以下の①②③については入選決定!
金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。
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▼①【類想】
夕暮れの鈴なりの柿照り返す
陸野 かめぽん
柿実る群がる子らの今は無く
イーグル東山
100円で買えてた去年柿一つ
オイラー
柿熟れて野鳥の飛来空青し
放浪者
柿実り揺れる山の木吹く風や
月乃 唯心
悪ガキが古枝折ってカキを喰う
タカハシネコミサ
夕陽浴び黄金輝く柿すだれ
野口緑風
鈴なりの採る人もなき里の柿
雅月
レストランメニューは柿で客野鳥
八木獺八
袋入り柿百円の無人売り
まなびちゆう
腹いっぱい山盛りの柿食卓に
国崎 美栄
空青く色づく柿や満ちる笑み
鳥海美嶺
柿を剥く武骨な指のしなやかさ
竹田泉茶
柿咥えゆうひに馴染むカラスかな
だいごろう
渋柿の口すぼめたる子の笑みよ
新代愛華
さるとかにねまの子むくり柿食ふや
堀内山紫
空き家増え柿の実熟れる朝散歩
無益楽俳
父の愛柿の味なり心沁み
佐藤 万寿
待ち受けのちぎり和紙の柿や祖母偲ぶ
観の目
あんぐりとスプーンで食む熟し柿
やのゆずる
柿ひとつ木守りのごと残りけり
浅見 弓楽
柿紅く大和路同じ鐘を聞く
上原まり
ご自由に行き先決まらぬ渋柿や
笹原あゆみ
柿の実の高きを鳥がつつきをり
八代葡萄
山鳥がついばみ家の柿落ちる
草堂Q幸
柿ひとつ残す父の背祖父の庭
凡吟山
柿好きなあの子のことを思い出す
ねこか花はっか
柿たわわ誰しも見上げ空き家かな
数哩
梯子掛けたわわの柿に鋏入れ
岸愛桃
柿吊るす我が手に祖母の姿見る
飴本たけじ
ツンツンと柿の食べ頃知らせ鳥
シマエナガちよちよ
熟柿より鳥の啄む日差しかな
みくにく
柿をもぐ幼子の手の輝ける
清博水
青と風父が自慢の柿のれん
いとう 雛菊
エテ公は不遜樹上で柿盗む
宮ノ前薊
懐かしき故郷の友より柿届き
古都弥衣霧
初物の柿やひとつはお供えに
新田ダミアナ
廃屋の遺されし柿たわわなり
大ちはる
店までの車窓の柿はたわわなり
森の水車
残し柿カラスついばむ昼げ時
渡辺闇太郎
柿美味し斑鳩の里子規ありて
中山 秋菊
父の笑み浮かぶ墓前のあんぽ柿
武者 鷹丸
天辺の熟柿を狙う鴉かな
遠藤 千草
柿食えば皮剥く祖父の背を思ふ
しかぽん
柿一つ猿蟹合戦引き起こす
茶葉紅子
其処此処に小鳥の突つきし吊るし柿
林静香
鐘もなく荒れ寺見つめ柿拾う
サルだんご
初ものの柿仏前に山と盛る
京野ののか
宅急便母の手紙と柿づくし
福田 小さな花
すずなりの柿や空き家がまたひとつ
崇陀羅庵 酔睡
陽射し浴び甘くなるよと吊し柿
野比の天
柿の色友の面影探しだす
東 祐美
夕方や落ちる柿の実寺の鐘
小原ヒデボー
老いの歯に種無し柿を齧りけり
睡蓮 堤
軒下に吊るす柿見て郷おもふ
筑前助広
枝ばさみ梯子青空柿実る
鳳凰三山
柿を食い心も満ちて法隆寺
吉乃山道 桜花
てっぺんの柿の実赤し烏舞う
吉田秋桜
入院のお袋のため柿を剝く
鬼塚樹童
柿色やおばあの笑顔干し柿と
唐沢照秋
柿の実の熟すを待つよ爺と鳥
春めだか
明日香路に数珠なりの柿手とどき
新一歩
近所の木実る柿食べ怒られる
真泳魚
陽ざし浴び甘み宿った柿食す
涼風 蘭
父も亡き熟柿を看るや実家の庭
仁成
皮を剥く父の好みよ柿かたし
高屋啓
柿ひとつ「ななつの子」にと残しおき
閑里院 鮮墨
一巡り富有柿手向け母しのぶ
瀬戸 旅心
集落の果てて柿だけ増える道
鈴木青翠
