俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2022年2月20日週の兼題

百千鳥

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 選びたる病衣はピンク百千鳥

    鳴海沓子

  • キャンパスへつづく小径や百千鳥

    あつちやん

  • 百千鳥老坐す岩のまほらかな

    天東あさじ

  • 偶さかのしづかな国や百千鳥

    かえるしろ

  • 百千鳥妻の口撃マシンガン

    粋田化石

  • 境内にジャージの力士百千鳥

    西田武

  • 生家跡訪ふもこれきり百千鳥

    戸部紅屑

  • 降れよかし卒塔婆の灰に百千鳥

    佐藤俊夫

  • 百千鳥に怒鳴る二日酔である

    中原柊ニ

  • 百千鳥明日はいずこの濱に鳴く

    中村笙平

  • 百千鳥しるこサンドへ止まらぬ手

    みづちみわ

  • 草に臥ていのち数へむ百千鳥

    香壺

  • 百千鳥幾年ぶりの逆上がり

    中里 凜

  • 帰還して十年分の百千鳥

    真喜王

  • 百千鳥鳥獣戯画を追ひだされ

    杉柳才

  • 百千鳥湧く丸山のひとところ

    夏湖乃

  • 百千鳥捻りの緩きプレッツェル

    由づる

  • 数独は途中百千鳥へ繰り出す

    あらい

  • 百千鳥鎖骨に光浴びませう

    平としまる

  • うつうつと職探しおり百千鳥

    いなほせどり

  • 百千鳥朝のおつとめ始まりぬ

    かつたろー。

  • 窓越しの影の生き生き百千鳥

    余田酒梨

  • 百千鳥やっと解けたよ不等式

    細川小春

  • 百千鳥叔母が再婚するらしい

    大熊猫@四句八句

  • 天心に十字架まぶし百千鳥

    赤松諦現

  • 百千鳥マルシェ開催準備中

    磯田省吾

  • 榮一の墓前の巨樹や百千鳥

    at花結い

  • 義経の隠れし塔や百千鳥

    有田みかん

  • メシアンの楽譜飛び出す百千鳥

    虚実子

  • 百千鳥放射能には無き国境

  • 海裂きて迫りだす岬百千鳥

    ゆうま

  • 水源に満ちゆくボトル百千鳥

    蓮花麻耶

  • 校庭に王府の遺跡百千鳥

    南風の記憶

  • 柏手の園児やしろの百千鳥

    富佐野ほろよい

  • 百千鳥クレール・マタン空見上ぐ

    あなうさぎ

  • 補聴器はオフ今日は百千鳥の日

    時まる

  • トンネルの遠くに明かり百千鳥

    真下豆白熊

  • 空おおう雲の一団百千鳥

    一走人

  • ストッキング破れこそばし百千鳥

    関津祐花

  • 百千鳥スモーキーマウンテンに朝日

    粋庵仁空

  • せせらぎの勢ひ増して百千鳥

    石垣 葉星

  • つかまえて返す帽子や百千鳥

    ベーグル

  • この杜に濁るものなし百千鳥

    堀口 房水

  • 大空はみすゞの世界百千鳥

    永想

  • 式挙げるだけのチャペルや百千鳥

    南方日午

  • 百千鳥とは1000Hzほどの碧

    げばげば

  • 違ういろ違うことばや百千鳥

    池之端モルト

  • 新品の靴が一足百千鳥

    杉尾芭蕉

  • 百千鳥納骨の日の定まらず

    中根由起子

  • 曼陀羅のやうなる大樹百千鳥

    久森ぎんう

  • 百千鳥ラジオは今日もいいニュース

    長谷機械児

  • 百千鳥花撒くように歌いおり

    柳雨水

  • 白富士やちっちゃな俺を百千鳥

    清水縞午

  • 間伐のチェンソー止みて百千鳥

    石橋猿山

  • 百千鳥合はせ鏡の奥は闇

  • 運針に少しの乱れ百千鳥

    西村柚紀

  • 百千鳥こけら落としの音楽堂

    夢見昼顔

  • この先は嬥歌よ乙女百千鳥

    あさのとびら

  • 百千鳥しちよりななと言いたい日

    夏野あゆね

  • 少年の息継ぎひゅっと百千鳥

    秋さやか

  • 朝の駅うずまく音や百千鳥

    犬散歩人

  • 油絵や智恵子の空へ百千鳥

    千暁

  • チアダンの十分休み百千鳥

    じょいふるとしちゃん

  • 泣きやまぬ赤子負かせよ百千鳥

    水間澱凡

  • 百千鳥朝日は金の鳥かごよ

    矢橋

  • 顔洗ふ人の営み百千鳥

    ゐるす

  • 震源の×ふるさとの百千鳥

    紅茶一杯

  • 百千鳥隣の組に留学生

    竹村マイ@蚊帳のなか

  • 人類はどこへ消えたか百千鳥

    西村小市

  • 百千鳥左手首骨折完治

    白薔薇

  • 百千鳥手本のやうな文字の絵馬

    桜井教人@金カル

  • 青年の利き耳は右百千鳥

    アンサトウ

  • 百千鳥なるほどスキップって楽しい

    足立智美

  • 百千鳥HARUTAのローファー達行きて

    古都 鈴

  • 恋愛運のふるはぬ御籤百千鳥

    多々良海月

  • 担任の声の明るく百千鳥

    新開ちえ

  • 霊園で眺める港百千鳥

    鳳凰 美蓮

  • 本流のマッチザハッチ百千鳥

    清鱒

