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中級者以上結果発表

2025年10月20日週の兼題

牡蠣

【曜日ごとに結果を公開中】

【類想】

選者コメント

夏井いつき

◆「牡蠣」のような食べることのできる生き物の季語の扱いには、悩ましい点があります。それは、歳時記によって扱いがかなり違っていることです。

 例えば、「牡蠣」そのものは動物の季語に分類され、「牡蠣割る」「牡蠣剥く」等の作業や「牡蠣鍋」等の食物は人事の季語としている歳時記もあれば、それら全てが「牡蠣」の傍題として載っているケースもあります。


◆そんな現状を踏まえて、「牡蠣飯」「酢牡蠣」「牡蠣フライ」「牡蠣雑炊」等は良しとし、また「牡蠣にレモン」の(類想はかなりありましたが)季重なりについては許容しました。同じく「焼牡蠣」「牡蠣小屋」の「炭」も当然そこにあるものと判断いたしました。

 ただ、(句の内容、表現にもよりますが)「貝塚」の牡蠣殻はちょっと違うかなと思いましたし、鉢植えに置かれた牡蠣殻や肥料としての牡蠣殻も、「牡蠣」という季語の本意からは外れるのではないかと、線を引きました。


◆「牡蠣」は観察しようと思えばできる季語ですから、一物仕立てに挑んだ句も多かったのですが、それらがまさに類想の穴に落ちてしまったというのが、今回の印象です。

 例えば、オノマトペならば「ぷるぷる・ぷるん・ぷるるん・ふっくら・ぷっくり」という如何にも牡蠣らしいもの。牡蠣の身の様子に対して「艶めかしい・艶っぽい」という表現。そこからの印象で、「飲み屋の女将の艶っぽさ・女の喉の白さが艶っぽい」等の連想に走った句も沢山ありました。

 更に、「~みたい」「~のよう」と比喩へ発想を飛ばしたのに、着地したのが類想の穴! というケースも続出。「裸婦の肌・藤田嗣治の絵の肌・乳房・ヴィーナス・真珠・赤子・ふぐり」等々。こうやって並べてみると、納得して頂けるのではないでしょうか。


◆勿論、佳作以上の作品には、これらの類想を土台としたものも多くあります。

 類想から抜け出すには「ほんの五音分のオリジナリティかリアリティ」の工夫。上位作品から、それを学び取ることが、上達の秘訣でもあります。


◆そして、いつもお伝えしていることではありますが、入力ミス、変換ミス、文法のミス等が毎回一定数あります。佳い句だなあと思っても採用できなくて、非常に残念な思いを致します。送信ボタンを押す前に、最後の確認をすることを習慣づけて下さい。



※今回の兼題「牡蠣」中級者以上投句欄へのご投句は、投句数3945句、投句人数1698人となりました。以下、類想句の一覧です。

類想一覧(選外)