いつもぐかそぞろ眺めるよその柿
いまい沙緻子
葉っぱ落ち庭の柿の木夕日差す
義文
柿たわわ烏も喰わぬ渋みかな
彩星紀
縁側にしわの手で吊る柿甘し
日向ね子
くたくたの熟柿ズッと飲みし祖母
美佑紀まい
叔母偲び一献交じゆ柿の里
乃戸 野辺音
吸い付いて夫の頬張る熟し柿
岩清水 彩香
皆落ちて道路を塞ぐ熟柿かな
北の星
群がりし雀の多き熟柿かな
山田すずらん
熟柿成る待せずに食う孫よ
堀部幸司
木に残す数個の柿は鳥の分
こすもす
お茶の友御所柿一ついかがかな
小島純情
廃屋に柿の木残りたわわなり
谷岸香子
柿もぎる手へ高々と子の両手
甲斐杓子
熟柿をひと口ははの微笑みて
赤池じげん
柿一つ残して天に贈り物
久生
柿の皮むく母の背は丸くなり
花桃
軒下に下がる暖簾は柿暖簾
しとしと心
柿食す久しき友の笑顔かな
吾亦紅也
軒先で干し柿食らふ祖母と孫
はなまるこま子
陽に赤く母の好物熟し柿
加古かよ
母の手の温もり伝う吊るし柿
和龍
塀越しに柿の実たわわ老木や
ややま
寒村を日色に染める柿簾
小川和花
とろとろに熟れた柿喰うスプンにて
一谷いちにょ
父負けたカラス突っつく吊柿
双葉めぶき
柿食えば亡き母思い涙する
堀田ホッタ
山辺を行く夕暮れや柿日和
達多辺吟
柿実り鳥より先に取し我
おみくじあたり
柿熟す荒れた空き家の庭にとて
七瀬 巧
軒下の吊るされた柿緞帳や
中川肱洲
柿の色里山遠景ぽつぽつと
澤 六花
にこさんこ枝先残すもぎる柿
釋 北城
青空に鮮やか映える熟柿の実
北森にこん
スーパーに宝石のごと柿光り
橘高シャンプー
斑鳩の鐘もゆかしき柿の秋
安田蝸牛
カラス鳴く取れぬ高さの柿一つ
高田三毛
放棄柿我が物顔の親子猿
トラマロ
柿の熟む空賑やかに親子鳥
伊藤みやび
干し柿はばあちゃんの味好きだけど
太極
無人家に柿ぎっしりと垂れ下がる
岡本聡子
若き夫思い出しつつ柿を食む
すずき鈴花
猿たちに食ひ尽くされる甘き柿
ルージュ
初柿や艶鮮やかぞかぶりつく
月満白檀
幼き日のままに実る柿たわわ
黒住景雪
廃屋の鈴なりの柿今が旬
佐藤 俊
鳥狙う庭に実りし柿一つ
久世越仙
庭先に柿の実残しおすそわけ
槇本享咏
鮮やかや柿は夕日に染めらるる
高橋爽葉
祖母の真似熟した柿を啜る孫
小川 一狼
干柿がゆれる軒下祖母の笑み
石原恵美子
食わぬ柿主のいない荒れた庭
春風志乃亜
山柿のしなる枝葉に鈴なりに
遠野春風
もぎ残す柿の一つや鳥の声
仲田松翁
てっぺんに残しし熟柿鳥の群れ
牧 美春
くるくると皮むく婆の吊るし柿
中村水音
鳥たちに取り残す柿あちこちに
夢野ユメ
棹伸ばし猫と見あげる柿日和
高木美月
突き上げて柿の実ひとつ竿の先
武 衛
柿採りや木守りの実を三つ残し
山田まもりい
命日に好物の柿1つ買い
前田よもぎ
年取りて母の追憶樽柿や
初出しょうこ
柿飛散廃別荘へ猿の穫り
浜田みこ
甘いのはこっちと指さす柿の胡麻
あすなろ
主無き柿が守りしここが里
畠山 そらまる
葉隠れの鳥も知りたる柿の味
名取秀
瓦より高き枝に柿一つ
熊谷子南
たわわなり家主無くとも実る柿
エマーシャばあば
甘柿に的しぼり鳴くカラス群
松 洋泉
柿捥ぐ手下で待つ子の両の手に
松下節子
柿2つ文鎮代わりいろはにほ
若山真弓
柿挟み家主とカラス睨み合い
写雅句
柿の実にカラス十羽の昼食会
詠野孔球
干し柿やすだれとなりぬ父の里
生田萩の
柿好むみ仏おもふ夕べかな
岩川三六九
柿一実残して山の命かな
吉田 越佳
たわわなる柿夕闇の灯に似て
魚木孫
持ってけと隣家の爺が柿を出し
海神 瑠珂
ふるさとや父の好物蜂屋柿
