【佳作】
沐浴の孫は桃色ひなまつり
今野淳風
配置図を手にあれこれと初雛
白鳥国男
雛の間の天井低くなりにけり
ギル
壺を売る女また来し雛の家
広木登一
家族みな雛の視野へと収まりぬ
倉木はじめ
止まるまで聞くオルゴール雛祭
あみま
お勝手の貝のくすくす雛祭
秋熊
換気扇わんわん雛祭の朝よ
碧西里
雛段に弾かれおはじきくすくすと
さくさく作物
雛まつり烏帽子の紐の結び癖
みつれしづく
古雛のこりりと鳴らす奥歯とも
シュリ
五人囃ことしもひとり手ぶらなる
田中木江
跡継ぎの話もでたり雛祭
三泊みなと
バイエルの右手つまずく雛の間
くみくまマフラー
ペコちゃんの舌は戻らず雛祭
ふもふも
雛祭雅な人は動かない
ねむり猫
花咲いたような陰影雛祭
新蕎麦句会・凪太
雛祭箸くばる手に酢のにほひ
山田蹴人
手鏡の裏の螺鈿や雛調度
とんぼ
みづゆたかなる家の生まれや雛祭
平本魚水
雛壇のトップにマジンガーZ
へなけん
吾も母も雛もひだり片ゑくぼ
あずお玲子
座布団を跳んで客待つ雛祭
ひなた和佳
下町の橋を渡りて雛まつり
中野風鈴
雛の笛のひとつに蘇緋のセロテープ
克巳@夜のサングラス
面会の留意事項と紙雛と
むらぴ
その尺の牛車に雛は乗れませぬ
あさのとびら
百年のしづかな吐息ひな祭
あつちやん
雛の日の窓に山々集ひけり
RUSTY=HISOKA
無垢杉の雛段祖父の山の杉
じゃすみん
雛祭マンホールから人の歌
酒井おかわり
立雛の震へ倒れぬほどのなゐ
中 兎波
吸入を終へたる吾子と折るひひな
Kかれん
剣道部板の間に座し雛祭り
伊予吟会 宵嵐
やはらかき雨音姉と雛の夜
峰泉しょうこ
はみ出して色ぬることも雛あそび
足立智美
ひなまつり花の模様の厠紙
たま走哉
雛祭り少女のひげの白く熟れ
篠原雨子
雛の箱雛に遅れず香りけり
まんぷく
お茶銘は初昔とや雛の客
藤咲大地
草木の匂へる雨の雛祭り
すずさん
雛の間やふおおふおおと洗濯機
成瀬源三
お稽古をすこし端折れる雛の日
神山やすこ
雨音のやはらかきままひな祭り
M・李子
花柄の爪切り借りる雛祭
昇華
雛の間はしづか欄間の龍の影
天陽ゆう
金継ぎの皿に雛祭りの景色
久留里61
梅干しの色残る粥ひなまつり
いさな歌鈴
黒髪を浴室に切る雛祭
亜桜みかり@金カル
奔放にケトル鳴らして雛祭
妹のりこ
ひな祭ベビーシャンプーは桃の香
ユ綺
卵溶きながらばあちゃん雛の間へ
さとけん
みちのくの泡立つ海や雛の宿
巴里乃嬬
折紙の雛ある児童相談所
中岡秀次
桃ノ木台団地完売雛祭
高尾里甫
ひなまつりさくらでんぶのひかりけり
大紀直家
雛の間の夜明けの終わる匂いかな
也和
折り紙の折り目のやさし雛祭
はれまふよう
実家跡の更地明るし雛祭
越智空子
三代の五黄の寅や雛祭
くろけん
夕雨の金糸銀糸やひな祭り
ちゃうりん
雛祭全部並べて別居する
藤乃雪
顔剃りの泡に甘き香雛の日
宮坂暢介
歯も舌もありてひひなの昏き笑み
朝月沙都子
ガラスの仮面なほ未完なる雛祭
多喰身・デラックス
また同じ目でた骰子ひな祭り
ぱぷりかまめ
一対のものはうるはし雛祭
すりいぴい
なろうなら五人囃子の笛吹きに
カオス
赤飯は硬し雛人形怖し
きなこもち
雛の灯や家はいびつに呼吸する
常幸龍BCAD
次回の兼題も
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