  • 百千鳥盤上に読む一億手

    諏訪ヤス子

  • さびしくて集ふこころの百千鳥

    市橋正俊

  • ドの中でファと鳴く度胸百千鳥

    鷹星

  • 百千鳥満ちて音叉となる身体

    天陽ゆう

  • 百千鳥光渦巻く切り株や

    あいのるみ

  • 百千鳥自宅介護の終はりけり

    佐藤儒艮

  • 百千鳥いつさう渓の狭まり来

    岩橋春海

  • 百千鳥の言い分ふむふむと聞く

    芋 二郎

  • 刑務所の定礎は明治百千鳥

    いなだはまち

  • 百千鳥ニケの涙のかるくなれ

    鰯山陽大

  • こゑによりをかけてたたかふももちどり

    遠山比々き

  • あめつちの風よ光よ百千鳥

    竜胆

  • 神祀るひようたん池や百千鳥

    一富士リリー

  • 持ちよりの稲荷の匂ひ百千鳥

    文月あつみ

  • 百千鳥校舎に百のガラス窓

    うしうし

  • 野仏へひかりの跳ねて百千鳥

    ひだ岩魚

  • 百千鳥古木一本光らせて

    森中ことり

  • 神宮がはち切れんかな百千鳥

    新濃 健

  • おもひおもひに空きりとりて百千鳥

    はなあかり

  • 百千鳥試しに君を呼び捨てに

    井上のなめ

  • 曇天を穿つ百千鳥の密度

    はっしー

  • ごみ出して掃除洗濯百千鳥

    灰頭徨鴉

  • 切通し抜けてさざめく百千鳥

    新多

  • 落慶の散華あまたに百千鳥

    華胥醒子

  • 恋せずばかひなき朝ぞ百千鳥

    鷹取 碧村

  • 旅先を決める相談百千鳥

    邦生

  • 反時計回りが順路百千鳥

    宗本智之

  • 目つむれば補聴器澄みて百千鳥

    松本裕子

  • 百千鳥傍聴整理券求む

    小川さゆみ

  • 百千鳥空に出口はありますか

    木染湧水

  • 青銅の天指す像や百千鳥

    岸来夢

  • 百千鳥高みに在せる女帝陵

    久子

  • 百千鳥UDフォントの樹木札

    西村青夏@金カル

  • 百千鳥淡紅の骨拾ひをり

    森 日美香

  • 日本画家みんな長生き百千鳥

    斉藤百女

  • 百千鳥檻の孔雀は羽ひろぐ

    えらいぞ、はるかちゃん!

  • 百千鳥雨情旧居に日は暮れて

    根本葉音@花芭蕉句会

  • 百千鳥焼野原だが戻ってこい

    背馬

  • 一文字を刻みし墓や百千鳥

    主藤充子

  • 迷ひ来て樹木葬園百千鳥

    ぞんぬ

  • ぎつしりの小瓶の小銭百千鳥

    清水祥月

  • 百千鳥焼入れ続く鍛冶屋かな

    明神おぼろ月

  • ままならぬ対面授業百千鳥

    篠田ピンク

  • 百千鳥吾は百千の夢こぼし

    村上優貴

  • 大仏の手からこぼれるももちどり

    髙橋弓女

  • 百千鳥あれが教育学部棟

    藤白真語

  • 三輪で運ぶらむねや百千鳥

    哲庵

  • 富士の樹海の昏さへ一歩百千鳥

    夏風かをる

  • 朽ちてゆくバス停の椅子百千鳥

    Kかれん

  • 紙コップふやけてしまひ百千鳥

    山田蹴人

  • ももちどり微炭酸水のみほして

    田中ミノル

  • 四万十の川面捲き上げ百千鳥

    秋野 木吾

  • 老人と引き綱とパン百千鳥

    火炎幸彦

  • 精神病院へのさか百千鳥

    ぉ村椅子(志村肇)

  • 七色のクレパス交差百千鳥

    せいしゅう

  • 百千鳥二分の一がメゾフォルテ

    伊予吟会 宵嵐

  • 明か時の風やそちこち百千鳥

    at花結い

  • 多国語の観光マップ百千鳥

    東京堕天使

  • 目覚むれば黙想の家百千鳥

    常盤あけび

  • 機関車の園バスを待つ百千鳥

    誠馬ノマド

  • テラス席パンとバターと百千鳥

    亀田かつおぶし

  • 百千鳥百瀬千曲の四万十川

    はなだんな

  • ガリ版のインクの匂ひ百千鳥

    高木音弥

  • 来た街のZ世代は百千鳥

    阿ベアー

  • 春餅といふものを食ふ百千鳥

    荒木俊充

  • イマジンのおんぷのひかり百千鳥

    緑の手

  • 百千鳥過ぎたれば空がらんどう

    みなみはな

  • まづ崩すジグソーパズル百千鳥

    矢野貴子@金カル

  • 職安に通う街路樹百千鳥

    ぐりぐら京子

  • 醒めさうな夢百千鳥百千鳥

    へなけん

  • 百千鳥が見てる此処には埋められぬ

    大黒とむとむ

  • 百千鳥縹に明ける杜の空

    岡本 戎

  • 太陽は膨らんで果つ百千鳥

    多事

  • 聴き分けて渡りゐる橋百千鳥

    宮川武久

  • 死者の名の碑に満ち足りぬ百千鳥

    磐田小

  • 空き店舗ブックカフェへと百千鳥

    たけぐち遊子

  • 百千鳥手にプラカード鳩百羽

    笠井あさり

  • 百千鳥明日の空を奪い合ふ

    吾亦紅

  • 百千鳥きょう挨拶に来る人よ

    野原 華々

  • 百千鳥巫女の緋袴眺めけり

    HNKAGA

  • 鉄板のソースの匂ひ百千鳥

    蓮香(山端直子)

