俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2025年7月20日週の兼題

終戦記念日

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 終戦記念日F-2Aのタグ束ぬ

    工藤花果無無

  • 坂道を蹴倒してやる終戦記念日

    haru_sumomo

  • 紙面の都合で載らぬ名敗戦忌

    石井一草

  • ホチキスに悲の字の非折れ終戦日

    TAKO焼子

  • 終戦日典座のやうに米洗ふ

    愛柑いつき組note俳句部

  • 横顔や終戦の日の海の襞

    成瀬源三

  • 日の丸のお子さまランチ終戦忌

    髙橋弓女

  • ビル群の吐き出す熱波終戦日

    清白真冬

  • 台襟の縺れたボタン敗戦忌

    さんぼう

  • 終戦日水飲む犬の尾は下に

    山口雀昭

  • イコールじゃない原爆と終戦日

    鳳凰美蓮

  • 終戦記念日カフェ満席の根津

    佐野明世

  • 終戦日帆柱きしむ打瀬船

    谷 道悦

  • 終戦日背中の傷の理由(わけ)を聞く

    小川テル子

  • 終戦記念日や『火垂るの墓』に代本板

    潮湖島

  • 雫いずれも大海へ終戦忌

    早足兎

  • 屋上は白き原つぱ敗戦忌

    佐藤レアレア

  • 終戦日死は無でありて繋ぐもの

    水蜜桃

  • 泳ぎ場の滝に白旗終戦忌

    戸口のふつこ

  • 再読は百刷終戦記念日

    松山茜柑

  • 炊飯のかほり香ばし終戦日

    本村なつみ

  • 777当たる終戦記念日

    村雨藍

  • 終戦日鳩を番ひに飼ひ初むや

    秋内 壱玖

  • 熟れすぎていびつな果実敗戦忌

    天陽ゆう

  • 終戦記念日胎動に手を重ね

    柴田藤安

  • 半旗揚げ祝ってやろう敗戦日

    高市青柘榴

  • 終戦の日の安堵こそ無底なり

    青木茂治

  • 米と味噌有難き日々終戦日

    おおいし 陽葵

  • 終戦記念日痺るる足で光へ

    水きんくⅡ

  • 終戦記念日ライオンに絶食日

    柿司 十六

  • 八十の瞳と向かふ終戦日

    広瀬八重桜

  • 終戦記念日百家争鳴

    朋部 琉

  • 終戦記念日まづていねいに出汁をとる

    山下水音

  • 吾三つ終戦記念日ピース

  • 敗戦日供花みな受け止めるかたち

    すまいる そら

  • 谷川に汗ふく父や終戦日

    村木年子

  • 仏壇の五供に埋もれる敗戦忌

    平野水麦

  • 二人して備蓄米食ぶ終戦日

    長操

  • 軍歌の好きな大伯父鬼籍終戦日

    黒蜜かりんとう

  • 終戦忌被爆樹木のうねる幹

    ときめき人

  • 終戦記念日銀シャリ食みて黙しけり

    田中一升

  • ビル高く旅客機低く敗戦日

    望月ゆう

  • 終戦日トラック島に居た兜太

    林 水城

  • 戦艦のプラモデル手に終戦日

    岡田瑛琳

  • 地球儀の小さき世界や終戦日

    町田明哉

  • 菜箸を置き終戦記念日の昼

    古都 鈴

  • 終戦記念日の妙にざらつく口のなか

    谷 斜六

  • 終戦記念日泰平なる赤子の放屁

    木ぼこやしき

  • 終戦日ゴミ箱へ蟻夥し

    冬島 直

  • 空のあを痛し八月十五日

    三月兎

  • 八月十五日旅客機だけの駐機場

    森ともよ

  • 終戦記念日島は今でも兵学校

     蔵原 貢次郎

  • 終戦日皇居のごみを拾う人

    岡塚 敬芳

  • 鐘の音のどこまで響く終戦忌

    佐藤香珠

  • 終戦日農事日誌をめくりをり

    西川たもつ

  • 終戦記念日君が代歌ふこともなく

    鷹渡颯子

  • 剣ヶ峰日の出に一献終戦忌

    高比良星嶺

  • 玉砂利に脛の痛みや終戦記念日

    竹春エリザベス

  • 夫の名で孫を呼ぶ母終戦日

    眠 睡花

  • 終戦日今日はあなたの何ですか

    広島あーやあーや

  • 祖父の背に軟膏を塗る終戦日

    春あおい

  • 水浴びせ労う汗の終戦日

    川辺世界遺産の居候

  • 断章のほつれあひたる終戦日

    乃咲カヌレ

  • 終戦日新聞五紙を読み漁り

    ミント・スチュワート

  • 公開の防空壕や終戦日

    ふくびきけん

  • 敗戦日国境もAIも人造物

    在在空空

  • 終戦記念日明日切り株となる大樹

    桜井教人

  • 風琴の踏み音ふがり終戦日

    ヒマラヤで平謝り

  • ジェットコースター八月十五日らしい音

    猪子石ニンニン

  • バイオリンの高音澄て終戦日

    夏の町子

  • 地のにほひ終戦記念日風が立つ

    桂葉子

  • 終戦日いつもどこかが膿む地球

    若葉 わかば

  • 寄せ書きに染みあたらしき終戦忌

    円海六花

  • 「オトウチャン」呟く老母や終戦日

    紗凡

  • 終戦日の御空へ耳を傾ぶけり

    ichihoppe

  • 父母の名をともに記帳す終戦忌

    深草あやめ

  • 茜雲なのに青空終戦日

    孔明

  • 民の字の起源怖ろし敗戦日

    木村深夜

  • 終戦の日の経年劣化したボタン

    高橋寅次

  • 鳥の絵の器掘り出す終戦日

    辻 きりこ

  • 影走る皇居八月十五日

    平山仄海

  • 終戦記念日どうしてもずれる折り紙

    あまぐり

  • 終戦記念日九頭龍に乗る死者

    九頭龍 一鬼

  • 乾びたる體や土地や終戦日

    福花

  • 終戦日空に無数の眼が動く

    シュリ

  • 人と国は違う生きもの終戦忌

    夏風かをる

  • 終戦日おむすびにぎる手の厚み

    田畑 整

  • 鉛筆の芯の尖りや終戦日

    深町宏

  • 八十年の顔彩褪せぬ終戦忌

    飯沼深生

  • 敗戦忌瓶牛乳の口に膜

    升 丁茶

  • 古写真の父は水兵終戦記念日

    くちなしの香

  • 電子レンジの呼び声遠く終戦忌

    ノリウェイ

  • 朝練の選手駆けるや終戦忌

    友咲恵子

  • 進駐軍のカマボコ兵舎敗戦忌

    津軽わさお

  • いたいほど白き祭壇敗戦日

    白猫のあくび

  • 街路樹を蝉の剥がれて終戦日

    柊琴乃

  • ハーモニカ傷病兵の敗戦日

    誠馬ノマド

  • 「尋ね人」ありしラジオよ終戦日

    篠田ピンク

  • 敗戦忌傷痍軍人たりし祖父

    津軽まつ

  • 終戦記念日ひととけもののこえに

    庄司直也

  • 八月十五日老僧の説法

    荒磯魚々

  • 終戦記念日祭壇花の首ずらり

    花屋英利

  • 敗戦日丁種の軛土の上

    杜まお実

  • 飯盒の炊飯旨し終戦日

    野々原ラピ

  • 終戦日小さく見えるピラミッド

    尚茶

  • 父のひざ五歳にかたき終戦記念日

    いごぼうら

  • 四日目のかさぶた八月十五日

    波多露音

  • 主旋律なき鎮魂歌終戦忌

    虎堂吟雅

  • 一斉に喪服の傾ぐ終戦日

    リコピン

  • 静寂の煩いような終戦記念日

    富士桜花

  • 日章をくぐる終戦日の往診

    深紅王

  • 十字路の無人八月十五日

    大岩摩利

  • 後ろ足曳く影の濃し敗戦忌

    石浜西夏

  • チャンプルーにスパムの塩気終戦日

    アポカリプス

  • 父の頸卒塔婆に似る敗戦忌

    柏木百智

  • 消滅せしまほろば終戦記念日隣は何を

    星田羽沖

  • 下書きの顔に十字や終戦忌

    常磐はぜ

  • ワイパーの軋むタクシー終戦日

    佐藤志祐

  • 終戦日電子レンジの皿回し

    谷町百合乃

  • 墓裏の伯父の終の地終戦日

    うさぎ柚和

  • 青空とちしほの雨と敗戦日

    渋谷晶

  • 国民か臣民か問ひ終戦日

    黒麹 糀

  • 蝕むは十五画なり終戦忌

    赤尾実果

  • 終戦日男の便器整列す

    長谷機械児

  • 終戦日あと一筆を待つ絵画

    千寿 ココ

  • どの窓にも小さき朝や終戦日

    苫野とまや

  • 終戦記念日夢は助産師です

    アンサトウ

  • 終戦記念日お決まりの式典

    神谷篝火

  • 牛スジは薄味に煮る終戦日

    ふくろう悠々

  • 色褪せし祖父の画軸や終戦忌

    朝里いつか

  • コカ・コーラ振ってゴボゴボ終戦日

    梅朶こいぬ

  • マウンドの黒き無垢たる終戦忌

    はなだ杢

  • 花筒へ差し水終戦記念日

    山姥和

  • 終戦記念日あしたの握り飯

    刈田陽子

  • 終戦日ふらりとスタバ寄る自由

    窪田ゆふ

  • 万年床上げて干したる終戦日

    畑中幸利

  • 赤チンもヨードチンキも終戦日

    ふにふにヤンマー

  • 滾らかす味噌汁終戦記念日

    蓮田つばき

  • 水撤けば土の匂ひや終戦日

    森爺

  • AIと話しただけの終戦日

    二十八

  • 感知して口開く便座敗戦忌

    春海のたり

  • 終戦記念日羽化するやうな朝陽あり

    長澤創次郎

  • いつまでもついてくる影終戦日

    浦野紗知

  • 蒼天を見つけし父母の終戦日

    馬場福朗

  • 終戦記念日空眩しくて切なくて

    富山の露玉

  • 終戦日父ふと行軍を語る

    藤 無南

  • 一枚の紙の薄さや終戦忌

    渡邉花

  • 頭は低く奥歯噛み締め敗戦忌

    紅紫あやめ

  • ウミネコや終戦記念日鳴かない

    星夢 光風

  • 寡婦のまま生きた大叔母敗戦日

    紙谷杳子

  • 終戦記念日四次元ポケットには無い兵器

    あなぐまはる

  • 終戦記念日ヤニ汚れの窓を

    青に桃々(俳句迷子の会)

