俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2023年2月20日週の兼題

花冷

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 花冷や青児の絵なる肌のごと

    竹石猫またぎ

  • 花冷や検査針跡まだ蒼く

    追師うさぎ

  • 花冷の雨に誘われジャズピアノ

    無花果みのり

  • 花冷えの滑走路発ち彼の国へ

    村井雅優

  • 花冷えや何にたとふか閉じた母校

    朝日花月

  • 橋で待ち花冷えの夜映画見る

    渡邉 まつぼっけ

  • 花冷えや自転車の帰路カレーの香

    飛福丸々

  • 花冷や昇降口に新クラス

    冬藻翠花

  • 学ランのボタンの堅し花の冷え

     鈴木ピグモン桂香

  • 花冷や記念写真の長ズボン

    藤 れい

  • 花冷えや観光客の写メカシャリ

    典真

  • 花冷や車中昼食カレー食む

    文知摺 信夫 

  • 花冷やタイタニックがリバイバル

    平沢小歌

  • 花冷えや戒名読経なき送り

    泉 明窓子

  • 子の発ちて殘るカーテン花の冷え

    能研 しょてか

  • 花冷やタンデムの背の温かさ

    髙橋好泉

  • 花冷や今日のデートは八時から

    蒼川社

  • 花冷えやペダル漕ぐ足筋肉痛

    鈴木雪

  • いつか隣に座る今は花冷

    比園 岳

  • 花冷えの古里すでに家も無く

    夢野

  • 手荷物ひとつ花冷えの赴任先

    中西雨露

  • 巣穴には蟻影なくて花冷えか

    平山凛香

  • 花冷に模様がえして髪を切る

    桃色弥生

  • 志望校母校とならず花の冷

    中村 邑

  • 花冷えや荷ほどき中の丸天そば

    白石夏葉

  • 花冷のソファ今日の陽だまりここ

    日根の波

  • 寂しいと言えぬプライド花の冷

    大佐田うづき

  • 花冷の坂道のそり黒い猫

    沢山葵

  • 花冷やピアノを艶やかと思ふ

    彫刻刀

  • 花冷えも歓声に沸く野球場

    和泉与六

  • さんざめく鳥の消えゆく花冷や

    福井桔梗

  • 花冷えの母の便りに湿りあり

    鈴木 きょ

  • 花冷やふんわり女性運転手

    北の星

  • 花冷えの低音のみが響きけり

    中平保志

  • 花冷の眼鏡橋にも渦が巻く

    中邨政也

  • 花冷えや育て上げたる後の部屋

    渡海灯子

  • 花冷や親子の絆似てるかな

    珈琲俳人

  • 花冷や水琴窟にソが跳ねる

    さかい佳乃

  • 花冷や縁切寺は覗くだけ

    さかい佳乃

  • 花冷や歯科に口開く一時間

    加田紗智

  • 墓山に鉄塔十基花の冷え

    加田紗智

  • 花冷や満月沈む先は朝

    浜風牧子

  • 花まちつ歳をかさねし花の冷え

    利人

  • 花冷えやパーキンソンのピースまろし

    風友

  • 花冷や次の入荷は青森です

    村先ときの介

  • 花冷や墨の香満つる六畳間

    浩子赤城おろし

  • 花冷や狛犬じっと睨みたり

    杜の声

  • 花冷えや戦いつの日終わるやら

    大空りんむ

  • 花冷えの実家の雨戸重くなり

    平田暮路伊

  • 橋脚のタギング痛し花の冷え

    岡 里詩

  • 花冷の北口マイクの熱弁

    岡 里詩

  • 花冷えや手配書の顔あら素敵

    ガンガゼ松山

  • 花冷えや廃校式の分離礼

    ガンガゼ松山

  • 静けさや花冷え澱む美術展

    味噌山鱶

  • 花冷や留まらない四つ目のこはぜ

    笠谷タカコ

  • 花冷や透明に髪染めなほし

    笠谷タカコ

  • 花冷えや今朝は腰痛一段と

    村のあんず

  • 花冷や姉の減薬ゆっくりと

    山の上のさん

  • 花冷えをものともせずに泥団子

    風天子

  • 花冷の恋一目千本に問う

    木暮修

