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初級者結果発表

2025年6月20日週の兼題

夜の秋

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

体幹の感覚戻る夜なるや

バーバラ


新盆に彼の人に詫び声を待つ

遥心


二人きり四半世紀ぶりの夜

四王司


樹木葬の友の声聞く青田風

茂木りん


秋の夜や思い出ひとつ星に消ゆ

小鳥橋遊


ゲーム音しぼって静か秋の夜

玄楚 遥


役おりてポストさびしき蝉しぐれ

みやけ ねじ花


秋の夜にそよぐ調べに何思う

柳原甲賀


晩秋の思い出浸る子供たち

木村佳詩


秋の夜しとしと雨のひんやりと

牧 ひろ


ひぐらしの声に絆され宿題す

岩崎本太郎


同窓会の黄ばんだ写真秋の夜

山すみすみ


出迎えにトンボ飛びくる無人駅

池尾ばーちゃま


つくしがねぼうしかぶっておどりだす

近藤光


蚊帳をつり月を眺めて夢を見る

小林次郎茶


秋の夜に娘の初経脚伝ふ

おぐりん


娘の手握り返した祭りの夜

山口直哉


秋の夜灯台の火も先折れもし

春日


炭酸で余りの暑さを流し込む

沼地文旦


長き夜のトリキにスーツの我一人

シウマイ


新月に添い寝老犬の息絶え絶えし

野原あざみ


ひぐらしや陽射し翳りし郷の馨

麻座輝貞


蛍火に涙ほどけて映る笑み

裕牧


終わらないそう感じてたあの暑さ

沖坂諒介


また一つ歳をとりたり秋の夜

陶豪


秋の夜や暁を待つ一番鶏 

松尾貢水


まぶたとじかすかにきこゆせみのこえ

青蓮居士 忍仙人


網戸引く音あちこちに秋の夜

高橋りぽい


出汁だけの炊き物は初心秋の夜

林 眞亜紀


海風の網戸をぬける秋の夜

秋山らいさく


話す人居ない日続き晩夏かな

桜木レイ


銀狼の遠吠え響く晩夏の候

東雲狼牙


またひとつ大きくなりにし秋の夜

菊臼


晩夏光熱をひっぱり沈みけり

西神竜生


秋の夜蕾は待ちて花弁おつ

翠善


秋の夜値札の付いたワンピース

吉河好


夏の秋なにも知らぬ石の冷え

七色フォルテ


ワレワレハ子供らのこえ扇風機

加藤 明秋


畦道を急ぎ足追いかける虫の鳴き声

藤 真由子


うたた寝に鼻腔くすぐる金木犀

珠蛾 


秋茄子の下手は柔らか姜のかほり

狙公


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、9月19日締切の「露」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

