俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2023年5月20日週の兼題

蜘蛛

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 黒点や急に動きし小さき蜘蛛

    海笑里

  • 降る雨は蜘蛛と私を閉じ込める

    かずよばあば

  • 心電図アラーム鳴らぬ夜の蜘蛛

    いぬいぬい

  • 蜘蛛の囲や一家離散の蒼き空

    ミテイナリコ

  • 蜘蛛の糸庭木手入れに顔に付き

    篭山眺望

  • 軒先と庭木を結ぶ蜘蛛の糸

    ニッシャン

  • 蜘蛛だけが聞いて見ている我が悪事

    あさき 悠菜

  • 蜘蛛の囲の計りて張るやいと愛でし

    みっちゃん

  • 蜘蛛の糸どこまで続く行く先は

    早風

  • 朝蜘蛛が這う寝たきりの母の髪

    安武絹紬

  • 雨戸開く朝日に揺れる蜘蛛の糸

    岡崎梗舟

  • 朝の蜘蛛けふは良き事ある一日

    田中香月

  • 朝帰り蜘蛛の囲と蛾を貼り付けて

    つく婆あ

  • 避妊具に孕んだ蜘蛛の歩きをり

    一ノ瀬美郷

  • 掃へども翌日の網や蜘蛛の奴

    羽柳武助

  • 蜘蛛隠れミラーの裏に産む卵

    井上まゆ

  • 蜘蛛の囲よ掛けたる家の幸捕えよ

    ははろ

  • 球探す薮の行手に蜘蛛の囲や

    ゆりのいろ

  • 「いるだけで迷惑がるな」蜘蛛の言

    瓢箪鮎

  • 蜘蛛の巣よ物干し暫し貸してやる

    ほしの鯖女

  • プリズムを凝らして見れば蜘蛛の糸

    ほりかわとみ

  • 我が家に棲む蜘蛛の名はシャーロット

    大泉ちんちろりん

  • 蜘蛛の網凝り固まりし前頭葉

    みくにく

  • 昼寝する犬の鼻先蜘蛛の道

    ゴリ霧中

  • 一陣の風はや蜘蛛は葉の裏へ

    一寸雄町

  • 掛け軸の河をかくかく登る蜘蛛

    くらぎ よしか

  • 夢追うカンダタの蜘蛛の糸は酔う

    かさぶた2コ

  • 蜘蛛の糸フリーハンドのスケッチ画

    わすれ傘

  • 蜘蛛さんよ悪い虫さん捕まえて

    歌笛喫茶

  • 世にひとり迷い蜘蛛との攻防戦

    かえる L

  • 蜘蛛の糸眩しき朝日照り返す

    梶正

  • 嬰児這う蜘蛛の子は天井を這う

    ルージュ

  • 君の背中には蜘蛛貼りつきぬべし

    あさ

  • コンビニの屋根から伸びた蜘蛛のいと

    渥美一弥

  • 今日もいる綿埃よう蜘蛛がいる

    寺岡はる

  • 寝室に昨日の蜘蛛は今日もまた

    鈴木秋紫

  • 妹と怯む祖母宅のデカ蜘蛛

    深空汐音

  • 蜘蛛の巣を払えども払えども皮膚

    イワンモ

  • 真夜中や蜘蛛がタンスの隅に居り

    渡部鳴堂

  • 天井に蜘蛛の子散らす漁師宿

    たかはしねこみさ

  • 雨上がり蜘蛛の囲きらり我が狭庭

    放浪者

  • 地震速報前ざわめき立つ蜘蛛

    おでめ

  • 小枝手に蜘蛛の巣除けて山歩き

    ただのごろちゃん

  • 八つの足八つ目で八艘飛びす蜘蛛

    かなのりえこ

  • 蜘蛛の囲や風にゆらゆらハンモック

    大家由美子

  • 蜘蛛降りる子らが帰りし滑り台

    稲城蒼海

  • 昨日と同じところに蜘蛛の糸

    小笠原 くう

  • スニーカー蹴飛ばした石蜘蛛現る

    よかやまっこ

  • おかえりと迎えてくれるの蜘蛛一人

    馬平良洲

  • かくれんぼ蜘蛛の子散りて鬼残る

    白鳥天青

  • 真夜中の蜘蛛と目が合う日曜日

    ティアラ文緒

  • 葉と葉にも小さき蜘蛛が獲物待つ

    ふみちゃん

  • 雨止みし朝いそいそと蜘蛛登る

    ほのぼぉの@蚊帳のなか

  • 蜘蛛の囲八方ふさがり我が未来

    きさらぎ蒼穹

  • 洗濯を終えた物干し竿に蜘蛛

    にいやのる

  • 蜘蛛の巣や壊さぬように朝の庭

    k幸女

  • 夜の蜘蛛吉祥呼ぶと母の言

    鹿人 紅葉

  • 助手席の車窓へ蜘蛛は風に消ゆ

    あさつき育成家

  • 朝蜘蛛をポケットに入れ大安日

    おかえさき

  • またしても蜘蛛の囲はらふごめんねと

    風かおる

  • 今朝もまた蜘蛛の囲払い出勤す

    日向浜

  • 目の前をすっと下り来る朝の蜘蛛

    長谷川 玲瓏

  • 坪庭に蜘蛛の巣光る京の朝

    おぐらゆうた

  • あかつきに庭木の蜘蛛を捉えたる

    かじまとしこ

  • 厨房の蜘蛛は騒ぎにステステステ

    伊丹八兵衛

  • 朝露がジュエルみたいに蜘蛛の巣や

    鼻毛大魔王

  • 寺静か母の墓には小さき蜘蛛

    冬藻翠花

  • 廃校の蜘蛛の巣やけに輝けり

    いその松茸

  • 金沢は蜘蛛も立派や庭の陰

    カワムラ一重

  • 蟹ほどに愛されぬ蜘蛛床を這う

    いちご一会

  • 蜘蛛と見る録画は大河深夜二時

    まごはる

  • 空とぶや糸がみちびく蜘蛛のたび

    一 富丸

  • あぁ蜘蛛や動かざるなか何想う

    たっとく