  • まっさらのビーカーは割れ花の冷

    河野佑芽

  • 花冷やロディ萎んでいる和室

    河野佑芽

  • 花冷の錆点々とトラス橋

    野菜α

  • 花冷や二段弁当つまみをり

    長野 雪客

  • 月読の照らす乙女や花の冷え

    鈴川真理奈

  • 花冷やぶりかへす鎖骨の痛み

    大越マーガレット

  • カップルが滲みる花冷の瞼

    曇ゆら

  • 花冷や志望動機を書き直す

    藍時 湘

  • 花冷の会食定年の元気

    帆波相談室

  • 花冷えのポートレート撮影会

    二十八

  • 花冷えにつま先立ちてつぼみ見ゆ

    和子

  • 花冷えや鏡の前で自己紹介

    風街光

  • 風吹けば新しい朝花冷えか

    池の富士

  • 花冷の虎ガラス越しに身寄せる子

    福屋丸富

  • 花冷や病棟からの呼び出し音

    櫂野 雫

  • 花冷えやプラゴミたまる夢の跡

    六浦筆の介

  • 花冷や一つ目角で引き返す

    平香

  • 花冷えや日増し嵩ます通話料

    長岡びおら

  • 花冷えや十と二年幾星霜

    前田 龍志

  • 花冷えは二筋垂るる洟の濃き

    立月ト己三

  • 花冷えに眉間の皺を伸ばしたり

    四季風吹子

  • 花冷や合鍵の横置く指輪

    凪ゆみこ

  • 花冷に部活勧誘の熱弁

    如月 ゆう

  • 花冷えや待合室の読み聞かせ

    南回帰線

  • 花冷の佐保のほとりや薄明り

    豚々舎 休庵

  • 繕へぬ空席ひとつ花の冷え

    風花美絵

  • 花冷の夜に旅支度整へり

    村上卯乃

  • 花冷えにあの人を待つ頬染めて

    中山十七庵

  • 花冷や球児は揃いの半袖

    朝波羽丸

  • 花冷や燗だ冷やだと二刀流

    兵頭紫峰

  • 花冷えや母の背埋もる嬰の笑み

    鈴木きょう

  • 花冷えの校庭は立入禁止

    仲村江子

  • 花冷や鉛筆かたく握りしめ

    渡邉花

  • 地下室のホルマリン漬け花の冷え

    かい みきまる

  • 花冷や学生寮の室外機

    渡野しえん太

  • 酔客の色はや褪める花冷えに

    町乃 磯鵯

  • 花冷や湯呑み包みし手の丸み

    鶴見魚座

  • 花冷のものが色濃き術後かな

    梅滝遊月

  • 花冷えの朝故郷の空あるく

    卓球打子

  • 花冷えやキツネと行き逢う河川敷

    北野屋英雄

  • 花冷えや親の扶養の外れをり

    多歩右衛門

  • 花冷えやガス燈ありし異国の地

    矢島卯月

  • 家中の刃物を研ぎぬ花の冷え

    頭足人

  • 花冷も希望に変わる花道で

    兵庫太郎

  • 花冷や午前3時に救急車

    智幸子

  • 花冷や京ことばへ妻とふらり

    美ら樹由伸

  • 花冷や野路の香多彩散歩道

    大和キートン

  • 花冷や駅ピアノからト短調

    茂田野マイ子

  • 花冷や北極星の起こす風

    茂田野マイ子

  • 花冷えやふるさと流れ行く車窓

    凡吟山

  • 花冷や風を背に猫を抱く

    里山 遊子

  • 花冷えの阿弥陀に問う生くるとは

    田部蛙声子

  • 花冷や月青く皆影法師

    中川 鉄庵

  • 花冷や語るべきことなく老いる

    朋部 琉

  • 花冷えや瓦礫の町の聖母像

    伊藤一翁

  • 花冷えや煉瓦歩道の杖の音

    伊藤一翁

  • 花の冷え蕎麦に浮かばずおかめ顔

    竹前みさこ

  • 花冷や閉じたままなる院の窓

    矢車 そう子

  • 花冷えにインフルエンザ鶏寂し

    友康圭

  • 花冷えや岩に白波しぶき立ち

    乃奈

  • 花冷えや頁を送る戻される

    鉄馬

  • 花冷の父亡きあとの門扉かな

    南全星びぼ

  • 花冷に灯る街燈雨に消ゆ

    房州秋草

  • 花冷やだれもたべないたまご焼き

    和住 緋弧

  • 花冷えや檜扇(ひおうぎ)落つ苔の石階(せつかい)