夜の秋アイスコーヒーまだ恋し

写雅句


ヒトもガも灯りもとめて夜の秋

タカハシネコミサ


夜の秋窓に張り付く守宮哉

橋本十三


夜の秋鼻にしみいる焼きさんま

ダヴィンチナオト


夜の秋宵宮までのトコトントン

岩見綾琴


苦瓜を飴色に炒る夜の秋

杏のやす


熱帯夜微かな風に夜の秋

有門やっちゃん


夜の秋メタボ心配窓のヤモリ

越山静山


逝く蝉を弔いまつる夜の秋

巴里子


夜の秋流星ゆく彼岸まで

葦の丸屋


街灯に忙しく舞う蛾夜の秋

林菌旬


カナカナとひぐらし寂し夜の秋

敷知遠州


温泉の最終花火夜の秋

北森にこん


君が見る火花弾ける夜の秋

鶴梨  淵玄


夜の秋に涼しき旅の手帳あり

夏目 小太郎


ベランダで花火待ちたる夜の秋

岡本聡子


でもまだと冷房つけて夜の秋

デイヴィッド・白根


夜の秋暑さの中に吹く風も

寺尾銀次


夜の秋共に走りし花火さく

鈴木スモモ


夜の秋鈴虫鳴くよ身に染みる

いのり


夜の秋涼しくならずバテるのみ

山村花月


踊り終え下駄の音涼し夜の秋

十 助


唐突な花火を探す夜の秋

桃の海


夜の秋昼間の暑さ壁にあり

すすけ


クワガタは返り足組み夜の秋

白井太刀魚


日が落ちてセミの声弱い夜の秋

水芭蕉


夜の秋スズムシマツムシクツワムシ

凪涼夏


しんみりと虫が鳴いてる夜の秋

川口あおい


夜の秋日焼け止めの数字が減る

泉 早希子


夜の秋エアコン消す手嬉々として

志津ばあ


夜の秋言えども今日も熱帯夜

五黄巳松井


夜の秋蝉のこえ消えふと思う

出目金魚


夜の秋花火の後の静けさよ

和中彩葉


未だエアコン絶賛中夜の秋

松山石子


夜の秋うちわ風に子ら寝静まり

華ことり


熱気立ち虫も集かず夜の秋

笹本ミワコ


夜の秋汗落とし吾畑に立つ

荒田 光泉


三日月がまだ夜の秋は早いと言う

花屋もんた


湯上がりの甚平寂し夜の秋

天祐 実


アイスバーかごから戻す夜の秋

鱸 鴨


冷ゆ風のどの星からと夜の秋

青木たかし


夜の秋寒くはないか母の言う

白峰緑茶


夜の秋混戦パリーグ汗拭う

はなぐり


新じゃがの煮物も候補夜の秋

三家端


夏待たず逝きし人恋う夜の秋

ちあき あこ


手酌酒奴冷たや夜の秋

コリン


虫たちに心癒さる夜の秋

たった


夜の秋飛び切り燗の勇み足

土の隨


栞して網戸を閉じる夜の秋

柏葉


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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▼【季語の考え方】

追熟は七日目夜の秋長し

矢堀サトシ


朽ちる音夜の秋風骨を鳴らす

川原秀星


●ピックアップコメント:

季語の扱いが微妙なラインにある句をピックアップ。

「夜の秋」は晩夏の季語。ジャンルは時候です。まだ夏ではありながら、夜には涼しくなってなんとなく秋めいた感じがする頃のことです。

ですが、言葉の組み合わせによって別の季語のことを言いたいのかも? と思わせる例がいくつかありました。

たとえば、矢堀サトシさんの「夜の秋長し」や川原秀星さんの「夜の秋風」などです。前者はひょっとしたら秋の時候の季語である「夜長」が表現したいのかも? 後者も主たる季語としては「秋風」と考えるべきでは……と考えが頭をもたげます。


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▼【来月もまた会おう!】

開け放す窓閉める朝夜の秋

稲垣はあと


ガソリンと涙しがみつく夜の秋

犬闘詩


夜の秋きっと温度を予感している

落水


夜の秋私の月も終わりかな

川西果形


夜の秋熱気一度の里帰り

川面月


夜の秋ミーンミンミン久しぶり

ローレン


夜が明けて名残惜しいや夜の秋

沢松宏美


夜の秋刺す虫舞うや無限八

海野ももみ


コロコロリーリリリリリリリ夜の秋

白米もぐ太郎


UFOに見つかる河童夜の秋

木々梶取


風に鳴る片し忘れた夜の秋

長坂 こう


イエローの歩み等しく夜の秋

大康


●ピックアップコメント:

投句してくれてありがとう!

まずはしっかり「夜の秋」をいれた投句をしてくれてうれしゅうございます。これから一歩一歩学んでいきましょう。今募集中の兼題は、9月19日締切の「露」です。これからの投句も楽しみにしています。



