【並選】
置き廃るフィルムカメラの銀薄暑
唯野音景楽
定置網へ船の並べば薄暑光
ほうちゃん
宙吊りの薄暑の枝葉キリン食む
じょいふるとしちゃん
雲よ去れ薄暑の空を魔女はゆく
佐藤 香珠
難聴の進み顕著に街薄暑
海猫
賽銭のカラカラ軽き音薄暑
明々坊
バス待ちの瞼陽を受け薄暑かな
あおのめ
指先のイソジン匂ふ薄暑かな
山口絢子
知りたいの叔母が迫つて来る薄暑
佐藤綉綉
ドラマーを他校に募る薄暑かな
さとけん
わら帽子欲しがり自由なる薄暑
須田爪黒
薄暑光木陰に見える秘密基地
小湊 八雲
シトラスの香の名刺入れ薄暑かな
佐川碧
異人らの見る石庭や寺薄暑
豊岡重翁
父の背やバイクとろとろ夕薄暑
馬場めばる
夕薄暑父来てこごと言ひて去る
風慈音
母衣打ちの胸の眩しき薄暑かな
野州てんまり
湾をいで上ぐる船速薄暑光
山野麓
忘却の影踏む友の夕薄暑
桃姫
よよと酒呑んで薄暑の陀羅尼助
椋本望生
まだ見ぬ児かたりかけたる薄暑光
竹村マイ(蚊帳のなか)
脹脛攣りつつ下山夕薄暑
竜胆
薄暑の校庭野球っ子の昼餉
内田高雲
シーグラス掲ぐゆびさき薄暑光
海月のあさ
スーパーは改装中と知る薄暑
恋瀬川三緒
電話鳴り続く薄暑の診療所
立川茜
抱っこの子靴がかたっぽ無い薄暑
ふくろう悠々
石積の角石探す薄暑かな
蔵原 貢次郎
雨上り烏の声の薄暑なる
ヤヒロ
老僧の買ふ般若湯夕薄暑
谷町百合乃
よーじやの女の真顔あゝ薄暑
赤尾双葉
ソーランの声だけ照らす薄暑光
鳴海薫子
ただのぼる道玄坂の夕薄暑
露草うづら
三角に日の差す空地夕薄暑
えりべり
カラオケとオン・ザ・ロックの夕薄暑
よかわもりお
語り部の被爆体験薄暑かな
カバ先生
包囲せよホシはハチ公前薄暑
あさのとびら
街薄暑開けっ放しのホルモン屋
でんでん琴女
駄菓子屋の白布まばゆき薄暑かな
工藤悠久
入り海に江戸の色落つ夕薄暑
洋々
夕薄暑本屋の奥の希少本
檜鼻ことは
農の手や土塊に籠もれる薄暑
反芻医 時光
あんぱんをぐわしとかじる薄暑かな
ねむり猫
托鉢の笠深くして薄暑かな
ひすい風香
診断は休職力抜く薄暑
作作
薄暑光肺腑の影の広ごりて
岡山小鞠
名を捨てて海に入りたる川薄暑
村上優貴
屋根裏に漏れて昭和の薄暑かな
てるきち
薄暑なり捨てらるる葉に桃の葉も
石塚碧葉
紺碧となりきれぬ海薄暑かな
はごろも856
日雇いを終えて薄暑の夜のベンチ
Q&A
縁側に番付眺む夕薄暑
玉響雷子
今朝吊るし夕餉に炙る薄暑かな
西風 心鏡
しゆるしゆると鉋の磨く薄暑光
はれまふよう
プリン売る着ぐるみの猫街薄暑
小池博美
雨に濡れ店へフランベてふ薄暑
絵夢衷子
薄暑はも数多の鯉のあぎとへり
愛燦燦
初恋のテニスコートにいた薄暑
川口桃之助
ニートにも薄暑に影はありにけり
北里有李
陸橋の頂越えて薄暑かな
五十嵐 三連単
腹の子はさかなのかたち夕薄暑
日永田陽光
薄暑の食フェス迷子の無表情
田畑 整
駅までは父と仔犬と薄暑光
新井ハニワ
紙ストロー吸うて渋谷の夕薄暑
内田こと
蛙流る用水路の中の薄暑
庄山正道
ロープウェイ海はきらきら夕薄暑
清水千種
フリスビー薄暑の臍へ着陸す
宮坂暢介
ペンギンの散歩薄暑の動物園
中岡秀次
夜の風頬に記憶の薄暑かな
江見陣暮
昼時の魚板の音や寺薄暑
三休
薄暑なる青看板は空へ透く
倉木葉いわう
一駅を歩く薄暑の可動域
鳥羽南良
ご当地マンホールの鮎跳ねるやう薄暑
小笹いのり
満杯のかご台車押す薄暑かな
つちや郷里
新た靴慣らす銀ぶら夕薄暑
小林昇
地下街のスパイスカリー夕薄暑
さおきち
バス降りて薄暑に匂ふ土埃
芍薬
青空も雲も優しい薄暑かな
砂月みれい
みづおちは薄暑の影をはぐくみぬ
百瀬一兎
グランドの狭き舞台の薄暑かな
千原 十吾
蒸すほどにうねる前髪薄暑かな
上村茶娘
図書室のごとカフェ通ふ薄暑かな
奥田圭衣
聴診器少し貼りつく薄暑かな
沼宮内 かほる
首傾(かし)ぐ花一輪の薄暑かな
小夏
骨ひらふ箸のふれあふ薄暑かな
千葉信子
PayPayのなかなか鳴らぬ薄暑かな
帝菜
こもごもと跳ぬや薄暑のカンガルー
清瀬朱磨
錠剤を摘む指にもある薄暑
新山晶花
ビル街を越ゆる飛行機薄暑光
山崎 かよ
議事堂は薄暑を纏っているようだ
永田千春
二度三度新硬貨弾かれ薄暑
豆柴
幽霊の出番そろそろ夕薄暑
風の鳥
取替し水に亀の背薄暑かな
増田楽子
遠影のゆるむ薄暑の水晶体
華胥醒子
蛍光のビブスに孕む風薄暑
佐野明世
