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中級者以上結果発表

2025年10月20日週の兼題

牡蠣

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 水平を指で保ちて啜る牡蠣

    トポル

    選者コメント

    夏井いつき

     「水平」「指」「保ち」「啜る」これらの言葉は、説明のように、詩的情緒など無いフリをしつつ列なっています。が、「牡蠣」という季語が出現したとたん、全てが臨場感のある映像として立ち上がってくるのです。焼き牡蠣の匂い、一滴も零すまいとする指先の平衡、貝の縁に近づけていく口。牡蠣の味までもがありありと再生される見事な一物仕立てです。
  • 生牡蠣が島のサッカー部の踏絵

    GONZA

    選者コメント

    夏井いつき

     こんな発想もあったかと愉快になりました。一読「島のサッカー部」は高校かと読みましたが、島に本社のある社会人サッカー部の可能性もありますね。いずれにしても、このサッカー部に入部して上手くやっていけるか否かは、「生牡蠣」が食べられるかどうかにかかっている。最後の「踏絵」の一語でそれらの意味を全て伝えるのですから、巧いものです。
  • 鈍色に水くもらせて牡蠣洗ふ

    大岩摩利

    選者コメント

    夏井いつき

     牡蠣を洗っているだけなのですが、鮮やかな映像再生力のある作品です。牡蠣を洗ったことのある人ならば、この「水」のさまを知っているはずです。牡蠣のエキスが溶けるのでしょうか、なんだか美しく濁るのです。その「水」の表情を「鈍色に~くもらせて」と表現した言葉の選択。「牡蠣」という季語が動きがたくそこにある、見事な逸品です。

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