※今回の兼題「夜の秋」初級者投句欄へのご投句は、投句数3550句、投句人数1513人となりました。


以下の①②③については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。

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▼①【類想】

夜の秋細き雨音コップ酒

中山蒼社


夜の秋日暮れ早まり読書かな

素人


母の腕眠る吾子は夜の秋

鶴城


異常気象夜の秋に安堵する

久慈川九


夜の秋布団寄り添う家の猫

斎藤コロンのママ


子を寝かせ夫も眠りて夜の秋

杉沢藍


久々に熱い茶を飲む夜の秋

ぱすたゆでお


ほうじ茶の湯気が溶け込む夜の秋

生季音


夜の秋一人アンパン喰っている

みかん成人


ライブ後しじま歩いて夜の秋

遠青阨亜


シャワーより湯船恋しく夜の秋

鳥羽蒼香


夜の秋ふんわり和む緑茶の香

久木 諷


筆止まる時候の言葉夜の秋

町乃 磯鵯


雨去りて一枚羽織る夜の秋

杉田ひらさこ


靴下を選び直して夜の秋

佐藤推敲子


夜の秋の匂いを探す散歩道

中野破尼栗


読み返す過去の日記や夜の秋

堀永梅三


静かなる星座を愛でる夜の秋

有川句楽


買い足した飲料減らぬ夜の秋

梅まんまる


半袖に一枚欲しき夜の秋

槇 まこと


除湿機だけ働いてる夜の秋

村先ときの介


ほっとするも寂しさもある夜の秋

古都酔仙


迂回路に待ちかねた風夜の秋

水巻リカ


ばあちゃん家星を数える夜の秋

緑星福馬


窓を開け確かめたくて夜の秋

有井  新子


同郷の友と飲む酒夜の秋

二宮一


珈琲とデュラスの頁夜の秋

郁松 松ちゃん


夜の秋独人静かにもの想う

浅尾功一


見上げればS字のさそり夜の秋

富田きよしこ


夜の秋や文机向かひ筆を取る

八代葡萄


夜の秋部屋に届くや電車音

紅苑


積んでいた本を読もうと夜の秋

草堂Q幸


昨年の日記めくるや夜の秋

凡吟山


窓開きしじま聞ゆる夜の秋

青砥 転典


寝苦しき日を乗り越えて夜の秋

いんべ兜虫


帰り道猫と歩きつ夜の秋

岸愛桃


洗顔や少し冷たき夜の秋

シクラメンチトシ


窓開けて湯舟に沈む夜の秋

枝元夜光杯


コンサート余韻に浸る夜(よる)の秋

小塚ちか丸


この恋の終りの気配夜の秋

村上知季


夫恋し一人散歩の夜の秋

林 みぃゆうママ


独酌の酒の香りも夜の秋

清博水


長袖の上着を羽織り夜の秋

加藤貴丸


レイトショー一枚羽織る夜の秋

詩小桃


お酒呑み変わる風味や夜の秋

海浪なぎさ


くたくたの帰路をたどれば夜の秋

空空


頬ひやり部活帰りの夜の秋

真田丸クウ


聴き入るやフジファブリック夜の秋

奥山水珠


熱戦の終はりて静寂夜の秋

大ちはる


風一条…りーんと鳴る?鳴く?夜の秋

居 栄心


積読の崩し捗ゆく夜の秋

遠藤 千草


風が吹き時を動かし夜の秋

生田専修


夜の秋叶わぬ思い詩に込め

瑛斗


縁側で星座見上げる夜の秋

吉川龍一


風呂上がり身震い一つ夜の秋

佐波乃屋 あ季


買い置きし本開きたり夜の秋

慶華


縁台でぬる燗あおる夜の秋

宮由太


流し込む冷茶胃を刺す夜の秋

吉田 りぶ


夜の秋衿ニ分程を重ねをり

高木ひーちゃん


見送りし子等の背遠く夜の秋

芭琉


読経の声くぐもりて夜の秋

駒川はるみ


息を呑む星降り注ぐ夜の秋

新一歩


病む妻の寝息しずかに夜の秋

はっとりじいじ


縁側で将棋指しゐる夜の秋

取丘八十仁


灯り消し老い先思う夜の秋

こーがはるちゃん


言の葉に秘めし想いと夜の秋

水原しずく


いつの間に日の落ちいずる夜の秋

樋田凌花


幻聴か草原リーン夜の秋に

小虎くまこ


居酒屋の賑やかさ出て夜の秋

高屋啓


疲れてる疲れを癒す夜の秋

小林弥生


