【並選】
キャンパスへつづく小径や百千鳥
あつちやん
百千鳥妻の口撃マシンガン
粋田化石
境内にジャージの力士百千鳥
西田武
降れよかし卒塔婆の灰に百千鳥
佐藤俊夫
選びたる病衣はピンク百千鳥
鳴海沓子
百千鳥しるこサンドへ止まらぬ手
みづちみわ
生家跡訪ふもこれきり百千鳥
戸部紅屑
百千鳥老坐す岩のまほらかな
天東あさじ
帰還して十年分の百千鳥
真喜王
偶さかのしづかな国や百千鳥
かえるしろ
百千鳥に怒鳴る二日酔である
中原柊ニ
百千鳥明日はいずこの濱に鳴く
中村笙平
百千鳥幾年ぶりの逆上がり
中里 凜
草に臥ていのち数へむ百千鳥
香壺
百千鳥鳥獣戯画を追ひだされ
杉柳才
百千鳥湧く丸山のひとところ
夏湖乃
百千鳥捻りの緩きプレッツェル
由づる
百千鳥鎖骨に光浴びませう
平としまる
うつうつと職探しおり百千鳥
いなほせどり
百千鳥朝のおつとめ始まりぬ
かつたろー。
数独は途中百千鳥へ繰り出す
あらい
窓越しの影の生き生き百千鳥
余田酒梨
百千鳥マルシェ開催準備中
磯田省吾
百千鳥叔母が再婚するらしい
大熊猫@四句八句
天心に十字架まぶし百千鳥
赤松諦現
義経の隠れし塔や百千鳥
有田みかん
百千鳥やっと解けたよ不等式
細川小春
水源に満ちゆくボトル百千鳥
蓮花麻耶
榮一の墓前の巨樹や百千鳥
at花結い
メシアンの楽譜飛び出す百千鳥
虚実子
百千鳥放射能には無き国境
直
海裂きて迫りだす岬百千鳥
ゆうま
柏手の園児やしろの百千鳥
富佐野ほろよい
校庭に王府の遺跡百千鳥
南風の記憶
補聴器はオフ今日は百千鳥の日
時まる
空おおう雲の一団百千鳥
一走人
トンネルの遠くに明かり百千鳥
真下豆白熊
百千鳥スモーキーマウンテンに朝日
粋庵仁空
百千鳥クレール・マタン空見上ぐ
あなうさぎ
百千鳥とは1000Hzほどの碧
げばげば
つかまえて返す帽子や百千鳥
ベーグル
ストッキング破れこそばし百千鳥
関津祐花
せせらぎの勢ひ増して百千鳥
石垣 葉星
違ういろ違うことばや百千鳥
池之端モルト
この杜に濁るものなし百千鳥
堀口 房水
大空はみすゞの世界百千鳥
永想
新品の靴が一足百千鳥
杉尾芭蕉
式挙げるだけのチャペルや百千鳥
南方日午
曼陀羅のやうなる大樹百千鳥
久森ぎんう
百千鳥納骨の日の定まらず
中根由起子
百千鳥ラジオは今日もいいニュース
長谷機械児
この先は嬥歌よ乙女百千鳥
あさのとびら
白富士やちっちゃな俺を百千鳥
清水縞午
百千鳥こけら落としの音楽堂
夢見昼顔
間伐のチェンソー止みて百千鳥
石橋猿山
百千鳥花撒くように歌いおり
柳雨水
百千鳥合はせ鏡の奥は闇
叶
運針に少しの乱れ百千鳥
西村柚紀
百千鳥しちよりななと言いたい日
夏野あゆね
油絵や智恵子の空へ百千鳥
千暁
朝の駅うずまく音や百千鳥
犬散歩人
顔洗ふ人の営み百千鳥
ゐるす
泣きやまぬ赤子負かせよ百千鳥
水間澱凡
少年の息継ぎひゅっと百千鳥
秋さやか
百千鳥朝日は金の鳥かごよ
矢橋
チアダンの十分休み百千鳥
じょいふるとしちゃん
震源の×ふるさとの百千鳥
紅茶一杯
百千鳥隣の組に留学生
竹村マイ@蚊帳のなか
百千鳥手本のやうな文字の絵馬
桜井教人@金カル
人類はどこへ消えたか百千鳥
西村小市
青年の利き耳は右百千鳥
アンサトウ
百千鳥HARUTAのローファー達行きて
古都 鈴
百千鳥左手首骨折完治
白薔薇
恋愛運のふるはぬ御籤百千鳥
多々良海月
本流のマッチザハッチ百千鳥
清鱒
担任の声の明るく百千鳥
新開ちえ
百千鳥なるほどスキップって楽しい
足立智美
霊園で眺める港百千鳥
鳳凰 美蓮
百千鳥盤上に読む一億手
諏訪ヤス子
神宮がはち切れんかな百千鳥
新濃 健
百千鳥光渦巻く切り株や
あいのるみ
さびしくて集ふこころの百千鳥
市橋正俊
百千鳥ニケの涙のかるくなれ
鰯山陽大
百千鳥いつさう渓の狭まり来
岩橋春海
こゑによりをかけてたたかふももちどり
遠山比々き
あめつちの風よ光よ百千鳥
竜胆
神祀るひようたん池や百千鳥
一富士リリー
百千鳥校舎に百のガラス窓
うしうし
曇天を穿つ百千鳥の密度
はっしー
ごみ出して掃除洗濯百千鳥
灰頭徨鴉
恋せずばかひなき朝ぞ百千鳥
鷹取 碧村
ドの中でファと鳴く度胸百千鳥
鷹星
百千鳥満ちて音叉となる身体
天陽ゆう
百千鳥自宅介護の終はりけり
佐藤儒艮
百千鳥の言い分ふむふむと聞く
芋 二郎
刑務所の定礎は明治百千鳥
いなだはまち
持ちよりの稲荷の匂ひ百千鳥
文月あつみ
野仏へひかりの跳ねて百千鳥
ひだ岩魚
百千鳥古木一本光らせて
森中ことり
百千鳥試しに君を呼び捨てに
井上のなめ
おもひおもひに空きりとりて百千鳥
はなあかり
青銅の天指す像や百千鳥
岸来夢
落慶の散華あまたに百千鳥
華胥醒子
切通し抜けてさざめく百千鳥
新多
反時計回りが順路百千鳥
宗本智之
目つむれば補聴器澄みて百千鳥
松本裕子
百千鳥傍聴整理券求む
小川さゆみ
旅先を決める相談百千鳥
邦生
百千鳥高みに在せる女帝陵
久子
百千鳥空に出口はありますか
木染湧水
百千鳥檻の孔雀は羽ひろぐ
えらいぞ、はるかちゃん!
