過ぎ去る社会人

いしかわあきよ


絵日記で辿る家族の夏休

いずみのいずみこ


感想文白紙を見つむ夏休み

いずみ葉月


うきうきと夏休みがくるあと三日

いちの


夏休みスーツケースに夢入れて

いつきとさやか


一時の微風山で夏休み

うちやませいはく


文渡ししばし遠距離夏休

ウマーベラス


全集中アミを構える夏休

おはぎの母


楽しみな夏休み前眠れない

かきあげ文々◯


秘密基地遠出したあの夏休み

かまっち


祖父の家一人旅する夏休み

キタノジュン


夏休み遊び散らかしあ、宿題

きなこ


実際は遅寝遅起き夏休

このはこのみ


ひと回り成長せし子夏休み

コロ キムラ


テレビから球音ひびき夏休

しげとし


退職後懐かしいかな夏休

たがわぱてい


親に夏休ない家事幾重にも

ちゃー


是非を問う共働きの夏休

チャンつの


水しぶき孫とはしゃぐや夏休

つついぐれちゃん


夏休の取れる仕事がしたいがや

つり太


夏休始まればただ終るだけ

ドナウ絵蓮


夏休瞬時に戻る20年

どれみ


孫来るぞ気合を入れる夏休み

どんぐりブルース


楽しみも過ぎれば虚し夏休

なにわのたらこ


平成のドラマいっき見夏休

ナンプラー大好きママ


こっそりと今だけ茶髪夏休み

にえ茉莉花


夏休み全く足りないエルニーニョ

のろ爺


新しい出会いの季節夏休

パイレーツ・オブ・カリビアン皐月


夏休み家でゴロゴロ親小言

ビッグネット


夏休指折り数えて待つばかり

ひらりん


夏休み光り輝く空の花

ブロスタプレーヤー


夏休あとがき読んで感想文

ほしの鯖女


帰宅部が髪を染めたら夏休

まさえ


三食給仕の夏休常が有り難し

まめ


宿題があっても欲しい夏休み

まめちゃん


夏休み海風受けてふるさとへ

みかん


夏休みまず絵日記をあたふたと

みっちゃん


夏休作文お絵描き後回し

みつ子


夏休海辺に子らの声高し

みやこわすれ


集う子ら水辺に夏休の声

むーたん


朝体操皆勤目指すぞ夏休

むじか


夏休み静かに聞こえる風の音

モスキート音の揺り籠


夏休ラジオ体操の皆勤賞

やまもとB治


夏休家族旅行に行く予定

ゆうちゃん


孫はしゃぎ犬はふて寝の夏休み

ゆず柴


年一度従兄弟と会いたし夏休

ライフハッカーりおか


犬二匹母に添い寝の夏休み

ラッキー&クロ


夏休みひ孫手握り回転寿司

ロミ


孫来訪ねこにげまとう夏休み

葵まりこ


恋焦がれ君に逢いたい夏休

葵希叶葉


夏休平和の集い頭垂れ

葦の丸屋


夏休犬とドライブ晴れ予報

綾瀬 康子


どろ靴の散乱の庭夏休

伊達紫檀


集合は秘密基地とや夏休み

井上ひなた


六畳にひとり大の字夏休

井上れんげ


夏休楽しみだよねでもないか

井筒朝子


夜更けまでいとこと話す夏休み

郁松 松ちゃん


子等の来て吾はへとへと夏休

磯貝あさり


夏休過ぎて少女は大人びて

一井かおり


山海が誘っていると夏休

一春


まず楽し終わり寂しき夏休

稲城蒼海


孫の声一段高く夏休み

宇都宮千瑞子


夏休み川原の子供声高し

雨逸福


自営業休むを知らぬ夏休

雨水 二三乃


肩の皮剥げて斑に夏休

詠野孔球


兄追いし遠き日偲ぶ夏休

越乃杏


あと三日数えて待つや夏休

越野緩急車


秘密基地友とシェアして夏休

横井あらか


金髪に染める冒険夏休み

横浜青祥


夏休旅をするのも一興か

夏川涼


定年や今年最後の夏休

夏奈風光


夏休み海辺に向かふ自転車群

家古谷 硯翠


自転車は駆け抜けゆけり夏休み

河井 草臥


夏休ピカピカ光る夜の空


湘南に夏休の子沸騰す

花弘


夏休絵日記必死登校日

華花開く


宿題はまとめてやるか夏休み

華伶


夏休うるさき母の小言かな

海神瑠珂


夏休み仕事の手帳とにらめっこ

葛飾青舟


夏休み熱中症に気をつけて

丸山耄碌爺


あと五日残り指折る夏休

岩鼻 友子


日課にすラジヲ体操夏休み

希星楽


夏休子らがボールを追いかける

季川詩音


渋滞中しりとり続く夏休

吉川星空


古稀近き心も弾む夏休

吉川龍一


予定では早寝早起き夏休

吉田かのこ


賑やかに子供集まる夏休かな

魚木孫


夏休みなきに等しき家事介護

玉井たまこ