夜の秋響く列車よ遠き鐘

荒城京太郎


雨音や窓少しひく夜の秋

広瀬和郎


風通り草むらなびく夜の秋

山田はつみ


読みふけて時を忘れる夜の秋

有馬山稲三郎


開けし窓カーテン踊る夜の秋

百ちゃん


ふりかえるそぞろ孤悲しき夜の秋

兼子駿


ハイボール思い出割つて夜の秋

湧別川


まどろみの片手に文庫夜の秋

七ほし天とう


さあ外へほっとする風夜の秋

北の星


足先をひやりふれゆく夜の秋

由樺楽


もらい酒ひとり飲み過ぎ夜の秋

浜のじじい


夜の秋旅情の湯浴み風の音

道草散歩


夜の秋冷製スープ温める

粒野 餡子


ワイシャツを長袖にする夜の秋

こすもす


夜の秋読書をしては目が真っ赤

立川夏子


ひざにのるろうけんしずかよるのあき

飛島海道


絵本閉じ寝顔に見入る夜の秋

松永恕淳


街灯の影濃くなりし夜の秋

島掛きりの


夜の秋データ整理に精を出す

すずしず


夜の秋とながらスマホと枕元

野口立香


夜の秋遠くで響く太鼓の音

かつら式部


子らが待つ家路急げば夜の秋

澤 六花


ペン握り俳句の授業夜の秋

西村花水木


友来たり語り尽きせぬ夜の秋

桐田桐子


夜の秋ひとり湯舟の露天風呂

ちくちく慶


そよそよと夢路に誘う夜の秋

越乃杏


目覚めれば窓閉め忘れ夜の秋

七瀬 巧


乗り切って外気取込む夜の秋

いちご一会


独り寝のまた始まるや夜の秋

矢田 ひかり


夜の秋人影長くなりにけり

今野喜良


夜の秋風なぐ寂し枕元

甘野カナ


夜の秋前行く女性七分袖

古寺 憲子


ねこ抱きつ窓開け放ち夜の秋

向島 酔市


夜の秋あしたを想う静けさよ

可可夫豆


日が落ちてそぞろ歩くや夜の秋

スイッチ婆婆


夜の秋旅の思い出しみじみと

小松 兎月


少しだけお酒恋しく夜の秋

阿部 晴子


夜の秋大鍋下ろしポトフ煮る

吉川星空


日本茶のほどよく喉に夜の秋

児玉すず子


夜の秋散歩コースを変更す

大川夜心


一人旅ひとり露天や夜の秋

湯河原熱海


熱冷めし身体ら眠る夜の秋

葉之 月


物語余韻楽しむ夜の秋

渋谷小石


夜の秋ほっと一息つく時間

夏川涼


夜の秋そっと二の腕抱いてみる

まさえ


長そでのパジャマに着替え夜の秋

江梨子


湯につかり灯落とし夜の秋

久世わわ


夜の秋タンクトップは箪笥に眠る

青金 せにあ


愛犬の息静かなる夜の秋

はっとりはるか


夜の秋隣りの宴閉める窓

おと のっ子


声熱しライブの響き夜の秋

中村水音


孫往んで心の風吹く夜の秋

浜西青芒


温暖化いつ頃来るの夜の秋

北川茜月


帰り道酔いも覚めゆく夜の秋

四十 カラ


夜の秋鳴き声いずこ庭に出る

福田創風


時流る月影たゆたう夜の秋

松原 そら


晩酌のお酒かわりし夜の秋

正山四季暇


夜の秋ショパンの調べ夜想曲

手塚童好


無意識に手繰る布団や夜の秋

浩子


藍色の空終わりを告げる夜の秋

森乃涼風


夜の秋流るる光ひとふたつ

浅井風蘭津


夜の秋や読みかけの本膝に取る

春野桜草


夜の秋窓辺に腰掛け一人酒

岩川三六九


膝頭そろり撫でゆく夜の秋

越佳


夜の秋星の光はいと清ら

海神瑠珂


出番まつ長袖そろえ夜の秋や

我夢手みつこ


雨戸閉め自分時間の夜の秋

福田 小さな花


ゆったりと湯船につかる夜の秋

森 茉那


なんとなく懐かしさあり夜の秋

三浦あやめ


夜の秋遠くに聞こゆ列車音

宮井ニゲラ


グラス変え日本酒あける夜の秋

広島れおん


夜の秋安堵と寂しさひとり酒

九条麗子


窓からの風に眠るや夜の秋

月夜田しーた


不夜城も窓開け放つ夜の秋

は・な・み・ず・き


夜の秋白き宿題母の怒号

森 林梧


コンサート開け熱冷ます夜の秋

田口文子


一日終えてほっとする夜の秋

神戸 美優


琥珀酒と一人夜更けの夜の秋

