俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2021年4月1日週の兼題

春暑し

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 翼を授けてください春暑し

    火炎幸彦

  • 暑き春子の蹴り飛ばす小石

    まるかじり

  • 春暑し「にんげんだもの」と呟きぬ

    蜥蜴の尻尾

  • けふもまた三食くらふ春暑し

    細木さちこ

  • 春暑し道路工夫の拭ふ空

    おにぎりと水筒と切符

  • 春暑し虫眼鏡なら紙燃える

    快晴ノセカイ

  • 心臓を風がぬるっと春暑し

    亀田かつおぶし

  • 生ゴミの袋重たし春暑し

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 春暑しのぼりくだりの錦帯橋

    香壺

  • 春暑し水路の水を汲む農夫

    瀬戸 薫

  • グラウンド均すローラー春暑し

    さくやこのはな

  • 立ち漕ぎのひらめ筋プク春暑し

    ティアラ文緒

  • 玄関のノブの感触春暑し

    一純。

  • 春暑しネクタイのラクダの模様

    伊藤辰弥

  • 春暑しフェンスにジャージ無造作に

    わかば萌

  • 春暑し眠気覚ましのカレーパン

    平松 ようこ

  • ハーレーの振動音や春暑し

    大江深夜

  • 自主勉強さぼって春の暑さかな

    鳥田政宗

  • ベーグルのはみでたチーズ春暑し

    くみくまマフラー

  • 春暑し牧野ぬかるむ発情期

    清水縞午

  • ネクタイに馴染まぬ首よ春暑し

    あずお

  • 春暑しバックヤードのレストラン

    ジョビジョバ

  • 春暑し闘病中の父遠し

    勉邪明

  • 春暑し野菜炒めの熱に飽く

    千曜 桜

  • 解体の重機の音や春暑き

    栗本リカ

  • 鉄棒の子の赤ら顔春暑し

    小島神泉

  • 帰宅部の奴らそそくさ春暑し

    田端 欲句歩

  • 大仏も慈眼細むや春暑し

    粋田化石

  • 傷の指にて繰る帳簿春暑し

    石井一草

  • 春暑し用水覗く子等寄りぬ

    黒木もとこ

  • 一度抜くファイバースコープ春暑し

    砂山恵子

  • 屋根裏に異国のお金春暑し

    ふぇるま

  • 春暑し四条木屋町人の群れ

    GONZA

  • 地獄蒸しプリン食べゐる春暑し

    すがりとおる

  • 春暑し抜歯の麻酔まだ解けず

    柚和

  • 春暑し東京駅の孔雀めく

    中田ひで

  • 春暑し運動靴の紐直す

    江戸川青風

  • 春暑しあんドーナツの油染み

    佐藤香珠

  • 春暑し青碧霞む水平線

    紫鋼

  • 回り回って回覧板に春暑し

    ドイツばば

  • 春暑し人の死告ぐる回覧板

    東太

  • 春暑し睨んで返す猫のひげ

    有田みかん

  • 春暑しひとり昼餉のテラス席

    上津嘉子 

  • ミャンマーにシュプレヒコール春暑し

    入口弘徳

  • 春暑し犬のよだれの長きさま

    大嶋メデ

  • 春暑し夕餉は地下のお惣菜

    岸 れん

  • 春暑し新人の名はたぶん菅(かん)