山陽線耕作放棄地らの薄暑
弘中しかもり
夕薄暑道草家庭訪問日
植木彩由
イヤホンの紐絡み合ふ夕薄暑
那須のお漬物
薄暑来ぬバニラビーンズの点々
絵十
薄暑光初めて聞きし吾子の夢
冬野とも
薄暑なり彼方に兄のトラクター
ヒマラヤ杉
話つと途切れし卓の薄暑かな
朗子
きゆつぽきとサドルを高く薄暑かな
西浦 貴浩
労働者野良で居眠る薄暑かな
林口竹
川石の丸み眺めし薄暑の午
田中みのる
ジャージは水色脱ぎ捨てて薄暑
二丁目蘂六
海峡の主塔十字架めく薄暑
秋津穂 実
薄暑の陽ずっと赤芽の垣駅へ
つづきののんき
公園の面会父子へ薄暑来る
嶺乃森夜亜舎
クレゾール匂ふ薄暑の保健室
きなこもち
同級会瀬戸の小島に夕薄暑
嵐菜
悪役が素直に負けて街薄暑
月石 幸
着ぐるみの兎の休む薄暑かな
防子
気持良き奈良の薄暑の深呼吸
ちびつぶぶどう
寝癖髪水で繕う朝薄暑
川辺世界遺産の居候
夕薄暑の関内酒とつけ天
みなづき光緒
薄暑光届かぬ骨壷の祖母は
大月ユリコ
お隣はレオ党渋滞の薄暑
瀬央ありさ
それぞれのビルに名のあり夕薄暑
る・こんと
スキップの少女のリボン揺れ薄暑
東原桜空
昨日より鍬の重たき薄暑かな
立歩
多色刷りの世界はきれい薄暑光
里山子
銀メダル照らす薄暑の体育館
藤村 一寿
服布団フライパン捨て薄暑かな
アニマル可秘跳
ピアニカの音は澄み滲むこの薄暑
Dr.でぶ
連休の病棟静まり薄暑光
空 ひろ
ミャクミャクの顔は薄暑になつてゐる
うた 歌妙
石仏と話す薄暑の美術館
遥風
足指の爪切る夫の薄暑かな
渥美こぶこ
新品の体重計に乗る薄暑
涼風亜湖
福祉車両より母そろそろと夕薄暑
ひでやん
ボート部の掛け声響く薄暑かな
藤永桂月
ひかがみが薄暑のひかがみを追ひて
清水縞午
七分袖鏡に問うて薄暑かな
高市青柘榴
競馬場人の嘶く夕薄暑
中田邦光
新駅の都会の匂ひ薄暑かな
風間 燈華
如雨露より優しき水を薄暑光
白神ハムサンド
電停や横一列に待つ薄暑
野地垂木
余命ひと月たばこの父に薄暑かな
雑魚寝
アネッサの羽衣纏う薄暑の陽
青い小鳥
猫の眼の薄暑の深さ探るやう
月城龍二
たこ焼きの焼き上がり待つ薄暑かな
麻生ツナ子
蝶骨のわずかな歪み薄暑光
津島野イリス
町工場窓一つ開く薄暑かな
渡辺宵雨
遅番や薄暑の遊具に青き影
周防の鼠
合鍵のつるりと嵌まる薄暑かな
東山すいか
かけもちの現場応援夕薄暑
くぅ
駅頭をボンゴのリズム薄暑光
板柿せっか
手相見のまはりくどさとゐる薄暑
山田不律
駅前をステージとして夕薄暑
秋白ネリネ
朝薄暑パンの小さくなったよな
華風ルナ
軒下のパラソルハンガ薄暑光
広島 しずか80歳
病み上がり着替へ薄暑の菓子屋へと
云々 美雲
磨ききるエンジンカバー薄暑光
正岡田治
新しい靴は薄暑のコン・ブリオ
織 紫子
ストレッチしつつ定時に立つ薄暑
松永智志
豪農の鴟尾は鯱ほこ薄暑光
田邉真舟
薄暑の影跨ぎのたりと乗車せり
よしぴこ
親知らず抜き持ち帰る薄暑かな
朝宮馨
夕薄暑喫水上がる貨物船
谷 道悦
特売の品に群がる顔薄暑
是空
投函へ早走りせる夕薄暑
三崎扁舟
魚屋のだみ声響く薄暑かな
上津 力
衣紋抜き深し花街の夕薄暑
どいつ薔芭
十本のクレーン皆西を向く夕薄暑
カリヨン
ラーメン屋扉全開街薄暑
城内幸江
洗濯のシャツバフバフと振る薄暑
キッカワテツヤ
水平線隠し薄暑の江ノ電来
青井えのこ
ガラス器に溶け出す茶葉よ薄暑光
清水 三雲
風を呼ぶ五連水車や街薄暑
夜ノ森ムーミン
パンダもうをらず薄暑の影を踏む
和緒玲子
空き納屋のこのはガラスに夕薄暑
守屋 淨久
玉子焼き塩味が強し薄暑かな
雅蔵
蚤の市歩く薄暑のバルセロナ
野口真砂輝
庭いじりの薄暑午後の三十分
空流峰山
万歩して薄暑の襟を拭ひけり
岩田遊泉
市営バスに空席ひとつ夕薄暑
高木音弥
生臭い鯉の大口寄り薄暑
神谷たくみ
足湯には人影まばら薄暑かな
入道 まりこ
背の順に子らの髪切る夕薄暑
小川しめじ
お運びの顔は清しき薄暑の席
田村 宗貞
首都高の尾灯に絡む夕薄暑
森 毬子
先輩のインターバル走薄暑光
伊藤恵美
繰り返し遅延伝える駅薄暑
水無月
詫び状の裏に数式解く薄暑
ほしのあお
骨壺を抱えて母を待つ薄暑
佐々木ヨウジ
軽暖や補選三区の批判票
達坊
影も黄色鸚哥まどろむ窓薄暑
井田みち
逆光のフロントガラス街薄暑
井上鈍句
薄暑の街をダックスフント四頭と
雨野理多
フリースローを待つ薄暑のアリーナ