    渡邉くるり

  • 花冷や幼き戀の散るを知る

    北乃薫衣草

  • 花冷えや遥か霧笛の尽きるまで

    道端ハコベ

  • 花冷の空気吸ひつく犬の鼻

    知無須園

  • 花冷えの回廊渡る写経部屋

    渡辺白萩

  • 花冷や小さきいさかい病む夫と

    堀本チャイニーズハット

  • 花冷をISSの通り過ぎ

    澤木樹心

  • キシキシと米を研ぐ手に花の冷え

    樅ノ木・ライラック

  • 花冷やごめんね今日は遅くなる

    白子ポン酢

  • 下駄箱の名札眩しや花の冷え

    橙茶

  • 花冷や母の形見のハーモニカ

    馬凛

  • 花冷の石灯籠に月明り

    尾埜秀樹

  • 花冷えの日に末の子が居を定め

    武田鳥渡人

  • 花冷にトルコマ-チも転調や

    布施 木啄

  • 花冷やZ世代の紺スーツ

    畑 律庵

  • 花冷や駈くる剣士の息づかひ

    林眞亜記

  • 花冷の犬は抱かれて散歩かな

    柏葉

  • 南房の漁師宿遭ふ花冷ぞ

    只野黙念

  • 花冷なる散歩道天まで届け

    朝井哲秀

  • 花の冷え鳩が啄む土白く

    魅了郭 極辛

  • 花冷えやファーストシューズで二歩三歩

    白崎華芳

  • 花冷や化粧水の香身に纏い

    谷口 黎音

  • 花冷えの校舎に響く合唱よ

    大田白梅

  • 花冷の生家よ揃へし鍵四つ

    文月蘭子

  • 花冷えや朝の洗顔後のキリリ

    鈴井栄

  • 花冷やカップに残るミルクティー

    浅葱涼慧

  • 花冷や布団微睡む夢神楽

    梅矢里援

  • 花冷や帰去来の駅夕まづめ

    太郎坊

  • 花冷も岩鷲、姫神迫りよる

    桃の海

  • かけ流す湯にどっぷりと花冷えや

    放蕩

  • 花冷に轍連ねて散りにけり

    中島諒吾

  • 花冷や半音高き鳶の笛

    秤防人

  • 花冷えに香り包まれ城の園

    田中 ゆき

  • 花冷や吾の病室のカテーテル

    鈍亀

  • 花冷や子の部屋に眠る母

    伊代ちゃんの娘2

  • 花冷やポケットの中のこぶし固く

    伊代ちゃんの娘2

  • 花冷やすする手酌の紹興酒

    蒼玉蘭

  • 花冷や種の袋の亡父の字

    谷英英

  • 花冷やひとりで食べるにぎり飯

    北野都留

  • 花冷も息吹感じて開朗ぞ

    梔子芳香

  • 朝の窓落ちる水滴花冷か

    長洲雪華

  • 花冷やこの信号の赤は二分

    柳川薬缶

  • 花冷や期待膨らむ胸おさえ

    白兎パンコ

  • 花冷や明日は俳都へ一人旅

    仲間英与

  • 花冷えや雲の重さは心の色

    平岡梅

  • 花冷や側溝上まで土溜まる

    猫辻みいにゃん

  • 花冷や月の引力見える町

    足立とんび

  • 花冷に握る小さき我が子の手

    桃月あかり

  • 花冷えのT4の雲縦横に

    鈴川晴海

  • 薄紅花冷え案ずる母手紙

    大堀藤子

  • 花冷の昼に辛口の地酒よき

    浜西青芒

  • 正門脇お山座りの花冷

    但馬暢

  • 花冷えやタイムカードはあとふつか

    大好楽子

  • 花冷に赤い毛氈琴弾く手

    田畑 千嘉子

  • 爪先を押しあて眠る花冷えの夜

    村上 朝

  • 花冷のパイプオルガン栞置く

    葱ポーポー

  • 花冷えや手持ち無沙汰のキッチンカー

    服部悦子

  • 花冷えや早期退職引きこもり

    夢野又夢

  • 花冷や三十羽の鳩田に降りて

    草刈明峰

  • 花冷えに呼応二輪のブレーキ音

    盤上秋人

  • あいさつ運動朝の花冷えかな

    蒼色 天

  • 花冷に息子を騙る電話かな

    白猫のあくび

  • 花冷えの雨や魚が卵産む

    枕木電車道

  • 花冷えの蔵に鎮座す電話台

    浩子赤城おろし

  • そちらにも花冷えあるのお母さん

    竹吉 百々子

  • 花冷えや拍子木に合わせ「クシュ」

    与志田May

  • ディサービス花冷えの朝母笑顔

    大川ひょっとこ

  • 花冷や嘘つく君の息づかい

    齋寒雷

  • 花冷の星塚参り風にゆれ

    田舎太郎

  • 花冷えや風のなか避難訓練

    有井 新子

  • 花冷の長き廊下や枯山水

    中野むべ

  • 瓦斯燈の仄と居留地花の冷え

    コーノ凡士

  • 花冷えの華やかなりし葬列や

    凡子長島

  • 花冷の京の小路を数へ唄

    コーノ凡士

  • 花冷やキャンバスにぬり重ぬる青

    村居菊野

  • 花冷や上野にサックス四重奏