    西田武

  • 春暑し銀座嘗ての海の上

    君島笑夢

  • ペンギンの散歩のろのろ春暑し

    れんげ畑

  • すぐそこといはれて一里春暑し

    銀 次郎

  • 馬の背へひるむ一歩や春暑し

    薮久美子

  • カーナビは逆の指示出す春暑し

    山本 マユミ

  • 春暑し赤子の美しき糞の色

    かぬまっこ@木ノ芽

  • 樹木医の叩く木肌や暑き春

    とし子

  • 糠床に謀反の動き春暑し

    シュリ

  • 春暑し短く伸びし吾子の髭

    押川紫宗

  • 春暑しギブス固定の三週間

    きのと

  • すれ違ふ婦人と黙礼春暑し

    中里 蛙星

  • 春暑し大胸筋にやや厚み

    てまり

  • 御しがたき悍馬の手綱春暑し

    羊似妃

  • 終活はまだいいだろう春暑し

    辻村賀代

  • 窯出しの徳利の歪み春暑し

    しゅういずみ

  • 黒板の枠線薄れ春暑し

    南風の記憶

  • 検査値の上矢印や春暑し

    竹内一二

  • 新人の強化合宿春暑し

    燈穂

  • 海色の琉球グラス春暑し

    俳句ファイヤー立志@TFP句会

  • 打ち直しの布団屋さがす春暑し

    神山やすこ

  • 春暑し庚申塔の文字欠けて

    新濃 健

  • 待合の順番まだか春暑し

    峰 乱里

  • 春暑し老いて青春きっぷ手に

    鶴屋桃福

  • 春暑し管の詰まった砂時計

    ふもふも

  • 朝靄に町並み消えて春暑し

    小塚蒼野

  • 春暑しビニールカーテン越しの声

    地球人

  • 春暑し予防注射の犬を抱き

    たけぐち遊子

  • チェンソーを取り巻く声や春暑し

    北藤詩旦

  • 毎回にランナー出すが春暑し

    北川そうあ

  • 二巡目の朝礼当番春暑し

    苺井千恵

  • けふも聞く火災警報春暑し

    ひだ岩魚

  • 春暑し眺望レストランで麺

    西田月旦

  • ケータイはずっと圏外春暑し

    北大路京介

  • 贅沢はうちぬきの水春暑し

    琉璃

  • 春暑しサドルの高さ定まらぬ

    和泉明月子

  • ハングルを拾ふアンテナ春暑し

    藤 雪陽

  • ノーアウトランナー二塁春暑し

    イサク

  • 袖で拭き渡す携帯春暑し

    ぽんたちん

  • 宅配の人に律儀な春の汗

    夏の町子

  • ハムスターゲージ噛む音春暑し

    打楽器

  • 春暑し乳房に透くる青き筋

    宮武濱女

  • 春暑し環状線を連れまわし

    ひねもす

  • 春暑しどこへ飛んでくフリスビー

    はるく

  • 春暑し手庇に待つ青信号

    対馬清波

  • 靴底の外がすり減る春暑し

    ねむり猫

  • 春暑し段々畑に積む野石

    老人日記

  • 春暑しははは逆立ち祖母の家

    紅生糸

  • 小手翳す鏡面のビル春暑し

    こいぬ

  • 春暑しカヌー教室開講す

    秀田狢

  • 目薬をさす老犬の春暑し

    ウロ

  • 春暑し大人のおむつ嵩だかし

    伏見丹耶

  • 栄養剤鉢植えに挿す春暑し

    衷子

  • ハンバーガーいろいろこぼし春暑し

    福井三水低

  • 犬の舌だらり春なる暑さかな

    葉月けゐ

  • 春暑し十円足りぬ缶コーヒー

    羽衣

  • 春暑しよしあきくんになるバイト

    影山らてん

  • 春暑しパンツのゴムの弛みたり

    久蔵久蔵

  • パラパラ漫画はじめて止まり春暑し

    草臥男

  • 春暑し犬の欠伸につられけり

    平野孤舟

  • 春暑し喪服の家を通り過ぐ

    桃和

  • 春暑し舌の縺れる胸の焔

    原貼女

  • 磴道の先に境内春暑し

    青木豊実

  • 春暑し小屋の肥料も目覚めたリ

    れい

  • 春暑し夕日に映える洟垂れや

    友と歩くゾウ

  • 春暑し腱鞘炎のテレワーク

    江里口泰然

  • トースター分解そうじ春暑し

    まこも

  • 春暑し営業マンの黒スーツ

    若林鄙げし

  • 入院の重き荷物や春暑し

    はぐれ杤餅

  • 春暑し父繰り返す一語「馬鹿」

    夏 湖乃

  • 春暑し地球ほろほろほつれ髪

    うはのそら

  • 役終えて安堵の朝や春暑し

    鳥羽蒼香

  • 過不足のない膝裏や春暑し

    セイイエス井上

  • ニュートンのゆりかご響く春暑し

    染野まさこ

  • 春暑し農夫の鍬の先光る

    北乃カモメ

  • どの席もアクリルの檻春暑し

    亀田荒太

  • 春暑し大売り出しの旗うねる

    吉野川

  • 当たるやうなものは食はぬが春暑し

    朝月沙都子

  • 春暑しほどく異動の二十箱

    黒子

  • 芭蕉像いっぷくしており春暑し

    門のり子

  • 春暑し生地よく伸びるたなごころ

    よしのはるか

  • 肘に痣いつのものやら春暑し

    毒林檎

  • 噺家の脱ぎし羽織や春暑し

    龍野ひろ史

  • 息急くも亀の如しや春暑し

    遠きいち

  • かさこそと骨壺の声春暑し

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • 春暑し父が濃厚接触者

    ダンサーU-KI

  • 営業の鞄の膨れ春暑し

    くめ仙人

  • 春暑し虎がバターになる話

    池内ときこ

  • 主旋律になう背筋や春暑し

    春野海

  • 糊きかす木綿のシーツ春暑し

    ははろ

  • 三つ折りの小さなサイフ春暑し

    中鉢矢的

  • 餌なしと水槽に太字春暑し

    夜野百幸

  • 春暑し花瓶の水を地に返す

    蒼奏

  • プレスリーの拍取りは杖春暑し

    ペトロア

  • 玄関の靴散らばりて春暑し

    川原 櫻子

  • 濯ぐ手の心地よきかな春暑し

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • お礼参りの長き石段春暑し

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 予鈴後の昇降口や春暑し

    秋乃智春

  • 春暑し書類の山に一撃を

    澤田 紫

  • 春暑しトイレに黄ばむ処世訓

    西宮たいぞう

  • 通えど通えど病名決まらず春暑し

    藤鷹圓哉

  • 二つ上の先輩逝きぬ春暑し

    はなだんな

  • 珈琲の落つるを眺む春暑し

    どんつきたまこ

  • 色褪せた「猛犬注意」春暑し

    カオス

  • 病室は白い鳥籠春暑し

    ふじこ

  • 客の名を解ったふりの春暑し

  • つきそいに付き添いが付く春暑し

    甲山

  • 入場の春暑き子の列乱る

    生良

  • 金色の産毛さわさわ春暑し

    さとう菓子

  • 春暑し犬や人やの午後六時

    はいびす

  • 喪服持ち改札抜ける春暑し

    一の矢はんぺいた

  • 事務職も今日から私服春暑し

    春蘭素心

  • 春あつしあついの漢字どれだっけ?

