【並選】
簑虫や吊り橋今朝はやけに揺れ
夏 湖乃
蓑虫や最後の朝も腹は減る
ねむり猫
蓑虫や元の肩書取れぬ人
樹朋
蓑虫や今宵の飯は何処で喰う
だけわらび
蓑虫の濡れはじめたる闇の中
桔梗
蓑虫の図書ミュージアム覗きこむ
鯛 風
蓑虫やC判定の志望校
ななと
蓑虫や塗装の落つるH鋼
みづちみわ
蓑虫やなほ現役のトラクター
さいたま水夢
蓑虫の鳴くや蔵書に父匂ふ
伊奈川富真乃
呟ける蓑虫ひとの生き死にを
おきいふ
解のなき国蓑虫は風の中
梵庸子
蓑虫や北朝鮮の自由とは
高市青柘榴
蓑虫や昭和は皆が貧しくて
中原柊ニ
蓑虫や錆色めける風の音
やまさきゆみ
蓑虫を残す軽トラ引越し便
山羊座の千賀子
蓑虫や音沙汰なくて次男坊
酔下弦
蓑虫よ自転車置き場入れずに
りんごのほっぺ
蓑虫と祖母とニートの午後三時
広瀬 康
蓑虫の蓑は国産天然木
長谷川小春
蓑虫やどこか憂鬱なノクターン
浦野紗知
簑虫よ四十独女は悪ですか
山中陽子
蓑虫や観音様の目のあたり
まりい@木ノ芽
蓑虫やプリマドンナの耳飾り
渋谷晶
蓑虫や足を滑らす古梯子
星月さやか
蓑虫の蓑の隙間の明るみぬ
秦 理露
蓑虫のゆるりへらへら息づかい
藤鷹圓哉
病得て夫は泣き虫木樵虫
ゆすらご
蓑虫よ母は雑巾しか縫えぬ
卯年のふみ
緘黙の子の指差せる蓑虫鳴く
一斤染乃
蓑引つぱればあらがふ蓑虫のちから
北藤詩旦
祈る涙のかたちに揺れて蓑虫は
アロイジオ
口笛はそら耳ですか木樵虫
中山月波
蓑虫や五分はながきカップ麺
M・李子
蓑虫の木つ端に賜るいのちかな
かむろ坂喜奈子
みのむしや球拾い部と呼ばれます
関津祐花
秒針はすすみ蓑虫揺れぬまま
花伝
蓑虫や風おだやかに告知の日
国東町子
居残りの鉄棒蓑虫の意気地
しゅういずみ
蓑虫やガスメーターの良く廻り
百瀬はな
蓑虫や空の蒼さをいつ知るや
さくやこのはな
蓑虫へ鳥の羽音の日和かな
上津 嘉子
握るとも握らないとも蓑虫を
青蜥蜴
蓑虫や怪訝な犬の鼻の先
えいぎょ
蓑虫やただいま浮揚哲学中
三水
蓑虫や優しき夫はひとりつこ
常磐 はぜ
蓑虫出でよこの世もこれで悪くない
重夫
蓑虫と並びて高層窓掃除
雨霧彦@木ノ芽
蓑虫や一番乗りのテラス席
くるみ今日子
学校はやめるみのむしないたから
天陽ゆう
広重が雨に蓑虫踊りけり
利尻
蓑虫の蓑はしあはせ包みけり
清瀬ぴあの
蓑虫や将門首塚の怪し
小倉あんこ
蓑虫を揺らす高さの違ふ風
虚実子
蓑虫の下のハンガーストライキ
る・こんと
簑虫やまだ使えると捨てられず
山本 マユミ
蓑虫や風吹けば木琴の音
オキザリス
ラウドスピーカー縦揺れの蓑虫
新子熊耳
焼香に革ジヤンひとり蓑虫鳴く
白プロキオン
蓑虫や放つたらかしの自由刑
長谷機械児
蓑虫のとほくに動かぬビルヂング
吉川拓真
蓑虫の蓑ごと這へる力かな
彼方ひらく
蓑虫や郵便受けに不在票
矢橋
蓑虫揺れやまず自転する地球
西村 小市
蓑虫鳴く母の胸にモルヒネ湿布
アンサトウ
蓑虫はくろがね空はミントブルー
えむさい
蓑虫や子らは覚えている全部
一色 那真呼
蓑虫や太平洋を望む丘
丹羽寒国
夕照の熱に蓑虫けふを刻む
靫草子
蓑虫の一寸のゆめ巴里の空
ちりちり芥
千代田区ニ代々住マフ蓑虫ゾ
長谷川水素
蓑虫や朽ちし家屋の井戸ポンプ
いつか
蓑虫や信号待ちの七の段
大小田忍
蓑虫や電気メーターぐるんぐるん
里山子
鬼の子や皆匿名のwwwww
清永ゆうこ
蓑虫の鳴く夜出自を隠し合ふ
蘭丸結動
蓑虫の安心蓑虫の孤独
冬樹 立
蓑虫や会議でひとり長々と
松山茜柑
蓑虫や親権は子の決むるもの
あさのとびら
糞落とす穴あり蓑虫の暮らし