  • 「ハイカード」ブラフの続く終戦記念日

    日月見 大

  • 仏前に水とあん餅終戦日

    阿万女deノエル

  • 終戦記念日方舟のごとちぎれ雲

    秋田俳楽

  • 南中の太陽の黙終戦日

    田上南郷

  • 敗戦忌知らぬ忘れる人溢る

    釋愚拙

  • 蠍座は西へ傾き終戦日

    太平楽太郎

  • しゃぼん玉高く上がれや終戦忌

    スマイリーK

  • 敗戦忌買うも販ぐも異邦人

    東京堕天使

  • 祈念百倍小さき子らの終戦記念日

    みにとまあいこ

  • 飯運ぶ終戦記念日のロボット

    松井くろ

  • 墓碑語る「カムチャッカ沖」終戦記念日

    若林くくな

  • 地に伏す既視感終戦日の日射

    冬野志奈

  • この世に終戦記念日こめ洗う

    坂本秋風

  • プロペラ機模したる遊具終戦日

    坪田恭壱

  • 蝉噪に耳そばだてる終戦忌

    小林理真

  • どの犬も愛されし犬終戦忌

    細葉海蘭

  • チンパンジーおそろし終戦記念の日

    五味海秀魚

  • チキンラーメンや終戦日の黙祷

    鈴野蒼爽

  • 口々に大伯父のこと敗戦忌

    さおきち

  • 黙祷を遮る電話終戦日

    電柱

  • 終戦記念日戦争をしない空へ

    ハルノ花柊

  • 握り飯遺影に捧ぐ終戦日

    原島ちび助

  • 終戦忌年間30000人自殺

    山口葵生

  • 貝殻を拾うては捨つ終戦日

    如月ドロップ

  • 終戦記念日積木崩れてしまいけり

    夜ノ森ムーミン

  • 終戦日ちんちんちんと電車来る

    立部笑子

  • 終戦記念日手押しポンプは水たたへ

    神谷たくみ

  • 精液は泪の熱さ終戦日

    石上あまね

  • 終戦日きみと一から積むジェンガ

    あたなごっち

  • 茶湯の湯気まじまじと見て終戦日

    大竹昭子

  • 夕焼けが嫌ひ八月十五日

    雨野 理多

  • 終戦忌骸のごとき父さする

    空 ひろ

  • 終戦日けふも戦後である朝餉

    まっちゃこ

  • 終戦記念日パックに片寄る半額寿司

    二重格子

  • コンビニに犬の餌買う終戦日

    かわいはる

  • 谷筋の香の中におり終戦日

    也和

  • 終戦記念日フードコートで吾は祈る

    阿山きし

  • 終戦記念日ママチャリ降りて黙祷す

    中藤古希

  • がたりごとり氷できたり終戦日

    鷹見沢 幸

  • 終戦記念日ひとりの午後やラヂオ聴く

    西乃冬雅

  • 口内炎太る終戦記念日よ

    ぜのふるうと

  • 秒針はいのちのしらべ終戦忌

    笑笑うさぎ

  • 子と淹れる珈琲の香よ終戦忌

    海月のあさ

  • 敗戦日祖父は二十五祖母は百

    水木合歓

  • 彼の国はドローン爆弾終戦日

    せいしゅう

  • 敗戦忌小指で払ふ古書の紙魚

    藤里玲咲

  • 終戦記念日空の破れるゆめを見る

    丸山美樹

  • 終戦記念日幅広の靴

    青い空加納

  • 空瓶となりゆく終戦日のティーチャーズ

    吉野川

  • オスプレイ揺さぶる空や敗戦日

    峰泉しょうこ

  • 海亀の消えぬ泪や終戦記念日

    吉谷地由子

  • 黙祷へ煩き日射し終戦日

    はなぶさあきら

  • 終戦日決して腕は見せぬ祖父

    慈雲奏荘

  • 終戦日普通列車の旅に出る

    盛 久子

  • 疎開先で爆死した子や敗戦日

    小倉あんこ

  • 猫砂は紙のペレット敗戦日

    毬雨水佳

  • 終戦日舞鶴港に父の影

    江宮神

  • 片隅の生活ありて終戦忌

    みやかわけい子

  • 直線の日陰を歩く終戦日

    石神湖畔

  • 黙祷と耳鳴りと終戦記念日

    あおのめ

  • 約束は赤ちゃん指で終戦日

    弘友於泥

  • まだ二十歳白衣の叔母の終戦忌

    スタイナー紀美子

  • 食卓の灯眩し八月十五日

    くま鶉

  • 淡白き豆腐ステーキ敗戦日

    黎明

  • やじろべえ指頭を漕いで終戦日

    渡辺香野

  • 八月十五日祖父に筆名有りにけり

    植木彩由

  • 動カナイ玩具ハ棄テル終戦日

    正念亭若知古

  • 試合負け終戦記念日の日射し

    西野桃果

  • どろどろの夕日落ちてく終戦記念日

    藤永桂月

  • 窓殴る悲憤どしゃぶりの終戦日

    サツキトラヲ

  • 終戦記念日首無き濡れ仏

    晴田そわか

  • 砂礫にうづむ絣のひざの敗戦日

    むったん

  • 終戦忌寂しい父が帰ります

    真夏の雪だるま

  • 啓上の墨痕淋漓終戦忌

    ひろ志

  • 終戦記念日の放送禁止曲

    毛利尚人

  • 亡き人を柱と数え終戦日

    くぼたみどらー

  • 名前書く終戦記念日の紙に

    沖原イヲ

  • 終戦日絶食通す祖父の意地

    康寿

  • 小手先の政局巡りくる終戦忌

    老人日記

  • 終戦日片方折れた椅子の脚

    こうだ知沙

  • 終戦日パズルのピースが落ちている

    麦野 光・いつき組広ブロ俳句部

  • 夏期講習誰も語らぬ終戦記念日

    みしまちづる

  • とめはねに呼吸八月十五日

    ぐでたまご

  • 終戦日拳を開き繋げ手を

    美津うつわ

  • 命あらば紀寿の少尉や終戦日

    竹内ユキ

  • 閉架書庫地下八階へ終戦日

    どゞこ

  • 終戦日地球ひとつを包む布

    青野みやび

  • 身を処する作法ならふや敗戦日

    どくだみ茶

  • 終戦記念日ファンデーションのくたびれて

    里 山子

  • 生き恥と縁側の伯父終戦日

    夏 しのぶ

  • 終戦記念日内なる家畜の眼を見よ

    理酔蓮

  • 肉焼いて捨てる東京終戦忌

    高尾里甫

  • 終戦記念日泥に埋もれた割れ硝子

    野田遊水

  • 終戦記念日贄の証の首里の朱

    橘 春香子

  • 引つ剥がす布の電笠八月十五日

    紫小寿々

  • かたく抱く帆布リュックや終戦日

    広島 しずか80歳

  • 晴れ渡る終戦記念日の出勤

    たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部

  • リフトチェア降下終戦日の浴槽へ

    万里の森

  • 飛行機雲二本暮れゆく終戦日

    雑魚寝

  • 産褥のうずくまりたる終戦忌

    前田いろは

  • たたう紙に「米トコウカン」終戦日

    しゃれこうべの妻

  • 敗戦日母に食べよ食べよと言ひ

    西川由野

  • 終戦忌アルゴリズムに街宣車

    正岡田治

  • J-WAVEのサザン終戦記念日

  • 竿竹を終戦記念日の空へ

    かねつき走流

  • 終戦日の月光の雲押し寄せる

    仁山かえる

  • 敗戦日くるり園児のまはれみぎ

    みしまはぐし

  • 古写真はにかむ大叔父終戦忌

    山傍

  • 終戦記念日マクドナルドの黄のピエロ

    星埜黴円

  • 青空をきれいと思う終戦記念日

    丸山隆子

  • ペン先を浸す真水や終戦日

    音羽凜

  • 「しゅくだい」で「平和」や「終戦日」を習う

    稲光虎介

  • 水苦し終戦記念日の正午

    遥風

  • 文字だけが遺る八月十五日

    横縞

  • 終戦日ペットボトルの蓋固し

    千夏乃ありあり

  • 水底に微熱八月十五日

    秋野しら露

  • 終戦記念日かたりべは九歳

    沖庭乃剛也

  • 無限∞なる影や八月十五日

    藤咲大地

  • 人影の揺るる八月十五日

    とも子

  • 空き缶をひたすら潰す敗戦日

    浅井夕兎

  • おりづるの壁と俺終戦記念日

    ひまわり怪獣

  • サイフォンの割れて八月十五日

    星私虎亮

  • 言葉なく硬き貝啼く終戦日

    飯村祐知子

  • 砕き抜く歯根のかけら終戦日

    一斤染乃

  • 終戦の日そらにはなにもなくていい

    はまのはの

  • 疎開地に終戦記念日父と立つ

    宮澤博

  • 二度寝の子起こしパン焼く終戦日

    ひなた和佳

  • 終戦日玄孫の頬の御飯粒

    みうらけんじ

  • 終戦日焼かれ続ける千羽鶴

    金子月二

  • 終戦記念日戦傷失明杖白し

    髙田祥聖

  • 終戦の日鳶おほらかに青空を

    紅 珊瑚

  • リマインダは終日終戦記念日と

    ざうこ

  • 終戦忌影絵の象は何睨む

    小豆白虎

  • 綿飴と射的五発の終戦日

    西町花冠

  • 終戦記念日詠み人知らずの防人歌

    武田ラーラ

  • 明々と灯し団欒終戦の日

    さくら彌生

  • 飽食の終戦記念日の孤食

    緩木あんず

  • 碧き眼の翁と入る湯や終戦忌

    石田将仁

  • 終戦日鴨居に遺影のまま空き家

    お皺の局

  • 終戦記念日ひらがな多き手話ニュース

    森脩平

  • 敗戦忌人を滅ぼす星にいる

    中島尚之

  • FMでレッチリを聞く終戦日

    団栗あんパン

  • かき混ぜるパルフェ終戦記念日か

    麻生ツナ子

  • 敗者勝者の終戦記念日

    砂月みれい

  • 微睡みのコインランドリー終戦日

    諫鼓苔深

  • 終戦日礎は波のかたちして

    花見鳥

  • 終戦日幾度万歳浴びせしか

    新井ハニワ

  • わが手より錆びの匂ひや敗戦忌

    草夕感じ

  • 栄と虚のジェンガを揺らす敗戦忌

    須田爪黒

  • 終戦記念日ノイズのやうな空の色

    亀田かつおぶし

  • たこ焼に蛸ひとつづつ終戦忌

    いずみ令香

  • 終戦日はテレビ点けても悲しくて

    松本独り

  • 水供ふ祖母のうしろや終戦忌

    可りん

  • 終戦記念日ふつりと糸を嚙み切りて

    夏雨ちや

  • 終戦日こども議会の議題なる

    秋白ネリネ

  • 生みたての卵と御飯終戦日

    塩野谷慎吾

  • 蛇口を開き切る終戦記念日

    鳥不驚

  • 眩しきコンビニの終戦記念日

    篠雪

  • 終戦記念日駄菓子屋で買う戦闘機

    洒落神戸

  • 海光や終戦記念日の碧空

    石塚彩楓

  • もう誰も歌はぬ軍歌終戦忌

    月城龍二

  • 水晶に気泡終戦記念の日

    細川鮪目

  • 床にブチ撒ける終戦日のカレー

    八光地蔵

  • 爆撃機が蝶に変わる終戦記念日

    玉響海月

  • 我が手にも水かき欲しや敗戦忌

    渡辺宵雨

  • 象が水飲み干している終戦日

    小佐治

  • 終戦記念日無声映画のやうな街

    伊藤柚良

  • 終戦の日三線の二揚調

    不二自然

  • 黙祷の葉擦れ続くや終戦日

    富田健朗

  • あぶれ日や足袋先繕ふ終戦忌

    岩瀬正人

  • 三歳に仕込むババ抜き終戦日

    多事

  • ぴんと張る真白きシーツ敗戦忌

    馬場めばる

  • 終戦日母校の暗き石階段

    咲 まこ

  • 空を噛む終戦記念日ぬるい風

    久米穂風

  • 九条を口遊んでる終戦日

    房総とらママ

  • 大石先生の拳終戦日

    島田ポン吉

  • 終戦忌巾着を持つ祖母の絽目

    山本中々

  • 赤黒き挿絵のページ終戦日

    井上れんげ・いつき組広ブロ俳句部

  • 万国旗ゆれて終戦記念の日

    はっしー

  • 終戦記念日手帳に小さきえんぴつ画

    杏乃みずな

  • 象二頭尻を並べて終戦日

    芝歩愛美

  • 焼焦げし遺体に躓く終戦日

    河内クニタロウ

  • 花束を食ひ込む輪ゴム終戦日

    青井えのこ

  • 公園の蛇口天向く敗戦忌

    中根由起子

  • 終戦日蒸れた絆創膏を剥ぐ

    仁和田永

  • 両足の先は木の棒終戦忌

    田渕えつこ

  • 子の舌へ終戦記念日のバター

    すりいぴい

  • すみませんとだけしか言えぬ終戦日

    雨森 茂喜

  • 鳩の首傾いており終戦日

    広島立葵

  • サイパン再訪誘へる祖父や終戦日

    ルーミイ

  • 終戦日インスタ映えのカフェテラス

    まつおえりか

  • 白服のアコーディオンや終戦記念日

    わおち

  • 足の爪パチンと飛んだ終戦日

    綿鍋雪

  • おいなりさん甘く終戦記念日

    柴桜子

  • 終戦記念日便所の底の闇深し

    蝸牛

  • 終戦日ケーキを七十二度に切る

    宮坂暢介

  • 終戦日為替は少し円安へ

    無花果邪無

  • ジーンズは生涯履かぬ敗戦忌

    千歳みち乃

  • 終戦の日を閉じていく練習機

    うめやえのきだけ

  • 曲がつても使ふ縫針終戦日

    霞山旅

  • 終戦記念日紘子と和夫は姉弟

    空 遥翔

  • ひたすらに野菜千切り終戦日

    みつれしづく

  • 鉄鍋の焦げめくれをり敗戦忌

    北野小町

  • 骨なれば万人白し終戦日

    絵夢衷子

  • 終戦記念日父の話を僧とする

    富山 裕子

  • 國といふ空の缶詰終戦忌

    夏川三木子

  • 幾柱や神は終戦記念の日

    山崎なお

  • 諸手で脱がす終戦の日の靴下

    ギル

  • ボルシチや極東は終戦記念日なり

    ねこむらさきご

  • 延々と氷屋の列終戦記念日

    糺ノ森柊

  • 盲腸の深き傷痕敗戦忌

    福原あさひ

  • 英霊の文字の軽重終戦忌

    灰田兵庫

  • 終戦記念日地下室今日も湿ってる

    野井みこ

  • 終戦日ワイキキ沖を潜水艦(勤務先のビルの窓から)

