俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2022年8月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 月の顎くすぐる高さの芒かな

    薔薇紫

  • 手土産は芒ファミコン借りて去り

    帝菜

  • ペダル漕ぐスカート膨らむススキ原

    梅田カラハ

  • 寂しさの分だけ撓む芒かな

    松山松男

  • さようなら芒を一望できる部屋

    松山松男

  • 芒原雲の流れに地も動く

    谷 道悦

  • 車来る度ごと揺るる芒かな

    福桔梗

  • 背負子よりこぼれし芒貰い受け

    如月十日

  • 水青し芒取り巻くカルデラ湖

    北田立緒

  • 芒原眺めて歩む心地良さ

    島田 志風

  • 戦争のなき世信ずる芒かな

    田辺富士雄

  • 先頭は芒一本持つ少年

    淡海 なおあき

  • 雲を掃く戦場ヶ原芒かな

    野田ロバ子

  • 葉尖らせ粥作れぬぞと諭す芒

    葱山和三盆

  • みみづくを芒で祖母の背中

    芙蓉子

  • 雨粒の軍団つける芒かな

    中ノ川 千畝

  • 怪獣となりて芒を倒す子ら

    鷹雪

  • 手折られぬ芒の強さ山の道

    南 楕円

  • 芒原息吐き切って息を吸い

    津嶋 有明

  • しなやかに生きて折れずすすきの穂

    放蕩

  • しつこくすねを掠める芒の夢

    風野潮香

  • 黄金より白金寂し尾花かな

    竹内 喜和

  • 芒原タイムカプセル見つからず

    藤原涼

  • てらてらと夜道明るき芒かな

    竹内ダイアナ

  • 鬼薄切れ切れの月万華鏡

    美乎梛

  • 星明かり仄かに白き花芒

    渡邉志づ

  • りりりりに合わせて芒発表会

    日根のなみ

  • すすき野をゆらす風の音無人駅

    里山 遊子

  • 芒の穂彼方に燧(ひうち)聳えけり

    東郷佳人

  • 冥界へおいでおいでとすすき揺れ

    村上 雪笹

  • 戯れて来世は芒と逝った友

    染 そめ女

  • 工事再開の目処立たず芒原

    白猫のあくび

  • 丘そよぐ芒の奥も芒なり

    野山ノハナ

  • 天空とカルスト台地芒原

    庭すみれ

  • 分け入りて連れ見失う芒かな

    中井 菜々子

  • 花芒揺れて我入る工場跡

    鈴木 浮浮

  • 青天や芒群立つのぼり口

    八幡弥五郎

  • ランニング脛で見つける芒の穂

    八木獺八

  • 轟きに初草刈の芒かな

    都築黄昏

  • 芒野に隠れて遠く母の声

    島林由楽

  • ボス猫交代芒の揺れる午後

    中村すじこ

  • 漢江のハヌルの丘の花芒

    藤岡 伊集

  • 葛城山の芒望めば金剛山

    藤岡伊集

  • 風そよぐ芒原や赤いシャツ

    田中 歩々々

  • 孤独らは芒と並んで群生す

    觀蝃儺鸝蠱

  • 母は芒敷かれ𠮟られる父は土

    中谷¥

  • 雨雲の来そうな臭いして芒

    彫刻刀

  • 理科室の芒はメスシリンダーに

    八号十霞

  • 母のやうあざとやわらか芒かな

    蒼玉蘭

  • 尾花散るトランスジェンダー道半ば

    比呂

  • 花芒ひと駅ぶんを続く雲

    霧島ちかこ

  • 穂芒や手招く先のスカイツリー

    浅草さんぽ

  • むらすすき宇多田ヒカルの声のいろ

    霧島ちかこ

  • 母と僕白黒写真土手すすき

    禅心大河

  • 芒の穂つかむ子の手の柔らかさ

    草秋桃源

  • 山遥か排ガスに揺るる芒かな

    村橋 桂

  • この道を行けば県境芒原

    村上卯乃

  • 風に揺る庭の芒の影絵かな

    村上永雅

  • 川縁りに素浪人がごと芒かな

    村上朝

  • 指切った女と金と花芒

    村先ときの介

  • 黄昏てチャイムに浮かぶ芒かな

    太平楽太郎

  • 五世帯の村の谷津田の芒原

    沢胡桃

  • 尾花生ゆ下校の子らの帽子より

    沢野鬼ぐるみ

  • 農家の子出荷してよと芒刈る

    谷サキス

  • 風吹いて少し近づき芒観る

    谷川炭酸水

  • 箱根路の心に残る芒かな

    丹羽早風

  • けふ気付く犬の背丈を越す芒

    知無須園

  • すすきの子月見上げて跳ねるかな

    池田輝政

  • 芒原海の向こうは利尻富士

    池野五月

  • 速弾きの中国琵琶や芒の夜

    蜘蛛野はるか

  • 朝さんぽ護岸の隙間すすき立つ

    竹原かよこ

  • 半分は海半分は芒原

    竹林長彦

  • 声出せず芒を振って子の応援

    茶子父

  • お袋に叱られ夜の芒かな

    道隆

  • 宮跡を覆いて金の芒かな

    豚々舎 休庵

  • 暮れ方の風に狂へる芒かな

    二月人

  • 手折って飽きて道に倒した芒かな

    日下踏子

  • 棄てられて芒がそよぐ小学校

    日日新

  • 穂芒を一束持ちて墓参り

    日本酒

  • 忙しなく忘るるころに芒ゆれ

    忍野柊吾

  • 草野球芒にまぎれ本塁打

    葱坊主 (柴山)

