俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2024年2月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 囀や五千で息ふ万歩計

    宏楽

  • 囀れば囀り返す郷の森

    川島欣也

  • 囀りが綺麗あなたの背も綺麗

    全美

  • 囀りで起きれぬ朝の独り寝よ

    田村美穂

  • 囀は影を持たない反射光

    小川都

  • 石像のような猫包む囀

    縞ふみ

  • グリーグの管弦楽と囀りと

    KOMA

  • 囀や元より聞く気無い話

    亘航希

  • 囀や田んぼの先の法務局

    満生あをね

  • 囀りに犬の尻尾のタクトめく

    吉田春代

  • 囀や妻に大きな解きもの

     蔵原 貢次郎

  • さへづりにいま病窓を開け放つ

    朝月沙都子

  • 囀の燦々と降るやうな空

    中島穂華

  • ただ一羽さへづるものの空青々

    糸川ラッコ

  • 囀や古木の下の車椅子

    舟御前ノエル

  • 囀をくぐって尾根へ出てみろと

    倉持くらもん

  • 給水はふれあいプラザ囀れる

    さ乙女龍チヨ

  • 囀に訃報の影を偲ばせり

    笑詠化

  • 囀りやオープンカフェの待ちぼうけ

    もふもふ

  • 囀やまるで異国の朝の市

    佐藤烏有

  • 囀りや遠く近くの小部屋より

    小夏

  • 天女から囀届く難聴に

    川蜷

  • 囀に退職届書きにけり

    野中泰風

  • 囀にずれる眼鏡を直しけり

    山口絢子

  • 囀りを集めて父に会いにゆく

    芦幸

  • 囀りや素知らぬふりの羽繕い

    スマイリー

  • 囀やMRIという森

    ぐりえぶらん

  • 囀りを貫き大路海に尽く

    菫久

  • 留守番は拙な囀補聴器と

    三群梛乃

  • 長屋門並ぶ街道囀れり

    浩子赤城おろし

  • 囀りや敬具の前に折れた芯

    吉乃紫享

  • 囀や歯舞まではひとっ飛び

    山路碧水

  • 頭上よりさえずり鬱除けの散歩

    江良 中

  • 火葬待つ喫煙所に囀りと

    山中 あぎ

  • 滝しずかなお囀るよ囀よ

    水間澱凡

  • 夜のほどろ光り呼ぶかに囀れり

    渡嘉敷五福

  • 恋やぶれ下手くそな囀の佳き

    Vn 花のん

  • 囀の中焼香の果てにけり

    宇田女

  • 誰もいない軍艦島より囀り

    入口弘徳

  • トンネルを抜けて囀海光り

    余熱

  • 薬玉の割れて囀こぼれ散る

    小石日和

  • 水滴の落ちて囀静まれり

    しばのおはる

  • 囀や御飯茶碗の御茶渋し

    武志望

  • 囀や国歌試験の発表日

    砂山恵子

  • 囀や終の棲家は杜隣

    八幡風花

  • 囀へ吾子の泣き声追うてゆく

    花はな

  • 囀やタンデムを漕ぐ君と僕

    井口あきこ

  • 囀や月桂樹林に子は生まれ

    蒼鳩 薫

  • 囀はラムネのやうに晴れやかに

    冬島 直

  • 囀るや坂を下って逢えたらば

    杉と松

  • アンダンテの風さへづりのクレシェンド

    藍創千悠子

  • 囀りや不要となりし杖洗う

    宗平 圭司

  • 囀の税務署満車継続中

    千代 之人

  • 囀や四半世紀も前のこと

    田辺富士雄

  • 囀やプレゼン終へてテラス席

    えりべり

  • 囀りの去りてからから引く雨戸

    春蘭素心

  • さえずりよ響け手帳のまっさらに

    藤村やなぎ

  • 囀や桃源郷の空ぬくし

    井上於莵

  • かくれんぼさへづりにばらされぬやう

    水蜜桃

  • 囀や朝一番のあずさ号

    アムゼルえりこ

  • 囀や故郷アイドリング中

    ヒロヒです

  • 囀やワイングラスをぴかぴかに

    佐藤さらこ

  • 囀やどれかひとつは子守唄

    柊琴乃

  • 陸奥はフランス語にて囀れる

    植木彩由

  • 囀りと呟きと窓の内外

    斗三木童

  • 霊木のゆれ囀のいびつなり

    染野まさこ

  • 囀や古き童話のおまじない

    小野陽笑

  • 囀や戦禍の地球彼の地まで

    亀山酔田

  • 朝ミサの静寂をくすねたる囀

    アロイジオ

  • 囀はチャントに重ねてラスタの木

    翼つばさ

  • 囀りの幾重に積もる谷の底

    西村小市

  • 囀や赤字路線の錆赤く

    犬井山羊

  • 囀に神社の旗の呼応かな

    たむらせつこ

  • 厨よりお粥のかをり囀れり

    松本笑月

  • 囀のほのかな雨の明るさよ

    タケザワサトシ

  • 囀や秘湯へ続く長廊下

    野州てんまり

  • 囀羽ばたき嗚呼みな生きている

    なつめモコ

  • 囀や喋らなければ良い人よ

    山村立歩

  • 飛び立った羽音囀り引き連れて

    葉月けゐ

  • 囀り囀りお隣さんは不倫旅行

    けーい◯

  • 囀りを撃つて地球のがらんだう

    ま猿

  • 限界の村に選挙と囀と

    久留里61

  • 囀をステルス爆音の通過

    畑野稔

  • 囀の樹のしたグッピーを埋める

    ほしの有紀

  • 囀を読み解くソフトあらまほし

    佐川碧

  • 囀や目を覚ましたる天狗の子

    おぼろ月

  • 囀や暁の闇破りける

    ほんちゃん

  • 囀や墓終いの寺門を出づ

    遅狐歩

  • 囀りを抜けて娘を慰めに

    森 日美香

  • 囀りのトレイル都大路まぶし

    豆はな

  • 囀や空をお好きなだけどうぞ

    土井あくび

  • 囀りや薬師丸ひろ子はファルセット

    藤鷹圓哉

  • 囀やベンチに遠野物語

    木ぼこやしき

  • 囀真似る五十センチまで飛び来

    北藤詩旦

  • 囀りの千枚田夫の鍬光る

    山田雅己

  • 囀や羽音のごとき初胎動

    ことまと

  • 囀や目覚めたる退職の朝

    玲風

  • 囀やリバーブ深き山の端

  • 囀りや講釈の濃き一煎目

    薫夏

  • 囀の無色切なき耳飾り

    瀬戸ゆらり

  • マッキーで鼓膜塗るかに囀りぬ

    鷹星

  • 囀りの見上げる先の鬼瓦

    仲村調息

  • 枕辺にさへづりつもる朝(あした)かな

    夏雨ちや

  • 囀につつまれ野の一片となる

    まぐのりあ(蚊帳のなか)

  • 囀の山小屋はじめてのバイト

    安春

  • 囀や起きてましたの嘘メール

    港のパン屋

  • 囀を指にからめて海の風

    菅井香永

  • シャツは白囀を焚き染めておく

    阿山きし

  • 囀は千色の雨画布を降る

    青野遊飛(蚊帳のなか)

