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初級者結果発表

2025年2月20日週の兼題

啓蟄

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。

  • 啓蟄や淡色のシャツ掘り起こし

    飯田橋あめこ

  • すすけたるカーテンの陽啓蟄よ

    越中 万葉

  • 啓蟄や母趾ぬきんでる破れ靴

    猫辻みいにゃん

  • 啓蟄や糠床に塩ひとつまみ

    山月

  • 啓蟄やアマゾンは地球の肺よ

    四葉の苦労婆

  • 啓蟄の鍬凶器なる重さかな

    渋井素不意

  • 啓蟄や手を太陽にかざしみる

    松原なぎさ

  • 啓蟄のエア縄跳び歩数伸ぶる

    谷口 黎音

  • 啓蟄の遠望の山雲隠れ

    かめ

  • 啓蟄や縄跳び一層速くなり

    安池のんの

  • 啓蟄や風の音色はまだ固い

    ガーネット靖子

  • 啓蟄の水たまりあくびはゲコリ

    宿空閑エル

  • 酒饅頭の餡の如く啓蟄

    ルピナス

  • 啓蟄の破る今こそ夜更けの灯

    好木田檸檬

  • 啓蟄や鉢替えで仰天吾も虫も

    小箱 守

  • 啓蟄や鳥の鳴く声太くなり

    玉治美

  • 啓蟄や穴深くまで糸垂らし

    大薮薫子

  • 啓蟄や一歩おおきく赤デニム

    ほうじ茶子

  • 啓蟄や蠢く様な目の痒み

    青井彗星

  • 啓蟄や双児を乗せてチャリ通勤

    藤瑪瑙

  • 啓蟄や資格証書を掘り当てる

    横道其子

  • 啓蟄や回り道する水もあり

    上野 鈴女

  • 啓蟄やさぁガンバレとひとりごち

    春野ふう

  • 啓蟄や長靴下を脱皮せる

    横井あらか

  • 啓蟄の養生シート外し終え

    藍時 湘

  • 啓蟄やセルフレジにもやつと馴れ

    保田佳子

  • 薬局の開店待つ啓蟄の朝

    尾曲古鳥

  • 啓蟄や虫の蠢く気配なく

    野の菫

  • 啓蟄や腐葉土の山揺籃期

    おぐらゆうた

  • 啓蟄やシーツに包まるテディベア

    苔山うやうよ

  • 啓蟄や車内化粧の女高生

    柏葉柏葉

  • 啓蟄や三点杖がまだ重い

    欣喜雀躍

  • 啓蟄や鎮守の森の子らの声

    京都さくら

  • 啓蟄や四脚門鎖す竿の青

    神戸の老寺士

  • 啓蟄や風のにおいの白衣着て

    咲葉

  • 啓蟄や女の髪の黒々と

    田近詩泉

  • 啓蟄や花びら食むは何者ぞ

    八ちゃん

  • 別れの時啓蟄の空に帽を振る

    珈琲俳人

  • 啓蟄や身を奮い立て役受ける

    茶葉 紅子

  • 啓蟄や幸せそうな母の愚痴

    千寿 ココ

  • 啓蟄や溜まった紙を切って捨て

    だだちゃ豆

  • 啓蟄やギフトブックに杖ありぬ

    葱ポーポー

  • 啓蟄にゆるみイヤフォンを新しく

    吉華ふるべ

  • 啓蟄や子供部屋は二部屋に

    外町よしのり

  • 女子アナや啓蟄を機に肌露出

    ささちさち

  • 啓蟄やわれ今病室難病なり

    金子ゆび

  • 啓蟄や蠢きたるものどもと

    猫雪すあま

  • 啓蟄や焼夷爆弾処理を待つ

    田中ピロミン

  • 啓蟄や輪島の朝市跡の空

    南回帰線

  • 啓蟄やミシリ踏む陽につい呼ぶ名

    恕寂寥

  • 啓蟄の訪れ祝う二羽の鳥

    矢羽二度駆

  • 啓蟄や待ちかね渡る交差点

    吉岡ポチ

  • 啓蟄やシェードを下ろす喫茶店

    前乃 桜

  • 啓蟄や素朴を齧るカンパーニュ

    朱那

  • 啓蟄やポッケふくらむ薄荷飴

    いまいやすのり

  • 啓蟄や更に想ふはウクライナ

    佐藤夏みかんの亭主

  • 疳高き船頭の声啓蟄に

    山薔薇

  • 啓蟄や目途不明のどろだんご

    群青江戸きりこ

  • 啓蟄やエプロン新た書店員

    磯峰百十三

  • 啓蟄や隣りの猫も忙しそう

    蓮見玲

  • 啓蟄や良い人だけが蔓延らず

    霧潤(むじゅん)

