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中級者以上結果発表

2025年9月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 柿の実の角張りきれぬ角の照る

    いかちゃん

    選者コメント

    夏井いつき

     季語「柿」を観察した一物仕立て。「柿」と書けば、実を指しますが、わざわざ「柿の実」と念を押すことで、読者は、どれどれとその実を凝視し始めます。全体は四角っぽいけれど、「角」とも言い難い感じを「角張りきれぬ」とした絶妙な表現。更に、その「角」が秋の日を弾くさまを「照る」と率直に言い切った点も佳き判断。ここまで描写に徹するさまに惚れ惚れと致します。
  • 柿熟れてハンガーにまだ母の服

    桜鯛みわ

    選者コメント

    夏井いつき

     母が丹精していた柿でしょうか、母の好物だった柿かもしれません。今年も柿が赤々と熟れる季節がやってきたのに、「母の服」は「ハンガー」に掛けられたままだ、というのです。句意がゆっくりと脳内に入ってくると、「まだ」の一語に重い意味があることに気づきます。亡くなった母の遺品を片づけるどころか、今にも母の笑い声が聞こえてきそうな実家の、切ない秋なのでしょう。
  • 婆食つた爺ゐて柿が嗚呼赫い

    RUSTY=HISOKA

    選者コメント

    夏井いつき

     「婆食つた爺」とは『かちかち山』の狸に化かされて、「たぬき汁」ならぬ「ばばあ汁」を食わされたお爺さんなのでしょう。昔話や童話には残酷なものも多いのですが、この場面などはその最たるものとも言えます。日本の原風景を象徴するような季語「柿」を見上げ、思わず「嗚呼」と漏らす嘆息。そこに熟れる柿の「赫」のなんと腥いことでしょう。

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