俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2024年11月20日週の兼題

氷柱

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 明けるまでしたたり落ちて氷柱かな

    小田拓

  • 氷柱捥ぎギャルの指先キラキラと

    701らっこ

  • 水滴に星かげ孕む氷柱かな

    吉成小骨

  • 息小花あの子も二十歳氷柱折り

    アンクル・ペコス

  • 一塊の鯉動かざる氷柱かな

    日の峰祥雲

  • 魔界への入り口みたいな氷柱の歯

    秋水葉月

  • 軒先に落ちて鋭い氷柱かな

    中川 鉄庵

  • 夢に見し長き氷柱と電信棒

    玉治美

  • 輝きの時張り詰めて氷柱長く

    ほわ あん

  • しろかねに夜風梳き織り氷柱咲く

    泰熊士

  • 無二の友命消え行く氷柱溶く

    於河吏玖

  • 氷柱には見も触れもせず親に成り

    住田 赤鈴

  • 軒氷柱長くなる夜の「白夜行」

    香山リカ

  • あえかなり手には取らえぬ氷柱かな

    仲村江子

  • 軒下にささった氷柱蹴り倒し

     ヨシキ浜

  • 病む友へ祈りの深し氷柱時

    松の本の芭蕉

  • 湯の華にポタンと雫樋氷柱

    korin

  • 光差して氷柱の覗く窓の縁

    しみず ぽぽこ

  • 風強し腕をかすめて氷柱落つ

    高比良星嶺

  • 崖氷柱神殿めきて静かなり

    岩橋夕紀

  • 大氷柱村の噂を聞きて肥ゆ

    蜜がけまやこ

  • オリオンのこん棒のごと氷柱かな

    しゃりしゃり

  • 手洗いの氷柱へし折り水を出す

    玉京子

  • 蛇口からこれも氷柱か一センチ

    佐藤史緒

  • アイドルの区別つかずや軒氷柱

    タツキ ヨシコ

  • 木曽の宿つらら灯りの迎へかな

    静 うらら

  • 古き家氷柱の音の静けさよ

    井筒朝子

  • 教室の窓辺の氷柱ばかり見て

    りゅうてん和尚

  • 背比べ明日は抜かれる氷柱折り

    如月 ゆう

  • 鼻水の氷柱ぶら下げボンネット

    泉世生

  • 隧道を夜通し掘る日氷柱かな

    高瀬忠子

  • 晩学や長さ異なる氷柱かな

    前川葉月

  • 窓越しの氷柱の列や空青し

    月奈利

  • まどろみや氷柱きらめく朝ぼらけ

    平方令果

  • 身の内に泡閉ぢ込む氷柱かな

    佐藤根 雪華

  • 暁の氷柱に言問ふ母の息

    沖 若永

  • 長棹や老いの一撃氷柱落つ

    小野一箭

  • トンネルの遠目に光る氷柱かな

    西山哲彦

  • 三十槌の氷柱がばりとトドの群れ

    大月銀

  • 夢に見た氷柱の光玉雫

    日野照石

  • 氷柱の雫一瞬揺れて落ちにけり

    井上ひなた

  • 指先に氷柱まぶしい匂いして

    かく たまき

  • 薄氷を破る氷柱のピンヒール

    中家お弓

  • 懐かしき軒の氷柱の陽の柱

    佐藤夏みかんの亭主

  • 我ひとり病欠の窓氷柱かな

    織田 光

  • 剣より太き氷柱や地を目指す

    群青江戸きりこ

  • 篝火に氷柱は尾からほどけゆく

    大越マーガレット

  • 岩覆うほどの氷柱となりにけり

    松浦 姫りんご

  • 冷え症の心も萎む氷柱かな

    大林 千茶

  • 兄乗りし脚立支える氷柱かな

    猫辻みいにゃん

  • 草つらら小町の墓へつづく道

    米山

  • 詰め込みの鬼や朝陽を待つ氷柱

    神戸の老寺士

  • 百歳の豊かなこころ氷柱落つ

    山治高

  • 紙垂さきの小さき氷柱の鳥居かな

    坂下しわ

  • 岩肌に散布の滴待つ氷柱

    山本修

  • 分校の小さき蛇口に氷柱かな

    村山羊

  • 湯けむりに望む山並み氷柱刺す

    花蜜柑薫

  • あきもせず氷柱のしずく見る子供

    和泉暇人

  • 氷柱の凹凸屈折の青空

    裕月 遥

  • 里帰り氷柱主役の記念写真

    春野たんぽぽ

