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中級者以上結果発表

2025年6月20日週の兼題

夜の秋

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • 臍の緒のほのかな湿り夜の秋

    百瀬一兎

  • チェロケース開けて木の香や夜の秋

    野ばら

  • 本震や担送響く夜の秋

    のんきち

  • 瓶の口吹けば夜の音夜の秋

    播磨陽子

  • 右膝にチタンのボルト夜の秋

    くさ

  • 研ぎ汁の星雲めきて夜の秋

    三月兎

  • 海風は朽木のにほひ夜の秋

    天雅

  • 突堤はプラネタリウム夜の秋

    にゃん

  • こと座へと船首夜の秋満ちてゆく

    羊似妃

  • カラヤンと藤圭子聴く夜の秋

    森田正治

  • 雲母ふるる渚にひかり夜の秋

    山根もなか

  • 横綱がジャズ聴いてゐる夜の秋

    浩子赤城おろし

  • 夜の秋てるてるばうずだつたぬの

    愛の花

  • 夜の秋眼鏡に小さき螺子四つ

    川越羽流

  • マルボーロのやうな月ゐて夜の秋

    柿司 十六

  • 静まれる肺腑の炎夜の秋

    沖庭乃剛也

  • とほきよりファドのうたごゑ夜の秋

    可笑式

  • なゐ続く悪石島に夜の秋

    福井桔梗

  • ペン先の詰まりすすいで夜の秋

    佐藤さらこ

  • 背のギターケースの薄き夜の秋

    本田ぜらちん

  • くろがねの杖響むなり夜の秋

    みづちみわ

  • ライブ後の路地にくじら座夜の秋

    北大路京介

  • ジョン・ドウの三体ならぶ夜の秋

    ま猿

  • グローブのオイル匂ふや夜の秋

    梅路みね

  • コンビナートの煌めき硬し夜の秋

    紫水晶

  • あをい象よこたはる庭よるの秋

    夏風かをる

  • 夜の秋廃糖蜜に日の余熱

    はぐれ杤餅

  • 松明と錫杖の音夜の秋

    みのやん

  • バターケーキにバターの薔薇や夜の秋

    ももたもも

  • 焚き終への堂から堂へ夜の秋

    麦のパパ

  • 日付欄空けおく届夜の秋

    戸部紅屑

  • 戸袋に潮の匂ひや夜の秋

    有村自懐

  • 雀荘のシーシャの煙夜の秋

    きなこもち

  • 山宿の廊下の軋む夜の秋

    望月ゆう

  • 夜の秋肘に中東苦境記事

    山香ばし

  • 母ひとり子ひとり夜の秋ひとり

    桜井教人

  • 夜の秋を響動めかせたる象の糞

    中山月波

  • カレー屋は海に突き出て夜の秋

    佐藤レアレア

  • アフリカの仮面嗤ふや夜の秋

    沙一

  • 磨るごとに硯の呼吸夜の秋

    ツナ好

  • さみしさに感電しさう夜の秋

    すまいる そら

  • 夜の秋の猫の吐瀉物ほの温し

    南全星びぼ

  • 夜の秋とろりテネシーウィスキー

    綾竹あんどれ

  • イヤホンに洗濯の音夜の秋

    木内龍

  • 夜の秋の水車やさしくみづ覚ます

    常幸龍BCAD

  • 眠りゆく子を夜の秋へそつと置き

    山本先生

  • 夜の秋万年筆へ松露色

    富佐野ほろよい

  • 砕け散る翅のむくろや夜の秋

    主藤充子

  • 夜の秋まだ見ぬ川を懐かしく

    元野おぺら

  • 高く鳴き低く応ふる夜の秋

    常磐はぜ

  • クッキーの塩かみしめる夜の秋

    伊藤鉄春

  • 詩画集の深き迷路を夜の秋

    森中ことり

  • 水門の水滔々と夜の秋

    古川一光

  • 夜の秋クジラのやうに寂しがる

    七瀬ゆきこ

  • 朱の墨を仏画の口へ夜の秋

    はなぶさあきら

  • 樹海めく書架の匂ひや夜の秋

    天陽ゆう

  • 友の得た犬や夜の秋を帰る

    仁山かえる

  • 高音を拾わぬ耳や夜の秋

    妹のりこ

  • まだ雲は昼の貌して夜の秋

    里 山子

  • 水筒の中の鏡面夜の秋

    富山の露玉

  • (問10)を書く消す止まる夜の秋

    いさな歌鈴

  • 背凭れに沈めば余熱夜の秋

    アンサトウ

  • バファリンを飲む水重し夜の秋

    とんぼ

  • 夜の秋棋譜の海へと潜りけり

    広瀬康

  • アロワナも半額でした夜の秋

    水鏡新

  • まなぶたを魚は持たず夜の秋

    伊藤映雪

  • 国道にボート牽かれる夜の秋

    木染湧水

  • 水槽に酸素溺るる夜の秋

    東山すいか

  • 夜の秋あるまじろつてなにたべる

    高遠見上

  • 小刀で削る盧舌や夜の秋

    ジン・ケンジ

  • 夜の秋や封書の窓のグラシン紙

