類想一覧(選外)
我に似た白黒写真終戦日
王朋亡
焼ける肌終戦の日ただ祈る
水野 孝
休み中(なか)教師語らぬ終戦日
甘泉
「勝男」てふ私の父終戦日
三尺玉子
軍服の父の笑みや終戦の日
柊瞳子
晴天や父無事帰る終戦日
アムゼルえりこ
何処にぞ終戦記念日なき国は
斧 的部
また映る終戦記念日知らぬ人
花咲めだ香
八十年を経りたる遺骨敗戦忌
須磨ひろみ
敗戦を終戦といふ記念日
北山 烏兔
紛争のニュース聞こえる終戦日
剛柔
終戦の日ボブ・ディランな気分の日
すかーてぃっしゅ
天皇の神から人へ敗戦忌
塚本隆二
今日は終戦記念日か
タラララム
声に出せせんそうはいや敗戦忌
ひすい風香
戦いの続く終戦記念日ぞ
紗藍 愛
元気よく「ただいま」のこゑ終戦日
土佐俳句人
オキナワの慟哭今も敗戦忌
荒木ゆうな
終戦記念日孫も白髪となりにけり
美んと
要らぬもの第二の終戦記念日
ふじかつとび
終戦日背負ひて重し空の紅
岡井風紋
ハーモニカの傷痍軍人終戦の日
もりお
未来への希望の灯る終戦日
有田みかん
終戦日「アンコたらふく」父の夢
佐藤マンジャロ
甲子園に聞く歓声や終戦日
谷さん次
終戦日きな臭い風吹いてくる
岡田いっかん
終戦日父はまだまだ四つの子
上村茶娘
まだ空は青いよ終戦記念日
しばのおはる
終戦日の玉音聴かず父は喜寿
津軽ちゃう
敗戦日なり我が国も戦争屋
松山めゐ
敗戦日黙黙黙八十年
松高法彦
終戦日いくつだったと尋ねられ
案浦笑里
終戦記念日昭和は遠き空の上
風虎
ああ今日か昭和のほうの敗戦日
野点さわ
終戦日イマジン流るカーラジオ
鱈 瑞々
大空は青一色なり終戦記念日
橋本諒駿
伝えるも忘れるもまた終戦日
西田武
終戦日そして誰かの誕生日
増山銀桜
被弾の恐怖父語る終戦日
俳邦山
めでたくねえよ終戦記念日なんて嘘
鷹星
終戦の日や隣国の恨(ハン)深し
神谷史記
前世がじんわり動く終戦日
本田 踊留
終戦記念日ライネンナイカモヨ
弘法小子
敗戦日二十七年後に生まる
睦月くらげ
遠き空へと祈る終戦記念日
増田楽子
終戦日平和であれと孫たちへ
加藤光狗
終戦日数多初七日迎えけり
かつたろー。
終戦記念日誘い断り献杯
白眼 緑照
終戦日無事の帰還を祈る母
高旗みつき
終戦記念日母の語りを娘へ孫へ
さくら悠日
トランプも大谷もいて終戦忌
鈴木古舟
終戦記念日母の絵日記色褪せり
縁穐律
瞳閉じ終戦記念日映し出す
玉川 緑風
終はつてはゐない一度も終戦日
小山まきに
不確かな民意が揺れる敗戦日
かとしん
天の聖母よ地に祈る終戦日
真咲よしの
AIに尋ねる子らよ終戦日
平岡梅
終戦忌伝えるために死んだ人
鈴木青翠
終戦日あの日を語る祖父の目は
むねあかどり
暑さよりあのひもじさよ終戦日
野々村澄夫
吾子を抱く終戦記念日の朝に
近藤和草
異国へと思いを馳せる終戦記念日
北の灯
終戦記念日老いたる語り部
酒井均
過去でなく未来に誓ふ終戦日
來花