  • 次の瞬間氷柱折りたるつむじ風

    田辺ささのは

  • 鬼瓦厳しさに耐え鼻氷柱

    雲井草舟

  • 丸いのか尖っているのか氷柱とは

    井川エイカ

  • チャリ通やまずはサドルの氷柱折る

    松本マンボウ

  • 美しき氷柱生み出すボロに棲む

    イワンモ

  • 軒つらら青空見上げ丸かじり

    松原なぎさ

  • 山頂の社に青き氷柱かな

    日向幸朗

  • ストビューにごみ出す妣や軒氷柱

    浅田三時花

  • 氷柱にも硫黄の匂ひまじる宿

    茗乃壱

  • 屋根からの泥水飲んで濁る氷柱

    濵乃すな

  • 窓際にこけしの笑顔氷柱かな

    葉詩美露子

  • 折られても不平を言わぬ氷柱かな

    藤山応援歌

  • 「セイウチの牙みたいだよあの氷柱」

    あさみ あさり

  • 水音で天気予報の氷柱かな

    朧来春

  • 軒下でハモル水音氷柱から

    藤沢・マグネット

  • 透明の刀を研ぐや氷柱伸ぶ

    葉森木霊

  • 氷柱の澄んだ空気に背を伸ばし

    氷室東沙

  • 陽をまとう氷柱の溶ける音を聴く

    黒鶫

  • 軒つらら氷砂糖の溶けゆけり

    藍時 湘

  • 銀竹やギターの君の白き指

    永山シャンシャン

  • 氷柱手に勇者が進む通学路

    中村 橙

  • 透明な無言詩宿る氷柱かな

    杜青樹

  • 尖る子と似たり氷柱よ我も同じ

    わたなべ心粋

  • トゥーララと氷柱を歌ふ異邦人

    ドナウ絵蓮

  • 瓦屋根指にやさしき氷柱かな

    東狼

  • 風の神静かな朝に氷柱かな

    ケセラセラめだか

  • 送迎車待つ父杖で氷柱折る

    三毛山タマ子

  • 朝日浴び垂れ絹のごと氷柱かな

    阿部しんご

  • 氷柱とけぽとんぽたんと唄いおり

    山桜昌子

  • ゆる蛇口氷柱は細しまだ折らず

    明日野夢雨

  • 軒氷柱風が叩くよヴィブラフォン

    河村のび太

  • 木曽の谷頬刺す痛み氷柱群

    星乃瞳

  • 祈られる氷柱貪る生きてける

    獅子乙虎蛇

  • つらつらと氷柱ある日々想ひ接ぎ

    高志

  • 氷柱いでしずくが奏でる音楽会

    梅泰然

  • インスタに連なる氷柱北の友

    青井游

  • トロ箱の棘軍手から氷柱

    鷺沼くぬぎ

  • 氷柱解けわらぶきは湯気午後一時

    前乃桜

  • 一雫手水舎のつららに響く鐘

    南ハーブ

  • 冷え切った言の葉刺さる氷柱かな

    神 和幸

  • 友の本並ぶ本屋の軒つらら

    藤すみ

  • 朝まだき静謐の崖氷柱生ゆ

    かじやのタケ

  • 滴りぬ氷柱の穿つ穴暗し

    わたなべ蘇芳

  • 出入り戸のつらら手折りて朝始め

    まんはく

  • 「イッピカイエ」孤軍奮闘氷柱も武器

    河島はるちゃん

  • 凛とした空気つきさすつららかな

    秋樹アカネ

  • 氷柱氷柱氷柱氷柱と並びけり

    裕安

  • 貯水槽のヒビより育ち氷柱かな

    大盛茄子紺

  • 生一本造り酒屋のつららかな

    藤かおる

  • 開きたるひらがなドリル氷柱伸ぶ

    三上奈央

  • 民の声氷柱千本神知らず

    まごはる

  • 氷柱越し見えるは赤の信号機

    齊藤りゅうじょう

  • 南極の海の底まで氷柱伸ぶ

    天海楓

  • 氷柱全落ちうしろにはトトロいた

    フリージア

  • 角隠し氷柱の雫くぐりけり

    井 若宙

  • 突然の叔父来た声に氷柱落つ

    海堂一花

  • 重力の形となりて氷柱かな

    つくばよはく

  • 朝の竿つららのたまご占領す

    茨城つく婆あ

  • なめてみて甘いと良いな氷柱たち

    月砂

  • 湯上がりの眺めピンボケ氷柱かな

    楽・豊・幸で行こう

  • 地へ帰れ今日まで伸びし氷柱共

    吉田 ルイ

  • たいきくん氷柱かわしあらわれり

    崇拝

  • 氷柱なのとにかく俺は辛いのだ

    ギザギザ仮面

  • 新橋のガードの下に初氷柱

    こみやふるる(アカショウビン改め)