  • さへづりや女衆寄りて蔓を編む

    中里 凜

  • 囀や幹ねじれたる松一本

    トウ甘藻

  • 囀や畳に残る家具の跡

    伊藤てまり

  • 軽井沢さえずりとほらイマジンと

    稲垣さら

  • さへづりはよすが来世も会ひませう

    中山月波

  • 囀りや妻に誘はれ庭に出づ

    大谷如水

  • 囀やあけぼのの中始まりぬ

    山口朝子

  • 囀や逆上がりあともう少し

    吉川花ほっぺ

  • 囀りやくるくる巻きし鉋屑

    dragon

  • 囀や尼門跡の楠大樹

    岡本 戎

  • 囀や風はいつしか違ふ色

    さぶり

  • 吾逝くもこの囀は遺らむか

    時まる

  • 囀りや線量計のある駅舎

    反芻医 時光

  • 囀りに呑み込まれをりケーブルカー

    林省造

  • 転校生長い睫毛に囀れり

    小川テル子

  • 囀りを結べば森の多面体

    南方日午

  • 囀の海馬あたりをときめかせ

    山河穂香

  • 逆光の囀頁ひらく風

    葦屋蛙城

  • 野辺といふ野辺に囀り御霊問ふ

    鈴木来穂

  • 囀りのテラス珈琲旅の宿

    岡 草紅葉

  • ささくれた俺に囀りくる朝

    中原柊ニ

  • さへづりや師の墓に師とふたりきり

    明 惟久里

  • 囀や校歌に馳せる復興歌

    桃姫

  • 囀りや吾子の頬張るラムネ飴

    是空

  • 囀や君は喫煙所の中へ

    羽野あき

  • 囀やたたらの里の船着場

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 囀をふたまわり目の万歩計

    あさのとびら

  • 囀やひかりのつぶて浴びる朝

    渥美こぶこ

  • 囀りをはさむ空色の便箋

    ピアニシモ金カル

  • 囀りのかはるがはるや夫婦杉

    新多

  • 囀りや終の棲家と決めやうか

    赤尾実果

  • さえずりの高き低きや半跏趺坐

    紗藍 愛

  • 囀や咀嚼そのまま聴き入りぬ

    天東あさじ

  • 囀りやあの子転校したらしい

    可笑式

  • 囀や牛の形に見える村

    春野ぷりん

  • 囀や池に波紋のをちこちと

    永井無々

  • 囀りに合わせて燥ぐ洗車の手

    登盛満

  • 囀りの吾が喜ぶと今日もくる

    甘泉

  • 囀りと子の出鱈目な歌に、ふふ

    季切少楽

  • 囀の違う個体が来たと夫

    増山銀桜

  • 囀や枝の伸びゆく水路閣

    西野桃果

  • 囀や礼儀正しき警備員

    一慎

  • 囀や食肉加工場ぽつん

    吉田涼太#

  • 正信偈に和す姿なき囀

    嵐菜

  • 囀や小島の丘のログハウス

    豊岡重翁

  • 囀の谺よ森の震え出す

    仲 操

  • 囀やジャージ姿の劇団員

    嶺乃森夜亜舎

  • 観音の千手に余る囀よ

    聞岳

  • 囀や百葉箱は鳥の子色

    織部なつめ

  • 囀りを頭の上に石仏

    美濃紫

  • 囀や甘きブレンドハーブティー

    蓮花麻耶

  • ラーメンの行列囀は佳境

    木染湧水

  • 囀りにレム睡眠を解かれて

    地球人

  • 囀りぬ芝は観客五万人

    神島六男

  • 囀や夫に干し方指南して

    茜咲

  • 叡山は囀りの山思慕の山

    香壺

  • 囀りや光の中に米を研ぐ

    千の葉

  • 囀や昔夫もそうだった

    菅原ゆう

  • 囀の寄り添ひ幹の太くなる

    大和田美信

  • 微睡みを破らん程に囀れり

    ひぐちいちおう(一応)

  • 囀りと口ぱんぱんのアンダギー

    ふくろう悠々

  • 囀や開眼供養恙無く

    恋瀬川三緒

  • 囀と手話に語れる昼休

    京野さち

  • 墓を拭くかの日も今日も囀れり

    梅朶こいぬ

  • 足下の囀過ごすパラセール

    はなぶさあきら

  • 雨音の入眠さへづりのめざめ

    安達りんだう

  • 囀や陽の差すあの山のあたり

    正念亭若知古

  • 囀りの主を探しつ庭仕事

    小湊 八雲

  • 囀や海色匂ふ物産展

    亀田かつおぶし

  • 囀や変わらない街変わる街

    佐藤志祐

  • 囀りはしたたか夢に落し蓋

    あさきまほろ

  • 囀や遺品整理の始めなり

    竹の子

  • 囀るや恋文代筆するをとこ

    さくら悠日

  • 囀や被災ピアノを直す人

    三重丸

  • 囀の疎密に雨の降りさうな

    詠頃

  • 囀れば喜びの樹となってをり

    石塚彩楓

  • 囀やアマゾンに買ふミラーレス

    鈴木裕公仁

  • 囀や値段の付かぬ山の税

    剛海

  • 酸つぱきと甘き囀る枝の先

    柿司 十六

  • 囀りの中の原爆ドームかな

    松田寛生

  • 囀や廃校カフェの低き椅子

    竹田むべ

  • 囀りや梁の落書きには胡人

    ひでやん

  • 囀やアンデルセンを読み返す

    acorn

  • 囀や名前も知らぬ飴貰ふ

    湊吾子

  • 囀も込めて拝石閉じて来た

    朗子

  • 囀の名前出てこぬ八十歳

    浜 友輔

  • 囀りに浸りて昼のベンチかな

    風花まゆみ

  • 演武中囀響く柔道場

    武知小雪

  • さへづりや晒布解かるる母の墓

    さく砂月

  • 囀やゴム手袋の濡れた手に

    いこん

  • 墓誌眺むこの囀の聞こえしや

    村崎 雫

  • バンクシーの風船囀の真中へ

    綱川羽音

  • 振り向かぬ君囀りに振り向きぬ

    灰田兵庫

  • 恋をして囀の朝新たなり

    メレンゲたこ焼き

  • 待ち札を受けて囀聞いてをり

    渡邉花

  • 囀りや寺町つづく豊島園

    朶美子(えみこ)

  • 対岸へ辿り着くまでの囀り

    林りんりん。

  • さへづりに老木の影弾みけり

    主藤充子

  • 囀を絡め取りたる老けやき

    斎藤さんけん

  • ブレヱキの後に微風と囀りと

    赤端独楽男

  • 囀りや第二第三の恋巡る

    あらいゆう

  • 囀やかつてはありし恋心

    武田ラーラ

  • 頂は家のアンテナ囀れり

    青木豊実

  • 警戒の囀如何に生くべきか

    高市青柘榴

  • 囀りや又会ったわね乳母車

    うはのそら

  • 囀やニ本揃ひのカテラリー

    英ルナ

  • 囀や街行く者は足早し

    齋藤鍵子

  • 囀りは賛美歌に似て天主堂

    高橋風香

  • 帰路の大樹囀り立ちぬ夕の空

    つづきののんき

  • 囀のとどく範囲や電車待つ

    なか かよ

  • 鈴生りの囀り揃ひのスニーカ

    紫小寿々

  • 囀や高く積まれるダンボール

    たまのねこ

  • 囀りの朝や死ぬのも馬鹿馬鹿し

    たいらんど風人

  • 囀や無人で下るロープウェイ

    信濃のあっくん

  • 囀やストロー吹いてゐるお前

    青水桃々(俳句迷子の会)