    大江鈴

  • 花冷えや名前を呼んでと母に乞う

    野の ねじ花

  • 身震いが懐までも花冷の日

    北の夢坊主

  • 花冷やお互ひに待つeメール

    風蘭智子

  • 花冷やポツンとピアノ置かれたり

    澤野紀久

  • 花冷や弁護士からの電話待つ

    白井百合子

  • 花冷や湯注ぎ蓋すカップ麺

    藤すみ

  • 花冷や喋る人形傍に居り

    林 壽

  • 花冷や別れ告げるに良き日和

    都乃あざみ

  • 花冷やスカイデッキに涙する

    平松 ようこ

  • 花の冷え「傷寒論」の解く教え

    和野みつ

  • 花冷の講堂校歌は覚えたて

    廣實檸檬

  • 花冷や仕事終わらぬ退職日

    椿 律

  • 花冷や乾杯の手の暖かさ

    朝乃珈琲

  • 花冷や玉砂利の音響く朝

    中井 菜々子

  • 花冷や物言はぬ子の反抗期

    中村典子

  • 花冷や建て替えられた団地群

    柳咲八

  • 花冷えの光横臥しみつめ思い馳せ

    陽風 安泰

  • 花冷や道祖神の後がわ

    鈴木秋紫

  • 花冷えや木喰仏の目鼻なく

    美村羽奏

  • 「屍は美か」花冷えの美術室

    高山夕灯

  • 花冷やジゼルの白きトゥシューズ

    高山夕灯

  • ティーショットの空振りの間の花冷よ

    餃子大王

  • 花冷えや骨張るポチの背中なで

    北の山猫 水島

  • 花冷や旅行カバンの服重し

    髙山善裕

  • 花冷の校舎で君の影探す

    大和さくら

  • 花冷えの夜行バス待つターミナル

    大和杜

  • 花冷や凪の茶畑にレンズ雲

    北穴大将軍

  • 花冷やこれが最後のおさらい会

    鳥羽 蒼香 

  • 花冷えに晒す乳房の光りけり

    浦見 若菜

  • 花冷えや孕みし予感確かなり

    浦見 若菜

  • 花冷えにおひとり様の忌明けなり

    四季風吹子

  • 花冷やローズマターは生きたまま

    島田雪灯

  • 花冷や会社帰りのチョコバナナ

    樽熊だん

  • 花冷えや抱かれし犬のおとなしき

    徹光よし季

  • 「契約」の二字花冷の新生活

    アナミスト

  • 花冷の繊月城下槌の音

    本田 喜美

  • 孫受かり花冷えの夜手に御神酒

    白山

  • 花冷えや雲低き朝ペダル踏む

    南野 空

  • 花冷や酒宴の出逢ひ一目ぼれ

    天雅

  • 花冷にゑぐられる骨格標本

    かい みきまる

  • 花冷や時刻通りにバス来たり

    鶯餅くうや

  • 花冷えや置かれたままの砂時計

    古舘粋狂

  • 花冷や棋士の触れざる盤の角

    内藤かをる

  • 花冷の駅舎スーツに差す光

    島邑奈於

  • 花冷に袴姿の笑顔咲く

    代官野兎

  • 花冷や痒がるヤギの目に涙

    嶋心人

  • 花冷や隻眼座して古本屋

    矢澤瞳杏

  • 花冷の城郭跡に涙かな

    夢 一成

  • 花冷やネットニュースのスターの死

    淡海 なおあき

  • 花冷やもこもこ服を持ってくる

    野原 美野

  • 甘酒を備前に満たす花の冷え

    鈴木ふよう

  • 廃ビルの骨組み一つ花の冷え

    相沢はつみ

  • 婿入の準備ととのひ花の冷え

    白神ハムサンド

  • 花冷や生姜をたんと擦りおろし

    竹東子

  • 花冷の乳金物に触れる吾子

    天道虫

  • 花冷や朋友眠る古刹へと

    鶴見ちい子

  • 花冷の朝初めての路上教習

    木下苗

  • 花冷の高圧電線荒び鳴く

    村田益次郎

  • 花冷や君の片手が弾くファラミ

    藤本真澄

  • 口ずさむナツメロ次々花冷えや

    夢バーバ

  • 花冷えや象の背の鳥羽繕い

    北の山猫 水島

  • 花冷えの海辺に鳶のビブラート

    素々 なゆな

  • 花冷よ姉の上着に私のローファー

    忍野ゆに

  • 花冷えに誓いし再会はや還暦

    美宮広

  • 花冷や闇の底まで震わせて

    比企野朋詠

  • 花冷をまとひて鴉城山より

    白川ゆう

  • 花冷や造り酒屋に麹の香

    足立とんび

  • 花冷や飯盛山で黙祷す

    尾崎ダリア

  • ひとり寝の腹底あがる花の冷え

    泉 世生

  • 花冷えや西郷像の裾めくれ

    梅尾幸雪

  • 花冷えや犬の散歩は足早に

    土井 良

  • 尖塔の先より下りる花の冷え

    谷本真理子

  • 花冷やがたりと落つるしるこ缶

    北田立緒

  • 花冷えの露店のオヤジつくねんと

    和脩志

