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中級者以上結果発表

2023年1月20日週の兼題

鳥雲に入る

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 畝、甍、風の凹凸鳥雲に

    一斤染乃

    選者コメント

    夏井いつき

    読点を打つのは特殊なケースですが、これは機能しています。読点を付けず「畝甍風の凹凸」と書いては実に分かりにくい。「畝 甍 風の凹凸」と空白を置く選択もありますが、白々とした空白が逆に邪魔。読点の機能を巧く使いつつ、ドローンのような光景を映像化したニクイ作品。「鳥雲に」の鳥の視線を見事に活写しました。
  • 鳥雲に入るないろんの供花てかる

    緑の手

    選者コメント

    夏井いつき

    一読「鳥雲に入るな」って? と首をヒネりましたが、「ないろん」だと分かるまでの時間も、作者の企みなのでしょう。「ないろんの供花」は枯れませんが、枯れない事実に浅薄な感情を嗅ぎとってしまいます。さらに下五「てかる」の描写が、リアリティの精度を確保。複雑な感傷を「鳥雲に入る」という季語が包み込みます。
  • 鳥雲に入る切株の面の眩し

    いかちゃん

    選者コメント

    夏井いつき

    季語「鳥雲に入る」は、北へ帰って行く鳥たち。前半で遠景、カットを切り替えて眼前の「切株」に焦点を合わせるカメラワークが見事です。しかも、切株の存在だけではなく、「面」にフォーカスし「眩し」と描写する。その光こそが、いかにも春。はろばろと雲に入っていく鳥たちが、再び見えてくる構造もさすがの一句です。

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