  • 証書手に啓蟄の校庭柔し

    大盛茄子紺

  • 啓蟄や隣家の犬が目覚ましに

    定二次郎

  • 啓蟄や背伸び天衝く我定年

    しゃりしゃり

  • 啓蟄や乳歯転げる草の屋根

    藤原米酢

  • 啓蟄やつなぐ襷に喘ぐ肺

    禅心大河

  • 啓蟄のヒートテックの尻の穴

    杉崎拙訓

  • 啓蟄や答辞の舞台まごの声

    星海

  • すすぐ水歯に染まぬ朝や啓蟄

    照輝坊主

  • 啓蟄の解ける花に酔うは誰ぞ

    茅野呑猫夢

  • 啓蟄に我もと想う母の声

    内堀 みち

  • 我はまだ殻を破れず啓蟄よ

    風の母

  • 啓蟄や慈雨野に山にかさぶたに

    林うんべらーた

  • 啓蟄や渡り廊下を虫博士

    走海たのし

  • 啓蟄や百葉箱の中しじま

    小鳥穂夏

  • 啓蟄やカップを避けてゆくボール

    田宮一呆堂

  • インバウンドの波銀座の啓蟄

    寸草

  • 啓蟄や古墳四、五ミリ膨らめり

    佐々木さわら

  • 啓蟄の日差しキャンバス黄色映え

    佐宮静

  • 引き出した鎌に錆啓蟄や

    三家端

  • 啓蟄やしあわせ薫る団子蒸し

    藤山応援歌

  • 啓蟄を出でて仲間と風にのる

    清正

  • 啓蟄や電池替えたる時計鳴る

    清水里羊

  • 啓蟄に指さしたる三つ子かな

    てふてふ

  • 啓蟄もインコ抱けぬ哀しさよ

    あさみ あさり

  • 啓蟄や盛りだくさんの旅行プラン

    永山シャンシャン

  • 啓蟄や狭き畑は無農薬

    Mr.Popo

  • 啓蟄のペトリコールや百舌鳥古墳

    月下檸檬

  • 啓蟄や引越しの荷の子の背広

    紫の里

  • 啓蟄の革靴の音の変わりけり

    想楽 前走

  • 立ち話長し啓蟄は今日

    長良川藤美

  • 啓蟄やゲジゲジ眉も痒くなり

    中山十七庵

  • 驚蟄や嬉々と鼠の大回転

    花弘

  • 啓蟄やひ孫寝返り始めたり

    さふじわよ

  • 啓蟄や犬の鼻先泥だらけ

    与野小町

  • 啓蟄のセリアビーズの乱反射

    いたっくうらら

  • 啓蟄や車窓の朝日うとうとと

    高ノ橋裕盆

  • 啓蟄や草木にボレロ聴かせおり

    吉成小骨

  • 啓蟄待つや公費解体の更地

    はまゆう紬

  • 啓蟄は準備献花とパイプ椅子

    珊瑚霧

  • 那須の宿静寂の朝啓蟄か

    百目鬼くるり

  • 啓蟄や会いたい友と嫌な奴

    矢澤 かなえ

  • 啓蟄や一雨ごとの竹林

    吉田白山

  • 啓蟄やまぶたにたまる日のひかり

    三谷菫子

  • すれ違う啓蟄の猿里の径

    秤防人

  • 啓蟄や温泉饅頭湯の煙

    片岡三洋

  • 啓蟄やテレビ画面はデモの人

    大田白梅

  • 啓蟄や鼻歌昭和の歌謡曲

    小野寺 余伴

  • 啓蟄や蓑亀ごとり餌三粒

    太田一駄歩

  • 啓蟄や夢から覚めて空仰ぐ

    神 和幸

  • 啓蟄や納骨の列ゆっくりと

    朝乃珈琲

  • 啓蟄や道の駅沸く品ぞろえ

    ふみの燕

  • 啓蟄や石持ち上げて新世界

    上中未明

  • ニュータウン辺り団塊の啓蟄

    奥野恕宣

  • 啓蟄や若草色のチケットで

    寺岡はる

  • 啓蟄や虹色帽の落とし物

    入江理火

  • 啓蟄や焼印香る木札守

    つくばよはく

  • 啓蟄の地下塹壕父思う

    崇拝

  • 吾子送る啓蟄の夕反射灯

    窓ひかる

  • 啓蟄やあなめでたしと葉をゆらす

    梅街 はるき

  • 啓蟄に生まれし息子いつ翔ぶや

    坊賢富吉