文月みみ
富有柿頬張る君の紅の色
波川志真
里歩き柿の実映えし青空よ
望月みなこ
柿の実が枝間にポツンと見え隠れ
草刈明峰
折れるほどたわわに赤く熟柿咲き
桃の海
更地とす実家も垣根も柿の木も
白崎華芳
根比べカラスと私柿実る
五條紅紫
日に映えて空き家の庭の熟柿かな
水城みずき
柿実りカラスざわめく影迫る
広島 れおん
腹へらすカラスに呈す次郎柿
吹田千里
好奇心渋柿かじり舌痺れ
猫乃柚八
今朝供う夫の好物おけさ柿
村尾日々草
青き空一つ残しし柿熟す
水晶文旦
柿を食む渋味知らぬ児渋い顔
河国老保忠
此の柿園生り捨てられて放棄地へ
武田鳥渡仁
鳥たちよ庭の柿は君のもの
山之池四歳時記
彩る軒先や揺るる柿暖簾
はしもと紫雲英
どこかしら祖母似の柿の懐かしき
荒木枝葉
木守に残した柿の二つ三つ
髙橋好泉
大きめの柿に届かぬ竿の先
谷本杏
老木に艶めく柿の夕日かな
松下檸檬
鍬の音と一羽のカラス柿日和
阿胡茶
柿採りを頼む母の背曲がりけり
清実
干し柿や考の手仕事偲ばるる
千夜美笑夢
啄んで朝夕仲間柿コーラス
麻座輝貞
暖かき祖母の手のひら柿ひとつ
撫子
我が妻の柿むく指のいと白き
永合
青空や店先並ぶ柿三つ
将一
ジョギング中垣根を越えた熟し柿
新緑香風
その柿か先越されたわ猿が笑む
渋谷雫玉
柿熟れて啄む鳥や昼下がり
未生 漣
窓越しの眩しい夕日にかざす柿
追込 馬太郎
柿泥棒昔は人間で現在は熊
華経龍昇
うんと背伸びなおも届かぬ柿二つ
尾藤ことさん
柿もぎり顰めっ面に種を吐く
ぴょん吉 龍
塾帰り皮ごとかじる赤き柿
三日余子・いつき組広ブロ俳句部
野辺の柿黄金ゆらゆら陽が沈む
西倉美紗子
道端の落ちてつぶれた柿ひとつ
林一芳
へた取りてスプンですくう熟柿かな
平香
柿たわわ狙うカラスを狙うわれ
鴨の里
届かない烏しか得ぬあの柿よ
森嶋ししく
辿る斑鳩望む法起寺に柿
奥野恕宣
つるし柿亡き母想う香り紐
五月 香子
渋柿を一つ残して猿も去る
柴田 和哉
涙目の恋語る吾子柿かたし
東野あんみつ
枝先の柿を烏も見つけたり
福島きこ
帰り道カラス跳ねては柿光る
中山長風
幼子の届かぬ柿に手を伸ばし
大島尚英
柿3つ猿軍団の食い残し
大塚鴨鷺
つるし柿朱色のカーテン陽だまり味
南 はに
柿熟れて鳥も賑やか青い空
大薮薫子
夕暮れに熟柿の揺れて一つ落つ
沖野屋公太郎
柿もぐ日鳥に残せと祖母の声
一夏たけの坊
縁側に寝ころび見てる柿と空
ゆみ
闇の先錆びたトタンに落つる柿
水引草
人住まぬ庭の柿の実鳥食めり
蓮花
柿たわわ荒らし放題鴉たち
たがわぱてい
縁側に粉吹くまでの柿すだれ
加藤 行人
色づくや空き家の庭に柿一つ
矢澤瞳杏
故郷や山辺の道柿たわわ
陶豪
里山や家の周りは柿暖簾
飯島寛堂
柿たわわ隣家の枝の気になりぬ
渡辺紫雨
柿喰らうお腹重たし地のカラス
越中 万葉
柿たわわ食むひとの無き里の家
明日葉
京の里川沿いペダル柿たわわ
宇於留礼央
母逝きし空き家の柿の豊作や
矢澤 かなえ
踏まぬよう帰る坂道潰れ柿
逢花菜子
夕暮れに柿ある生家思ふかな
伊藤 ゆかり
ゴロゴロと縁側の柿や猫昼寝
緑野隼
廃屋のひなびた庭に柿光る
ロミ
帰省してそこら歩けば枝に柿
菜園ベジタベル
竹ざおで柿をもぎる日幼き日
ひらさわ 瑠璃
柿の実を眺めて思う友の顔
花園 メイ
孫来たる笑顔の先に柿たわわ
郷 留土
柵越えの照り食べ頃や柿ふたつ
日の峰祥雲
枝の先カラス食べてと柿1個
凪涼夏
碧空に鈴なりの柿枝しずか
山本 修
塀の外枝もたわわに柿実る
藤つばき
名も知らぬ近所の家の軒に柿
伊澤 ゆき抄
