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中級者以上結果発表

2024年9月20日週の兼題

星月夜

【曜日ごとに結果を公開中】

秀作

  • クマムシの乾眠を解く星月夜

    沢拓庵◎いつき組カーリング部

    選者コメント

    夏井いつき

     「乾眠」とは、生命活動を停止する無代謝状態なのだそうです。「クマムシ」のその眠りを解くのが「星月夜」であるよ、という発想そのものが詩。効果的な位置に置かれた「解く」の一語が、季語「星月夜」を更に神秘的にします。
  • 神話とは星のさへづり星月夜

    古賀

    選者コメント

    夏井いつき

     そもそも「さへづり」とは鳥たちの求愛の歌。「神話」とは星たちの囀りであるよという比喩が、様々な星座の物語になっていくかのような味わいです。季語「星月夜」の持つ悠かな時間と空間が交錯していく作品です。
  • ライダー四人花は忘れた星月夜

    花屋英利

    選者コメント

    夏井いつき

     「ライダー四人」という人物、「花は忘れた」という呟き。これらの言葉を詩として昇華したのが、季語「星月夜」との取り合わせです。月命日か、一周忌か。ここで亡くなった仲間を偲ぶ、痛いほど美しい満天の星空です。
  • またたきはひかりの虚数ほしづくよ

    坪田恭壱

    選者コメント

    夏井いつき

     私たちの目が、眩しさによって「またたき」を重ねるのだとしたら、「またたき」そのものは「ひかりの虚数」といえるのではないかという発想そのものが詩です。「ほしづくよ」の平仮名表記もまた、「またたき」と呼応して。
  • 天を衝く防潮堤や星月夜

    小林土璃

    選者コメント

    夏井いつき

     「防潮堤」=「天を衝く」という措辞はあるかと思いますが、これがありがちな比喩ではなく、映像の言葉となり得たのが、下五「星月夜」という季語の力。防潮堤の根元で見上げる、半球の星月夜が見えてきた瞬間、胸を衝かれました。
  • 鳥海の正しき昏さ星月夜

    稲畑とりこ

    選者コメント

    夏井いつき

     「鳥海」は、鳥海山と読みました。どっしりと暗い山麓は、闇の塊としてそこにあり、「正しき昏さ」という把握は、映像にもなり詩語ともなっています。下五「星月夜」が圧倒的な美しさをもって広がってくる秋の夜の賛歌です。
  • あなたの愛に応ふと訳す星月夜

    はぐれ杤餅

    選者コメント

    夏井いつき

     夏目漱石が「アイラブユー」を「月が綺麗ですね」と訳したといわれる逸話を下敷きにした句が沢山届いた今回。「星月夜=月のない星の美しい夜」を、私ならば「あなたの愛に応ふ」と訳すよという機知によってオリジナリティを確保した一句です。
  • 電柱はヤコブの杖や星月夜

    一斤染乃

    選者コメント

    夏井いつき

     「ヤコブの杖」とは、天体の高度角を測るための簡便な道具。その形を知ってみると、電柱が奥へ奥へと並び立っている様子に似ていると合点しました。季語「星月夜」との取り合わせが、付かず離れずの妙です。
  • 動かざる気根百本星月夜

    音羽凜

    選者コメント

    夏井いつき

     「気根」とは、空気中に現れている根。上五中七の措辞から巨木の類いの「気根」を想像しました。「百本」という美称が、悠久の美しさを持つ「星月夜」という季語と呼応。一句の世界に満ちる静けさもまた隠し味となって。

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