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初級者結果発表

2025年10月20日週の兼題

牡蠣

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【575の間空き】

牡蠣食えば、殻が重なる、瀬戸内海

酒匂香


●ピックアップコメント:

俳句は五七五の間を空けたり句読点を打ったりせず一行に縦書きするのが正しい表記です。インターネット俳壇の横書きは、縦書き表示が難しいためやむなく許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。

俳句の修行の第一歩は、正しい表記から! 次回のご投句お待ちしております。


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▼【俳号の入力にはお気を付けて】

書く葉書指折り数え摘む牡蠣

書く葉書指折り数え摘む牡蠣


●ピックアップコメント:

俳号の欄に俳句を入力してしまう人が時々いらっしゃいます。せっかくの投句も、自分の名前が消滅してしまっていてはもったいない。

送信の前には今一度入力内容の見直しをおすすめします。


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▼【季語なし&違う季語】

竹皮を求めてわくわく金目鯛

豊田 タコはは


気遣う娘いたわる母湯気立つ鍋

井上健二


子供でき今から私男の子

遠藤蒼士


吾の番だ海のミルクの宝物

爺さん 婆さん


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

牡蠣をテーマにしているのはわかりますが、肝心の季語が抜け落ちてしまったパターンもありました。無念。

兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、1月19日締切の「冴ゆ」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

牡蠣喰えば腹が鳴るなり秋の夜

みこ


凍てる朝まぶしく光る牡蠣棚に

メイまろ


牡蠣の夜のトイレの寒さ忘れまじ

奥山渓魚


牡蠣育つ潮の匂いの宙真冬

加藤東空


牡蠣小屋に集い焼き牡蠣寒が来る

荒井慎一


冬の夜牡蠣雑炊に頬緩む

才吉


柿喰えば牡蠣の季節が忍び寄り

自然堂一休庵


冬海の底に光るや真牡蠣棚

森元博隆


冬の味焼き牡蠣香や潮の風

じゃりん


柿に牡蠣続く兼題食いしん坊選者

はまゆう紬


朝焼けに染まる波間の牡蠣筏

黒住景雪


夏過ぎて再生の香と気牡蠣小屋は

小虎 くまこ


牡蠣鰻遥か遠くに富士の山

津之浦町民


プリプリの真夏の夜より熱い牡蠣

野獣


うみねこの声を肴に牡蠣喰らう

林田伊助


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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▼【季語の考え方】

牡蠣フライ食べ損なって烏賊フライ

狭山茶娘


生牡蠣の講釈長し町サウナ

故里恋心


牡蠣殻に石鹸洗濯板の上

こむらがえりぷるきち


いつかしら牡蠣を食した北峠

鈴木スモモ


縄文も御馳走なりし牡蠣殻や

深山薄雪草


祖母曰く牡蠣の殻こそ終戦ぞ

珊瑚霧


遠島の牡蠣殻が告ぐ病あり

波見頓


牡蠣食べて鶏卵殻が丈夫なり

とくねん


牡蠣ガラは鶏の餌なり殻となる

トクマン


曝すほど白き胡粉に牡蠣の殻

大矢香津


牡蠣殻に願いをたくす長谷の寺

式 あした


牡蠣殻を踏んだみたいなタイヤ穴

横山 沙石


料理下手神の助けは牡蠣ソース

すみ湖


旅たちの分かり会えるよ秋杜蛎に


●ピックアップコメント:

「牡蠣」が季語として機能しているか微妙な句をピックアップ。

諸々の理由によって、季語としての鮮度が落ちているのではないかと考えられるケースが見られました。

食べていない、牡蠣についての話を聞いている、過去や記憶の類いといった場合は季語としては弱いかと考えます。

また、鶏に食べさせたり胡粉にするといった工業的な利用や、長谷寺の牡蠣殻絵馬は季感は薄いと考えます。

さらに、牡蠣殻を比喩に使った句、オイスターソース? と思われる句も牡蠣そのものとは言い難いでしょう。

手元の歳時記では記述が見つけられなかった「秋杜蛎」も気になるところではあるのですが……。「牡蠣」が冬の季語であることを思えば「秋」とつく以上は季感のズレがあると考えるべきかもしれません。