  • 囀に耳鳴り忘る待ち合わせ

    五十嵐 三連単

  • サイフォンの火を囀として数ふ

    水鏡新

  • 囀は未来を繋ぐ祈りかな

    高井大督

  • 囀やちちはは逝つて大地あり

    國本秀山

  • 囀や部室の横でトス百回

    のはらいちこ

  • 囀の乾きし幹の闌に

    本宮トシ

  • 雨雲を突く囀のありにけり

    輝 龍明

  • 囀や朝の鼓動は厨より

    たけぐち遊子

  • 囀りの道灌杉の翳のなき

    内藤羊皐

  • 囀や退去の寮の鍵閉めて

    田畑 整

  • 瞑想のヨガ囀は三拍子

    古乃池糸歩

  • 囀は彼の囁きか二度寝する

    林 和寿

  • 囀や股のぞきしてゐる男子

    旺上林加

  • 踏み入れば囀り降るや肩に背に

    S・葉子

  • 囀りの零れる丘の異人館

    森爺

  • 口笛と囀り返し知音なり

    斧 的部

  • 早退の木陰囀ざらつける

    山田不律

  • 囀や胸に冷たき聴診器

    荒 一葉

  • 囀るや朝の社宅のゴミ出し日

    川端こうせゐ

  • 囀や野辺の送りは里日和

    老人日記

  • 囀の真中におりて不安なり

    一走人

  • 囀りを受け流してや湖と山

    加和 志真

  • 囀の田水めぐらせ止水板

    福田みやき

  • 餌あればお好みのまま囀らん

    森一平

  • 囀りの鳴る木は柔らかく震う

    たこ山焼之輔

  • 囀りやゆるりひとりの寺法要

    一港

  • 囀りを追つて立たせる帆の真白

    久保田A

  • 囀りの中に入れぬ無頼漢

    妄児

  • 歌会を閉じ各々の囀へ

    酒井おかわり

  • あと50秒でチャイム早朝の囀り

    鬼殻

  • 囀りや神社の鈴と重なりし

    暇禍

  • さへづりや時給九百五十円

    大熊 寝子

  • 囀りや子と洗い干すペンケース

    鈴木 浮浮

  • 囀の真つ只中は燃えてゐる

    三崎扁舟

  • 水溜まり飛び越し囀に近づく

    織 紫子

  • 囀やクルトン掬ふ銀の匙

    村瀬ふみや

  • 囀りや畑も田んぼも眠くなり

    立町力二

  • 囀や区役所横の古木から

    達坊

  • イーゼルに描きかけの画布囀れり

    火炎幸彦

  • 囀りは大さじ三杯ほどの恋

    いたまき芯

  • 囀りの天へ昇つてゆく途中

    樋口滑瓢

  • しづかなる見合ひの席を囀れり

    工藤悠久

  • 囀や点字ブロックまでの砂利

    海峯企鵝

  • 囀りやモーツアルトのシンフォニー

    琵琶湖のおばさん

  • 囀りや薄膜揺れるミルクティー

    Early Bird

  • 囀りの呼応近づくと遠ざかる

    花とわこ

  • 囀や六時二分の跨線橋

    井田みち

  • 記念碑の陰の囀逸り立つ

    松元転石

  • 囀りにフェンス乗り越え球拾う

    川辺世界遺産の居候

  • 囀は保護児童にも吾にも降り

    日向こるり

  • 囀を過ぎてひらけし水平線

    麻の葉

  • 囀やゆるり屋上露天風呂

    小倉あんこ

  • 囀や赤く小さな神の橋

    与志魚

  • 囀の空つかさどる周波数

    大岩摩利

  • ブーケトス囀のある高さまで

    翡翠工房

  • 囀を目の端に聞く朝湯かな

    堀口房水

  • 囀りのニュアンスが微妙に違う

    正岡田治

  • 日の当たる父の墓なり囀れり

    村上薫

  • 囀やひかりの粒として散乱

    玉家屋

  • ひとの顔も見れずさえずりばかり聴く

    太田栗青

  • 囀りが寿ぐ父の水通し

    衆土売尽

  • 囀に捨てし子の名の混ざり降る

    満嶋ハト

  • 囀へぱんと広げて干すシーツ

    妹のりこ

  • 鳥笛に囀の一瞬しずか

    香羊

  • 山道の囀り心臓に届く

    一久恵

  • 囀や梢に触るる弓袋

    辻 基倫子

  • 囀りやパンひたすカフェオレボウル

    ジン・ケンジ

  • 復興の町へ確かなる囀

    山吹なお

  • 万葉の光りと風や囀れり

    渡邉春生

  • 大樟の囀り今や絶頂に

    於大純

  • 囀や未読スルーに永遠の無音

    海乃一夏

  • 図書館を出れば囀『たけくらべ』

    井上鈴野

  • 囀りに誘われ病める身を庭へ

    榊昭広

  • 囀やたかが血液型なれど

    とはち 李音

  • 囀や踏み込む税務調査官

    野澤真澄

  • 佛みな素足に薄衣囀れり

    九郎四郎

  • 囀や歩いて行ける赴任先

    キッカワテツヤ

  • 彼の手を取ろうとすれば囀が

    嶋田奈緒

  • 囀の休符かぞへる我の靴

    風蘭智子

  • 朝の窓開けて囀ゆるむ頬

    野山夕理

  • 囀のなかのアカペラららららら

    夢雨似夜

  • さえずりや税務署フロアは空(す)いてをり

    猪子石ニンニン

  • 囀の森思索する切り株に

    中川青嵐

  • 囀や寮の下見へ向かう朝

    中井無心

  • さへづりを日本語訳にしてふふふ

    オキザリス

  • 建売の表札に名と囀と

    仮名鶫

  • その中にフューラーの檄囀れり

    蒼空蒼子

  • 囀りの光をくぐる新校舎

    黒蜜かりんとう

  • 囀りやニッカボッカに焦げた穴

    海音寺ジョー

  • 音程のゆれも囀ほめらるる

    一歩亭六案

  • 囀や古き雨戸のぎしぎしと

    入道 まりこ

  • 野へ山へ西へ我へと囀れり

    野村起葉

  • 囀りやお尚の声の良く通る

    若林鄙げし

  • へつらひつつ鴉さへづる蛮声で

    遠山比々き

  • 囀りにはかどる恋の後始末

    十月小萩

  • 囀や猛禽高く弧を描きぬ

    黒澤墨青

  • 囀や赤ウィンナーの足開く

    立山穂高

  • 囀や青の壺置く違ひ棚

    檜鼻ことは

  • 盲導犬サーブの像へ囀れる

    荒川あらせいとう

  • 囀りやだいたい歓喜すこし愚痴

    西田武

  • 囀りやおみくじ結ぶ女子高生

    羅美都

  • 囀やバンの荷降ろし蚤の市

    山野麓

  • トタン屋根剥がれし庫裏を囀りぬ

    白プロキオン

  • 植樹の儀拍手先越す囀りよ

    咖哩亭 章之輔

  • 囀や窓磨き上げ閉校す

    宮武濱女

  • 囀を集むや応援歌とならむ

    亜桜みかり

  • さへづりやかちやり受け取る鍵二本

    TAKO焼子

  • 囀やあっけらかんと翁至福

    津軽わさお

  • 囀を残し梢のひとつ跳ぬ

    俳句ファイヤー立志

  • 囀や木立突き抜く谺して

    泉晶子

  • 囀や老いし団地に坂多し

    渡辺宵雨

  • 制服の背よ囀り降りしきる

    青海也緒

  • センバツへ県勢二校囀れり

    津軽まつ

  • 囀や千本鳥居を突き抜ける

    杼 けいこ

  • 囀や手を開きたるマリア像

    久保田凡

  • 囀が胸毛くすぐる外気浴

    広瀬 康

  • 囀の艶やかなるや伊勢の杜

    紫月歪丸

  • 乞食の経に浴びせる囀りよ

    sekiいつき組広ブロ俳句部

  • 囀りや土曜日の工事現場

    川嵜 球追

  • 囀や間奏曲は鍬の音

    塩風しーたん

  • 曇天にひかり一条囀が

    コモドドラゴン

  • 囀りや待ちくたびれしメールあり

    カバ先生

  • 白樺の荼毘待つ杜や囀れり

    あさりいつか

  • 今朝はまだ噛み合わぬ嘴の囀り

    あたなごっち

  • ホスピスの囀りの朝きみ逝きぬ

    かんこ鳥

  • 囀を抱き兵士の墓標とす

    アンサトウ

  • さへづりやお散歩カーに顔いくつ

    さとうゆうき

  • ビイドロの色を重ねて囀れる

    かなの りえこ

  • シスターの俯く翳り囀るよ

    きゅうもんあっと木の芽

  • 点滴の滴下の揺れや囀れり

    くぅ

  • 囀やグランドゴルフホールイン

    スズランチイコ

  • 囀りや煙草は消して舐める飴

    ゴーマ

  • 囀や仮設の鍵を握る朝

    スモールちもこ

  • 囀りは愛バンドゥーラは哀しく

    せいしゅう

  • 囀や横スタのリハーサル聞こゆ

    ナゾラブ

  • 囀や神社の奥の石の黙

    そうま純香