  • 不審者の情報スマホに啓蟄

    鶴梨淵玄

  • 啓蟄や半音高くナビの声

    まごはる

  • 啓蟄を契機に投句試みる

    小巻小梅

  • 啓蟄の一塊の山緩みけり

    佐々木棗

  • 啓蟄や小さき稲荷の屋根に猫

    海野老海鼠

  • 啓蟄やCT撮影の仰臥

    紅い靴

  • 啓蟄に自転車に乗った宇宙人

    ギザギザ仮面

  • 啓蟄や引越し荷物作らぬ子

    くらきまあこ

  • 啓蟄やぼんやり響く時の鐘

    花蜜柑薫

  • 啓蟄や今日は補助輪とると吾子

    大月銀

  • 啓蟄の風に広がる犬の耳

    森河夕

  • 啓蟄や初めて買うロンパース5着

    矢堀サトシ

  • 啓蟄の微かな音にそよぐ風

    乃邑 歳幸

  • 啓蟄や虫も私も皆えがお

    濱田てるてる

  • 啓蟄にテレビはただの箱になり

    白湯凛

  • 啓蟄や役目終えたる子ども部屋

    もちのくも

  • 君愛す海の魚も起きだすか啓蟄

    岩木蜜柑

  • 啓蟄や見送りの母遠ざかる

    梅が枝餅

  • 吹風も啓蟄迎え柔らかく

    輝雲彩

  • 紫外線気になり出して啓蟄

    桜木レイ

  • 啓蟄や服があっても服が無い

    山川十日

  • 啓蟄やしこりも解けて雨後の朝

    裕季

  • 啓蟄や合わせ鏡で見る白髪

    沖優

  • 公転の大地の微温啓蟄よ

    堀池誠海

  • 啓蟄やボート漕ぎだす湖の黙

    杉森大介

  • 啓蟄や去る背ばかりが大きくて

    池ほろり

  • 啓蟄や水平線の大レンズ

    モンガラハギ

  • 啓蟄やふとんの如き土作り

    下田せつちゃん

  • 啓蟄や村の床屋は三時まで

    一徳斉

  • 啓蟄にばあば三人大笑い

    狭山茶娘

  • 啓蟄の朝食はパンとコーヒー

    tokisan

  • 写真立てなぞる啓蟄のかはたれ

    秋葉かなし

  • 啓蟄や黒く濡れたる犬の鼻

    朱胡江

  • 啓蟄の成層圏はうるさそう

    干天の慈雨

  • ダンベル二十回へ今日は啓蟄

    安曇野くーみん

  • 啓蟄の薄き靴下見栄を張る

    泉北の石ヤン

  • 啓蟄を知らぬままなる虫ひとつ

    加藤直瑶

  • 啓蟄のざわめき産声に似たり

    日高 蚕月

  • 啓蟄や黒鱒跳ぬる入間川

    前勝股年男

  • 啓蟄やほんのり苦味山の幸

    鈴鹿鈴鈴

  • 啓蟄の豆くつくつと醤油の香

    加田紗智

  • 啓蟄や犬かぐ穴に何がおる

    フアストペンギン丈達末子

  • 啓蟄や老婆一人の草むしり

    森脇レイ

  • 啓蟄や会話欲しさにロボット買う

    朱久瑠

  • 啓蟄や金曜午後の小学生

    十四志

  • 啓蟄や深鍋の炊くトムヤムクン

    青野すみれ

  • 啓蟄の塩乾きたる遍路墓

    近江菫花

  • 啓蟄や極彩色の水流れ

    神ヤ飛ビ魚

  • 啓蟄や海はのったりキラキラと

    高山 碧翠

  • 啓蟄や棘怯ませるほどの雨

    神宮寺るい

  • 啓蟄にやはり列車と独りごち

    矢野游呆

  • 啓蟄や一声かけて鍬入れす

    にいやまゆみちやん

  • 啓蟄や犬嗅ぎまわる今朝の土手

    大西泉花

  • 啓蟄や最高気温は20度に

    立花かおる

  • 啓蟄や土の匂いに息をはむ

    山乃酒海

  • 帰り道目が合った友よ啓蟄よ

    ガンガゼ松山

  • 啓蟄の日暮れに出で来子等の声

    長井 フサコ

  • 啓蟄や黒パンプスのぎこちなく

    青井游

  • 啓蟄や地雷の原に今生きる

    由凛

  • 啓蟄やパステルカラーの街ぶらり