広電やひこ孫会わす終戦日
秋谷 忍
終戦記念日「終戦」のある国の幸
水間澱凡
父復員あの日がありて終戦日
PONホンダ
足止めて祈る人あり終戦日
アントワネットdeノエル
終戦日青きながらに空見上ぐ
本気のめんそ
終戦記念日祖母は多くを語らずに
加納仁桜
敗戦日立ち読みの本つきささる
島田あんず
電車内多数のスマホ終戦の日
亀亀子
自分ごとに思ふ終戦記念日
ゆかりん
空襲を生きて禿げなり終戦日
長嶋 無有子
思惑を詰めた瓶投げ終戦記念日
あずさ ゆみ
昭和百年嗚呼終戦記念日
高岡春雪
敗戦日祖父の銃創忘れ得ぬ
ほんちゃん
海も空もしづかなる日終戦記念日
陽花天
母十五今九十五終戦日
高石蓬莱
二歳半の無垢な吾がいる終戦日
麗し
忌を重ね終戦記念日合掌す
片平仙花
誓いを嗤う終戦記念日は来
藤源卿
終戦記念日カラコロコークハイ
楊梅江風
うたたねしスマホを落とす敗戦日
月見輔
歓声の途切れてサイレン終戦忌
後藤三梅
語り部の年毎に減り終戦日
夏目たんちゃん
遠くより鐘ひびきけり終戦日
辻本 四季鳥
終戦記念日傘寿の父は芋食わぬ
雨李
終戦日が終戦記念日になるまで
田中ミノル
母子像の視線は遥か終戦日
高永 摺墨
4歳と10歳だった終戦日
花とわこ
釣鐘の無き寺に居る終戦日
松本まゆみ
縷々と伝へよ終戦の日の空を
武井かま猫
終戦日青い空へリンゴの唄
風乃絣
手を出せば水が出てくる終戦日
なか かよ
終戦日あいつの分もと言うおやじ
大和杜
目を閉じて終戦記念日背筋伸ぶ
本久優千
広島を語らぬ父や終戦日
山川凛
人といふ字に倣へ終戦忌
空心菜
敗戦日父と無言で酒を酌む
はぐれ雲
握り飯白き終戦記念日の
塩の司厨長
終戦記念日「節子」をきっと忘れない
あすかきょうか
真の敵は空腹終戦記念日
伊藤てまり
終戦の日お芋嫌いは今もなお
ナタデココ
終戦日三日後祖母は生まれけり
みゆむうしば
すいとんは母の味なり終戦日
雨霧彦(木ノ芽)
敗戦かまたは終戦記念日か
伊藤勘太郎
終戦日や慰霊の旅へ曽孫らも
服部勝枝
運否天賦の終戦記念日かな
佐藤三八三
竹槍は物干し竿に終戦日
松阪妙子
終戦記念日と聞こえてくるのは台湾有事
青日
リトルボーイ忘れし雑踏終戦忌
呆け鴉
昨日より確かな記憶終戦日
入道 まりこ
為政者の鉄仮面して終戦日
二丁目
人間って退化するよね敗戦忌
浩朗
終戦日母の無念をまたも聞く
春よ来い
語り部は絶滅危惧種終戦日
井上鈍句
終戦日セピアの遺影二十歳かな
村上秀造
永遠の問い終戦記念日イマジン
しいなはづき
自分史を語れぬ御霊終戦日
西町彰子
カラー化の映像終戦記念日
ゴーマ
昼までは皇国少女敗戦日
中村想吉
黄金の実の木ありしか終戦忌
森海まのわ
老ふたり粥に日の丸終戦忌
風間 爺句
人の生れ人の去りゆく終戦日
コダマヒデキ
戦没画家の絵葉書飾る敗戦日
杉山オリゼ
終戦記念日写真の君笑ふ
山本マユミ
これからの事を語らむ終戦日
そめやまさみ