まあぶる
蓑虫や海獣に四肢あった頃
諏訪ヤス子
鬼の子や宿の聖書のドッグイア
イエティ伊藤
簑虫に糸雨のやさしき朝である
鈴木麗門
蓑虫と情死の妻と青い空
杏是りゐ菜
蓑虫や生家の窓をたたく風
万葉剣
蓑虫や南京錠の赤き錆
海峯企鵝
蓑虫や風評と云ふ風止まぬ
そうり
十二階窓に夕日と蓑虫と
鶴岡木の葉
押入れの鍵つ子蓑虫と交信
ま猿
だらだらと過ごしてをりぬ蓑虫と
海音寺ジョー
蓑虫のざらざらの熱ゆび先に
清水祥月
蓑蟲の蓑尖りたる伍長の碑
蓼蟲
みのむしやまもりぶくろのおとしもの
明惟久里
蓑虫の屈曲さても雨を招ぶ
としなり
蓑虫や空き家の窓の角の錆
季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫や土中入定てふ祈り
はまゆう
蓑虫の朝の声聞く子犬かな
京野さち
蓑虫やひとりあそびのくびに鍵
たけぐち遊子
蓑虫の蓑を剥がせばがらんどう
亀田かつおぶし
草原に立ち蓑虫を聞き分くる
安春
揺れさうな蓑虫のさみしさを知る
加良太知
鉋屑かをる蓑虫乾きをり
久蔵久蔵
蓑虫とぐひ吞みひとつ山頭火
中 兎波
蓑虫つよし姉と緊急避難場所
ほしの有紀
蓑虫を見上げて夜や『高瀬舟』
或人
蓑虫やトイレを流す音が生
平良嘉列乙
蓑虫や節穴に貼る和紙一片
平としまる
蓑虫も振り返る立ち漕ぎの風
オペラ座の俳人
蓑虫や山谷の叔母の木賃宿
かんこ鳥
蓑虫の音のゆふらりと黄昏れる
香壺
蓑虫や海へ開ける松林
宮武濱女
何からも離れてゐたい蓑虫は
霞山旅
蓑虫や道具を作成する道具
地球人
蓑虫とゼリービーンズの弾力
板柿せっか
風神に差し遣われし蓑虫よ
ヤマコー
我慢して我慢してぐぐっ蓑虫
星乃ぽっち
みの虫が鳴けば嫁っこ来る気配
酒井おかわり
原色の毛糸蓑虫の懸命
ぐりえぶらん
簑虫に鳴いて空飛ぶ一と日あり
安井コスモス
蓑虫や夕陽に揺れる影長し
宮坂変哲
蓑虫やマトリョーシカの果てにあり
ヒマラヤで平謝り
蓑虫の見やる夜空に星ひとつ
笑松
鬼の子を小指に括る石地蔵
空野 兎
蓑虫の弧やなゐの空なだむかに
斎乃雪
蓑虫の蓑脱げさうに這うてをり
海野碧
蓑虫や夢曳くこゑに風のこゑ
石原由女
蓑虫の揺れて和解の場を持てず
吉川花ほっぺ
簑に色ある蓑虫は器量よし
吉武茂る
蓑虫や素数が好きな君のそば
丸山隆子
蓑虫へ生きてますかと囁いて
露口全速
蓑虫は揺れず世界が揺れてゐる
可笑式
蓑虫やTwitterの本音きつい
河南朴野
蓑虫や張り巡らさる通信網
也和
家賃要らぬと云うておったぞ蓑虫
どいつ薔芭
蓑虫や人はどれほど鍵を持つ
山香ばし
蓑虫の泣くころ風の軽きころ
椋本望生
蓑虫の蓑に不足もなかりけり
平坂謙次
蓑虫もきっと猫背に違いない
横縞
蓑虫とグランピングの雨予報
つきのひと
蓑虫の寝袋星が覗き込む
空木眠兎
古文書ひとつ蓑虫の地へ迷ふ
まるかじり
蓑虫の支度は凸を削いでから
大和田美信
蓑虫にバイバイを言ふすこし待つ
足立智美
蓑虫や告知望むと記す午後
杵築きい
蓑虫やつまらない人生でした
Nakahara結月
蓑虫の聲なき聲や蓑の中
かこ
蓑虫のかかはるまいと身を躱し
秋吉孝治
蓑虫や我が家まであと三十歩
遥風
蓑虫やアンネ綴りし2年間
このみ杏仁
蓑虫に触るる影送りの右手
小豆白虎
みのむしや遺骨はミルクいろの匙
鈴木裕公仁
身を反らしやをら蓑虫這ひ出けり
新濃 健
蓑虫やノラの決意は固かりき
和泉攷
蓑虫や手帳に記す「未達」の赤
安溶二
蓑虫は暮らす一人称の人と
楽花生
蓑虫のこの境内の外知らず
紀和やよい