  • 花冷や麻酔から覚め返り咲き

    畑 明庵

  • 花冷の安土の山の天主跡

    芭琉

  • 花冷えに空に舞う人二機三機

    篭山眺望

  • 三度目の退院の朝花冷えと

    立花 安曇

  • 父の墓花冷えのワンカップ酒

    弥生ポリ

  • 咳ひとつ早や花冷えかTライン

    奈良江津子

  • 曇っては花冷痛しうなじかな

    本田 浩美

  • 花冷えの並木を愛でるウォーキング

    藤城久美子

  • マスク取り花冷の風腹よ張れ

    煩悩愚息

  • 花冷えや鶏舎に鶏の声失せし

    竹林長彦

  • 花冷や虫食い多し江戸の地図

    藤岡 伊集

  • 花冷えや君待つ宵のざわめきは

    藤田ゆい

  • 花冷や最終電車見送りぬ

    鶴富士

  • 花冷えやシャッター街の古チラシ

    浅沼人一

  • 花冷えや糸の解れたカーディガン

    齋藤方南

  • 花冷や最終回の通園バス

    中村あつこ

  • 花冷や安堵の母の骸焼く

    芳野政裕

  • 花冷にラララと謳う愉快な夜

    和の光子

  • 花冷えの子にも幸あれその三年

    風織亭 緋あの

  • 花冷に水車回りてすする蕎麦

    大石 真水

  • 花冷や火影ゆれたる常夜燈

    鈴丸唯

  • お粧かしのアニバーサリーは花冷えて

    塚本清澄

  • 花冷えに五味胸に持ち駅に立つ

    大丸西

  • 可か不可か携帯震える花の冷え

    梅が枝餅

  • 花冷に亡き祖母夢で振袖着

    桃井モイ

  • 花冷の夜や水筒のぬる燗

    他峨家士

  • 花冷のやうな敬語で話す君

    里安

  • 花冷や安置の兄と共に二夜

    門のり子

  • 花冷や昼は娘とカップ麺

    仲間英与

  • 花冷や錆びた欄干の修繕

    染井 亀野

  • 花冷やいつも一つの一番星

    矢口知

  • 花冷を分けて六甲ケーブルカー

    瑠飛凪洲

  • 花冷や読経は低く流れをり

    鈴木 翠月

  • 花冷の最寄駅てふコンポート

    谷川炭酸水

  • 花冷えが近付ける距離には遠し

    夜張 暗之丞

  • 花冷のレンタルドレス返す夜

    網野れいこ

  • 花冷や満車のカフェの三周目

    直海麻乃

  • 桃色のわたあめかぷり花冷えや

    多々良 礼次郎

  • 花冷やミルクの甘く匂い立つ

    鶴舞櫻山

  • 花冷や一人待つ身とはしゃぐ声

    湯町小町

  • 花冷えやしっわ皺なニットでレッスン

    鈴木 風信子

  • 酩酊の父をおんぶし花の冷え

    土佐俳句人

  • 花冷や今朝の採血結果待つ

    柚明楽

  • 花の冷え言葉はもはや透明に

    谷枝文

  • 花冷や古書かほりたる父の部屋

    大岡秋

  • 巫女舞の優しき音色花の冷え

    谷 道悦

  • 花冷えや「ステージ4」とさらり言ひ

    中井無心

  • 花冷の空切り取りし太陽の塔

    日野煌花

  • 花冷や自己紹介の掴みネタ

    夢心

  • 花冷や未達の青春は遠く

    北里有李

  • 花冷にまあだだよつて奴が言う

    歩楽坂

  • 花冷えや返す合鍵ピリオドに

    田中彩舟

  • 花冷や長蛇の列の洗車機へ

    美羽烏子

  • 花冷えや錆びた迷路の駐車場

    藤井舞月

  • 透かし見る曇りガラスや花冷えの

    中川衣沙

  • 花冷やシャツのアイロンかけ直す

    粒の杏子

  • 花冷に牛タン一人焼く夕べ

    冬井三月

  • 飛び出し坊や花冷の村道に

    鷹雪

  • 花冷えや碧空を伸ぶ白い線

    大谷 芳

  • 花冷や南三陸防災庁舎

    博丞

  • 花冷や廃炉にするため入社す

    博丞

  • 花冷の部屋点滴のリズム呆け

    蔓草葛藤

  • 花冷えや余命授けし花に吾に

    徹光宗光

  • 花冷に蒲団被りて夢続き

    古寺 憲子

  • 花冷に釣り糸垂れて坊主かな

    古寺 憲子

  • 花の冷え川瀬に月のかがやけり

    天神川

  • 花冷えや夜勤の後の握り飯

    風路観徒 宮崎

  • 花冷えや京の橋上時を見し

    日本酒

  • 花冷えに濃いハイボール三杯目

    片一竜

  • 花冷えやライトアップの城冴えて

    池田風貴

  • 花冷や団欒の灯に足止める

    里山コナラ

  • 消え失せる右翼の街宣花の冷え

    立町力二

  • 花冷や路地を掠める抜き衣紋

    門脇栗歩

  • 花冷や触るなといふ猫の顔

    白田ねね

  • 花冷や巣立つ子残し八重洲口

    八ちゃん