故郷の思い出苦し終戦日
髙見艀舟
「始め!」があったから敗戦忌のあり
あらかわすすむ
亡き父の寡黙さらなり終戦日
K3
国ごとに終戦記念日人ごとに
どらまにあ
七歳の叔父の写真や終戦日
新山晶花
胎内での敗戦日生きている今
じゅんこ
終戦記念日のラジオザーーザー
彩明
敗戦忌や上を向いて歩こうよ
蔵書室主人
終戦記念日独居の誕生日
笹 靖子
粥に梅干終戦記念日の朝
嵐菜
終戦日鐘響きけり原爆野
蒼き鷹
命おもくなりて終戦記念日
山吹なお
終戦忌母から聞きし吾も古希
白上誠陽
もう逃げなくていいと言つた終戦日
あらいすみこ
敗戦日父は多感な十五才
沢 唯果
記念日と言ふな祈念の終戦日
白山おこ女
戦争が日本にあった敗戦日
於大純
記録あり記憶が消える終戦忌
玉野 素人
祖母敬礼してた終戦記念日
Karino
終戦日新聞閉じる父の黙
淡海 なおあき
白米をゆっくり噛みし終戦日
哲庵
衣食住足りてテレビに終戦日
香依蒼
黙祷を捧ぐスタンド終戦日
かこよし
シユウセンヲハイセンノヒトアラタメヨ
神島六男
終戦記念日呪いの呪縛もう解くぞ
七色しぐれ
母晴れて九十二歳終戦日
虎穴虎児
戦争は勝っても負けダヨ終戦忌
桃花鳥ゑ
シベリアを話さぬ父の敗戦日
カリヨン
終戦記念日玉留め糸の赤
香羊
終戦記念日加害者たるわれら
うみのひつじ
犠牲者に祈りの終戦記念日
丘るみこ
黙祷のサイレン響む終戦日
龍哉
父囲み終戦記念日命の炎
永松薫風
一盌(わん)のお茶に平和を終戦忌
藤井赤童子
伝ふべきもの持たぬ喜寿敗戦忌
峰 乱里
終戦記念日もくもくと草むしる
朽木 碧
終戦日父は無口な人となる
大西秋桜
特番に母の駄目出し終戦日
伊藤恵美
我忘れ語る少女の終戦日
木村カズ
終戦日セピア色した日章旗
青野慈江衣
終戦日今年も山頂空は青
山くじら
今、語る凄絶な過去終戦日
松浦 姫りんご
戦争よ廊下に立つな終戦日
國本秀山
広島の孫と黙すや終戦忌
巴玖
黙祷に止まる電車や敗戦日
立野音思
お姉さんが核武装をていあん終戦記念日
林口竹
父語る終戦記念日カーキ色
桜井タケ女
終戦記念日児の寝姿は万歳
小田嶋隅雀
涙する終戦記念日のアニメ
こーがはるちゃん
終戦日戦後生まれの辞とことば
吉田 健二
喉ならし冷たき水のむ終戦の日
青葡萄
終戦日靖国詣で議員かな
東 湘輝
終戦記念日サイレンに黙祷
中村笙平
美化される歴史恐きや終戦忌
豊岡重翁
語り部にまだ聞きたきや終戦記念日
近未来
団塊や加害忘るな敗戦日
海棠杢太郎
はるけしは昭和見据えて敗戦日
梓 渓
玉音聞き母九十四の終戦日
哲山(山田 哲也)
終戦記念日って記念日なんだ
希布
終戦日の直青の空絵日記に
風の木原
記念日は祝日のごと敗戦忌
上津 力
生きていていいか問ふ人終戦記念日
岩鼻 のこ
敗戦日撃ち方止めと叫びたい
平川一空
玉音をスマホで聞きぬ敗戦日
楽椿
色付きの映像見しや終戦日
滝美音