渋柿を剥く婆の手は皺だらけ
あじさい31
夕映えに染まりゆきたる柿の村
古志乃あんこ
庭の柿夕日の色と重なった
泉 早希子
美味しい柿の味カラスより知らず
秋沙かんろ
山里やあかあか灯るごとき柿
延命花子
木守り柿熟れゆくままに過疎の里
深山薄雪草
住む人のいない家にも柿たわわ
林雪
柿食べてかじって気づく渋柿だ
アルティメットゴリラ
蔕もちて両手につつむ熟柿かな
十七歳の乙女
道沿いの古家古家に散る熟柿
鉢垂藤
青空に一点の柿の朱色かな
福永夢幻
柿すだれ口福の色深まりぬ
桜芽多
廃屋となりし生家に柿熟し
すみ湖
柿の実やひとりポツンと木を守り
流れ星
柿ひとつ仏の夫と分けにけり
石井紫
竹竿の届かぬ先や柿たわわ
十四志
ふる里や村百軒の吊し柿
老野一声
ふるさとや母のぬくもり柿の味
妙子
柿を食う兄の背中は父に似て
渡部じんさん
そっと剥きじゅると一息熟柿
瀬文
山里に柿鈴なりの静けさよ
薔薇紫
柿赤し無人の里が暮れてゆく
優音
夕まぐれ柿干す嫁の手の白し
杉浦わたがし
渋柿もお天道様で甘くなる
田村杏胡
実重たし荒屋彩る柿寂し
タピオカ仙人
祖母思う幼き記憶吊るし柿
桜花川巳
好物を供えし兄へ甘き柿
佐々木光風
柿十円吉野の無人販売所
一歩二歩散歩
主のいぬ柿の実くろうて大鴉
坂東 手摘
雀寄る母の好みの熟し柿
斎藤喜代子
クレーンゲーム高枝切り鋏の柿
咲花 みえこ
テカテカと夕映えの柿またあした
裕季
嘴で啄みし跡枝の柿
中山十七庵
渋柿の知らずほおばる孫の顔
tokisan
甘い柿鳥がつついて地面行き
じぇにふぁ
塀越しにあの家この家柿実る
中矢しる子
庭の柿狙うカラスとにらみ合い
豊楽知生
柿もぎて一つ残しておすそ分け
中村止一
肩車手を伸ばす孫柿ひとつ
田中 長兵衛
柿熟るる主なき家を守るごと
住田 赤鈴
茅葺の里に一本木守柿
喇叭鳥
片隅に残れる木々に柿たわわ
土の隨
鳥が知る柿の食べ頃どんぴしゃり
漆崎 明
吊るし柿はては野鳥の餌となり
猫辻みいにゃん
柿の味懐かしき味飽きぬ味
土居うらら
爺ちゃんの干柿揺れる青天下
間之口葵一
渋柿をすだれに並べ甘くなれ
津軽 りんご
柿狙う鳥を威嚇し五つ六つ
玉京子
柿たわわ実れば標散歩道
平田球坊
柿固し仏間に供えて時を待つ
紅い靴
朝靄の奥で柿剥く小さな背
日和山 ちひろ
学童ら渋さを知らず柿を食む
福浦しんご
猫遊び夕陽に映えて灯る柿
桐山榮壽
烏らの食べ残したる柿食べる
河島はるちゃん
庭の柿鳥も食べるが私も食べる
小藤向日葵
高木見て祖母を呼ぶ声柿ねだり
仮名こあら
柿の実に夕日あたりて鳥一羽
山我 閑
柿甘し父懐かしむ三回忌
元町熊猫
庭の柿「豊作だよ」と仏前に
綾瀬 康子
熟柿吸ひ背中はいよよ丸くなり
犬人間陽子
鈴生りの柿眺めつつ里はるか
玉治美
里帰り柿剥く祖母の後ろ姿
文ちゃん
あをによし奈良へ誘う寺と柿
柿渋翁
畑の隅亡き母植えし富有柿
水谷未佳
熟れた柿夜なべの母のまるい背よ
山笑み
山あいの里を彩る柿の群れ
古谷芳明
鈴なりの柿の木二本廃屋に
晴山喜作
母去りし庭に残りし柿熟るゝ
蓼科 嘉
今年また野鳥取り分甘い柿
翠善
ふるさとのそろそろ柿の熟るゝころ
由凛
飲み過ぎてとろりと甘き朝の柿
陽介山
柿一つ採り残しが夕に映え
茶子父
縁側で柿がぶりつく懐かしく
朝野貴風
柿食えば父と和歌山思い入る
徒然躬行
遠まわりして歩こうか柿の秋
外町よしのり
庭の隅歯形のついた柿ひとつ
御簾紫音
柿たわわ風ばかり知る母の庭
平川萌音
渋柿や一つ転がり田中道
都築由美子
道行けば人影もなし柿の里