  • 久しぶり自転車出すと蜘蛛の巣が

    大野なな

  • 雨上がり水玉光る蜘蛛の巣や

    神谷理風

  • 見上げれば蜘蛛の巣一つまた老いぬ

    阿部微風

  • 昨日より右端にいる女郎蜘蛛

    一慎

  • 雨や降る滴る水と蜘蛛光る

    上萩 龍一

  • 蜘蛛つまみ死んでみたいと願う夜

    ひねくれ 太郎

  • パソコンに蜘蛛張りついて始業ベル

    あのくりこ

  • 輪っかに蜘蛛の巣絡めて虫取りだ

    あらまち一駒

  • 雨降りて駆け込む軒端蜘蛛の影

    古寺 憲子

  • 蜘蛛そこに踏まぬようにと千鳥足

    ぽんぽこぽんこ

  • 夜の蜘蛛縁起悪いと祖母ぽつり

    桜木レイ

  • 怖がるは蜘蛛のほうだと父の声

    いしながつたこ

  • 墓参り傘で蜘蛛の巣避け進む

    逢花菜子

  • 指止まる頬張る蜘蛛閲覧注意

    みちか

  • 朝蜘蛛を逃がしてこの身難のがれ

    まさえ

  • 陽光や庭掃く朝に蜘蛛の糸

    球子

  • はらっても知らぬ間に張る蜘蛛の家

    華生華名

  • 朝に蜘蛛茶柱立ちて宝くじ

    秋谷 忍

  • 古家の先客の蜘蛛動かざり

    鳥の凡庸子

  • 蜘蛛の巣を払って眩し空の青

    小花風美子

  • 罪の無き者より蜘蛛の囲を払へ

    かいぐりかいぐり

  • 理科室の蜘蛛はいっそう蜘蛛らしく

    そら

  • 曼荼羅のめまひ格天井にくも

    アナミスト

  • つと降りてじげじげ戻る蜘蛛の糸

    はちわれ猫

  • 犍陀多を救う気あったのか蜘蛛よ

    甘蕉

  • 星空にくもの足跡ハンモッグ

    鶴城

  • 天井の蜘蛛の囲見つつ長電話

    みさよ

  • 鳥居よりそろりと来る蜘蛛真上

    ひろ笑い  

  • 壁に蜘蛛見て見ぬふりやじっと見る

    ちくちく慶

  • ママチャリをこぐ風に乗り蜘蛛が飛ぶ

    みもうさ

  • 伸ばせども届かぬ蜘蛛と共に寝る

    ぶにゃしめじ

  • 蜘蛛の子の全力跳躍地届かず

    くるみるく

  • 家蜘蛛や闇夜に光る忍者の目

    渡辺小豆

  • 幾何学の試験の朝や蜘蛛の罠

    すずき 弥薫

  • 蜘蛛住むや残骸隅に溜まりをり

    moto髪結

  • 完敗ね蜘蛛の手仕事レース編み

    塚田柳糸

  • 上空にヘリ蜘蛛がつーと下りてきて

    あすか風

  • 払っても同じところにクモの巣が

    みちくさQ幸

  • 表札の蜘蛛の巣払い始発聞く

    モンガラハギヤスダ

  • 蜘蛛の巣が顔へかかりし朝の山

    陽介山

  • 八つの手獲物捕える蜘蛛の糸

    吉田明由夢

  • 軒先に一筋垂れる蜘蛛の糸

    神谷史記

  • 蜘蛛の囲に捕まる三番目の小人

    しまのなまえ

  • 蜘蛛の糸逃れられない沼がある

    茜咲

  • 居候蜘蛛天井に部屋作る

    美月つみき

  • ピカピカのオフィスの隅で出会う蜘蛛

    ヤン子

  • 空舞ふやながき糸吐き蜘蛛何処へ

    大石 真水

  • 朝起きて雨戸に垂れし蜘蛛の糸

    珈琲舎亮

  • カーテンの陰から蜘蛛や跳び跳ねる

    北の星

  • 銀色に揺れしゆりかご蜘蛛の糸

    星野美咲

  • 朝のクモ今日もいい日と壁歩く

    可可夫豆

  • 起き抜けの視界の端に動く蜘蛛

    ひめのさんしょ

  • 一生を我が家に住むか軒の蜘蛛

    tokisan

  • 蜘蛛の巣やひとり暮らしの友となり

    いわた 風子

  • 軒下に雨粒キラリ蜘蛛レース

    福田もふもふたん

  • 夕暮れの下り来る蜘蛛の速きかな

    磯野ひよどり

  • あせろしに飛んどる蜘蛛がおったがや

    じきばのミヨシ

  • 世を分かち儚く散った蜘蛛の糸

    すずしず

  • 蜘蛛の巣に輝くしずく虹の色

    蓮花

  • 蜘蛛逃す祖父母の教え守る朝

    みのり甘子

  • 晴天や物干し竿に蜘蛛ぞわり

    月野ひとみ

  • 無人駅待合い室に女郎蜘蛛

    大塚青鯨子

  • 朝蜘蛛に縁起かつぎの日差しかな

    渡辺 あつし

  • 羽根捕らえ空跳ぶ夢を蜘蛛はみる

    愛知ミト

  • 蜘蛛にしてみれば住みやすき日本

    りぷさりす園芸店

  • 蜘蛛の囲の小さきに潜む殺意かな

    S・葉子

  • 主なく夕にたゆたふ蜘蛛の巣よ

    山口 笑骨

  • 軒下に今日もいつもの蜘蛛がいる

    ハイビスカス竹内

  • 知らぬ間に部屋の隅で死んだ蜘蛛

    平沢小歌

  • 眉痒し視界に子蜘蛛ぷんらぷら

    むさかず

  • 朝蜘蛛を福と捉えて吉日に

    酒井 癒香

  • 逃げ惑う蜘蛛に情けをかける朝

    りえ

  • 夜の蜘蛛よろこぶと呼び縁起もの

    青い手まっちゃん

  • 永田町蜘蛛が掛けたか伏魔殿

    ちゃー

  • 少年や蜘蛛の巢網で虫をとり

    小関啓明

  • 蜘蛛の囲を透かして空は青みたり

    紫陽花の父

  • 蜘蛛の巣や主はじっと待っている

    玉井令子

  • この家をローンで買って蜘蛛も住む