    アボカドブロッコリー

  • 啓蟄や雌蕊の先の湿り哉

    アズとモノ

  • 啓蟄や子供の足の傷の跡

    横堀 鯉桜

  • 啓蟄や改装終はる美術館

    梵 天發

  • 啓蟄やスマホ求むる親子らは

    夢佐礼亭 甘蕉

  • 啓蟄や九年の先に未来見る

    中藤古希

  • 啓蟄や土手の草葉は踏み敷かれ

    多摩川風子

  • 啓蟄や「気をつけろよ」と亡父の声

    中島タカシ

  • 啓蟄やチェンバロの風響ききて

    都忘れ  大富孝子

  • 啓蟄や舗装したての道静か

    平田球坊

  • 志願のブルペン啓蟄の沖縄キャンプ

    小暮修

  • 啓蟄や起きる時間は常なれど

    上野仙人

  • 啓蟄や布団カバーを掛替える

    はづき昼花火

  • 啓蟄や断捨離まずは四畳半

    松尾一司

  • 啓蟄や朝のグラスの水浄し

    桂子涼子

  • 啓蟄や日温まりて肩の凝り

    大和キートン

  • 啓蟄や文箱の筆を取り出して

    月奈利

  • 庭に穴次はトンネル啓蟄よ

    星野夜風

  • 啓蟄や離婚届と料理本

    近藤ペロ

  • 啓蟄の日あたる当たり馬券かな

    三橋子石

  • 啓蟄や土盛り上がる音を聞く

    宇都宮千瑞子

  • 啓蟄やテニスコートのイレギュラー

    かたじん

  • 啓蟄や山を擽る震度0

    上野蕗人

  • 啓蟄や手拍子はづむ駅ピアノ

    清見敏水子

  • 啓蟄やバウムクーヘンの焦げ目

    稲見里香

  • 啓蟄や古希で始める習い事

    あいまい もこ

  • 鬱を病み啓蟄を待ち地を見つめ

    吉岡幸一

  • 啓蟄や恋した人は今どこに

    遠藤倫

  • 啓蟄や梯子に足をかける勇気

    ノリウェイ

  • 啓蟄や蛇口の曇り柔らかに

    風由花

  • 啓蟄や天の岩戸へ木々の舞

    佐藤夏みかん

  • 啓蟄やつかまり上がる墓参道

    浅井雑草おばさん

  • 啓蟄や鬱を抜け出す日はあるか

    前川葉月

  • 啓蟄や遺言状の蚯蚓文字

    初野一歩

  • 啓蟄や土のにおいに我目覚め

    茶子父

  • 啓蟄の大地よろしく松葉杖

    矢野葉月

  • 啓蟄や厄災伝ふ大時計

    しなもりいふ

  • 啓蟄の亀は黙して去りにけり

    予束 友鹿

  • 啓蟄やヘアピンゴムの通しをり

    呂キを

  • 啓蟄や白線渡る一年生

    山広裕果

  • 啓蟄や空の花壇を指して児は

    糸川綾

  • 美術館出て啓蟄の上野かな

    糸川綾

  • 啓蟄や工事現場は昼休憩

    マーゴとレニー

  • 啓蟄や猫の墓よりちさき骨

    藤原涼

  • 啓蟄の土ぬくぬく浴びて極楽

    在仏変人

  • 啓蟄や音無く咲きて軒下に

    緋屋新子

  • 襟元はピンクスカーフ啓蟄や

    糺 森子

  • 啓蟄やひさびさの屋台ラーメン

    山桜昌子

  • 啓蟄やスキップ姿見送りぬ

    未生 蓮

  • 啓蟄や厨の隅の野菜屑

    たかはしゆう

  • 啓蟄や図鑑の爆ぜて横たはる

    吉田 ルイ

  • 啓蟄や目覚まし二つ五分おき

    ぶいこ

  • 啓蟄やリハビリの空はご褒美

    早霧ふう

  • 啓蟄や思いのままに吾子あゆむ

    漆崎 明

  • 湿り帯び啓蟄の畑ふっくらと

    いちの

  • 啓蟄や窓辺に寄せる車椅子

    山岸かっち

  • 啓蟄や今年の運を鑑みる

    陶豪

  • 啓蟄やガーデンブーツの履き心地

    木地しろ

  • 啓蟄や土管のすき間陽に晒す

    浅羽ただし

  • ただならぬくしゃみに啓蟄なお騒ぐ

    閉所空木