百千鳥淡紅の骨拾ひをり
森 日美香
百千鳥UDフォントの樹木札
西村青夏@金カル
一文字を刻みし墓や百千鳥
主藤充子
日本画家みんな長生き百千鳥
斉藤百女
迷ひ来て樹木葬園百千鳥
ぞんぬ
百千鳥雨情旧居に日は暮れて
根本葉音@花芭蕉句会
百千鳥焼野原だが戻ってこい
背馬
百千鳥吾は百千の夢こぼし
村上優貴
三輪で運ぶらむねや百千鳥
哲庵
富士の樹海の昏さへ一歩百千鳥
夏風かをる
百千鳥焼入れ続く鍛冶屋かな
明神おぼろ月
ままならぬ対面授業百千鳥
篠田ピンク
大仏の手からこぼれるももちどり
髙橋弓女
ぎつしりの小瓶の小銭百千鳥
清水祥月
朽ちてゆくバス停の椅子百千鳥
Kかれん
百千鳥あれが教育学部棟
藤白真語
紙コップふやけてしまひ百千鳥
山田蹴人
ももちどり微炭酸水のみほして
田中ミノル
四万十の川面捲き上げ百千鳥
秋野 木吾
百千鳥二分の一がメゾフォルテ
伊予吟会 宵嵐
七色のクレパス交差百千鳥
せいしゅう
精神病院へのさか百千鳥
ぉ村椅子(志村肇)
機関車の園バスを待つ百千鳥
誠馬ノマド
百千鳥百瀬千曲の四万十川
はなだんな
明か時の風やそちこち百千鳥
at花結い
老人と引き綱とパン百千鳥
火炎幸彦
多国語の観光マップ百千鳥
東京堕天使
目覚むれば黙想の家百千鳥
常盤あけび
テラス席パンとバターと百千鳥
亀田かつおぶし
イマジンのおんぷのひかり百千鳥
緑の手
ガリ版のインクの匂ひ百千鳥
高木音弥
来た街のZ世代は百千鳥
阿ベアー
百千鳥過ぎたれば空がらんどう
みなみはな
職安に通う街路樹百千鳥
ぐりぐら京子
春餅といふものを食ふ百千鳥
荒木俊充
まづ崩すジグソーパズル百千鳥
矢野貴子@金カル
聴き分けて渡りゐる橋百千鳥
宮川武久
太陽は膨らんで果つ百千鳥
多事
百千鳥が見てる此処には埋められぬ
大黒とむとむ
百千鳥縹に明ける杜の空
岡本 戎
死者の名の碑に満ち足りぬ百千鳥
磐田小
空き店舗ブックカフェへと百千鳥
たけぐち遊子
百千鳥巫女の緋袴眺めけり
HNKAGA
醒めさうな夢百千鳥百千鳥
へなけん
百千鳥明日の空を奪い合ふ
吾亦紅
鉄板のソースの匂ひ百千鳥
蓮香(山端直子)
百千鳥きょう挨拶に来る人よ
野原 華々
百千鳥手にプラカード鳩百羽
笠井あさり
黒潮の沖のまぶしき百千鳥
神山やすこ
百千鳥数個隠語も混ざりをり
林山千港
百千鳥艦旗掲揚喇叭澄む
星埜黴円
おのおのの声に輪郭百千鳥
錆田水遊
こんこんと弘法の水百千鳥
夏草はむ
沈香や女人高野の百千鳥
28ひろきち
「つばめタクシー」全車出はらい百千鳥
苺井千恵
朝方の地震ニュースに百千鳥
紅紫あやめ
曲がり角一つ間違え百千鳥
遥風
百千鳥今朝はバゲット買ひにゆく
糺ノ森柊
白無垢の友は眩しい百千鳥
星井もく
皇后の植樹寿ぐ百千鳥
岡田雅喜
運慶にならぶ快慶百千鳥
柳絮
母の歌集納品近し百千鳥
梓弓
最後まで残る聴覚百千鳥
睦月くらげ
百千鳥やまはずんずんあをくなる
夏雨ちや
せせらぎのみづをふくめば百千鳥
杜乃しずか
百千鳥朝の勤めや建長寺
東 湘輝
求職はまだ続きベンチの百千鳥
カオス
百千鳥教師元来話し好き
砂楽梨
百千鳥地層に入る千葉時代
羽沖
不揃ひの写経の文字や百千鳥
斎乃雪
ちちははに憶ふことなどももちどり
渡辺桃蓮
瓦礫の街歩く人びと百千鳥
吉田竹織
絶対音感おんぷ飛びかふ百千鳥
原水仙
ふらと入る滑走路跡百千鳥
夕虹くすん
百千鳥廃坑空へ半開き
すがりとおる
朝陽射す鉢のパセリと百千鳥
万寿果
迸る絵筆の滴百千鳥
はれまふよう
しりとりのとぎれとぎれにももちどり
佐野 明世
陵にあふるるひかり百千鳥
渋谷晶
鉛筆の芯ほどの塔百千鳥
剣橋こじ
荒神社の囲いの白木百千鳥
亜桜みかり@金カル
はげましやすくいやつぶてももちどり
冬のおこじょ
手漉き紙ゆっくり乾く百千鳥
若井柳児
波音の中の駅舎や百千鳥
辻野 花