  • 氷柱かな少し明かりて水すだれ

    松尾 すみ丸

  • 氷柱折る音楽しかり下駄に足袋

    鉢垂藤

  • HOT押す深夜の自販機に氷柱

    楠十瀬子

  • ぽんぽんと氷柱滴る鳥は鳴く

    まごころかもめ

  • 北国で友と遊んだ氷柱かな

    明石たった

  • 我が故郷氷柱珍し指の幅

    滝之進

  • 八十神の氷柱や重し千羽鶴

    夜間眠

  • 肩車子にせがまれて折る氷柱

    夢藤修子

  • 出迎えは身長差のある氷柱かな

    野江門美

  • 氷柱伸びレポート語数足りぬまま

    勝亦朝

  • ツンドラの氷柱や硬度六は武器

    晴矢

  • 氷柱の下にて並ぶは口唇の傷

    平理頼

  • 静けさに氷柱爆ぜたる部屋の外

    流転六十

  • 氷柱欠きロックで一杯どうでしょう

    茶葉 紅子

  • 野鳥来る氷柱の雫水場かな

    里山稲穂

  • 試験日の身震い誘ふ氷柱かな

    山 怠夢

  • 亡父の背偲ばる昔軒つらら

    恕寂寥

  • 奥秩父分け入る先の氷柱哉

    山岸かっち

  • 玄武洞柱状節理に氷柱かな

    環柚色

  • 結願の寺や氷柱のうすみどり

    加田紗智

  • 青透かしワルツ奏でる氷柱かな

    美んと

  • 氷柱から雫落つる間魅入られて

    賀茂ももか

  • 氷柱とは日を待ち望む大地の洟

    宙助

  • 小枝おり氷柱の音色すべりだす

    坊賢富吉

  • 嬉々として氷柱を掴む小さき手

    八ちゃん

  • 女子校の朝や氷柱の透き通る

    神宮寺るい

  • 氷柱より滴るひかり海へゆく

    水桜

  • 軽やかに氷柱のしずくコンクリへ

    横辺理

  • 洞窟の苔に氷柱の反射光

    花弘

  • 朝の風氷柱ごし見ゆ白き山

    稲城蒼海

  • 鋭角の猫の歯のごと氷柱かな

    右陣平

  • 氷柱みてスマホ片手に自撮りする

    中村止一

  • 氷柱や一万人の第九愛

    穂緒せんか

  • 銀竹やこころポキンとなる前に

    酒井春棋

  • 氷柱無きマンション暮らしふと寂し

    のろ爺

  • カキーンと空気を刺して氷柱かな

    多摩川風子

  • 細りゆく喪中の家の軒氷柱

    近江菫花

  • おどおどと触れし他人の大氷柱

    月下檸檬

  • 氷柱越し真紅の花を閉じ込める

    ひなた マオ

  • 軒下に歌の聞こゆる氷柱かな

    世良智

  • 北側に家主の知らぬ氷柱あり

    浦野米花瑠

  • カムイ棲む穴に紙垂なる氷柱かな

    猫塚れおん

  • 風の勝氷柱斜めに寄切られ

    さこH

  • だんだんに背中丸める氷柱かな

    高嶺織人

  • 言い返す言葉飲み込み氷柱見る

    沖優

  • 団らんの家が育む大つらら

    伊代ちゃんの娘2

  • ひと夜にて溶けゆく氷柱のうす情け

    城山 鷺

  • 氷柱の散る路上や夜の色

    実本礼

  • 氷柱雫氷菓みたく喉がうなる

    燦燦伽奈

  • 苦楽の世地に届かんと氷柱かな

    優音

  • 夜もすがら氷柱が生きた道

    愛知ミト

  • 夕餉どきカレーの匂い氷柱かな

    武智浩

  • わだかまり解ける日いつか氷柱かな

    野辺 みどり

  • まつすぐにグレることなき氷柱かな

    ほしのり

  • スコップを弾く雄々しき氷柱なり

    山田はち

  • 古民家の縁側照らす氷柱かな

    予束 友鹿

  • けむり舞う酸ヶ湯のひなか落つ氷柱

    龍哉

  • 氷柱越し光が注ぐ合掌家

    上野 鈴女

  • 幼時に見し空気銃で撃つ氷柱

    山我 閑

  • 日々暮らす今がいちばん氷柱延ぶ

    坂田雪華

  • 漆黒の杉林クリスタルの氷柱

    小箱 守

  • 二回目の叔母の骨折氷柱落つ

    安曇野くーみん

  • アルプスの水滴ぽたり氷柱かな

    霧潤(むじゅん)