  • さへづり浴ぶ神の加護を給ぶやうに

    at花結い

  • 子のたたむパジャマぐちゃぐちゃ囀れり

    そら

  • 囀りのかしましメスやろ知らんけど

    ティアラ文緒

  • 囀や人に話をさせぬ奴

    とおやまみんく

  • さへづりの血の沸き立つや岸震へ

    ナノコタス

  • 囀や恐竜たちが目を覚ます

    はぐれ雲

  • 囀や鉄の雨降る遠つ国

    ふじかつとび

  • 大仰に嚼ますさえずり葦の先

    バンブー

  • 囀やさつき座してた切り株に

    どすこい早川

  • 囀りや志功天女の臍出して

    まるちゃんにいさん

  • 囀や似顔絵描きの手にパステル

    みやま千樹

  • 囀や今日は木戸銭いくら置こ

    むじーじ

  • 囀や仏文教授はまた散歩

    むらぴ

  • 囀の奥に寂しき城の阯

    やまさきゆみ

  • 囀りやブラックホールの中は空

    リーガル海苔助

  • 囀もお客のひとりおままごと

    リコピン

  • 囀や引出しに詩の半製品

    る・こんと

  • 手のひらで思ひを伝ふ囀れり

    ゐるす

  • 囀を遮ってゆく戦闘機

    ひすい風香

  • 囀やヤクルトさんに五円玉

    フージー

  • 囀りや遊山のごとき藪仕事

    阿部油

  • 囀りに溺れるごとく息を吸ふ

    愛燦燦

  • 頂に淹れる珈琲囀れる

    悪七兵衛

  • さへづりや源流めざす健歩連

    伊奈川富真乃

  • 囀りの怪しい朝の診察日

    井上美月

  • 灰色の喉も朗らに囀れり

    井納蒼求

  • 津波あと瓦礫の空に囀りし

    山本蓮子

  • 囀や新任の吹くホイッスル

    阿曽 遊有

  • 詩ほめるあの囀の高さまで

    まんぷく

  • 囀や甘やかに短く喃語

    一寸雄町

  • 囀りや貴船神社の水御籤

    卯之町空

  • 底抜けに明るき空よ囀りよ

    みうら朱音

  • 囀やステンドグラスのマリア様

    永井春蘭

  • 囀りや瓦礫に生きる小さき子

    みなづき光緒

  • 囀や鰐を象るカポタスト

    永田千春

  • 囀りや報道陣のシャッター音

    みなみはな

  • 囀や天の梯子を駆け上がれ

    榎美紗

  • 棟々に囀走り出しにけり

    円路

  • 囀りの真ん中に引く車椅子

    塩野谷慎吾

  • 今日何故かアレグレットで囀れり

    絵十

  • 囀りや咀嚼百回の朝餉

    横山三水

  • 囀や親元離れ暮らします

    岡山小鞠

  • 陣痛の間を囀りに和らげり

    加賀くちこ

  • 転々と木を囀るは黒き点

    夏湖乃

  • ほつこりとほつこりと庵囀れる

    海猫

  • 2Bの漢字書き取り囀れる

    外鴨南菊

  • 囀や猿鳥人に脚二本

    亀田荒太

  • 囀や耳に支那語やアラビア語

    吉武茂る

  • 囀や荷解く部屋の白き壁

    河村静葩

  • 介助犬止めて囀り占いぬ

    花蜜伊ゆ

  • 囀や蜂蜜光るパンケーキ

    楽和音

  • 目を閉じて四方の囀り星図めく

    久森ぎんう

  • 囀の波紋の落ちる湖沼かな

    刈屋まさを

  • 早朝の墳墓きらきら囀りぬ

    宮坂暢介

  • 囀や祖父が朝刊取りに行く

    金子あゆか

  • 囀を公民館へ分けて入る

    月岡方円

  • 先を行く影や囀降り止まず

    看做しみず

  • 囀の樹下に泉門やはらかく

    月見柑

  • 囀や父には父の歌があり

    駒村タクト

  • 囀や牛鈴音へ戻りけり

    丸山晴耕

  • 囀や節談説教間を埋める

    愚禿常然

  • 通り雨消しゆく囀の余韻

    希布

  • 囀を聞き流す君あっけらかん

    広島あーやあーや

  • ピアスは吾の一部囀は街の

    月枝いと

  • 戻来て風の梢を囀りぬ

    戸口のふっこ

  • 囀やトワイライトの露天風呂

    黒猫かずこ

  • 囀や脇よりぽんとブッダ生む

    公木正

  • 切株に年輪あまた囀れり

    岩本夏柿

  • 囀やきみどりいろの紙を折る

    佐藤香珠

  • 囀りやオムのケチャップペンギン形

    広島しずか80歳

  • 囀や出棺の刻茶碗割る

    細木さちこ

  • 囀やマインドフルな昼休み

    坂本梨帆

  • 囀や子らそこここに写生会

    咲間元文

  • 囀や学割のきく理髪店

    佐野明世

  • 囀や声の小さき実習生

    紅三季

  • 囀や闘ふための紅を引く

    高永 摺墨

  • 大空へ楽譜かく如さえずれり

    山田健蘭

  • 囀や指切りのごとむつぶ枝

    高橋寅次

  • 囀りの拙き声も恋も吾も

    高本蒼岑

  • 囀は遠くラが鳴らぬカリヨン

    柴田藤安

  • 囀りや湖の静謐彩りて

    山川土時

  • 早朝の囀り清し退職日

    山乃尾乃道之翁

  • 囀を背に出棺のクラクション

    若井柳児

  • 囀や仲間になれぬ八十老

    市橋正俊

  • 囀や独り身今日を持て余す

    秋野木吾

  • 囀や皆早起きの合宿

    市川風花

  • さえずりやわたしの名まえ気づいてる

    寺尾ロゼッタ

  • 囀や背負う練習ランドセル

    種種番外

  • 囀と共演したるホイッスル

    酒井春棋

  • 雨あがり囀浴びる磨崖仏

    秋星子

  • 囀りの主を見つけたほうが勝ち

    七月

  • 囀や迷ひ猫なるWANTED

    松葉学而

  • 囀りや死者をも起こす歌となり

    小原実穂

  • 囀りや翁ばかりのローベンチ

    秋白ネリネ

  • 囀に目覚めて痛み取れし朝

    あなうさぎ

  • 囀や母の認知の小箱あく

    古川一光

  • 囀りやクラス編成会議中

    上村 風知草

  • 囀や花の樹多き母の庭

    深草あやめ

  • 囀りとバター溶け込むパンケーキ

    深町宏

  • 囀や茶柱の立つ診察日

    杉柳才

  • 風搏てば囀漏るる穴かしこ

    清水縞午

  • さへずりや厨の妻のさしすせそ

    西浦 貴浩

  • 囀や今日より無職女なり

    西郡うり

  • 宿の杜聾の子と囀りを見に

    小西天

  • 囀に新任巫女ら迎へらる

    小島浩子赤城おろし

  • 囀りや右往左往の看護助手

    小林昇

  • 囀りや病臥の子規の耳晴るる

    松山帖句

  • 麺全て溢せば囀りまで止まる

    松本独り

  • 囀や賞状の筒すぽんすぽん

    松本裕子

  • 耳とほき母の囀待つ手かな

    島田ポン吉

  • 囀りや連休が来る孫が来る

    西風 心鏡

  • 囀りをたどればため息の多い山

    青空豆千代

  • 囀の不意に高鳴る梢かな

    上津 力

  • 囀の森ごと遺産相続す

    西村青夏

  • 近づけど止まぬ囀り拾う風

    新城典午

  • 囀りや右脳目覚める佳き日和

    宥光

  • 囀りを乗せて湘南モノレール

    斉藤百女

  • 囀や一角獣をさしまねく

    村上優貴

  • 囀や藁人形の簑の辺

    石塚碧葉

  • 恐竜は自由だったね囀れる

    石浜西夏

  • さへづりはプリズム色の風となる

    千歳みち乃

  • 囀りや新顔二人バスを待つ

    千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部

  • 囀をちょきんちょきんとサムギョプサル

    多数野麻仁男

  • 囀や除染の庭に戻りつつ

    千葉睦女

  • 雲水の青きつむりと囀と

    前田いろは

  • 囀は朝の背中へ降る花火

    雪だるま

  • 囀りやきのうのことは過去のこと

    大野美波

  • 囀や十二時告ぐる時計台

    千原 十吾

  • 読経は流れ囀は容赦なく

    大 広秋

  • 囀を乗せた風切りペダルこぐ

    谷 道悦

  • 囀りに朝の包丁合はせけり

    大庭慈温

  • 囀やそろばん塾の音豊か

    淡湖千優

  • 囀りは暗号めきて蛇と鳩

    谷町百合乃

  • 霊柩車発ちてさへづり留まりぬ

    中村すじこ

  • 垂直に囀昇る河原かな

    田畑せーたん

  • さえずりやおめでたですよの翌朝

    竹村マイ(蚊帳のなか)