    すみれ(9才)

  • 春暑し怒鳴られたのは立ち話

    かとの巳

  • 飛込営業13件目春暑し

    古賀

  • 春暑し温泉本館修理中

    岡本 戎

  • あらはなる河馬の歯ブラシ春暑し

    愛燦燦

  • モネの絵の微かな風や春暑し

    林 水城

  • タイピンをはずす放蕩春暑し

    花屋英利

  • 春暑し巡礼の鈴鳴りやまず

    聞岳

  • 春暑しトリチュウム入りドラム缶

    宮川武久(好文木改め)

  • 春暑しホームで負けてどうするだ

    堀 江 貴

  • 図書館の検温エラー春暑し

    砂糖ふさこ

  • よく喋る見合いの相手春暑し

    佐藤志祐

  • 足裏のざらざらとして春暑し

    キャサリンまさこ

  • 子の部屋に男の臭ふ春暑し

    白井猫

  • 春暑し陰り嬉しき喫茶店

    齋藤夜明鳥

  • 草喰み隊子山羊デビューす春暑し

    冬樹 立

  • 暑き春学生服の泥臭し

    すえよし

  • べりと鳴るパワーウィンドウ春暑し

    泥酔亭曜々

  • 処理水の放流決めて春暑し

    くろべぇ

  • 紹介の肩書を噛む春暑し

    谷川野蛍

  • 二月以降書かれぬ日記春暑し

    多喰身・デラックス

  • 寺の屋根ふんぞり返り春暑し

    城内幸江

  • 春暑し喪服のネクタイ外す父

    紀友梨

  • 春暑しインクの匂ひ鼻につく

    髙橋弓女

  • 春暑し窓半開のシャトルバス

    たこぼうず

  • 春暑し赤子の一歩また一歩

    あまぶー

  • 春暑し降圧剤の水まずし

    美年

  • 座席表の左右対称春暑し

    野ばら

  • 春暑しエスカレーターに立ちつくす

    真名女

  • 磨崖仏歩みださんや春暑し

    和泉穣

  • タピオカも果肉も沈む春暑し

    真冬峰

  • 玉砂利を踏み春の汗香具師の声

    如月 ゆう

  • 春暑し息子の学費振り込みぬ

    藤倉密子

  • 春暑しマニュアル下線メモ多数

    梵庸子

  • 懸垂棒を握る腕や春暑し

    風舎哲坊

  • ネクタイの摩擦音聞く暑き春

    笹間明明

  • 愛犬の抜け毛丸まる春暑し

    み藻砂

  • 老犬の集ふセーヌや春暑し

    巴里乃嬬

  • 春暑し長く伸びたる犬の舌

    貝花

  • 春暑しカンテラ灯しカント読む

    公毅

  • 弁当の出店の後尾春暑し

    るびちゅ

  • 春暑し三度目解くミシンの目

    きべしー子

  • 春暑し鋏は段ボールに毀れ

    葉村直

  • 春暑し九官鳥のよく喋り

    いつか

  • イケメンに婆の片恋春暑し

    北雀ちえ

  • 春暑しパンダの列の歩の遅々と

    川越羽流

  • 春暑し冷やしたぬきの旨きこと

    浪速の蟹造

  • 空港のラーメンは濃し春暑し

    安溶二

  • 日の翳り一気に醒むる春の汗

    はまゆう

  • 中学生八人居間に春暑し

    石井瑩

  • 春暑しランチバッグの保冷剤

    8の月

  • ほの深く人魚が潜る春暑し

    ナカムラロボ

  • 我にあるマイナンバーや春暑し

    花伝

  • 春暑し蛇口の水のスタッカート

    猫楽

  • コンビニのコンビニ潰し春暑し

    藤田康子

  • 傍点の多いセリフに春暑し

    君村類

  • 連弾の街角ピアノ春暑し

    小鞠

  • 春暑し角は黄ばみて新聞紙

    細川小春

  • 春暑し道端に落つ「主文」の字

    小笹いのり

  • 遮断機の長き時間や春暑し

    杉柳才

  • ジーパンを白に替えます春暑し

    百卓@ノエル

  • 春暑し喧嘩の後のタイカレー

    清白雪

  • 春暑し海までいける双眼鏡

    まんぷく

  • コーヒーの砂糖を増やす春暑し

    芳賀はな

  • 廃屋を毀す地響き春暑し

    如月ドロップ

  • 捨てられしミラーボールや春暑し

  • 電車待つ人々の距離春暑し

    夏風かをる

  • 突然の支社閉鎖なり春暑し