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▼【入力にはお気を付けて】

牡蠣殻や吾子は実を捨て花飾り

ぶんご どんこ


牡蠣食えへど弛まぬ努力しるしみぬ

ぴょん吉 龍


岩牡蠣に宿る命ちに力あり

魚住灰石


●ピックアップコメント:

入力や変換が気がかりな句をピックアップ。

ぶんご どんこさんの「実」は「身」の誤変換でしょうか。

ぴょん吉 龍さんと魚住灰石さんは余計な文字が混ざり込んでしまっています。「食えへど」は「食へど」、「命ち」は「命」だったのではないかと推察します。

自分が表現したい内容が正確に伝わるよう、送信の前には今一度文字の見直しをおすすめします。


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▼【来月もまた会おう!】

ご褒美に牡蠣めしあたりうらめしや

シマエナガちよちよ


鍋の牡蠣美味いを知る日母空の上

ひらさわ瑠璃


牡蠣と核並みでないこと肌身にて

佐藤 万寿


牡蠣コースバブって嗚呼滋養ならず

中川肱洲


牡蠣やモクモク焼きて濡れ髪食す

南全星達


捕まえた宇宙人にも牡蠣フライ

白スニ


牡蠣割りて食むうましかり

平本文


●ピックアップコメント:

投句してくれてありがとう!

まずはしっかり「牡蠣」をいれた投句をしてくれてうれしゅうございます。これから一歩一歩学んでいきましょう。今募集中の兼題は、1月19日締切の「冴ゆ」です。これからの投句も楽しみにしています。