きゅむきゅむとぼうろの粒子百千鳥
大紀直家
生贄の子ども百人百千鳥
うた歌妙
百千鳥週一移動販売車
柚和
百千鳥滅んだ村の空青い
ふくじん
神山の天蓋なせり百千鳥
龍田山門
奪還のオリーブ山や百千鳥
中 はじめ
新生活手帳の中は百千鳥
青海波
クラリネット音の影舞う百千鳥
花屋英利
百千鳥妻の横顔やはらかし
独星
百千鳥父はシベリア語らずに
いごぼうら
広目天像眼差しやさし百千鳥
茫々
なまぐさきうしのおならや百千鳥
まるちゃんにいさん
百千鳥ゆふべの星を弔へり
あずお玲子
百千鳥母の火葬を待つ時間
影山らてん
百千鳥押してあげない車椅子
あいだほ
百千鳥聴きつつ詰めるたまご焼き
香山まつり
百千鳥花綵列島晴れ三日
中岡秀次
百千鳥とじひもゆるむ寮日誌
野山遊
古墳めくまろき里山百千鳥
高田杏
切り株に新しき枝百千鳥
森爺
ピスタチオグリーンの朝百千鳥
ふじこ
恐竜の在りし森かな百千鳥
京野さち
百千鳥ジグソーパズル崩す朝
松山めゐ
ここで二人も亡くなったのね百千鳥
深町宏
文珠堂波音船音百千鳥
杉森大介
百千鳥シュゴォと唸る蒸留器
ニラ玉那由多
徹夜して五時の朝食百千鳥
中山白蘭
百千鳥学バス待ちに読む詩集
高尾里甫
百千鳥ヒカリの粒をわれ先に
伊藤辰弥
百千鳥半分は恋してるふり
えむさい
百千鳥けふの予定は何もなし
平野孤舟
燃えるごみかごに放つて百千鳥
稲垣由貴
穴熊に挑む振り飛車百千鳥
田端 欲句歩
古代より国は争ふ百千鳥
藤田康子
百千鳥正気のうちに村を出よ
る・こんと
百千鳥この大木はまだ未婚
まこちふる
百千鳥一声千の応へかな
楽花生
柔らかな朝日絡まる百千鳥
叶田屋
葉の青きままの倒木百千鳥
小豆白虎
孤高つてどんなんやつけ百千鳥
赤尾双葉
なゐの夜の明くやふるさと百千鳥
くま鶉
鼓膜ふと震へ百千鳥の蝸牛
山本先生
崩れてはたちなほるまち百千鳥
山内彩月
百千鳥影になりたるものはなく
砂山恵子
神鏡のひかりはにぶし百千鳥
にゃん
とぶはしるはねるついばむ百千鳥
くろけん
鐘声に一瞬の寂百千鳥
対馬清波
ハーケンの谺する谷百千鳥
安春
海峡を抜きし隧道百千鳥
津軽わさお
百千鳥二進法にて口説きをり
空野 兎
百千鳥きゅいんきゅいんと歯を削り
秋ひろ
深淵に波紋のごとく百千鳥
斗三木童
口笛は全休符して百千鳥
四條たんし
吟行のわれら百千鳥の一端
のつり
斥候の潜む林を百千鳥
たていし 隆松
百千鳥トラクター曳く黒き線
うさぎまんじゅう
黎明を種蒔くやうに百千鳥
青野彼路
百千鳥パソコン閉じてベランダへ
竹春エリザベス
介護現場に新人や百千鳥
野中泰風
熟睡を解く耳底や百千鳥
津軽ちゃう
レコード盤幾多も捨てて百千鳥
フージー
大社二礼四拍手百千鳥
里山疎水
単独の俺に百千鳥が刺さる
稗田鈴二郎
百千鳥スクールカースト睨みつつ
祐凪
百逢ひて百の別れや百千鳥
桃香
めでたしと閉じる絵本や百千鳥
雪井苑生
大安の百千鳥けざやかな判
赤馬福助
百葉箱のペンキ剥がれて百千鳥
富山湾
百千鳥ゲートボールの撥ねる音
ぶうびい
鍵穴に涙の破片百千鳥
阿部猪子
亀石のまだ眠そうな百千鳥
藤源卿
百均に煌なす文具百千鳥
ぐずみ
百千鳥脳みそは半分で良い
森田かな
バンマスの手腕や如何に百千鳥
ひぐちいちおう(一応)
百千鳥鳥語ドイツ語スペイン語
朶美子(えみこ)
ジャム瓶にビーツの酢漬百千鳥
ぐでたまご
廃レールに零れる声や百千鳥
白井 佐登志
呼び交わすことばは光百千鳥
ちゃうりん
百千鳥ヘルパーと行く美容室
野口日記
口きかぬふたり雨止み百千鳥
藤鷹圓哉
だいふくのなんとふくよか百千鳥
横縞
百千鳥ユンボの角度皆同じ
空豆魚
百千鳥水手御門が開く時
土佐藩俳句百姓豊哲
磨る墨の濃くなりゆくや百千鳥
緋乃捨楽
沖にパラセーリング見ゆ百千鳥
津島野イリス
樹々めぐる声の紋様百千鳥
sakura a.