梶原菫
爺の柿今年も供える婆の墓
松 花良治
柿ひとつ枝に残りて空を見る
一色朔夜
●ピックアップコメント:
初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。
日常で見かける場面のあれこれが多かったのはもちろんですが、過去や故郷を懐かしく思い返す句が多かったのが特徴的でした。
たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。
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▼②【文法の問題】
売れ残り形の悪し柿を買う
肴
昨日の夕焼け留む熟柿かな
江端 桜子
双眼鏡の中に照る柿も果つ海も
モモザウルス
●ピックアップコメント:
このままでは文法上間違いのある句をピックアップ。
肴さんの「悪し」、江端 桜子さんの「留む」、モモザウルスさんの「果つ」、いずれも終止形なのでここで意味が途切れてしまいます。
後ろの言葉へと繋げたいのであればそれぞれ連体形にする必要があります。肴さんは「悪き」、江端 桜子さんは「留むる」、モモザウルスさんは「果つる」となります。
一音音数が増えてしまう分はどこかで別途音数調整が必要になります。どうしても音数調整がうまくいかない場合は、語順の変更や余分な言葉の削減、別の言い回しを考えるなど、推敲を試してみるのも良いでしょう。
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▼③【仮名遣い】
脚立立ててっぺんにをる柿をもぐ
はっとりはるか
法隆寺子規(のぼ)さん想ひ柿甘ひ
昇椿
柿食ふてつるんと種の舌触り
ケンケン
●ピックアップコメント:
俳句を書く際には表記を自分で選ぶことができます。普段目にする書き方と同じ「現代仮名遣い」と、古典などに用いられる「歴史的仮名遣い」の二種類です。
はっとりはるかさんは「をる」は歴史的仮名遣いを正しく書けていますが「てっぺん」を見落としました。「てつぺん」も合わせて歴史的仮名遣いにできていればパーフェクト。
昇椿さんは「想ひ」は正解ですが「甘ひ」は間違い。「甘い」が正解です。
ケンケンさんの「食ふて」は「食ひて」のウ音便化したものならば「食うて」が正解となります。
仮名遣いはうっかりミスをしやすいポイントですので、念のため辞書で表記を確認しながら使っていきましょう。
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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。
そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

選者コメント
家藤正人選
みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。
月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。
・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。
・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。
月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!