  • 黒潮の沖のまぶしき百千鳥

    神山やすこ

  • 百千鳥数個隠語も混ざりをり

    林山千港

  • 百千鳥艦旗掲揚喇叭澄む

    星埜黴円

  • こんこんと弘法の水百千鳥

    夏草はむ

  • 曲がり角一つ間違え百千鳥

    遥風

  • おのおのの声に輪郭百千鳥

    錆田水遊

  • 沈香や女人高野の百千鳥

    28ひろきち

  • 朝方の地震ニュースに百千鳥

    紅紫あやめ

  • 「つばめタクシー」全車出はらい百千鳥

    苺井千恵

  • 百千鳥今朝はバゲット買ひにゆく

    糺ノ森柊

  • 白無垢の友は眩しい百千鳥

    星井もく

  • 皇后の植樹寿ぐ百千鳥

    岡田雅喜

  • 運慶にならぶ快慶百千鳥

    柳絮

  • 百千鳥やまはずんずんあをくなる

    夏雨ちや

  • 母の歌集納品近し百千鳥

    梓弓

  • 最後まで残る聴覚百千鳥

    睦月くらげ

  • せせらぎのみづをふくめば百千鳥

    杜乃しずか

  • 求職はまだ続きベンチの百千鳥

    カオス

  • 百千鳥教師元来話し好き

    砂楽梨

  • 百千鳥朝の勤めや建長寺

    東 湘輝

  • 瓦礫の街歩く人びと百千鳥

    吉田竹織

  • ちちははに憶ふことなどももちどり

    渡辺桃蓮

  • 不揃ひの写経の文字や百千鳥

    斎乃雪

  • 百千鳥地層に入る千葉時代

    羽沖

  • 絶対音感おんぷ飛びかふ百千鳥

    原水仙

  • しりとりのとぎれとぎれにももちどり

    佐野 明世

  • ふらと入る滑走路跡百千鳥

    夕虹くすん

  • 迸る絵筆の滴百千鳥

    はれまふよう

  • 朝陽射す鉢のパセリと百千鳥

    万寿果

  • 百千鳥廃坑空へ半開き

    すがりとおる

  • 陵にあふるるひかり百千鳥

    渋谷晶

  • 荒神社の囲いの白木百千鳥

    亜桜みかり@金カル

  • はげましやすくいやつぶてももちどり

    冬のおこじょ

  • 鉛筆の芯ほどの塔百千鳥

    剣橋こじ

  • 手漉き紙ゆっくり乾く百千鳥

    若井柳児

  • きゅむきゅむとぼうろの粒子百千鳥

    大紀直家

  • 波音の中の駅舎や百千鳥

    辻野 花

  • 奪還のオリーブ山や百千鳥

    中 はじめ

  • 百千鳥週一移動販売車

    柚和

  • 生贄の子ども百人百千鳥

    うた歌妙

  • 百千鳥滅んだ村の空青い

    ふくじん

  • 神山の天蓋なせり百千鳥

    龍田山門

  • 新生活手帳の中は百千鳥

    青海波

  • クラリネット音の影舞う百千鳥

    花屋英利

  • 百千鳥妻の横顔やはらかし

    独星

  • 百千鳥父はシベリア語らずに

    いごぼうら

  • 広目天像眼差しやさし百千鳥

    茫々

  • 百千鳥聴きつつ詰めるたまご焼き

    香山まつり

  • 百千鳥ゆふべの星を弔へり

    あずお玲子

  • 百千鳥母の火葬を待つ時間

    影山らてん

  • 百千鳥花綵列島晴れ三日

    中岡秀次

  • 百千鳥押してあげない車椅子

    あいだほ

  • 百千鳥とじひもゆるむ寮日誌

    野山遊

  • ピスタチオグリーンの朝百千鳥

    ふじこ

  • 古墳めくまろき里山百千鳥

    高田杏

  • 恐竜の在りし森かな百千鳥

    京野さち

  • なまぐさきうしのおならや百千鳥

    まるちゃんにいさん

  • 切り株に新しき枝百千鳥

    森爺

  • 百千鳥ジグソーパズル崩す朝

    松山めゐ

  • 徹夜して五時の朝食百千鳥

    中山白蘭

  • 百千鳥シュゴォと唸る蒸留器

    ニラ玉那由多

  • 百千鳥半分は恋してるふり

    えむさい

  • ここで二人も亡くなったのね百千鳥

    深町宏

  • 文珠堂波音船音百千鳥

    杉森大介

  • 百千鳥学バス待ちに読む詩集

    高尾里甫

  • 燃えるごみかごに放つて百千鳥

    稲垣由貴

  • 百千鳥ヒカリの粒をわれ先に

    伊藤辰弥

  • 古代より国は争ふ百千鳥

    藤田康子

  • 穴熊に挑む振り飛車百千鳥

    田端 欲句歩

  • 百千鳥けふの予定は何もなし

    平野孤舟

  • 百千鳥この大木はまだ未婚

    まこちふる

  • 百千鳥一声千の応へかな

    楽花生

  • 柔らかな朝日絡まる百千鳥

    叶田屋

  • 葉の青きままの倒木百千鳥

    小豆白虎

  • 孤高つてどんなんやつけ百千鳥

    赤尾双葉

  • 百千鳥正気のうちに村を出よ

    る・こんと

  • なゐの夜の明くやふるさと百千鳥

    くま鶉

  • 鼓膜ふと震へ百千鳥の蝸牛

    山本先生

  • 崩れてはたちなほるまち百千鳥

    山内彩月

  • とぶはしるはねるついばむ百千鳥

    くろけん

  • ハーケンの谺する谷百千鳥

    安春

  • 神鏡のひかりはにぶし百千鳥

    にゃん

  • 百千鳥影になりたるものはなく

    砂山恵子

  • 鐘声に一瞬の寂百千鳥

    対馬清波

  • 海峡を抜きし隧道百千鳥

    津軽わさお

  • 百千鳥二進法にて口説きをり

    空野 兎

  • 深淵に波紋のごとく百千鳥

    斗三木童

  • 百千鳥きゅいんきゅいんと歯を削り

    秋ひろ

  • 熟睡を解く耳底や百千鳥

    津軽ちゃう

  • 百千鳥トラクター曳く黒き線

    うさぎまんじゅう

  • 斥候の潜む林を百千鳥

    たていし 隆松

  • 吟行のわれら百千鳥の一端

    のつり

  • 口笛は全休符して百千鳥

    四條たんし

  • 黎明を種蒔くやうに百千鳥

    青野彼路

  • 百千鳥スクールカースト睨みつつ

    祐凪

  • 介護現場に新人や百千鳥

    野中泰風

  • 大社二礼四拍手百千鳥

    里山疎水

  • 単独の俺に百千鳥が刺さる

    稗田鈴二郎

  • レコード盤幾多も捨てて百千鳥

    フージー

  • 大安の百千鳥けざやかな判

    赤馬福助

  • 百均に煌なす文具百千鳥

    ぐずみ

  • 亀石のまだ眠そうな百千鳥

    藤源卿

  • 百千鳥ゲートボールの撥ねる音

    ぶうびい

  • 百千鳥パソコン閉じてベランダへ

    竹春エリザベス

  • めでたしと閉じる絵本や百千鳥

    雪井苑生

  • 百逢ひて百の別れや百千鳥

    桃香

  • 百葉箱のペンキ剥がれて百千鳥

    富山湾

  • 鍵穴に涙の破片百千鳥

    阿部猪子

  • ジャム瓶にビーツの酢漬百千鳥

    ぐでたまご

  • 百千鳥脳みそは半分で良い

    森田かな

  • バンマスの手腕や如何に百千鳥

    ひぐちいちおう(一応)

  • 廃レールに零れる声や百千鳥

    白井 佐登志

  • 百千鳥鳥語ドイツ語スペイン語

    朶美子(えみこ)

  • 百千鳥ヘルパーと行く美容室

    野口日記

  • だいふくのなんとふくよか百千鳥

    横縞

  • 口きかぬふたり雨止み百千鳥

    藤鷹圓哉

  • 呼び交わすことばは光百千鳥

    ちゃうりん

  • 百千鳥ユンボの角度皆同じ

    空豆魚

  • 磨る墨の濃くなりゆくや百千鳥

    緋乃捨楽

  • シャガールのパレット滲む百千鳥

    日々拓人

  • 沖にパラセーリング見ゆ百千鳥

    津島野イリス

  • 樹々めぐる声の紋様百千鳥

    sakura a.