    千夏乃ありあり

  • 磨ききる形見のライカ夜の秋

    笑笑うさぎ

  • キャリーケースと空の鳥籠夜の秋

    ののはな誉茂子

  • 夜の秋母の書架より幸田文

    唯野音景楽

  • 夜の秋は仄かに胎盤のにほひ

    三尺玉子

  • 夜の秋シェークスピアの野外劇

    笑姫天臼

  • 尻傷に生身の臭い夜の秋

    冬のおこじょ

  • 分骨の旅の湯殿や夜の秋

    オニチョロ

  • 夜の秋や仏語聖書の栞美し

    アロイジオ

  • 逆鱗は皮の匂ひや夜の秋

    ギル

  • トルソオに昏き腋窩や夜の秋

    石上あまね

  • ストローは水面に折れ夜の秋

    池内ときこ

  • 月白のお猪口へ夜の秋を注ぐ

    一斤染乃

  • 投票箱の鍵閉め終えて夜の秋

    玉響雷子

  • 夜の秋友の時計と帰国せり

    京有楽草

  • 面会の廊下は永き夜の秋

    塩の司厨長

  • 水底のやうなBARかな夜の秋

    冬野志奈

  • つくばひへ羽毛夜の秋の波紋

    深山むらさき

  • 眉に濃き芯ある素描夜の秋

    細川鮪目

  • 月丘はインクのにおい夜の秋

    横縞

  • 夜の秋おとなもまるくなって眠る

    宮下ぼしゅん

  • 能舞台の梁くろぐろと夜の秋

    みつれしづく

  • 治水碑の裏まつさらや夜の秋

    葉村直

  • わたし達はやさしいさかな夜の秋

    嶋村らぴ

  • 製図台に影忙しなき夜の秋

    柚木みゆき

  • 3番のラットに異変夜の秋

    きつネつき俳句系Vtuber

  • 泡へナツメグ夜の秋のトムアンドジェリー

    織部なつめ

  • 夜の秋コンビナートを濡らす海

    柊琴乃

  • ドーナツ開く夜の秋の美術室

    波多露音

  • 夜の秋死後のにほひの立つ暗渠

    錆田水遊

  • 多肉植物持たされ首都の夜の秋よ

    古瀬まさあき

  • 夜の秋影は2H潰れるか

    工藤花果無無

  • 夜の秋更地の母校草と星

    村上秀造

  • 廃校に非常灯あり夜の秋

    青星ふみる

  • 古本は太宰のにおい夜の秋

    蝸牛

  • 細い玻璃ぴいんとわれて夜の秋

    山崎なお

  • 落款の少し傾げり夜の秋

    桔梗

  • 靴脱げば暗き穴あり夜の秋

    あなぐまはる

  • 初めての死に触れ歪む夜の秋

    広島じょーかーず

  • クラムボン現る夜の秋しづか

    原田くろなつ

  • 微熱はらむ黒人霊歌夜の秋

    ふもふも

  • 文献を繰る夜の秋謝辞は明日

    成瀬源三

  • 折れ易き餃子の羽根や夜の秋

    嶋田奈緒

  • 夜の秋遺書のごと弾く弦の錆

    藤里玲咲

  • 夜の秋生まれた朝のごとく泣け

    山川腎茶

  • 夜の秋の心理的瑕疵物件に灯

    けーい◯

  • 夜の秋瓶のかたちの瓶の水

    小林土璃

  • ストローの袋の虚ろ夜の秋

    福原あさひ

  • 夜の秋拝啓こんな弟で

    四條たんし

  • 夜の秋マティスの星は手が届く

    森葉豆

  • iは虚数で嫌いは好きで夜の秋

    水蜜桃

  • 千の手に千の手の影夜の秋

    まるちゃんにいさん

  • 眠るとは舟になること夜の秋

    山崎千晶

  • 変わつちまつた駅前の夜の秋

    河上摩子

  • 貫入の花ひらく音夜の秋

    天道虫

  • 模写の進むモネのひまはり夜の秋

    あまぶー

  • 竹蒸篭みずに沈める夜の秋

    島田あんず

  • 夜の秋どこを見てゐる著者近影

    小山まきに

  • 夜の秋や駱駝百頭繋ぐ紐

    松山松男

  • トラックの象めく橋や夜の秋

    刈屋まさを

  • モビールの金魚のあくび夜の秋

    綱川羽音

  • みどり児に確かな指紋夜の秋

    コモドドラゴン

  • 夜の秋ドリルの式がおとなしい

    多々良海月

  • 一杯の水の静けさ夜の秋

    正雪

  • 夜の秋ハブ酒のハブの瞑らぬ眼

    RUSTY=HISOKA

  • しづかなる掃天観測夜の秋

    中岡秀次

  • 翅音のしづかな震へ夜の秋

    亀田かつおぶし

  • もう水を飲めぬ人の眼夜の秋

    仁和田永

  • 淋しさは玻璃の小瓶に夜の秋

    ピアニシモ

  • 終バスは蒼き方舟夜の秋

    秋津穂 実

  • 夜の秋鉾から降ろす一升瓶

    木寺 仙游

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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