    シロクマ太郎

  • 髪の毛についた蜘蛛の巣ねばっこく

    アボカドブロッコリー

  • 蜘蛛の巣や取っても取ってもまた張られ

    大熊猫 美由浜

  • 押し入れの二つの角に蜘蛛の巣よ

    親睦

  • 脚が五本の蜘蛛じっと獲物待つ

    みやたひろみ

  • 悪気なく蜘蛛のリビングこわす吾子

    梅津桜子

  • 蜘蛛の囲やママに真珠の首飾り

    たま ふよう

  • 蜘蛛の糸そよ風に舞うひとり歌

    影夢者亜

  • 大蜘蛛や噛む虫二匹出づる夜

    ゆず柴

  • 蜘蛛の糸ほどの縁よサヨウナラ

    三毛山タマ子

  • 一晩でここまで張るか蜘蛛の糸

    ゆうちゃん

  • チョロチョロと面白きかな蜘蛛走り

    愛生園風来坊

  • 蜘蛛の巣を昨日も今日も払いけり

    森川真澄

  • 家蜘蛛は神の御使抹茶の香

    トヨとミケ

  • 虫はいや蜘蛛はいい子だ役に立つ

    まほろば菊池

  • 置き石を屋根に土蜘蛛長屋かな

    ひな子桃青

  • 円網に身内が集う蜘蛛の夜

    ぴょん吉 龍

  • ティッシュ広げ蜘蛛を追いやる旅の宿

    すずき鈴花

  • 夜蜘蛛や明朝会おうと見ないふり

    ふくまる

  • 寝落ちして目覚めた先に袋蜘蛛

    りこ星

  • 夜半のチェス盤にただ一匹の蜘蛛

    安芸路 虎魚

  • 益虫と何度呟けども蜘蛛

    川蜷

  • 朝散歩顔につくのは蜘蛛の糸

    野村すず

  • 糸織りて巧みな蜘蛛の夢の網

    俳狂老人卍

  • 角筈の古家の匂ふ窓へ蜘蛛

    となりの天然水

  • 夜蜘蛛や朝まで待てば福になる

    岸本 五月

  • 夕餉前子の騒ぐ先蜘蛛いっぴき

    水晶兎

  • 蜘蛛の囲にかかる命のあえぎあり

    竹内 喜和

  • 帰郷して蜘蛛の巣だらけ俺の部屋

    ヘンリーヤング

  • 昼は塩にぎり吾の脛這う小蜘蛛

    杏太郎

  • 家にいる蜘蛛の名前検索す

    杏子 羽具

  • 山登り見上げりゃそこに女郎蜘蛛

    小塚ちか丸

  • 兜虫探して掛かる蜘蛛の糸

    大矢皓一郎

  • 今朝もまた箒一振り蜘蛛落とす

    愉来理あゆむ

  • 里山を歩めば触るる蜘蛛の糸

    よひら

  • 軒下に住みつく蜘蛛は主になり

    桜華姫

  • 夜の蜘蛛出直せ明日堂々と

    いっちょうかみ(東條孝次〉

  • 木の間より長く一筋蜘蛛の糸

    齋藤由

  • 蜘蛛の巣は銀河の腕のごとき渦

    むらのたんぽぽ

  • ごみ出しにまづはかかりし蜘蛛の糸

    いのうえそら

  • わが古家たまに顔出す主の蜘蛛

    好運

  • 朝の蜘蛛釈迦の使いと放しけり

    伊丹春水

  • 張り詰める物干し竿に蜘蛛ひとつ

    斎藤コロンのママ

  • 蜘蛛の巣の彼方に町のある社

    むつ

  • 雲絡め取らんと座すか女郎蜘蛛

    井口けろよん

  • 蜘蛛の糸木々の間を火が歩く

    アシツノカラ

  • 円網で虎視眈々の黄金蜘蛛

    木谷 きょうみ

  • 一区画構へし蜘蛛のテリトリー

    がらがらどんのハリー

  • 風打ちて大黒柱張りし蜘蛛

    井植桔梗花

  • 蜘蛛の巣や露散りばめて朝光る

    Mat ひめりんご

  • 朝蜘蛛は殺さず居なくなるを待つ

    陶冶

  • セーターのほつれに棲む女郎蜘蛛

    久保 俊彦

  • ベランダにせっせせっせと蜘蛛の網

    濱野ぽにょりん

  • 蜘蛛の糸また顔につく駐輪場

    弘月令五

  • 蜘蛛の糸切っても明日出来ている

    早坂 一周

  • 朝の蜘蛛今廃校は甦らん

    阿曽 遊有

  • 蜘蛛の囲の中かもしれぬこの地球

    阿蘇の乙女

  • わがゆくて何故にさえぎる蜘蛛の糸

    井口幸嬰

  • 冥の際蜘蛛の螺旋が標す闇

    うめのうぐいす

  • 玄関で蜘蛛の巣待ってる早帰り

    かかまる

  • 雨上がり軒下に光る蜘蛛の糸

    西牡丹

  • 那須へゆくサイドミラーに蜘蛛のせて

    井上鈴野

  • かくれんぼ蜘蛛の子散らす笑い声

    遠澤人麻呂

  • 微風に蜘蛛の囲揺れて虹色に

    薩摩南風

  • 沼沢の蜘蛛と待ちたるアタリかな

    ぽんたちん

  • 蜘蛛這うやSNSのニセ情報

    はづき昼花火

  • 逃げ足が早い蜘蛛とあの男

    あまどかにすけ

  • 蜘蛛の巣を払う見事な蜘蛛の巣を

    アルル

  • 灯りつけ蜘蛛も起こして2時のしと

    どんぐりブルース

  • つぶやきは蜘蛛の巣に水滴綺麗

    本橋多賀士

  • やりきれたウエイト競技蜘蛛の糸

    わきのっぽ

  • 二つ三つ雨漏りのしみ夜の蜘蛛

    スモールちもこ

  • 蜘蛛笑うギロチン切った首の先

    ギザギザ仮面

  • 庭掃けば通せんぼする蜘蛛の糸

    水野 寿香

  • 蜘蛛よ白菜の付け根は眠れるか

    すげがさ

  • 小さき願い呟きて蜘蛛逃しをり

    ぱらん

  • だんごむしさがしていたらくもはっけん

    すみれ(5さい)