  • 氷柱ぽたり仲直りするはずだった

    中山黒美

  • その昔薬草煎じ見た氷柱

    尾田みのる子

  • 太陽を下に引っ張る氷柱かな

    熊になっちゃった

  • 朝光る神さまのいる氷柱かな

    小川ゆう

  • 病得し牛の鳴き声軒氷柱

    只暎

  • 氷柱を狙いすましてBB弾

    酒泪男女

  • 氷柱巡りてラジオ周波届かざり

    小 日音

  • 寝床から氷柱落つ音数えおり

    華ことり

  • 揃わないスロット成長する氷柱

    釣佑允

  • 當麻寺の巨太に巻きし氷柱かな

    内堀 みち

  • 日をはじき雫まぶしき歌碑氷柱

    一徳斎

  • つららの雫音外の快晴を告ぐ

    和田一七

  • 大屋根のいま落ちるかと大氷柱

    清水猿虎

  • 合否待つ軒下の君氷柱落つ

    山笑み

  • 小枝の氷柱やヴィブラフォンの如し

    ただのごろちゃん

  • 豊作を氷柱に願う農家かな

    珈琲俳人

  • 家々が飴細工になる氷柱かな

    入江理火

  • 溶けはじめ氷柱の音に見送られ

    四季

  • 虹色に光る氷柱の危うさよ

    雨読人

  • 滝氷柱天より強くささり来る

    小澤翔明

  • 徹夜明け氷柱眩しや下宿窓

    おじいちゃん1号

  • 石仏の氷柱のままに手を合はせ

    矢野葉月

  • 木琴を鳴らすが如く氷柱割り

    河孝

  • 彼の地では氷柱を潜り事はじむ

    翠善

  • 泣きもせで少年は笑む氷柱伸ぶ

    矢口知

  • RV朝のつららや道の駅

    印南天藍

  • 太氷柱思うところがあるらしき

    ちょうちょう

  • 裏ダボス氷柱の隙に滑る人

    いたっくうらら

  • 氷柱群斜に斜に伸びて反抗期

    山樫梢

  • 飛び切りの氷柱となるや鶏歩く

  • 軒つらら表札四人隠しけり

    森脇レイ

  • 子の身丈ほどの氷柱に喧しい

    山月

  • つららつらら母の泣き言ひとつ増え

    水上ルイボス茶

  • 連なれる氷柱つらつら滴れり

    いるの橙

  • 白樺の樹液を含む氷柱かな

    葱ポーポー

  • 日を浴びて心に刺さる氷柱かな

    水野 孝

  • 吾子はまだ痛みを知らぬつららかな

    芦野麻呂

  • 朝ぼらけ常念ひかる氷柱越し

    かたじん

  • 留守宅の雨どいの隙間に氷柱

    大塚鴨鷺

  • 昼下がりほろほろ泣いている氷柱

    あいまい もこ

  • 恋模様ときに牙剥く氷柱かな

    鶴梨 淵玄

  • 百会のツボにぽちょん氷柱の雫

    ひろ笑い

  • 歓声や輝き放つ氷柱ごし

    マザーテレコ

  • 軒つらら牛舎の灯り子牛生る

    いまいやすのり

  • 陽の光浴びて氷柱は背丈ほど

    流れ星

  • 廃村の軒の氷柱の尖りけり

    横堀 鯉桜

  • 十社目の志望動機と氷柱かな

    縞子勾苑

  • 入れたての茶のすぐ冷める氷柱かな

    伊藤 ゆめ安

  • ベランダの手すりに氷柱孫来る

    薄安

  • 銀竹や指折り数ふ三重の旅

    倉森 彩香

  • 午前4時天地しづまり氷柱かな

    大田白梅

  • 軒下に輝く氷柱昭和の朝

    蓮花

  • ストレスに不眠の夜明け氷柱伸ぶ

    小野寺 余伴

  • 漢なら氷柱眺めてラフロイグ

    アツシ

  • 垂直の氷柱連なり逆さ富士

    菅野あっこ

  • ふんわりの屋根より氷柱湯のにほひ

    矢野游呆

  • 氷柱落つ鶏舎無言の殺処分

    馬越あずき

  • 知らせ来て氷柱てらてら喪服出す

    星野夜風

  • 大地へと触れてみたいと泣く氷柱

    原颯太

  • 高3生徹夜明けの眼へ氷柱光