  • 囀の下に補助輪外した子

    田辺ふみ

  • 母逝く日空より囀ふりしきる

    桃香

  • 囀の風と光の参道や

    中野風鈴

  • 囀の二日酔い夕べにのそり

    天照昭光

  • さえずりの住宅街を行く柩

    着流きるお

  • 囀や一年ぶりのいろは坂

    田中紺青

  • さへづりのベール火金は可燃ゴミ

    鈍亀

  • ちゅるちゅると囀り熱の寝床にて

    豚々舎 休庵

  • 囀りが小屋のほころび告ぐるかに

    白庵

  • 囀やふざけて写る最上段

    藤白真語

  • 囀や布のカバーの短編集

    内田こと

  • 囀りや父の日記を捲る午後

    ひいらぎ

  • 囀やペダルで開ける箱の蓋

    如月ドロップ

  • 人探し囀ばかりの道に来て

    白井 佐登志

  • 朝駆けや囀眩し有明海

    南郷谷 花鳥と俳句

  • 囀りやミックスサンドのほころんで

    白玉みぞれ

  • 囀の校庭惜敗のベンチ

    二十八

  • ぐぜり無き囀り誇らかな瞳

    野山遊

  • 囀や番の住まふ御神木

    八洲舟

  • 傾眠の母の中へと囀りよ

    飛来 英

  • つなぐ手に囀丸く注ぎけり

    富士桜花

  • 囀りや肺を鞴とふくガラス

    風早杏

  • 囀の響く学舎の始業かな

    服部那津彦

  • 洗濯機・テレビ・囀・日曜日

    平山仄海

  • 囀りや森は孤独の墓場なり

    葉子金カル

  • 囀や忽ちに吾は異邦人

    落句言

  • 囀や鎮火確認報告す

    理酔蓮

  • 囀や宙にひろげる伝言板

  • 囀りを片目の見えぬ柴犬と

    満る

  • 囀やひとりに慣れ過ぎて恐い

    風慈音

  • 囀に埋もれて碧き旧校舎

    立田鯊夢

  • 囀りの澄み渡る森ふっくらと

  • 囀や腰のラジオは八代亜紀

    涼月橋

  • 囀りや子の自画像は大き○

    春あおい

  • 鳶一声囀りの一斉の黙

    林常住

  • 吊橋の吊のところに囀れり

    健央介

  • 囀りの里昔話の藁屋

    ららら句らら

  • 囀や友の悲報に疼く黙

    小川さゆみ

  • 囀や動物王国鳥獣舎

    露崎一己句

  • 豊洲市場ターレーのうえ囀れる

    浪速の蟹造

  • 囀やギンガムチェックのまつり縫ひ

    梵庸子

  • ヘンゼルの頭上囀けたたまし

    在在空空

  • 電車から一歩囀にひらく耳

    伊藤 柚良

  • 囀や小匙に掬ふ岩絵具

    GONZA

  • 囀やひとりになれる美術室

    菅野まこ

  • いたづらの風に囀りうはずれり

    郡山の白圭

  • いま囀りしも加へて鳥合はせ

    河島 八々十

  • 囀や人文字作る校庭に

    真喜王

  • 囀を抜けて昼休みの終わる

    高山佳風

  • 囀やタワークレンのひとつ伸び

    おこそとの

  • 囀を聴く呆けたる猫と聴く

    峰 乱里

  • 林冠を囀り巡る道深し

    雨霧彦(木ノ芽)