    羅馬巴里

  • 固定資産税支払い春暑し

    縁穐律

  • 猫車タイヤぺしゃんこ春暑し

    一日一笑

  • 春暑し渋滞捌く救急車

    安藤淳風

  • 旅先にユニクロ探す春暑し

    山﨑菫久

  • 天神の百度参りや春暑し

    えいぎょ

  • 水筒の二口三口春暑し

    藤田ゆきまち

  • 春暑し睡眠力のある生徒

    中島走吟

  • 春暑し脚注多き報告書

    中里 凜

  • 電柱の影濃くなりて暑き春

    蓼科川奈

  • なにかその楽しき丸文字春あつし

    宙のふう

  • 闘病の薬呑む手の春暑し

    あべべ

  • 春暑し風呂場の窓にうつる猫

    なつめモコ

  • 春暑しコロン行き交う更衣室

    黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部

  • 春暑しキッチンカーに長い列

    月影の桃

  • 極道の喪服の群れや春暑し

    三水

  • 南より近づく爆音春暑し

    茂る

  • 春暑しエド・シーランの聴こゆ窓

    神戸亜矢子

  • ママチャリのママのがに股春暑し

    嶋田奈緒

  • 春暑しがんこ鍛冶屋鉄打つ音

    竹林長彦

  • 春暑しSL峠の八合目

    鳥羽蒼燃

  • この星が喪に服す如春暑し

    虎穴虎児

  • 春暑しバットになじむ手の湿り

    森本樹朋

  • 句碑までは坂まだ二つ春暑し

    宗平 圭司

  • 春暑し最中に咽る稽古茶事

    花結い

  • 項垂るる背番号1春暑し

    永想

  • 透け透けのアウター靡いて春暑し

    瀬戸ティーダ

  • 靴紐を結び直すや春暑し

    河村静葩

  • 春暑し不在通知の走り書き

    久留里61

  • 画眉鳥の声量ゆたか春暑し

    森初音

  • 畝三つ立てて一息春暑し

    千葉睦女

  • 草相撲いくど彼の日の春暑し

    青蜥蜴

  • マスクして絶海の島春暑し

    白鳥古丹

  • 春暑し三本立てのエロ映画

    小木さん

  • 春暑し村食堂に酢の匂ひ

    山田蹴人

  • 警官の射撃訓練春暑し

    黒谷巧

  • 主人をらぬ時計屋にゐて春暑し

    里すみか

  • 利用者のパッドの臭い春暑し

    いなだはまち

  • 男にも寂しきひあり春暑し

    よぶこどり

  • 相撲とる子の肌の香や春暑し

    万斛

  • 物陰に獣の尻尾春暑し

    舟御前@ノエル

  • グローブが木塀に干さる春暑し

    中嶋敏子

  • 結婚の長き祝詞や春暑し

    虹追ひ人西村

  • スリッパの裏の飯つぶ春暑し

    竹田むべ

  • 徳島は山多くして春暑し

    百鶏@ノエル

  • 春暑し登校の列伸びにけり

    川蜷

  • 春暑し四十九日の砂利を踏む

    蓼蟲

  • 用水路に馴染みの亀や春暑し

    羽衣@ノエル

  • 鼻唄の出る靴洗ひ暑き春

    後藤 眞知

  • 白バイのサイレン高し春暑し

    アントワネット@ノエル

  • プランターの花はみ出して春暑し

    たむらせつこ

  • 讃岐路を親亀子亀春暑し

    天馬

  • 春暑し下校時の子ら行き滞む

    木寺 仙游

  • 春暑しガードマンったら不愛想

    ヒマラヤで平謝り

  • 春暑し温玉ぶっかけざるうどん

    木村具微子@ノエル

  • 竹槍の話しは母の春暑し

    狩谷和寓

  • この帽子どうしたものか春暑し

    阿万女@ノエル

  • 不祥事タレントの雑誌春暑き廃品回収

    あらい

  • 園庭の泥のアイスや春暑し

    笑酔

  • 春暑し獣舎の隅のマレーバク

    夏草はむ

  • 猪熊展ふと見て見入る春暑し

    石野上路無

  • 甲羅干す親子へ日の矢春あつし

    志真

  • 春暑し激安店の駐車場

    青柿

  • 春暑し選挙カーから腕まくり

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 「文学の小道」の坂や春の暑し.