しみずこころ
時々雨薄暑に栞挿すやうに
蓮井理久
千本の漆掻き初む薄暑かな
花亭五味
両足を攣るや霞ヶ関薄暑
蜘蛛野澄香
気おくれと新調の靴街薄暑
佐藤儒艮
記録干す惨状知らぬ手に薄暑
原貼女
軽暖や万年筆の旅便り
ふじこ
回送の後も回送薄暑光
中村すじこ
シャラシャラとすすぐ薄暑の皿洗い
丼上秋葵
葬儀果て薄暑を緩歩雲の行く
古乃池糸歩
フラワーシャワー嬉しげな風薄暑
つくも果音
置去のカーネル叔父さん夕薄暑
小島浩子赤城おろし
鴨川の亀の飛び石薄暑光
卯之町空
履歴書に看護観挿す夕薄暑
榎美紗
膝裏に薄暑のくぼみ揉みほぐす
綾竹あんどれ
ミュージカルの子跳ねて薄暑を溢れけり
七瀬ゆきこ
薄暑ごとアンカー握りこむバトン
小田嶋隅雀
薄暑天茶摘し祖母の小さな手
高橋光明
薄暑とは短い前髪の湿り
正雪
白鳩の薄暑を過る墓碑の影
あるる
行ってもうた二時間待ちのバス薄暑
コモドドラゴン
ボタン押す火夫の黙礼薄暑光
小川野雪兎
北の旅果てて薄暑の待つ家路
羽住玄冬
目薬の気泡の柔し夕薄暑
翡翠工房
風わたる消滅可能の町薄暑
桃香
バス停に中日クラウンズの薄暑
いぬかい美帆
ミステリー読み切る窓辺薄暑光
天東あさじ
夕薄暑パンタグラフのチパチチと
明神おぼろ月
階段を見落としている夕薄暑
白庵
子規庵の庭に風来る薄暑かな
渡邉花
やわらぎの鈴や薄暑のカフェテラス
土佐藩俳句百姓豊哲
鯉の背のるらるら光る薄暑かな
主藤充子
竿竹屋ゆつくり通る街薄暑
リカ
ゆるゆると薄暑の街をモノレール
ふくじん
薄暑午後叔母の喪服の肩パツド
おきいふ
休憩中のマジシャンの煙草薄暑
石本コアラ
水源に百の碧なる薄暑あり
水蜜桃
白球ぐんぐん薄暑のバスドラム
剣橋こじ
女工ふと針落としたる夕薄暑
居並小
イタリアの曲を歌ひて薄暑かな
平本文
薄暑の外野席裸禁止と警官
宗平真実
中華街獅子踊り待つ薄暑光
雨李
朝の茶の滲み出てゆく薄暑かな
諸塚凡志
トラックに肉牛二頭薄暑光
灰色狼
灰色の背嚢軽き薄暑かな
細川鮪目
名画座に昔のゴジラ薄暑街
芋 二郎
味噌汁の塩味恋しい夕薄暑
からすちゃん
病衣薄く薄暑の225号室
鳥不驚
この花の名もAIに聞く薄暑
鷹見沢 幸
警官のきはどく笑ふ薄暑かな
黒麹 糀
一心に母乳吸ふ児や薄暑光
笑笑うさぎ
切岸のサントリーニを薄暑光
半ズボンおじいさん
鹿の糞踏んで愉快な薄暑の子
坪山紘士
花束に贈り主なし夕薄暑
虎堂吟雅
薄暑来ぬPTAの奉仕作業
伊藤てまり
湾岸線スピード落とす薄暑かな
星影りこ
自転車のチェーン薄暑の油差し
野澤真澄
階段のガム削ぐバイト駅薄暑
木公男8888
象の書くLOVEといふ字や薄暑光
朶美子(えみこ)
町会費集金に来ぬ夕薄暑
増山銀桜
高円寺吐露にヤニの香宵薄暑
イシデ電
ホルマリン漬けの標本置く薄暑
黒蜜かりんとう
神楽坂三味立ててある薄暑かな
佐藤 位相朗
ブレーキの金切り声や街薄暑
堀邦翔
物置の隅に犬小屋薄暑また
川蜷
コクピットめいて薄暑の塔高し
ろまねす子
いざゆかん窓這う薄暑の虫潰し
だてまき
借り物の着物の裾に来る薄暑
上津 嘉子
組み合わせ抽選引く手町薄暑
凪ゆみこ
発熱の薄暑の端を悪夢中
亀田荒太
仏具屋の軒の連なる街薄暑
さいたま水夢
おしぼりをきつちりたたみ薄暑とす
亀田かつおぶし
天気痛警戒予報夕薄暑
織部なつめ
両腕の白さ薄暑の餌食なる
紅紫あやめ
鞭入れて鼻差で逃げし馬場薄暑
むじーじ
寂しさに慣れし厨や夕薄暑
立ち漕ぎブランコじゅん
割引に髪切るシニア翁薄暑
津軽わさお
古本の背表紙裏なんばの薄暑
鈴野蒼爽
電柱に鳶止まる暮薄暑かな
井口あき子
菜園の鍬を休むる薄暑かな
円路
セーラーに透ける後れ毛夕薄暑
高永 摺墨
箒売る豊後なまりや街薄暑
伊藤 容子
挫滅創湿布真白き薄暑かな
清仁
売れ筋の耳掻き探す薄暑かな
青い空加納
街薄暑対戦めくや交差点
森葉豆
脳ドック終えて眩しき街薄暑
美濃紫
モッツァレラ顔まで伸びて薄暑かな
高橋風香
田より田へ一子言祝ぐ薄暑かな
勇緋ゆめゆめ
翼生え水掻き生えて子ら薄暑
Kかれん
酒精綿の拭う前腕薄暑光
星埜黴円
店から店へと薄暑の陶器市
笑姫天臼
鳥の羽根拾う薄暑のグラウンド
おのまい
幼虫の咀嚼つづいて薄暑かな
尚茶
のり弁の海苔のべとつく薄暑かな
ふのんへん宗悟
夕薄暑草の波間に農夫あり
西野桃果
耶蘇像の手足垂れるや薄暑光
松田寛生
タブの木は残る薄暑の駅舎かな