  • 百千鳥水手御門が開く時

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 農協で駅弁まつり百千鳥

    タリタ クミ

  • 青い星にミサイル不要百千鳥

    今治八十八

  • 百千鳥あしたは出かけてもいいよ

    あきののかなた

  • 鍵盤の端から端を百千鳥

    麻きなり

  • 手作りの写真スタジオ百千鳥

    稲畑とりまる

  • 百千鳥恋をするなら海が良い

    理酔

  • 尼御前の身を投げし海百千鳥

    富山の露玉

  • 遠縁にあたる寺らし百千鳥

    也和

  • グレゴリオ聖歌嫋々百千鳥

    晴 aloha

  • 百千鳥そつぽ向きたる風見鶏

    月石 幸

  • 墓じまいのパンフレットや百千鳥

    笑酔

  • 上京を決めた公園百千鳥

    橘鶫

  • 一年生は山のキャンパス百千鳥

    かりかり久助

  • 百千鳥風のやさしき樹木葬

    きなこもち

  • 廃校はカフェにオフィスに百千鳥

    あまぐり

  • 百千鳥蛇口の銀をひと磨き

    公木正

  • 卓上に常温の水百千鳥

    野口真砂輝

  • 笑みこぼす牧師夫妻や百千鳥

    蒼鳩 薫

  • バス停は鷹匠橋と百千鳥

    品川笙女

  • どの声も地球のことば百千鳥

    大塚迷路

  • 百千鳥名まえの違う木の名札

    里山子

  • 百千鳥かけだす前につまづきぬ

    清水明美

  • 百千鳥重き曙光に溶ける牛

    あるる

  • 百千鳥ある哀しみを斥けぬ

    蘭丸結動

  • ママチャリをこぐ坊様や百千鳥

    佐藤香珠

  • 字幕なき露西亜映画や百千鳥

    M・李子

  • 百千鳥ていねいなひと日始まる

    豆闌

  • 山にかげ山にひかりよ百千鳥

    ありあり

  • 音のつぶのスイミーめきて百千鳥

    畠山 悊央

  • 瑠璃色に太陽剥けて百千鳥

    世良日守

  • 今年こそ納骨します百千鳥

    満る

  • 英雄の像を真中に百千鳥

    ふわふわ研究所

  • しゆくしゆくと臍の緒ゆく血百千鳥

    詠頃

  • 入り混じる三条河原百千鳥

    銀 次郎

  • 百千鳥字も角つこもない墓石

    坊 いち坊

  • 軽トラの荷台まっさら百千鳥

    清永ゆうこ

  • 聞きなせる声みつつよつ百千鳥

    西川由野

  • 百千鳥羊毛フェルト針の音

    打楽器

  • マカロンの形をめぐる百千鳥

    小川野棕櫚

  • 図書館に替はりし母校百千鳥

    さぶり

  • トングかちかち響くパン屋よ百千鳥

    牧野冴

  • 大枝の覆う峡谷百千鳥

    野地垂木

  • おつかいは豚のこま肉百千鳥

    花咲明日香

  • 一村の筆の緑や百千鳥

    蘂六

  • 百千鳥歌声添えてカプチーノ

    殿村則子

  • 教え合う空の高さや百千鳥

    花和音

  • よく撓る評判の木や百千鳥

    慢鱚

  • ヤクルトのおまけヤクルト百千鳥

    川村湖雪

  • 陽に翳す水掻きの脈百千鳥

    成瀬源三

  • 百千鳥なかまはずれのいないもり

    灰田兵庫

  • 紛れたるシベリア訛り百千鳥

    吉野川

  • 優勝パット拍手の前の百千鳥

    玉庭マサアキ

  • 百千鳥やつらのいない校舎裏

    はんばぁぐ

  • 百千鳥あふれて母へこぼれけり

    すりいぴい

  • 百千鳥夫は転職決心す

    もりたきみ

  • 炭酸のへらへら空へ百千鳥

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 貧血の朝を揺さぶる百千鳥

    木ぼこやしき

  • 起きぬけを引きずり百千鳥の窓

    田面類

  • 眠剤の余韻百千鳥の夜明

    仁和田永

  • 新しき王を迎ふる百千鳥

    久蔵久蔵

  • プレッツェルのバタほの甘し百千鳥

    芍薬

  • 百千鳥孤島の医者になった甥

    七瀬ゆきこ

  • 方舟は森となりけり百千鳥

    干しのいも子

  • 早朝のコーヒー裏山の百千鳥

    老人日記

  • 一行に十の読点百千鳥

    森脩平

  • あの子らも課外授業か百千鳥

    凡句楽直

  • 百千鳥ひかり初めたる寺の廊

    綾竹あんどれ

  • 百千鳥夜明けのクレー射撃場

    千代 之人

  • 納骨の朝のひかりや百千鳥

    砂糖ふさこ

  • 湯の落ちて茶葉舞ふ時間百千鳥

    もりさわ

  • 給食の味つけ薄し百千鳥

    前田麺

  • 吾が耳も翼となりぬ百千鳥

    シュリ

  • 封筒より鈴の音ひとつ百千鳥

    弘友於泥

  • 百千鳥サジ山盛りに龍角散

    紫小寿々

  • 竹皮のおむすび温し百千鳥

    水無月

  • 百千鳥ドラレコは森映しゆく

    28あずきち

  • 百千鳥空に穴ぼこあくやうに

    Vn 花のん

  • 百千鳥墓所に咲く花枯れる花

    原浩朗

  • 四万十の産声のごと百千鳥

    山城道霞

  • ママ友はともだちなのか百千鳥

    里すみか

  • せんせいのいないきょうしつ百千鳥

    石川聡

  • 再開の朝の部室や百千鳥

    春雪

  • 百千鳥とふ透明の言葉かな

    ひねもす

  • 百千鳥ピントの合わぬ双眼鏡

    雪音

  • 百千鳥へんとう体は静やかに

    仁山かえる

  • ホースから泥水ぶふぁふぁり百千鳥

    丹波らる

  • 百千鳥朝刊配る影も見ず

    青藍蒼

  • 百千鳥パンより溢るマヨネーズ

    洒落神戸

  • 旋回に浮かむゴンドラ百千鳥

    石田将仁