  • 花冷やアイドリングの響く夜

    電柱

  • 花冷のパールのピアス演奏会

    本間ふみふみ

  • 花冷や「あなた看護師何年目」

    嶋光

  • 硝子戸に鈴のね潜む花の冷え

    百足野座無座

  • 花冷や迷子のピザ屋三周目

    巳智みちる

  • 花冷やカラスのカアはビブラート

    非魔人

  • 花冷やさらに膨らむ備忘録

    畑 里

  • 母さんの花冷えの足さすりたり

    夢々

  • 花冷やパパへ得意の寄り倒し

    矢堀サトシ

  • スタンドのホルン花冷えの唇

    多数野麻仁男

  • 花冷や血のにじみたる指の傷

    風花

  • 花冷や若返りの買い値問う娘

    天野若花

  • 花冷のライトアップが潤む目に

    愉来理あゆむ

  • 花冷えや大神の峯空青む

    林裕

  • 花冷の朝のしらべはバイオリン

    山田千華

  • 花冷や父去りて歌残りたり

    谷岸香子

  • 花冷えや児等の歓声マスク越し

    二階堂博江

  • 剣道の床冷たしと花の冷え

    萩城 武心

  • 花冷えのハンドル切って職安へ

    山の上のさん

  • 花冷や点滅続く電波塔

    梅の木千恵美

  • 大雪山花冷の帯時を止め

    白銀瀑布

  • 花冷や一人で掛ける木のベンチ

    中村天雅

  • 花冷えや母の呼吸の浅くあり

    目黒ゆきんこ

  • 花冷や泳ぎ手さぐりはや試合

    矢野游呆

  • 花冷の人待ち夜を流行りパフェ

    馬場めばる

  • 抱き支え花冷のもと今一歩

    大塚鴨鷺

  • 花冷の仏花の多き都電かな

    鳥の凡庸子

  • 「花冷」と恩師の訓示抜からぬ顔

    藤原明太子

  • 花冷に成長感じるプリマヴェーラ

    茶子父

  • 花冷えは薫り届けぬ院の部屋

    飯島寛堂

  • 花冷えや幼馴染のブーケトス

    野口景奇

  • 花冷の川に流さん我の闇

    村上熊子

  • 花冷の部屋剥製の眼は義眼

    シュレディンガーの獏

  • 孵化なかば花冷の身と為りしかな

    シュレディンガーの獏

  • 花冷やいまかいまかとカメラ持ち

    齋藤鉄模写

  • 花冷や女医の指先心電図

    池野五月

  • 君想う明日は来るな花冷えや

    福岡の岡

  • 花冷や砂場に作りかけの城

    八九テン

  • 花冷に天より届く服着よと

    武藤有香

  • 花冷や血圧測る歳の吾

    保坂萩遊

  • 暗号は花冷の土に葬る

    平沢中

  • 花冷や電波障害の夜も一人

    平沢中

  • 花冷の山椒多めのたぬき蕎麦

    望月ゆう

  • 花冷えや腕組み歩く宵の路

    田中妙女

  • 花冷えや柱の陰に下級生

    反芻医

  • 花冷の朝ペン習字はまだ「あ」の字

    釣佑允

  • 古都の鹿瞳濡れたる花の冷え

    霧 澄渡

  • 花冷えの月命日や香を焚く

    中山黒美

  • 花冷えや旅行支援の旅の宿

    谷 牛歩

  • 花冷えの伽藍の灯り揺れにけり

    和田まさやん

  • 花冷えや肩窄めあう喫煙所

    眞さ野

  • 花冷えや日の入る部屋に顔ありぬ

    津嶋 有明

  • 花冷や施設に入る義母の杖

    田中ピロミン

  • 花冷や漆の碗に小さき傷

    藤原涼

  • 花冷や胡桃釦をひとつ閉む

    藤原涼

  • 喧嘩後の花冷え沁みる薬指

    竹内揚羽

  • 花冷えの水面艶やか目黒川

    蒼井ふうりん

  • 花冷えや背番号なき背の饒舌

    彦克

  • 花冷や第二ボタンの熱き夜

    谷 卓生

  • 花冷えや胃の腑の中へ入るカメラ

    風間 爺句

  • 花冷や人に背向けぬ貰ひ犬

    潮風の台所

  • 花冷やホルンの底に去年の蘂

    アナミスト

  • 花冷えや父の遺作を読む窓べ

    青木みかん

  • 花冷えに花のスカーフはなむすび

    青木みかん

  • 花冷えや木彫仏の凛として

    中村水音

  • 花冷の歯科診療の椅子固し

    田中つきひ

  • 花冷えの飯田街道江戸遠く

    禅心大河

  • 花冷えや初柴犬のトリセツ本

    望月 円

  • 花冷えやドクターヘリの風切り音

    薬膳容子

  • 花冷えや本におりぐせ付けてをり

    藤井かすみそう

  • 花冷えやビニール傘の柄となる

    天然石

  • 宗匠の硬き手元や花の冷

    道後K3

  • 花冷やぎゅっと吾子を抱きしめて

    猫雪すあま

  • 花冷の音はシラシシ色は白

    翼つばさ

  • 花冷えや警策のごと初心かな