松山茜柑
払暁の薄暑に駅伝部が走る
村田益次郎
大縄の猛き薄暑のグラウンド
ノアノア
切り開くオムレツ薄暑光とろり
藤里玲咲
発掘の技師の背中の夕薄暑
いなほせどり
山門の敷居は円く薄暑光
匹田小春花
葉音聴く仕草のきりん園薄暑
山吹なお
始まりは薄暑のビビディ・バビディ・ブー
沢井如伽
くっきりと引いて薄暑のアイライン
谷山みつこ
薄暑の有楽町マリオン前
柴桜子
薄暑光兄の骨浮き背の白し
高本蒼岑
石鹸の香りのブーケ薄暑光
まるにの子
漸くの退院の日や薄暑光
緩木あんず
能登や能登や瓦礫匂ひ立ち薄暑
虎穴虎児
箸帯に金の寿載せ薄暑
伊予吟会 宵嵐
練りきりの淡き紫薄暑かな
咲 まこ
風切れば魚跳ねるや夕薄暑
野々原すずめ
初診の問診項目多き薄暑
亜桜みかり
テンキーを迷ふ中指薄暑かな
坂田三吉
車椅子回して出る街薄暑
衣笠 野波
ガチャガチャで同じの三つ薄暑かな
モリコリゴリ
反芻の果の滴や薄暑光
蜥蜴の尻尾
畦道に母を見つけし薄暑かな
藤 無南
薄暑なる黄色の紙の催告書
酒井均
足場建つ外壁塗装薄暑かな
横山三水
亀の手の岩に食い込む薄暑かな
畑山六十二
ナイロンの空気抵抗てふ薄暑
けーい〇
東京や迷子になってみる薄暑
芦幸
若人の声のかがやく街薄暑
タケザワサトシ
もう二時間診察待ちてをり薄暑
姫川ひすい
息子は老母の足の爪切る夕薄暑
白薔薇
バス停の屋根無きベンチ薄暑かな
どこにでもいる田中
留守電は入選の告薄暑かな
塩の司厨長
東京のみな忙しき薄暑かな
稲畑とりこ
ゴジラ来てシャッター開く街薄暑
伊ナイトあさか
ウィルキンソンの源泉跡や薄暑光
春蘭素心
六本木駅の底から出て薄暑
ふくびきけん
笹団子届くや新潟は薄暑
旺上林加
エレベータひとつ見送る夕薄暑
梅朶こいぬ
薄暑光かざす手の節まがりたり
ほんちゃん
張り切つてまはれ薄暑のドーナツ盤
すりいぴい
茶屋街の車婦の肌着の薄暑なる
長操
野良猫を呼びて目の合う薄暑光
雫
高くしたサドル薄暑の待ち合わせ
梅路みね
ビル街の十字路渡る薄暑かな
寺嶋杳杳
スキップのやり方薄暑の帰り道
三水低オサム
売店にハンマー博物館薄暑
あいだほ
薄暑のYAMAHA「更に戦う者たち」を
ダンサーU-KI
飼い猫の臭き温もり薄暑光
奈良の真
弟をまいて薄暑の映画館
熊谷 温古
夕薄暑力士の混ずる総武線
角田 球
一礼の野球少年夕薄暑
ちょうさん
薄暑のハイウェイラジオ「渋滞は二キロ」
青桜ウインド
街薄暑市制百年企画展
平としまる
家の壁震はす羽ばたきや薄暑
鈴木裕公仁
車椅子の園内散歩薄暑かな
マタネ
みづふくらんで薄暑の手をこぼるる
川屋水仙
石段は不揃ひ薄暑は黄緑
栗田すずさん
薄暑光昇降口の水飲み場
塩風しーたん
許されて許したき日の薄暑光
美織
たいようとかぜたたかってはくしょ来た
寺尾ロゼッタ
鉢植ゑの呼吸あふるる路地薄暑
村瀬ふみや
園薄暑上目遣ひの逆さ猿
くずもち鹿之助
薄暑来ぬヘアドネーションあと五ミリ
らん丸
予定日の胎動重し薄暑光
ふみづきちゃこ
奥の院芭蕉を探す薄暑かな
卓司
床ガラス跳んで踏まれて薄暑光
西村 棗
船頭の笠に薄暑の風渡り
久えむ茜咲
スケボーの少女のピアス薄暑光
信濃のあっくん
ウクレレのBGMや夕薄暑
アントワネット
甚太古の三味こそ津軽薄暑光
野々原ラピ
マックより下界眺めて夕薄暑
永嶋夜久
薄暑光出入りの多い保健室
喜多丘一路
明日会えぬ吾子の手握る夕薄暑
みつき 夏
緑青の湖畔の憩う薄暑かな
小和布
積読の麓に『老子』薄暑来ぬ
八十六九
うなじ剃る床屋鏡の薄暑かな
古川一光
栞挿す図書室は薄暑なりけり
王朋亡
清掃の業者を待てる薄暑かな
内藤羊皐
魚群の反射風が集めて薄暑
橋本有太津
「後五分」試験の助手の声薄暑
野瀬藻石子
街薄暑税を納めにコンビニへ
石塚彩楓
ターコイズブルーのペディキュア街薄暑
玖良咲
根こぶ避け風と遊歩道行く薄暑
日向浜
街薄暑継ぎ獅子三継ぎ四継ぎへと
ののはな誉茂子
うたがいもなく風色は夕薄暑
林真紗湖
五限目の音楽すつぽかす薄暑
さざなみ葉
霹靂のポリープ四個薄暑かな
笑酔
薄暑光肺になにやらゐるといふ
吉村一音
浜薄暑洗う波間に潜る貝
岡塚 敬芳
夕刊を球場に読む薄暑かな
夏 六葉
ランナーズ・ハイ薄暑の風孕んで
神谷史記
海薄暑音なき帆風3ノット
田上南郷
高原に並ぶ彫像薄暑光
八洲舟
洗ひ皺ぱんとはたけば薄暑光
佐藤さらこ