  • 生牡蠣を食べぬ息子の暗い過去

     九郎四郎

  • 牡蠣筏斃死に黙し生産者

    早川 さき子

  • 蛎殻を剥く女らのリズムかな

    琵琶湖のおばさん

  • 言葉なく牡蠣を剥く人食べる人

    石黒なを子

  • カンカン焼の牡蠣は熱熱まづ一献

    伊藤恵美

  • 深夜便到着牡蠣はシャブリ添え

    日月見 大

  • 祖父の手はAI牡蠣を剥き剥き剥く

    ダンサーユウキ

  • 牡蠣剥くや傷病手当申請書

    コーヒー博士

  • 乳房より白き牡蠣剥き五味の市

    高橋風香

  • 人魚の住処のやうに牡蠣開く

    島風 冬

  • 牡蠣焼きて秘めた野生が顔を出し

    伊東海芋

  • 牡蠣の山左端から命剥く

    相沢 薫

  • 潮の香やついつい牡蠣の身十粒ほど

    白神ハムサンド

  • 牡蠣の身の艶や赤子の頬のごと

    野中 游

  • 牡蠣フライあとふたつ食う地元産

    黙々笛

  • 牡蠣喰えば呼び起こされし鳥海山

    五十嵐 三連単

  • ひとり言波のゆりかご牡蠣の夢

    奏月葉音

  • 燗酒に酢牡蠣の膳は親譲り

    道後K3

  • 宮島の牡蠣も目当てに参詣す

    杼 けいこ

  • 打つリズム路地に奏でる牡蠣の朝

    島陽広

  • レモンの香頬張る牡蠣はクリーミー

    一夏たけの坊

  • 提灯に指折り数える牡蠣の旬

    乏硯

  • 山盛りの牡蠣割る女性等いさぎよし

    みしまちづる

  • 初デートなぜ牡蠣小屋と牡蠣喰らふ

    諸塚凡志

  • 漆黒の海眠る牡蛎何を見る

    さくらバディ

  • 牡蠣鍋や繰言途切れ締めの飯

    佐々木 佳芳

  • 牡蠣鍋で火加減もめしなつかしや

    コイケキクエ

  • 内海は波のゆりかご眠る牡蠣

    あらいすみこ

  • 牡蠣食えば無縁仏の友偲ぶ

    松本錦明

  • 生牡蠣をゴクッと白き喉仏

    成瀬 朽木

  • 牡蠣食ふやふっくらつるりつるりかな

    荒木ゆうな

  • 松島や牡蠣の匂ひに途中下車

    片平仙花

  • 瀬戸の海蕎麦に入りし牡蠣を食ふ

    こすもす

  • ご近所の日生の土産牡蠣十個

    岡田瑛琳

  • ひと齧り苦さを待つ間牡蠣フライ

    宇のななみ

  • 牡蠣啜る音のみ誰も無言なる

    中里凜

  • 相性はタルタルソース牡蠣コース

  • 宮島や義母と焼き牡蠣食ぶ笑ふ

    清松藍

  • 牡蠣の殻誰だこんなに食べたのは

    雨森 茂喜

  • 牡蠣さげて土産に帰る子沢山

    そうま純香

  • 歓談と美酒の締めには牡蠣雑炊

    那須のお漬物

  • 怯ゑつつ岩牡蠣載せる幼女の掌

    みゆむうしば

  • 牡蠣鎧纏ふが常と生きにけり

    ゆきなごむ

  • 牡蠣食って殻山積みに満ちる顔

    宮沢 韋駄天

  • 貪欲な命の海や牡蠣の艶

    くろけん

  • 広島の土産びつくり太き牡蠣

    達坊

  • 牡蠣を見て食べた先人讃えたい

    玉川 徳兵衛

  • 湯上がりの白き肌あり蒸せし牡蠣

    大澤道史

  • 牡蠣見れば父母と松島思い出す

    中村 自在

  • 牡蠣雑炊卵にとじて締めとする

    山本備衣二

  • 山水のゆるかな時や牡蠣に入る

    ランナーズ寅さん

  • 生牡蠣や九の食欲一の不安

    伊藤なお

  • ゆりかごは波の揺らめき牡蠣眠る

    松浦 姫りんご

  • 牡蠣鍋に三度あたるも箸すすむ