    えいぎょ

  • おんぼろのリヤカー干して終戦日

    加山シンゴ

  • 募金箱はアコギ終戦日の病棟

    草臥れ男

  • 終戦日涙震の父の暗夜越え

    武藤睦礼

  • 空の仏壇へ終戦忌の朝日

    とんぶりっこ

  • 終戦記念日楽屋に真つ赤なハイヒール

    きゅうもんde木の芽

  • 小鳥眠るてのひらやさし終戦日

    大月ユリコ

  • 終戦日曾祖母前夜寡婦となり

    はれみちる

  • 大地噛みつづける巨木終戦日

    大山和水

  • 円安し終戦記念日の渋谷

    阿部八富利

  • 終戦日どこか吾に似た写真の子

    ゆきなごむ

  • 終戦記念日サドルを少し高くする

    眩む凡

  • 終戦記念日待たせたハンドルは熱い

    西村 棗

  • 終戦の日のDJの爪にラメ

    ツナ好

  • 朝雨や終戦記念日の茶席

    山城道霞

  • 終戦記念日糸切鋏手の媼黙

    清島きゅうもんde木の芽

  • ラジオからいつもの声や終戦日

    あみま

  • 終戦記念日水平線へ続く碧

    ふみづきちゃこ

  • 怖くないよ終戦記念日抱きしめる

    大塚迷路

  • 夜の森見ぬやうにして終戦記念日

    七瀬ゆきこ

  • 終戦記念日天窓にまだ蝶のゐて

    錆田水遊

  • われさきに肉食らう子や終戦日

    うに子

  • 復員の祖父の句集や終戦日

    春那ぬくみ

  • 国道の熊見上げる空終戦日

    高重安眠

  • 赤紙は飛行機となり敗戦日

    鈴木実生

  • 自由とか民主主義とか八月十五日

    黒蜜きな子

  • 終戦記念日前鋸筋の五鍼

    唐草もみじ

  • 柄杓持つ手の震えるや終戦日

    彩桜里

  • 雑談のやうな声色終戦忌

    川屋水仙

  • 新調の眼鏡とともに終戦日

    有野 安津

  • 賞品は牛一頭ぞ終戦記念日

    三隅 涙

  • 供へたるキャラメル溶くや終戦忌

    佐々木棗

  • 敗戦日激安テレビにはノイズ

    赤馬福助

  • 終戦記念日殺戮が正義だなんて

    浪松新子

  • ラジオから快音黙祷の終戦日

    加賀くちこ

  • ポケットに溶けた飴玉終戦日

    水豚庵

  • 終戦記念日らしくない空見上げおり

    鈴木すゞ

  • 終戦日墓碑を洗ひぬ令和の子

    沼宮内 かほる

  • じゃが芋を煮っ転がす日終戦日

    中谷素太

  • 銅のハチ公石のハチ公終戦日

    黒子

  • 終戦日象の目尻はさがってる

    栄松屋

  • 敗戦忌取り残されし荒川線

    慢鱚

  • 「溝に伏せ」教えや終戦日のめざめ

  • 母にまだ弟のゐた終戦日

    たけぐち遊子

  • 給食室全焼跡地終戦日

    空木花風

  • 靴音の聞こゆ八月十五日

    いまいやすのり

  • 客として故郷にあり敗戦忌

    中里 凜

  • ナフタリンのにおい終戦記念日

    相沢 薫

  • ヒョウ柄や浪花おかんの終戦忌

    石鎚山大三郎

  • 終戦記念日新幹線橋架

    伊藤辰弥

  • 日付線越えて終戦記念日へ

    芦幸

  • 左目は飛蚊症なり敗戦日

    庭野環石

  • プラレール繋ぐ息子や終戦日

    白子ポン酢

  • 石を積む上に石積む終戦日

    鈴木 征子

  • 補聴器を静かに外す終戦日

    文室七星

  • 終戦日「その他」に逃げるアンケート

    久留里61

  • 生コンのがらりがらりと終戦日

    与志魚

  • 終戦日破れたオムライスは兄が

    坪山紘士

  • 足元の直下はマグマ終戦記念日

     九郎四郎

  • ラーメンの汁を飲み干す終戦日

    横山雑煮

  • 終戦記念日慰霊碑洗う通り雨

    太之方もり子

  • ドローンショーの美しき不気味さ終戦日

    ふくじん

  • 雲梯をたにぎるふるへ終戦日

    高橋手元

  • 被爆電車の床は木製終戦記念日

     銀 次郎

  • オキナワもヨコスカも晴れ終戦日

    津々うらら

  • 吹鳴の正午米研ぐ終戦日

    山田雅己

  • 俯ける沈思のアテナ終戦日

    吉永那夫子

  • 大叔父の墓標の軍位終戦忌

    猫塚れおん

  • 終戦記念日や折り鶴折りて折りて折る

    黒山万牛

  • 敗戦日棚の煤けしトルストイ

    石原由女

  • 味噌汁の具材は胡瓜終戦日

    杉尾芭蕉

  • 終戦日電気水道ガスいのち

    河上摩子

  • 義姉さんは寡婦のまま逝く敗戦忌

    まきうち祐

  • 北を向いたまま叔父さんの終戦の日

    ほうちゃん

  • 飛行機雲いつの間に消え終戦日

    一雁低空

  • アルファ化米透くや八月十五日

    茗乃壱

  • 終戦の日のラヂオより足音来

    久保田A

  • サイレンに風の吹き止む終戦忌

    灰色狼

  • 熱帯びた重たき風や敗戦日

    おこそとの

  • 蟲の列玉砂利越えて終戦日

    さぶろう

  • 亡き祖母の丹前畳む敗戦忌

    あらいゆう

  • 秒針のこんと躓く終戦日

    蓮井理久

  • 書物報道人の声終戦記念日を灯す

    青海也緒

  • 筆圧の強き敗戦日のノート

    夏草はむ

  • 終戦日浜辺におりて貝ひろう

    大田白梅

  • ひとり見る貯まりし録画終戦日

    柚木 啓

  • ぴかぴかに磨いたシンク敗戦日

    坂野ひでこ

  • 花火果て全き冥さ敗戦日

    はぐれ杤餅

  • 埃積もるラジオ終戦記念日

    はなだんな

  • 田畑太陽光終戦記念日

    京あられ

  • 抱き上ぐる子の重きかな終戦日

    谷川ふみ

  • 終戦日「決断」「任せる」「責任とる」

    高山佳風

  • シャウエッセン茹でて八月十五日

    着流きるお

  • 甲子園瞑し終戦記念日来

    佐藤烏有

  • 成田発つ子への餞別終戦日

    紅三季

  • 終戦忌路面電車はゆらゆらと

    さいたま水夢

  • まず祖母のシーツ畳んで終戦日

    黍団子丸

  • 終戦記念日窓口で名前呼ばれる

    黒野くろね子

  • 行幸待つ母におはせり終戦日

    円路

  • 影深し終戦記念日ビルだらけ

    全美

  • 吉村の本戦時聴く敗戦日

    杉と松

  • 終戦記念日ワルキューレの根際に

    北村 崇雄

  • 撫でる背に保湿クリーム終戦日

    ふわり子

  • 終戦記念日そっとエンターキー

    Dr.でぶ

  • 柔らかに潰す大豆や終戦日

    和泉攷

  • 夢の国ミッキーと踊る終戦記念日

    美月 舞桜

  • 終戦日十歳の父は砂を蹴り

    松島寒泉

  • 終戦日銃持つ国の旅行者来

    中嶋奈緒子

  • 敗戦日のプリンをちびちびと食らふか

    嶋村らぴ

  • ジェット音コーラの苦き敗戦日

    桐山はなもも

  • 終戦記念日サイレンてふ嗚咽

    幸田柝の音

  • 終戦記念日お徳用板チョコ

    嶋田奈緒

  • 八月十五日捲る親指凝視せり

    野平無凸

  • リクエスト終戦記念日はカンツォーネ

    中村雪之丞

  • 自己血の採血針や敗戦忌

    バンブー

  • 定刻にラジオ体操終戦日

    いとう香り子

  • ナイチャーの僕の八月十五日

    むらぴ

  • 新聞で窓を拭く終戦記念日

    カラスみず

  • かりそめの大屋根リング終戦日

    三つ葉躑躅

  • 耳鼻科より届く書簡や敗戦日

    三上 栞

  • 終戦日空も心も無となりぬ

    弥勒夕陽

  • 終戦記念日伯父の遺影の眼はしづか

    三日月なな子

  • 終戦日きみはりんごしかたべない

    ニリンギ

  • 抑留の激しき手記よ敗戦忌

    小泉久美子

  • 終戦記念日のルーペに歪みたる「未来」

    けーい〇

  • 団子虫終戦記念日をまろぶ

    本宮豆奴

  • 遠く近く地球儀眺む終戦日

    花亭五味

  • 終戦記念日トイレは尻洗ふ

    佐藤茂之

  • 終戦記念日豪雨のレクイエム

    玖良咲

  • 終戦日古橋語るだけの父

    谷本均

  • 終戦の日のややの爪切るはさみ

    さく砂月

  • 遠ざかる宇宙の果てや終戦日

    椿泰文

  • 膝の拳握る終戦記念日

    島陽広

  • 誕生す男の子終戦日の夕べ

    桔梗

  • 猪口二つ終戦記念日の夜更け

    藤白月

  • 廃屋の遺影八月十五日

    唯野音景楽

  • 脂採りし松の傷跡敗戦日

    能研ショテカ

  • 終戦記念日ヨガマットに突っ伏す

    須藤縦横

  • 終戦日子規の俳句に無い言葉

    希凛咲女

  • 終戦の日にわだつみは静かなり

    喜寿にありけり

  • 終戦日刻々と雲正午過ぎ

    うどん大明神

  • 軍艦の国債擦る終戦日