百千鳥あしたは出かけてもいいよ
あきののかなた
シャガールのパレット滲む百千鳥
日々拓人
農協で駅弁まつり百千鳥
タリタ クミ
青い星にミサイル不要百千鳥
今治八十八
手作りの写真スタジオ百千鳥
稲畑とりまる
百千鳥恋をするなら海が良い
理酔
鍵盤の端から端を百千鳥
麻きなり
グレゴリオ聖歌嫋々百千鳥
晴 aloha
尼御前の身を投げし海百千鳥
富山の露玉
一年生は山のキャンパス百千鳥
かりかり久助
遠縁にあたる寺らし百千鳥
也和
墓じまいのパンフレットや百千鳥
笑酔
百千鳥そつぽ向きたる風見鶏
月石 幸
廃校はカフェにオフィスに百千鳥
あまぐり
上京を決めた公園百千鳥
橘鶫
笑みこぼす牧師夫妻や百千鳥
蒼鳩 薫
卓上に常温の水百千鳥
野口真砂輝
百千鳥風のやさしき樹木葬
きなこもち
バス停は鷹匠橋と百千鳥
品川笙女
百千鳥ていねいなひと日始まる
豆闌
どの声も地球のことば百千鳥
大塚迷路
百千鳥かけだす前につまづきぬ
清水明美
百千鳥名まえの違う木の名札
里山子
字幕なき露西亜映画や百千鳥
M・李子
百千鳥蛇口の銀をひと磨き
公木正
百千鳥重き曙光に溶ける牛
あるる
ママチャリをこぐ坊様や百千鳥
佐藤香珠
瑠璃色に太陽剥けて百千鳥
世良日守
百千鳥ある哀しみを斥けぬ
蘭丸結動
山にかげ山にひかりよ百千鳥
ありあり
今年こそ納骨します百千鳥
満る
音のつぶのスイミーめきて百千鳥
畠山 悊央
英雄の像を真中に百千鳥
ふわふわ研究所
軽トラの荷台まっさら百千鳥
清永ゆうこ
百千鳥羊毛フェルト針の音
打楽器
聞きなせる声みつつよつ百千鳥
西川由野
百千鳥字も角つこもない墓石
坊 いち坊
入り混じる三条河原百千鳥
銀 次郎
しゆくしゆくと臍の緒ゆく血百千鳥
詠頃
おつかいは豚のこま肉百千鳥
花咲明日香
マカロンの形をめぐる百千鳥
小川野棕櫚
大枝の覆う峡谷百千鳥
野地垂木
図書館に替はりし母校百千鳥
さぶり
トングかちかち響くパン屋よ百千鳥
牧野冴
百千鳥歌声添えてカプチーノ
殿村則子
百千鳥やつらのいない校舎裏
はんばぁぐ
教え合う空の高さや百千鳥
花和音
よく撓る評判の木や百千鳥
慢鱚
ヤクルトのおまけヤクルト百千鳥
川村湖雪
百千鳥なかまはずれのいないもり
灰田兵庫
一村の筆の緑や百千鳥
蘂六
陽に翳す水掻きの脈百千鳥
成瀬源三
紛れたるシベリア訛り百千鳥
吉野川
優勝パット拍手の前の百千鳥
玉庭マサアキ
起きぬけを引きずり百千鳥の窓
田面類
百千鳥あふれて母へこぼれけり
すりいぴい
貧血の朝を揺さぶる百千鳥
木ぼこやしき
炭酸のへらへら空へ百千鳥
さるぼぼ@チーム天地夢遥
百千鳥夫は転職決心す
もりたきみ
眠剤の余韻百千鳥の夜明
仁和田永
百千鳥夜明けのクレー射撃場
千代 之人
百千鳥ひかり初めたる寺の廊
綾竹あんどれ
方舟は森となりけり百千鳥
干しのいも子
プレッツェルのバタほの甘し百千鳥
芍薬
百千鳥孤島の医者になった甥
七瀬ゆきこ
新しき王を迎ふる百千鳥
久蔵久蔵
湯の落ちて茶葉舞ふ時間百千鳥
もりさわ
納骨の朝のひかりや百千鳥
砂糖ふさこ
早朝のコーヒー裏山の百千鳥
老人日記
一行に十の読点百千鳥
森脩平
あの子らも課外授業か百千鳥
凡句楽直
給食の味つけ薄し百千鳥
前田麺
吾が耳も翼となりぬ百千鳥
シュリ
百千鳥ドラレコは森映しゆく
28あずきち
封筒より鈴の音ひとつ百千鳥
弘友於泥
竹皮のおむすび温し百千鳥
水無月
百千鳥墓所に咲く花枯れる花
原浩朗
百千鳥サジ山盛りに龍角散
紫小寿々
百千鳥空に穴ぼこあくやうに
Vn 花のん
ママ友はともだちなのか百千鳥
里すみか
せんせいのいないきょうしつ百千鳥
石川聡
百千鳥とふ透明の言葉かな
ひねもす
四万十の産声のごと百千鳥
山城道霞
再開の朝の部室や百千鳥
春雪
百千鳥ピントの合わぬ双眼鏡
雪音
百千鳥へんとう体は静やかに
仁山かえる
百千鳥朝刊配る影も見ず
青藍蒼
ホースから泥水ぶふぁふぁり百千鳥
丹波らる
百千鳥パンより溢るマヨネーズ
洒落神戸
網代編む小爪の白さ百千鳥
はまお
百千鳥お試し保育最終日
久留里61
恐竜のパラパラまんが百千鳥
一斤染乃
旋回に浮かむゴンドラ百千鳥
石田将仁