    小林俊行

  • 牡蠣殻の山成す宿や一人旅

    藤源卿

  • 卓の牡蠣鍋目の色変へて三回目

    空野 美津風

  • 逞しや牡蠣割女らの手と笑みと

    白山おこ女

  • 海をすする鉄板の上の牡蠣

    えいぎょ

  • 殻付の牡蠣がじゅわっと網の上

    れんげ畑

  • お好み焼牡蠣を真中に蒸すを待つ

    PONホンダ

  • 背を丸め牡蠣剥く祖母の雨上がり

    スズランチイコ

  • 異国語の笑いざわめき牡蠣割女

    だっく

  • 焼き牡蠣を前に手酌また一合

    笹団子

  • ロボットにやらせてみろや牡蠣打を

    谷本均

  • 我のみぞ旨さ分からぬ生の牡蠣

    黒山万牛

  • 駅弁は牡蛎づくし安芸舌鼓

    中野風鈴

  • 三陸牡蠣いのちの森と川と海

    夢雨似夜

  • 生前の父と厚岸牡蠣フライ

    松本笑月

  • 牡蠣は広島こだわりし我が一家

    滝美音

  • 山と積む夢のかけらか牡蠣の殻

    村上秀造

  • 茹で牡蠣や牡蠣の嫌いな夫のいて

    赤尾双葉

  • 松島の蒸し牡蠣食ひてなま食ひて

    伊達ノ半蔵

  • 酢牡蠣をば婆するり飲みまた一つ

    岡塚敬芳

  • 松島や満ちる煙の牡蠣の小屋

    川崎ルル

  • 大粒の牡蠣を買いたる祝いの日

    まりい木の芽

  • 牡蠣剥くや潮の香りをこぼさじと

    みなみはな

  • 珍しく顔が揃いて牡蠣フライ

    空心菜

  • 揚げど食ふ牡蠣の滞在五秒ほど

    遊子眼鏡

  • 牡蠣啜る向かい合わせの友の愚痴

    みみみ

  • 初めての料理教室牡蠣マリネ

    染井 亀野

  • 牡蛎嫌いの夫をなだめて今日は鍋

    つづきののんき

  • 流れ込む海のジュースや牡蠣フライ

    沙那夏

  • 牡蠣を蒸すレンジに磯の香りかな

    どれみすみ

  • 牡蠣殻の山崩れて尚動く指

    鳥不驚

  • 牡蠣飯や醤油加減に母の味

    柚木 啓

  • 弁当に染み込む出汁や牡蠣笑う

    イガチョフ良一

  • 煌めけるワイングラスや生の牡蠣

    伊藤 蒼邨

  • 鍋〆の縮みし牡蠣や福の味

    小川しめじ

  • ヴィーナスや開けたての牡蠣よこたわる

    羅美兎

  • 送り先思い浮かべつ牡蠣を打つ

    杜野 ほたる

  • 牡蠣飯や香に誘われて友と逢ふ

    佐藤 聰

  • 岩牡蠣や乙姫賜ふ玉手箱

    深澤 健聖

  • 酢牡蠣とは噛むべからずと父は吸い

    コモドドラゴン

  • ぷりぷりの牡蠣の土手鍋腹一杯

    リカ

  • 牡蠣を盛る今風呂を出た父さんへ

    吉田一葉

  • 牡蠣フライや海のミルクにふさわしい味

    瀬野広純

  • ぐつぐつと牡蠣の土手鍋地酒酌む

    玲風

  • 採り来ては父言ふ瀬戸の牡蠣旨し

    吉永那夫子

  • 牡蠣の身をふぐりのようと騒ぐ子ら

    一井かおり

  • 牡蠣割の母子と手をつなぎ浜小屋に

    甘泉

  • 牡蠣鍋や海へ散骨子に託し

    みやざき白水

  • 酒のあて大粒トロリ牡蠣フライ

    祐 紀杏里

  • 牡蠣食めば太古の記憶蘇る

    冬野とも

  • 牡蠣届く御荘の叔母の送り状

    久保朝採りレタス

  • 贅沢ねお好み焼きに牡蠣なんて

    Kかれん

  • 牡蛎小屋や他県ナンバー並びをり

    風かおる

  • 喉仏つるりと牡蠣を啜りけり

    高橋手元

  • 生牡蠣をちゅるんと一気おお旨し