    じょいふるとしちゃん

  • 浴槽で洗う道着や終戦日

    坊 いち坊

  • でこぼこの父の背洗ふ終戦日

    木村ひむか

  • 終戦記念日灯す焔の記憶かな

    ちょうさん

  • 噺塚参る人無き終戦日

    高橋 基人

  • 赤紙がスマホに来る日終戦日

    はれまふよう

  • 戦後派を読み返す日や敗戦日

    神酒猫

  • 終戦日金星ゆきの列車出る

    タケ

  • 終戦記念日靴中の礫踏みつづけ

    夏湖乃

  • 終戦記念日祖父の曲がらぬ足

    林としまる

  • 戦闘機の描くハートよ終戦日

    島 白椿

  • 地下鉄を地下へ地下へと終戦日

    えいみ

  • ヒロインの目と声きれい終戦日

    だいやま

  • 軍国少女たる義母に恋ありて終戦日

    逢來応來

  • 青空に白いビラ舞ふ終戦日

    ななかまど

  • 溢れた水に映る終戦記念日は

    原田くろなつ

  • 掛け時計の電池を換へる終戦日

    なかの花梨

  • もう一匹オモワザル居り敗戦日

    まんはく

  • Z期は靡かず終戦記念日

    俳句王

  • 終戦記念日同時多発の口内炎

    帝菜

  • 年輪にふたつの歪み終戦日

    蜜がけまやこ

  • 耳朶を打つ終戦記念日は雨中

    磯田省吾

  • 敗戦忌コークとジャンボハンバーグ

    いこん

  • 土崎の水面凪なり敗戦忌

    篠川 翠

  • 一億総懺悔って何敗戦日

    れんげ畑

  • タッチューの岩肌険し終戦日

    駄々

  • 隣家の日の丸を見てゐる終戦日

    浩子赤城おろし

  • チューニング無音のベンチ終戦日

    桃姫

  • 緞帳震はす声なり終戦忌

    深谷零露

  • 終戦日止まったままの水車小屋

    スズランチイ子

  • 終戦記念日テーブルへ今日のピル

    しばた もめんこ

  • 我が影に八六の石影終戦記念日

    遊江 久大

  • 終戦日見せてもらえぬ祖父の傷

    長谷川加尾

  • 終戦記念日チキンラーメンはまん丸

    山羊座の千賀子

  • 寿司桶を濯ぐよ終戦記念日に

    鈴木 浮浮

  • 終戦記念日鉄臭き夜の千鳥足

    そよかぜシュレディンガー

  • マッチ箱焼べて八月十五日

    曇ゆら

  • 終戦記念日や愛犬と自撮りのバースデー

    蔦すみれ

  • 噛み切れぬ肉を噛みしむ終戦日

    夏山栞

  • 終戦記念日母の記憶の機関砲

    一港

  • 終戦記念日百億食のカップ麺

    空豆魚

  • 歪む腰伸ばしのれんを終戦忌

    豆柴

  • 敗戦日ひりつく風のへばりつく

    田口大寒六

  • 終戦日義祖母はモスをパンと呼ぶ

    みたまん

  • のっぺりと生き延ぶわれら敗戦日

    たいらんど風人

  • 小雨来る終戦記念日の花束へ

    そまり

  • 終戦記念日なかなか落ちない水滴

    滝澤凪太

  • 終戦日社説二本の力こぶ

    愚老

  • 「あがん良か服誰も着とらんやった」とドラマへ祖母の終戦日

    清松藍

  • 終戦記念日や白い庭には子らの声

    成瀬 朽木

  • バス停に朝の影無し終戦日

    鳥見山歩人

  • 終戦日黙祷を終へカップ麺

    地球人

  • 特別弔慰金の転給通知終戦記念日

    一寸雄町

  • 岡持を傍へ黙祷終戦日

    高尾一叶

  • 敗戦忌味付けのりのへこたれる

    猫ふぐ

  • 千年の戀のうた百年の終戦記念日

    沢拓庵◎いつき組カーリング部

  • クレパスの水色優し終戦の日

    すがのあき

  • 終戦日サヘル・ローズの由来知る

    どうえんこえみ

  • 捨てきれぬ終戦記念日のラジオ

    中島走吟

  • 空の青父の見た蒼終戦日

    八幡風花

  • 終戦記念日レモンケーキと姪の手記

    りえ

  • テレビの聞こえる距離に遊ぶ子終戦日

    梅路みね

  • 万国旗の堕ちてゆく影終戦日

    伊藤ペンタ郎

  • 終戦日迷惑メールは20件

    吉田 研究所

  • 寝かせればすぐ泣く赤子終戦記念日

    平としまる

  • 終戦日父のマラリア後遺症

    霧 澄渡

  • 終戦記念日パンダのいない動物園

    みみみ

  • 終戦記念日虚ろなる快晴

    宮原渓秀

  • はためく終戦記念日のカーテン

    ムシ・ミカミ

  • 終戦記念日キャンバスに厚く群青色

    細木さちこ

  • のど仏ぐるると水を終戦忌

    稲川ほろろ

  • 終戦記念日潰しただけのダンボール

    梵庸子

  • 轢死の猫埋めて終戦日の黙祷

    水須ぽっぽ

  • 埃なき書架の一隅終戦記念日

    明後日めぐみ

  • 終戦記念日サンルーフの蜂出られない

    森野みつき

  • 切るために終戦記念日の折目

    関津祐花

  • 畳には猫の爪痕終戦日

    立山穂高

  • 手アイロンにパンとシャツ干す終戦日

    まろのり

  • 床の間の隅には碁盤終戦日

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 終戦記念日にヒップホップかよ

    日向こるり

  • 葛湯めく風や終戦記念の日

    多数野麻仁男

  • また買った値引き洗剤敗戦日

    まるにの子

  • 消し跡の皺の硬くて敗戦日

    トウ甘藻

  • 目覚めれば天井がある敗戦忌

    雷花

  • 終戦日防空壕の残る街

    そぼろ

  • 終戦記白木の箱に潮の香

    せいち

  • 背を向け記す終戦記念日のテレビ

    しみずこころ

  • 終戦記念日飲みたいときに飲める水

    泗水ハオ

  • 敗戦日武人埴輪は玻璃の中

    小林土璃

  • 終戦記念日義足カバーの黒眩し

    千代 之人

  • 終戦記念日ごみ収集の回覧板

    白石美月

  • うそ白く凝るかんてん終戦日

    内田こと

  • 終戦忌空電に死す神の声

    喜田紫陽

  • 終戦記念日雲は自由に伸び上がる

    花南天anne

  • 深爪のずくずく痛む終戦忌

  • 八月十五日オケの音響く大浴場

    玉野汐音

  • 骨片に晒され大河へ終戦日

    黒木しるこう

  • 白昼の立ち並ぶかげ終戦日

    沖乃しろくも

  • 白い鳥ただ上へ上へ終戦記念日

    赤尾双葉

  • 馬ヶ背の岩端の苔終戦忌

    海越ももか

  • 終戦忌惜別の歌くちずさむ

    欲有学 阿部

  • 神妙な空気つてやつ敗戦日

    海音寺ジョー

  • 山河あり陸士生父の終戦記念日

    渡延 音珂

  • リーバイス叩いて干して終戦日

    平野芍薬

  • 差し歯差し替えて八月十五日

    小公園噴水

  • 勝者は新たな戦さへ終戦記念日

    高原としなり

  • 母国語は母音がきれい終戦日

    清水縞午

  • 浅黒きうなじ刈る終戦記念日

    香田 野分

  • 中吊りの劇しき色や敗戦日

    百瀬一兎

  • 終戦記念日戦争映画を二つ見る

    円谷琢人

  • 終戦記念日というバケモノ夢うつつ

    鶴富士

  • 終戦日繰り返す鬼の臭うかな

    渡辺 小豆

  • レゴの銃作りて子らの終戦日

    寺嶋杳杳

  • レプリカの「赤紙」展示ケースの終戦記念日

    あま門

  • 敗戦日父のはなしもわすれけり

    わたなべ☆いつせい

  • 砂利全て突つ伏すかたち終戦日

    多々良海月

  • 食べかけのパンを包むや終戦記念日

    大地緑

  • 終戦記念日みづがきらいと母ポツリ

    如月 ゆう

  • 一欠片の息衝く終戦記念日

    吽田のう

  • スーパーの曲ピタと止む終戦日

    渡邉 俊

  • 終戦記念日の箪笥に敷いた記事「転進」

    和住 緋弧

  • 虚空睨む黒い太陽終戦日

    鹿達熊夜

  • 快晴の配達のピザ終戦記念日

    久えむ茜咲

  • 終戦日掛け直したる釦かな

    海沢ひかり

  • 地下街に迷ふ終戦記念の日

    GONZA

  • 敗戦日お子様ランチの旗深く

    山根もなか

  • 歳月に匂ひありしか終戦日

    坂口いちお

  • 赤といふ色は拭えぬ終戦日

    高橋風香

  • 焼け跡に裸足の母の終戦日

    Nakahara結月

  • 休耕田鍬振り下ろす終戦日

    枝葉

  • 醒めて飲む薄いコーヒー終戦日

    白倉黄鶺鴒

  • 終戦記念日ラヂオじゃあじやあ空に穴

    紫水晶

  • 終戦日遺影の伯父は好青年

    野州てんまり

  • 終戦日底のへこんだ金盥

    ピアニシモ

  • 雲のかたちしづかに変はり終戦日

    可笑式

  • 終戦の日にも特攻十一機

    ⑦パパ・いつき組広ブロ俳句部

  • 今日は終戦日今日はアンスリウム

    まるかじり