  • 啓蟄の朝飛び入るはドローンかな

    日野照石

  • 啓蟄や豆腐屋のラッパ近づき来

    井上ひなた

  • フライングするや啓蟄の影法師

    井川弥安子

  • 啓蟄や切手の絵柄吟味する

    佐藤史緒

  • 啓蟄や井戸の底にも龍は棲む

    野村酔狐

  • 啓蟄や7年ぶりの故郷へ

    西原 煌舟

  • 啓蟄や草の匂いの肉球

    河豚蛇燕 花子

  • 啓蟄や動物園に足の向く

    伊藤 ゆめ安

  • 啓蟄や通勤快速八一九発

    薬研音亜

  • 啓蟄の名ばかりならむ向かひ風

    鄙び梅乃香

  • 啓蟄やまだ時刻む古時計

    竹東子

  • 啓蟄や咲うごとくに石揺らぐ

    花野海

  • 啓蟄や採用知らす茶封筒

    馬越あずき

  • 啓蟄の雨に高畝匂い立つ

    れい

  • 啓蟄や多肉植物土に挿し

    綾瀬 康子

  • 啓蟄や減便ダイヤ頭打つ

    あさぼらけ

  • 靴擦れし絆創膏貼る啓蟄や

    御簾紫音

  • 結石の現れ日待つ啓蟄かな

    とくねん

  • 啓蟄や木々が岩から生える島

    葉詩美露子

  • 啓蟄の畝に足跡糞までも

    尾藤ことさん

  • 啓蟄やヴィランのような色の鯉

    音葉りんきょう

  • 啓蟄やNISA初回の引き落とし

    にいやのる

  • 啓蟄や尾骨は鰭の名残らし

    タツキ ヨシコ

  • 啓蟄や庭の穴々吾数え

    山本修

  • 会いに来よ啓蟄の日に逝きし人

    ふみちゃん

  • 鉄ミシン啓蟄待ちつ油差す

    吉田深夜

  • 啓蟄やおはようだけの元議員

    円錐角膜

  • 啓蟄や四十億年の星の殻

    どせい舎

  • 啓蟄やチンダル追うて森深し

    三日余子・いつき組広ブロ俳句部

  • 啓蟄や恋の広場はまだ先ぞ

    鴨川 ふかこ

  • 啓蟄や縄を巡らす地鎮祭

    高瀬忠子

  • 手作りのピエロも踊る啓蟄の夜

    白鷺里山

  • 啓蟄や使えぬミシン捨てられず

    河島はるちゃん

  • 啓蟄や荷物纏める吾が娘

    佐藤三八三

  • 四針縫う啓蟄の日の血滴る

    雪乃冬

  • 啓蟄や地下鉄を出るハイヒール

    藤かおる

  • 啓蟄や般若心経なぞり書き

    小野一箭

  • 啓蟄や蜂蜜入りの午後のお茶

    三宅 由華

  • 啓蟄やどこに作ろか鳥の墓

    柚子こしょう

  • 啓蟄や結婚準備で写真選る

    薔薇紫

  • 啓蟄や軒端光る鍬のあり

    池田midori

  • 啓蟄や郷に戻るとペン便り

    松和幸太郎

  • 啓蟄や小雨の庭はむずむずと

    黄色てつを

  • 啓蟄の夜の暗さに夜の歌

    鷺沼くぬぎ

  • 啓蟄を待てずに顔出す筆頭

    桧口裕介

  • 啓蟄に背丈近づく柱傷

    杉田夕凪

  • 啓蟄や川の浚渫雨上がり

    藤岡伊集

  • 啓蟄や電車で寝起き日差し入る

    廻月

  • 啓蟄やあいみよんの歌聴きたかろ

    酒井春棋

  • 啓蟄や知れば温く感じる風

    嗣子孫々

  • 啓蟄やカラフルな朝出口1

    ねまり ねこ

  • 啓蟄や猫の髭さえふわふわと

    柑たちばな

  • 啓蟄に初めて言えた「おかわり」よ

    勝亦朝

  • 啓蟄やオレオレ詐欺も威勢よく

    イワンモ

  • 啓蟄やタコ焼き屋の最後尾ヘ

    十七歳の乙女

  • 啓蟄や友の手術を祈る午後

    二見歌蓮

  • 啓蟄や空家の庭の華やかさ

    ただのごろちゃん

  • 啓蟄や新装のビル林立す

    住田 赤鈴

  • 啓蟄や野良猫人を見て逃げる

    夏川ゆう

  • 啓蟄や鳴きつ旋回するトンビ