    欣也

  • 春暑しオリーブオイル澄み返る

    露草うづら

  • 太秦の春暑しとや斬られ役

    柳絮

  • 春暑しパゴダの鈴と銃声と

    加地祐作

  • 座布団にひねもすひとり春暑し

    福田嘉奈子

  • 眠る猫丸から棒に春暑し

    なごやいろり

  • おなじ名のつづく玉垣暑き春

    鈴木裕公仁

  • 両側の乳房失い春暑し

    ゆぃ

  • 喧騒の春暑し子のホームラン

    山城道霞

  • 春暑し学生多き二番線

    磐田小

  • 掘り出でし土器の一片春暑し

    はれまふよう

  • 春暑し今は日陰の日本橋

    小豆白虎

  • 染みつきの手札しげしげ春暑し

    ねずみ男

  • 春暑しゆつくり毛穴広がりぬ

    新右衛門

  • 春暑しただ怪しげな雑居ビル

    赤馬福助

  • 春暑しこぶし自慢のバスガイド

    中山月波

  • 春暑し匂ひ袋の濃くにほふ

    多々良海月

  • 手水舎の竹あをあをと春暑し

    川那辺 乃生

  • 転勤の春暑し靴下の蒸れ

    平良嘉列乙

  • ガリガリ君が幅を利かせて春暑し

  • 浮島の鷺の彳亍春暑し

    大塚 幸

  • 席譲る人も老人春暑し

    森一平

  • まぜそばは部長の奢り春暑し

    或人

  • 東京へ車窓の夜は春暑し

    まー坊

  • 噴水の虹つかむ子や春暑し

    水蜜桃

  • 美術館並びし人も春暑し

    中野風鈴

  • ランナーのかける水音春暑し

    儚仁

  • どことどこ仮縫ひのピン春暑し

    小石 日和

  • ブルドーザークレーンダンプ春暑し

    西原みどり

  • 春暑し気ままに鳴るや花時計

    藤川鴎叫

  • 春暑う「惜別の歌」憚らず

    堀口 房水

  • 水筒二本重みズシっと春暑し

    ツユマメ末っ子9歳@いつき組広ブロ俳句部

  • 連打音止まぬゲーセン春暑し

    常磐 はぜ

  • 猫の増えさうな路地裏春暑し

    山川腎茶

  • 春暑し蘂汚れたる町公園

    茫々

  • 春暑し八頭身を日時計に

    深町明

  • 春暑し唾液吸はるる席煌々

    かむろ坂喜奈子

  • 入る影なきキンリ舎や春暑し

    新子熊耳

  • 住み込み可いさい面談春暑し

    利尻

  • 瓶ごとの花材屈折春暑し

    戸部紅屑

  • 病室の牢名主たり春暑し

    みー

  • 春暑し星のざわつく水汲み場

    和鹿島荒巻

  • 春暑し講義続きの耳痒し

    春雪

  • 春暑し学生服の位牌持ち

    始の子

  • 教室に消しゴムぽつんと春暑し

    青柳暁子

  • 春暑し欧米人の肌赤し

    仁山かえる

  • 自転車の追ひ越しベルや春暑し

    慎吾

  • 春暑しマルマラ海に映る塔

    はちえいと

  • 音漏れは今朝も小三治春暑し

    オキザリス

  • 春暑くにわとり小屋へ風送る

    ヤヒロ

  • 春暑く百の甲羅の干されをり

    榊昭広

  • 春暑く寄り来る路上アンケート

    酔下弦

  • 春暑し地球自転をゆるめたり

    大野喬

  • 名前書く教科書の裏春暑し

    松本 裕子

  • 東京は皆が早足春暑し

    でんでん琴女

  • 春暑し袈裟を繕ふ山頭火

    ときめき人

  • 春暑し昼はぶっかけうどんやな

    ふくじん

  • 面接に落ちて公園春暑し

    元喜@木ノ芽

  • 春暑し畦の薬缶は空つぽに

    大谷如水

  • 髪梳きて春の暑きを削ぎにけり

  • 春暑し長くなりをる犬の舌

    井納蒼求

  • 春暑し夫のめがねの耳のにおい

    襟子エリ雄

  • 緩めたき喪服のネクタイ春暑し

    野島 正則

  • ワイシャツの振る手大きく春暑し

    紫蘭

  • アゝ我モデクノボー也ハルアツシ

    彼路

  • 又増えしおまけのおもちや春暑し

    稲畑とりまる

  • ソバージュの髪にイラつく春暑し

    百瀬はな

  • 鍬休め婆こじはんの春暑し

    戸村友美

  • 春暑しくつぬぎ石に腰下ろし

    清水千種

  • 釣り人の光る水の輪春暑し

    里甫

  • 春暑し線量はかるシルバー隊

    重夫

  • 春暑しスカイブルーのシャツを着る

    ゆかりん

  • 春暑し歴女は石垣写しおり

    大紀直紀

  • 嬰児の深き眠りや春暑し

    越智大地

  • 自販機の水は売り切れ春暑し

    片栗子

  • 船出待つスワンボートや春暑し

    ココダン

  • 折り紙の四隅が合わぬ春暑し

    あたなごっち

  • スタンドの牛乳美味し春暑し

    そめいゆ

  • ランドセル背負ったロボット春暑し

    宮坂変哲

  • 春暑し牛乳は胃に落としけり

    柳浦総師

  • 春暑し洗濯したての眼鏡拭き

    田辺ふみ

  • 春暑し新しき壁匂ふ部屋

    江藤すをん

  • 家族とはカルピスの濃さ春暑し

    日向こるり

  • 我が身から獣の匂い春暑し

    あおのめ

  • 春暑し海に溶けてる駅ひとつ

    倉木葉いわう

  • 誰も観ぬテレビの点くや春暑し

    小澤ほのか

  • (まん延防止宣言下)インタビューされる人混み暑い春

    西尾婆翔

  • 土手道をひと駅あるく春暑し

    閑茶

  • すんたらずの防虫ネット春暑し

    卯年のふみ

  • 手帳買う職安通いの春暑し

    川口みち

  • 春暑し遁走曲のやうに時は過ぐ

    駒津陽

  • 春暑し水槽全部水洗い

    菊池克己

  • 子らの名と顔を覚えて春暑し

    田邉 真舟

  • 春暑し一年生の下校待つ

    新開ちえ

  • 半世紀伯より帰国春暑し

    三毳

  • 背抜きよりタンスの匂い春暑し

    江藤薫

  • ブラウスのお茶染み乾く春暑し

    梨西瓜

  • 補助輪の鳴るアスファルト春暑し

    小鳥ひすい

  • ラジオから鐘二つ鳴る春暑し

    灰心

  • 春暑し焼麩に群れる濠の鯉

    かんこ鳥

  • 春暑し止まつたままの万歩計

    虚実子

  • 春暑しトイプードルの耳揺れて

    吉川花ほっぺ

  • スーツの子上りホームの春暑し

    克巳@夜のサングラス

  • 春暑し当たり馬券を握りをり