みの虫の木つぱ机のコッペパン
詠頃
男性の大臣あまた木樵虫
山城道霞
蓑虫の風に三日月眺めたる
岡本 戎
猫睨む二分間揺れる蓑虫
粋庵仁空
蓑虫の振り子に眠る夜の樹々
Kかれん
蓑虫や研がねば錆びる鉋の刃
中岡秀次
新宿よ蓑虫の死を誰も知らず
ぞんぬ
蓑虫や得意は一つあればいい
みやま千樹
蓑虫の振り回されて気にもせず
いたまきし
侘しさを回転軸として蓑虫
ツナ好
僕は求めてないけど蓑虫はいた
伊藤辰弥
蓑虫や身は冷たくて目はつぶら
喜多輝女
蓑虫や次は階下が越す噂
戸部紅屑
校庭のフェンス放すなよ蓑虫
真
蓑虫の目の潤んだやうな雨の午後
芍薬
蓑虫のほつれより地へ落つる糞
染井つぐみ
星空や蓑虫も鳴けばいいのに
おいらくの鯉
蓑虫の自問自答を聞いてしまふ
さとけん
蓑虫も並べば多少賑やかに
澄海
壊れゆく子を抱きいっそ蓑虫
暖井むゆき
蓑虫や靴は右側ばかり減る
木染湧水
みちのくの蓑虫の蓑はや厚し
千代 之人
空きれい避難区域に蓑虫棲む
青田奈央
蓑虫や子の発てばまた寡黙なる
叶
壊れ逝く父と蓑虫明日も風
世良日守
蓑虫や盆地に満ちる日の匂い
吉野川
街の灯にふられ女とみのむしと
どみ どみそ
来ぬをとこ待つ蓑虫を風なぐる
山田菫舎
蓑虫はひとの高さを知つてゐる
朶美子(えみこ)
プレートの上の島国蓑虫鳴く
かん かんし
蓑虫やバルカンに貴種流離譚
真崎正樹
蓑虫のマンションここは共用部
伊予吟会 宵嵐
蓑虫と線香の煙揺れにけり
八幡風花
蓑虫や子は鎹といふけれど
君島笑夢
粗末なるころも蓑虫かがやかす
中根由起子
蓑虫や介護拒否した部屋の窓
勉邪明
蓑虫や駐輪場のストーカー
小笹いのり
蓑虫にQのごときのほつれかな
火炎幸彦
蓑虫の糸のシャンソン奏でだす
ふじこ
蓑虫や闇からのぞく昼の星
富佐野ほろよい
蓑虫の殻十本で五円なり
川岡すえよし
蓑虫は置いてゆきますお元気で
青野遊飛@蚊帳のなか
蓑虫を掠め朝刊大見出
あつちやん
蓑虫や湯島聖堂孔子像
辻野 花
いちどきに蓑虫ゆれて鬼が来る
竜胆
白い風けさ蓑虫を翻す
榊昭広
蓑虫に立ち止まり立ち止まり下校
西原みどり
蓑虫や放下の道はなほ遠く
たま走哉
蓑虫や名札外せる元ボクサー
灰色狼
水抜きす蓑虫垂るる外水栓
佐藤儒艮
蓑虫やバルタン星に帰ろうか
齋藤夜明鳥
かたすみに孤独死の記事みのむし鳴く
辻陽気姫
蓑虫の孤独を使い回したい
夏野あゆね
蓑虫や婆の寝息の深夜便
たつき
尻立てて歩く陽気な子蓑虫
井納蒼求
蓑虫をなぶり親待つパチンコ屋
河本かおり
予選落ちみのむし五つ居る部室
花結い
蓑虫に重力無いのわからんか
司啓
蓑虫やがらんだうなる資本主義
まんぷく
揺れに揺れ性根を据えよ蓑虫よ
渥美こぶこ
アドレスホッパーの足下に蓑虫
瀬央ありさ
蓑虫や年金請求終へし夜
時まる
蓑虫やお隣さんは今日も留守
風花まゆみ
蓑虫の簑をくいつと外しけり
かぬまっこ@木ノ芽
夜勤明け蓑虫諭す壺中天
パーネ・メローネ
蓑虫やひとり離れて昼休み
戌亥
蓑虫や風の錆つくトタン屋根
月見柑
蓑虫や公示日朝の掲示板
光本弥観
蓑虫の恋とぶものに焦がれるか
畠山 悊央
簑虫の糸の絡まりさうな人
佐藤志祐
蓑虫やしかばねは大地に戻る
宗本智之
蓑虫や人それぞれの暮し方
とんぼ
蓑虫の蓑をつまめば気配あり
金太郎
傘はお猪口さても蓑虫どうなつた
東京堕天使
鬼の子や木魚の息は一文字
石井一草
蓑虫や父のこゑ聞く弱法師
遠山比々き
蓑虫や療養生活は続く
一富士リリー
蓑虫の中は上腕二頭筋
百草@ノエル
蓑虫やビブラートかけ風に鳴く
かえるしろ
蓑虫や良寛一休みな学べ