  • 囀に目覚め少女の千羽鶴

    蜥蜴の尻尾

  • 囀りや折り紙配る児童館

    谷川ふみ

  • 囀の同時通訳する吾子よ

    はるく

  • 囀や結婚指輪置いてきた

    アニマル可秘跳

  • 囀る囀る父の命日今日だつた

    広島じょーかーず

  • 囀やまだ空っぽのプランター

    吟  梵

  • 囀やトットちゃんは九十歳

    高田杏

  • 重機止んだ街囀りアンサンブル

    美津うつわ

  • 囀や鍬持つ影の父に似て

    中根由起子

  • 収集車発って囀の木漏れ日

    伊予素数

  • 囀のこぼるる擱座戦車かな

    秋月

  • 囀をシャンパーニュグラスに塗す

    青柳修平

  • 父逝きし家のドアノブ囀れり

    卯月紫乃

  • 囀にラの♭とソの♯

    五味海秀魚

  • 囀のひときは繁き一樹伐る

    夏埜さゆり女

  • あなかしこペン先躍る囀に

    巳智みちる

  • 囀の中や合否の封ひらく

    阿部八富利

  • 選外の朝囀りの降り注ぐ

    福田春乃

  • 囀やそこより先は他人の土地

    よみちとせ

  • 内見の囀りばかり駅遠し

    柳絮

  • 固まって降りし囀ちりぢりに

    卑弥呼

  • さへづりや地球の生まれしはけふか

    ひねもす

  • 囀や図書室の窓は世界へ

    どゞこ

  • 囀やはれた野原にマジシャン来

    島田あんず

  • 電波圏外ただ囀のこだま

    竜退治の騎士

  • 囀の賞味期限は今日だつた

    佐藤茂之

  • 囀りの高さ競うや野の風に

    いごぼうら

  • 囀りやパーマ男子は軽やかに

    千風もふ

  • 囀は届く不登校やめない

    本村なつみ

  • ウォークラリー囀巡る十五キロ

    夏立也

  • 囀やユンボは木々に抱かれをり

    半ズボンおじいさん

  • 囀りや仕切り直さん片思ひ

    堀邦翔

  • 囀にゆだね蒸しタオルを顔に

    豆柴

  • 囀を行けば大地のやはらかく

    ももたもも

  • 無記名の囀.mp3

    高遠見上

  • 電子書籍諦めてただ囀を

    東京菌

  • さへづりを二百十度の日矢射抜く

    石上あまね

  • 囀や渡し場の水溢れおり

    猫ふぐ

  • 囀に実線破線破断線

    一日一笑

  • 囀の教室転校生黙

    松山めゐ

  • 囀や校庭に浮く父母の列

    松本厚史

  • 囀に街へ帰れと言はれけり

    樋ノ口一翁

  • 樹木葬見学ツアー囀れり

    小藤たみよ

  • 囀やミシンの買い替え決心す

    あまぐり

  • 囀や急登終われば海眼下

    猫楽

  • 囀を養う木木ら弘前城

    津軽ちゃう

  • 囀を聴く遠耳も福耳も

    はれまふよう

  • 囀の杜に薪割るピザ職人

    雑魚寝

  • 無の先の光のごとく囀れり

    あまぶー

  • 囀を聞き分く一字決まりの「す」

    滝上 珠加

  • さへづりの廊下を抜けて購買パン

    月石 幸

  • 囀や開門を待つ太鼓門

    渡部 あつし

  • 囀や遮るやうにサキソホン

    菊池克己

  • 囀のまつすぐ渓をわたりけり

    しおやま句吟子

  • 囀や光の礫空に風に

    森中ことり

  • 黙しをれば囀りもなし東北忌

    片山蒼心

  • 囀や一も二もなく旅支度

    井上鈍句

  • 囀の一樹通訳などいらぬ

    椋本望生

  • ギョーギョーとレとソの囀りを聴く

    粋庵仁空

  • 囀や老々介護はじまる日

    中村あつこ

  • 隧道に囀の乱反射して

    和泉攷

  • 囀りや小学校も慣れてきて

    そめやまさみ

  • 囀や箸そつと置く父母の墓

    愛柑

  • 囀の度に尾羽の上下せる

    白猫のあくび

  • 囀の撫づる湖面や波低し

    上津 嘉子 

  • ただ嬉し囀りはみな上を向き

    靫草子

  • 囀で山は動いているようだ

    そまり

  • 金平糖のごと囀てのひらに

    蓮井理久

  • 囀や衣紋が上手く抜けないの

    天野若花

  • 囀や無口な君の手に触れる

    白井百合子

  • ふるさとの囀り兄の耕運機

    コンフィ

  • なくなりし村囀の駅舎跡

    さかえ八八六

  • 囀や人の声にも裏表

    俳句王

  • 囀やどこどこうえうえてっぺん

    葉るみ

  • 結界石なき天空に囀りぬ

    春海のたり

  • 囀や砂抜きの貝キューと鳴く

    坂本雪桃

  • 囀りの止みて水輪の生まれけり

    村岡花風

  • 囀もなきマンションの空や青

    麗し

  • 囀や子らと探検する茂み

    海月のあさ

  • 囀りやひねもす願ふ擦れ声

    誠馬ノマド

  • 囀や古希の御朱印明日も晴れ

    ゆぃ

  • 囀はやさし正論はおつかない

    羊似妃

  • 囀や森は生きてる動いてる

    桂葉子

  • 大学へ明日は彼の地の囀を

    作作

  • 枝に養生中の札囀れり

    ふわり子

  • 囀や美濃と信濃の岐れ道

    島田順子

  • 囀や明け方叩くキーボード

    楊梅江風

  • 囀りや別れを惜しむ朝ぼらけ

    夜ノ森ムーミン

  • 囀や冷戦中の食卓に

    澪那本気子

  • 夕ごとに囀る木あり純喫茶

    どこにでもいる田中

  • 火の鳥の囀り58億年後

    臥榻其処等

  • 囀や排水の渦見ておりぬ

    也和

  • さへづりとひかりの森のただなかに

    東京堕天使

  • 囀りの小さき吾の不眠を汲むやうに

    宮井そら

  • 囀やアカデミー賞五ヶ国語

    那須のお漬物

  • 囀りを聴き分けて子の眼の丸し

    梅鶏

  • 焼きたてのスコーン囀のベンチ

    まっちゃこ良々

  • 囀へ降り立つ高原下バス停

    深山むらさき

  • 囀りや掲揚台の珠ひかる

    伊沢華純

  • 球体の囀泛ぶ古き森

    龍田山門

  • 囀は角帽投げる風のうへ

    中島 真珠

  • 囀を歩け緑のロンパース

    比良田トルコ石

  • さえずりや子の部屋の前置く朝食

    清松藍

  • 囀や吾子がこけしで受け答え

    玉野汐音

  • 囀りへバンジージャンプ絶叫中

    沼宮内 かほる

  • 囀や腹にくすぐつたきゼリー

    砂楽梨

  • 囀れば此処は花街向島

    季々諧々

  • 囀りやあそこが森の心臓部

    そうり

  • 囀や商談前の靴磨き

    伊藤恵美

  • 孤立する囀りさえも煩わし

    さんざし

  • 囀を通訳したる転校生

    諸塚凡志

  • さへづりに応へる声のやはらかし

    沢 唯果

  • 囀りや見つけてほしいかくれんぼ

    だっく

  • 囀や中州をまたぐ歩道橋

    ぶうびい

  • 囀を見上げ聞き分けられぬ耳

    富山の露玉

  • 囀や新妻と拭き上ぐる墓

    晴田そわか

  • 石庭の砂白く囀甘く

    月待 小石

  • 囀や馬場の朝の忘れ傘

    たつき

  • 喧嘩の翌朝囀りのトースト

    弥日

  • 囀の大樹風なき地の音叉

    原 水仙

  • 囀と風と笑顔やヨガ教室

    柊瞳子

  • まづ裾野より囀を満たしゆく

    沖原イヲ

  • 囀りや川向こうには蒸留所

    あおみどり

  • 囀を名残に地下の純喫茶

    若林明良

  • 囀りや大樹の息を包みこむ

    草夕感じ

  • 囀やキトラ古墳の天文図

    ふもふも

  • 炊飯器じわじわ起きる囀れる

    里山子

  • 囀や無一文の修行僧

    北山 烏兔

  • 畝立て機くるっと反転囀りや

    百田信三郎

  • 囀やどの話から始めよか

    勘太郎

  • 囀りや鐘撞き堂の風に乗り

    竹春エリザベス

  • 囀密か出棺のクラクション

    定位置

  • 囀や釉薬の色想像す

    野口真砂輝

  • 囀や知らん振りして塞ノ神

    ほうちゃん

  • 囀や顔を上げれば寺のあり

    ノアノア

  • 囀や明けのデスクの紺ネクタイ

    てるきち

  • 囀や帯にあしらふ玉珊瑚

    峰泉しょうこ

  • 囀りやリカちゃんとすべり台の下

    さおきち

  • さえずりのてっぺんまでの鬼ごっこ

    うに子

  • 囀は光の礫われ起こす

    清白真冬

  • 囀やいつもどおりの町と人

    赤尾双葉

  • 囀の空のリボンと流れけり

    笹間明明

  • 砂時計落つ囀のただなかに

    渋谷晶

  • 囀の消え囀と思ひけり

    つまりの

  • 囀の小道に惜しみなき日差し

    冬野とも

  • スニーカーきゅっと結べば囀れり

    くみくまマフラー

  • 父子通う囀りの森ひかりさす

    みやかわけい子

  • マスト先囀る鳥に多幸あれ

    大阪駿馬

  • 東司にも作法のありて囀れり

    ななかまど

  • 囀やはちみつ色の髪の姫

    丸山隆子

  • 囀やここは朝とは違う路

    殿さまペンギン

  • 富士山登頂囀りの祝福

    原島ちび助

  • 囀や人の噂に閉ざす耳

    風民

  • 囀やココアに薄き膜を張る

    修平

  • 囀や笛をそさくさ片付けぬ

    太平楽太郎

  • 我のショパン真似して囀っているよ

    坪山紘士

  • 日常は囀りの中飯のつぶ

    黒蜜きな子

  • 初孫や囀る方へ向く瞳

    彩明

  • 囀や壁新聞委員会

    じょいふるとしちゃん

  • 囀りを遮るバスの鼓動が来

    オニチョロ

  • 囀や子育て地蔵の白き顔

    ののはな誉茂子

  • 囀りや母の日記の知らぬ人

    まこちふる

  • 囀や大和言葉で結ぶ文

    ひなた和佳

  • 囀りの溢るる朝の保健室

    きなこもち

  • 囀の途切れし後の虚空かな

    信木庸子

  • 美術館前にバス下り囀りへ

    うからうから

  • 囀や絵馬それぞれの志望校

    橋本有太津

  • さへづりやアレグロ楽譜撒く斜陽

    帝菜

