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中級者以上結果発表 秀作
2025年3月20日週の兼題
風光る
【曜日ごとに結果を公開中】
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
風光るまだ風船でいたいガム
北野きのこ
選者コメント
夏井いつき
選
風船ガムを膨らませているだけなのに、この「ガム」は「まだ風船でいたい」のだという発想が面白いですね。風船ガムを膨らませるたびに春の風は光り、まだ風船でいたいガムは優しい風に抗ってふるふる揺れているのかもしれません。
ガスタンクの梯子はくの字風光る
北村 崇雄
選者コメント
夏井いつき
選
大きな「ガスタンク」には作業用梯子が取り付けられています。それが「くの字」だという小さな発見を、「風光る」という季語の力を信じて取り合わせれば十七音の詩になるのです。ガスタンクに当たった風も光りますね。
風光る港ピエロへ10セント
樹海ソース
選者コメント
夏井いつき
選
「風光る港」でワンカットの光景。そこから「ピエロ」という人物に映像は切り替わる構成が巧いですね。助詞「へ」によって、大道芸を披露するピエロに向かって「10セント」硬貨を投げる。まるで映画のワンシーンのような作品です。
風光るマルミミゾウの舐める塩
平本魚水
選者コメント
夏井いつき
選
生き物たちも当然塩分は必要ですから、塩を舐めるという行為になんの不思議もないのです。が、「マルミミゾウ」という名前の響きが可愛くて、季語「風光る」との取り合わせが絶妙。丸くて小さな耳で日本の春風を聴いています。
風光る小屋から子山羊また子山羊
蝸牛
選者コメント
夏井いつき
選
季語「風光る」に対して「山羊」を取り合わせた句は他にもありました。が、「小屋から~また」という措辞によって、「子山羊」たちの動きが描写されている点がいいですね。春の息吹に満ちた映像的な作品になりました。
ランナーへ水を渡す手風光る
ちょうさん
選者コメント
夏井いつき
選
季語「風光る」から「ランナー」を連想した句は他にもありましたが、「水を渡す手」に焦点を絞ったのがよいですね。ランナーの動き、渡す人の動き、飲み干す水、こぼれる水。その一瞬が活写された一句です。
山からの水噴く蛇口風光る
菫久
選者コメント
夏井いつき
選
噴水や蛇口から出てくる水と、季語「風光る」を取り合わせた句はかなりありました。が、「山からの水」がいいですね。冷たい山の水が引かれている「蛇口」。動詞「噴く」と「光る」が気持ちよく呼応しています。
フォワードはどこ風光るそこへパス
広瀬康
選者コメント
夏井いつき
選
ロングパスを見事にキープし、一気に敵陣へ攻め上がる展開です。「フォワード」の位置を探すコンマ何秒の判断。まだ誰も居ない「風光るそこへ」きっとフォワードは走り込んでくる。それを信じて蹴る「パス」の成否は果たして。
風光る故郷が違うサイの恋
芝歩愛美
選者コメント
夏井いつき
選
繁殖計画にのっとって「サイの恋」が演出されようとしているのです。「故郷が違う」二頭が、日本の動物園で出会い、恋をし、子孫を残そうとしている。その事実に、作者の心がハッと動いた「風光る」ある日です。
買手無き老船今日も風は光る
理酔蓮
選者コメント
夏井いつき
選
一向に「買手」の付かない「老船」の持ち主を思いました。かつては共に海を走り回った相棒のような船。「買手」の付かない寂しさと、まだ自分のものであるという安堵。「今日も風は光る」という措辞に、そんな思いが読み取れます。
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