市橋正俊
蓑虫や案外やはき蓑の内
蓮花麻耶
簑虫の数多神隠しの山に
安達りんだう
有閑マダムのバックと蓑虫の死
篠原 雨子
てっぺんにみのむし空をひとりじめ
一走人
みの虫を小突く歯抜けの竹ぼうき
松本裕子
出社して先づ蓑虫の行方から
もりさわ
蓑虫や理不尽ばかり背負ひ込みて
永想
蓑虫の一日たいそう忙しなく
はなあかり
蓑虫や式には参加しない義兄
どかてい
蓑虫に黙す理由のありにけり
中里蛙星
蓑虫や消去法より生きてきし
日々拓人
蓑虫の不食ロープは細く垂れ
七瀬ゆきこ
蓑虫のじつとする枝ゆれにけり
高橋寅次
蓑虫や貧困耐えるわれ笑う
西谷寿春
蓑虫や窓無き家は暗からむ
HNKAGA
蓑虫の口先を追ふカメラかな
ひだ岩魚
蓑虫やヒトは賢くなり過ぎて
吟 梵
蓑虫や揺り椅子で読むクリスティ
野口日記
吾のビーズ盗った蓑虫ゆれており
ヅラじゃない
もう住めぬ町とは知らぬ蓑虫は
おんちゃん。
蓑虫や大空みんな君のもの
ひすい風香
蓑虫やチラシの裏に書く懺悔
朝月沙都子
釘匂う蓑虫は日暮れの欠片
松井くろ
蓑虫の息づかいなり糸の揺れ
ねぎみそ
蓑虫やタイムカードの硬き音
久留里61
蓑虫や絶対変えぬ志望校
宗平 圭司
蓑虫の臆病風に吹かれをり
如月ドロップ
蓑虫を数ふる垣根終の家
亀の
蓑虫に地球の自転説く日暮れ
小だいふく
青空の匂ひ街路樹に蓑虫
河原つばめ
呆気なく蓑虫落ちて草の中
蟻馬次朗
蓑虫や世間知らずの女なる
根本葉音@花芭蕉句会
蓑虫やマンハッタンにゐてひとり
池之端モルト
戦はずただゆれてゐる蓑虫は
瀬尾白果
蓑虫やプラスチックの杜に住む
寺尾当卯
柿の木にあとは蓑虫ばかりなり
釜眞手打ち蕎麦
紺碧の空へ蓑虫種子島
28ひろきち
蓑虫や雨の匂ひの中にいる
清水千種
曇天の簑虫すこし逞しき
小川さら
蓑虫は運命論者楽観者
れんげ畑
蓑虫や出世のかけら無くなりぬ
小島神泉
各蓑虫現地調達な仕上がり
稗田鈴二郎
蓑虫や赤い蒸気のごとネオン
平本魚水
蓑虫や蓑堅くして生きている
一歩亭九案
蓑虫は疑問符のまま垂れさがる
柳絮
蓑虫や我慢はちょっとだけ実る
玉庭マサアキ
蓑虫や吟味の末の一本目
大塚迷路
蓑虫を嗤ふ空は晴れてゐる
山田怠洋
外にゐて外を知らざる蓑虫や
空流峰山
蓑虫や女性閣僚二割弱
宇田建
他の子に見つからぬやう蓑虫を
ももたもも
みのむしの塊として突きをり
新城典午
火に焼べし枝に蓑虫ゐたやうな
久森ぎんう
蓑虫や風吹かるればれれれれれ
青き銀椀
蓑虫や子どもシェルターの夜明け
向日 葵
←糸からの張力みのむし重力→
福本巴亜人
みのむしの眼の色けふの風の色
剣橋こじ
夕明りのベンチ蓑虫とギター
仁山かえる
蓑虫や安部公房の死生観
山本先生
蓑虫の知恵借り今日を生き延びる
かゐみすず
蓑虫の晩年少し羨まし
片栗子
蓑虫や昼のラヂオの訃報いふ
夏雨ちや
段ボールへしゃげ蓑虫あったかそう
高尾里甫
蓑虫や流るる雲を喰いちぎり
灰頭徨鴉
蓑虫や右手のかさぶたあとすこし
稲垣由貴
蝕まれきつて蓑虫地に落ちず
稲畑とりこ
蓑虫や父に初めて叱られて
かずポン
蓑虫のやる気で変はる高さかな
慢鱚
蓑虫や風に延ばされ戻り来ず
斗三木童
蓑虫や墓にやかんの十一個
岩本夏柿
蓑虫の蓑やはらかし指こはし
三崎扁舟
廃れゆく分校裏の樹に蓑虫
藤咲大地
蓑虫や仮病はとうにばれている
キッカワテツヤ
破れ巣箱はづし蓑虫のこしけり
今野淳風
蓑虫や幼子の押す乳母車
ちびつぶぶどう
残映に蓑むし明星は遠く
粋田化石
蓑虫や巣鴨プリズン壁高し
阿々田幸汰
蓑虫と父のバットと督促状
藤田ゆきまち