佐藤白行


夜の秋そぞろ歩きに星一つ

キャタレント三雲


雨戸繰る山路の宿に夜の秋

松下檸檬


珈琲をホットと悩む夜の秋

睦長月


珈琲とチョコで一息夜の秋

清実


夜の秋腕出す吾子に布団掛け

山口 笑骨


肩並べ星座探しの夜の秋

若葉 尚


ダージリン熱めに入れて夜の秋

凡子長島


夜の秋庭の草木も震へをり

孤句狸翁


夜の秋仕事終はりの一人酒

みなみ くも


夜の秋よく眠れるなホッとする

未有秀


夜の秋空気微かに揺れリリン

杉ノ戸裕


熱い茶で語らう二人夜の秋

丸岡彩映


夜の秋亥三つ時なり独りぼち

ぴょん吉 龍


土間に鳴く暗闇の中夜の秋

林一芳


縁石に父と並んだ夜の秋

平香


夜の秋微酔の人等帰路につく

古賀衝童


吹き抜ける風に冷あり夜の秋

春野ふう


夜の秋いつしか出窓閉じられし

藤原 迷月


足元に猫の寄り添う夜の秋

北乃大地


夜の秋乳液の変え時はいつ

帯雪


燗ざまし酔うには足りぬ夜の秋

城山 鷺


開け放し風を招くや夜の秋

内田游夏


夜の秋鉦の遠のく一人酒

大泉竹芳


AIにあくびをさせる夜の秋

藤山応援歌


夜の秋やパソコンたたき時忘れ

たがわぱてい


影求め耐えたカラダに夜の秋

矢野游呆


覚めやらぬライブの余韻夜の秋

日向 まお


中厚地縫い始めたり夜の秋

明日の鈴


さりげなき潮風波の音夜の秋

草然徒人


清張の容疑者辿る夜の秋

仁左衛門


往来にひそやかな声夜の秋

明日葉


足元を一筋の風夜の秋

矢澤 かなえ


ライブ後の余韻ざわめき夜の秋

もちのくも


珈琲の湯気燻らして夜の秋

茶葉 紅子


瀬戸の海満天の空夜の秋

ロミ


ボサノバやギター染み入る夜の秋

浜乃 遊吉


この歳も早々過ぎゆく夜の秋

アボカドブロッコリー


夜の秋語り尽くせぬ恋話

花園 メイ


夜の秋孫らの寝返り弱まりて

津嶋有明


夜の秋バス停にただ我ひとり

佐藤夏みかん


友の持つジョッキが猪口に夜の秋

蚕月


指折りて君を恋しく夜の秋

藤一


夜の秋道行く二人影一つ

古平冴


縁側のひとり将棋や夜の秋

勝本熊童子


夜の秋空を見上げてひとりごつ

木佐 翠都


ラジオ消し耳すましたり夜の秋

予束 友鹿


雨垂れがしらべを奏で夜の秋

足立とんび


入院の友慰めむ夜の秋

深山薄雪草


去年の日記読み返すなり夜の秋

金澤詩像麩


父母と縁側にいる夜の秋

好陽晃


布団からおのずはみ出る夜の秋

白川 譽


旧き友便りなくなり夜の秋

花蜜柑薫


裏庭の作業着ひやり夜の秋

小林ざくろ


ふぅと息吐きて白湯飲む夜の秋

佐藤友喜


窓辺にて本読みさして夜の秋

松原なぎさ


夜の秋や空調しばらく使わざる

竹林子


うつろいの想いが交じる夜の秋

辻 噺


夜の秋露天の風呂に月落ちし

田頭西郷


灯点け新刊めくる夜の秋

伝説の晴れ女


夜の秋オンザロックとバラードと

齊藤りゅうじょう


ネオン街彷徨い歩く夜の秋

武智浩


静かなる我が身ひととき夜の秋

竹本ハナミズキ


夜の秋移る季節や月眺む

星海


しまい湯に浸りて眠る夜の秋

片岡三洋


のんべえも文字が恋しい夜の秋

レイン孤音


夜の秋ふと拓郎を口遊む

浅田三時花


「月光」の和音静けし夜の秋

咲葉 


襟付きの出番恋しと夜の秋

寺ゆた


ベランダでたばこ燻らす夜の秋

玉照


さわさわと葉っぱが揺れて夜の秋

濱田てるてる


夜の秋ほおに感じて星さがす

柿ノ木繁


亡き母をふと思い出す夜の秋

中山十七庵


夜の秋遠く聞こえる犬の声

中矢しる子


来ないLINE夜の秋ただ深まりぬ

沖優


窓開けて月下の一杯夜の秋

江口白犬


往還を行く人も無し夜の秋

住田 赤鈴


レコードに針を落として夜の秋

喇叭鳥


夜の秋客足途絶えひとり酒

翔健


読みかけの本探すかな夜の秋