  • 芒の柄正解の日が過ぎてゆく

    波多江 美樹

  • 芒野に先行く人の隠れけり

    馬場馬子 

  • 天狗山芒野守り仁王立ち

    馬睡 栩瑠美

  • 夕日さす金の芒を持ち帰る

    梅が枝餅

  • 芒の穂揺れているなり恋心

    白井百合子

  • 芒編む一日で消えた秘密基地

    白田ねね

  • すずめ吐きすずめ吸い込む芒土手

    麦吉

  • ふるさとの付箋のようにある芒

    八田昌代

  • 芒野や就職戦線離脱して

    帆波相談室

  • 被写体へ浅間と芒無垢の風

    煩悩愚息

  • 古民家の襖開ければ花すすき

    美恵の海

  • 芒野よ闘はざるといふ道よ

    美佑紀まい

  • ボタ山に鹿子絞りの芒かな

    瓢箪鮎

  • 手土産は芒「小鹿田にあうでせう」

    風かおる

  • 古伊万里の芒に見惚れ更ける夜

    風街光

  • 幼き日祖母の手の皺芒ふくろう

    福田もふもふたん

  • 履歴書を片手に眺める芒かな

    平沢小歌

  • ひらがなですすきと書けば揺れ始む

    米山

  • スケッチの芒なびく絵極めたい

    宝井可憐

  • 延々と尾瀬の木道すすき揺れ

    放浪者

  • 夕芒禾偏の吾をあやすやう

    北欧小町

  • 芒原に群れる重機忙しく

    北五帆

  • 風そよぐ芒一叢迷ひ道

    本間ふみふみ

  • 掌中の琥珀も冷める芒かな

    麻田大根

  • 石ころを投げてもススキの揺れるだけ

    味噌山鱶

  • かごにいけ芒の命見つめて居

    夢バーバ

  • びびんこへ芒の波の押し寄せて

    無花果みのり

  • 葉脈のススキロケットこつりポト

    無花果邪無

  • 風吹けば芒ばやしがなっていた

    名草

  • 芒野や最終バスのクラクション

    茂田野マイ子

  • 駆け抜けた牝馬柵の外は芒

    網野れいこ

  • 帰り道風と芒に止まる足

    木花薫

  • 七草の長子と言える芒かな

    野口立香

  • ハイビーム透けし廃墟の花芒

    野菜α

  • 骨壺焼く陶芸教室芒の穂

    矢口知

  • 穂芒を端まで敷き詰め山坐る

    矢野 祥子

  • 芒とり九十の手の箒かな

    勇進丸さき

  • サスペンス読む手が止まる芒の音

    藤野由佳子

  • 携帯もゲームもない日芒かな

    藤すみ

  • 迂回路の闇に入らむ芒かな

    藤川雅子

  • 亦しても月の芒と出でにけり

    藤川鴎叫

  • 選ばねばならぬ生か死はなすすき

    猫舌扁平足

  • 山びこのように芒は笑い合い

    野月 晴秋

  • 演習は途方もなく芒にまみれ

    天神川

  • 荒ら屋を囲む芒に舫い船

    野口静竜

  • ハイウェイを怒涛のごとき芒かな

    鷹見沢 幸

  • 父母が芒背負いし峠道

    麒麟

  • 茅葺きの里の芒は刈り干され

    眞田梅衣

  • 雨粒の重さはかりし芒かな

    富山あんころもち

  • 首無しで掠れ月呼ぶ芒哉

    洒洒落落

  • 手折れども容易く折れぬ芒かな

    島袋彩子

  • 決闘ぞ芒原にて晴れてれば

    麦のパパ

  • 手をつなぎ芒の迷路行くふたり

    藤原訓子

  • 亡き王女のための芒のパヴァーヌ