終戦日ラジオの前の吾は二歳
kikuti-aya
敗戦日母の饒舌祖母の黙
おんちゃん。
父母さえも語らなかりし敗戦日
風花
終戦記念日命無駄にするな
瓢箪鯰
終戦日食材混ぜし水団を
中野風鈴
どんな顔で終戦記念日過ごそうか
黙々笛
終戦日この黙祷の時止まれ
澤木樹心
語り部の終戦記念日雲流る
風のピアノ
黙深し八月十五日の鐘
七ほし天とう
目元は祖父似終戦記念日
猫楽
忘れまじ終戦といふ敗戦日
森重聲
終戦記念日から十五年後に生まれたの
南全星びぼ
「真っ白いごはんだねえ」と終戦記念日
さがみ湧水
カツカツと軍靴か終戦記念日
うはのそら
還暦もリアルを知らず敗戦日
小林番茶
八十の我父母に会いたし終戦日
秋葉 翠
承継の終戦記念日セピア色
小富古尾巣
骨箱の小石ころつと終戦忌
淡湖千優
英霊と言われて哀し終戦日
川崎ルル
語り継ぐ唇重し敗戦忌
壱太
鳩幾千終戦記念日の空へ
小川しめじ
終戦日黙々と草刈る養父
星影りこ
敗戦日カラーに滲む沖縄戦
佐々木 一栗
戦後と言ふ言葉は続く終戦忌
天野力
あの日知る親亡くなりて終戦記念日
木村となえーる
仏壇に兵士の写真終戦日
堀雅一
終戦日歓声止まる甲子園
森里綾里
聴き入つた祖父の体験終戦日
青雨青緒海
敗戦日少年は今日卒寿なり
恋瀬川三緒
終戦記念日ドローンの行く影一つ
寺尾向日葵
板チョコのぐにやりと溶ける敗戦日
藤本花をり
終戦記念日カラー化する写真
清鱒
青空へ白球終戦記念日
万葉剣
B29落ちた話や終戦忌
一本杉
敗戦を終戦と換え八拾年
美濃仙人
父帰る暦の丸や敗戦忌
上津 嘉子
終戦日テレビと辿る八十年
宮沢 韋駄天
終戦記念日伯父の墓には遺骨無く
竹の子
空襲の文字蘇る終戦日
中村 自在
焼夷弾我が家に残る終戦記念日
玉川 徳兵衛
学び舎に帰れる自由終戦日
sekiいつき組広ブロ俳句部
最後まで終戦記念日と言はず
寺尾当卯
英霊は知らぬ敗戦終戦日
羽柳武助
祈りの長崎眠りの首相終戦忌
本多 弘幸
なぜなぜと始む児の終戦記念日
匹田小春花
聞かぬ事も許されたし終戦日
井上美月
終戦記念日レノンが想う愛
宏令呑
海風に終戦記念日癒す愛
そわかそわか
赤い糸結び目ほどく敗戦日
小夏
敗戦日帰る家無き数多の子
鶴岡木の葉
戦争を知らぬや薄き敗戦日
たこぼうず
敗戦忌父は語らず墓に入る
川口里山
終戦記念日すいとんの日の死語となり
伊ナイトあさか
骨箱に砂一握り敗戦日
川端こうせゐ
卵かけ其れはご馳走終戦日
笹団子
終戦記念日ピースフルネス問ひ続け
松本厚史
まだ戦後八十年の終戦日
深澤 健聖
永遠のカタチ終戦記念の日
花藤虎穴
冗舌父終戦記念日の無口
冬の土の子
八月十五日アルプス席で黙祷す
輝棒
幼子に黙祷教ゆ終戦記念日
田村 宗貞
焼け野原米つぶ拾ふ終戦日
白井百合子
母逝きて遠くなりぬる終戦日
朝日雫
もうやめて終戦記念日NOMOREWAR
藤村 一寿
孫世代敢えて伝えぬ終戦記念日