  • 微風や網戸弾いた指へ蜘蛛

    桃花

  • 淡々と蜘蛛さんと家事あと5年

    そわかそわか

  • 蜘蛛の囲や遊ぶ雨玉軒先に

    木化石

  • 今が世のカンダタ見てる蜘蛛の糸

    風間 爺句

  • 今日もまた陣地拡げる柵の蜘蛛

    みつ子

  • 宇宙から言伝て届く蜘蛛の糸

    キイロイトリ

  • 夜の蜘蛛とるなと聞きし幼き日

    柴田あやめ

  • 家蜘蛛の断りもなしに巣作りす

    阿部 晴子

  • 宵蜘蛛は良い蜘蛛と言ふ昔から

    藤原訓子

  • くしゃくしゃの蜘蛛抽斗の隅におり

    森毬子

  • 雨上がり蜘蛛のレースにビーズ散り

    清澄麻子

  • 昼下がり会社の壁にでかい蜘蛛

    かずポン

  • 白き床跳ねて可愛や部屋の蜘蛛

    聞亭圭輔

  • 蜘蛛の囲を滑る蜘蛛いる勝手口

    井上れんげ

  • 蜘蛛の巣や舞台の袖という居場所

    かまど猫

  • 蜘蛛の城城主の蜘蛛は隅におり

    ファストペンギン 丈達末子

  • 飛び跳ねし蜘蛛と遭遇洗面所

    五葉 松子

  • 蜘蛛の網勘違いしてしまいそう

    飴山ゆき

  • 祖母の家の厠の黒き大蜘蛛や

    玉 ゆこげん

  • 詫びつつも払う巣跡に蜘蛛の母

    あまねくみぞれ

  • 蜘蛛の巣の網の向こうに光る月

    井上教

  • 雨降りて軒に戻るや蜘蛛二匹

    久世青葉

  • 朝起きて光り輝く蜘蛛の家

    中岡 桂

  • 軒先に不気味に光る蜘蛛の巣や

    水野 孝

  • 蜘蛛の巣は見本になりしレース編み

    岩橋 夕紀

  • 失せ物を探しあぐねて軒の蜘蛛

    ゆきまま

  • 洗面台の飛沫読み切って蜘蛛

    ゆうゆう朔ら望

  • 猫の手が素早くしりなり丸く蜘蛛

    房総たまちゃん

  • 荒れ寺に分け入れば蜘蛛大都会

    Ms. ちょこっと

  • 朝の蜘蛛見つけて期待良い出会い

    渥美 さや香 

  • 無音の白糸落つ眼前に蜘蛛

    藤 無南

  • 今日きつとプロポーズかも朝の蜘蛛

    こうちゃんおくさん

  • 糸吐きて旅立つ蜘蛛の潔し

    中澤深翠

  • 蜘蛛の囲の奥に猫の目縁の下

    オッドアイ

  • 水遣りて蜘蛛の縄張り犯しけり

    薩克期風

  • 年一度預金見直す夜の蜘蛛

    みにとまあいこ

  • 朝蜘蛛やネフェルティティの末裔か

    タツキ ヨシコ

  • 雨上がり蜘蛛の軽わざ空に舞う

    茶子父

  • 蜘蛛の巣いつの間に早朝のサドル

    小室雅俊

  • ハンディ掃除機の中で跳ねし蜘蛛

    アオキアキラ

  • 蜘蛛の囲や今や世界に拡がりて

    伊呂八 久宇

  • 朝の蜘蛛生かしておいて夜殺す

    陶豪

  • 蜘蛛の巣の白髪頭に絡みつき

    ふみちゃん

  • テーブルを蜘蛛は一匹急ぎけり

    井上たとぅや

  • 降る雨や雫に光る蜘蛛の糸

    吾亦紅也

  • 夜蜘蛛や殺虫剤で止まぬ咳

    井上右彩

  • 軒先に糸を張りたる蜘蛛一つ

    八代葡萄

  • レース編み窓辺に揺れる蜘蛛の糸

    田島さえこ

  • 朝露の玉艶やかに蜘蛛の糸

    角愛幸

  • 福呼ぶと言われし朝の蜘蛛拝む

    さわだ佳芳

  • ぼんやりと塵紙にある蜘蛛の息

    ならば粒あん

  • パソコンの画面に降りたる蜘蛛の糸

    むくむく 苔

  • 糸を吐き君の膵臓狙う蜘蛛

    アツシ

  • 糸はらう物干し今朝も君か蜘蛛

    由凛

  • 蜘蛛の囲の主はひそかに身を隠し

    勝瑞 陽

  • 帰りきた家に主なる蜘蛛にらむ

    はっとりじいじ

  • 午前二時乾かぬネイルと壁の蜘蛛

    たん吾

  • 蜘蛛見る吾の小さき背丸しメタ認知

    いたっくうらら

  • 主なき蜘蛛の囲に居る骸かな

    めでかや

  • 新築の庭の隅っこ蜘蛛二匹

    桂都智風

  • 蜘蛛の囲を残したままで主は留守

    杉田ひらさこ

  • 蜘蛛笑う顔に張りつく夜明け前

    トラマロ

  • 警報を告ぐるスマホや夜半の蜘蛛

    かりそめのビギン

  • 急階段駆け降り蜘蛛の巣に踊る

    羽加羽生

  • 蜘蛛の巣の蜘蛛を煽るる濁り川

    田村ヒロミ