    素々 なゆな

  • 神様の光輪めく芒野かな

    碧竹之菰の子

  • 芒降る光の粒よ俵山

    中山黒美

  • 芒野や若き二人の影長し

    露草

  • 造成をどこ吹く風の芒かな

    藤 玲

  • 戦争の国へ飛んでけ花芒

    眞さ野

  • 芒原風を受け立ち撮影会

    渡辺 あつし

  • もののけの走るに似たり芒原

    痴陶人

  • 前世はプリンシパルか花すすき

    風間 爺句

  • 巡業の髷には芒ちゃんこ番

    中西雨露

  • 銀色に輝く芒やどるかげ

    里山まさを

  • 連写して車窓の外を芒吹く

    髙田 佳歌

  • 旅車窓光る芒に見送られ

    藪本ゆかり

  • 赤城よりすすき越し見え県庁舎

    白山

  • 我が子には見える芒の王国が

    柳川迷蟻

  • 恐竜の化石は芒野の底に

    山海和紀

  • 芒野の金の光を喰らふ夜

    山海和紀

  • 散歩道・芒・練色・ベルベット

    北乃かんばし

  • 夏虫の骸や芒に寄り添い

    典万喜

  • 屋上のビオトープに生く芒なり

    望月ゆう

  • 月の顔かくしてるよな芒の穂

    梅雨まち子

  • 花芒小さき口にみたらし餡

    巴 薫

  • 浜名湖に暮れ行く舟と芒かな

    牧子浜風

  • この代で伝統変えよ芒原

    橙茶

  • 芒野やさらさらと雲行きにけり

    田中りょうかい

  • ぼた山や裾は芒となりにけり

    冬井三月

  • 尾花から一つ跳び出る柴犬の尾

    屁屎葛

  • 芒原転校生の帰り道

    茉叶

  • 川に沿い風に歌わん芒かな

    門脇栗歩

  • さてと立つふと失念し芒原

    頭足人

  • 芒の穂吾子の動かす星座盤

    葉月ことり

  • 暮れてゆく叫びを聞くか鬼薄

    樋の鶏頭

  • 揺蕩うと芒の原は輝けり

    齋陽花

  • 乗り換えのバスを待つ間の芒かな

    名前のあるネコ

  • 君の背に芒コチョコチョいたずらす

    男子三兄弟

  • 芒刈りやっと畝への道通ず

    草刈明峰

  • 店頭の壺に芒やラーメン屋

    北の星

  • ペダルこぎ風を見たくて芒原

    遊木 葉子

  • 制服で犬に連れられ芒原

    浅河祥子

  • 由布岳や芒に溺れ賑わしき

    辻勢

  • 穂芒や横顔の君にそっとふれ

    畑中真土

  • すすき原昔話へ分け入りぬ

    南ひめのさんしょ

  • 旧友と復縁したり芒原

    風友

  • 夕散歩遠回りするすすき道

    芙蓉

  • 喧騒の吸い込まれゆく芒かな

    舞童あづき

  • 強風に喝采起こる芒原

    椿 律

  • 店先の窮屈そうな芒かな

    風呂猫

  • 花芒今が旬なりわが命

    福岡俊和

  • 芒野や風と遊びし黄金色

    泉北の石ヤン

  • 大瓶に芒出迎え老舗宿

    足立とんび

  • 駆ける子や聖火のように芒持ち

    鈴木古舟

  • 芒茂るここに確かに猫は居た

    渡野しえん太

  • 邪気払う湯殿の道を芒かな

    万里の森

  • 穂すすきは指揮棒となり子のうなじ

    望月 円

  • 晩鐘は遠く芒の中にをり

    木野桂樹

  • ニュータウンへ帰る近道芒原

    唯果(ゆいか)