    伊能 幸穂

  • 野良猫や啓蟄未だ陽だまりへ

    コリン

  • 啓蟄や一人で復習ふ能舞台

    故里恋心

  • 啓蟄の白は残れど花は散り

    片岡一貫間

  • 啓蟄やトンビの眼差し虫を狙う

    トビ介

  • 啓蟄や絶滅危惧種まだ死ねん

    夕暮派れもんさわー

  • 啓蟄や風速ゼロの夜明け前

    阿部しんご

  • 啓蟄の校歌斉唱背が痒い

    釣佑允

  • 啓蟄や富士山婚になるらしい

    佐柳 里咲

  • 啓蟄や宮の小松は緑濃し

    飯島寛堂

  • 啓蟄や旅の支度に日は暮るる

    千華

  • 啓蟄のキッチンカーを巡る君

    山田はち

  • 啓蟄ポコポコ新旧の扉

    伊代ちゃんの娘2

  • 啓蟄や地図を広げてうたた寝す

    k陽一郎

  • 啓蟄や米寿の杖に鈴と護符

    世界時計

  • 啓蟄の木々日の中へ伸びてゆく

    青縞馬

  • 啓蟄や神馬を眺む辻の児等

    ルック鷹丘

  • サザンの新曲や啓蟄のダンス

    穂緒せんか

  • 啓蟄の空は青いか風吹くか

    鈴木ふよう

  • 啓蟄や食洗機をも泡沫す

    大康

  • 啓蟄やおさなご土をあぢはひぬ

    料 善

  • 啓蟄やそぞろ歩きて一万歩

    平谷河女

  • 啓蟄の風が拾うや土便り

    小 日音

  • 啓蟄や啐啄同時蟲と吾子

    野平無凸

  • 啓蟄や額に朝日布団跳ね

    木基 淳馬

  • 啓蟄の濃色の悪露ぬかるみて

    井 若宙

  • 啓蟄で蠢くものを未だ見ず

    横辺理

  • 注文したサラダ弁当明日啓蟄

    伊澤 ゆきしょう

  • ぴょっこりと顔が出てきた啓蟄かな

    濵乃すな

  • 啓蟄やうさぎとかめを読み聞かす

    世良智

  • 啓蟄やページ捲れば古書の香来

    温州みかん

  • 啓蟄や終活ノートを買ってみる

    おじいちゃん1号

  • DO!啓蟄一歩1ミリ二歩2ミリ

    徒然躬行

  • 啓蟄や地の声聴き土磨く

    なかの巡界

  • 啓蟄や再就職の話あり

    廣田惣太郎

  • 啓蟄に核の目覚めか情けなし

    柿ノ木繁

  • 啓蟄のタッチ賽銭深き礼

    日の峰祥雲

  • 啓蟄や対策其ノ一脱おやつ

    羽加羽生

  • 啓蟄や定年退職釣り堀へ

    西山平次の保護者

  • 啓蟄に空き地にポツン掘削機

    夢 一成

  • 啓蟄に外に出たがる山羊の声

    杜の声

  • 啓蟄や誕生日まであと二日

    マダム愛和

  • 啓蟄や弥生住居の煙蒸し

    西山哲彦

  • 啓蟄の悪戯や明日香に袖着降る

    城山 鷺

  • 啓蟄の人肌恋うる通り雨

    城山 鷺

  • 啓蟄やドラッカー本買求む

    ポッケ

  • 啓蟄や色鉛筆はおろしたて

    豆祭 くぐい

  • 啓蟄や覚めて伸びして恋をして

    木々梶取

  • 啓蟄や電鋸描きゆくカーブ

    紫月歪丸

  • 啓蟄のコンクリートの借りの宿

    小田芙蓉子

  • 啓蟄やこむら返りに起こされて

    長田秋華

  • 啓蟄や明るく声をかけてやる

    吉田かのこ

  • 啓蟄やカーテン隔つ中と外

    高野妙介

  • 試験受け下向く先の啓蟄や

    中村止一

  • 啓蟄や見知らぬ人に笑みかへす

    井上たとぅや

  • 啓蟄や倉庫の子らの一輪車

    茶葉

  • 啓蟄や涙はいつも新しく

    松の本の芭蕉

  • 啓蟄や貸農園を更新す

    早坂喜熊

  • 啓蟄や虎視眈々と河童の目

    印南天藍

  • 啓蟄や喜寿に絵筆を執り初めて

    弥栄弐庫

  • 啓蟄に郵便屋さんのバイク音