  • 網代編む小爪の白さ百千鳥

    はまお

  • 百千鳥お試し保育最終日

    久留里61

  • 百千鳥きみをそのままのみくだす

    清水 三雲

  • 夫逝くや囃して挽歌百千鳥

    谷町百合乃 

  • 戦争の朝もある星百千鳥

    睦 陽花

  • 一日の花を摘めとや百千鳥

    白鳥国男

  • くろぐろと畝ととのふや百千鳥

    みつれしづく

  • 草に寝て草に溶ければ百千鳥

    ひすい風香

  • 百千鳥失礼下を通ります

    三浦にゃじろう

  • 恐竜のパラパラまんが百千鳥

    一斤染乃

  • 百千鳥ジャグラーのけぞってのけぞって

    武井かま猫

  • 早朝をジブリの森の百千鳥

    沢拓庵

  • 散骨を終へて岬の百千鳥

    小池令香

  • 百千鳥丸みて光る百度石

    妹のりこ

  • くづし字の句碑をひとなで百千鳥

    黒麹 糀

  • 米を研ぐ水さらさらと百千鳥

    海猫

  • プリズムの分かつ光や百千鳥

    寺尾当卯

  • 百千鳥母校に女子が入るつて

    ひなた和佳

  • 光積む移動図書館百千鳥

    きのえのき

  • 百千鳥ここそこあそこ影ばかり

    パーネ・メローネ

  • 御陵の木霊はればれ百千鳥

    水木合歓

  • 百千鳥開演前のホールかな

    菊池克己

  • ゆんゆんとあくび増えたる百千鳥

    村上右佐

  • 棲みわけてゆたかな朝や百千鳥

    うに子

  • 百千鳥利根川広すぎて泣ける

    くさ

  • 百千鳥父と農業センターを

    安溶二

  • 百千鳥漁師の家に陽が射して

    三泊みなと

  • 村会に遅刻の理由は百千鳥

    加良太知

  • 百千鳥支笏湖直線道路地図

    千風もふ

  • 潮引けば泥に息吹や百千鳥

    谷山みつこ

  • 渓谷のかたちに響き百千鳥

    ミヤ勘八

  • 百千鳥ここは四国の最西端

    野の花 誉茂子

  • 川の水とっぷり汲んで百千鳥

    秋熊

  • 百千鳥にもウクライナ旗にも吹けよ風

    音羽凜

  • 百千鳥跳ねて水琴窟ちかり

    野井みこ

  • 風待ちのシャッター切るや百千鳥

    飯村祐知子

  • しまなみやおちこちおちと百千鳥

    あみま

  • 鉱夫千人モノクロ写真百千鳥

    GONZA

  • 病める木に凭れて高き百千鳥

    ほろろ。

  • 土地神のみづ清らかに百千鳥

    安寿

  • 真直ぐにカヌーの漕げぬ百千鳥

    まがりしっぽ

  • やま林谷川学校百千鳥

    ウロ

  • 手作りのバードコールへ百千鳥

    柚木みゆき

  • 絵馬掛けの結び目の数百千鳥

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 楽しげなアーチ百千鳥の廃園

    さくさく作物

  • 二人しかゐない野球や百千鳥

    多喰身・デラックス

  • 讃美歌のオルガン遠し百千鳥

    オサカナクッション

  • 投爆に焼けた大木百千鳥

    紋舞蘭

  • 観音のこゑ無きこゑぞ百千鳥

    晴田そわか

  • 往診の家に野菜と百千鳥

    克巳@夜のサングラス

  • 乳飲み子の乳吸う力百千鳥

    今野淳風

  • ももちどりぷらすちっくのひかるおと

    森野しじま

  • 御神木倒す百千鳥続く

    弥日

  • ブーケトスの軌跡光るや百千鳥

    如月ドロップ

  • 百千鳥ハンカチ落としの鬼笑ふ

    菫久

  • 木曽三川一水にして百千鳥

    森一平

  • 前をゆく帽子の遠し百千鳥

    遠音

  • 百千鳥鳴けば潮風の甘し

    向原かは

  • 背教の羽音は太し百千鳥

    蟻馬次朗

  • 百千鳥朽ちた金具の緩む音

    瑠璃星

  • 百千鳥鼓膜へかゆくなる周波

    せり坊

  • 校庭に白線五本百千鳥

    まー坊

  • 森の揺れ集めて百千鳥は鳴く

    けーい〇

  • 外つ国の学寮にめざむ百千鳥

    金太郎

  • 昼休憩約十分の百千鳥

    ヤヒロ

  • 百千鳥翼のやうな雲ゆたか

    ぎんやんま

  • 口上の幾久しくや百千鳥

    はまゆう

  • 百千鳥わたしの幸は片手分

    くみくまマフラー

  • 百千鳥たしかに此処に在った町

    立部笑子

  • プィーサンカ木に吊るし待つ百千鳥

    加地祐作

  • 道具から入る趣味とや百千鳥

    香西あかね

  • 百千鳥影をもたらすもののなく

    遊羽女

  • 百千鳥仏語で道を訊かれても

    はぐれ杤餅

  • 免許更新二百番台百千鳥

    伊吹はたき

  • 留守番の独り綾取り百千鳥

    葛谷猫日和

  • 紅茶まつ砂の三分百千鳥

    すずしろゆき

  • 野に転ぶ毬の温みや百千鳥

    堀雅一

  • 観音の千手に群れて百千鳥

    聞岳

  • 百千鳥弥生墳墓の調甕

    よぶこどり

  • まだ青い空があるよと百千鳥

    五十 理化

  • 百千鳥昇降口から湧き出る子

    飛来 英

  • 掘り起こすタイムカプセル百千鳥

  • 百千鳥投票箱の中の闇

    ふもふも

  • ずる休み遠近法の百千鳥

    でんでん琴女

  • 百千鳥ハモる最小公倍数

    黒田

  • 百千鳥赤子つぎつぎ泣き始む

    いもがらぼくと

  • 国境へ進まぬ車列百千鳥

    亀田荒太

  • 百千鳥観音さまも欹てる

    落合一愚

  • 参鶏湯に小さき骨あり百千鳥

    閑々鶏

  • 木漏れ日は祈りの欠片百千鳥

    haruwo

  • 百千鳥円周率に宿るもの

    花伝

  • 堀留跡に人の増え百千鳥

    高山佳風