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▼【季語なし&違う季語】
お待ちかね柿の葉巻いた寿司ずらり
宇内とと
スクワット晩秋の朝向い合い
るんるん
びっしりと箱いっぱいの柿葉鮨
嗎 鬢藝
柿落葉咄嗟に丸むだんご虫
松原白士
聞かざるよ青き柿だに落とさぬか
米ノ稲穂
青柿が落ちる吾の涙の如し
山口歌子
母を抱く晩秋の斎場白布の骨壷
船津貴船
再共演一緒に見る柿紅葉
夏空
葉ふるえて言霊ひびく秋の雨
木村ひな
トンネルの先の紅葉に逸る息
さるか猫
帰り道紅き夕焼け柿紅葉
荻村秋人
草刈れば絡まる蔦に青い柿
上田隼雄
柿の葉のがさりと一つ落ちにけり
伴田至誠
青柿をかじって台無し鼠かな
ゆう
君の目に映りこんでる柿紅葉
鈴木鈴
キャンバスに色を移さむ柿落ち葉
ヒガラ村瀬
青き柿かごに溢るる熊の里
朝凪 しずく
霜が降り陽に輝いて柿落ち葉
熊膳結月
柿という名の教室の英語塾
小林弥生
早期あの世へ300万円全身麻酔で夢見る世界へ
田中一郎
ひと休みたわわに実る木の下で
たぬたぬ よしこ
●ピックアップコメント:
季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。
今回は惜しくも違う季語になってしまった句が多かったです。「青柿」や「柿紅葉」「柿落葉」はそれぞれ別の季語として独立しているのです。また「柿葉鮨」は季語「鮨」と考えるべきでしょうか。
兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。
俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。
今募集中の兼題は、12月19日締切の「冬至」です。ご投句お待ちしてます。
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▼【季重なり】
柿日和子規忌初孫誕生日
あすか風
秋の風赤柿熟や嬉しや
じゃりん
帰燕の空郷の柿の木は遠く
ゆあさけい
染まる色柿も食べごろ秋の匂い
ふるりこ
柿の実をついばむ小鳥うろこ雲
ひつじ
熟し柿落ちて飛び散る秋の果て
岩田 てるお
秋深し柿収穫や実り見る
池尾ばーちゃま
秋になり甘干食べると春の味
星になりたい
里やまに熊降りし柿くらう
池ノ富士
柿の木は秋を感じる植物だ
Kota
ハロウィンに紅葉にかぼちゃ柿飾り
中野京美
柿食えば甘さ広がる秋日和
雪野
柿食えど紅葉遠き残暑かな
西谷東孤
秋暑し今や懐かし祖母の柿
雨月トネリコ
ゴマきなこ柿の実くるみ亥の子餅
中山雪うさぎ
柿の色夕陽の光秋の道
名倉 拓真
店頭に並ぶ干柿年の瀬か
白水輝三郎
ハロウィンや柿に目鼻を描きたり
阿部英雄
郷里に独り痩せた柿の樹群れる蟻
山田流整
まだ硬い富有柿並ぶ秋寒のスーパー
宇佐木ねこまる
柿の木にのぼる白煙落ちる熊
龍雲
背伸びをし大夕焼けの柿をもぐ
米山カローリング
汗拭いて柿の実かじり涼やかに
701らっこ
柿の枝や蛇も蛙も猿も吾も
鈴鹿悠太郎
クマも食む柿の香りと甘さかな
可可夫豆
遠くなるスーパーで知る秋の柿
三島舞
白シャツで故郷の柿を食む吾子よ
五月雨差澪
汗はじけ跳ぶ子見守り柿踊る
米子 創明
平泳ぎついにごうかく柿の秋
ともき9才
闘病夏スキップし柿なのか
ララ
●ピックアップコメント:
一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。
季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。
ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。
やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。
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▼【季語の考え方】
柿の木を切って殺しはしていない
長田みんと
人生が柿の木の世に熟れたなら
木村佳詩
夕日ごと柿の葉朱に染まりけり
スイッチ婆婆
お茶会や柿の葉敷いたお饅頭
千の百代
柿の木や切られ町内会にくし
吉成小骨