夏休海派山派で家族会議

九条麗子


縁側に寝顔がふたつ夏休

蛍のまま


夏休碧き海山変わらねど

月の光子


カレンダーに残り日しるす夏休

月下檸檬


乗車率聞きつつごろ寝の夏休

月見里ふく


夏こそが休んでほしい夏休

月山牧風


夏休み二人の鼓動と波の音

月紫音


夏休み孫の飛躍に目を見張る

月並タコ


朝電車恋する乙女に夏休

研田千響


夏休パリから届け金銀銅

古寺 憲子


夏休多忙を知る母になる

古川 川


大の字で畳匂うや夏休

古谷芳明


海も山も人人人の夏休

古都酔仙


夏休子らの声消ゆ通学路

孤句狸翁


縁側と汗かきコップ夏休

工藤嶸志


夏休いとこ九人伯方島

広島立葵


うら道のにぎわうゆうげや夏休み

江沢京子


夏休み待ち遠しくてすぐ飽きて

高橋昂昉


恋人は今年もできず夏休

高崎怪人


夏休みTUBE/美里の声響く

高志


図書館でうつらうつらと夏休

黒井 猫


バス停に野良着の祖母待つ夏休

黒瀬三保緑


夏休み焦る気持ちやあと3日

今野喜良


叫び声火薬の香り夏休み

紺野パジャ美


夏休バスで箱根へ子供会

佐藤けい


夏休み実家で雑魚寝いと楽し

佐藤コロン


孫来訪期待と不安の夏休

佐藤根 雪華


あれやこれ為すこと多き夏休み

佐伯良吉


ワンオペの母は辛いよ夏休

砂衣羽登


今はもう毎日休み夏休

斎藤コロンのママ


バテる親弾ける子ども夏休

咲さこ 


ふるさとや人が溢れる夏休み

三井春相


絵日記は青たっぷりの夏休

三宅 由華


夏休怪獣ふたつまた来たり

三田光陰


夏休み川と遊ぶやじじと吾子

三木六花


あと2日あとがきを読む夏休

山広裕果


夏休課題山積み友と解く

山田いね子


夏休み童心かえり砂あそび

司 蓮風


夏休従兄弟と競う種飛ばし

嗣子孫々


夏休出迎え駄菓子ばあちゃんち

紫の里


夏休の予定返上孫訪問

寺尾銀次


夏休カードぶらさげ朝体操

鹿哲里


夏休み孫と何して遊ぶかな

手賀沼亭ロン山人


ひとり発つ祖母待ちかまえ夏休み

春のまさ女


子どもらにつられシニアも夏休

春の新々


朝採れの恵みを孫と夏休

春めだか


大盛りのカレーを崩す夏休み

春日 月秋


従姉妹俺祖母居間で寝る夏休み

春夫


夏休みお留守番する孫と婆

小森 真理央


夏休みおじいの笑顔孫の声

小林れい


夏休みラジオ体操眠たげに

小林澄精


夏休なくなってはや幾年ぞ

小林弥生


夏休み楽し忙し孫来たる

松浦のの


公園が歓声高く夏休

松原なぎさ


台所フル回転の夏休

松山石子


夏休み今日で終わりかやっとできた

松村 とん


夏休隣町まで大冒険

沼坂浪介


鐘の音に黙祷ささぐ夏休

上山凡仁


じぃじばぁばの嬉しき愚痴や夏休み

上野 月猫


どうにでもなれと大の字夏休

森 薫


夏休孫の手頼るばあばの背

森の水車


毎年のやらずの課題夏休

森本 津幡


夏休み給食まだね母の愚痴

森脇レイ


父母娘渓谷歩く夏休

深空汐音


夏休み一夜限りの秘密基地

神ヤ飛ビ魚


天気欄空欄に泣く夏休み

神戸 美優


夏休孫と遊びてタドンとな

仁左衛門


夏休み気づけばすぐに最終日

水佳


夏休子らの歓声青空へ

水晶文旦


夏休みいつからなのと孫に訊く

水上克己


里帰り雑魚寝の子らや夏休

水谷未佳


夏休みラジオ体操鎮守さん

翠善


手付かずの計算ドリル夏休み

星がらす


西ひがしそれとも北へ夏休

星見遊


夏休みあちこち出来る秘密基地

清水猿虎


夏休み体も心もあつあつだ

清水子犬


夏休行き逢う友みな大人びて

清澄麻子


夏休宿題出来るかもう心配

清正


海山と思い悩むや夏休み

聖仙秀事


50年ぶり夏休みの友あらわる

青い手まっちゃん


夏休みまでを数えるいま楽し

青海波 倖悦


夏休みやっと始まりすぐ終わる

青狸ぽんのすけ


絵日記やネタに奔走夏休

石黒なを子


とこしえの平和を願う夏休

石田ひつじ雲


夏休読書にふける午後の部屋

川中 英明


夏休みノドグロあてにパリ五輪

扇原寛一郎


夏休はじめ天国あと地獄

早風


夏休み絵日記未完最終日

太田桜


孫が来る夏休いざシェフ婆

大江戸小紋


喜びてのち慌てたり夏休み

大束暮風