  • 百千鳥壷中の天にあるごとし

    藤井赤童子

  • 叔母の骨誰が弔う百千鳥

    孝崎有辺

  • 礼拝の賛美にひかり百千鳥

    山川腎茶

  • 引きこもる我にも注ぐ百千鳥

    河村静葩

  • 閉じられしサナトリウムや百千鳥

    黒澤墨青

  • ドロップ缶に持ち帰りたし百千鳥

    靫草子

  • 一の丘二の丘抜けて百千鳥

    鯛 風

  • 百千鳥三百六十度青空

    清水千種

  • べらぼうな空にきはあり百千鳥

    山河穂香

  • 百千鳥ツツピツツピは彼の歌

    一寸雄町

  • 一人乗るリフト七分百千鳥

    ちかひか

  • 百千鳥山の郵便声便り

    比良山

  • 水桶にこぞりて光る百千鳥

    登盛満

  • 百千鳥暦のぺけもあと一つ

    黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部

  • ふるさとの道は凸凹百千鳥

    風慈音

  • 百千鳥ははのリュックにパンあまた

    星月さやか

  • 百千鳥遠く置き杖借りてゆく

    阿波オードリー

  • 庭先の選果五合目百千鳥

    ゆすらご

  • 六人の学者百千鳥の島へ

    平良嘉列乙

  • 戦争の止め方問ふ子百千鳥

    ノアノア

  • 輪になつて踊る埴輪や百千鳥

    宮武濱女

  • 点描の彩なすひかり百千鳥

    村瀬っち

  • 百千鳥わが菩提寺は六百年

    きべし

  • 外つ国の言葉明るし百千鳥

    陽光樹

  • 召されたる子らの青ぞら百千鳥

    蜥蜴の尻尾

  • 朝摘みの果実泡立つ百千鳥

    北爪いく葉

  • こゑやこゑこゑをこゑおふ百千鳥

    犬山裕之

  • 傭兵の耳つんざくや百千鳥

    青木りんどう

  • 宝くじ号ロータリーへ百千鳥

    福田みやき

  • 百千鳥twitterへもラテアート

    江藤薫

  • 取り合いて飯ごうの焦げ百千鳥

    おたまじゃくし

  • 百千鳥みんなちがうという自由

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • 舐めて貼る切手の甘さ百千鳥

    和鹿島荒巻

  • 原木吊るワイヤー撓み百千鳥

    ふわり子

  • 黒こしょう挽きゐる朝や百千鳥

    岡井風紋

  • 百千鳥くるくる回るわらべうた

    深草あやめ

  • 父祖の塚見回り役は百千鳥

    上津 力

  • 頂の近づきてなほ百千鳥

    やまさきゆみ

  • 百千鳥楡のかたちをせり上ぐる

    アロイジオ

  • 切り株の上の花束百千鳥

    ぱぷりかまめ

  • 案内の多言語表記百千鳥

    絵夢衷子

  • 百千鳥ペン持つ指のささくれて

    Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部

  • 百千鳥鳥に敬語のありにけり

    新蕎麦句会・凪太

  • 波引かばどの石ひかる百千鳥

    戸口のふっこ

  • カンバスの色変へばやと百千鳥

    吉川拓真

  • 百千鳥こんどの人に応へけり

    和泉穣

  • 百千鳥手水の四方に広がれり

    橋本こはく

  • 清澄や朝日たばしる百千鳥

    このみ杏仁

  • 百千鳥むねの橙心の陽

    こんちゃっちゃ

  • 空港を見下ろす丘の百千鳥

    国東町子

  • かしこくも皇居の杜を百千鳥

    そうり

  • 長短の色鉛筆や百千鳥

    すいろ

  • 小走りのリズム百千鳥の自由

    金朋かいと

  • 軽トラは制限速度百千鳥

    木寺 仙游

  • 百千鳥カタカナ並ぶ観察帳

    長谷川ひろし

  • 百千鳥瀬戸内寂聴法話集

    岡山小鞠

  • 百千鳥手帳に踊るカラフルペン

    茉叶

  • 赤飯に湿打つ朝の百千鳥

    sol

  • 曇天に光の音符百千鳥

    清白真冬

  • 婚の荷に吾子と凭れて百千鳥

    伏見丹耶

  • 丹田を地軸にあづけ百千鳥

    越前岬

  • 百千鳥浴ぶる一人の湖上駅

    伊奈川富真乃

  • 焼き立てのパン屑ほわわ百千鳥

    はぷりかまめ

  • ラの音の少し外れた百千鳥

    石岡女依

  • 百千鳥やつと予定の決まる午後

    城内幸江

  • パレットの水色へみづ百千鳥

    平本魚水

  • 百千鳥右顧左眄して従わず

    白鳥古丹

  • 百千鳥神宮の杜浸しけり

    彼方ひらく

  • 百千鳥サイフォンの火を掻き混ぜよ

    西田月旦

  • 百千鳥尾骨辺りの疼きたる

    テツコ

  • 土手の上ただ余白なり百千鳥

    笹間明明

  • 恋人の子どもはおませ百千鳥

    竹内一二

  • 筮竹のどれもまつすぐ百千鳥

    瓦すずめ

  • 掻き消えし雲を悼みて百千鳥

    田中耀

  • 卵生の民の伝説百千鳥

    海音寺ジョー

  • 本日は特のり弁や百千鳥

    陽光

  • 百千鳥明日こそ髪を切りに行く

    ヒマラヤで平謝り

  • 骨伝導イヤホン軽し百千鳥

    田辺ふみ

  • 峠越ゆ遙か浦町百千鳥

    余熱

  • 百千鳥かへりはロープウェーに乗る

    かなえの

  • 為政者の耳は壊れて百千鳥

    (野々之)乃の

  • 百千鳥「翔」の字並ぶ名付け本

    真井とうか

  • 知らぬ名の宗教施設百千鳥

    ダンサーU-KI

  • 磨り硝子に影の往き来や百千鳥

    ペトロア

  • 百千鳥樹木の匂い満ちる朝

    愛燦燦

  • 新古車のミニバンいずこ百千鳥

    なつめモコ

  • 席替えのくじの吉凶百千鳥

    花純

  • 楼上より千の甍や百千鳥