蓑虫や理論武装のひきこもり
ダンサーU-KI
蓑虫の蓑雨粒を押しかえし
緒方朋子
蓑虫の墓誌の朱の字の母に着く
星埜黴円
蓑虫を弾き今日も自主休校
眠 睡花
助手席に蓑虫住んでゐてしづか
紺乃ひつじ
蓑虫や素振り千本怠らず
春風流士
蓑虫や陽射し届かぬ四畳半
みやかわけい子
蓑虫や真下に止まる救急車
夢見昼顔
蓑虫やマトリョーシカの下がり眉
緋乃捨楽
蓑虫や弁当全部落とした子
新開ちえ
湯治場に蓑虫仰ぐ虎視眈々
乙華散
所により蓑虫がよく降るでしょう
大黒とむとむ
蓑虫や幾百基なる無縁塚
竹田むべ
粒選りの蓑虫あまた伊賀の里
田村利平
蓑虫や来世はきっと鳥になる
猫楽
やわらかい闇蓑虫のちぢむ闇
ちゃうりん
蓑虫や百葉箱てふかぜのゐゑ
宮坂暢介
蓑虫の鳴けば山から蒙古来る
津軽わさお
蓑虫や弔った日の風のいろ
石川聡
三本指みのむし木から外す指
藤岡美波
蓑虫のカタチ前衛のスイーツ
研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫ややまびこ吸ふてゆく山河
くりでん
蓑虫も一人遊びの達人と
明神おぼろ月
キリストの十字なるか蓑虫よ
津軽ちゃう
七卿や蓑虫落ち延びてぶらり
西田月旦
蓑虫を鳴かせ放哉円らな眼
津軽まつ
蓑虫やチャイの牛乳おもたくて
Mコスモ
ぶら下がる支点は起点蓑虫の
篠田ピンク
蓑虫やある日潔く転生
うた歌妙
蓑虫や三十四卷読了す
陽光
蓑虫やお堀の水の干上がりぬ
もりたきみ
みのむしやかぎはゆうびんうけのなか
満る
みのむしやグリム童話の頁繰り
福田かな子
蓑虫の教えてくれる今日の風
里山疎水
蓑虫よフリーターとかダメだって
清白真冬
蓑虫や精神医学の本を積む
石神湖畔
蓑虫鳴く父となる日の気仙沼
坐花酔月
蓑虫や女将は過去を話さない
宮間ミヤマ
神宿る樹に蓑虫の声かすか
竹春エリザベス
蓑虫の紡ぐ嫋やかなる棺
はれまふよう
生垣のまばらなところ木樵虫
音羽凜
蓑虫のもてはやさるる高さかな
中田ひで
簑虫にみづの御神静まるる
魚返みりん
まっすぐに枝並ぶA型の蓑虫
あまぐり
蓑虫を剥げば昭和の匂ひかな
ツカビッチ
蓑虫や城址に高き県庁舎
石田将仁
蓑虫や吾は不器用に縄を綯う
今治八十八
蓑虫の黙山の黙神の黙
龍田山門
蓑虫や緑内障の六年目
北川颯
堕胎医は窓に蓑虫飼つてをり
句楽岡徨詩
蓑虫や一人暮らしは嫌いじゃないよ
なかの花梨
蓑虫の母は風なり撫でて過ぐ
樫の木
蓑虫の鳴くコテージにチェスの駒
真冬峰
蓑虫も”奇妙な果実”だぜビリー
きゅうもん@木の芽
蓑虫や喉に支えている何か
あきののかなた
蓑虫の垂るる天使の喇叭かな
ひねもす
蓑虫やさてと余生を算用す
向原かは
蓑虫からひとつはなれたベンチへと
公木正
蓑虫の糸がんじがらめのわたし
直
蓑虫をみてをり友の過ぐるまで
磐田小
蓑虫の糸銀色に夢殿へ
石塚彩楓
蓑虫や寺の柱の傾きぬ
夢堂
蓑虫や父の言葉の染みる雨
空魚
蓑虫やノートの端のひとり言
くろけん
蓑虫をあほほど獲ってコーヒー苦い
一井蝸牛
鬼の子のぼろ家耐震ヒヒヒフフ
ららら句らら
みの虫や親は仕事に出た家で
古都 鈴
蓑虫に上司の愚痴を言ってみる
いくたドロップ
蓑虫やこの青空の影として
小池令香
蓑虫やあかあかと吾を愛すべし
武井かま猫
下校放送背にみの虫の落としっこ
豆闌
スモックへ蓑虫入れて逆上がり
みつれしづく
清貧に生きて鬼の子蓑一枚
高木音弥
蓑虫や涙は土に捧げおり
種種番外
蓑虫と空家の屋根に薄日漏れ
砂楽梨
時に木は複式呼吸みのむし揺る
さるぼぼ@チーム天地夢遥