ビルに透くエレベーターや街薄暑
与志魚
片頬に痛み薄暑の駆け込み寺
中川青嵐
白に白かさねし薄暑乱反射
糸川ラッコ
板書消す師に薄暑光チャイム鳴る
服部勝枝
薄暑なる今日いじめから喧嘩へと
マザーコーレーグース
敷物を剥ぎ足裏の薄暑かな
篠雪
ウォーカーがジョガー追い抜く道薄暑
神谷篝火
昼飯をわずか五分で食う薄暑
佐藤志祐
君も輪の外に薄暑のブーケトス
松山めゐ
川端を読んで太宰の薄暑かな
畑野稔
スリングの薄暑を芯にふくらみぬ
坊 いち坊
緻密なる放ったらかしや畑薄暑
永想
薄暑行く本屋辺りが一万歩
渡辺香野
友の名の刺繍頼める薄暑かな
紗藍 愛
健診近し一駅歩く薄暑
相沢薫
薄暑光のこぎり屋根はまだ静か
関口いちろ
撥高く和太鼓連打薄暑かな
後藤三梅
人間は膜の生き物薄暑光
堀口房水
空いっぱい薄暑とならん世は動く
田中美蟲角
リハビリの1000歩が遠い夕薄暑
あなうさぎ
手術棟へコロッケかじり薄暑を戻る
司啓
チャンバラの棒転がった夕薄暑
白井佐登志
水浴びの羽くろぐろと発つ薄暑
おかげでさんぽ
バス揺れて薄暑の街の軋む音
紗羅ささら
薄暑の坂に果てし櫻の朱き根よ
はなだ杢
線上のサービスエース薄暑光
雅 寝子
退院や薄暑の街は真白なる
野々村澄夫
ネクタイに絡みつかれている薄暑
うめやえのきだけ
闘病の友の訃報を知る薄暑
北乃薫衣草
ひとり抱きひとり手をひく薄暑かな
たかみたかみ・広ブロ俳句部
軽暖にマルハラメール届きけり
水鏡新
マイカーを磨き上げたる薄暑光
むねあかどり
著作権切れた文庫を手に薄暑
フージー
薄暑かな世界遺産の古城見ゆ
ぐりぐら京子
焼き色のつかぬ薄暑のトースター
志きの香凛
引く波に足跡けされ薄暑かな
ひらた彩雲
教室に居場所見つかる薄暑かな
みしまちづる
煙突の影の先まで濃き薄暑
俳句ファイヤー立志
着ぐるみの日給五千也薄暑
長谷川水素
看護師に背を叩かるる夜の薄暑
伊藤柚良
綿飴てふ薄暑の糸を巻きあげる
常磐はぜ
叔母二人駅まで送り街薄暑
小石日和
薄暑なり等間隔のオール跡
霧 澄渡
街薄暑ヘアドネーション成し手櫛
むらぴ
黒板と君の肌着の影薄暑
山田花橿
薄暑光熊避けの鈴カランコロ
黒猫かずこ
悔恨を積んだ護送車薄暑過ぐ
ふみ
また緊急速報夕薄暑にまた
清松藍
ノブのなき鉄扉分厚く薄暑の夜
KAZU
自販機の釣りをつひ忘れたる薄暑
阿万女deノエル
白粥へひと振りの塩夕薄暑
関津祐花
夕薄暑泥も厭わぬボランティア
秋野木吾
十年分のハグ台湾も薄暑
滝上 珠加
たっぷりと絞る薄暑のマヨネーズ
福原あさひ
村牧師襟をゆるめる薄暑かな
森 日美香
ダボパンの裾に風あり夕薄暑
淡湖千優
今日二つ薄暑の村に家族葬
宗平 圭司
薄暑の汽車まちがい探し五ページ目
廣實檸檬
街薄暑無言のままの人の波
釋愚拙
君の声ゆるく聞こゆる薄暑かな
広島あーやあーや
「就活の軸」問はれたる街薄暑
うみのすな
伊勢木綿の藍色匂ふ夕薄暑
中根由起子
二人展の玻璃器とchapeau街薄暑
たけぐち遊子
終業後バニーの店へ行く薄暑
不二自然
薄暑なり吾子は集中治療室
コーヒー博士
白杖の辿る黄線や夕薄暑
雨霧彦(木ノ芽)
雛壇のノーネクタイの薄暑かな
ふゆの都々逸
訂正印あまた薄暑は膨れゆく
播磨陽子
ゴジラ出てきそうなしじま街薄暑
森脩平
手水舎の龍のくねりや薄暑光
小川都
すべすべのスプーンの放つ薄暑光
富田健朗
薄暑の朝や豚舎から叫び声
野中泰風
薄暑光迷彩色の道祖神
六花
退屈を知らぬ薄暑のこどもかな
香田ちり
艶やかな薄暑の羽根を繕ひぬ
藤白真語
電子レンジの卵が爆ぜちゃって薄暑
着流きるお
蔦はなし原爆ドームに薄暑光
老人日記
薄暑なり担々麺のなほ旨し
杉尾芭蕉
昇り来る齢薄暑の山の道
はたやま こう
饅頭の伝えもゆかし薄暑光
鄙野木人
仔犬二匹もつれず歩き街薄暑
野ばら
宝物殿錆びたる錠の夕薄暑
辻野 花
肉うどんつゆ飲み干して薄暑光
江良 中
棺桶を担ぐ我らの薄暑なり
たーとるQ
街中を揺さぶる薄暑かげひなた
桔梗
薄暑突くフットゴルフの伸びる球
おこそとの
薄暑にてお休みパパのお馬さん
樋ノ口一翁
銀皿のナポリタン待つ街薄暑
大熊寝子
薄暑の破局メガ盛りの中華丼
柳絮
揺れそれぞれの草木に同じ薄暑光
美年
リハビリの後ろ姿や薄暑光
坂本梨帆
黙想や薄暑へ戻りゆく道場
阿部八富利
塵芥車の音色ゆるりとなる薄暑
とんぶりっこ
調教の狂いしピアノ薄暑光