    真喜王

  • 脱いで着て脱いで社食へ春暑し

    板柿せっか

  • 春暑し洗礼盤をオリーブ油

    森脩平

  • 生コンに猫のあしあと春暑し

    うしうし

  • 毒舌の猫肩に乗せ春暑し

    ちびつぶぶどう

  • 春暑し枕木をゆく保線員

    てんちょう

  • ジェラートの角溶けてゆく春暑し

    糸川ラッコ

  • 槌響き鉄の花火や春暑し

    だけわらび

  • 春暑し叱られ方の似る双子

    藤井舞月

  • カン蹴りて鳩とぶ街の春暑し

    島田あんず

  • 厚き膜カフェオレに浮く春暑し

    諧 真無子

  • 城下町七曲りして春暑し

    かこ

  • 春暑し沖から消ゆる貨物船

    背馬

  • 春暑し腕に止血のテープ跡

    二重格子

  • 歯磨き粉絞り尽くして春暑し

    内藤羊皐

  • 春暑しコーヒー無料ならば寄る

    ベーグル

  • 酸欠の魚となる日春暑し

    蘂六

  • 春暑しブルーインパルス笑った

    雅枝

  • 石段の歩幅が合はぬ春暑し

    (深山紫改め)深山むらさき

  • 春暑し帽子のつばを傾けり

    霜田あゆ美

  • 春暑く優先席の猫背増ゆ

    高尾里甫

  • 春暑し満杯となる未決箱

    笑松

  • プリンタがかさこそ何する春暑し

    篤彦

  • 春暑し法要の椅子かたかたと

    紫小寿々

  • 見上ぐれば電線ばかり春暑し

    くま鶉

  • 春暑し見する体を作りをり

    蘭丸結動

  • 丸の内本社訪問春暑し

    近江菫花

  • 春暑し小さき歩幅の登校子

    伊予吟会 心嵐

  • 春暑し芝に横たふ心柱

    梨村 梨

  • 0点の理由問われて春暑し

    ロティ

  • 春暑し摩耶六甲の坂の上

    千原 十吾

  • 待合のクレゾール臭春暑し

    紫檀豆蔵

  • 川渡るガタンゴトンと春暑し

    まりい@木ノ芽

  • 春暑し転校生と帰る道

    斗三木童

  • 嘶きに剥き出す歯茎春暑し

    野々原ラピ

  • 春暑しあの角折れてシャッター街

    伊予吟会 玉嵐

  • 横断の音信号や春暑し

    戸口のふっこ

  • 校庭をはみ出す声よ春暑し

    松田てぃ

  • 剣道の春暑き右小手を穿く

    としなり

  • コーラ賭け階段ダッシュ春暑し

    深草あやめ

  • 春暑し地磁気逆転証す石

    栗の坊楚材

  • はるか富士峰なほ白き春暑し

    靫草子

  • 春暑し鉱石ラヂオから時報

    樋口滑瓢

  • 春暑し質問受けず授業閉ず

    西村 小市

  • 膝に猫痺れる脚の春暑し

    北爪いく葉

  • 白票を投じて帰る春暑し

    みどりがめ

  • ヘラ釣りの浮きは沈まじ春暑し

    康々爺

  • ようやくの書類の整理春暑し

    谷町百合乃 

  • 春暑し未だ名無しの級友ら

    野井みこ

  • 春暑しリコーダー鳴くぴいぷうと

    坐花酔月

  • 春暑し別人格のハンドルネーム

    沢拓庵

  • 春暑しハノイと繋ぐテレワーク

    大熊猫@四句八句

  • 塵泳ぐ室のむわりと春暑し

    大熊猫

  • ペルシャの尾ゆふらりぱたり春暑し

    アン サトウ

  • 春暑しチョレギサラダの緑かな

    阿々田幸汰

  • 春暑し今日はここまで切る切り絵

    川村湖雪

  • 墓しまう喪服の二人春暑し

    うぬままぬう

  • 暑き春今日も持参のレジ袋

    山水

  • 春暑し引っ掻き傷の左胸

    みづちみわ

  • 春暑し鳩の眼あまた我を囲む

    与志魚

  • 花立のぬめり落として春暑し

    福田みやき

  • ボンネット乾く水滴春暑し

    長谷川ひろし

  • 青が青喰う四万十よ春暑し

    野中泰風

  • 春暑しテイクアウトのタイカレー

    野口日記

  • 百年に一度咲く花春暑し

    叶裕

  • 縦笛のまたドでとまる春暑し

    ももたもも

  • ワゴン車に眼鏡三人春暑し

    有里乃真

  • 春暑しネクタイ要らぬ人となり

    豆闌

  • 改札を速歩の生徒春暑し

    江良風羅坊

  • 日時計の影濃くなりて春暑し

    檀の実

  • 入口の画像検温春暑し

    石塚彩楓

  • 春暑し使用中止の手水舎よ

    萬代草舟

  • 半乾き亀の首筋春暑し

    邦生

  • 春暑し八時にひらく花時計

    野々りんどう

  • 欄干の擬宝珠てかてか春暑し

    むったん@狐狸山会

  • 採点に惑ふペンだこ春の汗

    野瀬藻石子

  • 春暑し鯉の餌を吸う口いびつ

    クロまま

  • 春暑し学年主任は熱血かも

    佐藤儒艮

  • AIの仕切る検温春暑し

    篠田ピンク

  • 退院の残る一日春暑し

    うめがさそう

  • スピカめくうなじのほくろ春暑し

    月見柑

  • 犬小屋も少しリフォーム春暑し

    早川 杏ちゃん

  • 鍋肌の焦げし醤油や春暑し

    もりたきみ

  • 医者通ひ小雨そぼ降る春暑し 

    誠馬ノマド

  • ママチャリの前後の子らや春暑し

    髙橋ブービー

  • 東京に百余の銀座春暑し

    蜂里ななつ

  • 春暑し樹木墓のかげ一人分

    剣橋こじ

  • 春暑しオーガスタの地に日章旗

    北山 烏兎

  • 春暑し空へさしだすシーグラス

    日出時計

  • 選挙カーから「最後の願い」春暑し

    霧子

  • さんざめく宮殿広場春暑し

    芍薬

  • 春暑し土に腹這ふブルドッグ

    みやがわけい子

  • 春暑し採血の血の黒ずみて

    中根由起子

  • 春暑し皕の観音天井画

    どかてい

  • 裏道の無人販売春暑し

    月海汐

  • 失恋のかさぶた痒し春暑し

    みのる

  • 春暑し母の小言とお弁当

    小殿原 あきえ

  • 春暑し咥え煙草で洗車かな

    朱契

  • 間違えた河童と踊る春暑し

    岡本朧

  • 春暑し殺虫スプレー二本買う

    石本コアラ

  • 欄干はペンキ塗り立て春暑し

    紅小雀

  • 春暑し指に纏わるインディカ米

    洒落神戸

  • 暑き春ガンサバイバーは復職す

    桃花(ももか)