百千鳥きみをそのままのみくだす
清水 三雲
戦争の朝もある星百千鳥
睦 陽花
草に寝て草に溶ければ百千鳥
ひすい風香
百千鳥失礼下を通ります
三浦にゃじろう
夫逝くや囃して挽歌百千鳥
谷町百合乃
一日の花を摘めとや百千鳥
白鳥国男
くろぐろと畝ととのふや百千鳥
みつれしづく
百千鳥ジャグラーのけぞってのけぞって
武井かま猫
早朝をジブリの森の百千鳥
沢拓庵
散骨を終へて岬の百千鳥
小池令香
百千鳥丸みて光る百度石
妹のりこ
プリズムの分かつ光や百千鳥
寺尾当卯
くづし字の句碑をひとなで百千鳥
黒麹 糀
光積む移動図書館百千鳥
きのえのき
百千鳥母校に女子が入るつて
ひなた和佳
米を研ぐ水さらさらと百千鳥
海猫
百千鳥開演前のホールかな
菊池克己
御陵の木霊はればれ百千鳥
水木合歓
百千鳥父と農業センターを
安溶二
ゆんゆんとあくび増えたる百千鳥
村上右佐
百千鳥ここそこあそこ影ばかり
パーネ・メローネ
棲みわけてゆたかな朝や百千鳥
うに子
百千鳥利根川広すぎて泣ける
くさ
百千鳥支笏湖直線道路地図
千風もふ
百千鳥漁師の家に陽が射して
三泊みなと
村会に遅刻の理由は百千鳥
加良太知
渓谷のかたちに響き百千鳥
ミヤ勘八
百千鳥跳ねて水琴窟ちかり
野井みこ
百千鳥ここは四国の最西端
野の花 誉茂子
川の水とっぷり汲んで百千鳥
秋熊
潮引けば泥に息吹や百千鳥
谷山みつこ
百千鳥にもウクライナ旗にも吹けよ風
音羽凜
風待ちのシャッター切るや百千鳥
飯村祐知子
土地神のみづ清らかに百千鳥
安寿
鉱夫千人モノクロ写真百千鳥
GONZA
病める木に凭れて高き百千鳥
ほろろ。
やま林谷川学校百千鳥
ウロ
真直ぐにカヌーの漕げぬ百千鳥
まがりしっぽ
絵馬掛けの結び目の数百千鳥
まこ@いつき組広ブロ俳句部
しまなみやおちこちおちと百千鳥
あみま
楽しげなアーチ百千鳥の廃園
さくさく作物
投爆に焼けた大木百千鳥
紋舞蘭
手作りのバードコールへ百千鳥
柚木みゆき
讃美歌のオルガン遠し百千鳥
オサカナクッション
二人しかゐない野球や百千鳥
多喰身・デラックス
御神木倒す百千鳥続く
弥日
観音のこゑ無きこゑぞ百千鳥
晴田そわか
前をゆく帽子の遠し百千鳥
遠音
往診の家に野菜と百千鳥
克巳@夜のサングラス
乳飲み子の乳吸う力百千鳥
今野淳風
ももちどりぷらすちっくのひかるおと
森野しじま
百千鳥ハンカチ落としの鬼笑ふ
菫久
ブーケトスの軌跡光るや百千鳥
如月ドロップ
木曽三川一水にして百千鳥
森一平
背教の羽音は太し百千鳥
蟻馬次朗
百千鳥朽ちた金具の緩む音
瑠璃星
百千鳥鼓膜へかゆくなる周波
せり坊
百千鳥鳴けば潮風の甘し
向原かは
校庭に白線五本百千鳥
まー坊
百千鳥たしかに此処に在った町
立部笑子
森の揺れ集めて百千鳥は鳴く
けーい〇
百千鳥翼のやうな雲ゆたか
ぎんやんま
百千鳥わたしの幸は片手分
くみくまマフラー
口上の幾久しくや百千鳥
はまゆう
外つ国の学寮にめざむ百千鳥
金太郎
昼休憩約十分の百千鳥
ヤヒロ
プィーサンカ木に吊るし待つ百千鳥
加地祐作
道具から入る趣味とや百千鳥
香西あかね
百千鳥影をもたらすもののなく
遊羽女
百千鳥仏語で道を訊かれても
はぐれ杤餅
掘り起こすタイムカプセル百千鳥
篝
紅茶まつ砂の三分百千鳥
すずしろゆき
観音の千手に群れて百千鳥
聞岳
留守番の独り綾取り百千鳥
葛谷猫日和
百千鳥弥生墳墓の調甕
よぶこどり
百千鳥昇降口から湧き出る子
飛来 英
野に転ぶ毬の温みや百千鳥
堀雅一
免許更新二百番台百千鳥
伊吹はたき
まだ青い空があるよと百千鳥
五十 理化
百千鳥ハモる最小公倍数
黒田
ずる休み遠近法の百千鳥
でんでん琴女
百千鳥投票箱の中の闇
ふもふも
百千鳥赤子つぎつぎ泣き始む
いもがらぼくと
百千鳥観音さまも欹てる
落合一愚
百千鳥壷中の天にあるごとし
藤井赤童子
堀留跡に人の増え百千鳥
高山佳風
参鶏湯に小さき骨あり百千鳥
閑々鶏
木漏れ日は祈りの欠片百千鳥
haruwo
叔母の骨誰が弔う百千鳥
孝崎有辺
百千鳥円周率に宿るもの
花伝
べらぼうな空にきはあり百千鳥
山河穂香
一の丘二の丘抜けて百千鳥
鯛 風