  • 終戦記念日みあぐる空のまつたひら

    愛燦燦

  • 終戦記念日永遠に姫路城の真白

    東原桜空

  • 終戦記念日人類こそが外来種

    コモドドラゴン

  • 人類の取説を編む終戦日

    椿 佳香

  • 二〇四五年寝目の八月十五日

    三浦海栗

  • 健気とは定時の市電終戦忌

    狷狷亭猩々

  • 敗戦忌薬缶音たて煮え滾る

    佐川碧

  • 終戦記念日鳥食い残す蝉の翅

    千曜 桜

  • 終戦忌フェアトレードのチョコレート

    ユキト

  • 貝になるなんて真っ平終戦日

    露崎一己句

  • 夢に見し象に餌やる終戦忌

    Kかれん

  • 標本に羽音残るや終戦日

    イガチョフ良一

  • 冷めているカレー八月十五日

    正雪

  • 教科書に放棄の文字や終戦日

    石川穴空

  • 明け方の終戦記念日熱だまり

    山本葉舟

  • 見ぬままの義父の軍刀終戦記念日

    福井桔梗

  • 風呂に浮くあひる八月十五日

    那乃コタス

  • 積み木積むおぼつかなき手終戦日

    砂山恵子

  • 牛丼の並盛り今日も終戦記念日

    わたり 和

  • #イマソラ雲のカタチ終戦記念日

    向日葵蜜柑

  • 蝿のごと打たれ屠らる終戦忌

    風友

  • 終戦忌煙は空へ太くなる

    本田ぜらちん

  • まなこ大きな老人の終戦記念日

    栗山おかか

  • シーツ庭に乾く終戦記念の日

    空乃さゆり

  • 敗戦日は母は黙って白湯を飲む

    芋 二郎

  • 地震の割れ跳ねたるバスや終戦日

    吉丈月子

  • 終戦の日サイエンスデイの子らよ羽ばたけ

    奈尾

  • 飯ラッパ後に黙祷の声終戦日

    たていし 隆松

  • 父もまた焼跡の子や終戦日

    中防美津子

  • 青空に時計がひとつ終戦日

    蜘蛛野澄香

  • 終戦日じいちゃんはサイレン嫌い

    雨戸 ゆらら

  • 石くれに母添ひ遂ぐや終戦忌

    らん丸

  • ラジオから流るるラップ終戦日

    高木音弥

  • 敗戦日愛と希望のアンパンマン

    リカ

  • 首筋に陽のじりじりと敗戦日

    伊藤 蒼邨

  • 黙に揉む術後の指や終戦日

    石塚碧葉

  • 思い出の思い出し方終戦忌

    藤鷹圓哉

  • 面談は正午をまたぎ終戦日

    碧萃生

  • 千羽鶴の指紋の温もり終戦日

    コタロー

  • 傾ぎたるファミリーツリー終戦日

    素数

  • 八十に栞を挟む終戦日

    富永武司

  • 微熱なる寝返り終戦記念の日

    うすい木蓮

  • 備蓄米売れ残りたる終戦日

    井伊ちこ

  • 大鍋のカレーを煮込む終戦日

    フージー

  • 終戦記念日有刺鉄線切る

    小島神泉

  • 閉じる眼を持つ咎痛き終戦日

    乙華散

  • 色ならば遠昔色とふ終戦忌

    神山すい如

  • 八月十五日みづの染み入る石地蔵

    刈屋まさを

  • 蔵の中軍靴見つけし終戦忌

    金治宜香

  • 供へたる恩賜の煙草終戦日

    あさのとびら

  • 熱浮かぶ幾度剥ぐ傷終戦忌

    青みどり

  • 終戦記念日ロボットの目はつぶらなり

    森葉豆

  • 恍惚となりて饒舌終戦忌

    徹光よし季

  • 引出しの中に国旗や敗戦忌

    糸川ラッコ

  • 終戦日赤紙貰ふミスド前

    月見柑

  • 終戦記念日砂土に吹く風壕朽ちて

    三島ひめばしょう

  • 終戦日ATMに人の波

    北五帆

  • エディブルフラワー挟みしパンを敗戦日

    源早苗

  • 鍵穴に光り差し込む終戦日

    石内宏明

  • 終戦記念日の夜に聴く米朝

    ねむり猫

  • 剥げ落ちた舵の持ち手や終戦記念日

    永田千春

  • AIや終戦記念日の痛み

    板橋とをし

  • 終戦日子らは河童探索中

    火星ラジオ

  • 流木や終戦記念日の夕陽

    いかちゃん

  • 終戦記念日の普遍なる朝日

    伊予吟会 宵嵐

  • 拓本に写らぬ深傷終戦日

    伊予素数

  • 終戦記念日の路傍の石に影二つ

    青柳修平

  • 森の遺骨よ待つ終戦記念日

    野中泰風

  • 敗戦日薄荷ガキンと噛み砕く

    広島じょーかーず

  • 終戦日真空管のあるラヂオ

    北田立緒

  • ヘリ迫り来て過ぎ行ける敗戦日

    酔下弦

  • 仏間から消えぬラヂオや終戦忌

    辻 花和音

  • 敗戦忌鮫の肝油二つ三つ

    空木眠兎

  • 豆炒れば小さく爆ぜたり終戦日

    鶴小なみ

  • 探しもの何かを忘れ敗戦日

    風蘭智子

  • 終戦記念日や撚れたラップの不可逆性

    るびちゅ

  • 終戦記念日明日へと続く今日

    ももたもも

  • 終戦記念日はくちょう座の孤独

    呼幸

  • 歩行器や終戦記念日の段差

    鳥羽南良

  • 終戦記念日背もたれの遠い椅子

    魚田羊

  • ふやふやと浮かぶえび天終戦日

    大黒とむとむ

  • まだ空は青だつたのか終戦日

    のんきち

  • 赤錆びし錨鎖八月十五日

    黒田細道

  • 終戦記念日紙で切った指が痛い

    白沢ポピー

  • 終戦記念日ジャングルジムに火傷

    小鳥ひすい

  • バス停にカタカナの文字終戦日

    春野ぷりん

  • 仏間の隅に母終戦記念日

    響楽境

  • 終戦は短き休暇終戦忌

    桃香

  • 戦なき日々賜りし敗戦忌

    為参

  • 飼い主の仲を取り持つ終戦日

    林 和寿

  • 語りべは而立終戦記念日来

    太井 痩

  • 悔恨を遺言となせ敗戦日

    帷子川ソラ

  • 終戦日角は斜めにしか行けぬ

    斉藤百女

  • 黙祷は誰より長き終戦日

    池田  凜

  • 乱周波終戦記念日の真昼

    冬乃子

  • 海外ニュース消して終戦記念日よ

    沙那夏

  • ネットから旅券申請終戦の日

    高辺知子

  • 終戦記念日大屋根リングの闇走る

    ちびつぶぶどう

  • 終戦日一句詠むのも祈ること

    つぶ金

  • 献杯や愚痴るたられば終戦日

    橋野こくう

  • トー横の濁や八月十五日

    中原柊ニ

  • 朝刊の太き活字や終戦日

    きべし

  • 終戦記念日なほ口閉ざす貝

    野瀬藻石子

  • 道端に鳩の亡骸終戦忌

    海野老海鼠

  • 潮よれて海の騒つく終戦日

    みのやん

  • 昭和とふ国家の忌日終戦日

    伏見丹耶

  • フォカッチャの穴や八月十五日

    あらい

  • 黙祷の背の骨ばりて終戦の日

    高本蒼岑

  • 兵役を免除八月十五日

    杉森大介

  • 肉反すトング捌きや敗戦忌

    ふゆの都々逸

  • 轟轟と室外機群敗戦忌

    秋津穂 実

  • 流木の記憶終戦記念の日

    花はな

  • 骨箱に南方の風終戦忌

    円美々

  • 終戦記念日黙祷の吾を覗く吾子

    小室雅俊

  • 終戦日ゴム鉄砲でも痛いのに

    くすみ輝く

  • 終戦日防空壕の在りし庭

    寺木 風宣

  • 盥よりあふるるみづや終戦日

    でんでん琴女

  • 木成りの実ポトン八月十五日

    中山月波

  • ネットで知る終戦日戦火のリロード

    弓田 孝高

  • 始まりも終わりも勝手終戦記念日

    猫山野ムベ

  • 終戦記念日産科病棟の灯

    足跡新太

  • 皆がゐて終戦の日の昼餉かな

    みらんだぶぅ

  • バーガーに歯型八月十五日

    爪太郎

  • 町の字の抜けをる住所終戦日

    夏迫杏

  • 終戦記念日というブラツクホール

    酔蚊眼

  • 飛行機雲紅く終戦記念日

    栗田 もとえ

  • 墓に水流れしみ入る終戦日

    中田邦光

  • 終戦記念日無敵の母の声細し

    福間薄緑

  • 句点打つ終戦記念日の空に

    松田迷泉

  • 街歩くタトゥーの四肢や終戦記念日

    クラウド坂の上

  • 冥婚の叔父は十九よ敗戦忌

    天道虫

  • 終戦日手の甲は塩味がする

    足立智美

  • 終戦の日のもつ焼きの塩っぱくて

    Q&A

  • 敗戦忌十九で母となりし祖母

    大久保加州

  • 終戦記念日ホールケーキの蝋垂れぬ

    丹波らる

  • 終戦記念日痛打遊撃手へ

    雪さやか

  • ラヂヲより神の声聞く敗戦忌

    空井美香

  • 終戦記念日折鶴の羽透けてをり

    千・いつき組広ブロ俳句部

  • 終戦記念日アドバルーンは揺れてゐない

    かときち

  • 夢けずりし敗戦の日空青き

    原貼女

  • 足下罅草ぐさ出づる終戦日

    森きやつか

  • 杭打ちの音や八月十五日

    田村利平