石原由女
パーカーを孕ませ立ち漕ぎ夕薄暑
まろのり
薄暑海砂の穴より潮吹きぬ
岡崎秀惠
処方箋持つて薄暑の眼鏡店
高橋寅次
歳時記の付箋たるみし薄暑かな
アムゼルえりこ
鳶職の足裏眩し薄暑かな
鈴木来穂
菅笠の向かふは海や夕薄暑
林常住
夕薄暑テラスにジャズのコンサート
なかの花梨
葉脈はケーナの楽譜薄暑光
綱川羽音
ネクタイと犬の舌の紅薄暑
ニリンギ
薄暑なぜ分離帯へとタイヤ痕
北藤詩旦
瞬けば瞼に宿る薄暑光
田中紺青
人の足規則正しき薄暑かな
中村想吉
薄暑の調律白鍵の弾力
津々うらら
軽暖やロイター板の使い方
山田蚯蚓
先生の婆沙羅になりて薄暑かな
S ヨージ
先輩の清けきタンギング薄暑
満生あをね
垂れ下がるポトス切り差す昼薄暑
虫倉蝉音
山城は白し薄暑を駆け上がる
我田無米いつせい
青空市もう昼過ぎて薄暑かな
辻本四季鳥
たんたんと錠剤弾む薄暑の夜
紅塩寝子
アドバルーン三つ並んで薄暑かな
二十八
マンションか薄暑の跡地に看板
小島神泉
誰からも好かれる努力鳴呼薄暑
月枝いと
ローラーコースターがたごと薄暑の花やしき
靫草子
軍記物遅々と進まぬ昼薄暑
夏の町子
農継がぬか細き腕にも薄暑
伊江かつじ
八度目の薄暑の古都の恋みくじ
おおきどくん
草稿を捨てて薄暑の部屋広し
小島やよひ
ゴジラの尾薄暑の街に筋を描く
斎藤さんけん
フレンチホルン音裏返る薄暑なり
池 閑茶
夕薄暑整骨院の多い街
森中ことり
検診のあとの空腹薄暑光
河上摩子
カーテンの波や薄暑の保健室
山羊座の千賀子
貼られゆく値下げシールや夕薄暑
高田杏
直線のガラスの街の薄暑かな
とんぼ
退院の荷物両手に薄暑光
雪音
釈迦堂の永遠の薄暑の中にゐて
片平仙花
鍋の焦げこそげ落とすや夕薄暑
玲風
事業所が閉鎖だってさ夕薄暑
猪子石ニンニン
にはとりが水辺を漁る薄暑かな
蘭丸結動
渋谷駅迷路出づれば夕薄暑
宮川武久
誤字二箇所正す薄暑の指導室
江口朔太郎
合唱のアルトのパート薄暑かな
きょんちゃん
アーケード次々消えて街薄暑
健
がっぷり四つに両国の薄暑かな
京野さち
日の色の金に降り積む夕薄暑
風蘭智子
老人の言葉カタコト夕薄暑
松高法彦
薄暑の夜詩の推敲はきりもなし
若林明良
ダム底に沈みし薄暑の社
真喜王
ビー玉の影は薄暑のアラベスク
いたまき芯
竜宮の使いゆらゆら夕薄暑
久森ぎんう
起立!礼!わっと解散薄暑光
土井あくび
膝小僧笑ふ薄暑の観覧席
広瀬八重桜
薄暑の庭木バリカンの音柔く
雪さやか
貯水量ちょっと気にする薄暑かな
定位置
置き配の「天然水」へ薄暑光
島田あんず
偶さかの母のかいなや薄暑光
徹光よし季
物憂げに緑際立つ薄暑かな
石内宏明
開店の幟薄暑の県道よ
むい美縁
まだ白きかひな薄暑の新エース
くさ
草傾く澄海岬の薄暑光
余田酒梨
ありふれた引退の馬薄暑光
砂楽梨
街薄暑パンプスの底パカンパカン
髙橋弓女
渋滞の頭は農耕車夕薄暑
鶴岡木の葉
パントマイムに見えぬもの見る街薄暑
荒一葉
バケットに廃材充たす薄暑かな
伊奈川富真乃
とんこつの匂いむわつと街薄暑
栞虫かじり
パドックを新馬の滾りたる薄暑
酒天わーい
料亭の暖簾の藍や薄暑光
碧西里
ふたりして羽化見とどけている薄暑
くみくまマフラー
三百円ショップのかごを置き薄暑
安溶二
ライナスの毛布洗いて薄暑かな
黒蜜きな子
街薄暑媼交じりて路上飲み
宇のななみ
行間に薄暑滲んで来て捨てる
猫ふぐ
笹舟の難所越えゆく薄暑かな
かなの りえこ
ペディキュアを青く光らせ薄暑かな
ゆぃ
夕薄暑トイレのスリッパ買いました
大野美波
白線をまつすぐに引く薄暑かな
ちゃるこ
山積みのLP処分せし薄暑
紫鋼
あるなしの夕べの風や薄暑光
峰泉しょうこ
切符手に出られぬ改札機薄暑
島田ポン吉
塩麹ぷくぷく育つ薄暑かな
新多
創業日の大きな遺影薄暑かな
ぐりえぶらん
立て掛けてデッキブラシは薄暑光
妹のりこ
獣めくパジャマ薄暑の熱帯びて
あなぐまはる
薄暑光風気流るる欅かな
哲山
父ひとり菩提寺の禅夕薄暑
哲山(山田哲也)
絮のごと薄暑は山を漂へり
看做しみず
岬薄暑西に海あり富士のあり
君島笑夢
鍋擦る換気扇強村薄暑
戸口のふっこ
出勤を迷ふ微熱の朝薄暑
竹田むべ
美術館銀のボールを薄暑かな
松葉学而
音楽室アトム弾ける薄暑かな
櫂野雫
背表紙に色褪せてゐる薄暑かな
ゐるす
朝の白湯ちょっとそぐわぬ薄暑かな
浪速の蟹造