ドロップ缶に持ち帰りたし百千鳥
靫草子
国境へ進まぬ車列百千鳥
亀田荒太
閉じられしサナトリウムや百千鳥
黒澤墨青
引きこもる我にも注ぐ百千鳥
河村静葩
礼拝の賛美にひかり百千鳥
山川腎茶
点描の彩なすひかり百千鳥
村瀬っち
一人乗るリフト七分百千鳥
ちかひか
百千鳥三百六十度青空
清水千種
水桶にこぞりて光る百千鳥
登盛満
ふるさとの道は凸凹百千鳥
風慈音
百千鳥ははのリュックにパンあまた
星月さやか
輪になつて踊る埴輪や百千鳥
宮武濱女
百千鳥遠く置き杖借りてゆく
阿波オードリー
百千鳥ツツピツツピは彼の歌
一寸雄町
百千鳥山の郵便声便り
比良山
庭先の選果五合目百千鳥
ゆすらご
戦争の止め方問ふ子百千鳥
ノアノア
六人の学者百千鳥の島へ
平良嘉列乙
百千鳥暦のぺけもあと一つ
黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
百千鳥わが菩提寺は六百年
きべし
傭兵の耳つんざくや百千鳥
青木りんどう
外つ国の言葉明るし百千鳥
陽光樹
宝くじ号ロータリーへ百千鳥
福田みやき
朝摘みの果実泡立つ百千鳥
北爪いく葉
こゑやこゑこゑをこゑおふ百千鳥
犬山裕之
召されたる子らの青ぞら百千鳥
蜥蜴の尻尾
百千鳥みんなちがうという自由
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
百千鳥twitterへもラテアート
江藤薫
切り株の上の花束百千鳥
ぱぷりかまめ
舐めて貼る切手の甘さ百千鳥
和鹿島荒巻
取り合いて飯ごうの焦げ百千鳥
おたまじゃくし
百千鳥くるくる回るわらべうた
深草あやめ
黒こしょう挽きゐる朝や百千鳥
岡井風紋
案内の多言語表記百千鳥
絵夢衷子
原木吊るワイヤー撓み百千鳥
ふわり子
父祖の塚見回り役は百千鳥
上津 力
百千鳥楡のかたちをせり上ぐる
アロイジオ
頂の近づきてなほ百千鳥
やまさきゆみ
百千鳥こんどの人に応へけり
和泉穣
百千鳥鳥に敬語のありにけり
新蕎麦句会・凪太
波引かばどの石ひかる百千鳥
戸口のふっこ
百千鳥ペン持つ指のささくれて
Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
カンバスの色変へばやと百千鳥
吉川拓真
百千鳥手水の四方に広がれり
橋本こはく
清澄や朝日たばしる百千鳥
このみ杏仁
長短の色鉛筆や百千鳥
すいろ
百千鳥むねの橙心の陽
こんちゃっちゃ
空港を見下ろす丘の百千鳥
国東町子
百千鳥手帳に踊るカラフルペン
茉叶
小走りのリズム百千鳥の自由
金朋かいと
かしこくも皇居の杜を百千鳥
そうり
百千鳥瀬戸内寂聴法話集
岡山小鞠
百千鳥カタカナ並ぶ観察帳
長谷川ひろし
曇天に光の音符百千鳥
清白真冬
赤飯に湿打つ朝の百千鳥
sol
軽トラは制限速度百千鳥
木寺 仙游
パレットの水色へみづ百千鳥
平本魚水
丹田を地軸にあづけ百千鳥
越前岬
百千鳥浴ぶる一人の湖上駅
伊奈川富真乃
婚の荷に吾子と凭れて百千鳥
伏見丹耶
百千鳥神宮の杜浸しけり
彼方ひらく
百千鳥右顧左眄して従わず
白鳥古丹
焼き立てのパン屑ほわわ百千鳥
はぷりかまめ
本日は特のり弁や百千鳥
陽光
ラの音の少し外れた百千鳥
石岡女依
恋人の子どもはおませ百千鳥
竹内一二
百千鳥尾骨辺りの疼きたる
テツコ
百千鳥やつと予定の決まる午後
城内幸江
百千鳥サイフォンの火を掻き混ぜよ
西田月旦
土手の上ただ余白なり百千鳥
笹間明明
骨伝導イヤホン軽し百千鳥
田辺ふみ
掻き消えし雲を悼みて百千鳥
田中耀
百千鳥明日こそ髪を切りに行く
ヒマラヤで平謝り
卵生の民の伝説百千鳥
海音寺ジョー
為政者の耳は壊れて百千鳥
(野々之)乃の
筮竹のどれもまつすぐ百千鳥
瓦すずめ
峠越ゆ遙か浦町百千鳥
余熱
百千鳥「翔」の字並ぶ名付け本
真井とうか
百千鳥かへりはロープウェーに乗る
かなえの
磨り硝子に影の往き来や百千鳥
ペトロア
席替えのくじの吉凶百千鳥
花純
知らぬ名の宗教施設百千鳥
ダンサーU-KI
百千鳥樹木の匂い満ちる朝
愛燦燦
百千鳥部屋に格子の陽の四角
川越羽流
楼上より千の甍や百千鳥
沙那夏