  • 朗らかに少し淋しく囀れり

    とんぼ

  • 囀や洗礼名の伯母の墓誌

    西川由野

  • 囀るや十四で父を超えし画家

    橘鶫

  • 囀や眼の高さなる電波塔

    キートスばんじょうし

  • 囀りは野鼠の墓標土かける

    はまお

  • 囀のテラス黄色のティーコゼー

    桂子

  • 囀の余韻に淡き昼の月

    雨李

  • 囀や路の平らに拝む祖母

    田中ミノル

  • 囀や最中分け合ふ揃い皿

    小川しめじ

  • 囀や空色絵の具といてます

    衣笠 野波

  • 囀や翁へ裏地の色見本

    春風流士

  • 囀て囀てスキップ新天地

    平山千鶴

  • 囀の埠頭から支援物資行く

    富山湾

  • 囀や我がペン立てにペンいくつ

    碧萃生

  • 囀が覆う近代美術館

    水無月

  • キャンバスに走らすコンテ囀れり

    姫川ひすい

  • 囀は町の熱源同窓会

    笹野夕

  • 囀りの背のこそばゆし鬼瓦

    吉野川

  • 駅前の明るき目覚め囀らむ

    花南天anne

  • 囀の零るる聖地巡りかな

    小笹いのり

  • 囀や墨の滲まぬつよさとは

    架穂臨

  • 芳一の耳なき木偶に囀れり

    華胥醒子

  • 囀りを孕むそよ風通りゆく

    布村 柚子

  • 囀やお骨拾いの午後三時

    山尾政弘

  • 星失せて囀るための朝明けぬ

    楽花生

  • 囀や中身を記すダンボール

    剣橋こじ

  • 囀や高層マンシヨン見学日

    牧内ゆう

  • 囀を放てば尾羽震へけり

    露草うづら

  • 囀や吾の目の君の目の吾の目

    凪ゆみこ

  • 囀りやなだれ落ちたる牛の糞

    城内幸江

  • さえずりやトロッコ馬車の毛並み良し

    小林番茶

  • 二塁手の見上げし囀りの空よ

    柚木みゆき

  • 囀やサンドイッチは茹で玉子

    万里の森

  • 天と地の接点pは囀か

    ほしのあお

  • 一時退院さへづりの駐車場

    水須ぽっぽ

  • 囀や寄り添ふやうに栞紐

    足立智美

  • 鉄塔よりさえずり結納来

    桜月夜

  • 囀りの包囲四角くロープウェイ

    イシデ電

  • 囀りや糺の森の雨上がり

    花和音

  • ビル谷間小さき空へ囀りぬ

    須田爪黒

  • 囀や鎮守の残る造成地

    夏 六葉

  • 囀りに急かるる様に雨あがる

    山くじら

  • さへづりの恋ひし囀なる樹冠

    モッツァレラえのくし

  • 囀りやフルーツ園の手書き地図

    矢橋

  • 囀や幾重に下がる絵馬ずらり

    紅 珊瑚

  • 囀の怒涛トイレが流れない

    広木登一

  • 囀の向こうにこどもホスピスが

    小田毬藻

  • 囀やバイト面接多分ダメ

    八光地蔵

  • 囀と寝息微かに保健室

    増村恵里

  • 囀やつむじに降ってくる音符

    蘂六

  • マゼンタの廃液の川を囀

    ちょくる

  • 囀の窓や斜光の緩みゆく

    正雪

  • さえずりやおしゃべり女子は無碍の雲

    月谷 日耀

  • をちこちの囀り聞こゆ歌舞伎町

    羽柳武助

  • 囀に窯詰めの手を休めをり

    みらんだぶぅ

  • 尾瀬ヶ原緑の中の囀よ

    祐 紀杏里

  • ひらかなに据ゑる文鎮囀れり

    木村隆夫

  • 囀や靴下の丈はくるぶし

    叶田屋

  • 星くずを口に蓄へ囀りぬ

    はごろも856

  • 大仏殿出で囀の煌めいて

    紫水晶

  • 囀りの聞こえし先は民家なり

    石内宏明

  • 囀やきみは隣の席になり

    望月ぽん

  • 囀を生きて畑を守りけり

    二重格子

  • 囀や想いをカノン進行に

    すかーてぃっしゅ

  • 囀を手真似す特殊学級生

    戸部紅屑

  • 囀の山や産湯の井の滔々

    洒落神戸

  • 囀や重大議案は紛糾へ

    周防の鼠

  • ごあごあのランチョンマット囀れり

    髙橋花紋

  • 囀りや仲が良いのか悪いのか

    竹内ユキ

  • 囀や高野町石あと五つ

    霧 澄渡

  • 廃業の湯屋の煙突囀れり

    らん丸

  • 囀が水をやらかくしておりぬ

    奈良の真

  • 囀が囀つれてきて朝

    野地垂木

  • 囀や日の斑煩きカプレーゼ

    ふのんへん宗悟

  • 海街のいろ啄みて囀れり

    細川鮪目

  • 朝ぼらけ囀る樹洞のつがひかな

    ちくりん

  • 囀や婦人警官真直ぐ行く

    駒野繭

  • さへづりや麹の香る煉瓦塀

    能研ショテカ

  • 雨戸開く頃合いを見て囀りぬ

    芋 二郎

  • 囀や路肩の砂に傾くカブ

    乙華散

  • 幽谷の墓碑へ光を囀を

    イサク

  • 宿酔の身に囀の容赦無し

    笑松

  • 囀や初老の戀の始まりぬ

    松風花純

  • 囀のチャペルの吾子の頬光り

    ちょうさん

  • 沢音に囀混じる昼餉かな

    ひだ岩魚

  • 囀やよもつひらさか木のポスト

    幸田柝の音

  • 囀よ埃まみれの松葉杖

    諫鼓苔深

  • 囀や発掘現地説明会

    豆闌

  • 囀や我が名漢字の重すぎて

    橋本鳩子

  • 囀や箒目付けて寺に朝

    四丁目

  • 囀は言葉を作る部品かな

    鈴木由花子

  • 囀りや招く向こうに椅子ひとつ

    おんあいす

  • 囀へ及びかけたり高鋏

    山崎なお

  • 囀りのかくも私に無関心

    卓鐘

  • 石頭下げて囀り聞いており

    花亭五味

  • おそろいの食器を囀の谷根千

    古都 鈴

  • 囀や落ちそで落ちぬ巨石群

    木村ひむか

  • 囀をひとさじ風のほの甘き

    ノセミコ

  • 囀や木漏れ日を追ふピチカート

    有野 安津

  • 囀や恋はそこそこそこここに

    木寺 仙游

  • 囀りや消してもタスクまたタスク

    佐瀬仲五

  • 囀やシスターボーイ老人に

    小木さん

  • 囀や旧橋脚の水に透け

    日永田陽光

  • 囀や小さき柩へ合掌す

    鈴野蒼爽

  • 囀りや今のは確かラテン系

    哲庵

  • 囀りの図書館の窓縦長く

    紅塩寝子

  • 囀や初心者マークちょい斜め

    石本コアラ

  • 伐採は延期囀聴いたから

    灰色狼

  • 麺全て溢せば囀りも止まる

    滝川雄山

  • 囀の囀りだけの青き空

    三休

  • 囀と野菜を同梱されし箱

    久米穂風

  • 囀や得点上位三番目

    林真紗湖

  • 囀や力まかせのにぎり飯

    ナオコ タイラー

  • 囀や空に隔てはないものを

    しゃれこうべの妻

  • さへづりや雨の日は雨ふるやうに

    ろまねす子

  • 丁寧な生き方囀の朝

    渡辺香野

  • 囀やカフェテーブルは葉の形

    音羽凜

  • 囀や背にしがみつくツーリング

    伊ナイトあさか

  • 囀や葉のつまりたる屋根の樋

    かぬまっこ

  • 望郷や囀り遠き四帖半

    塩の司厨長

  • 囀や右の補聴器外す義母

    鳥不驚

  • 囀やコツコツ歩く知らぬ街

    綿鍋雪

  • 囀りや今日もふた駅一万歩

    後藤三梅

  • 囀や夢の覚めたる朝窓辺

    三島ひめばしょう

  • 囀りを聞き分けてをる赤子の瞳

    せいち

  • ピアノ椅子好きな高さに囀れり

    たけろー

  • 囀や文学碑には恋の詩

    どくだみ茶

  • 囀りやノイズにまみれ生きている

    北大路京介

  • 囀れる村の要の一樹より

    ちゃこ

  • 囀りや風もあなたも青き色

    かん かんし

  • 白日や囀やまぬ大手町

    兵頭紫峰

  • 千本鳥居さへづりを照りつづく

    はんばぁぐ

  • 囀といふ収まりのつかぬ視野

    黒麹 糀

  • あの二羽であらうか朱く囀れり

    古瀬まさあき

  • 囀りの光に怯む朝読書

    字土街海

  • 気が付けば囀三つ今朝のこと

    青藍蒼

  • 囀のたまに疲れてをりにけり

    暖井むゆき

  • 囀りや人類消えし水の星

    防子

  • 囀の中のエトスを踏み外す

    蘭丸結動

  • 囀に祠の神も和みけり

    紋舞蘭

  • 囀りと会話しているバギーの児

    荒磯魚々

  • 囀や心は閉じる不妊治療

    三隅 涙

  • 囀に合はせ鉛筆削りけり

    きつネつき

  • 囀や降りる客なき縄電車

    対馬清波

  • 劣勢の長考や鳥は囀る

    名出 結希人

  • 囀へ逸らす目君の優しい目

    あきののかなた

  • 楽しさの上書き保存囀れり

    リカ

  • 囀に仰ぐ枝先まだ眠く

    篠雪

  • 囀りに満たされ初夜のあさ明ける

    笑姫天臼

  • 白杖の導くままに囀へ

    下條ちりり

  • 囀りの止みて始発の通る音

    鶴岡木の葉

  • 囀りや杜氏を見送る大暖簾

    唯野音景楽

  • せせらぎのごとき囀異国かな

    陽花天

  • 囀りはクレッシェンドで終わりけり

    あさぬま雅王

  • 囀の途切れ独居のマグカップ

    西田月旦

  • 囀りて親子で休む幹の洞

  • 囀りのひと鳴き湖を静めけり

    あたしは斜楽

  • 囀の下に無音の納骨堂

    素数

  • さへづりの止めば軋める風見鶏

    飯村祐知子

  • 囀りや鍼灸院の小さき窓

    源早苗

  • 囀に洗はれ茹で上がるパスタ

    真井とうか

  • 囀れどただ灰色の津波跡

    松永恕淳

  • 囀や続くゆふべの諍ひが

    ペトロア

  • 囀や爪立ちで貼る命名書

    武井 超凡

  • 鳥囀る世界の色を変えながら

    向日葵姐いつき組広ブロ俳句部

  • 囀の仮設喫煙所ドクター来

    川屋水仙

  • 囀や試乗車乗るの四回目

    団栗あんパン

  • ブーケトス又取れぬ囀浴びて

    苺井千恵

  • 手を添へて母乳飲む子へさへづれり

    栗山おかか

  • 囀や螺旋の長き滑り台