  • 目の隅に蜘蛛お互い身じろぎせず

    米米

  • きょうしゃのなやみふかしかなくもはねる

    あずき 游瑚

  • 畳から壁へと蜘蛛の速さかな

    たかくら尤敏

  • 屋根裏に蜘蛛の巣家の守り神

    モチ庵

  • なりたきは蜘蛛足の蘂持つおんな

    浦見 若菜

  • 雨上がり蜘蛛の巣は真珠の館

    乃奈

  • 蜘蛛の囲を額で破り野良仕事

    イーグル東山

  • 家蜘蛛や音無し素速し脚六本

    つたば海蘭

  • 下駄箱の蜘蛛に悲鳴の朝刊取り

    西原 煌舟

  • 死んだふりする宇野重吉似の蜘蛛

    れい

  • 明暗や天から地獄蜘蛛の糸

    玉野素人

  • 朝蜘蛛や出会って後に吉報来

    涼風 蘭

  • 夕映に染まる砂浜蜘蛛の糸

    愛ちゃん

  • 犍陀多を思ひて今朝は蜘蛛眺む

    髙橋好泉

  • 風吹けば巣にしがみつく蜘蛛の子よ

    にえ茉莉花

  • 非情かな蜘蛛の日常壊す朝

    一歩千金

  • 壊しても再建続く蜘蛛の糸

    オイラー

  • 朝露に光り輝く蜘蛛の網

    藤 のり

  • 主なき家の蜘蛛の巣凛として

    山田翔子

  • 蜘蛛に訊く栄枯盛衰遊園地

    チャンつの

  • ぷるぷるの子ら余さずに蜘蛛の背な

    おんちゃん。

  • 蜘蛛ともに終のすみかへ移らるる

    もふもふ

  • 朝蜘蛛は殺生するなと祖母の言う

    紅い靴

  • 旅立つ蜘蛛おーいどこいく?風のままに

    未知女

  • 腫れた目で電子レンジの中の蜘蛛

    アイアン亭 鉄鉄

  • 蜘蛛の子や追いて追はれて家静か

    ねうねうこ

  • 蜘蛛の巣や静けき山路顔に手に

    徘徊志太郎

  • 暁にもぞもぞ蜘蛛の夢の中

    たてがみなびく

  • 雨上がりきらりと光る蜘蛛の糸

    清正

  • 蜘蛛の囲に占領されゆく秘密基地

    中村のりぴ

  • 蜘蛛の囲や羽虫骸に悪だくみ

    安田 風花

  • 蜘蛛の巣を仁王が腕に作りけり

    seki@いつき組広ブロ俳句部

  • 影強く蜘蛛に問いたし阿弥陀道

    すきま梅緒

  • 朝蜘蛛を見つけし出社の歩軽く

    ゆきのふ

  • 夕蜘蛛やICUに夫生還

    ヤモリ

  • 蜘蛛の巣のインフラ悪しきビルの群れ

    のろのろ爺

  • 蜘蛛下りる一人芝居の舞台そで

    あらあらた

  • 蜘蛛の子は屋根を超えると糸を出し

    伊藤穰

  • 引きこもり蜘蛛のバリアをめぐらせて

    伊豆大黒

  • 悪させぬ間借りを許せ蜘蛛の声

    北乃かんばし

  • ネットはる排水口は女郎蜘蛛

    桜餅草

  • 古寺の社うしろの蜘蛛社

    NOWARもとみな

  • 回旋塔蜘蛛の囲が知る俺の歳

    キャピタルエッジ

  • 職人の蜘蛛 レースの刺繍 個性でる

    鹿哲里

  • 蜘蛛の巣にひとひら残る虫の羽

    与野小町

  • 真夜中のバスタブ底に蜘蛛がおり

    おといり ひとみ

  • 真夜中のアシダカ蜘蛛の這う音よ

    シェルローズ

  • 蜘蛛の子に一寸の生命感ずる夜

    瑞雲和合

  • 深夜2時オフィスに垂れる蜘蛛の糸

    Sono 43

  • 戦超え寺に令和の蜘蛛の糸

    あさぼらけ

  • 蜘蛛の子の声が聞こえる青と白

    花山徳康

  • これこそが我が人生か蜘蛛の巣よ

    youpent

  • 久々の古き母屋に蜘蛛一匹

    集 真藍

  • 蜘蛛の囲や宇宙の摂理六角形

    しぶ亭

  • ドアミラーにかかる糸先蜘蛛泳ぐ

    ぴょんばぁ

  • 青天に網掛ける蜘蛛独り占め

    水戸定家

  • 蜘蛛だって巣を張らないのもいるんだよ

    くりはらのんき

  • ぶら下がり振り子となりて蜘蛛の網

    キミネコちゃん樋口

  • 庭ゴルフ蜘蛛の糸巻くクラブ一本

    らるご

  • 仁和寺の蜘蛛の生き甲斐考える

    かくたまき

  • 蜘蛛の囲のはうきに絡みきららなる

    さおきち

  • 墓石の蜘蛛線香は燃え尽きぬ

    ぽちさんぽ

  • 何しよう何処へ行こうか今朝の蜘蛛

    なかの巡界

  • 家蜘蛛が好きと彼女はにわか雨

    こーがはるちゃん