    ゆぃ

  • 牡蠣剥きバイト手の牡蠣臭が誇リ

    宗平真実

  • 吸い付きて牡蠣と濃密なる接吻

    山川道樂齋

  • 牡蠣小屋の牡蠣の香りよ牡蠣鍋よ

    鳥田政宗

  • 牡蠣の身や食べすぎ注意「もうひとつ」

    ひみこ

  • 厳島神社参りや牡蠣旨し

    増田楽子

  • 尾道や蒸し焼く牡蠣の一斗缶

    火星ラジオ

  • 生牡蠣の海を孕みて香りおり

    今林快波

  • 揚物は外食のみで牡蠣フライ

    桃香

  • 牡蠣鍋を囲む日生や旅の宿

    余熱

  • 異国慣れ豪快に吾子牡蠣を喰ふ

    星影りこ

  • 焼牡蠣のはじける音とレモン香

    仲間英与

  • ご近所に牡蠣をわけれる間がら

    わかば

  • 熱々を軍手でそろり牡蠣甘し

    りえ

  • 安芸帰り牡蠣を育む風物詩

    左近

  • 牡蠣の身の小さくなりて鍋の中

    中島穂華

  • 牡蠣好きも嫌いも集う県人会

    高本蒼岑

  • 水揚げし牡蠣や斃死となりにけり

    白山一花

  • 浜小屋で老女黙って牡蠣を剥く

    阿部 文彦

  • 無きと言う斃死の牡蠣や温暖化

    青日

  • 単線の車窓の遠く牡蠣筏

    江良 中

  • 寿いで寄せ鍋の煮え過ぎた牡蠣

    中川青嵐

  • 牡蠣一個九十円の幸福よ

  • 牡蠣がその身に閉じ込めた海を喰う

    津田燕子花

  • 牡蠣小屋は異国言葉と潮の香と

    平野のらり

  • 焼牡蠣のはぜて楽しやバーベキュー

    池田  凜

  • 牡蠣に真珠玉一粒万倍日

    呼幸

  • 牡蠣割女時の流れに身を置いて

    雅蔵

  • 牡蠣すする団塊世代の仲間達

    山口康煌

  • 静かなる入江に牡蠣の眠りけり

    竹内ユキ

  • 牡蠣食われ食われた数多殻の山

    板橋とをし

  • 生牡蠣は海を丸呑み島泊

    冬野捨離

  • 湖岸には牡蠣殻山積みいそのかほり

    かじま木犀

  • 焼けたよと焼き牡蠣の口父の口

    満面笑太郎

  • 初デート牡蠣の殻剥く間の無言

    鶴岡木の葉

  • 牡蠣の殻解けビーナス現わるる

    近藤マタネ

  • 鍋の底残りし牡蠣や宴終わる

    豆柴東風

  • 山の恩恵含んでうれし牡蠣の滋味

    古川川

  • 潮風に若さ奪われ牡蠣喰らう

    日向大海

  • 手は痛み炭火が爆ぜて牡蠣剥けた

    吉 勇之助

  • 鍋底に眠る宝や牡蠣ひとつ

    山田翔子

  • 各々の食べ方自慢牡蠣宴

    おおにしまこと

  • サクッの音隣で聞いたカキフライ

    たいら はな

  • 牡蠣を食うソテーにフライ酢漬け生

    くすみ輝く

  • 小屋ひらく牡蛎頬ばるや殻弾き

    田乃無骨池田

  • 松島の賑わい牡蠣を太らせる

    真夏の雪だるま

  • 秘め置きしワイン開けしむ生牡蠣や

    大和杜

  • 牡蠣の小屋連なり旗に風

    待ち呆け

  • 牡蠣の身の艶ふくよかに頬染める

    君塚美蕉

  • 牡蠣割れて潮の記憶の匂ひたつ

    海苔球

  • 生牡蠣食ぶ残念これは加熱用

    噂野アンドゥー

  • 牡蠣ふくみグニュとつぶすや友の愚痴

    浅紫 泉

  • 一湾を食するごとし牡蠣啜る

    谷さんさん

  • 故郷の潮の香のふと牡蠣雑炊

    卯之町空

  • 牡蠣フライ森の命の染みだして

    森 佳月

  • 牡蠣食うや父は鍋俺牡蠣フライ

    哲山(山田哲也)