※今回の兼題「牡蠣」初級者投句欄へのご投句は、投句数3360句、投句人数1469人となりました。

以下の①②③については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。

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▼①【類想】

牡蠣鍋や舞う湯気香深く箸の音

Mr m


牡蠣殻の悪戦苦闘父の顔

tokisan


牡蠣喰えば海の丸ごと口の中

あじさい31


鍋なのかフライか生か迷ふ牡蠣

アツシ


海中の鳥居眺めし酒と牡蠣

いしみちか


海の糧森より巡り滋味の牡蠣

いるの  橙


可也山の森の恵みや太る牡蠣

エマーシャばあば


牡蠣食し山林保全に思いはせ

オイラー


我宿に牡蠣グラタンや母の笑み

オグラ 穗


七輪に大粒の牡蠣ひとり酒

おじいちゃん1号


温暖化水温上がり牡蠣斃死

かげろう


ああうまい旬の生牡蠣食ってみな

かすか べえやん


牡蠣筏バケツ三杯食べ放題

かたじん


殻外し岩ガキ食べて頬緩む

かつら式部


遠目にも煙もうもう牡蠣の小屋

こうちゃんおくさん 


おこぼれを頂けない牡蠣の不漁

こるりちゃん


夕潮に静かに揺れる牡蠣筏

さかい癒香


牡蠣入れて時間に厳し鍋奉行

しかぽん


牡蠣鍋や婆婆のご馳走孫苦手

しとしと心


生牡蠣やあたるの恐れ加熱する

たがわぱてい


揚げたてに牡蠣とレモンのハーモニー

たぬたぬ  よしこ


意を決し牡蠣を喉へと流し込む

ツキミサキ


牡蠣くへば喉が鳴るなり泡の渦

ていれぎことり


牡蠣剥けば磯の香満つる厨かな

にえ茉莉花


山を父海を母とし牡蠣育つ

はぜ尾


上流で木々育めば牡蠣育つ

はなまるこま子


しまなみの温泉宿の牡蠣づくし

ピコリス


夜も更けて牡蠣三昧に舌つづみ

フリージア


剥きたての牡蠣食む磯の香を賜う

ほしの鯖女


牡蠣食えば父と旅した厳島

まごはる


一斗缶で届く牡蠣なり北海道

みさ


牡蠣嫌いお陰で鍋で独り占め

みなづき はるるん


牡蠣焼きに待つ客の列長きかな

ややま


牡蠣フライ幸せ感じ囲む卓

ゆかいなさっくす


岩牡蠣を食う浦村の古い小屋

ヨシキ浜


かご盛りの牡蠣に歓声海の駅

らぱん163


牡蠣の香や小舟に揺られ大鳥居

りゅうてん和尚


牡蠣届く鍋かフライか箸二膳

わすれ傘


波しぶき埠頭の牡蠣小屋殻の山

阿部Kの寿砂


黄金色とろりと美味い牡蠣フライ

愛美


銘柄のこだわり酒よあては牡蠣

伊達紫檀


生が良し焼きが良しやと牡蠣談義

井上ひなた


焼き牡蠣に思いをはせる遠き海

一色 朔夜


ごつい殻開けて白磁のごとき牡蠣

一谷いちにょ


牡蠣いかがいずれのカキかと返す我

宇曽荒神


華金や生牡蠣焼き牡蠣牡蠣づくし

羽根井しの


山盛りの蒸し牡蠣と父懐かしや

雨月トネリコ


牡蠣が好きいつのまにか大人ぶる

雨読人


焼牡蠣や醤油垂らして熱々を

雲井草舟


待ち侘びし牡蠣に笑顔のほころびて

英 ゆみ


生牡蠣やつるんと口に滑り込み

詠野孔球


つるりんと喉が貪る濡れた牡蠣

越中 万葉


牡蠣食べて腹くだし君見て笑う

遠山貴弘


こわごわと生牡蠣食らう漁港かな

横辺理


ジュウジュウと母の好物牡蠣フライ

加古かよ


眠る牡蠣優しく抱く四季の波

加藤茉莉花


店裏で崩れんばかり牡蠣の殻

河村のび太


殻のまま盛らるる牡蠣や北の宿

蝦夷やなぎ


ミルク牡蠣ツルッと飲み込みもう一杯

悔い辛抱カズ


曇天も心浮き立つ牡蠣の小屋