    大塚鴨鷺

  • 啓蟄や視線の端に君の顔

    桂 歩

  • 啓蟄に世の不安消しコップ酒

    高崎孝雄

  • 啓蟄や鍬の楔を打ち直す

    阿蘇の乙女

  • 啓蟄や目当てのパン屋列長し

    玉川ひよこ

  • 携帯でいつでも仕事啓蟄や

    藤すみ

  • 啓蟄や幼な子ひがな穴見つむ

    坂田雪華

  • ゆりかごを揺らす啓蟄の光かな

    水上ルイボス茶

  • 啓蟄や予備校までの日向道

    猫塚れおん

  • 啓蟄や池の真ん中鳥潜る

    菜園ベジタベル

  • 靴沈む啓蟄の道染みひとつ

    小田拓

  • 啓蟄や単身赴任の背中押し

     ハンダノブユキ

  • 啓蟄や地球に小さき耳をあて

    近藤和草

  • 啓蟄や内野手みな右往左往

    ドナウ絵蓮

  • 啓蟄にカーテン洗ふ青い空

    藤川テツオ

  • 啓蟄のキャンパス老いた友とゆく

    玉 ゆこげん

  • 啓蟄や手裏剣を折る孫と吾と

    津嶋有明 

  • 啓蟄や素食が術と気づきし日

    静 うらら

  • 奥庭の啓蟄の穴埋めといた

    鈴野冬遊

  • 啓蟄やペットボトルぽこりと鳴る

    番音フウスケ

  • 啓蟄や豪州からの孫かへる

    うちだ

  • 啓蟄やピアニカ鳴らす子どもたち

    かく たまき

  • 啓蟄のムズムズ痒し我が背中

    江宮神

  • 啓蟄や黄身が二つの目玉焼き

    裕安

  • 啓蟄や耳そばだてて嗅ぐ子犬

    中川 鉄庵

  • 啓蟄やボレロは絶対銅鑼を待つ

    堀アンナ

  • 啓蟄や街は異国の香りして

    りゅうてん和尚

  • 啓蟄や美男店主の無精ひげ

    安田 風花

  • 啓蟄の雰囲気拾ふけもの道

    馬風木瓜子

  • 啓蟄や面接の子の背中押し

    Mat ひめりんご

  • 笑われし啓蟄の日に朝寝坊

    鈴木健次

  • 啓蟄や鳴かねど楽し鳴けばなほ

    いもがらぼくと

  • 啓蟄や光のすぢを降らす雲

    二城ひかる

  • 啓蟄や答案用紙白いまま

    おつき澳吉

  • 山道の更に延々として啓蟄

    麦吉

  • 啓蟄や戦争知りたる子どもたち

    小林浦波

  • 啓蟄や職場体験来る児童

    森上はな

  • 啓蟄や路線図調べ三番へ

    米山カローリング

  • 啓蟄やチラシで知ったパン屋さん

    斎藤喜代子

  • 啓蟄やランナー増える交差点

    泉世生

  • 啓蟄や猫背も少し上を向き

    佐藤根 雪華

  • 病床の母に呼吸合わせる啓蟄の朝

    青日

  • 啓蟄や不安七割の幸運

    華風ルナ

  • 啓蟄に世の色消えし友の訃報

    晴山喜作

  • 啓蟄や愛犬葬る穴を掘る

    多田ひとり

  • 啓蟄や高所作業の上と下

    岡 里詩

  • 啓蟄や建設現場土高し

    浅田三時花

  • 啓蟄や法螺の音響く色ある世

    稲荷森輝麗

  • 啓蟄やアパートの前の粗大ごみ

    やまもとB治

  • 啓蟄や五匹五色の家の猫

    S子さこ

  • 啓蟄や火曜にシール古希謳歌

    虎覆面瓜

  • 窪みたる俎板洗う啓蟄に

    月最中 松本

  • 啓蟄や雨つちの香の風に乗り

    髙橋雀

  • 啓蟄や前に大仏おわします

    南ハーブ

  • 啓蟄や引きこもる姉外見てた

    シン鰯強

  • 土手の穴啓蟄待たず空き家かな

    晴矢

  • 啓蟄のラジオや松たか子聞こゆ

    星乃瞳

  • 啓蟄やUNIQLOじゃない服買おう

    大越マーガレット

  • 啓蟄に散ると知っても湧く恋慕

    月野詩穂

  • おい起きろ啓蟄の朝夢の中