  • 焼牡蠣食べてツアー集合時間かな

    君島笑夢

  • 取り分はほかほかごはんに牡蠣みっつ

    丘上 すめる

  • 手ぞ早き生牡蠣出され食ぶるまで

    佐久凡太郎

  • 蒸し牡蠣や凝縮された海の味

    雨李

  • グロテスク目をつむり食う蒸し牡蠣や

    風花

  • 牡蠣の殻脱ぎて潮の渦に失せ

    坂土海夏

  • 生牡蠣やシャブリとジャズの繁盛店

    今乃武椪

  • 父が好き牡蠣をおつまみ大ジョッキ

    木村佳詩

  • 波しづか海の揺り籠として牡蠣は

    星醒

  • 古代人かく生きにけり牡蠣の殻

    二丁目

  • やっと来た!行きつけ今年の牡蠣フェア

    だるだる

  • 広島弁姦し浜の牡蠣打ち場

    コーノ凡士

  • 殻爆ぜり番屋の牡蠣は威勢よし

    豆はな

  • 手のひらに牡蠣眠る赤子を抱くやうに

    あなうさぎ

  • ブリキバケツ鳴らし山盛り牡蠣来たる

    みつれしづく

  • ちりちりと炭火に滴る牡蠣の潮

    竜眼ジジ

  • 牡蠣小屋に炭火はじけて波の音

    中尾鎖骨

  • 牡蠣ちゅるり賑わいが染む寺泊

    犬淵貉

  • 舟を出す米寿の笑みや能登の牡蠣

    スモールちもこ

  • 生牡蠣にレモン搾って同窓会

    ニッシャン

  • 牡蠣食へば虹色模様あらわれて

    藤村 一寿

  • 突き出しに生牡蠣一つ艶かし

    朝日雫

  • 寒村に歓声響く牡蠣祭り

    有名人一字違い

  • レモンとのほどよき距離よ牡蠣啜る

    佐藤ゆま

  • 緑色(りょくしょく)の猛毒染むや岩の牡蠣

    楓摩ゆみ

  • レオナール・フジタの裸婦めく牡蠣の肌理たるや

    はなだ杢

  • 牡蠣好きか殻付き送ると一斗缶

    三つ葉躑躅

  • 美味の牡蠣鳥海山の伏流水

    早坂 一周

  • 初めての牡蠣は見る目にきみわろし

    猪飼篤彦

  • 浜を背に至福の時よ牡蠣すする

    ゆかりん

  • 牡蠣飯の湯気たつ磯香てんこもり

    濱 睦ゆ

  • 貝柱もペロリ牡蠣食べ放題

    岸壁の龍崎爺

  • 家康も食みし岩牡蠣すすりけり

    夜ノ森ムーミン

  • 牡蠣飯を食ぶや車窓に瀬戸の海

    ゆず柴

  • 手に負ひし傷も厭はじ牡蠣の殻

    篠川 翠

  • 牡蠣食えぬ我が身恨めし的矢湾

    杜野廉太郎

  • 貝塚や牡蠣を愛でたる縄文人

    黒澤墨青

  • 殻の汁こぼさぬように牡蠣ちゅるり

    キッカワテツヤ

  • なんという牡蠣が叫びし温暖化

    スタイナー紀美子

  • 厚岸と聞けばあの旅牡蠣づくし

    村上 継鳥

  • 金槌で気合集中牡蠣を割る

    木村木霊

  • あるほどの牡蠣投げつけよ闖入者

    吉野川

  • 釜石の復興証牡蠣届く

    百日紅

  • とこしえの稚魚の床へと殻の牡蠣

    山田季聴

  • 牡蠣づくし熟女が我を虎視眈々

    九宝斎ルミ夫

  • 牡蠣を割る父の軍手に殻の棘

    暁雲海

  • 牡蠣吸ふや魚を食わぬ夫とゐて

    ichihoppe

  • 牡蠣殻を十段重ね白ワイン

    小富古尾巣

  • 旅の宿夕餉は牡蠣と決めにけり

    竹春エリザベス

  • 蠣殻の内は虹色海の色

    坂本 羊雲

  • 一粒の山の雫や牡蠣旨し

    伊藤勘太郎

  • 里山に安芸の海から牡蠣届く