海の夕ひ


牡蠣好きな父親今や空の人

海山天翔


牡蠣フライタルタルソース野菜愛

蟹座ヒロシ


松島の島巡り後牡蠣ごはん

柿ノ木繁


オススメは生焼き蒸しに牡蠣フライ

楽・豊・幸で行こう


七十の母の好物牡蠣を煮る

岸愛桃


牡蠣食むや口も鼻も海海海

岩川三六九


牡蠣鍋や家族団欒懐かしむ

鬼塚樹童


牡蠣フライ私のおはこ癒されり

久世わわ


北海の香りをまとう牡蠣食へり

宮 由太


牡蠣グロい食べてみたいがちと怖い

宮本かんこ


牡蠣小屋で笑いの絶えぬ幸せの瞬間

魚木孫


食べず嫌いプリプリの牡蠣今年こそ

京都さくら


牡蠣貰ひ酢フライ飯と思案する

玉京子


広島を歩き疲れて独り牡蠣

桐野の乃


渚より今年も届く牡蠣と文

金華 詩朗


我先に鉄板上の牡蠣喰らう

金野秋好


大口を開けてアチチやカキフライ

空色いんこ


三十路超え食わず嫌いと牡蠣を知る

空木別館


一人旅焼き牡蠣香る海辺かな

熊谷子南


牡蠣の潮磯を楽しむ秘湯宿

群馬爽走


ぷっくらと牡蠣待つ鍋の夕餉なり

慶華


日本海求めて誘うカキの旅

月野あかり


頼むからフライにしてよミルク牡蠣

健忘


牡蠣喰ふやオーロラソース母偲ぶ

兼子駿


生牡蠣や灯りに揺れる縄暖簾

鍵渡なでしこ


岩牡蠣や蕩ける甘さ波静か

原 南山


夕餉には牡蠣鍋囲み和む一家

古谷芳明


ぷるるんと箸先逃げる酢牡蠣皿

孤句狸翁


海鮮の席に山積む牡蛎の殻

胡秋興


牡蠣ひとつ喉をするりと通り抜け

光顕


岩牡蠣やつるり頬ばり海かをる

好陽晃


牡蠣は生あまたあたるも止められぬ

弘翁


湯気の先頬張るかきの至福かな

荒木枝葉


牡蠣食えば酒の進みてほろ酔いて

高橋基人


海の街牡蠣売る店と潮の香と

高崎孝雄


牡蠣剥けば皿に旨味と磯の風

高木美月


バイキング生牡蠣の殻積み上げて

今井佳香


セオノデと牡蠣旨き月教えられ

今日女


熱々をむくと笑顔に旬の牡蠣

佐賀埼玉峯秀


物価高ことしも食むるや牡蠣の鍋

佐々木光風


口内に唾液満つるや牡蠣フライ

佐藤根 雪華


牡蠣煮えて幸せの音くつくつと

佐波乃屋 あ季


牡蠣鍋や湯気のむこうに筏ゆれ

沙月香


牡蠣鍋や野菜ぐつぐつ煮込まれる

斎藤コロンのママ


雑炊に晩の残りの牡蠣一つ

斎藤三藤斎


酢牡蠣食ふ吾子は大人の仲間入り

咲花 えみこ


様々に調理すれども牡蠣は牡蠣

桜見屋 犬一


牡蠣食えば故郷しのぶ一人酒

三宅翔丞


牡蠣フライ磯の香満つる厨なり

山のうさぎ


生牡蠣やずずずと啜りひとり酒

山崎甘茶


牡蠣割りし祖父の両手の皺の濃さ

山々林々


生牡蠣のぬるっと喉を通りをり

山田すずらん


牡蠣めしかフライか決める牡蠣の粒

山内志津子


グラス酒ひとり牡蠣鍋星仰ぐ

山乃 草花


牡蠣の死で気づく海の温暖化

山之池四歳時記


女川や牡蠣三昧のおもてなし

山北爺さん


香り立つ湯気立つ牡蠣に頬笑う

山本 修


牡蠣食えば潮の香りや厳島

山本てまり


牡蠣フライ定食が好き父笑う

七夕音頭


牡蠣フライぷるぷるの身がマッチする

紗津 夢虹


牡蠣ひとつ手のひらにのる生命かな

若山真弓


生牡蠣にレモンしぼりてのどならす

若葉カヲル


亡き父の遺影も綻ぶ牡蠣シチュー

住田  赤鈴


岩牡蠣や海女の素潜り伊勢の朝

出金  菩呂


噛みしめる牡蠣のフライに母想う

春の新々


定食屋湯気の神来る牡蠣フライ

春風京桜


もっきりと生牡蠣に笑むカウンター

小巻小梅


牡蠣小屋に弾ける殻と笑顔かな

小川 一狼