  • 枝に蜘蛛雨余の技巧よ万華鏡

    みなづき はるるん

  • 湖に日を浴び踊る蜘蛛の糸

    野本 ゆな

  • 大蜘蛛や暗闇走る恐ろしさ

    大薮薫子

  • 受け箱に途中はばまれ蜘蛛の糸

    かすみ草

  • 蜘蛛達は命をかけて生きている

    くるみちゃん

  • サイドミラーくるりと駆ける蜘蛛の子や

    久慈川

  • 蜘蛛の巣の掃除朝晴れの式場

    ユウ・トドロキ

  • 蜘蛛の巣に顔突っ込んで泣き笑い

    磯貝あさり

  • 主人なき箪笥の底の蜘蛛の巣よ

    月下美人

  • 風呂に入り鼻うた歌いタランチュラ

    池田 進歩

  • 床掃かれ右往左往のクモ二匹

    丙 颯子

  • 掃出してもはきだしても戻る蜘蛛

    藤晋

  • 蜘蛛放つ向うの庭の住み心地

    チェシャ猫

  • 手の甲にふと落つ蜘蛛涙のごと

    KATARI

  • 刈株に蜘蛛羽衣をかけており

    アズとモノ

  • 干からびた蜘蛛の干からびた未来

    ひげもじゃ大臣

  • 女郎蜘蛛風に吹かれて渡りけり

    小春風 幸

  • 蜘蛛糸や縦横無尽スクリーン

    しげジイ

  • タイガース絶好調なり黄金蜘蛛

    たけ志

  • 朝の蜘蛛我を助けむとて来るか

    案山子@いつき組広ブロ俳句部

  • 八つの目を持つ蜘蛛と我同居せり

    空野朔月

  • 二匹目は無慈悲になりぬ朝の蜘蛛

    アマリリスと夢

  • 吾の影で虫飛び蜘蛛の網にかかる

    テラゴン

  • 影薄き蜘蛛一吹きで迷宮便利

    ミエコハマタニ

  • 蜘蛛ここに光と影を編んでゆく

    ケセラセラめだか

  • 女郎蜘蛛懐かしの声1人笑む

    愛川 琥子

  • 宙歩む芥子粒ほどの蜘蛛一つ

    一條冬青

  • 蜘蛛の巣や杖を頼りに藪漕ぎす

    かめ

  • 陽と露と閉じそびし窓と蜘蛛花火

    権田童よしこ

  • 仏壇の大福よ蜘蛛の足音

    しなもりいふ

  • 雨戸開けスッと糸引く朝の蜘蛛

    青空小鳥

  • 朝になりまた玄関の蜘蛛逃がす

    ハルノ花柊

  • 蜘蛛目醒め絡めた蠅ににじり寄る

    小川秋雄

  • 虹色のひかりあふるる蜘蛛の家

    みやこわすれ

  • 青空に幾何学アート蜘蛛の糸

    みかん成人

  • 蠅を捕る蜘蛛に太郎と名付けをり

    k陽一郎

  • 急げ蠅取蜘蛛ルンバが来るぞ

    とうくろう

  • 花びらに蜘蛛甘い罠にかかろうか

    ガーランド那智蔵

  • 物干しや蜘蛛のヨーヨー遊びかな

    つついぐれちゃん

  • 蜘蛛ゆらり庭の梢に鳥狙う

    えちご散ざん

  • 額縁にはりついた蜘蛛夜は更ける

    だだちゃ豆

  • 来るまではひたすら我慢女郎蜘蛛

    一愼

  • 靴裏の蜘蛛の屍見ないふり

    ナンプラー大好きママ

  • 雨上がり蜘蛛の囲ひとつとおせんぼ

    春木ともこ

  • 蜘蛛の囲は風に吹かれて哀れかな

    松本光由

  • 掴まんと寄れば消えいし朝の蜘蛛

    わたらい百々世草

  • 山道を蜘蛛糸かき分け頂上へ

    藪本ゆかり

  • 蜘蛛浮遊今目の前に蜘蛛の糸

    椿 律

  • 独居する侘びしき家に蜘蛛の糸

    唯野 夢色

  • 雨上がりキラキラ雫の蜘蛛の糸

    黒原夢美

  • 録画見つゝ机拭きつゝ蜘蛛葬る

    こてぬぐい

  • 払うには惜しき蜘蛛の巣窓にあり

    やっちゃんち

  • 蜘蛛掴む今度の妻に母ニヤリ

    ガンガゼ松山

  • 日々の朝髪に絡む蜘蛛覚悟

    きっちゃん

  • 駐車場畳むミラーに黒き蜘蛛

    リンク

  • 蜘蛛の子を四方に散らし風にのり

    池ばーちゃま

  • アラクネは蜘蛛になりたい訳がない

    O’Hare 鹿互

  • 野に山に街に探すや蜘蛛の糸

    カシワン

  • 祖母の家蜘蛛の巣居間に仏壇に

    せんべい

  • 蜘蛛が出て母親悲鳴皆退散

    立川夏子

  • ごめんよと蜘蛛の巣払う山路かな

    野々山あざみ

  • キャンドルの影映しめし蜘蛛の糸

    テディベア

  • 雪隠の裸電球蜘蛛あらわる

    ギボウシ金森

  • 闇潜む蜘蛛一匹や餌を待つ

    ビーフステーキ早川