    季切少楽・広ブロ俳句部

  • 傷病手当支給申請書無理矢理牡蠣開く

    二重格子

  • 牡蠣求め海無き街を抜けて小屋

    古葉寅万

  • 居酒屋の牡蠣二個入のフライ熱っ

    宇於留 礼桜

  • 焼き牡蠣のパンにビクッと磯香る

    山海動静

  • 牡蠣剥くや居酒屋大将国訛り

    どくだみ茶

  • 牡蠣を焼く我が家に磯の香り立つ

    海堂一花

  • 故郷に吹かれ集いし牡蠣の暖

    風灯

  • 弾けし焼き牡蠣の破片磯の香よ

    山次

  • 牡蠣飯を愛しむ母の旅立ちや

    草間八千代

  • 牡蠣鍋や湯気にかすみし古女房

    田中一升

  • 牡蠣飲めばレモン畑の佇まい

    南波舟

  • 焼き牡蠣や五臓六腑に沁みる汁

    木下風民

  • 牡蠣食ひし初めての人勇者とふ

    わおち

  • 海女の焼く岩牡蠣を食む母在りし

    風間 燈華

  • 牡蠣を剥く真珠ないかと妻の笑む

    月見里ふく

  • 牡蠣旨し今年は三個で満腹に

    田村 宗貞

  • 瀬戸内の波の静けさ牡蠣育ち

    山崎 佳世

  • こじ開けし牡蠣より生まる真珠かな

    かんこ鳥

  • 牡蠣があるヴィーナスにはなれなくても

    Karino

  • 軒でなく筏に吊るす牡蠣は海

    久米穂風

  • 牡蠣届く仕分ける姉の手早さよ

    望月ぽん

  • 牡蠣打ちの女性にぎやか外国語

    岡田いっかん

  • 夜の街皿に寝そべる牡蠣を食う

    井口あき子

  • 焼き牡蠣の香で盃を空けており

    咲 まこ

  • 腹の中潮の香あふれ牡蠣踊る

    宮澤博

  • 広島産こだわる夫の牡蠣目利き

    太之方もり子

  • 牡蠣鍋の甘い匂いが酒そそる

    内山清白

  • くつくつと吹き出す牡蠣や夫婦箸

    秋野しら露

  • 牡蠣鍋や一時休戦痴話喧嘩

    松坂 コウ

  • ガンガンに牡蠣もわもわに湯気あげて

    ねまり ねこ

  • 潮の香の鼻孔くすぐる酢牡蠣かな

    聞岳

  • 牡蠣焼けた母とむすめの厳島

    尚茶

  • 牡蠣吸ひの薄ら白きや夫婦箸

    福間薄緑

  • 牛すじと牡蠣どっちやとアメ横暮れる

    オアズマン

  • 岩牡蠣や頑固親父の食いっぷり

    一条春枕

  • 瀬戸内の森の嘆きや牡蠣は死す

    篠雪

  • 牡蠣喰らふナポレオーネもカエサルも

    青野すみれ

  • 退院の夫と土鍋の牡蠣雑炊

    茂木りん

  • 牡蛎三つフライか鍋か悩みどこ

    だけわらび

  • 牡蠣食へば暮らし苦労忘らるる

    藤井赤童子

  • 自慢げに牡蠣ひと箱と帰宅せり

    小山まきに

  • 古希過ぎて牡蠣の苦味を愛しけり

    西町彰子

  • 夫の言ふ牡蠣食う時季のあると言ふ

    桔梗

  • あたるかな当たらぬも八卦牡蠣食す

    しいなはずき

  • 牡蠣の味子どもも美味と知り始め

    陸野 かめぽん

  • 秘密めく商談宴牡蠣船の灯

    老人日記

  • 牡蠣育つ森の恵みが満つる海

    いこん

  • 浜で食う焼きたての牡蠣安価なり

    かとしん

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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