  • 春暑き胡坐より猫立ち去りぬ

    高橋寅次

  • 春暑しきみの上腕二頭筋

    藤岡美波

  • 春暑しフラペチーノを少しずつ

    稲垣由貴

  • カレー屋の幟はためく春暑し

    オサカナクッション

  • 春暑しフィルムに貼り付くキャンディ

    濃イ薄イ

  • 骨壷に納まりきらぬ春暑し

    新多

  • 春暑し開聞岳の影ゆらり

    新田 淑@狐狸山会

  • 登校の列のぐにゃぐにゃ春暑し

    ほろよい

  • スカジャンの大虎干され春暑し

    綾竹あんどれ

  • 寄せ植えの伸びすぎた茎春暑し

    一走人

  • 井戸水は美味いかカラス春暑し

    壱太

  • 春暑しあと一畝を休む鍬

    今治八十八

  • 春暑しマダムのハイヒール赤し

    広木登一

  • 履歴書はラスト一枚春暑し

    雪音

  • 班長は葬儀受付春暑し

    昇華

  • 骨折の腕の重たし春暑し

    富山の露玉

  • 太り肉喪服に収め春暑し

    ちゃうりん

  • 春暑し下りは速し女坂

  • 少し肥えた老嬢姉妹春暑し

    ラーラ・K

  • 畝を切る筋骨六十歳春暑し

    乙華散

  • 春暑し墓の話になるランチ

    シュロバッタ

  • 靴擦れて幾何のビル街春暑し

    たつき

  • 春暑したすき大きめ見守り隊

    吟  梵

  • 春暑しざわつく車内アナウンス

    天陽ゆう

  • 春暑し拉麺店の赤暖簾

    岩本夏柿

  • 暇さうな受付嬢や春暑し

    染井つぐみ

  • 破れ寺捨てグラビアの春暑し

    居並小

  • 春暑し浜より漁師みな消えて

    る・こんと

  • シャツの襟開きて薫る春暑し

    奥山凜堂

  • 春暑し書棚の本のだだと崩れ

    久我恒子

  • なにやらとものうごかさば春暑し

    石川聡

  • 水あればどの子も入る春暑し

    みたせつよ

  • 十キロのテールランプや春暑し

    安春

  • 検温器のパ行の悲鳴春暑し

    杏と優

  • 自転車の加速なめらか春暑し

    かつたろー。

  • 春暑し熱せん妄の子を抱きて

    横縞

  • 春暑しおはらい町の茶屋の香よ

    28ひろきち

  • 眼帯の浅き眠りや春暑し

    アストロ@夏銀河

  • 黒板消し叩く窓際春暑し

    きなこもち

  • 春暑しドッペルゲンガーの影の濃し

    有田けい子

  • 托鉢僧の荒き読経や春暑し

    おかか丸

  • 春暑し時計バンドの穴緩む

    菊池洋勝

  • 防護服分かつ面会春暑し

    津軽ちゃう

  • 春暑し脱いで肩書き無き暮らし

    くりでん

  • 春暑しまあお盛んな道祖神

    えむさい

  • 春暑し写生の線のくっきりと

    籠居子

  • 春暑しシェイバーの刃の滑らざる

    曲がりしっぽ

  • 遠吠えのこだまのこだま春暑し

    一井蝸牛

  • 地下鉄のホームへ列車春暑し

    水無月

  • むしゃぶりつく六、三、一歳春暑し

    越智空子

  • 春暑しわが身可愛いと手紙出す

    大塚迷路

  • 春暑き落書きの痕『三国志』

    野良古

  • 春暑しディーラー推しのタイヤだし

    結壱隆月

  • 春暑し庭の風透く入院着

    武者小路敬妙洒脱篤

  • 春暑き腕に血管隆隆と

    テツコ

  • 春暑し途切れなき夜の救急車

    石原由女

  • 春暑し鍋の残骸冷めたまま

    種種番外

  • 営業車窓から右手暑き春

    諸塚凡志

  • ランドセル脱いでじゃんけん春暑し

    あまぐり

  • 供花生ける今日の地上の春暑し

    猫樹

  • 春暑し今が余生と思ふ窓

    小池令香

  • 突然の喪主の挨拶春暑し

    蓮田宿仮

  • 春暑き午後のタクシー乗り場かな

    中岡秀次

  • 売り切れて君を休業春は暑し

    松山めゐ

  • 連絡船ヘ走るホームや春暑し

    津軽わさお

  • チョコバナナたっぷりクレープ春暑し

    叶田屋

  • 引越のトラックを待つ春暑し

    吉高ざうこ

  • 意気込めど埃の洋書春暑し

    紅ズワイガニ海老美

  • 渋滞のしんがりのバス春暑し

    佐野明世

  • 春暑し故郷の空の広き青

    あきののかなた

  • 城語る三津の船頭春暑し

    大槻税悦

  • 春暑し名刺揃えてゐるベンチ

    武井かま猫

  • 春暑し喧嘩してをる白き鳥

    黒麹 糀

  • 吾子と犬走り比べや春暑し

    高田真林

  • 春暑し江ノ島洗ふ波の音

    はまお

  • サハラ砂漠の砂見せられて春暑し

    吉行直人

  • 春暑しずるりと落ちる鼻眼鏡

    あつむら恵女

  • 籠城の段ボール基地春暑し

    干しのいも子

  • 靴下をすぐ脱ぐ男春暑し

    若井柳児

  • 自分の名つかへてしまい春暑し

    佐藤綉綉

  • 腐れ魚を犬嗅ぐ浜辺春暑し

    雪井苑生

  • 春暑し木漏れ日かたきテラス席

    飯村祐知子

  • 春暑し黒板拭きは腕まくり

    谷口詠美

  • つけ麺屋のロックンロール春暑し

    里山子

  • 町会の役につきたり春暑し

    澤井竜子

  • ビニールカーテン透明なりや春暑し

