【佳作】
対談や黒セーターを鎧とし
剣橋こじ
安売りのセーター買ふや海の音
まるかじり
セーターの魚売りから買ふ魚
亀山酔田
流るる慕情改札にスエタの黄
久下 真一
カーディガン羽織らせ回診が遅い
水須ぽっぽ
じゆぶじゆぶとセーターの泡押し洗ふ
冬野とも
っぽいでしょと贈られしセーターに豹
ナオコ タイラー
セーターを買ひこみ火星行きの船
伊予吟会 宵嵐
セーターに穴あさま山荘がらん
RUSTY=HISOKA
嫉妬するセーターの静電気ほど
中山月波
教会は真水のにほひ白スエタ
げばげば
渡さるる手編みセーターてふ磔刑
平本魚水
セーターに毛玉クラスに人気者
ほしのあお
セーターのこの辺の目は憎いとき
清水縞午
セーターのまばら淋しき花鳥園
渡辺桃蓮
フィッシャーマンセーター彼の嘘強し
さく砂月
欠点に入れるなセーターの毛玉
ギル
卒論書けないセーター毛玉だらけ
たーとるQ
セーターの色で呼ばるる特売所
まるちゃんにいさん
離婚決め映画見てセーター買った
五味海秀魚
セーターの袖の弛緩に世間体
岡根今日HEY
蔦のよな鎖のようなセーター受く
あいだほ
セーターが痛い陰口聞いた日は
新蕎麦句会・凪太
ばあちゃんのセーター柔らかくてダサい
ももたもも
また来ぬ人をこのセーターが許してる
きゅうもん@木の芽
セーターチクチク思春期と呼ぶ勿れ
めいおう星
セーターをくぐり痺れてゐるやうな
もりさわ
不自然な位置にワッペンあるセーター
嶋田奈緒
セーターのももけて渋谷むず痒い
さとけん
セーターは獣の匂い眠り呼ぶ
あおのめ
我が儘はとほりスエタの頸かゆし
山田不律
セーターも悲し悲しい曲弾けば
旺上林加
痒み以上痛み未満セーター着る
加良太知
北欧の潮のにほひのスエタかな
千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
セーターに海のべた付くまま悪所
理酔蓮
駅ぴあのスクールセーターの第九
百瀬はな
煙草咥えセーター着むとする父よ
中原柊ニ
ブローチに刺されセーター覚醒す
大岩摩利
セーターの油脂ぎちぎちと北の漁
トポル
プラカードはNoWarセーターは赤
明惟久里
パーティーはアグリーセーターだらけなり
井納蒼求
セーターが愚弟のままにぶら下がる
冬のおこじょ
セーターは部屋着求人見るだけの
升 丁茶
青鮫がサンタを喰つてゐるセーター
山本先生
セーターの毛玉をちぎる模試の前
秋野木吾
セーターは黒を着て東京を憎む
中根由起子
セーターは柔らかき盾あねとあふ
幸田柝の音
セーターを素肌に雨のアトリエへ
うに子
ジャズバーの黒鍵セーターの紫煙
みづちみわ
ラメ入りのセーター夜を飼いならす
ピアニシモ@金カル
セーターに毛玉これって倦怠期
久森ぎんう
呼び出せば同僚いつもそのセーター
ふるてい
ベンチ立つ青年監督はセーター
川澄栞大
追切りを終へセーターの女性騎手
桜井教人@金カル
セーターを着替えて愛の踏絵とす
シュレディンガーの獏
セーターの揃ふ違反者講習会
渡邉久晃
セーターに膝抱き入れて羽化はまだ
北欧小町
ぴっちりとセーター腹の子が蹴った
平良嘉列乙
言ひ出せぬ顎セーターに埋めけり
ぞんぬ
頑なに硬きセーター手懐ける
木染湧水
試験監督と同じセーターかも
いかちゃん
群れるのは嫌セーターは黒が好き
夏草はむ
君に似てきたセーターの肘のとこ
きのえのき
ヒーローぢやなかつた父よセーターよ
播磨陽子
湯上がりのセーター寝ない子の相手
ゆすらご
セーターに引力塵も寂しいか
桃園ユキチ
セーターに穴この自失なんと呼ぶ
ツナ好
今朝の齟齬ちくちくセーターちくちく
しゃれこうべの妻
とっくりセーター抜けだす自由は死に近い
世良日守
セーターの中で溺れてしまいけり
じゃすみん
セーターにまだ降りださぬ雨匂ふ
登りびと
セーターや実存尖らせて渋谷
伊藤映雪
セーターのぶかぶかに飼ふ自尊心
村瀬ふみや
セーターやMaj7の影ひりり
さざなみ葉
母からの留守電セーターの毛玉
津々うらら
セーターの肩にフケあり怒声あり
山路碧水
先生は博学スウェーターは無地
吉野川
セーターや出港の海鋼色
みつき 夏
白セーターあの純喫茶もう無くて
岡山小鞠
観覧車に乗ろうよセーター日和
明後日めぐみ
鉄棒に結んだままの紺セーター
きべし
らしからぬセーターの父参観日
唯果
刈り上げに真っ赤なセーターなのが義姉
むらぴ
セーターに知らぬ煙草のにおいあり
海老名吟
セーターのここは愛情ここは呪詛
くさ
次回の兼題も
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