蓑虫や最後の模試判定はC
花実人生
フリスビー蓑虫の脇うねり飛ぶ
曲がりしっぽ
伐採に盛り土を許すなと蓑虫
林りんりん。
泣き上戸の蓑虫なだめ上手な風
石垣葉星
蜘蛛の糸×2=蓑虫の糸
中鉢矢的
蓑虫やいつかは恋をするかしら
ほしのあお
蓑虫や育児放棄の1DK
森脩平
蓑虫や小指のギプスあと十日
聞岳
蓑虫やガガガ電波は届かない
ふくじん
ニュートンのひらめき蓑虫のいびき
水蜜桃
鬼の子に件の顛末投函す
和鹿島荒巻
蓑虫の増築住まふ中尊寺
まこ@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫を潜りチャイムに話しかけ
しんしん
蓑虫の裏地ふはふはだと良いが
西川由野
蓑虫よそれはさすらふ恰好ぞ
田中木江
蓑虫の枝を残して剪りつくす
鬼の子や引つ込み思案といふ気質
里すみか
蓑虫や鬼は何度も殺されて
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫の夕やうぐひす嬢の声
TAKO焼子
古井戸のごとく蓑虫飢ゑてゐる
すりいぴい
筆箱に蓑虫忍ばせるいたずら
さくさく作物
木樵虫運慶睨む南大門
銀紙
蓑虫や水漬く村へと白き風
玉響雷子
蓑虫や遮光器土偶発掘す
野中泰風
蓑虫や風を斬り行く強面
洒落神戸
蓑虫や従兄は酒に殺された
克巳@夜のサングラス
ぶらぶらと歩いて出会う蓑虫だけ
写俳亭みの
蓑虫を裂いた日のこと妣のこと
雪井苑生
梶原一騎吠ゆ蓑虫が熱い
赤馬福助
上靴のままみのむしと焼却炉
清水 三雲
蓑虫やがんばらなくてもういいし
姫川ひすい
蓑虫やヤングケアラーがいる家
石本コアラ
果ててなほ蓑虫空にしがみつく
港のパン屋
蓑虫や北はミサイル発射せり
壱太
蓑虫に祖国の街を見つけたり
錆田水遊
みのむしの鼓動しづかに晴天よ
ひともじ
蓑虫やカブールは硝煙弾雨
立石神流
蓑虫の葉を食む揺れや風無き日
でんでん琴女
悲劇より喜劇がすきな蓑虫座
三浦にゃじろう
蓑虫を掴んで放る赤ん坊
丹下京子
お隣りは借地権らし木樵虫
果禄
蓑虫や日本語と手話は別言語
叶田屋
蓑虫鳴く空の青さに魘されて
神山やすこ
蓑虫や嘆き僅かにまとひたる
オサカナクッション
防犯カメラ蓑虫の常日頃
竹内一二
蓑虫や生者うろうろゐたる墓地
登りびと
蓑虫や疫癘神も知らぬまま
江藤薫
蓑虫やネットカフェ二日目の夜
おかか丸
蓑虫やホームステイに慣れる日々
犬散歩人
代執行ドアを蓑虫揺れるほど
灰田兵庫
蓑虫や千年ぶりのご開帳
真喜王
蓑虫や話すことなく今日も暮れ
若井柳児
捜さないでください蓑虫蓑の中の幸
野地垂木
10分休み寝たふりの吾と簑虫と
柳浦総師
蓑虫や神籤の結び目の固し
柚木みゆき
蓑虫の揺れて朝刊差し込まる
遠音
単身赴任の夫待つ棲み家ああ蓑虫
欅ノ栞
蓑虫や村一軒の洋品屋
花屋英利
蓑虫鳴く放課後は母の介護
越智いと
上半身脱ぐみのむしは更年期
飯村祐知子
蓑虫は風の柱となり回る
広木登一
土に落ち蓑虫の骸の綺麗
日出時計
蓑虫の蓑にイオンの領収書
秋熊
国離る蓑虫落つることなくに
はなだんな
蓑虫や人はこはれたときに鳴く
倉木はじめ
蓑虫や母の新聞とめました
梓弓
蓑虫の万の目玉や口減らし
碧西里
蓑虫の見せ場でもなく揺れること
曽我真理子
蓑虫やおなじ間取りの幸不幸
うに子
夜はしづか蓑虫の糸切らさぬやう
五月闇
蓑虫や待つ身に風は蒼を増し
山内彩月
蓑虫の帰路校則に違法性
小泉野魚
蓑虫や今日も五千歩恙無く
達坊
蓑虫やカプセルホテルひとり酒
雷紋
蓑虫よ掃いてもらえぬ淋しさよ
髙田祥聖