  • 芒の穂ブブカ飛び立つ放物線

    彦克

  • 芒振る子ら駆け抜けて穂の一つ

    藤本真澄

  • ラーメンすすり窓の外には芒の海

    望月幸人

  • 言旧りしSDGs芒波

    不学

  • イタリアに着いたとライン芒原

    鈴木秋紫

  • 糸芒活けて明るしリビングは

    澤野紀久

  • あんたらな芒てなもん楽ちやうで

    北村 崇雄

  • さざ波の中で揺れてる芒の穂

    村のあんず

  • 残照に芒染められ師の背中

    大薮薫子

  • 芒野や療養明けの深呼吸

    杼 けいこ

  • 光にも重さのありて芒垂る

    はたはたはた

  • だんだんに風を含みし芒かな

    はたはたはた

  • 床の間に揺るる能はぬ尾花かな

    美竹花蘭

  • 小昼時すすきかき分け父ちゃんへ

    竹暖簾

  • 芒原吾越へゆくや風の波

    大石 真水

  • 正面も後ろも見せぬ芒なり

    風蘭智子

  • 既読らし蘇芳の芒うつろへり

    島邑奈於

  • 在るだけでいさいさか寂し芒哉

    馬場勇至

  • 山里のドライブ芒ここだくも

    大井ゆめか

  • 「もう」でなく「まだ」ととらえよ芒の穂

    八ちゃん

  • 芒野や逆に揺れるは妣のみち

    巳智みちる

  • 風吹けば吹かれるままに芒かな

    大家由美子

  • テリアの尾ゆゆしく立ちぬ花芒

    津々うらら

  • ソロキャンプ稜線染むる芒かな

    美乃

  • 風見えし芒聞こえし空真青

    徹光よし季

  • 芒の穂銀色の音色サラサラと

    浜のじじい

  • わけもなく尾行してみる薄原

    中村天雅

  • ふんわりと芥をつつむ芒の穂

    前田 龍志

  • 訃の知らせ夕日にうねる芒原

    駄々

  • 芒立つ原野に星の光りけり

    棚橋なおこ

  • 分け入りて夜叉となるかや芒原

    馬笑夫

  • 髪染めてすすきとおそろい真赭色

    風 遊笑

  • 酔い潰れて野の芒に起こされる

    珈琲俳人

  • 仮名文字を書くのか芒ペンは風

    大空りんむ

  • サーカスの家族見送る芒かな

    白咒と蒸しエビ

  • はればれと晴天なりし芒原

    藤岡 芳香

  • 芒の空明日は兄の結婚式

    直海麻乃

  • 芒原信号にじむ帰り道

    文月羽菜

  • 軒下で芒透かして見る夜空

    燻製のお肉

  • 日の出浴び歩ぶ二人に芒かな

    相沢 閑邦子

  • 風になびく芒は風に倒れずに

    谷本真理子

  • 薫る風芒が揺らす恋心

    乃邑歳幸

  • 芒原見下ろせば有り大伽藍

    竹東子

  • 風の音はひゃらりひゃらりこ芒かな

    比企野朋詠

  • 櫛けずる影絵のごとし芒の穂

    房州秋草

  • 芒野に朝夕巡り自転なり

    夢野ユメ

  • 芒梟万世の安寧を宿す

    中島あむる

  • 芒という括りに生まれ風に立つ

    夢々

  • 芒原白く明けそむ高速路

    風早杏

  • 相続の土地の芒は揺れてをり

    小藤たみよ

  • 薄野の寺へ住職週二日

    小藤たみよ

  • 一面の芒が原に嵐かな

    田口悲真棒

  • 引かずとも連れてゆくかな芒のかぎ

    二三四五六

  • ももちゃんは何処さわわは芒の穂

    藤れんぎょう

  • 家解けて主は戻らぬむら薄

    村上熊子

  • 街中に空き家の庭の芒揺れ

    愉来理あゆむ