    星野みゆみさき母

  • 軒つららけふ吾子の手にとどきけり

    一 富丸

  • 我社裏大型氷柱鎮座せり

    横尾寂心

  • バス始発朝のはじまる氷柱かな

    高瀬 忠子

  • 湿ふ吾子とり上げらるる氷柱かな

    吉沢樰

  • わだかまり溶けし明日の氷柱かな

    藤原涼

  • お邪魔だが軒下借りるつららかな

    五黄巳松井

  • 追憶や氷柱に宿り懐かしむ

    大和キートン

  • コンビニの灯ともり氷柱なほ光る

    一木楓

  • 八合目明け方の小屋軒氷柱

    黄色てつを

  • 氷柱這ふ人魂見訃報聞く明日

    S子ヤマモ

  • 茅葺きのそぞろに並ぶ氷柱かな

    山川充

  • 廃校の氷柱に赤錆の滲む

    原田くろなつ

  • 氷柱から明けの明星落ちにけり

    マーゴとレニー

  • 昨夜の雨松の氷柱の小さきかな

    清見敏水子

  • 人里に垂る物の怪氷柱かな

    木々梶取

  • 縁側の氷柱よ部屋は片付けた

    藤瑪瑙

  • 日の出より背比べする氷柱かな

    花園 メイ

  • つま先分空けて氷柱の美学かな

    二見歌蓮

  • 氷柱を楽器に俺の田舎歌を

    宬主

  • トタン屋根の錆きらきらと氷柱かな

    勝本熊童子

  • 病床の氷柱に透けて夕日滲む

    朝乃珈琲

  • 手折られた氷柱の音は聞こえたか

    春田さとる

  • 軒氷柱母の電話のなほ遠し

    佐藤夏みかん

  • あかき実のあまさしぼりてまるつらら

    三谷菫子

  • オムツ買いくぐる施設の戸に氷柱

    禅心大河

  • 小窓開け手水の先に軒氷柱

    山広裕果

  • 軒つらら旅に出て見むと夫が言ふ

    蓮見玲

  • 氷柱ばり塗板の闇に朝陽さす

    桜 田夫

  • 明朝は氷柱になるや雨しとど

    梶原菫

  • ぬくぬくと夜ごと太つてゐる氷柱

    弥栄弐庫

  • 白き朝興奮する児ら恥づ氷柱

    武田らくだ

  • 氷柱薙ぐ明けの鐘響き渡りて

    竹東子

  • 軒先の氷柱数えて回り道

    伊藤美詞

  • 氷柱抜け彩雲眩しオフピステ

    広瀬紅葉

  • マンモスが家を食べてるよな氷柱

    森の水車

  • 氷柱や虹色雫子も歌う

    青日

  • あまやかに溶ける俵屋軒つらら

    咲咲こるつ

  • 朝の氷柱マンモスの忘れ物

    多田ひとり

  • 窓開けて氷柱取ろうと爪先立ち

    中山十七庵

  • 防犯のライトと氷柱無色透明

    河豚蛇燕 花子

  • 間合い詰め切っ先触れし氷柱戦

    小沼天道

  • 二日酔い静かな朝に大氷柱

    鈴木健次

  • 軒氷柱春男といふ名の父逝けり

    宮原渓秀

  • 露天の湯奥に湛へる氷柱かな

    道後K3

  • 引力の瞬間止めて氷柱成る

    くらきまあこ

  • 取れちゃったそれぞれの手にきらきら氷柱

    ゆかいなさっくす

  • 昨晩の嘘を氷柱に閉ぢ込めて

    近藤和草

  • 伸びるつらら未生のつらら溶けるつらら

    夢々

  • 目を閉じた母の頬に紅つららかな

    横浜順風

  • 人混みに息詰まり見上げる氷柱

    祥対無

  • 手水舎の神の流涎氷柱かな

    なかの巡界

  • 寺院跡緑釉の瓦人工の氷柱

    百目鬼くるり

  • 鈍色の氷柱遊離石灰には錆

    照輝坊主

  • 軒下の氷柱の長さ大中小

    夢バーバ

  • 折らぬよう触れるつららの先に玉

    古牡丹

  • 三十槌の城塞の壁となり氷柱

    ジェニファー樂龍

  • 噴水の鶴の翼に垂氷かな

    陽介山

  • アーケードの氷柱歩数の帯グラフ

    早霧ふう