仏壇の柿の葉からり老母の背
鷹蛸 なつめ
かきという一語のひとつ柿と書き
しろのだま
ふる里の更地の跡の柿一本
いつきとさやか
黄昏にうっそり柿の木帰り道
夏野星一
柿の木や空に葉広げ盛りかな
照青
柿畑今は家族の燈あり
有井 新子
家々に柿の木一本ある生活
シクラメンチトシ
甘い柿今何処なり祖父の庭
プーキィ吉田
柿の葉に万華鏡の夕暮れり
松尾竹梅
ヘタウマの絵手紙になり柿来る
ばんどうしんじろう
柿の木々は宅地になりや子の恋し
水田洋弓
故郷は一家に一本柿の木が
いちばほうすい
村はずれ差し色の如柿一本
阿部 晴子
さようなら実り見ぬまま柿の木よ
夜ツ星 シズク
柿の木の下で告られかきみだす
乃木坂の遠藤さくらかわいい
期待せし鉢に置かれし柿の種
O’Hare 鹿互
柿色の空を横切る鳥の群れ
横山 沙石
柿の木や陰にシェパード座りおり
かく たまき
故郷の空は今頃Kakiの色
小仲翠太
柿八年人は百年国何年
坊賢 富吉
白厚し照り際やかなる画布の柿
青山鷗來
伐られてた干し柿作りしてたのに
矢車 のえ
造成地に佇む柿の木独り
三芳明
柿渋のバッグに叔母のミシン目よ
ぶいこ
竹衣天火に柿種渋きいし
草葉ユタ
●ピックアップコメント:
「柿」が季語として機能しているかあやしい句をピックアップ。
今回の兼題「柿」のように、葉が茂り、花が咲き、実が生り、葉が落ちていくものは沢山あります。
そういった場合、季語として扱う際には「○○の木」では季語としての力が限りなく薄くなってしまう場合があります。木自体は一年中存在しており、花の咲く時期であれば「○○の花」、紅葉や落葉であれば「○○紅葉」「○○落葉」など、それぞれが違う季語として扱われるためです。
また、柿の種や、柿渋のバッグといった道具類、柿の色をしているなにかなど柿を比喩にしたりしている場合も季語としての力は限りなく薄くなってしまいます。
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▼【入力にはお気を付けて】
黄昏や描き奪い合うサルとカニ
善如寺大魔神
掌のひらにずしりと重し冬有柿
キミネコちゃん樋口
低くかった?登って取った柿の塀
林 みぃゆうママ
なおやかに皮剥き否ぶ熟柿かな
西尾翠峰
●ピックアップコメント:
入力や変換が気がかりな句をピックアップ。
善如寺大魔神さんの「描き」、キミネコちゃん樋口さんの「冬有柿」はおそらくそれぞれ「柿」「富有柿」の変換が間違ってしまったものと推測します。
林 みぃゆうママさんは、絵文字で赤い色の「?」疑問符が表示されていました。こういった絵文字やスタンプに近いものは機種依存文字と呼ばれ、サイト上で正確に表示できない場合があります。
西尾翠峰さんの「なおやか」は手元の辞書だとそのものずばりな単語は発見することができませんでした。「たおやか」あるいは「なよやか」と入力するはずが混じり合ってしまったのか、「などやか」のはずが誤入力になってしまったか……と推測しております。
自分が表現したい内容が正確に伝わるよう、送信の前には今一度文字の見直しをおすすめします。
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▼【特殊なふりがな】
塩山を訪ふ写真機柿すだれ
中澤深翠
●ピックアップコメント:
通常とは違った特殊なふりがなを作者自ら振っている句をピックアップ。
中澤深翠さんによると「訪ふ写真機(おとなうカメラ)」と注釈がついています。カタカナの「カメラ」ではなく時代がかった「写真機」を使うことで時代の手触りを感じさせたい意図はわかりますが、「写真機(カメラ)」は多少強引ではあります。
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▼【来月もまた会おう!】
柿食べてやんくるぱっぱぶっとびよ
ウチハマダラ
柿1つ尾をまっすぐに緋の海
明信
●ピックアップコメント:
投句してくれてありがとう!
まずはしっかり「柿」をいれた投句をしてくれてうれしゅうございます。これから一歩一歩学んでいきましょう。今募集中の兼題は、12月19日締切の「冬至」です。これからの投句も楽しみにしています。
※今回の兼題「柿」初級者投句欄へのご投句は、投句数3890句、投句人数1699人となりました。