  • 花芒ついていつてはいけません

    冬野とも

  • 束ねれば片手に余る芒かな

    東歩

  • 和菓子屋にすすき置かれて明日を知る

    鳥羽蒼香

  • 淋しさにススキの波に押されけり

    藤井舞月

  • 八万の手取り令和の芒原

    那津

  • 風はらみ芒の原は地球の背

    中川家族

  • 芒挿す蛍光灯がジーと鳴る

    大森あきら

  • 芒原鉄橋の下の決闘

    北の山猫 水島

  • 名山を従え揺れる芒かな

    前川一老

  • 斜に構え芒咥えて紋次郎

    中 はじめ

  • ウオーキングふと立ち止まり芒刈る

    中仕掛け

  • 芒野は暮れなずみなおしらじらと

    中川衣沙

  • 独り居り風のかたちに芒揺れ

    中田智恵象

  • 薄野の波に消え入る影ひとつ

    中島裕貴

  • 道なき路のススキの穂影青く

    仲村江子

  • 芒揺れ進路希望書は空白

    朝霧七海

  • なあすすきわが身の振りや自然かな

    長鍛

  • 土荒れてガーゼの如き芒かな

    長門 夜明

  • 高原のなびくすすきに宵を待ち

    長野 雪客

  • 幾重もの芒波間に母をみる

    鳥左 るりか

  • 直線漕ぐ芒のエール身に浴びて

    天照昭光

  • 月読命宿りし芒かな

    天野若花

  • 同じはず花屋のススキ刈る芒

    田村 宗貞

  • 寂しさを孕みし風に芒揺れ

    田中紺青

  • 茜空古道の芒影長く

    田畑 千嘉子

  • 芒の野午後人待つ間ハーモニカ

    渡邉くるり

  • 芒原クーリングオフ期迫る

    土方雪駄

  • 残照の台地波打つ芒かな

    冬星月夜

  • 西東風の気のまま芒かな

    島こうこう子

  • 門限に風と走りし芒かな

    東美節子

  • 芒ごと夜風にたゆたう風呂上がり

    桃井モイ

  • 髪の毛を靡かせている芒かな

    桃色弥生

  • 日も海も果ては芒の色になる

    藤原素粒子

  • 連連の藻川の芒額の中

    藤原明星

  • 芒野に降る雨やまだ5限目

    藤野いつか

  • 拓郎のすすきのかんざし忘られぬ

    藤林るい

  • 若葉マーク芒見守る急カーブ

    友マンクット

  • 芒野や襲われさうな暮れ紛れ

    柚子こしょう

  • 芒原待ち続けても鬼は来ず

    与野小町

  • 手伝いし子と衣の芒を取り合いす

    踊亭談す

  • 野仏に酒の香残し芒刈る

    落人家楽人

  • ひかりの粒は海より来たり芒の穂

    藍時 湘

  • たぶんグレるキャットテールという芒

    藍創千悠子

  • 芒哭け母が天へと召されけり

    流鏑馬

  • 嫁ぐ子にゆらりと揺れる芒かな

    涼月橋

  • 芒の間を走る獣の子の学校

    良梨木

  • 築堤のダンプ行き交う芒かな

    林常住

  • 幌馬車の跳ねるリズムに芒鳴る

    瑠璃 翼

  • ジェット機をウェーブで招く芒かな

    嶺乃森夜亜舎

  • 夢にまで薄千里が富士を抱き

    鈴木ふよう

  • 夕暮れには芒の影絵駐車場

    和の光子

  • ポケットに無くした指輪すすき原

    和住 緋弧

  • がさりと芒刈られて月の夜

    和泉明月子

  • そよぐ穂に大和のにほひ芒原

    和野みつ

  • 芒揺れ別れの手を振る家族かな

    櫂影人

  • 天鵞絨の手ざわりするり芒かな

    櫂野 雫

  • 丘の上すすきの先に船の見ゆ