新古車のミニバンいずこ百千鳥
なつめモコ
百千鳥病棟に父閉じ込めた
縁穐律
釣人の揺らぎし影や百千鳥
dragon
おむすびの歪なかたち百千鳥
絵十
百千鳥恋は素敵と多言語で
紫月歪丸
百千鳥手話の子らゆく母とゆく
ま猿
百千鳥等高線となりにけり
帝釈鴫
百千鳥けふもぽつんとゐる私
あまぶー
百千鳥御門に残る弾の跡
酔猿
もういちど暮らす母国や百千鳥
ほしのあお
文庫本ゆっくり閉じて百千鳥
神田行雲
尼寺の女人茶会や百千鳥
上村 風知草
喧騒も光となりて百千鳥
瞳子
閉校のことまだ知らず百千鳥
大谷如水
百千鳥せわし祇園の昼の茶屋
吟 梵
トローチの輪つかを舌に百千鳥
海峯企鵝
約束の歌を持ち寄り百千鳥
なしむらなし
阿弥陀似の瘤杢磨く百千鳥
百瀬はな
斧の音一際高く百千鳥
大阪駿馬
明けきらぬ光かきまぜ百千鳥
河本かおり
重機停止する正午の百千鳥
露口全速
百千鳥小枝ひろってマエストロ
万葉剣
誰もゐぬ貧寺の橡の百千鳥
熊谷 温古
百千鳥の中でなら言へさうなこと
江藤すをん
関数の答えは不明百千鳥
さくやこのはな
ラムネ菓子色とりどりや百千鳥
福岡参山
百千鳥スーツを捨てることもある
高遠見上
楽聖の墓をめぐるや百千鳥
るびちゅ
この海を恨みしことも百千鳥
可笑式
百千鳥源流を汲む手のくぼみ
じゃすみん
斎場の欅蒼蒼百千鳥
えりべり
働かぬ日々また忙し百千鳥
酔下弦
手びさしの隙間こぼるる百千鳥
風花まゆみ
四声を倣ふ百千鳥とは瑞々し
果禄
四阿で食ぶ稲荷寿司百千鳥
虎穴虎児
百千鳥聞きつつ上る城の道
喜多輝女
音の無き君の目の追ふ百千鳥
ひでやん
山峡の浸かる足湯に百千鳥
三水
心地良く泣きじやくる夢百千鳥
海野碧
百千鳥活断層の走る森
藤倉密子
スライムの空気はじけて百千鳥
暖井むゆき
ベーグルを分け合ふベンチ百千鳥
大庭慈温
鳩時計遅れて出るや百千鳥
石井一草
百千鳥大腿骨のゆるみたる
ももたもも
百千鳥シャープを押して待つ電話
たま走哉
石段の部員引き揚げ百千鳥
パッキンマン
百千鳥光合成の匂ひかな
秀田狢
陣痛は十五分おき百千鳥
下條ちりり
夫婦して産科の受診百千鳥
後藤三梅
五穀米ほふとかぐわし百千鳥
小鳥ひすい
川分かれ二つの山へ百千鳥
北藤詩旦
百千鳥乾杯の泡噴きこぼれ
樋口滑瓢
修験者の足取り軽し百千鳥
ときめき人
百千鳥喧騒果てし二百段
花南天anne
呼吸法の講習半ば百千鳥
卯年のふみ
登山口の馬頭観音百千鳥
小川都
百千鳥うすき昼月空のすみ
宥光
雀荘の炒飯うまし百千鳥
素空
この樹にとまればつかまらぬ樹の百千鳥
穂積天玲
散骨の手のふるふると百千鳥
英子
奥付にありし住所や百千鳥
咲元無有
子等遊ぶ迷路の中や百千鳥
まりい@木ノ芽
定員のなき木とみえて百千鳥
瀬央ありさ
壱越は導師の和音百千鳥
白プロキオン
百千鳥ケーブル絡むヘッドホン
福井三水低
上司から飴玉もらう百千鳥
涅槃girl
返事待つ二秒は無音百千鳥
つきのひと
みづうみは森のしんざう百千鳥
広木登一
調整池人影はなし百千鳥
月岡方円
百千鳥山の夜明けの息を吸ふ
たむらせつこ
百千鳥畠に跳ねる耕運機
中鉢矢的
鮮やかなネイルの女百千鳥
田畑 整
百千鳥三角点に朝日差す
猫楽
百千鳥小さき恐竜どもの空
萩野つき
きゆるきゆると喝采降らせ百千鳥
坐花酔月
クッキーの缶にパステル百千鳥
司啓
おかっぱの防犯ブザー百千鳥
ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部
事故物件内覧ひびく百千鳥
柴口将臣
百千鳥「落書き寺」の明るさに
大和田美信
寝がえりへ強き胎動百千鳥
トウ甘藻
百千鳥今日より君も住まふ街
えりいも
アトリエの玻璃戸ふるわす百千鳥
とんぼ
ぼくにしかぼくは赦せず百千鳥
まんぷく
大浴場は異国語ばかり百千鳥
小笹いのり
父として学校へ行く百千鳥
酒井おかわり
死に真似の遊び百千鳥の迫る
百瀬一兎
聖路加の屋上ベンチ百千鳥
卯月紫乃
木の揺るる風かはたまた百千鳥
空流峰山
百千鳥耳石がホロホロ動き出す
安井コスモス
野を渡る風は金色百千鳥
石塚彩楓
開発に反対のビラ百千鳥
高橋寅次