北美三風
空に聞く終戦記念日の音を
中島穂華
球の音を仰ぐ終戦記念日や
有骸蟲蜴
終戦記念日に誰か戦死す
みなづき光緒
もうビンタされなくてすむ敗戦忌
奈良の真
慟哭の海は語らず終戦忌
平野恵風
初めてのデモ参加中終戦日
笑姫天臼
若き伯父写真のままに終戦忌
林真紗湖
終戦日悔ゆる思ひを父語る
中村日生
終戦日小さく白いあなたとね
漉餡打者
終戦日我四ヶ月母偲び
小池喜久枝
生き延びて父母となる終戦忌
キートスばんじょうし
終戦日長男未明産声す
明神おぼろ月
終戦日語らぬ父は写真撫で
ゆぃ
今日はすいとん子ども食堂終戦記念日
定位置
戦火なり彼の国は終戦記念日
卯の花雅子
戦争を知らずに生きて終戦日
dragon
ネット駆け巡る争いと終戦記念日
南全星達
戦なき今朝の青空終戦日
ひだ岩魚
終戦記念日止まぬ戦火に人の業
働大蔵
終戦記念日新聞に「平和」多し
仲間英与
終戦記念日よ飛行機は消えて
雅 寝子 改め 銀猫
終戦日父母を思はぬ年の無き
宇のななみ
終わりなき日であれかしと終戦日
豚々舎 休庵
軍服の若き遺影よ終戦日
千賀子
ご飯粒一つ残さず終戦の日
花星壱和
八十年の終戦日来て空青く
北乃薫衣草
戦前と呼ばれぬように終戦記念日
佐々木 佳芳
終戦記念日空は青かったのか
空流峰山
球児らの空永遠に終戦記念日
卯之町空
終戦日母満州で生を受け
夢雨似夜
終戦日知らぬ世代の戦闘ゲー
香取扇公
寝転がる終戦記念日手にスマホ
栗の木栗乃
「雪風」や唯一の姿終戦記念日
小澤翔明
終戦記念日枕元立つ若き祖父
榊裕江子
終戦忌敗戦と書く教師のいて
くろけん
お昼寝の終戦記念日知らぬ子ら
井口あき子
スマホ伏せ正座一分終戦日
岸壁の龍崎爺
二十二歳の伯父の刻印敗戦忌
越前俊水
父母に聞く疎開経験終戦日
竜退治の騎士
九条を守る書を読む終戦日
渡嘉敷五福
終戦記念日校歌を和する甲子園
高嶺織人
モノクロのグラデーションの終戦日
秋桜みりや
終戦記念日のサイレン黙祷甲子園
おおにしまこと
雲に消へ戻らぬ飛機や終戦忌
石黒なを子
球場に「Imagine」広ごる終戦忌
ゆず柴
過去形で語る軽さや敗戦忌
河村静葩
勝ち負けとか敵味方とか終戦の日
高田ちぐさ
アメリカの猿真似始む終戦日
あたしは斜楽
永らへば傘寿ならまし終戦日
後藤 潮
はとこと隣り合い終戦記念日
月丘佑
敗戦忌あの世この世は紙一重
山口康煌
終戦の日は核でとは言うまいぞ
比良山
モノクロへ閉じ込められた終戦日
夏野夏湖
終戦記念日語らず逝った父母
ほうじ茶
終戦記念日Jアラート嘆く
田舎否か
戦前と今ならぬよに終戦日
竹村マイ(蚊帳のなか)
80年反省語る敗戦日
くろべぇ
すんとした空にサイレン終戦日
海堂一花
終戦日語らぬ母は語れぬと知り
マーサ
それぞれのくらし終戦記念日来
木下風民
終戦記念日戦かたらず逝きし父
やまだ童子
ちちははが嫌った終戦記念日
ヤヒロ
特攻の黙する父の終戦日