  • 光笑むヴィランズたる氷柱かな

    佐宮静

  • 夜の静寂のたり青なる氷柱かな

    太田一駄歩

  • 宝石のごと手に受けつららにぎりしめ

    髙橋雀

  • 野畑の滴垂るるや草氷柱

    浅羽ただし

  • 朝暘の氷柱とけゆく検診日

    堀池正海

  • つららならきらきらしたらとけちやふね

    二城ひかる

  • 家籠り軒の氷柱の太きかな

    渡邉志づ

  • 口きかぬ夜の氷柱のあをさかな

    寸草

  • 羽ばたいて小鳥の舐める枝氷柱

    与野小町

  • 天晴れの静止画像や滝氷柱

    小林浦波

  • がいなのぅと大野ヶ原の大氷柱

    平田球坊

  • 鬼の目に涙氷柱は仄青し

    くつの した子

  • 氷柱の校舎声無く子ども待つ

    上中未明

  • 部屋の外つららだらけの引きこもり

    紫月歪丸

  • あな昔氷柱のしづく掌

    鄙び梅乃香

  • 青が溶け光芒も溶け朝氷柱

    岡 里詩

  • 息子への荷を詰め直す氷柱かな

    瑠飛凪洲

  • 星空と氷柱を見上げる子

    泉 早希子

  • 友逝きて氷柱ばかりが延びにけり

    好陽晃

  • 氷柱避け妻より入る北の国

    古谷芳明

  • 七人は散歩も一緒軒氷柱

    故里恋心

  • ドスンと氷柱季節をめくるスターター

    寺ゆた

  • 氷柱には氷柱の時間ありにけり

    柑たちばな

  • 軒先の氷柱わが家を突き刺せり

    矢澤 かなえ

  • 氷柱や夜のしじまに待つ帰宅

    伝説の晴れ女

  • 氷柱かな父の背中は小さきこと

    今西知巳

  • 煌めきは日差しと氷柱のマリアージュ

    未知女

  • 氷柱見たララランララあっ砕け散る

    ささちさち

  • お昼時氷柱伸びたるレストラン

    かめ

  • 湯気のぼる台所の母氷柱解く

    梅野なお

  • つららつらら地球は無二のアーティスト

    四葉の苦労婆

  • 氷柱折る五右衛門風呂は煮えたぎり

    高辺知子

  • ドンと鳴る眠る雨屋の氷柱かな

    円海六花

  • 旅人に氷柱褒められ話し込む

    竹さ

  • 大木よりも真っ直ぐ伸びる氷柱

    高瀬智華

  • 化けの皮溶けて涙の氷柱かな

    ふみちゃん

  • 針葉樹林抜けて空き家の大氷柱

    四季奈津子

  • シマエナガ楓の氷柱ホバリング

    桑垣青葉

  • 氷柱見るひとの眉尻下がりけり

    井上たとぅや

  • 五日待ちフックで散らす軒氷柱

    円錐角膜

  • 合否待つ消えゆく答え氷柱かな

    あさぼらけ

  • 家主狙う鉤爪張りの軒氷柱

    深空汐音

  • トタン屋根氷柱の溶けて鳴るドレミ

    櫻心

  • 栞差し夜の音聞く氷柱なり

    植木照美

  • 赤実に氷柱病める汝の笑み痛し

    柚子こしょう

  • 朝日かげさすや牛舎の軒氷柱

    老野一声

  • 氷柱折りライトセーバーかくありと

    ちあき あこ

  • 氷柱折るグリッサンドめく音色

    珊瑚霧

  • うらめしく眺める能登の氷柱かな

    夢 一成

  • よれよれの赤本二冊氷柱

    紫檀豆蔵

  • 億万年の光一夜の氷柱

    秤防人

  • いざ行かん氷柱帯びたる体育館

    斉燈学楽

  • 軒氷柱縦一列に班登校

    綾瀬 康子

  • 風やむ朝の陽きよらに氷柱かな

    小野麻子

  • 脈略の無き話で氷柱見る

    くすみ輝く

  • 小用の氷柱とともに抑留者

    本郷てい

  • 軒氷柱日ごと夜ごとに蠢いて

    花野海

  • 群青の空突くナイフ氷柱かな

    安田 風花

  • 思いきり氷柱叩けばラの音階

    白湯凛

  • 氷柱今朝ひかる古民家時間旅行