夏休み旅という名の里帰り

滝沢 樹里


夏休燃える日差しもなんのその

谷口重虎


遠ざかる祖母の背小さき夏休

竹石猫またぎ


いつもより母は忙しい夏休み

中井ゆそし


夏休お泊まり会はババの家

中矢しる子


夏休み休んでられない受験生

長嶋自然


夏休み天気で困る日記帳

長野きーこ


夏休みタモ持つ子等の仁王立ち

津木百合


車窓から懐かし景色夏休

田舎太郎


母校でのラジオ体操夏休

渡辺 あつし


騒がしき子の声響く夏休

冬の雪兎


画用紙は青一色や夏休

東行


上靴の小さくなりぬ夏休み

東森あけば


ジジババともうすぐ会える夏休み

藤原 迷月


帰国の子会話弾むよ夏休み

道草散歩


通勤で人が減り知る夏休み

南とまと


肩触れぬ通勤電車夏休

二律胸張


終り待つ母の吐息や夏休

猫辻みいにゃん


シフト見て全く縁無し夏休

乃戸 野辺音


画用紙の一面青し夏休

馬風木瓜子


夏休みラジオ体操いつの日や

俳邦山


純白の玉追う球児夏休み

飯島寛堂


瀬戸内の島を巡りて夏休み

美恵ノ海


過ぎし日の絵日記に見る夏休み

美山あゆみ


夏休故郷の海も賑おうて

舞子よしよし


夏休国境越えた父娘旅

風街光


夏休み実家帰れるありがたさ

平杏子


夏休やることリスト長々と

平原 碧子


クレヨンの減りの早さや夏休み

平田球坊


さぁ来たぞ寝ても覚めても夏休み

宝松苑


サザン聞き爪赤く塗る夏休

墨染


すこしづつ夜更かし増える夏休

牧 ひろ


縁側に帽子並ぶや夏休

凡吟山


夏休畳の上でごろ寝かな

未生 蓮


夏休空に輝く夜の華

夜川 蛍


待ちどおし大人も子どもも夏休み

野口立香


懐かしき友をもてなす夏休

野山めぐ


学び舎もひっそり閑と夏休み

柳原甲賀


夏休花が散りゆく公園で

柳田大貴


夏休み朝の公園子らの声

優音


夏休み夕風運ぶ弾む声

憂喜はるか


やっちゃった寝過ごし夕や夏休み

有井  新子


寝ては寝てまた寝ては寝て夏休

葉森木霊


夏休見慣れぬ髪型微笑むあの娘

葉竹ハコ


偶然に君に会ひたき夏休み

陽介山


母となり苦労を知った夏休み

来ヶ谷雪


真っ黒だ山に海にと夏休かな

立川夏子


夏休み孫は部活で家に居ず

林一芳


通勤路子らは何処や夏休み

鈴木いと子


夏休み早く終われと願う母

鈴木健次


手を繋ぎ頬染める君夏休

呂つばめ


夏休み海川山と友達に

和気の住人


ピアス揺れ大人の気分夏休

喇叭鳥


試着して待ち恋願う夏休み

巫稲葉


夏休み子供だけのたび鈍行列車

栩々 真波


ジリリリリ夏休も呼ぶ目覚まし

樒つみき


夏休みいとこの家で枕投げ

齋藤鉄模写


宿題も忘れし日々や夏休み

翔ノ夢


児へ手本ラジオ体操夏休

蓼科 嘉


夏休み夜空に咲いたお花たち


ばつたりと君に会えぬか夏休

鶯餅くうや


練習合宿試合サッカー部員の夏休

髙橋好泉


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。

ザ・夏休! といった趣の発想がこれでもかと届いております。挙げられている句を読み進めれば「同じような体験あるある!」となること請け合い。


たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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▼②【仮名遣い】

妖怪級老ひ猫と祖父夏休み

吉田竹織


●ピックアップコメント:

俳句を書く際には表記を自分で選ぶことができます。普段目にする書き方と同じ「現代仮名遣い」と、古典などに用いられる「歴史的仮名遣い」の二種類です。

「老ひ」が注目のポイント。

口語なら終止形は「老いる」。文語なら「老ゆ」となります。いずれの場合も、ヤ行の動詞なので、この句での表記は「老ひ」ではなく「老い」が正解。

仮名遣いはうっかりミスをしやすいポイントですので、念のため辞書で表記を確認しながら使っていきましょう。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


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