    居並小

  • 囀や上り列車を待つホーム

    喜多丘一路

  • 宇宙船より囀のホログラム

    山口葵生

  • 囀や港町からドイツパン

    杵築きい

  • 穏やかな狛犬のゐて囀れり

    ふみづきちゃこ

  • 着ぐるみにファンの震えや囀れり

    濃厚エッグタルト

  • さへずりや遅刻に謝罪する電話

    西野誓光

  • 囀の流暢落語の長台詞

    島 白椿

  • 囀に雨止みを知る六限目

    前田

  • 囀りの180度サラウンド

    武井かま猫

  • 囀やベンチの人の互ひに素

    中村想吉

  • 囀りや明日は人事発令日

    ふくじん

  • 囀に東の窓開け粥を炊く

    空 ひろ

  • 囀やひかりを指してデフサッカー

    坐花酔月

  • 囀を浴びて宮型霊柩車

    夢見昼顔

  • 囀や寡黙なる子も伴侶得て

    池田  凜

  • 囀りのなかに瑠璃色めくこゑも

    石垣ようせい

  • 囀と素振の清き孤独かな

    大山和水

  • 囀や錆の浮き出た古時計

    糺ノ森柊

  • 木漏れ日に似て囀の強く弱く

    堀雅一

  • 囀や子と風通る保育室

    清水 三雲

  • 囀や花瓶を割つたような恋

    くさ

  • 囀や隣の席に転校生

    渡辺十把 

  • エンジンを切れば囀こども園

    おかだ卯月

  • 囀の頃に富山の薬売り

    田村利平

  • 囀に負けるな吹きまくれ口笛

    藤咲大地

  • 何も無き空に向かひて囀へり

    髙橋弓女

  • 囀りて囀り呼びし神の杜

    葉月庵郁斗

  • 囀りのBメロ恋の成就かな

    壱太

  • プラントの吐き出すものと囀と

    虎堂吟雅

  • 囀りや初めましてと荷を開ける

    玉川 緑風

  • 囀にレコード盤の金や銀

    青い空加納

  • さへづれるなかに舌足らずなやつも

    ふるてい

  • 囀りや我にかえりて本を置き

    庄之山正道

  • 囀で起こされるなりタイヤ替ゆ

    たていし 隆松

  • 週末のジョギング跡地より囀り

    鳥田政宗

  • 囀のなんとやさしい風の朝

    服部勝枝

  • 囀や奈良の駅には行基像

    まりい木ノ芽

  • 囀りや観音様は聞き上手

    石川順天

  • 囀や空に音符の矢を放ち

    滝澤和恵

  • 老木の囀深きふところに

    田季たまき

  • 囀を追ひ回したる天狗の子

    沢井如伽

  • 昼風呂の雨に囀まじりけり

    haru_sumomo

  • さへづりの見ゆるか赤子上機嫌

    酔下弦

  • 耳澄ます遠く囀また聞こう

    上田ASH

  • 囀や紙垂真白なるご神木

    伊藤なおじい

  • 囀に水汲む水の多きかな

    佳葉

  • 囀や聞き覚えなき異国の唱

    縁穐律

  • 囀や車椅子の児は眼閉じ

    大久保加州

  • 囀りや御廟は高き穴太積み

    辻野 花

  • 記念樹や高く令和に囀りぬ

    佐藤知春

  • 囀や見上げる君の喉仏

    平野水麦

  • 復職や佳き囀と吾の呼吸

    山羊座の千賀子

  • ドンデン高原手を繋ぐやうな囀

    丹波らる

  • 囀や精通したること言えず

    寺尾当卯

  • 囀を碌山美術館ベンチ

    太之方もり子

  • 囀や山また山を薬売

    香依蒼

  • 囀りやお一人様の樹木葬

    千曜 桜

  • せせらぎと風と葉ずれと囀と

    杜乃しずか

  • 囀は退院の吾と吾子のため

    白子ポン酢

  • 囀の山修復の紅き橋

    ダンサーU-KI

  • 囀や屈伸をする見晴台

    たかはし千百

  • 囀りや地下足袋の爪掛け違ふ

    ツユマメ・広ブロ俳句部

  • 囀を弾いて青き水たまり

    雨野理多

  • 水彩の筆先蒼く囀れり

    歯科衛生子

  • 囀や形見の数珠の肌触り

    中田邦光

  • 囀りやジャングルジムのてっぺんの

    横山雑煮

  • 風通すだけの生家に囀りぬ

    野々村澄夫

  • 囀や大樹の風の音に入る

    みつき 夏

  • 囀りは一つ世界を満たしをり

    渥美 謝蕗牛

  • 囀や腕捲りする寮母さん

    コーヒー博士

  • 囀や空に陣地の線を引き

    相沢薫

  • 囀りの千年の樹に乳母車

    東田 一鮎 金カル

  • 囀や群れぬけものは眠さうで

    文月蘭子

  • 囀りや避難生徒の試験場

    ふくびきけん

  • ト音記号遥かに超えて囀れり

    そめいゆ

  • 囀れり肝油ドロップ蕩くやうに

    吽田のう

  • 囀や鳥語学者は今日も森

    田邉真舟

  • 囀の近くてじっと眼だけ遣る

    男鹿中熊兎

  • 囀や窓辺で描く風景画

    木村となえーる

  • 囀やヒーローショーのバイト果つ

    福原あさひ

  • さえずりは光の粒となりて降る

    夏草はむ

  • 囀りや俳壇欄をまず開く

    山川烏骨鶏

  • 囀や今舎利塔の上までも

    樹魔瑠

  • 囀をsingと訳す君がすき

    立部笑子

  • 囀はいまカノンからカデンツァへ

    栞虫かじり

  • 囀や主旋律もう始まりぬ

    マーゴとレニー

  • 囀と砂糖ひとさじコーヒーへ

    青空まる

  • さみどりの布に包まむさへづりを

    空井美香

  • 囀やほろんと揺れる卵焼き

    山 ゆり

  • この山の囀すべて吾に降る

    小山 晃

  • 囀や譜面起こせば恋の歌

    房総とらママ

  • 囀りや次女の制服採寸日

    清水明美

  • 訥々と囀届くうちの中

    篠川 翠

  • 囀りや祖母の記憶の無い吾に

    あらかわすすむ

  • 囀や雨後ち晴れの合宿所

    西町彰子

  • 心臓痛い囀の保健室

    星月彩也華

  • 囀の雨は仄かに色めけり

    沙一

  • 囀に相づちを打つ老婆かな

    いその松茸

  • 囀りや炊き出しの子の片えくぼ

    Q&A

  • 開け放つ居間も客間も囀れり

    たこぼうず

  • 雨間に急いた囀りこだまする

    坂めぐみ

  • 囀りを聞くあの森はオルゴール

    山口雀昭

  • 囀の一樹は赤きリボン巻く

    東山すいか

  • 囀と八十歳と異人墓地

    坂口いちお

  • 囀に蛇腹の地図を広げけり

    清瀬朱磨

  • 囀が聞ける加減でペダルこぐ

    京あられたけむら

  • ひかりかたおぼへさへづりもつとさへづり

    大塚迷路

  • 囀に濡れし峠のマリア像

    庭野環石

  • 気負いなき風に遅るる囀れり

    ふんちん

  • 囀やムササビの来る幼稚園

    ちゃあき

  • きつかけはさへづり君はおし黙る

    謙久

  • 囀りやちちちちちちと呑む赤子

    比良山

  • 囀のはこぶ佳きこと考へつ

    haruwo

  • 囀を邪魔せぬようにせぬように

    国東町子

  • 囀りやステンドグラスに響く朝

    不二自然

  • 囀を蹴散らし気球落下中

    神谷たくみ

  • 囀りて後の余白に白き月

    樅ノ木・ライラック

  • はじめての座禅さえずりを聞き分けて

    もぐ

  • 囀の中を花嫁見送りぬ

    月城龍二

  • 囀りやビジネスホテル空は希

    宮川武久

  • 囀りやジャージの守備の一年生

    杉尾芭蕉

  • 囀や頬に傷ある仏様

    沙那夏

  • 一心に囀るほどの孤独かな

    弥勒夕陽

  • 囀りと明かり僅かに残る空

    どいつ薔芭

  • 囀りて蕩けるバターぱんの耳

    空木

  • タイムカプセルさへずりの木に眠る

    たーとるQ

  • 囀や本丸自刃この辺り

    よぶこどり

  • 囀の降る将棋盤囲む輪へ

    陽光樹

  • 囀りの遮光くぐりて耳誘う

    町神

  • 囀や京都タワーの左端

    坂本 羊雲

  • 囀はふいに止むもの待ちぼうけ

    豆くじら

  • 囀や今日は厚揚げお買得

    乃の

  • 囀やそんなフレーズ聴き飽きた

    雅蔵

  • 日曜の囀パン屋開店前

    かずポン

  • 新調の横断旗手に囀を

    瀬央ありさ

  • 囀や音楽室に新ピアノ

    きべし

  • 雲流る囀りを背に坂登る

    星影りこ

  • クロス解く囀りの中ひらめきぬ

    亀亀子

  • 囀や一番乗りの遊園地

    星醒

  • 囀りやカレーは辛いほうがいい

    ねむり猫

  • 囀を追いやりミルクせがむ声

    三無季生

  • 囀やいつかは還る空の上

    まるにの子

  • 囀りてきれいな朝を伝えたし

    香田ちり

  • さへずりや生きて愛してジタバタす

    播磨陽子

  • 囀の吹き抜ける昼かのロケ地

    笑酔

  • 囀や今わたくしはわたくしは

    小園夢子

  • 囀や皆勤の妻送り出し

    中島走吟

  • 銅山の古樹囀りの降りしきる

    清水奈々子

  • 囀やさへづり返す谷戸の寺

    君島笑夢

  • 弁当の粗熱のまだ囀れり

    谷本均

  • 一斉に止まる囀旅の森

    北の星

  • 囀やリングの傷にルビー婚

    テラゴン

  • 囀や餌皿に仏飯出す日課

    玉響雷子

  • さへづりに動く赤子の澄みたる目

    東原桜空

  • さへづりや金春色の海はるか

    紗羅ささら

  • 囀りやしやつくりつづくお腹の子

    このみ杏仁

  • 囀や父と娘のユーチューバー

    田口大寒六

  • 囀りや夢で完走出来たのに

    有田みかん

  • 囀や園児の列によそ見の子

    風の木原

  • 法要を終えて囀耳に入る

    小島やよひ

  • 囀や終の住処の古団地

    夏目たんちゃん

  • 囀りの真只中にご神木

    さいたま水夢

  • さえずりや大きく張りぬ耳の朶

    蓮田つばき

  • 囀や蜜吸ふ間の一呼吸

    佐久凡太郎

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