夕食や疲れを癒す湯気と牡蠣

小塚ちか丸


生牡蠣や喉であじわうレモン汁

小暮弘明


牡蠣一つ土鍋の中に忘れられ

小野たまお


牡蠣食へば厳島神社に潮満つる

小林浦波


生牡蠣で入院懲りずに殻を剥く

小林復旧


牡蠣見ると未だに浮かぶ地獄の日

小林弥生


牡蠣食えば口いっぱいに能登の味

昇り銀龍虹の空


ガンガン焼きの牡蠣懐かしき祖母の味

松山 桜子


海原や炭火の牡蠣のエキス吸う

松川 優羽


生牡蠣のトラウマ消えず唾を呑む 

松尾貢水


破顔かな牡蠣に湯気ひとすじ香る

松和幸太郎


宮島の土産話は牡蠣尽くし

祥対無


牡蠣喰めば潮の香遠く伊勢の海

上原まり


牡蠣鍋や湯気の先には古稀仲間

信行鈴起


伊勢参り牡蠣に赤福食べたさに

新一歩


伊勢参り後は牡蠣小屋食べ放題

新城 三九


生臭し酢牡蠣の香り命生む

森 三竜


何よりも牡蠣を好みて吾が妻は

森嶋ししく


待ちわびた大粒牡蠣にお猪口酒

森乃涼風


牡蠣を食ぶ潮風と海口の中

仁成


迷うのは牡蠣鍋フライゆうげ時

翠善


旅先でただひたすらに牡蠣割る

崇拝


牡蠣焼けて酒も進みし一人酒

数哩


牡蠣小屋やスコップで掬う殻付き牡蠣

杉田ひらさこ


一口目磯あふれけり牡蠣フライ

菅野あっこ


はやる帰路助手席に牡蠣能登土産

成崎 葉


鍋囲み宝探しか底の牡蠣

星野夜風


生牡蠣や一口スルリ旅楽し

正山四季暇


節くれの皺の深い手牡蠣を剥く

清実


真っ白な牡蠣は故郷の海の味

西山平次の保護者


何がいい牡蠣はフライだ夫言う

西村花水木


在りし日の夫と牡蠣鍋はふはふと

青山麗峰


牡蠣飯を友に気楽な一人旅

石井ヒヨコ


焼き牡蠣の薫る参道厳島

石上参念


大鍋に牡蠣の佃煮酒旨し

赤松土着人


牡蠣食むや森よりつづく海の味

川すみ山葵


牡蠣殻も栄養豊富すべて良し

川越 スーさん


命日に父の好みし牡蠣フライ

川東のん


夕餉時炊くや牡蠣飯香しき

泉亭園子


焼き牡蠣やかまどで踊るプリップリ

泉北の石ヤン


小屋に満つ焼き牡蠣の香よ伊勢志摩ぞ

禅心大河


牡蠣フライ生土手焼きとどれも美味

曽我のシオカラ


海中に並べた筏牡蠣眠る

素人


「牡蠣あります」車窓に誘われ廿日市

双葉メブキ


生牡蠣を美味しく食べて胃痛あり

草刈明峰


牡蠣食えば平和の鐘や瀬戸の海

霜月 肇


酢牡蠣喰む一人夕餉の母の味

村尾日々草


参拝の前の牡蠣飯厳島

多田ひとり


煮すぎるな牡蠣ぷっくりと鍋の中

太極


松島の露店の牡蠣を焼く煙

太田 陽翠


牡蠣入りの炊き込み御飯おかはりす

太田桜


口癖はフライに限る牡蠣食みて

大ちはる


牡蠣を焼く煙目に染む食べ放題

大家由美子


宮島の波に抱かれし牡蠣筏

大月 銀


海街でたらふく牡蠣を食べ尽くし

大江戸小紋


折り鶴に平和祈りつ牡蠣食す

大山 久幸


一口で飲み込む牡蠣や殻重ね

大石りん花


牡蠣剥くや軍手に染みる磯の香

大石鉄馬


カエサルも愛でし牡蠣の身啜りけり

大川すまき


牡蠣フライ微笑む遺影と酌み交わす

大塚鴨鷺


牡蠣旨しくもり眼鏡ではふはふと

大姫


牡蠣香る旅の思い出松島や

沢松宏美


牡蠣好み鍋にゆず味噌レモン汁

只暎


牡蠣共は深く眠りて波静か

谷岸香子


喉残る嘔吐の味は牡蠣のせい

端村一郎


牡蠣食えば波寄すりなり伊勢の海

地白 枯淡


潮騒が子守歌かな牡蠣眠る

竹田泉茶


牡蠣小屋に笑い声満ちあたたかく

茶子父


牡蠣中毒の既往そろりとフライ食う

茶葉


牡蠣鍋に眼鏡曇りて笑い合う