    濱野ぽにょりん

  • 合戦の矢筈の芒乱れ生え

    糺 森子

  • 芒折ることもできずに女装する

    どこにでもいる田中

  • 芒の穗開けば君の結び髪

    どこにでもいる田中

  • 内戦の始まったらし糸芒

    川又心美

  • 下校児ら尾花ロードはのろのろと

    蜂 鳥子

  • 骨壺を下げて芒の原の果て

    門のり子

  • 花芒風に巻かれて昇天し

    中島諒吾

  • 芒原鹿追う正体見えぬまま

    東津村 流坊

  • 芒原の闇に入らむなほ青く

    藤川哲生

  • 鬼一分仏九分の芒原

    門のり子

  • 演習の砲弾うがつ芒の野

    金子加行

  • 揺れるたび刃のごとき芒かな

    柚木 啓

  • 笑い声聖火のような手のすすき

    秤防人

  • ニメートル伸びて芒の面構え

    阿曽 遊有

  • 雲走る空の道あり芒原

    阿曽 遊有

  • 荒川の右目のすすき上流へ

    泉の川兼定

  • 八百万の神芒の茎に縦列す

    福田律子

  • 薄ざわざわ金管の不協和音

    青桜ウインド

  • 芒原さらさらトランペットの「ラ」

    青桜ウインド

  • 空耳や芒奏でる「赤とんぼ」

    相浦 藍斗

  • 自転車を立ち漕ぐ頬に芒の穂

    窓川ぽん

  • こがね色揺れてトレモロ芒の音

  • 我とほぼ同じ高さの芒かな

    蓬莱人

  • 芒原真中も際も無かりけり

    米口須田鬼

  • 光年の光弾きし芒原

    田中つきひ

  • ため息の形にしなる芒かな

    澤木樹心

  • 「お兄ちゃん何処まで行くの」芒原

    侘び寂びおやじ

  • 縁側のすすき兎と交信す

    美津うつわ

  • 芒摘み指に痛みが赤い筋

    大谷 芳

  • 芒振り合戦始める子と老爺

    楓高りお

  • 赴任先コンビニは無し芒有り

    袋小路 綴乃

  • 晩景の寒風山の芒かな

    柚明楽

  • 雨宿り古民家の軒屋根芒

    篭山眺望

  • 芒原繋いで行けり甲斐信濃

    蒼空蒼子

  • 行き暮れて焔と揺れる芒かな

    谷岸香子

  • 芒の穂手折り痛みを重ねおり

    染野まさこ

  • 遠ざかる列車に背く芒かな

    太閤検地郎

  • 今朝もいた芒の裏に黒ノラ子

    里安

  • 窓際の芒や夜のリーディング

    嶋光

  • 草むらに芒も混じりや風揺れる

    池ばーちゃま

  • 金色に街を呑み込む芒かな

    橘萌香

  • 芒野に白馬駆けりて穂の白し

    薬膳容子

  • 観客は吾と芒のみ石舞台

    北乃薫衣草

  • 尾花やわらかひかり包む午後

    揚雲雀

  • 道草のこどもの浮かぶすすきかな

    冬月サラ

  • 日の匂う芒ロビーの備前壺

    中野むべ

  • すすきの波乗りこなせよ風よ陽よ

    文鳥

  • 降りし駅むら薄の道はずむ足

    眞由美

  • 薄野をランウェイのごと行くモデル

    藤井天晴

  • 花芒きんいろの波押し寄せて

    田中彩舟

  • 天国の入口ありそ薄原

    鶴富士

  • 暗闇に芒の白さ不気味なり

    髙山善裕

  • PC抱え風吹き抜ける芒の畦

    藤 麻実史

  • 銀の穂がスタンドウェーブ芒の原

    富田涯役

  • 空の海たゆたう芒金の波

    相澤泉

  • ふんわりとこぶしを包む芒かな

    鈴木来穂

  • 芒添え一品とした夕げかな

    霧潤(むじゅん)