    沙那夏

  • 百千鳥病棟に父閉じ込めた

    縁穐律

  • 釣人の揺らぎし影や百千鳥

    dragon

  • 百千鳥恋は素敵と多言語で

    紫月歪丸

  • 百千鳥部屋に格子の陽の四角

    川越羽流

  • 百千鳥手話の子らゆく母とゆく

    ま猿

  • おむすびの歪なかたち百千鳥

    絵十

  • 百千鳥等高線となりにけり

    帝釈鴫

  • 百千鳥けふもぽつんとゐる私

    あまぶー

  • 百千鳥御門に残る弾の跡

    酔猿

  • もういちど暮らす母国や百千鳥

    ほしのあお

  • 尼寺の女人茶会や百千鳥

    上村 風知草

  • 文庫本ゆっくり閉じて百千鳥

    神田行雲

  • 百千鳥せわし祇園の昼の茶屋

    吟  梵

  • 閉校のことまだ知らず百千鳥

    大谷如水

  • 喧騒も光となりて百千鳥

    瞳子

  • 誰もゐぬ貧寺の橡の百千鳥

    熊谷 温古

  • 約束の歌を持ち寄り百千鳥

    なしむらなし

  • 阿弥陀似の瘤杢磨く百千鳥

    百瀬はな

  • トローチの輪つかを舌に百千鳥

    海峯企鵝

  • 斧の音一際高く百千鳥

    大阪駿馬

  • 百千鳥小枝ひろってマエストロ

    万葉剣

  • 関数の答えは不明百千鳥

    さくやこのはな

  • 明けきらぬ光かきまぜ百千鳥

    河本かおり

  • 重機停止する正午の百千鳥

    露口全速

  • この海を恨みしことも百千鳥

    可笑式

  • ラムネ菓子色とりどりや百千鳥

    福岡参山

  • 百千鳥源流を汲む手のくぼみ

    じゃすみん

  • 斎場の欅蒼蒼百千鳥

    えりべり

  • 百千鳥スーツを捨てることもある

    高遠見上

  • 働かぬ日々また忙し百千鳥

    酔下弦

  • 楽聖の墓をめぐるや百千鳥

    るびちゅ

  • 四声を倣ふ百千鳥とは瑞々し

    果禄

  • 手びさしの隙間こぼるる百千鳥

    風花まゆみ

  • 百千鳥聞きつつ上る城の道

    喜多輝女

  • 百千鳥の中でなら言へさうなこと

    江藤すをん

  • 百千鳥活断層の走る森

    藤倉密子

  • 心地良く泣きじやくる夢百千鳥

    海野碧

  • 四阿で食ぶ稲荷寿司百千鳥

    虎穴虎児

  • 山峡の浸かる足湯に百千鳥

    三水

  • ベーグルを分け合ふベンチ百千鳥

    大庭慈温

  • 音の無き君の目の追ふ百千鳥

    ひでやん

  • 川分かれ二つの山へ百千鳥

    北藤詩旦

  • スライムの空気はじけて百千鳥

    暖井むゆき

  • 陣痛は十五分おき百千鳥

    下條ちりり

  • 百千鳥大腿骨のゆるみたる

    ももたもも

  • 鳩時計遅れて出るや百千鳥

    石井一草

  • 石段の部員引き揚げ百千鳥

    パッキンマン

  • 百千鳥光合成の匂ひかな

    秀田狢

  • 百千鳥シャープを押して待つ電話

    たま走哉

  • 夫婦して産科の受診百千鳥

    後藤三梅

  • 五穀米ほふとかぐわし百千鳥

    小鳥ひすい

  • 百千鳥乾杯の泡噴きこぼれ

    樋口滑瓢

  • 修験者の足取り軽し百千鳥

    ときめき人

  • 百千鳥喧騒果てし二百段

    花南天anne

  • 登山口の馬頭観音百千鳥

    小川都

  • 雀荘の炒飯うまし百千鳥

    素空

  • 呼吸法の講習半ば百千鳥

    卯年のふみ

  • 散骨の手のふるふると百千鳥

    英子

  • この樹にとまればつかまらぬ樹の百千鳥

    穂積天玲

  • 奥付にありし住所や百千鳥

    咲元無有

  • 定員のなき木とみえて百千鳥

    瀬央ありさ

  • 百千鳥うすき昼月空のすみ

    宥光

  • みづうみは森のしんざう百千鳥

    広木登一

  • 子等遊ぶ迷路の中や百千鳥

    まりい@木ノ芽

  • 百千鳥ケーブル絡むヘッドホン

    福井三水低

  • 上司から飴玉もらう百千鳥

    涅槃girl

  • 調整池人影はなし百千鳥

    月岡方円

  • 壱越は導師の和音百千鳥

    白プロキオン

  • 百千鳥畠に跳ねる耕運機

    中鉢矢的

  • 返事待つ二秒は無音百千鳥

    つきのひと

  • 鮮やかなネイルの女百千鳥

    田畑 整

  • 百千鳥山の夜明けの息を吸ふ

    たむらせつこ

  • きゆるきゆると喝采降らせ百千鳥

    坐花酔月

  • おかっぱの防犯ブザー百千鳥

    ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部

  • 百千鳥小さき恐竜どもの空

    萩野つき

  • 百千鳥三角点に朝日差す

    猫楽

  • 事故物件内覧ひびく百千鳥

    柴口将臣

  • クッキーの缶にパステル百千鳥

    司啓

  • アトリエの玻璃戸ふるわす百千鳥

    とんぼ

  • 寝がえりへ強き胎動百千鳥

    トウ甘藻

  • ぼくにしかぼくは赦せず百千鳥

    まんぷく

  • 百千鳥「落書き寺」の明るさに

    大和田美信

  • 大浴場は異国語ばかり百千鳥

    小笹いのり

  • 父として学校へ行く百千鳥

    酒井おかわり 

  • 聖路加の屋上ベンチ百千鳥

    卯月紫乃

  • 百千鳥今日より君も住まふ街

    えりいも

  • 百千鳥耳石がホロホロ動き出す

    安井コスモス

  • 木の揺るる風かはたまた百千鳥

    空流峰山

  • 開発に反対のビラ百千鳥

    高橋寅次

  • 野を渡る風は金色百千鳥

    石塚彩楓

  • 百千鳥瓦礫の街に日は昇る

    佐々木のはら