法服の裾を捌いて薄暑ゆく
沢 唯果
新卒の新車を洗車する薄暑
季切少楽・いつき組広ブロ俳句部
夕薄暑亀の泳ぎはひだりみぎ
福井 桔梗
まだ音の出せぬホルンや薄暑光
小藤たみよ
カーレーターごっつんがたんがたんがたん薄暑
石浜西夏
顔洗う一息の良さ薄暑かな
雅由
サヨナラにまたねと返され薄暑かな
ツブ金
つき出しの煮卵しよつぱ夕薄暑
小だいふく
理由には鬱病とあり薄暑かな
碧萃生
妻とゐて未来を語る夕薄暑
ま猿
献血の列だらだらと夕薄暑
吉川花ほっぺ
薄暑なるマルシェ観音様の前
松本独り
ローランドゴリラの背中夕薄暑
土井小文
ドリル音分厚く響く街薄暑
山路碧水
薄暑光生きようとする爪と髪
そら
薄暑とは日めくり十枚ほどのこと
巳智みちる
二日後の撤去と薄暑を待つポスト
あたなごっち
ダンベルに手の馴染みたる薄暑かな
夏立也
病室の一枚硝子夕薄暑
でんだ浜千鳥
故障せぬ太陽薄暑の街道
赤馬福助
中華屋の入店待ちの薄暑かな
佐久凡太郎
水を掻くシロクマの爪薄暑かな
坂野ひでこ
四階の音楽室の夕薄暑
野井みこ
更地の雑草薄暑の墓じまい
杼 けいこ
幸福な肉体疲労夕薄暑
亀山酔田
卒塔婆をひとつ加ふる薄暑かな
伊沢華純
手甲に皺分け入っても薄暑
犬山裕之
同居選ぶ父の弱音や薄暑
ふわり子
免許返納に無言や畑薄暑
橋本茅々
薄暑の朝ほど恋文の薄い黒
青空豆千代
誰もゐぬ特攻基地や薄暑光
健央介
夕薄暑戦車は碧くひかりけり
メディックス千里
回覧板置きし手ぶらの薄暑かな
椿 佳香
薄暑行くをみなの頸のひよろ長し
白猫のあくび
電車くる薄暑の音を引きずりて
伊藤順女
また同じ葬列に逢ふ夕薄暑
可笑式
薄暑光高速船に水煙
髙見艀舟
図書館の薄暑は騒がしき無音
駒村タクト
被災地のテント薄暑のボランティア
松本笑月
エンドロール浸り薄暑へ夢心地
緑瀬易義
着席の息せき切るや朝薄暑
ゆりのいろ
港区の芋洗坂薄暑かな
葉るみ
どことなくだらしなくなる犬薄暑
ピアニシモ金カル
さつくりと酢飯のにほふ夕薄暑
桜鯛みわ
虫の吐く糸に薄暑の水の色
太田栗青
砂上の譜海に溶けゆく夕薄暑
楊梅江風
ストローの吸うタピオカや薄暑光
柊瞳子
飛行機の左翼が消える薄暑かな
二重格子
国境のまだ焼け焦げている薄暑
松田てぃ
拓本の文字の凸凹薄暑かな
吉武茂る
呑んべゑの仕事終はりし街薄暑
KOMA
街薄暑形見の紬はブラウスに
うに子
薄暑光妻本復の愉しさに
林省造
街路樹の葉うら銀色薄暑光
丸山隆子
浅草にむすめ車夫あり薄暑光
まぐのりあ(蚊帳のなか)
夕薄暑五時のチャイムのぼんやりと
中井無心
酒蔵の木戸開いてをり灘薄暑
空井美香
マーラーのハンマーは二打街薄暑
狩谷わぐう
白象の鼻高々と夕薄暑
高山佳風
免許証巡査に見せる薄暑かな
ぶうびい
救急車出動開始薄暑光
松風花純
橋脚のボルトに噛む薄暑かな
吽田のう
リハビリは薄暑の厨弾む音
井上於莵
SLIM目醒む列島は薄暑を光る
満嶋ハト
町中華麺の湯切りや夕薄暑
吉 や
薄暑なり健康遊具試す午後
太之方もり子
まどろみてあたりを見渡す薄暑かな
福島 昇天
朝市の公費解体夕薄暑
スモールちもこ
磨り減つたガイドの靴や寺薄暑
木村ひむか
銀座線揺れかた変はり夕薄暑
英ルナ
靴を脱ぎ足裏呼吸の薄暑かな
増田 昴
放課後の廊下拭く顔薄暑かな
宮沢 韋駄天
引越の最後の荷物夕薄暑
愛柑
山村に轟くバイク薄暑かな
松元転石
自粛明けバス停に待つ夕薄暑
美羽烏子
薄暑光老舗喫茶の銀の匙
空山プラネタリウム
舌出して笑う柴犬街薄暑
木村となえーる
薄暑の夜壁の絵をまたひとつ捨て
ピレネーの城の幻影
薄暑光白バイ潜む松林
楽和音
レフ板のごときビル街薄暑光
ぽんたちん
薄暑光掃いて土日の予定とか
高尾里甫
くぐりたる大仏殿の穴薄暑
谷本均
四百の騎馬武者練り歩く薄暑
澪那本気子
アオザイの紅すきとほる薄暑光
梨山碧
一万歩街をみおろす夕薄暑
コイケキクエ
スケボーのズボンのふくらみ薄暑かな
鵬
遊具みな色鮮やかや園薄暑
堀上葵
湯の街の音もれの路地夕薄暑
むったん
おろしたて要の固き薄暑かな
吉田春代
棒高跳び撓う曲線夕薄暑
在在空空
夕薄暑照り返すにはたづみ踏む
泉晶子
喜寿つどふ先づ黙祷す薄暑光
やっちゃんち
宍道湖の鋤簾の爪を朝薄暑
紫小寿々
すれちがふ着物匂へる薄暑かな
香壺
塩沢のお稽古帰り夕薄暑
みやかわけい子
朝刊の雨の香吸へる薄暑かな
鈴木 浮浮
