【佳作】
野遊やおやまの機嫌良う尖る
加座みつほ
野遊や一塁はこの段ボール
みづちみわ
メガホンはラップの芯や野に遊ぶ
夜ノ森ムーミン
ピクニック私の分と小鳥の分
たまのねこ
野遊や掘れば貝殻出る丘に
深山むらさき
野遊や鍵の失せしをいつ言はむ
山本先生
あなたでもない野遊の胸に俟つ
はせがわ水素
切り株に父の眼鏡や春遊
うからうから
野遊の子らの太陽系みたい
染井つぐみ
野あそびの掟木霊には応ふるな
明後日めぐみ
野遊の紙皿白き花のごと
中岡秀次
野遊やむてきのぼくのままかえる
つまりの
鼻歌やたぷたぷ野遊びのボトル
高尾里甫
野遊のひかりの碧とかげの赭
玉庭正章
野に遊ぶクックロビンは死んじゃった
螺原トモ
野遊や棒を見つける天才と
飛来 英
囀に似て野遊の笛付靴
ぐでたまご
野遊に濡れてたましひまで清ら
ぐ
風笛は神のたはむれ山いさみ
げばげば
野遊びや楽園は日の暮れぬらし
風蘭智子
湖の全貌野遊の丘に見ゆ
夏椿咲く
留置所明るし野遊のどろけいの
西川由野
さいしょはパーが野遊びの合図だ
里山子
明日からは契約社員野に遊ぶ
さくら悠日
野遊や木の心臓は雲にある
登りびと
野遊びや石の家ある村の昼
さとうナッツ
単位とかアルバイトとか野がけとか
あずお玲子
腕に子のまるい体温春あそび
丸山隆子
野遊びの声あぶ貨物船しづか
紫小寿々
野あそびに朽ちたみずへび座の少し
酒井おかわり
野遊にころげて雲の底たいら
ツナ好
野あそびやこの風の名を乞ひにゆく
古瀬まさあき
野遊びやあかつめ草の蜜ほのか
庭野環石
野遊を許して呉れてゐるカルテ
塩の司厨長
楽園はどこにもなくて野に遊ぶ
髙田祥聖
野遊や緑の匂ひとなる小犬
干しのいも子
野遊や牛へさしだす草に風
やまさきゆみ
野遊や四葉ひとつは山羊が食ふ
雪井苑生
野遊のよたよたと落つフリスビー
おこそとの
野遊や職なき身には広過ぎて
花伝
野遊のヒーロー五人悪は居ない
けーい〇
野遊や無職の肺に風温し
大小田忍
野に遊ぶ剣が枝に戻るまで
北欧小町
野遊びや体の芯の伸びあがる
播磨陽子
野遊や陸の一樹を神として
おきいふ
丘いくつあり手のひらに野遊びに
南方 日午
チェルシーをひと粒きみに野の遊び
ヒマラヤで平謝り
野遊のつむじぐいぐい陽を吸ふよ
足立智美
巻き舌の鳥を真似たる山遊
花みずき
野遊びの手提げ子の糞犬の糞
居並小
野に遊ぶぽんぽん船が戻るまで
Kかれん
野遊をバスが来るまで暮れるまで
京野さち
野遊てふ土と風よりもらふ詩
じゃすみん
野遊や人のラヂオの行き渡る
大和田美信
野遊の木撫でる濡れてゐるところ
常幸龍BCAD
野遊の母はすいすい丸木橋
伊藤順女
野遊びや活断層の果てに海
山路碧水
母の辺に積まるる上着春遊
はまゆう
野遊の権禰宜いろちがひの襷
幸田梓弓
野遊のくちぶえ船の見え始む
磐田小
野遊びや遺跡調査はすぐ向こう
小川都
野遊やモハメドがまず踊り出し
ほしのあお
足裏を見せあふ野遊の円座
嶋田奈緒
僕は虚子彼女はハルキ野に遊ぶ
月石 幸
吾にも聞け野遊のこと風のこと
冬島 直
賢者の野遊び愚者の野遊び
広瀬 康
野遊のボールをかへす妊婦かな
いたまきし
セロを聞くやうだ野遊び果てるとき
RUSTY=HISOKA
野遊やあれは神隠しの祠
竹田むべ
野遊や汝と同じ名の山はあれ
くさ
四度目の育児休暇や春遊
大庭慈温
野遊の一部始終や影法師
まんぷく
野遊や木のまなざしは子の高さ
さとけん
野遊や大樹の垂らす縄梯子
月見柑
野遊の尻のあかるく濡れてゐる
ギル
野遊や草を結んだ子はだあれ
でんだ浜千鳥
野遊びや棒きれで書くゴールライン
どみ どみそ
野遊の答えはあるか小さき雲
卯年のふみ
野遊の母のペディキュア蘇芳色
平本魚水
野遊のころころまるくなるこころ
剣橋こじ
まづ一献土神様も春遊び
巴里乃嬬
野遊の石に心のあるやうな
あなぐまはる
野遊の丘にトーチカ高射砲
理酔
野遊びや雲はいつでも未完成
主藤充子
野遊の空は金平糖の色
久留里61
野遊のこれは化石じゃないかしら
三重野とりとり
野遊や風の角度をフリスビー
常磐はぜ
野遊やあの子が摘むは昼の星
いさな歌鈴
次回の兼題も
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