  • 終戦日ひばばは教師だったらし

    むさし野まさこ

  • 高く高く終戦記念日の雲

    くみくまマフラー

  • 丸刈りの母隠されて敗戦日

    風花まゆみ

  • 鉛筆の芯折れ抜けし終戦日

    坂本梨帆

  • 終戦記念日非常用羊羹を食ふ

    楽和音

  • 旗のごとタオル干しあり終戦日

    虹岡思惟造

  • 海からの砲弾止まず終戦日

    増本空ふね

  • 教室に机四十敗戦忌

    平本魚水

  • 星空や鳥葬されし終戦日

    安曇 平

  • 一筋耕して終戦記念日

    宇野翔月

  • 裏表ニ折リタル鶴ヨ終戦日

    赤尾てるぐ

  • 猫フゥと吾に言ふ終戦記念日

    坂本宙海(そおら)

  • 鉄棒の苦手な兄や敗戦忌

    伊集院紅緒

  • 長押より語らざる笑み終戦日

    ぶうびい

  • かさぶたの痒き八月十五日

    佐藤さらこ

  • 終戦日えんぴつの芯尖らす

    どせい舎

  • 終戦記念日逢魔が時の墓誌

    中津川聖翠

  • 空重き静謐終戦記念日

    河野灰土

  • 終戦記念日記憶が有りません

    いなほせどり

  • 終戦記念日ゆったり鳩は餌を喰む

    空木

  • からっから終戦の日のビオトープ

    登盛満

  • 雉鳩のデ・デ・ドウスル?と終戦日

    鈴白菜実

  • リセットの利かぬ戦争終戦日

    田辺富士雄

  • 終戦記念日この先カーブあり注意

    小手川とし

  • 撫でられし手のみ覚ゆる終戦忌

    山口絢子

  • 終戦記念日黙祷のあと洗う皿

    立石神流

  • 煤けた欄干の橋を踏む終戦記念日

    白井佐登志

  • 爪先へ力八月十五日

    東山すいか

  • 「正午黙祷」壁に貼る終戦日

    伊藤なお

  • 旧仮名で書かれし日誌終戦忌

    堀口房水

  • 血沼の海凪ぎなぎて終戦記念の日

    三木青猫

  • 目と耳と口と鍛えて敗戦日

    みやざき白水

  • 祖父の目は吾に似ていたか終戦日

    たかはしゆう

  • 知らぬ子のちさき遺影や終戦日

    平手打チメガネ(志村肇)

  • 敗戦忌カレーうどんにシャツ汚す

    タケザワサトシ

  • ひとがたのふいに沈めり終戦日

    つくばよはく

  • 終戦記念日渋滞つづく墓の道

    まりい木ノ芽

  • 終せん記ねん日いのちの色は手のひらだ

    寺尾ロゼッタ

  • 終戦記念日や大日本てふ語彙

    和泉穣

  • 消毒の匂ふ御不浄終戦日

    まるちゃんにいさん

  • 刃を持ちて渡す鋏や終戦日

    となりの天然水

  • 脛肉の灰汁取りつづけ終戦日

    猪倉さえこ

  • その日より敵機と呼ばず敗戦日

    宮川武久

  • ハモニカのファ揺らぐ終戦記念日

    渡部克三度

  • 終戦日握り拳に尖る骨

    葦屋蛙城

  • 終戦記念日窓ヨリ光出ヅ

    東沖和季

  • 飯粒を拾ふ八月十五日

    椋本望生

  • コンドルの羽黒ぐろと終戦忌

    松田寛生

  • 戦後派で終戦記念日ぴんと来ず

    隆栄

  • 終戦日口内炎に塗る薬

    土井あくび

  • 終戦記念日手動扉のエレベーター

    さ乙女龍チヨ

  • レジ打ちはミャンマー学徒終戦日

    木村弩凡

  • 終戦日出口を探す夢を見た

    満嶋ハト

  • コンビニスイーツ買って帰る終戦記念日

    羅蒐

  • 声がする終戦記念日の広場

    広瀬康

  • 神風のしづか八月十五日

    西田月旦

  • 遺影の祖貝汁手向け終戦日

    清水ぽっぽあっと木の芽

  • 終戦記念日飲める水道水

    居並小

  • 終戦日のらくろ遺る亡父の書肆

    美竹花蘭

  • 空っぽの廊下終戦記念日

    大 広秋

  • 鶏小屋に卵がひとつ終戦日

    羊似妃

  • 終戦記念日大工の鎚の止みし昼

    迫久鯨

  • 蒼混じる空よ終戦記念日よ

    雨水 二三乃

  • 終戦記念日やケチャップポフォと果つ

    渥美こぶこ

  • 終戦記念日ひとのおろかの痣うずく

    楽花生

  • 敗戦日松脂採りし痕深し

    HNKAGA

  • 終戦記念日ウオノメに貼るスピール膏

    舟端たま

  • 腹減った話者繰り返す終戦日

    高木石塊

  • 白米の透き通る朝終戦日

    梅田三五

  • 畑ニ居テ終戦記念日ト知ッタ

    望月ぽん

  • 終戦記念日今朝の机を拭く仕事

    イサク

  • 母とちゃんぽん食む終戦記念日

    どこにでもいる田中

  • 写真のみ父知る夫の終戦日

    国東町子

  • 終戦日煤けし碑銘湿らせて

    福田みやき

  • 正面は多機能トイレ終戦日

    岬ぷるうと

  • 静まりて正午の時報敗戦忌

    櫂野雫

  • 飽食の終戦記念日シャバダバダ

    日月坊

  • 終戦記念日蠍座は蠍座のまま

    拙珂知

  • 孫撫づる義手と終戦記念日を

    ペトロア

  • どの雲で終戦記念日包まんや

    濱野 五時

  • 終戦日折りたたみ式朝礼台

    髙橋花紋

  • 野に座金ひらふ八月十五日

    帝釈鴫

  • 終戦日祖父に弾痕かくす癖

    謙久

  • 終戦日戦車の影を踏みて過ぐ

    藤本 仁士

  • 大日本國防婦人會たすきが祖母や敗戦忌

    儚子

  • 抱き合えば二足歩行の終戦日

    感受星 護

  • 終戦記念日回転寿しの欠けた皿

    東田 一鮎

  • 剥げゆきし記憶の記録終戦日

    今林快波

  • 終戦記念日赤信号が長い

    十月小萩

  • 丁寧に生きて八月十五日

    あまま

  • 終戦記念日割れ鍋に火蓋

    田中かつら

  • 黙祷の売り子の背中終戦日

    くずもち鹿之助

  • 終戦記念日迎えし船上の祖父

    なつめモコ

  • 神官めく敗戦の日のスカイツリー

    長谷川水素

  • 終戦日盤上の隅取られをり

    坂本雪桃

  • わだつみの声を聞かずや終戦日

    北斗星

  • 遺骸背に待つ列長し終戦日

    坂土海夏

  • 死の死の果てに生あり終戦の日

    縞ふみ

  • 終戦記念日轟轟過ぐる街宣車

    竹田むべ

  • 兄さんはいつもヒーロー敗戦忌

    葉月庵郁斗

  • けん玉を右に左に敗戦忌

    渡邊春生

  • スーパーのチラシ満載終戦日

    喜多丘一路

  • 太陽が尖る八月十五日

    千葉信子

  • 首のない鶏走る敗戦忌

    余田酒梨

  • 海無くて海を見ている終戦日

    田邉真舟

  • 母逝きて歌声残る終戦日

    宇都宮千瑞子

  • 終戦日甘さ控えめがすぎるモカ

    香山リカ

  • 終戦記念日虫の交尾を見てゐたり

    野原茉莉

  • 終戦記念日のゴミ捨て場きれい

    沢胡桃

  • 「無事です」と終戦記念日を叫ぶ

    蜥蜴の尻尾

  • 終戦日食う寝る遊ぶ立ち止まる

    品川雅史

  • 三猿を飼うて善良終戦記念日

    靫草子

  • 紙鉄砲を空に八月十五日

    さとう昌石

  • 折り鶴の祈りの傷よ終戦日

    中島 紺

  • サーベルは三つに折られ終戦日

    ののはな誉茂子

  • どの家も水を響かせ終戦日

    大和田美信

  • 終戦日ケンちゃん慕う母も亡き

    辻󠄀勢

  • 終戦日だんだん崩れゆく果実

    縄田ゆみこ

  • 上映の合図の無線終戦日

    立川猫丸

  • 嗚咽後の胸の高鳴り終戦日

    立歩

  • 終戦記念日振り続ける竹刀

    京野さち

  • 敗戦日且つ記念日の蠅たかる

    葉ざくら

  • 終戦記念日独身歴更新

    三河三可

  • 星ぼしの照らすのこり火敗戦日

    まー坊

  • 終戦日煮汁の薄い煮物かな

    リーガル海苔助

  • ガタタンと棚のはずれし終戦日

    鈴木来穂

  • 議事録の中点終戦記念日

    中村すじこ

  • 終戦日褥瘡の処置もうひとり

    横山ひろこ

  • この砂に声の眠りや終戦日

    清水美沙

  • 戦死者のみな歌いだす敗戦忌

    武田豹悟

  • 敗戦日父走書きの満洲国

    虎の尾

  • 雷管の除去現場なり終戦日

    紫鋼

  • 終戦日人間の影薄くなる

    宗平真実

  • 膝痛の従姉妹どうしや終戦日

    村上薫

  • ハーシーチョコレート苦し敗戦忌

    咖喱亭 章之輔

  • ビルはみな墓標と化して終戦日

    剛海

  • 終戦記念日もんぺ姿のコーヒー屋

    み藻砂

  • 終戦日父飯盒に釣餌入れ

    野の菫

  • 蛹からちりちりの羽終戦日

    立田鯊夢

  • 終戦日かもめは空を高くして

    家古谷 硯翠

  • 終戦日未来へ「ヒール・ザ・ワールド」

    橋大(きょうだい)