こきん
敗戦忌ことばにつまり遺影抱く人
小橋真梨子
集落や終戦記念日ひとりゐた
ウラッキー
孫とともに手を合はすや終戦忌
玲風
正午の鐘終戦記念日鎮魂歌
竹屋 三伸
人にある敗けの遍歴敗戦忌
木寺 仙游
スタンドの一分の黙終戦日
おかだ卯月
呆然と終わらぬ戦火終戦日
やっせん坊 池上
終戦記念日ただ静かな海へ
柑青夕理
畑仕事早め切り上げ終戦日
早坂 一周
すいとんは食わぬとふ父終戦日
ひと粒の種
伯母のこと知る人も絶え終戦日
渡部 あつし
兄笑話苦難の疎開終戦日
春のまさ女
古ラジオザッザッ終戦記念日
天鳥そら
終戦忌ひこうき雲の在る許り
悠雨木 はな
終戦日孫の産声父傘寿
忠園太冨三
幼兒や終戦の日のあの夕焼
内田高雲
やるかたなきガザよ八月十五日
栗緒音
終戦日昭和育ちの身に重し
百盃
それぞれの一分間や終戦日
吉川花ほっぺ
曾祖父は終戦記念日の生まれ
金子あゆか
一日で充分終戦記念日は
野江門美
八月の予測候補に「十五日」
河島 八々十
終戦記念日父母と共に此岸
南波母
コンクリに影の焼け付き終戦日
小田和子
幼き日の燃える炎や終戦記念日
香西京子
8/15(ハチイチゴ)耐え難きを耐え今の世に
たいら はな
終戦日何もわからず黙とうし
佐藤 聰
反省と言って炎上終戦忌
雅屋少将
自由とは不自由なこと終戦記念日
小笹いのり
孫の掌のやはらかさ知る敗戦忌
千葉転石
婚約者残し逝きたる敗戦日
そうま純香
形なき形見や終戦記念日
つくも果音
祖父言いし「記念日ではない」終戦日
山下 絵美
終活の古アルバムや終戦日
宝塚御殿子
八月十五日は単なる数字か
小春風 幸
終戦記念日ノルマ一日一万歩
山香ばし
街録で終戦日知らぬ子等映り
月見里ふく
本当は核なき日こそ終戦の日
山田翔子
恙なく八月十五日八十年
余熱
戦争を知らず八十路の終戦日
杜野廉太郎
終戦記念日のアニメ節子はなぜ死んだ
中川青嵐
白き鳩終戦記念日雲の上
影夢者亜
海と空蒼し終戦記念の日
あさぬま雅王
終戦記念日国のリーダーしゃんとせい
田畑せーたん
世代超え平和へ祈り敗戦日
白山一花
終戦記念日今高らかに反戦歌
日暮ひぐらし
テレビ前終戦記念日黙祷
かじま木犀
終わらない宿題終戦記念日
日向浜
ヒロシマナガサキに原爆終戦忌
入口弘德
戦争を知らぬ人等の終戦日
かん かんし
頑張れと言ふをためらふ終戦日
志村宗明
語り部の手の皺深く終戦日
竜胆
名のみ聞く叔母長崎に終戦日
達坊
鎮魂や終戦記念日の無念
村上 継鳥
終戦日負けて平和の青い空
草野立青
遺骨不還なれども墓参終戦日
海猫
うかうかと国衰へて終戦忌
守田散歩
またひとり語り部逝くや終戦日
富良里旅人
すいとんを孫と拵へ終戦日
小石日和
平和への階遥か終戦日
松元転石
権力が正義の規準か終戦日
泉晶子
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!
