ほろろ。
にゃん
夏井いつき選
花屋英利
夏井いつき選
季語「暖か」は時間と空間を内包しています。ですから、その時空を抜け出すという逆の発想もあってよいのです。とはいえ、「あたたか」は時間の幅が厚いので、一句の時間が冗長になり失敗する確率のほうが高いですね。が、「エレベータ」という箱、というアイデアが生きました。
季語「あたたか」を作者は全身で受け止めつつ、散歩してきたのでしょうか。昼休みを過ごした公園から会社に戻ってきたのかもしれません。「脱け」という動詞の選択、「エレベータに真顔」という場所と表情の描写。シンプルな書き方なのに、見事に映像化されています。エレベータを降る時に必要な「真顔」なのですね、きっと。
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
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