    辻勢

  • 花冷えや喉元過ぎた冷え想う

    陶豪

  • 花冷えや推薦社員顔見えず

    馬場馬子 

  • 引っ越しのふたり花冷えの菓子折

    風早杏

  • 花冷や吾と医師繋ぐ聴診器

    多田ひとり

  • 老骨に花冷え痛し別離たる

    美乃

  • 二回戦敗退の帰路花冷か

    只野かおる

  • 花冷の門辺学位記抱いた顔

    夜海なぎ

  • 食う処無し花冷の吉祥寺

    大盛茄子紺

  • 花冷や白猫の目つきも険し

    冬木りん

  • 花冷やペダル漕ぐ先はトンネル

    天照昭光

  • 自転車は花冷の土手を切り裂きぬ

    長谷川吾背

  • 花冷や制服姿板につき

    蓮見玲

  • 花冷えに透き通りゆく我が痛覚

    揚雲雀

  • 花冷や真昼の中を借りて君

    煉獄佐保子

  • 花冷やリハビリ室のテレビ消す

    染野まさこ

  • 花冷の朝ハローワークへペダル踏む

    白石梓

  • 花冷や流るゝ水の露天風呂

    大熊猫 美由浜

  • 花冷えの最速宣言とまどう

    中村荷蔵

  • 花冷や人と出会はぬ古社

    柚子こしょう

  • 花冷の手すりに頼る龍馬坂

    福原あさひ

  • 花冷の終電駅前喫煙所

    里山まさを

  • 花冷の鏡にギラリ過ぎし罪

    馬睡 栩瑠美

  • 花冷えやバツクパツクの異邦人

    田中香月

  • 花冷えに自転車降りてゆるそろり

    糺 森子

  • 越後路に花冷えの宿鍋温し

    放浪者

  • 花冷やボランティアの透き通る顔

    夢散人

  • 花冷えの床に背筋の伸びて稚児

    麦吉

  • 花冷に息子娘孫声揃え

    富田涯現

  • 花冷の夜病院へ急ぐ坂

    名前のあるネコ

  • 人去りし廃墟並びて花冷えよ

    白魔毒魔

  • 花冷や盛り場巡る服明し

    木々梶取

  • 花冷のゆるむ友との語り合い

    渡辺 あつし

  • 花冷や指のゆくへは知つてをり

    曹達みどり

  • 花冷や破れ障子が少し揺れ

    天王谷 一

  • 花冷えや象が不在の動物園

    東郷佳人

  • 花冷えや床に消えゆくありがとう

    梅津桜子

  • 二時間の体位交換花の冷

    茂木りん

  • 親友に新しい友花の冷

    茂木りん

  • 花冷えや腰までの髪切る我が娘

    野間 薫陶

  • 花冷や切断遺体発見される

    米口らく

  • 十三度花冷として正解か

    日々野こもれび

  • 花冷えの庭で素振りは新三年

    頬乃笑窪

  • 花冷や身体に沁みる貼薬

    武本松明

  • 隣室の夫咳込むや花の冷

    由凛

  • 花冷えにクリーニングタグまた外す

    眞由美

  • 花冷の中洲にぎわう屋台かな

    大家由美子

  • 花冷や竿置グィと缶コーヒ

    万明

  • 花冷えや飛行機の腹エアータッチ

    野山ノハナ

  • 花冷えや紅点す指の無明かな

    古舘粋狂

  • 百点のテスト明日は花冷か

    朝霧さら

  • 花冷えの宴に切れた紅い糸

    飛島 海道

  • 花冷えやさざめく寺社の鳥の声

    大康

  • 花冷の檻のライオン郷思ひ

    藤原明星

  • 花冷や両手掴み椀啜る

    了徳庵

  • 花の冷え吹奏楽の音聞こゆ

    平本文

  • つないだ手花冷遠い日のふたり

    長嶺阿蘇

  • 花冷や亡き母の私記台所

    泉世生

  • 花冷や夜の帳を下ろすさま

    立香

  • 花冷や呪いの本を吾子は読む

    天野いく子

  • 花冷えや歩道の二輪疾走す

    道さえ

  • 花冷やそぞろ歩きの十綱橋

    齋藤桃福

  • 花冷えや同行二人の路を踏む

    渡邉志づ

  • 花冷や吾の打つ鈴に怯みおり

    竹内ダイアナ

  • 花冷えや雑草達が目覚め来ぬ

    蜂 鳥子

  • 花冷えや風にまみれし白き犬

  • 花冷や退院延期の知らせ受く

    土居うらら

  • みちのくの花冷長し奥入瀬や

    流鏑馬

  • 花冷や軽き柩の重きこと

    北田立緒

  • 花冷や明日花粉が飛ぶってよ

    定位置

  • 花冷えや朝の光に鳥遊ぶ

    大薮薫子

  • 花冷や予報士の頬引締めて

    日向浜

  • 花冷や出どころ知らぬ副流煙

    武幻琵離吾

  • 花冷えや明かりもらひて咲にけり

    落合ペコ

  • 花冷えの道ひょうひょうと行く老父

    竹たけのこ  

  • 花冷やペンの走りの硬きこと

    如月 さら

  • 花冷に少しだけ足す散歩道

    葱坊主 (柴山)