百千鳥ジヤムへ二百の小粒の実
明惟久里
百千鳥転機はいつと問われけり
瀬戸ティーダ
百千鳥瓦礫の街に日は昇る
佐々木のはら
切り株の年輪清か百千鳥
博さん
樹木医の眼鏡の空を百千鳥
日向こるり
煤けゆく空が堕ちさう百千鳥
久保田A
百千鳥もうすぐ着くの通知来る
いくたドロップ
百千鳥8分休符が大嫌い
湊吾子
やはき陽のひとひら膝に百千鳥
杏是りゐ菜
木に掛ける籠は空っぽ百千鳥
吉武茂る
カロートの幽かな湿り百千鳥
幸田柝の音
あざなえる明日は吉日百千鳥
まぐのりあ@蚊帳のなか
百千鳥ひとりで父の百箇日
八幡風花
百千鳥沁みゆく空や母逝きぬ
乃筈三拍
いま産まれ落ちたる如し百千鳥
霞山旅
青空や主席はだあれ百千鳥
ときわ露草
晴れの朝混ざった絵の具百千鳥
五方 伊勢エビ
百千鳥恋人以上に何望む
瑞鬼羅
カフェ巡りコーヒー片手に百千鳥
いっぴ
湯のたぎる音に紛れて百千鳥
重夫
空色の絵の具の匂ひ百千鳥
ほしの有紀
遅れるな全校集会百千鳥
鰯しか勝たん
大神の鎮まる山や百千鳥
えいぎょ
この家に住むと決めたよ百千鳥
井納蒼求
百千鳥空っぽになる幼稚園
桃まんじゅう
百千鳥動物園の大欅
うぢ一樹
腹帯を賜る人や百千鳥
昇華
鍬二つ並んで干せり百千鳥
一本橋ふくろう
『田園』に溢るる無音百千鳥
青野遊飛@蚊帳のなか
弁当にそぼろふた色百千鳥
青野遊飛
合宿の朝の腹筋百千鳥
小倉あんこ
消毒で酔う体質や百千鳥
神谷たくみ
平和とはこんな洗濯百千鳥
ことまと
朝練のブラバン遥か百千鳥
平野水麦
歩を止めて片耳開く百千鳥
樹朋
交わればほの紅くなり百千鳥
花紋
モン族の刺繍おどるや百千鳥
きみどり
百千鳥雲なき空はさびしいか
新城典午
百千鳥狂えりロシア武器を置け
俳菜ひろこ
百千鳥警備員立つ研究所
クロまま
百千鳥てっぺん砦を占拠す
れんげ畑
争わぬ大地はゆたか百千鳥
葉るみ
使われぬジャングルジムや百千鳥
祐
百千鳥閉鎖されたる旧トンネル
秋野茜
百千鳥からみあう音のすぐほどけ
瀬尾白果
百千鳥目入れのこぐまラテアート
石上あまね
往診の医師の自転車百千鳥
わかば萌
歯科醫院の大樹膨らむ百千鳥
蓼蟲
とりどりのをのこ跳ぬるや百千鳥
三浦金物店
往診の窓の明るし百千鳥
露草うづら
山上の廃墟はホテル百千鳥
定吉
百千鳥幼稚園では昼休み
むじーじ
百千鳥埋まつてゐるか古墳群
山野麓
読み終へてふり仰ぐ木々百千鳥
山田菫舎
百千鳥鳴けば悲しき鳥もいて
幸
百千鳥3オクターブ上の空
音のあ子
百千鳥止みてこれより墓の道
筬葉
黒点の数増やしたか百千鳥
ぐりえぶらん
百千鳥確かにもずの声もして
石崎京子
百千鳥はたらくことを止めまして
秋沙美 洋
車座に入れぬ少女百千鳥
鈴木麗門
餡を炊く水を汲む朝百千鳥
大小田忍
百千鳥糺の森へちりぢりに
卑弥呼
呪詛のごと母のはなうた百千鳥
こいぬ
墨を打つ八十路の腕百千鳥
椋本望生
戻りたい一日はあるか百千鳥
梵庸子
知らぬこと世にあふるるや百千鳥
旺上林加
反射炉の煙突高し百千鳥
梨西瓜
一塊の十の魂百千鳥
広瀬 康
払暁に膨るるものは百千鳥
眠 睡花
押し寄せる光の音色百千鳥
笑松
伊佐爾波の石段険し百千鳥
竹田むべ
楠艶やか廃寺の杜の百千鳥
咲弥あさ奏
君が代は山の端の律百千鳥
山香ばし
山かづら膨るる日差し百千鳥
広島 しずか80歳
手の中の数珠の輝き百千鳥
大石紗季
百千鳥城下の西に海光る
紅小雀
百千鳥キーマカレーへ無塩バタ
藤田ゆきまち
ハンモックに深く沈むや百千鳥
山中 揚
百千鳥ハチ公前の硬派かな
利尻
百千鳥二年ぶりなる渋谷族
渥美こぶこ
明け方のチェルノブイリに百千鳥
新子熊耳
愛しいと哀しいと知る百千鳥
島田あんず
百千鳥極彩色の太子殿
新右衛門
知恵の輪のやうな遊具や百千鳥
藤 雪陽
百千鳥大仏様とお友達
朱夏A
殺生石割れたるままに百千鳥
玉響雷子
割り玉のひらくを待ちて百千鳥
おきいふ
百千鳥アルハンブラのアラベスク
北山 烏兎
百千鳥手形不渡弐拾萬
灰色狼
百千鳥冷たき墓にハイライト
雑魚寝
次回の兼題も
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