    うみうま

  • あたたかさ知ってしまった氷柱かな

    海沢ひかり

  • 吐く息の届かぬ先の氷柱かな

    彩李緑

  • 噛んでみる光集めた初氷柱

    裕季

  • 切通し氷柱をかじる登校子

    芝滋

  • 見上げれば光の氷柱降りてくる

    横山 沙石

  • 氷柱木の洞より栗鼠の走り去ぬ

    谷口 黎音

  • 氷柱落つ閉山の戸隠奥社

    帯雪

  • 氷柱見しのびる鋭さ我が猫なり

    五由

  • 吾子の手は真つ赤氷柱を青眼に

    一石 劣

  • 日が昇り氷柱の涙腹の中

    長井 フサコ

  • 氷柱の滴る音に耳澄ます

    川中 英明

  • 身の内に光貯めたる氷柱かな

    にいやのる

  • 朝の一閃悪童の傘つらら墜つ

    鴨川 ふかこ

  • ネット不調氷柱滴る月曜日

    豆祭 くぐい

  • いざ出でよ氷柱のしずく号砲なり

    ういかめいほ

  • 土押して氷柱に指す光

    遠藤倫

  • 縦桟の出入り不可の氷柱かな

    笙の音

  • 氷柱の尖った先に猫の舌

    吉岡幸一

  • 氷柱獲るだけで勇者になれた頃

    不知飛鳥

  • 臨終の祖父は氷柱を欲しがりぬ

    堀本チャイニーズハット

  • 落ちまいとまだまだ粘る氷柱かな

    季川詩音

  • 墓誌深く張りつめている氷柱かな

    飯田弓歩

  • 雫解け牛蒡のごとく軒氷柱

    鈴木雪

  • 氷柱花銀の大蛇は煌めいて

    飯島寛堂

  • 氷柱光る浅間の山は日本晴れ

    片岡三洋

  • シリウスに嫉妬星々うむ氷柱

    桜木レイ

  • 二拍子の朝日のしずく氷柱ざか

    世界時計

  • つららつらつらつらつららつらつらら

    唯野板

  • お元気で別れの言葉はつららかな

    加藤耀月

  • お社の氷柱キラキラ神宿る

    内田游夏

  • 氷柱も戦争中は菓子と成る

    ロミ

  • 屋根支え柱のごとく大氷柱

    京都さくら

  • 融点はやさしきかをり軒氷柱

    干天の慈雨

  • しんとして峡の水車に氷柱かな

    加藤遊鹿

  • 嘘つきや氷柱千本飲まんとす

    米山カローリング

  • スワイプで君を消したし大氷柱

    風友

  • リフト降り転げて仰ぐ氷柱かな

    藤つばき

  • 今朝もまたお顔厳しい氷柱かな

    佐々木光風

  • 引きこもる子の伸びた背よ軒氷柱

    梅津桜子

  • 落ちるなと伸びる氷柱に情が湧き

    橋本鯛庵

  • 窓明かり軒に氷柱や夕仕度

    羽加羽生

  • あのように溶け行く氷柱弛緩体

    とくねん

  • 氷柱落つ微塵の光壁跳ねる

    大矢香津

  • グロッケン聴こえてきそう崖氷柱

    水木 晶子

  • 氷柱の向こうで笑う君溶ける

    津田豚女

  • 朝練の木戸塞がれし軒氷柱

    k陽一郎

  • シャッターの如くに落ちし氷柱かな

    水谷未佳

  • 部屋干しの窓の向こうの氷柱かな

    飯田橋あめこ

  • 氷柱折りかじってみたらホコリくさい

    マジすか小六

  • リズムよく氷柱のしずく響きけり

    tokisan

  • 静かなる怒りよ氷柱もぎりとる

    白木小鳩

  • 鳥映す空の涙の氷柱かな

    吉河好

  • つららつらら空と屋根とを止めている

    汕空 めりべ

  • 生まるるも消ゆるも決めぬ氷柱かな

    松葉海蘭

  • 枕木の火に落つ立氷の雫かな

    北尾鳶尾

  • 閉店や客足たえず窓に氷柱

    坊平あきら

  • SLや氷柱落として長汽笛

    服部 比呂

  • 豊凶問う「たろしの滝」の大氷柱

    不来方杜声