  • 終戦記念乾ききった土くれ

    はまゆう

  • 腥き市電八月十五日

    玉家屋

  • 終戦日「こうの史代展」は初日

    だがし菓子

  • うれしくて川へ走った終戦日

    伊藤順女

  • 敗戦日生まれの兄に『光』の名

    松風花純

  • 相席のひとの黙祷終戦忌

    柳絮

  • 落ちてくる空の真白き終戦日

    市橋正俊

  • 終戦日草木は既に伸び始む

    むじーじ

  • 亡き人の思ひ囂々終戦忌

    花水木

  • 敗戦日硝煙の影迫りけり

    橋眞風

  • 丁寧にボールキャッチす終戦日

    花彼岸

  • 乳歯飛べ終戦記念日の空へ

    斉藤立夏

  • 萎る供花荼毘ごと燃えて敗戦忌

    アーモンドよーせい

  • AIの声に抑揚終戦記念日

    おおきどくん

  • 千代田区のはしつこに居り終戦日

    土井あつあげ

  • 胎動よ終戦記念日の晴れ間

    細田裡子

  • 終戦記念日一粒の米星のごと

    一久恵

  • 杖捨てて海に敬礼敗戦忌

    風かおる

  • スポーツ欄ばかり読む子や敗戦日

    火炎幸彦

  • 青インクにじむ手跡よ終戦日

    柚子こしょう

  • 終戦日叔父の軍歴謎のまま

    さぶり

  • 父詠みし句に終戦日ついになく

    大久保一水

  • 大き具の終戦記念日のカレー

    千の葉

  • 老衰は死語になりけり敗戰忌

    三高 姫

  • ボトルメール放つ終戦記念日に

    ちょくる

  • 終戦記念日同級生の火傷跡

    百日紅

  • 終戦日家中の灯を父は点け

    やっちゃんち

  • ザクザクと珊瑚の島を終戦日

    まぐのりあ(蚊帳のなか)

  • 実家にはニ基の墓碑あり敗戦日

    近藤マタネ

  • 終戦忌押し寄せるべきかなしみか

    泡沫とわ

  • ゲーム機に長蛇の列や終戦日

    百瀬はな

  • すぐ伸びる爪のくやしき終戦日

    矢橋

  • 木も石も人にならひて終戦記念日

    佐藤 位相朗

  • 米を研ぐ母の手止めし敗戦忌

    acari

  • 終戦日ハッピーターンの粉なめて

    剣橋こじ

  • 終戦記念日語り部の「島唄」

    裕月 遥

  • 終戦忌手を丸めればくぼむ風

    高遠見上

  • 終戦記念日尖つた墓石の薄き文字

    犬井山羊

  • 殺人のニュースの流る終戦日

    菅原ゆう

  • 献杯を生のバーボンで敗戦日

    森一平

  • 過去帳に聞かぬ人の名終戦忌

    河内の水無月

  • 終戦記念日地球が灼けている

    大久保 一彩

  • チェロ唸る終戦の日の無伴奏

    空山プラネタリウム

  • 塾のロゴ背負ひて子らの終戦忌

    中井無心

  • 太田川土手にしゃがみこむ終戦の日

    西成なほ

  • 泣き出した子の頬熱し終戦記念日

    千葉右白

  • 防空壕へ飛び来る父や敗戦忌

    風の鳥

  • 終戦日被爆電車に語り部と

    小田毬藻

  • 敗戦日しばらくは雨ふらぬとふ

    男鹿中熊兎

  • メガホンうるせえ八月十五日

    筒井らんぷん

  • スケートボード「勝つぞ!」と記す終戦日

    一条春枕

  • 終戦記念日スタバの席の空くの待つ

    北大路京介

  • 松山の城の石がき敗戦忌

    君塚美蕉

  • 終戦日シンクに落つる米抓む

    川越羽流

  • 敗戦日被爆マリアの眼の惣闇

    なかおくじら

  • 終戦日網に打ち上げらるる鳥

    麦のパパ

  • 吾を抱く母はモンペや終戦忌

    コーノ凡士

  • 古書市のサイレン終戦記念日

    戌の箸置

  • 終戦日空はただ空海はただ海

    紅のジーナ

  • 眼刺す閃光白く終戦忌

    和泉明月子

  • 終戦の日やどちらでもないに〇

    愛の花

  • 終戦日の影に乾かすカメオかな

    山田蚯蚓

  • 終戦記念日ざら紙にかく父の顔

    こみや ふるる

  • 終戦記念日口内炎に血の匂い

    内田ゆの

  • 子を産むと決めた終戦記念日に

    閑 雅美

  • 終戦記念日母へ大陸から手紙

    無弦奏

  • 手も出せぬこけしの笑みや終戦日

    森 佳月

  • 恍惚の老つぶやくや終戦日

    月影 重郎

  • 飯盒の蓋に歪みや終戦忌

    水無月 八子

  • 反転は一気終戦日のオセロ

    北村 環

  • 陸と海がある終戦記念日の硯

    織部なつめ

  • 終戦日私の洞を覗き込み

    南波すみ

  • 終戦日どろにまみれた少佐像

    風早杏

  • 双翼の墓石八月十五日

    棗椰子(なつめやし)

  • 人を殺し了へて八月十五日

    ま猿

  • 要塞の錆びて眠れる終戦忌

    おまち 草

  • 荷造りの手早き祖母の敗戦日

    沖庭ノ華風

  • 自販機の水の美味さや終戦忌

    暦文

  • 小さき手に白き折り紙終戦日

    小野陽笑

  • 言問を歩いて渡る終戦忌

    たこ山焼之輔

  • 終戦日折れしバットの中真白

    亘航希

  • 終戦記念日のグラウンド白し

    鳥田政宗

  • 父方のおじ皆天パ終戦日

    秋月

  • 生乾きの歴史終戦記念日

    暇禍

  • 年下の曽祖父の勲記終戦日

    中島満足山

  • 終戦日昼餉のうどん伸びにけり

    金子泰山

  • 護国寺の松の影濃し敗戦忌

    る・こんと

  • 終戦記念日被爆の身は日常

    夏目あかり

  • 図書室の絵本の中の終戦日

    山尾政弘

  • 終戦日折鶴なくて菊もない

    メディックス水越千里

  • 敗戦忌「原爆の図」の赤と黒

    西丘 信

  • 終戦記念日エアコンのない音楽室

    岬りこ

  • 敗戦日タクシーは病蓐の匂ひ

    たーとるQ

  • 上顎があった誰かの終戦日

    亀山酔田

  • 終戦日悲しき歌ぞ流行りける

    永井無々

  • きつと僕らは優しくて終戦の日

    狩谷わぐう

  • 雲の無き終戦の日の茶碗蒸し

    加藤ねずみ

  • 6+9=15日終戦日

    杉柳才

  • 敗戦日地下鉄はシェルターだった

    虎有子

  • 終戦の記念日特攻服の父

    小田慶喜

  • 終戦日君に未来は見えますか

    かんこ鳥

  • 瘡蓋のにほひ終戦日のHOPE

    木公男8888

  • 警報のような耳鳴り終戦忌

    栞虫かじり

  • 音のなき航跡終戦記念日の

    月岡方円

  • 飴玉の甘み八月十五日

    神谷車林

  • 飲み干せば鮮青八月十五日

    麻中蓬子

  • 年金日通帳覗く終戦記念日

    祐 紀杏里

  • 曾祖母の諦念ひとつ敗戦忌

    かぬまっこ木ノ芽

  • 終戦記念日呉の消印掠れけり

    チームニシキゴイ太刀盗人

  • 敗戦日動かぬ虫に蟻群るる

    竜眼ジジ

  • 潤みて八月十五日のラヂオ

    みなみはな

  • 千羽鶴糸に繋がり終戦日

    宥光

  • 満床の新生児室終戦日

    日永田陽光

  • 終戦記念日釣り合はぬシーソー

    播磨陽子

  • 大筆の墨滴るや終戦記念日

    あが野みなも

  • 鍬休め義足休めて終戦日

    加藤多作

  • 児の肌は清ら終戦記念日

    道歩

  • 祖母が咲く丘へ終戦記念日に

    酒井おかわり

  • 救急車の点滅追いかける終戦日

    舟御前deノエル

  • ドローンの描くハートや終戦日

    藍創千悠子

  • 地下壕を遺す校舎や終戦日

    浅乃み雪

  • バスマット掲ぐ終戦記念日に

    イシデ電

  • 夕陽背に終戦記念日土に浸む

    松岡徘徊狂人

  • 黙々と靴磨く八月十五日

    新森大大

  • 過去を飛ぶひこうき雲や終戦日

    乃の

  • 零戦のプラモ眺める終戦記念日

    今乃武椪

  • 終戦日崩崖あらわ防空壕

    三群梛乃

  • 呵呵燦々終戦記念日のラジオ

    島田雪灯

  • 急募。終戦記念日の留め方

    外鴨南菊

  • 終戦記念日焦がさずに巻く卵焼き

    鳥乎

  • 終戦記念日ToDoリストの澱み

    安溶二

  • 終戦記念日分娩空白市町村

    幸田梓弓

  • 凸凹なクレヨンの列終戦日

    慈雨

  • 雨靴の足跡永し終戦日

    槇原九月

  • 終戦記念日の夜の抽選会

    西瓜頭

  • 終戦日緋色の花粉つまみたる

    松坂 コウ

  • 敗戦日走りつづけるモルモット

    ノセミコ

  • 終戦日貝になりたる人の影

    郡山の白圭

  • 青空へムビチケ翳す終戦日

    栗花落カナヲ

  • 命日さえわからぬ祖父や終戦日

    風谷エクレア

  • 子へ贈るダイヤのピアス終戦忌

    満る

  • 積み上がる終戦の日の寿司の皿

    健央介

  • 終戦記念日みんな無言の団子汁

    仲 操

  • 敗戦日Nikonはいつも気高くて

    蘭丸結動

  • 特攻の兵士の文字や終戦忌

    中村あつこ

  • 砂利踏む音柔し終戦記念日

    ほのぼぉの (蚊帳のなか)