  • 天井の角に息殺す蜘蛛

    やのかよこ

  • 蜘蛛の巣や鋏を止める庭仕事

    ややま

  • 風に乗り青空切るや蜘蛛の糸

    PONホンダ

  • よろこびに疲れて蜘蛛の囲にくつろぐ

    かげのゆ

  • 食卓の大きなジャンプ小さき蜘蛛

    やしたあきら

  • 泣き叫ぶ弟しり目に蜘蛛不動

    赤坂芝園

  • 故郷の吾の実家よ蜘蛛住まう

    岡崎秀恵

  • 蜘蛛の糸風を捕らえて新天地

    岡崎藍

  • 雨上がり光る蜘蛛の巣匠わざ

    春野桜草

  • 蜘蛛這うやクリムゾン塗るカンバスに

    さつきちひろ

  • 主知る築百年の家の蜘蛛

    みつや湊子

  • 目の前にすうつと蜘蛛の下りて来し

    月野うさぎ

  • 家蜘蛛や読みかけ本の側に居る

    デイジーキャンディー

  • 雨上がり蜘蛛の数珠映え鐘響く

    谷屋しゅん丸

  • 吉報の届きたる朝蜘蛛の糸

    いしとせつこ

  • 竿に蜘蛛洗濯物に糸絡み

    橋口惠

  • 病床で思ふカンタダ夜の蜘蛛

    佐藤朱子

  • マグカップ欠けた持ち手に蜘蛛の糸

    鞍 律佐

  • 火傷痕蜘蛛が睨みつけて母

    クウシンサイ

  • 陽光にきらり一筋蜘蛛の糸

    五十嵐 驟雨

  • あわあわと蜘蛛の行方を玩味する

    伊東まる

  • 照りつける陽に蜘蛛放つ糸光る

    乃邑歳幸

  • けんか蜘蛛一瞬にして糸まかれ

    コロキムラ

  • 地上との命綱絶ち蜘蛛空へ

    マレット

  • 裏庭に女郎蜘蛛棲む古家かな

    永井うた女

  • 蜘蛛の囲に朝の茂みは印象派

    とはち 李音

  • 気まずいな目が合い逃げた巨大蜘蛛

    あいあい亭みけ子

  • 傘立ての影にひっそり蜘蛛の子ら

    島田 モンブラン

  • 蜘蛛のダンス僕の刻むパンクロック

    すかーてぃっしゅ

  • 善行で垂らしてほしい蜘蛛の糸

    高槻知子

  • 光映え絹の蜘蛛の巣格子窓

    わかこ

  • 仏前に手をあわせしや夜の蜘蛛

    愛犬ハニー

  • しばらくは息ひそめあふ 蜘蛛と吾

    へたおかまこ

  • 朝の蜘蛛殺すなと言った母の影

    村井雅優

  • 眼底を這う蜘蛛の巢めく網膜

    内藤かをる

  • 蜘蛛の囲や掃うを惜しむ出来映えぞ

    郁松 松ちゃん

  • 雨上がり蜘蛛の巣だけが煌めいて

    一色凛夏

  • 蝿取蜘蛛八艘跳びのごとく逃げ

    新谷夏風

  • 納屋の隅巣張り巡らし蜘蛛の目

    植木照美

  • 蜘蛛動くだぁるまさんがこぉろんだ

    ばつおましょう

  • 不機嫌な互いの無言夜の蜘蛛

    阿波のコスモス

  • 深夜のキッチン目の前蜘蛛降りて

    安曇野くーみん

  • たおやかに足をすぼめて蜘蛛は逝く

    あおい結月

  • 世紀末思想読む夜は蜘蛛じっと

    むい美縁

  • 右カープサイドミラーの蜘蛛が揺れ

    南 楕円

  • アクセル踏むよサイドミラーの蜘蛛よ

    あいいろ小紋

  • 出勤のドア開け蜘蛛の巣の立派

    せとみのこ

  • 天井に蜘蛛這う母の忌明けかな

    井仲めい

  • 何処より襖の蜘蛛よ忍び入る

    ポンコツ車

  • 美容室行く先いずこ壁の蜘蛛

    ゴムの木Moo

  • 山姥の黒目背負ひて蜘蛛しずか

    ミモザ

  • 昼の蜘蛛ゆっくり早く壁をはう

     ヨシキ浜

  • 青空に捉われ蜘蛛は動かざる

    てつねこ

  • 雨後の夜の蜘蛛の囲光る玉真珠

    桃姫

  • 木漏れ日に浮かぶ蜘蛛の囲数あまた

    りゅうてん和尚

  • 蜘蛛の罠分度器持たず作る技

    さかい佳乃

  • 中古車のチラシに乗っけた蜘蛛夜へ

    ピノ ピノ子

  • 目があいし蜘蛛かたまりて夜明けまえ

    コイケキクエ

  • 落日の光あつむる蜘蛛の糸

    いまいやすのり

  • 蜘蛛の囲に守られ座する観世音

    そめやまさみ

  • 夕暮れの軒端に蜘蛛の存在感

    右田俊郎

  • 軒下や朝日に光る蜘蛛の糸

    よつ葉

  • 揉め事を見下ろす蜘蛛の無回転

    せんとう一波

  • 手をよけて走る小蜘蛛の可笑しさよ

    ちくばのとも

  • 蜘蛛真似て忍べり獲物穫る寝座