蓑虫を起こすな水は雨の如
紫月歪丸
蓑虫や誰も帰ってこない家
雪音
右は崖前に蓑虫避け通る
正岡丹ん
公転か自転か蓑虫の反りぬ
まどん
蓑虫や「死者の書」記すヒエログリフ
森 佳月
翼が欲しい蓑虫は孤独死を
岩のじ
蓑虫の正体を知り火にくべる
勘定
蓑虫鳴きたるは政宗公の右
青矢 真紘
祖母の家蓑虫さがる換気扇
澤村DAZZA
蓑虫や誰とも話さぬ日を三日
林たまさか
蓑虫や垂れて地球の中心点
カオス
蓑虫や一眼レフの連写音
たこぼうず
蓑虫の魚眼レンズや空を食ぶ
高岡春雪
蓑虫や専業主婦と職業欄
美馬ひとみ
蓑虫の蓑に異端と定番と
あみま
ミノムシの一日はヒトの何年か
枯ススキ
蓑虫やイヤホンぎゅっと両の耳
海瀬安紀子
蓑虫やがらくた市の売れ残り
深草あやめ
蓑虫や少女ただいま反抗期
渡邉竹庵
蓑虫に会ひたることを吉事とす
三泊みなと
蓑虫や値下げシールの待つ日暮れ
おたまじゃくし
蓑虫や抽斗奥の覗き穴
石井瑩
蓑虫と夜に繋がる電話かな
直心
引っ越しの家によもやの蓑虫や
ノエル@天馬
鳩に餌あとは蓑虫見てるだけ
森山遊鳥
蓑虫の鳴く原罪のような夜
竜田側
五歳児の自転車蓑虫の巣なり
快晴ノセカイ
みの虫とこじれし心分かち合う
松田てぃ
蓑虫や中になにかが死んでゐる
久保田A
蓑虫になったれ雨の月曜日
陽光樹
蓑虫を餌として星は釣るなにを
ウロ
立ち漕ぎの蓑虫の背の笑ふ笑ふ
木村ひむか
蓑虫や黄昏泣きの処方箋
黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫や赤毛のアンを読む窓辺
登盛満
蓑虫のついて赤信号長い
空豆魚
蓑虫や海上長き父の靴
花純広場
蓑虫を引けば灯りがつきそうな
京あられたけむら
蓑虫や茶わん七分を持て余し
矢想
蓑虫や煉瓦古りたる豚の家
亀田荒太
蓑虫を太らせてゐる能楽堂
内藤羊皐
蓑虫や別れし妻の耳飾り
青柿
蓑虫やあるかなきかの影揺るる
秋とも子
工場の蓑虫今日も灯らざる
イサク
蓑虫やひとりになりぬ墓の守
夕虹くすん
蓑虫を追い出す手のひらに傷み
冬のおこじょ
蓑虫や金田一耕助走る
磯田省吾
蓑虫や島に火のなき烽火台
対馬清波
蓑虫や辞職願の美濃和紙
じょいふるとしちゃん
蓑虫や本の匂ひと暮らす日々
村上優貴
蓑虫よ風来坊になりたいか
有田みかん
算数ノートに「鬱」蓑虫の歪さよ
草臥れ男
柱時計に蓑虫おはやうの迷子
たろりずむ
蓑虫や二度目の婚姻届出す
お寿司
目の高さの蓑虫の愚痴聞いてやる
沙那夏
蓑虫の不安あるらし空を見る
さぶり
軒端にて蓑虫見上ぐ退官日
紫鋼
蓑虫のさをどる風のこゑの中
のつり
音漏れのホテル街なる親無子
はんばぁぐ
蓑虫や葉脈柄のイヤーカフ
小鳥ひすい
蓑虫やルネ・ラリックの小瓶開け
あたなごっち
蓑虫や掃除機ルンバ電池切れ
石岡女依
蓑虫の眠り媚薬の熟るる壺
シュリ
簑虫の日ごと夜毎の風を知り
さゐあけみ
蓑虫やひにひに空家らしくなり
らくさい
蓑虫をマトリョーシカに入れてみる
笹間明明
蓑虫や下宿始むる三畳間
澄海まさと
蓑虫やグレタ・トゥーンベリの無言
荒木俊充
蓑虫の蓑に酒そそぎたき暮夜
藤 雪陽
蓑虫や要塞めく産婦人科
高野きぬ
蓑虫や時間は止めるためにある
堀口 房水
蓑虫の落ちてさみしき分校歌
伊予吟会 心嵐
蓑虫の揺れてゐる枝に山鳩
杉尾芭蕉
蓑虫や国語の点は最低点
ツユマメ末っ子9歳@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫や閉鎖病棟に二年目
ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
蓑虫やここから先は立入禁止
庄司直也
蓑虫や小学校の用具庫に
品川笙女
蓑虫や訃報のみにて帰り来て
蕗野弥音
親ガチャが嫌ならみなし子に倣え
果音
蓑虫や十年続く反抗期
土橋胡翔
蓑虫や裁判官の寮の軒
はるく
羅針盤にずれ狂ふ蓑虫の揺れ
ふわり子
蓑虫やサブスクまみれの借り暮らし
紀友梨
視界ゼロ蓑虫下がる三角点
小山晃
蓑虫やいつまで続く(仮)
嶋田奈緒
蓑虫や母は生涯海を見ず
夏草はむ
蓑虫の垂れて引力は正常
川越羽流
学童保育抜け出して蓑虫と
せいち
蓑虫や所詮はひとり生も死も
クロまま
どちらかと言へば大雑把な蓑虫
野ばら
蓑虫や剥けば小虫の曝さるる
なしむらなし
蓑虫の簔へぶつかるヘリの風
上津 力
蓑虫の墜ちて匐ひゆく石畳
ひろ志
簑虫や人伝に聞く母のこと
伏見丹耶
蓑虫や戦士の父の墓に鳴く
浜友輔
さみしくはないかと蓑虫をゆらす
澤田 紫
蓑虫やお一人様の老い支度
清水 酔芙蓉
蓑虫の蓑を繕ふ日和かな
塩野谷慎吾
蓑虫の吼ゆ枝屑の剝がれけり
葉村直
蓑虫や水分神社の拝殿に
中村笙平
ちびちびと蓑虫の聲待つてみる
一日一笑
蓑虫は眼失ひ星を聴く
ふもふも
蓑虫やサナトリウムの窓格子
加地祐作
蓑虫や律儀に揃う蓑の枝
近江菫花
駅も死も近き蓑虫ワンルーム
すずしろゆき
蓑虫の蓑も豊かな我が故郷
神谷たくみ
蓑虫や外乗の馬みづを行く
光峯霏々
蓑虫垂るる一枝花瓶に活けにけり
茫々
集落の限界蓑虫は無敵
四丁目
蓑虫を見上ぐる漂泊の塒
河野灰土
蓑虫や今日も厨の火を紡ぐ
蜥蜴の尻尾
蓑虫や我関せずの街宣車
比良山
蓑虫は身軽スナフキン飄々
絵十
蓑虫やおうち時間は食う時間
愛燦燦
蓑虫の風吹いて揺れ吹かず揺れ
きのと
蓑虫やボロい店だが美味いらし
衷子
蓑虫鳴く切れかけの街路灯
江良 中
蓑虫や履歴書の要らない暮らし
岡山小鞠
刑務所の空まるで蓑虫の空
優純bow
蓑虫落下フレームアウトからのイン
睦月くらげ
空の青きをその隙間から蓑虫は
はぐれ杤餅
皆既月蝕赤く蓑虫北東待つ
しろねこ
蓑虫やああ見えて一匹狼
るびちゅ
蓑虫や深夜ハンバーガー包む
福岡参山
日曜の校舎のしじま木樵虫
泰山
蓑虫の小枝一本抜いてみん
石崎京子
蓑虫や明日はユンボの入る家
長谷川ひろし
弟を撲ちしあの日よ蓑虫よ
秋野茜
破れず裂けず潰すゴメン蓑虫
佐藤 啓蟄
蓑虫の蓑剥ぐやうなことばかり
青海也緒
蓑虫やナイフを買った帰り道
福井三水低
枝付きの蓑虫掲げ登校す
きべし
蓑虫の蓑に余分な小枝かな
多々良海月
蓑虫の蓑へ蓑虫諍はず
南方日午
蓑虫の蓑に編み込む自己規制
宥光
蓑虫や夜には夜の貌となる
岡井風紋
蓑虫や放置に慣れし子は泣かぬ
日向こるり
蓑虫や有事の時の自給率
松高網代
簑虫や家を守るは女ばかり
松田文女
蓑虫や路上生活丸二年
大庭慈温
その枝は長すぎないか蓑虫よ
幸田柝の音
蓑虫の揺れてをりけり軍用機
風の鳥
蓑虫や僅かに残る葉の匂ひ
ヤヒロ
蓑虫が揺れて輝く非常口
涅槃girl
蓑虫に半分朝日子産まれる
閑々鶏
蓑虫や信長美濃に在十年
森一平
蓑虫や余震に撓む体育館
大紀直紀
みのむしや優しき人に逢ふと思ふ
風慈音
蓑虫の大蒼穹に下がりけり
堀雅一
マーキースカットめく蓑虫に触れずして
真帆まほろ
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
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