中山十七庵


サロマ牡蠣一斗缶ごと酒蒸しに

中西 千尋


牡蠣置きてフライか鍋か思案する

中村止一


牡蠣食えば七転八倒悔いはなし

中津柊一


大ぶりの牡蠣つるるんと友の口

中澤深翠


生牡蠣を3度も下痢に凝りもせず

朝野貴風


牡蠣食べに三陸鉄道一人旅

鳥羽蒼香


岩ガキをすすれば香る磯の味

津軽 りんご


張り紙や厚岸の牡蠣入荷せし

辻 麻


牡蠣のやま絞るレモンよあぁすっぱ

鶴城


ドライブ中牡蠣の看板今が旬

的場ひろべー


旅の宿牡蠣鍋生酒一人膳

鉄馬乗りのしん


牡蠣殻に父の横顔想われし

田口文子


牡蠣フライ鍋もいけるが生が好き

田村杏胡


牡蠣鍋に笑顔集めて囲みけり


牡蠣すする海そのものを頂けり

渡辺紫雨


牡蠣好きの夫思ひ出す夜更けかな

渡邉志づ


揚げたてをつまんで至福の牡蠣フライ

島村みーな


牡蠣割れば立つ湯気ともに潮の香

東山 銀閣


牡蠣を食う海の賜物舌鼓

東野出流


中っても食べずにおれぬ牡蠣フライ

湯河原熱海


生牡蠣にレモンを絞る一斗缶

藤岡伊集


舌鼓何回鳴らす七輪牡蠣

藤沢・マグネット


伊勢志摩へ車走らせ牡蠣フライ

藤田好山


牡蠣喰えば瀬戸内の波胎内へ

藤本秋蝶


店先で友牡蠣を焼く厳島

藤本真澄


牡蠣するり潮の香残し喉を過ぐ

日の峰祥雲


一斗缶に山盛りの牡蠣頬緩み

日向 まお


病癒え再び乞いて牡蠣食らう

梅津桜子


焼き牡蠣の熱気と湯気に箸走る

白水輝三郎


牡蠣鍋を囲む家族の争奪戦

八代葡萄


広島の海に漂ふ牡蠣筏

伴田至誠


牡蠣吸うやするり喉越し海の味

飯田弓歩


岩牡蠣のうまさは潮ぞ磯自慢

飛島海道


生牡蠣や苦い思いの旅の宿

尾河吏玖


波に揺られ磯の香あふる牡蠣の襞

尾藤ことさん


牡蠣鍋に味噌かキムチか迷いつつ

氷室東沙


荒磯の海の香運ぶ牡蠣の殻

浜のじじい


頑なに言の葉なしや牡蠣のごと

撫子


黙々と牡蠣小屋の老婆牡蠣身剥く

武 衛


牡蛎喰らい懐かしい顔や目に浮かび

副彩


夕さりの締めは牡蠣めし屋形船

服部香悦


故郷やほおばる牡蠣の潮香る

福浦しんご


牡蠣小屋の煙る薫りは瀬戸の味

福山じゅんこ


殻付きの牡蠣の届いて一斗缶

文月とわ


揚げたての牡蠣フライニ個仏前に

平香


食わず嫌いの牡蠣を食み美味み知る

平田球坊


殻付きの生牡蠣キンと白ワイン

米山


縮牡蠣はいずこと鍋の底

片栗小僧


能登牡蠣の香り立ち込む庵かな

北森にこん


初牡蠣や母のタルタルかきふらい

北川茜月


牡蠣白き乳房の如く艶めかし

北乃羆


白ワイン焼き牡蠣プリッと絵もじ笑

北伯和鈴


牡蠣鍋の旗はためきて海通り

牧 美春


ゴツゴツの殻を割りつつ牡蠣堪能

牧ヒロ


焼き牡蠣を頬張りし吾子の渋り顔

本橋明季


焼き牡蠣の空の匂いに猫が鳴き

凡人詠み


牡蠣すする海のミルクと言い得てる

夢野ユメ


牡蠣鍋を囲む笑顔の友ありて

明日葉


牡蠣の前土手を作るかタルタルか

夜ツ星 シズク


蠣鍋を囲む家族の笑顔咲き

野口緑風


五味の市バケツ山盛り牡蠣あふれ

野山ノハナ


今日は牡蠣小走りになる家路かな

野上紫功


牡蠣小屋に四人の友と炭火焼き

野中ココ


縮みゆく牡蠣は沈みて鍋の底

弥生ポリ


ここは安芸牡蠣育ちをる大鳥居

矢口知


食ったよなお伊勢参りで的矢牡蠣

柳原甲賀


好物の牡蠣も高値の仲間入り

優音


今日は鍋買い物かごに牡蠣鎮座

悠 聡恭


牡蠣啜り殻を捨つべく検索す

有井  新子


牡蠣鍋の湯気のむこうに赤ら顔

有門やっちゃん


