【佳作】
みのむしをきく千年のさみしさに
うしうし
蓑虫を百吊る家のがらんだう
池内ときこ
みのむしのかたさかさぶたさんまいぶん
くさ
蓑虫の腰のあたりがあたたかい
ギル
ガムランのやうに蓑虫鳴く真闇
くま鶉
蓑虫や潰せぬほどに柔らかき
蘂六
手始めにこの蓑虫を廃炉とす
新蕎麦句会・凪太
蓑虫に風をいたぶる趣味すこし
ぐ
蓑虫やとぷんと夜の濁る音
いしはまらんる
学級通信届けて蓑虫は風に
古田秀
蓑虫は枯木の背骨の匂ひかな
じゃすみん
蓑虫のしづかにまとふ擦過音
福良ちどり
庭の木に蓑虫揺るるお焼香
はまお
蓑虫や國滅ぶかに落日は
RUSTY=HISOKA
空を青だと知れず蓑虫きれい
すいよう
長者屋敷に量産型蓑虫
ひでやん
蓑虫を捥ぐ塗装屋の手の即座
ふるてい
蓑虫や隣は耐震診断中
いごぼうら
蓑虫をばらした指で弾くピアノ
ひなた和佳
蓑虫は天動説を信じをり
うさぎまんじゅう
蓑虫は星のひかりを食べている
亜桜みかり
蓑虫ふうらり村立診療所
すずさん
蓑虫やお寂しいでせうに飽きて
藤田康子
蓑虫にひと日貸したる竹箒
露草うづら
蓑虫の鳥の遺品のやうに垂れ
常幸龍BCAD
蓑虫の顔出し貧窮問答歌
すがりとおる
蓑よりも長き蓑虫出でにけり
かもん丸茶
行けぬまま終わる二学期蓑虫垂る
かつたろー。
蓑虫よガリレオは夜を噛んだのだ
理酔
蓑虫や指につたわる骨の熱
いなほせどり
蓑虫は涙のかたちして渇く
深山むらさき
蓑虫の叫べないから揺れてをり
山田蹴人
かなしみの分だけ傾ぐみのむしは
青野彼路
蓑虫のふらふらしてののち家出
あずお玲子
蓑虫や9条要るとか要らんとか
あいだほ
蓑虫やこころのやわらかい部分
きなこもち
蓑虫の垂れて怒号の止まぬ家
秋沙美 洋
秋葉原よく燃えそうな蓑虫よ
まこちふる
蓑虫の鳴く夜亡父にウィスキー
まー坊
潰すため潰さぬやうに蓑虫を
北野きのこ
みのむしの咬みつぶされてゐるにほひ
古瀬まさあき
喫煙所を待つ蓑虫を見つける
24516
蓑虫や退学せよと伝える日
しゃま
蓑虫に好かれし家を購入す
せり坊
蓑虫をとる臍の緒を切るやうに
城内幸江
蓑虫や庵開きといふ日和
あまぶー
蓑虫やタバコの吸えぬ火葬場に
GONZA
蓑虫をいけにえとして空は青
くみくまマフラー
鬼の子生きるかろうじてかろうじて
柿司
ギザ十とみのむし交換したあの日
古賀
次回の兼題も
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