    未知女

  • 啓蟄や竿を持ち出す釣り仲間

    小沼天道

  • 啓蟄のペンがつぎつぎ丸き文字

    いるの橙

  • 啓蟄や鳩群れ遊ぶ大須街

     ヨシキ浜

  • 啓蟄やコンフィチュールにハーブ足す

    瀬文

  • 啓蟄や行きつ戻りつ息長し

    服部比呂

  • 啓蟄や球根揺れる土の中

    里馬咲幸

  • 啓蟄や今年も菓子は縮んでる

    柳川迷蟻

  • 啓蟄や五時のチャイムの口惜しき

    仲村江子

  • 啓蟄に大地一斉ファンファーレ

    阿部栄壱

  • 啓蟄やショパン流るる音楽堂

    渡邉志づ

  • 清廉のフルート啓蟄の窓に

    水尾曼珠

  • 啓蟄やランナー集ふお堀前

    一石 劣

  • 啓蟄やカットグラスへ光射る

    大矢香津

  • 啓蟄やようやく青き出羽の空

    宮原渓秀

  • 啓蟄や日常化する介護帰省

    梅津桜子

  • 啓蟄や指の痛みがかゆみへと

    藤沢・マグネット

  • シェフレラの葉に啓蟄の甘き陽を

    斎藤九朗

  • 筋腫見つかった啓蟄の青空

    神田ずん子

  • 針抜いてネーム外して啓蟄や

    竹内 喜和

  • 啓蟄や連休の予定はまだ無い

    松風女

  • 啓蟄や鉛筆立ての虫眼鏡

    ケセラセラめだか

  • 啓蟄のスキップ足裏こそばゆし

    勝本熊童子

  • 啓蟄や新星着きし移住船

    佐藤マンジャロ

  • 啓蟄や金さん銀さん縁側に

    ジェニファー樂龍

  • 啓蟄や老母の記憶紡ぐ床

    中山黒美

  • 啓蟄やごめんなさいを言う僕と

    田辺ささのは

  • 啓蟄や泣き顔拭かず算盤へ

    渡部じんさん

  • なんだかな眠い眠いと啓蟄や

    佐藤友喜

  • 啓蟄やうつ期をやっと抜けて今

    浦文乃

  • 啓蟄や肉球の跡崩れおり

    香山リカ

  • 啓蟄や都会に昭和見つけたる

    高比良星嶺

  • 啓蟄のつち踏ん張って少年相撲

    河孝

  • 啓蟄や渦に逆らふ渡海船

    三毛山タマ子

  • 啓蟄や火星に青空つちけむり

    茶柱 杏

  • 啓蟄や無事に終えたり眼の手術

    森の水車

  • 啓蟄や抜け毛がいっぽんまたいっぽん

    武智浩

  • 啓蟄やようこそここへ青い空

    三宅翔丞

  • 啓蟄や妻と食事と観劇と

    文知摺 信夫

  • 啓蟄を迎えて明日は去る会社

    雲井草舟

  • 啓蟄や断捨離中の手をはやめ

    藤つばき

  • 啓蟄やマーライオンの放物線

    季川詩音

  • 啓蟄やオープンカーで走り抜け

    日向 まお

  • 啓蟄やメモに芋虫の落書き

    咲咲こるつ

  • 啓蟄に想うビバルディ愛でし父

    松尾 すみ丸

  • 啓蟄や散歩を誘う介護ロボ

    ひな子桃青

  • 啓蟄は好日祖母の葬送なり

    賀茂ももか

  • 啓蟄や三度手を出す俄趣味

    山樫梢

  • 啓蟄の土蠢いて空青し

    植木照美

  • 啓蟄や家訓遺さず叔父が逝く

    秋樹アカネ

  • 啓蟄や再入学費の納入

    帯雪

  • 啓蟄や布切鋏新調す

    慈雲奏荘

  • 啓蟄の轍筋に映ゆる水鏡

    柳狗愛

  • 啓蟄や駅前のジムに入会す

    ひとりこあら

  • 啓蟄や太極拳の友笑顔

    太田 陽翠

  • 啓蟄や皇居の苑に庭師おり

    下村ヒジリ

  • 啓蟄の試験後にUNOと唱ふ午

    鷹岡翠豚

  • 啓蟄の寺の知らせは墓のこと

    堀本チャイニーズハット

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