  • 本物か花屋のすすきすまし顔

    木村 水晶

  • 墓参り背の丈伸びた芒かな

    夜長秋雄

  • 芒の根アンプレ叫び第三打

    馬門宗太

  • 何もかも可なく不可なく芒揺れ

    大澄遥

  • 試合後の素振り練習花芒

    凪ゆみこ

  • 穂芒の開く角度や物理解く

    粒の杏子

  • 耳澄ませばをとことをんな芒原

    白神ハムサンド

  • たましひの集まる風の芒原

    松本笑月

  • 芒にも憂ひあるらむ夕の風

    松本笑月

  • 急かされて免許返納すすきかな

    優純bow

  • 芒揺れ青空の下道はるか

    渡部かえる

  • 指さきの芒の記憶竦む足

    蔓草葛藤

  • 良性ですだそうで芒揺れて生きるわ

    夢野

  • 家の鍵芒掻き分け探す子ら

    只野かおる

  • ススキ揺れ結婚指輪外す君

    如月たつや

  • 芒揺れ泣ける女の強きこと

    藤井かすみそう

  • 芒振る子らの手を引き墓に行く

    早川 象歩

  • 芒原オレも芒も枯れてない

    天王谷 一

  • 芒野や逢えぬ人影探す夜

    猫雪すあま

  • 国宝の寺になびきて芒かな

    珈藤絵本

  • ここにあり手折る痛みやすすき原

    有井 新子

  • 神々が蹴散らし渡る薄原

    舒莉 安寿

  • 会釈して風を見送る芒かな

  • 一番星家路急ぐ子芒かな

    南回帰線

  • 芒の穂空衝くごとく背伸びして

    梅尾幸雪

  • 芒らと同じ深さで謝って

    日々野こもれび

  • 朝の日に輝き増せる芒かな

    田丸匡女

  • 筆のごと空に落書きする芒

    風来坊健丸

  • 藪すすき夕闇きたりかくれんぼ

    入道 まりこ

  • 何処までがあの世とこの世芒原

    加藤水玉

  • 眠る子の固く手の中花芒

    渡邉 花

  • 芒原狐が小判くれし夜

    巳智みちる

  • 白さ増す尾花朱に染め陽が落ちる

    大塚鴨鷺

  • 高速の法面どこまでもすすき

    朋部 琉

  • あるじ無き犬小屋傍の芒かな

    蓮見玲

  • 芒が向いてない方へ向かう

    田中水色

  • 妖がいま通りしや芒揺る

    練馬健太郎

  • 芒野はあのごんぎつねの住処か

    乃奈

  • 山肌のあたたかさかな花芒

    目黒ゆきんこ

  • 穂芒よ思はざりけるひと夢に

    会津西原

  • 主居らぬ庄屋屋敷や芒をり

    大ちはる

  • 赤ヤッケ風息切れて芒原

    浜のピロキ

  • 開拓の友の家族や芒原

    草間八千代

  • 芒野や緑青吹きて小銭あり

    佐野聖光

  • 芒の穂つややかな髪とかしけり

    本田 浩美

  • すすき原竜巻作る恋もある

    馬笑夫

  • 旅の宿浴衣に芒添えてあり

    鈴丸唯

  • 川裏の白線なぞる芒かな

    道久

  • 芒の穂夜に輝く銀の鎌

    泉谷 梅子

  • 芒野に紙飛行機の落とし物

    近江菫花

  • 通勤の電車見送る子と芒

    大盛茄子紺

  • 河川敷ミスショットして芒かな

    夢野又夢

  • 朝練の子らを見送る芒かな

    凡吟山

  • ラケットで芒かきわけ探索か

    兵庫太郎

  • 花芒合鍵はポストに放る

    磯むつみ

  • 薄野やあの一言が発火点

    磯むつみ

  • 一面に円安の報芒折る

    近江菫花

  • 廃坑に入るべからず芒原

    金子加行

  • 廃屋のガラスに歪むススキかな

    佐野聖光

  • 朝まだき風になりたし芒の穂

    南 楕円

  • 晴天に空気ろ過する芒かな

    膝丸佳里

  • 欲望の都会すすきの生え初みて

    白方出汁

  • 病得し夫は両手に芒振る

    堀本チャイニーズハット

  • 大気汚染嘆く芒の掃き掃除

    矢吹圭

  • 芒野やAEDの電撃波

    北岳醍醐丸

  • ダンプカー駆けりて芒ざぶんざぶん

    葱ポーポー

  • 芒見てこれおこめと問う園児らよ

    風天子

  • 一呼吸忙しい日々消す芒の尾

    大幡 鷲

  • 世継ぎなき戦死の名札はな芒

    浜西青芒

  • 揺れ芒父の酒瓶の傾けり

    谷川夏彩

  • 恋人のふいの言葉や抱く芒

    風花すす

  • 芒には黄金の神が宿りをり

    鈴木 翠月

  • 芒野や銀廃坑に銀の風

    野々村澄夫

  • 成れの果てふわふわ踊る芒かな

    蘭 黄子

  • 芒の穂ポポポポポポと膨らみぬ

    太郎坊