仲村江子


夜の秋一枚羽織る帰り道

Qちゃん・広ブロ俳句部神奈川支部


カリカリと鉛筆走る夜の秋

ほっほひまわり 


煩いを逃れて本に夜の秋

夢バーバ


夜の秋にIH温度控えめと

津軽 りんご


夜の秋再会指折る孫の顔

立山 草舟


夜の秋月の光も艶めいて

宇都宮 千瑞子


したためる彼女への文夜の秋

平田球坊


夜の秋自転車に寝て子はゆれて

矢野葉月


夜の秋百まで浸かる父と子と

紅い靴


責任にふと息をつく夜の秋

阿部栄壱


退社後の家路に急ぎ夜の秋

わきのっぽ


熱島や死語となりしか夜の秋

高志


珈琲の香り微かに夜の秋

渡邉志づ


夜の秋白湯啜りつつスマホ開け

深草 くう


夜の秋鼻腔くすぐるブランデー

河島はるちゃん


夜の秋タオルケットを手繰り寄せ

氷室東沙


ギターからこぼれる音色夜の秋

秋樹アカネ 


独り寝の膝抱きしめる夜の秋

佐藤史緒


宿題にラストスパート夜の秋

宮本かんこ


レポートの提出終へて夜の秋

故里恋心


夜の秋漸く禁を解く散歩

山樫梢


空仰ぎ無限星降る夜の秋

峠 東利


騒音も無く過ぎて行く夜の秋

玉治美


ひとときの珈琲の香りと夜の秋

柿渋翁


寝がえりの足引つ込めて夜の秋

川すみ山葵


ひそやかに空を見上げる夜の秋

村松 初楽


赤茶けた暖簾に列の夜の秋

華風ルナ


母の顔まぶたに浮かぶ夜の秋

藤田 圭


夜の秋や愛猫ひたと膝の上

ゆーこ


鴨川の瀬音寂しき夜の秋

大家由美子


星きえて別れがさみしき夜の秋

扇風key.:)


夜の秋まだ湯気の立つ茶をひとり

井筒朝子


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。

夜の秋はほっと心地良い癒しをもたらします。活動しやすくなった時間に起こるあれこれの出来事がたくさん句材になっております。さらに一歩踏み込んだ描写をできると金曜日掲載への扉が開き始めます。


たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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▼②【文法の問題】

我一人柔しウドンや夜の秋

笹原あゆみ


指先の跳ぬノクターン夜の秋

郷舞道


●ピックアップコメント:

このままでは文法上間違いのある句をピックアップ。

笹原あゆみさんの「柔し」は終止形、言い切りの形ですからここで言葉の意味が切れてしまいます。連体形「柔き」とすれば言葉がつながり「柔らかいウドン」の意味になります。

郷舞道さんも同様に、後ろの言葉へと意味を続ける必要があるかどうかによって活用を判断します。「ノクターン」へと言葉を繋げたいのであれば終止形「跳ぬ」ではなく、連体形「跳ぬる」となります。その場合、一音増えた音数を許容して字余りとするか、全体の言葉を整理して十七音に整えるかの二択になるでしょう。


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▼③【仮名遣い】

遠き君想ゐて涙夜の秋

大盛デーブ


うちの事好きや言ふてな夜の秋

鬼石 祥子


●ピックアップコメント:

俳句を書く際には表記を自分で選ぶことができます。普段目にする書き方と同じ「現代仮名遣い」と、古典などに用いられる「歴史的仮名遣い」の二種類です。

大盛デーブさんの「想ゐ」は歴史的仮名遣いで正しく書くと「想ひ」になります。

鬼石 祥子さんは「言ふて」が惜しい。本来「言ひて」である箇所がウ音便化しているのですが、音便の場合は「言うて」が正解です。

仮名遣いはうっかりミスをしやすいポイントですので、念のため辞書で表記を確認しながら使っていきましょう。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


投句はこちら