  • 母親になれない地蔵終戦日

    城内幸江

  • 終戦記念日和製英語という捩れ

    鷺沼くぬぎ

  • 終戦の日や子等タグるタブレット

    田中みどり

  • サイレンの長き吐息や終戦記念日

    なしむらなし

  • 掘り当てし朽ち焼夷弾終戦日

    山田季聴

  • 終戦日四人兄弟食べ盛り

    横山三水

  • 亡き義父は衛生兵や終戦日

    どれみすみ

  • チョコレートやはし八月十五日

    えりべり

  • 終戦記念日チューインガムの薄っぺら

    朶美子(えみこ)

  • カンバスの余白を雲に終戦日

    つちや郷里

  • 終戦忌とぷんと温き水枕

    有村自懐

  • 終戦日デンモク続く反戦歌

    武 志望

  • サイコロの一の目ぽとり敗戦日

    六浦筆の介

  • 苔むした溶岩の森終戦日

    いたまき芯

  • 追い風や終戦記念日の合唱

    ふう兎

  • 終戦記念日路地裏の素うどん

    ことまと

  • 駅に人レクサスに人終戦日

    水京

  • 八月十五日に経血洗ふ

    小里京子

  • 終戦の日も女湯は姦しく

    坂 由美乃

  • おとついきのう終戦記念日あした

    蘂六

  • ほねのいろだらうかしゆうせんきのくもは

    四條たんし

  • 大正の女手ひとつ終戦忌

    ヒロヒ

  • 焼肉のけぶりに紛れ終戦日

    遊子眼鏡

  • 旧盆と終戦記念日のヒニク

    喜多 輝女

  • 終戦記念日ヌウと這い寄るシロイルカ

    江口朔太郎

  • 渡された小指の骨や終戦の日

    大和田よつあし

  • 終戦日アイスバインを食べに行く

    桃花

  • 食えぬ実を砕く差し歯や終戦日

    京有楽草

  • 終戦日流されていく小市民

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 匿名のやつは終戦日と爆ぜよ

    とき

  • 終戦記念日黙する父の背

    綺星 柳皇(佐東亜阿介改め境沢一千雄改め)

  • 終戦日移ろう街に座標軸

    町神

  • イノチトハコンナニカルイ終戦日

     ねこの☆さんぽ

  • コーラの缶握り潰して敗戦日

    大野美波

  • 電報です。空耳残る終戦日

    安達りんだう

  • 空缶を蹴とばし八月十五日

    那須のお漬物

  • 終戦日だれのものでもないわたし

    菫久

  • 干からびてゆく終戦の日の記憶かな

    檜鼻ことは

  • 金管の軽やかな風終戦日

    山海動静

  • 永遠に届かぬ無線終戦忌

    大谷 走郎

  • 下の子の喃語で起きる終戦日

    コーヒー博士

  • しづかなるそらの重みや終戦日

    沙一

  • 鳩はまだモノクロのまま終戦記念日

    綱川羽音

  • 大樹の蔭少年老いぬ敗戦日

    三崎扁舟

  • 終戦記念日英和辞典を家宝とす

    ろまねす子

  • 島唄や終戦記念日のラジオ

    季切少楽・いつき組広ブロ俳句部

  • 死者の眼のぽたぽた降るや終戦日

    菅田斑猫

  • 終戦記念日勝ち気な母の繰り言は

    摂田屋酵道

  • 終戦忌千人針に五銭玉

    嶺乃森夜亜舎

  • クエン酸ぐびり身体にしみる終戦日

    水野 寿香

  • 筆圧の残るメモ帳終戦日

    キッカワテツヤ

  • 進駐兵に抱き取られし吾終戦日

    つづきののんき

  • 終戦記念日の流紋岩の白さかな

    高田多寡太

  • 画一なるリモコンのボタン終戦日

    北藤詩旦

  • 白米の真白な匂い終戦日

    染野まさこ

  • 終戦日ミサイル着弾ニュース観る

    ニッシャン

  • 終戦日背中に残る火傷跡

    加藤水玉

  • 終戦記念日おつとめ品のトマト熟れ

    風薫子

  • 瘡蓋を無理遣り剥がす敗戦忌

    高田杏

  • 犬死と嘲る教師終戦記念日

    浜 友輔

  • 山にまだ砲台跡や敗戦日

    君島笑夢

  • 分かりませんと呟く敗戦の日

    山川土時

  • 人類のぼんやり怖し終戦記念日

    独楽

  • ハッカ飴は白きたましひ終戦日

    碧西里

  • 終戦記念日はみみずを食べた日

    乏硯

  • 終戦日父のケロイド膿んでおり

    藤本秋蝶

  • 制服のズボンの折り目終戦日

    渥美 謝蕗牛

  • 終戦記念日喧嘩せず過ごしけり

    ぐりぐら京子

  • 終戦日百歳翁の大放屁

    阿部はる

  • 終戦記念日コンビニ弁当チン

    仮名鶫

  • 遺影抱く終戦記念日雲一つ

    杉岡ライカ

  • 高梁飯赤飯かと終戦日

    千葉睦女

  • 乳の出の悪き母なり終戦日

    どいつ薔芭

  • 清拭で済ませ寝につく敗戦忌

    遠山比々き

  • 玉砕に餓死も含みぬ終戦日

    青星ふみる

  • 終戦日胃へ暮れてゆく煙草かな

    もりさわ

  • 鶏の頚捩づる男や終戦日

    楓摩ゆみ

  • 中腰で合掌敗戦記念日

    川蜷

  • 丹田へいただきますと終戦日

    藤白真語

  • 梵鐘の無き鐘楼や敗戦忌

    阿蘇の乙女

  • ばあちゃんのてんてん手まり終戦日

    せんとう一波

  • 欠伸して終戦記念日の胎児

    板柿せっか

  • 終戦記念日十五の父の一人の夜

    やまもと葉美

  • 針のなき釣り糸たらし終戦忌

    霜川このみ

  • 貝の口開かぬ八月十五日

    佐藤ゆま

  • 父の名はいくさの匂ひ終戦日

    神楽れもん

  • 終戦日朝市の花仏壇へ

    越中之助

  • 終戦記念日刻字を埋める繭の殻

    豆はな

  • 終戦記念日忠魂碑に罅

    犬淵貉

  • 終戦記念日バック・トゥ・ザ・フューチャー三部作

    ほしのり

  • 壊されし像の台座や終戦忌

    浅井カバ先生

  • 磨硝子濡らす八月十五日

    落句言

  • 気象図の高波注意終戦記念日

    ウロ

  • 終戦日虚空を巻ける象の鼻

    翡翠工房

  • 亡き父の本かど黄ばみ終戦日

    清水千種

  • 終戦記念日敗者にも青空

    陽光樹

  • 終戦記念日の卵の薄き殻を剝く

    苺井千恵

  • 終戦日みづのおもたき亀の鉢

    川代つ傘

  • 石鹸の匂ふ八月十五日

    ぎんやんま

  • 腹を見せしっぽ振る犬終戦日

    Early Bird

  • 終戦記念日崩落進む自然壕

    塩風しーたん

  • 終戦日ばかばか開く核の傘

    ナカシマスミリンゴ

  • 終戦日地球くらゐの砂時計

    海峯企鵝

  • 終戦日そろりキリコの影法師

    森井 三喜

  • 蒼穹の罅見えますか敗戦日

    森 毬子

  • ホースのつくる小さき虹終戦日

    藤井かすみそう

  • 悲しみの受胎八月十五日

    松本笑月

  • 終戦日今日も今日とて乳搾り

    秋野木吾

  • 顔役の腰の鍵束終戦日

    空地ヶ有

  • 水飲む手止める雲あり終戦日

    猫またぎ 早弓

  • 目を瞑るシャッター無音終戦日

    只野黙念

  • 終戦記念日始まりの日と祖母は言い

    一井かおり

  • 海の歌止まぬ草原終戦日

    満生あをね

  • ポタージュを祖父は一匙終戦記念日

    井田みち

  • 血の色の国旗幾流終戦日

    さとうナッツ

  • 終戦日祖父が教師を辞めた訳

    森中ことり

  • 終戦日国民等しく皆貧し

    横山山水

  • レコードの穴ずれている終戦日

    公木正

  • 終戦記念日多国籍学生寮

    松本こっこ

  • 祖父の工場閉づ終戦記念日

    白庵

  • 湿りたる燐寸の折れて終戦日

    駒村タクト

  • 終戦記念日放射線治療室ノ黙

    林廉子

  • 教訓Ⅰを聴く終戦記念日

    小木さん

  • 終戦記念日雲の命も愛ほしく

    紫檀豆蔵

  • おにぎりのひかりいただく終戦日

    冬野みち

  • 解らぬと言へぬ玉音終戦日

    黒猫かずこ

  • 積み木仕舞ふにひとつ足りない終戦日

    元野おぺら

  • 上面で了へし社会科敗戦日

    堀邦翔

  • 終戦記念日ころがる石の意志

    八田昌代

  • 終戦記念日じいちゃんの階級章

    ひでやん

  • 加州米終戦記念日の夕餉

    坂本 羊雲

  • 終戦記念日色褪せたる国旗

    陶笛有味音

  • 球場に耳をすませり終戦記念日

    ほしのあお

  • 終戦日紙飛行機にギアの無し

    金朋かいと

  • 終戦日鳴らす手に寄る瘤白鳥

    青居 舞

  • 水浴びて土の香るや終戦日

    大関 邦友

  • のんきなる兄のウクレレ終戦日

  • 「大義とは」終戦記念日は映画

    ぱんだ社長

  • 鉄拳の父は黙して終戦記念日

    智幸子

  • 仏壇に見知らぬ遺影敗戦忌

    佐久凡太郎

  • 終戦の日平和について四百字

    信濃のあっくん

  • 終戦日立礼席で茶を立てる

    恵翠善

  • 老翁の背の弾痕や終戦記念日

    どすこい早川

  • ホノルルの海の群青終戦日

    井納蒼求

  • 閼伽桶に水をなみなみ終戦日

    黒澤墨青

  • 弾痕に語り部宿る終戦記念日

    斎藤三藤斎

  • 引出しの口紅おろす敗戦日

    西村小市

  • 持ち歌は軍歌ばかりや敗戦日

    吟  梵

  • 終戦忌弥勒世果報を唄います

    山中 あぎ

  • 校庭に頭擦り付け終戦日

    上村 風知草

  • のびてゆく終戦の日のかけうどん

    森 日美香

  • ウルホヘルアメフリタマヘ終戦記念日

    白神ハムサンド

  • 水漬くごと床に伏したり終戦日

    山内 負乗

  • 終戦記念日開聞岳の黙

    聞岳

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