  • じゃらしたき犬に供へる花芒

    風間 燈華

  • 風の種孕む芒の軽さかな

    喜祝音

  • 芒野や五時のチャイムの嗄れたる

    潮見悠

  • 気に留めず芒探すは髪乱れ

    猫辻みいにゃん

  • 薄原カーラジオからオフコース

    風の木原

  • 自由とはすすきのごとき強さかな

    片山蒼心

  • 芒群やる気の風を僕は待つ

    豊國華徳

  • 身丈こすすすきの原を父母の田へ

    涼風 蘭

  • 芒挿し金の光の零れけり

    橘萌香

  • 鈍色の空に風立ち芒鳴く

    堀邦翔

  • 国道へ芒掻き分けあと二キロ

    島たけのこ

  • 夕暮れや芒と歌う「赤とんぼ」

    粒野 餡子

  • プロポーズされて夜道の芒かな

    土井あくび

  • 駐在所じわじわ囲む芒かな

    矢野葉月

  • 微風に水脈の波みる芒かな

    鳥の凡庸子

  • 鬼ごっこ芒の道で猫みっけ

    田中ピロミン

  • 曽爾の村夕日を待つは芒の穂

    葉月緑正

  • 吾子の手に芒茫茫笑いけり

    白河夜船

  • その道は芒が倒れてできた道

    能千

  • 木道の行く手を阻む芒かな

    風井映七

  • 今は亡き君の鋏で切る芒

    長谷川吾背

  • 課題曲流るる窓辺花芒

    中村あつこ

  • 銀の穂も暮れゆく芒月はどこ

    平山 凛華

  • 我が殿は構えが長い銀芒

    長良くわと

  • 芒野で風の形を見つけたり

    半岬千路

  • 背泳ぎでススキの海原蒼き空

    鶴城

  • 暗闇のだんごはきな粉すすきあり

    米米

  • 風通る芒の先の鉄の門

    竹の子

  • 片手上げ振り向かず行く芒原

    里山コナラ

  • 四畳半真赭の芒揺れもせず

    和田まさやん

  • 花芒埠頭に巨大コンテナ船

    濱のメンドーサ

  • 芒渺渺やまの暮らしここに在りき

    冨樫永今

  • 風ふふみ風をはく芒のリズム

    野口雅也

  • 路地抜けて本屋は無くて芒かな

    芳賀たかこ

  • 薄野や大地に銀の旗あまた

    多田ひとり

  • 芒揺れ連獅子の舞悠々と

    大西泉花

  • この国の滅び預言す芒かな

    谷 卓生

  • 風強し父の背を追う芒原

    美羽烏子

  • 芒原ピースサインの老姉妹

    蓼科 嘉

  • 号令は右向け右の芒かな

    杜野 ほたる

  • 森で狩るレオレイアの尾芒のごと

    福山 聡練

  • 堂々と刈り残されし芒かな

    増山 銀桜

  • 夕映えにたなびく芒鳥とまる

    友康圭

  • 土石流運びしままに芒の穂

    飛島海道

  • 大風にすすきの屍累々と

    殿さまペンギン

  • 青春が永遠の芒と吹かれをり

    曹達みどり

  • 口遊む古き良き唄すすき原

    加藤水玉

  • 車窓暮れ君の横顔芒揺れ

    大和杜

  • 穂芒は祈る手生者死者のため

    木野桂樹

  • 陽に映えて芒と舟の黄金色

    藤 えま

  • 街離れ鼻歌も出る芒原

    那須櫻子

  • ロープウェイ最大斜度揺れ芒原

    智幸子

  • 箒星落ちて芒になりにけり

    日進月賦

  • 朝練の掛け声響く花芒

    仲間英与

  • 薄野や君へ冗談言った夜

    餅の蔵忠

  • 不審者の影や芒の穂は光る

    会津西原

  • 神物の軒先挿頭す芒かな

    万明

  • 穂芒やまだあたたかい犬の腹

    望月とおん

  • 冷えて鉄逆光の芒鋭し

    畑山六十二

  • 芒原導火線まであとわずか

    布施 木啄

  • 靡きては握手を求む芒かな

    中山 理映子

  • 芒の音靴底までも擦るやう

    潮ベルト

  • 芒原外野が暇な試合なり

    矢橋

  • 夫と行く墓所の下見の芒かな

    藤永桂月

  • 揺れる度透き通ってゆく芒かな

    藤永桂月

  • 五箇山の芒すずめと戯れり

    如月 さら

  • 近寄るな触れば切れる芒かな

    門屋定規

  • 芒原空気抵抗目の前に

    弥生イツカ

  • 靡かぬは昔女や花芒

    陽のばぁば

  • 芒挿す今宵ワインの封を切る

    町田明哉

  • しなやかに鉤かくし持つ花芒

    濱本のりこ

  • 星屑の数えきれざる芒原

    喜祝音

  • 隊列は一糸乱れぬ芒群

    膝丸佳里

  • 芒見る動かぬ月を従えて

    鈴木由花子

  • 黙食の煮干拉麺芒かな

    鈴木凛凛

投句はこちら