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選者コメント
夏井いつき選
◆この重い季語に対して、皆さんの様々な思いが綴られた今回の投句でした。
「終戦記念日」は八月十五日。これは、真珠湾攻撃が行われた十二月八日「開戦記念日」と対になる季語として成立したのでしょう。(ちなみに、十二月八日は「ジョン・レノン忌」でもあります。平和を歌い続けたジョン・レノンが凶弾に倒れた日であるとは、なんと皮肉な巡り合わせでしょうか。)
「終戦記念日」の「記念日」という言葉に違和感を持つ人がいれば、「終戦忌」の「忌」の一字が嫌だと語る人もいます。が、それらの様々な思いも全て含んで、これらの季語が存在しているのだと考えております。
◆「終戦記念日」のみならず、「原爆忌」等の季語についてもいえるのですが、そこには生々しい実体験や親族から語り継がれた凄惨な話もあり、それらを「類想」という言葉で括ってしまうのは如何なものか……という思いもあります。
が、そのような実体験を次代へ伝えるには、道徳的な標語のような俳句ではなく、読んだ人の心に突き刺さる詩である必要があり、これは譲りがたい事実です。
類想の中に自分の体験句が掲載されていて、ガッカリしたり、中には憤りを抱く人もいるかもしれません。が、その体験を詩として結球させてこそ「語り継がれる俳句」となり得るのです。
なぜ、類想なのか。それは作品そのものが教えてくれます。謙虚に受けとめつつ、それらの句材を詩として昇華させるための俳筋力を身につけていきましょう。それもまた、大切な平和運動の一つなのだと、心して句作に取り組んでまいりましょう。
◆今回は、類想のリストを以下に記します。
類想という「共通理解」の土台に、どんな真実味と独自性を添えることで、戦争を知らない次代の人々へ、そして紛争に荒れる世界の人々へ「平和」の心を訴えることができるか。それは、私たち俳人皆の、一つの使命ではないかと思うのです。
■ 追憶
・ あの日の空は青かった 晴れていた 海も青かった
・ あの日も暑かった
・ 蝉が鳴いていた
・ 戦時中の記憶
→ すいとん 南瓜 芋 団子汁(だから今はそれらが嫌い)
→ 殺処分された象
・ ラジオの前に正座して聞いた玉音放送
・ 戦死しなければ〇〇才だった
・ 戦死者は終戦日を知らない
■ 平和を願う
・ 今も世界のどこかで戦争が 地球に戦争がなくなる日を願う
・ 若者や子供へ伝えなければ
・ ずっと「終戦」記念日のままであってほしい
→ (戦争中の)かの地にも「終戦記念日」ができてほしい
■ 戦争を知らない世代
・ 戦争を知らないままに生きてきた
・ 何も知らない子供が無邪気に笑う 遊ぶ
■ 終戦記念日のその日
・ 祈る 黙祷 サイレン
→ 甲子園で 職場や自宅で
・ いつもと同じ朝 いつものような食事 この日は粗食で
・ 猫や犬と過ごす平和
・ 祖父や父 何も語らない(無口)
・ 終戦日が誕生日の〇〇
■ 令和の終戦日
・ AIに問う AIが語る
・ スマホから(戦争関係の)情報 動画
・ 異国語があふれる都会 観光地
・ とにかく暑い チョコも溶ける
・ (子供は)夏休みの宿題に追われる
・ (かつて敵国だったアメリカの)チキンやコーラや米などを食べている
■ 固有名詞など
・ 戦争をテーマにした本や映画
→ 「はだしのゲン」「火垂るの墓」「野火」「俘虜記」
・ 戦争をテーマにした音楽
→ イマジン 反戦歌 ロック レノン ディラン 「岸壁の母」
・ サクマのドロップ
・ 無言館
・ 知覧 鹿屋 沖縄 南洋の島々
・ ウクライナ ガザ ロシア
・ 名前に「征」や「勝」の字がよく使われていた
■ その他
・ 長押に戦死した人の写真 戦死した〇〇に子や孫が似ている
・ セピア色 モノクロの写真 記憶
・ 語り部
→ 老いた 顔や手の皺
→ 若者が語り部を継いでいる
・ 戦争を経験した人の傷跡 火傷跡
・ 南の海に眠る戦死者(伯父 父など)
・ 終戦日に産まれる命 戦死した人に似ている子
・ 「戦争が廊下の奥に立つてゐた」へのオマージュ句もちらほら
・ あと00日終戦が早ければ……
→ 特攻に行かなくてすんだのに 原爆が落とされなかったのに
※今回の兼題「終戦記念日」中級者以上投句欄へのご投句は、投句数4655句、投句人数1892人となりました。以下、類想句の一覧です。