  • 百千鳥ジヤムへ二百の小粒の実

    明惟久里

  • 死に真似の遊び百千鳥の迫る

    百瀬一兎

  • 百千鳥もうすぐ着くの通知来る

    いくたドロップ

  • 切り株の年輪清か百千鳥

    博さん

  • 百千鳥転機はいつと問われけり

    瀬戸ティーダ

  • 煤けゆく空が堕ちさう百千鳥

    久保田A

  • やはき陽のひとひら膝に百千鳥

    杏是りゐ菜

  • 樹木医の眼鏡の空を百千鳥

    日向こるり

  • 木に掛ける籠は空っぽ百千鳥

    吉武茂る

  • カロートの幽かな湿り百千鳥

    幸田柝の音 

  • あざなえる明日は吉日百千鳥

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 百千鳥8分休符が大嫌い

    湊吾子

  • カフェ巡りコーヒー片手に百千鳥

    いっぴ

  • 百千鳥ひとりで父の百箇日

    八幡風花

  • 空色の絵の具の匂ひ百千鳥

    ほしの有紀

  • 百千鳥沁みゆく空や母逝きぬ

    乃筈三拍

  • 青空や主席はだあれ百千鳥

    ときわ露草

  • いま産まれ落ちたる如し百千鳥

    霞山旅

  • 湯のたぎる音に紛れて百千鳥

    重夫

  • 百千鳥恋人以上に何望む

    瑞鬼羅

  • 百千鳥動物園の大欅

    うぢ一樹

  • 遅れるな全校集会百千鳥

    鰯しか勝たん

  • 晴れの朝混ざった絵の具百千鳥

    五方 伊勢エビ

  • この家に住むと決めたよ百千鳥

    井納蒼求

  • 大神の鎮まる山や百千鳥

    えいぎょ

  • 百千鳥空っぽになる幼稚園

    桃まんじゅう

  • 平和とはこんな洗濯百千鳥

    ことまと

  • 鍬二つ並んで干せり百千鳥

    一本橋ふくろう

  • 弁当にそぼろふた色百千鳥

    青野遊飛

  • 『田園』に溢るる無音百千鳥

    青野遊飛@蚊帳のなか

  • 朝練のブラバン遥か百千鳥

    平野水麦

  • 消毒で酔う体質や百千鳥

    神谷たくみ

  • 腹帯を賜る人や百千鳥

    昇華

  • 歩を止めて片耳開く百千鳥

    樹朋

  • 百千鳥警備員立つ研究所

    クロまま

  • モン族の刺繍おどるや百千鳥

    きみどり

  • 合宿の朝の腹筋百千鳥

    小倉あんこ

  • 交わればほの紅くなり百千鳥

    花紋

  • 百千鳥雲なき空はさびしいか

    新城典午

  • 百千鳥狂えりロシア武器を置け

    俳菜ひろこ

  • 百千鳥閉鎖されたる旧トンネル

    秋野茜

  • 争わぬ大地はゆたか百千鳥

    葉るみ

  • 百千鳥目入れのこぐまラテアート

    石上あまね

  • 使われぬジャングルジムや百千鳥

  • 往診の医師の自転車百千鳥

    わかば萌

  • 百千鳥からみあう音のすぐほどけ

    瀬尾白果

  • 百千鳥てっぺん砦を占拠す

    れんげ畑

  • 歯科醫院の大樹膨らむ百千鳥

    蓼蟲

  • とりどりのをのこ跳ぬるや百千鳥

    三浦金物店

  • 山上の廃墟はホテル百千鳥

    定吉

  • 百千鳥埋まつてゐるか古墳群

    山野麓

  • 百千鳥幼稚園では昼休み

    むじーじ

  • 百千鳥止みてこれより墓の道

    筬葉

  • 往診の窓の明るし百千鳥

    露草うづら

  • 百千鳥鳴けば悲しき鳥もいて

  • 百千鳥確かにもずの声もして

    石崎京子

  • 読み終へてふり仰ぐ木々百千鳥

    山田菫舎

  • 車座に入れぬ少女百千鳥

    鈴木麗門

  • 黒点の数増やしたか百千鳥

    ぐりえぶらん

  • 百千鳥はたらくことを止めまして

    秋沙美 洋

  • 墨を打つ八十路の腕百千鳥

    椋本望生

  • 百千鳥3オクターブ上の空

    音のあ子

  • 餡を炊く水を汲む朝百千鳥

    大小田忍

  • 百千鳥糺の森へちりぢりに

    卑弥呼

  • 戻りたい一日はあるか百千鳥

    梵庸子

  • 知らぬこと世にあふるるや百千鳥

    旺上林加

  • 君が代は山の端の律百千鳥

    山香ばし

  • 反射炉の煙突高し百千鳥

    梨西瓜

  • 払暁に膨るるものは百千鳥

    眠 睡花

  • 伊佐爾波の石段険し百千鳥

    竹田むべ

  • 呪詛のごと母のはなうた百千鳥

    こいぬ

  • 押し寄せる光の音色百千鳥

    笑松

  • 一塊の十の魂百千鳥

    広瀬 康

  • 百千鳥城下の西に海光る

    紅小雀

  • 楠艶やか廃寺の杜の百千鳥

    咲弥あさ奏

  • 手の中の数珠の輝き百千鳥

    大石紗季

  • 明け方のチェルノブイリに百千鳥

    新子熊耳

  • 百千鳥キーマカレーへ無塩バタ

    藤田ゆきまち

  • 山かづら膨るる日差し百千鳥

    広島 しずか80歳

  • ハンモックに深く沈むや百千鳥

    山中 揚

  • 百千鳥大仏様とお友達

    朱夏A

  • 愛しいと哀しいと知る百千鳥

    島田あんず

  • 百千鳥二年ぶりなる渋谷族

    渥美こぶこ

  • 百千鳥ハチ公前の硬派かな

    利尻

  • 知恵の輪のやうな遊具や百千鳥

    藤 雪陽

  • 割り玉のひらくを待ちて百千鳥

    おきいふ

  • 百千鳥極彩色の太子殿

    新右衛門

  • 百千鳥アルハンブラのアラベスク

    北山 烏兎

  • 殺生石割れたるままに百千鳥

    玉響雷子

  • 百千鳥冷たき墓にハイライト

    雑魚寝

  • 百千鳥手形不渡弐拾萬

    灰色狼

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