  • 夜深し呑み屋で麻雀外氷柱

    とき

  • 氷柱たち子らにかかれば玩具かな

    松尾貢水

  • 光射し輝きながら氷柱泣く

    たかはしゆう

  • 子の嫁して氷柱折り手の夫老いて

    長澤創次郎

  • アラーム灯まわりて氷柱ギラと落つ

    栩々 万波

  • 太らせて頂きますね軒氷柱

    朱胡江

  • つらら折り溶けゆく思い出しずくひとつ

    茶嶋軍一郎

  • おはようの声は外から氷柱折る

    浅井雑草おばさん

  • 「氷柱はね、寂びしん坊」と吾子の言ふ

    西行葉牡丹

  • ひをかさね月をかくすや氷柱ララ

    中島タカシ

  • 雫垂れ残る明日の氷柱かな

    尾曲古鳥

  • 垂氷や素直に育つ子にも似て

    佐原左門

  • この星の芥蔕のごと氷柱あり

    欣喜雀躍

  • 屋根の塵混じりて氷柱固まりぬ

    野の菫

  • 長々とつらら軒下は異世界

    蒼川社

  • 氷柱溶く風にこぼれてすくう月

    開山Moon

  • 軒下の氷柱の怖さ今はなし

    松山石子

  • 学舎の軒の氷柱よ讃美歌よ

    高保ちこ

  • 障子越し氷柱つぶやく朝日かな

    アズとモノ

  • 抹茶点てすみの香ほのか虹氷柱

    西原 煌舟

  • 昼休み氷柱滴るあくびかな

    中井ゆそし

  • 不揃いの氷柱をかしや刻とまれ

    ファストペンギン  丈達末子

  • 軒氷柱縄の暖簾や達の酌

    鬼石 祥子

  • 発光の軒氷柱から夜明けかな

    望月ゆう

  • 庭臼の氷柱舐めおり野良の猫

    中山 蒼社

  • 気まぐれなセリフに刺さる氷柱かな

    神ヤ飛ビ魚

  • 軒下のあんなところに氷柱がと

    なにわのたらこ

  • 垂氷垂る思へば遠き北航路

    立心偏の悟

  • 母に似て来たと鏡越しの氷柱

    田中ピロミン

  • 氷柱ぬめりと融け紅き実の雫

    青嵐

  • チェロの音とワインに酔ひし氷柱かな

    千華

  • いざ出陣氷柱折りたし手いたし

    走海すみえ

  • 眠たい目氷柱の滴り陽の光

    林きせつ

  • 氷柱覗く世界の未来教えてよ

    板垣麗寧

  • つらら並んだピアノ教室の窓

    ライム

  • 電光飾闇夜に浮かぶ氷柱かな

    富士太郎

  • しがみつく不動岩場の氷柱かな

    江宮神

  • かずら橋小さき氷柱落ちにけり

    早坂喜熊

  • 朝氷柱指先ちょちょと米を研ぎ

    西乃羊雲

  • 幼な子のゆび並ぶ軒ミニ氷柱

    糺 森子

  • 飼い犬のくわえて来たる氷柱かな

    高野妙介

  • 虹色に朝日溶け込む軒氷柱

    泉北の石ヤン

  • 父早出禿頭濡らす氷柱かな

    桂 歩

  • 東京の蛇口の氷柱一センチ

    玉 ゆこげん

  • 黎明に虹を放つや草氷柱

    ハンダノブユキ

  • 遠声に落ちる氷柱の和音聞く

    小田芙蓉子

  • 氷柱眩し今朝も厳しき酸ヶ湯かな

    由凛

  • 北陸路町家を飾る氷柱かな

    仁左衛門

  • 耳鳴りや窓辺の氷柱街明かり

    寺岡 はる

  • 道の辺の逆さ氷柱に光射す

    小鳥穂夏

  • 模試前の透明な檻めく氷柱

    めりっさ

  • 西の端今朝のニュースは氷柱から

    四王司

  • 軒氷柱レンジのホットミルク出す

    かずポン

  • 滝脇の岩に現る氷柱かな

    輝雲彩

  • 裏窓で氷柱の光じっと観る

    O’Hare 鹿互

  • 尖る意思先へ先へと氷柱かな

    朝日きりん

  • 軒先の氷柱アリバイは成立

    花岡貝鈴

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