    澤村DAZZA

  • 春暑し家庭訪問あと一件

    いろはニホ

  • 制服のマネキンの胸春暑し

    うに子

  • 相合傘彫りし丸刀春暑し

    ワイズ万太郎

  • 春暑しポテトサラダにや黒胡椒

    ローストビーフ

  • 奥襟の湿る道着や春暑し

    あみま

  • 友達をもたぬ愛猫春暑し

    秋熊

  • 春暑し店員水を注ぎたがる

    花紋子

  • 春暑し円周率の森に入り

    Mコスモ

  • 貼り紙に「感謝」と店主春暑し

    野地垂木

  • 春暑し屍を突く鴉の眼

    柊 月子

  • 春暑し焼売三個五個四個

    石神湖畔

  • 春暑しフォークライブのアンコール

    よしざね弓

  • 数へざるサービス残業春暑し

    岩のじ

  • 春暑し狛犬の涎が赤い

    雀浪乱

  • まめ皿にタルトの果実春暑し

    お天気娘

  • 春暑し一茶の伝記紐をとく

    いなほせどり

  • 春暑し畦に野良着を投げ置いて

    妹のりこ

  • 歩一歩と老犬とゆく春暑し

    万葉剣

  • 春暑し小銭ばかりの持ち合わせ

    遊泉

  • リクガメのわしわし歩き春暑し

    蓮花麻耶

  • 春暑しモヒカン刈りの女学生

    涅槃girl

  • 春暑しベニヤの棚の反りにけり

    砂楽梨

  • 足元に寄り付く鳩や春暑し

    碧西里

  • 高校は町の高台春暑し

    伊藤順女

  • 鼻を打つ汝の吐く煙春暑し

    おいらくの鯉

  • 春暑し蕎麦屋レシート水浸し

    山月 恍

  • 春暑し安産型の花びん持て

    山香ばし

  • 夭折のまんぼう伝説春暑し

    きゅうもん@木の芽

  • 春暑し数の進まぬ万歩計

    じょいふるとしちゃん

  • 春暑し金鯱の稽古する芸子

    司啓

  • 女学生あふるる駅舎春暑し

    伊奈川富真乃

  • 赤玉の土にしみ入る春の汗

    スマイリー正子

  • 春暑し途中のイオンで引き返す

    つきのひと

  • 手に滲むマジックのメモ春暑し

    磯田我省

  • カーテンに挑む肉球春暑し

    四丁目

  • 新卒の現場監督春暑し

    寺尾当卯

  • 春暑し病院までのアイシング

    宇田建

  • せせらぎや春暑き日の鳩の胸

    はっしー(20)

  • 誰も見ぬ裸体独居の暑き春

    秋沙美 洋

  • 春暑し中辛といふシシュケバブ

    ひろ志

  • 春暑し年甲斐のなき痴話喧嘩

    重翁

  • 前輪へ空気入れ終え春暑し

    詠頃

  • 春暑し紺のスーツのいかり肩

    むげつ空

  • 知らぬ人の街頭演説春暑し

    可笑式

  • 春暑しと半歩空ける距離は恋

    青矢真紘

  • 春暑し水が一番うまい店

    嘉門生造

  • 春暑き庭にひらかむ床屋さん

    夏雨ちや

  • 水濁る堀の魚影や春暑し

    小川都

  • クリーニングの受け取り忘れ春暑し

    植野 康二

  • 夕刻の秒針遅々と春暑し

    青柳修平

  • ちゅぴちゅぴとゴム手袋や春暑し

    石岡女依

  • 朝食の味噌汁混ぜて春暑し

  • 春暑し京女らの語彙ぬめる

    真子井こはく

  • 一票の重みを連呼春暑し

    河合郁

  • 新卒の汲む茶の淡さ春暑し

    村上右佐

  • 春暑しこんこん寿司の揚げ甘く

    花南天anne

  • 百十五ゴルフのスコア春暑し

    粋庵仁空

  • 神宮の高き詰襟春暑し

    晴好 雨独

  • 春暑し防じん服を午後着替へ

    清水祥月

  • 春暑し枠よりでかでかと切手

    大和田美信

  • 春暑し吾子の口よりのびる乳

    青海也緒

  • 公園のパン屋の列や春暑し

    絵十

  • 飲込みしガムの喉越し春暑し

    鳥羽南良

  • もう川に飛び込むホセよ春暑し

    季切少楽@いつき組広ブロ俳句部

  • 試作品バナナケーキの春暑し

    紀杏里

  • ガソリンの匂う指先春暑し

    久森ぎんう

  • 杖と影連れたる試歩や春暑し

    久保達哉

  • 点滴の膨るる雫春暑し

    銀命堂

  • 春暑し又せっかちの姑(はは)の声

    古都 鈴

  • 春暑しラーメン店の長い列

    高橋冬扇

  • 潮満ちて地球の腐臭春暑し

    辻陽気姫

  • ぺこぺこのフェイスシールド春暑し

    土谷 純

  • 春暑し順番待の理髪店

    東 湘輝

  • 春暑し血圧計の針振れる

    徳翁

  • 田に写る電信柱春暑し

    猫ふぐ

  • 春暑し帽子のつばに曲一つ

    品川笙女

  • 春暑し待合室のビニル椅子

    風花まゆみ

  • 春暑しぱしゆしゆぱしゆしゆと二重跳び

    風慈音

  • イヤリング少し揺らして春暑し

    風紋

  • 春暑し散歩をせがむ犬の声

    風蘭智子

  • 首筋の蝶のタツゥや春暑し

    平としまる

  • 春暑し走路に捨つる紙コップ

    好文木

  • 春暑し梅干ひょいと箱の外

    登りびと

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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