  • 遺影拭く想い出話して花冷えに

    内堀 みち

  • 花冷えの朝娘らに看取られ母の逝く

    北の菫

  • 花冷えの転勤辞令ギョッとする

    道隆

  • 花冷やバレエのチュチュの揺れひそか

    島 白椿

  • 花冷に心うつろう薬箱

    大井ゆめか

  • 花冷よ祖母に似た声目が霞み

    浅草ゆり

  • 花冷や横笛といふ円い宙

    高山玲徹楚々

  • 花冷は油搾れるごとく病む

    高山玲徹楚々

  • 封切や花冷の夜の映画館

    北村 崇雄

  • 花冷にリーフを作りラテアート

    大塚青鯨子

  • 花冷の疼く奥歯と張るる腰

    湯湯婆

  • 花冷えの朝結婚するよとラインあり

    勇進丸さき

  • 花冷や願うは母を独り占め

    瓢箪鮎

  • 花冷えや薬の種類また増えて

    鈴木 リク

  • 花冷や漕ぎ出す小舟櫂重し

    泉北の石ヤン

  • 黙祷す空にいる人へ花冷に

    薔薇紫

  • 花冷えの仏壇に絵蝋燭の咲く

    泉水あやめ

  • 花冷や電車の音の輪郭線

    村野はちこ

  • 花冷えや眠れる亀の背をつつく

    緑野桜

  • 花冷えの定期検査の帰り路

    白川譲波

  • 花冷えやガードレールをまたぐ人

    茶柱 杏

  • 花冷えに寄りどころ待つ小さな尾

    鳥左るりか

  • 花冷やレジ締めのギザジュウ二枚

    美佑紀まい

  • 花冷や子らは遠くに暮らしをり

    木谷 きょうみ

  • 花冷や拗ねた女の酔い醒まし

    町田明哉

  • 歓迎の盃照らす月に花冷

    良梨木

  • 平らかに花冷の点字ブロック

    梟亭幸福

  • 花冷やベランダ庭の植木鉢

    相模 筑前

  • 花冷や胸の古傷しくしくしく

    柊南

  • 花冷えや祖母の形見の茶筅置く

    舞蹴釈尊

  • 病得て知らず過ぐるか花冷えも

    堀口美翠

  • 花冷や猫の瞳にうつる空

    風虎

  • 花冷えの街中潤すコケの群れ

    早風

  • 花冷えや残業帰りバスを待つ

    平谷 河女

  • 花冷の町筋狭き吾が故郷

    二ノ宮白山

  • 花冷や並木切られし河川敷

    朝日雫

  • 花冷えに病みし桜木倒す音

    猪飼篤彦

  • 花冷えや鍵かけ終える引っ越し日

    中村のりぴ

  • 花冷や欄干の下望む河

    日日新

  • 花冷や日向を選ぶ並木道

    楠十瀬子

  • 花冷やユーミンゆずで見送られ

    野洲 慧

  • 白き犬駆け抜けり花冷の土手

    末広野暢一

  • 花冷をアスファルトだけ見て歩く

    珈藤絵本

  • 花冷えの星空君にプレゼント

    山田千華

  • 花冷にクラスの友は散り散りに

    中井 昌太

  • 花冷えや長き空き家に兄戻る

    中野半歩

  • 花冷えやこれじゃないかなパスワード

    牧野直球

  • 花冷や抗がん剤もあと1回

    蓼科 嘉

  • 花冷えや押しつ戻りつウクライナ

    八木獺八

  • 不機嫌な夫の背中花冷えす

    東の山

  • 招待状欠席に丸花の冷え

    富山あんころもち

  • 花冷えや散会の無聊をうろうろと

    鷹岡翠豚

  • 花冷えや鍛冶師の顔の火傷跡

    与野小町

  • 花冷えや愚痴三昧の無礼講

    徒然太郎

  • 花冷や戯作と座すか世と立つか

    鈍子

  • 花冷や枝揺さぶれる窓越しに

    仲嶋孝人

  • 花冷えてサドルの霜の照り返し

    風ノ遊派

  • 停車場に花冷えの夜のちりぬるを

    竹内  喜和

  • そっと点滅花冷えの信号機

    野口雅也

  • 花冷えの妻の懐妊卒煙す

    蓮田忍

  • 花冷や柱に刻む子の記録

    大谷一鶴

  • ふと見えるその横顔に花冷や

    忍野柊吾

  • 花冷えや母ほどの温もり得たり

    大西泉花

  • 花冷や老いた父との酒一献

    野本 ゆな

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