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中級者以上結果発表

2023年12月20日週の兼題

蜜柑

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 蜜柑もらふ雪の軍手が活気づく

    北藤詩旦

    選者コメント

    夏井いつき

     「蜜柑」と「雪」の季重なりですが、主たる季語は「蜜柑」です。雪かきをしている人たちへ「お疲れさまです」と蜜柑が配られている場面を思いました。「雪の軍手」が複数の人々ではないかと想像させられたのは、下五「活気づく」という措辞から。蜜柑を頂きつつ一休みしたら、また雪かきに戻ります。蜜柑の色が雪に眩しい一句です。
  • 蜜柑捥ぐ明るき斜面よりラヂヲ

    山内彩月

    選者コメント

    夏井いつき

     愛媛県の蜜柑の生産地をそのまま映像化してくれたような一句。海風と太陽のたっぷりとあたる蜜柑山。傾斜のキツい蜜柑畑を「明るき斜面」と描写しました。南国の明るい海と太陽、そして蜜柑の色合いは、まさにその印象です。「ラジヲ」を聞きつつ、忙しい収穫作業が続きます。下五「より」によって、音の聞こえてくる位置関係も巧みに描写しています。
  • 蜜柑ぷんぷんシルバー割の映画館

    伏見丹耶

    選者コメント

    夏井いつき

     閉じられた空間に「蜜柑」の香りがするという類想から抜け出せたのは、「シルバー割」の一語のおかげ。シルバー割の日は当然ご老人方が集まります。蜜柑やらアメちゃんやら、顔見知り同士でお裾分けしつつ、ぷんぷんたる蜜柑の香りの中、いよいよ上映が始まります。当然ながら、ご老人好みの映画に違いないと想像させる楽しさもまた。

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