殻牡蠣と檸檬と葡萄酒巴里の夜

由凛


牡蠣フライ衣の中の海の味

裕安


焼き牡蠣に醤油さしつつひとり酒

予束 友鹿


兼題に家族も嬉し牡蠣祭り

里 もりを


牡蠣鍋や母の手際の良さ思う

立香


牡蠣の旬磯の香ひとつ鍋の湯気

流れ星


牡蠣鍋や箸の向こうにゆれる顔

龍雲


七輪を皆で囲んで牡蠣を焼く

涼風 蘭


宮島を惜しみて開ける牡蠣弁当

緑野そら豆


口中に磯の香広がる酢牡蠣かな

林一芳


忘れじや異国で啜る牡蠣の味

鈴木 京


列島に牡蠣旨き所ここかしこ

鈴木ふよう


酢嫌いの夫も食する酢牡蠣かな

蓮見玲


漁師飯一斗缶蒸す牡蠣熱っつ!

老翁


牡蠣つるり味わい残し喉走る

和子


心と身体を癒す牡蠣雑炊

和中彩葉


牡蠣小屋や滴る汁と舞う灰と

和龍


恋話牡蠣とワインと盛り上がる

澤 六花


商談終え手酌の夕餉牡蠣釜飯

眞砂林 羊壱


パリの牡蠣二十五歳のひとり旅

薔薇紫


牡蠣殻を開ければ海の玉手箱

槇本享咏


あつあつぷっくり牡蠣のガンガン焼き

嗎 鬢藝


幾年も牡蠣たち磨いた水鏡

二山おもり


身を寄せて牡蠣殻剥けず頬上がる

木曽翔也


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。

とにもかくにも、食べる・食べる・食べる! 焼く、茹でる、レモン、フライ、海のミルクetc、牡蠣が深く愛されているのが伝わって参ります。

また「湯気の向こう」というフレーズが頻出したのも特徴でした。前後に連なる内容も必然限定されてきますから、結果的に十七音全体が限りなくそっくりさんになってしまった句もちらほら。


たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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▼②【二重切字】

牡蠣飯や寂しき浜で買ひにけり

平田暮路伊


●ピックアップコメント:

俳句の世界でいわゆるタブーの一つに「二重切れ字」があります。「や」と「かな」、「や」と「けり」の重複ですね。

切れ字はスポットライトのようなもの。一句の中に複数のスポットライトが存在すると、どちらを主役にしたいのかわかりにくくなってしまいます。

季重なり同様、複数切れ字が入った名句もあるので、絶対にダメ! というわけではありませんが、上級者コースのウルトラ技と考えて良いでしょう。まずは、切れ字は一つから!


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▼③【文法の問題】

七輪の真牡蠣踊るる日暮れ時

ナンプラー大好きママ


波を抱き動かぬ牡蠣の気高きて

郷舞道


震災を生き抜き牡蠣を賜れし

前川 葉月


●ピックアップコメント:

このままでは文法上間違いのある句をピックアップ。

動詞や形容詞は、続く形によって活用します。ナンプラー大好きママさんの「踊る」、郷舞道さんの「気高き」、前川 葉月さんの「賜れ」、これらが今回問題になっている活用です。

それぞれの正しい形は、ナンプラー大好きママさんが「踊れる」、郷舞道さんが「気高くて」、前川 葉月さんが「賜りし」となります。

動詞や形容詞といった用言の活用には注意しましょう。難しい部分ですが、一歩一歩学んでいきましょう。



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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


投句はこちら