    夜張 暗之丞

  • 待つことに疲れたをんな蜘蛛殺す

    あいまい もこ

  • 蜘蛛の囲に踵を返す沼部かな

    ランナーズ寅さん

  • 宙ぶらりんの蜘蛛可愛く見えた朝

    まつはなすみれ

  • 糸を張り喰らう獲物を 待つ蜘蛛よ

    玉京子

  • 朝蜘蛛の拡げた光揺らす風

    しろくも

  • 朝の蜘蛛検査結果に膝正す

    綾瀬 康子

  • 独居家に蜘蛛の家族の多きこと

    はね花

  • するすると忍者のごとく蜘蛛の妙

    高田コブシ

  • 蜘蛛の囲に一枚の翅揺れてをり

  • 祖母の家便器の蜘蛛に見つめられ

    尾崎ダリア

  • 朝蜘蛛は縁起がよいと歓迎す

    広島立葵

  • 朝靄に光蓄えし蜘蛛の囲

    カイロス

  • 人通り閉ざすがごとき蜘蛛の糸

    林一芳

  • 地獄道弥陀の本願蜘蛛の糸

    一の介

  • 蜘蛛は時とる網やあかね雲

    バーバラ

  • 久々の洗濯日和蜘蛛は留守

    一春

  • 鏡台の蜘蛛死んでいるかもしれぬ

    みしまはぐし

  • キャーッ蜘蛛かわいい声は許したろ

    にゃんみー

  • 蜘蛛の子は短距離走に励みけり

    みちのこ

  • 真夜中のカーテン裏の蜘蛛密か

    笠川香奈

  • 蜘蛛の罠主不在の社かな

    生田 大五郎

  • 風に乗り今日の巣をはる朝の蜘蛛

    メ之下クマ子

  • 今朝もまた蜘蛛の巣かかる車庫の隅

    仲嶋孝人

  • 表札の文字に重なる蜘蛛の主

    伊達紫檀

  • 網をかけ独り客待つ夜の蜘蛛

    桂 歩

  • ピョンピョンと蜘蛛ジャンプしてカーテンに

    あらきこころ

  • 蜘蛛の指我が脳髄を掻き毟る

    アポカリプス

  • 細き糸渡る蜘蛛の子風に揺れ

    田中妙女

  • 蜘蛛の網せみとりに一番村いちばん

    横山 野原

  • 蜘蛛を見ぬマンション暮らし十年目

    牧野直球

  • 蜘蛛飛び出る故郷からの郵パック

    エマーシャばあば

  • ばあちゃんが遊びに来たよ朝の蜘蛛

    しーちゃん

  • 糸絡む蜘蛛の動きや風任せ

    ビッグネット

  • 雨上がり蜘蛛の巣ながめ句作りに

    加藤光狗

  • 掃除機で蜘蛛を吸い込みごめんなさい

    みかん

  • 蜘蛛の巣よ我が人生は阿弥陀籤

    ひとりこあら

  • 手の中の朝蜘蛛そっと放しけり

    森 茉那

  • 孤独に勝ちて蜘蛛そこにとどまりぬ

    なか鹿の子

  • 蜘蛛の巣をよけてなんぼの掃き掃除

    一井かおり

  • 研ぎ澄まし気配刹那や蜘蛛の狩り

    伊泉不洋

  • 蜘蛛の巣を顔にまきつけ秘密基地

    久間 いたる

  • 誰よりも先にお出迎えする蜘蛛

    atoman66

  • 夜勤あけ玄関に蜘蛛出迎えか

    男子三兄弟

  • 営みは阿修羅の如き蜘蛛孤高

    くらきまあこ

  • 冥府へといざなふ蜘蛛の八つの眼

    ちくりん

  • 物干しに伸びる光の蜘蛛の糸

    目黒のさんま洋幸

  • 蜘蛛の巣に昨夜の酔いが揺れており

    きよきつゆの

  • 蜘蛛の囲がブルーの空を透かし見せ

    漆崎 明

  • こっちだと言わぬばかりに跳ねる蜘蛛

    ひめのつばき

  • 朝夕に蜘蛛に目礼飯田線

    さきとみつきのジジ

  • 陽を受けて何処に流れて蜘蛛の糸

    武田鳥渡仁

  • 蜘蛛走る閨から漏れる艶話

    いもがらぼくと

  • 透かし見る蜘蛛の巣の青地中海

    アムゼルえりこ

  • 玄関に蜘蛛仲を取り持つ役者

    じじちゃん

  • 部屋の隅我の持ち場と巣張る蜘蛛

    案山子の鹿か

  • 蜘蛛の囲をはらひて蜘蛛に詫びを入れ

    とりゆふ

  • 蜘蛛編むやクレオパトラの首飾り

    15センチの庭

  • 見上げたる先に蜘蛛の囲と青空と

    伊能幸穂

  • 蜘蛛の巣に雨粒零れ色変える

    星宮雨霧

  • 蜘蛛の様に枝をはわす1番成り

    役所51

  • ぎつしりと絡む雨粒蜘蛛の糸

    山田由紀子

  • 蜘蛛の子のバックモニター大写し

    ザザザムシ

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