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中級者以上結果発表 特選
2024年4月20日週の兼題
薄暑
【曜日ごとに結果を公開中】
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木曜日
金曜日
鳥籠をざぶんと洗ふ薄暑かな
橘鶫
選者コメント
夏井いつき
選
飼っているのはインコでしょうか、鸚鵡でしょうか。餌の匂い、糞の匂い、洗う水の匂い、洗剤の匂い。トレーや底網等も丁寧に洗い、最後は「鳥籠」も水につけて「ざぶん」と洗います。ほんのりと汗ばんでくる作業ですが、洗いあげた清々しさが、季語の本意でもある初夏の明るさに似合う一句。水のひかりも日のひかりも美しい「薄暑」です。
跳橋を待つ六分の薄暑かな
一港
選者コメント
夏井いつき
選
「六分」とは船を通し終わって跳ね橋が閉じ、車や歩行者が通れるようになるまでの時間でしょうか。ここまで歩いてきて、あるいは自転車を漕いできて少し汗ばんだ体に、川風が心地よく吹いてきます。開いた橋の間を通っていく船を眺めつつ待っている六分間。跳ね上がった橋を見上げれば、「薄暑」の明るい空。下五「かな」の詠嘆がたっぷりと広がっていきます。
華やかに澱む薄暑の参観日
中島 真珠
選者コメント
夏井いつき
選
一読、教室の後ろで参観するお母さん方の化粧や香水の匂いが立ち上がってきました。そんな記憶を引き出すのが、前半「華やかに澱む」という描写。下五「参観日」という場面が分かった瞬間、誰もに同じ光景をありありと思い出させる、これぞ言葉の力です。(「極暑」でも「炎暑」でもない)季語「薄暑」が、上五「華やか」の一語を浮つかせていない点も褒めましょう。
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