いつの日も大地に暮らす薄暑かな
信子
馬小屋も民家の一部薄暑光
いつか
海峡に橋脚高し薄暑光
武井 超凡
板チョコの甘き直角薄暑光
千歳みち乃
あきんどの八百八橋薄暑光
沙那夏
駐輪し見渡す空や薄暑光
小野陽笑
駅ピアノ弾く人もなし夕薄暑
河村静葩
後悔はスーツに滲む薄暑かな
珈藤絵本
缶蹴りの鬼はいづこに夕薄暑
めでかや
班長の集金にゆく夕薄暑
岡田雅喜
満州の薄暑や夜来香甘く
粋庵仁空
草丈のスカートに触る薄暑かな
竹原かよこ
路地裏のどこも明るい薄暑かな
岬ぷるうと
ひとり居の米のとぎ汁夕薄暑
森 佳蓮
薄暑の夜放し飼いする乳房かな
立田鯊夢・いつき組広ブロ俳句部
単館の佳作の長き列薄暑
みらんだぶぅ
白山羊の遠く遠くと食む薄暑
犬井山羊
靴底のすり減り方や街薄暑
熊のまさきち
抗癌剤やめてみようか夜の薄暑
ツユマメ・いつき組広ブロ俳句部
客引きに道阻まれてゐる薄暑
大黒とむとむ
公園を走るおむつの薄暑かな
かこよし
漏油せし油槽船なり夕薄暑
燈穂
アッカンベーするトドのゐて薄暑光
山川腎茶
足裏にしめり覚ゆる薄暑かな
信木庸子
ストリートギターはジャズを夕薄暑
無弦奏
ぬくぬくのコロッケふたつ町薄暑
たむらせつこ
袖口にペリエのしずく拭く薄暑
幸田梓弓
校長訓話薄暑の首の凝りほぐす
みやざき白水
自販機のモーター加速して薄暑
中島穂華
ねむくない一年生の午後薄暑
青海也緒
引詰の襟足濡らす雨薄暑
落句言
薄暑の牧場頭突く子牛へ初乳
咖哩亭 章之輔
葬送の玉砂利果てず薄暑光
謙久
「ドービニーの庭」に薄暑の花の色
るびちゅ
薄暑のグリップごはごはのサウスポー
鈍亀
畑跡のタワマン仰ぎ薄暑かな
彩明
真っ平ら赤子の額の薄暑かな
吉谷地由子
薄暑光リルケを語るうわくちびる
高遠見上
Fコード弾けぬまま過ぐ夕薄暑
鈴木古舟
右の手の暖簾を分くる夕薄暑
菫久
おさがりのそろばんにひび薄暑光
星私虎亮
会議室暴言に射す薄暑光
高重安眠
風呂の壁目地まで白し薄暑かな
登盛満
寝室に薄暑の耳が透けてゐる
千夏乃ありあり
夕薄暑タトゥーの粗き漁夫雑夫
慢鱚
カステラのザラメ剥がさぬやう薄暑
広瀬康
切株の年輪うづく薄暑かな
月影 重郎
数独の枡目埋まらぬ薄暑かな
たこぼうず
廃業の名入のタオル薄暑かな
さ乙女龍チヨ
新前のメモ帳円む夕薄暑
さく砂月
転院の救急車睡魔の薄暑
星醒
ものぐさの道草添ふは猿薄暑
宮下ぼしゅん
レジ台に小銭ならべる母薄暑
オアズマン
軽暖のどこか涎に渇いている
投雨
ホイッスルしづむユニフォームを薄暑
森野みつき
ブランチのパスタにこほり薄暑かな
ひぐちいちおう(一応)
教え子と首都で乾杯夕薄暑
平山千鶴
仕事はね薄暑の街に放たれる
笑松
ボサノバ溶ける風ドライブは薄暑
美月 舞桜
参道に骨董並ぶ日や薄暑
ざうこ
鈍色の風よ薄暑の呉港
原 水仙
夕薄暑半解凍になった海老
シュリ
哺乳瓶洗ふ夕薄暑の独り
咲間元文
宿酔の薄暑窓の向こうは正午
島田スパイス
ストリートミュージシャン薄暑の喝采
山香ばし
女装家の脚細長き薄暑かな
沙一
カツ丼の三つ葉掻き込む薄暑かな
酒井春棋
影法師踏みつつ歩む薄暑かな
大阪駿馬
着任の先生訛る薄暑かな
平松 洋子
岬へとつゞくバス停薄暑來る
陽花天
銅山口へ祈る工夫ら山薄暑
卑弥呼
跳ね落ちる真珠の玉よ薄暑光
有田みかん
薄暑の夜巻き爪絡む綿シーツ
桂子
夕薄暑カレーパン売れ残りけり
月待 小石
手庇の影の鴇色なる薄暑
月見柑
和硝子の花瓶分厚き薄暑かな
佐藤レアレア
夕影に和太鼓ひとつ鳴る薄暑
榊昭広
薄暑の夜麒麟脚より生まれ落つ
柊琴乃
手を繋ぐこともなくなった薄暑のせい
紀友梨
反則の判定待ちの薄暑かな
松本厚史
礼服を吊す窓辺や夕薄暑
千の葉
側溝に子タナゴ光る薄暑かな
緑茶花
ライト点灯薄暑の千本ノック
名出 結希人
園児より身を隠す猫薄暑光
源早苗
両隣の椅子のみ空いている薄暑
睦月くらげ
鉄棒の子の逆さまに夕薄暑
能研ショテカ
道草を誘う薄暑やワンコイン
山川土時
学食の列しなやかに薄暑光
ユーロ
顔の無いマネキン薄暑の原宿
アンサトウ
藍染めの手ぬぐい首に薄暑かな
白井百合子
母の後薄暑の畝を追い続け
ムシ・ミカミ
話すため自転車降りて押す薄暑
星田羽沖
不機嫌に鳴く犬叱る人薄暑
大川あむ
図書館へ徒歩を楽しむ薄暑かな
蒼鳩 薫
娘等の風受け易き薄暑かな
喜田紫陽
花博を屋根付ベンチ薄暑はや
かじま木犀
斎垣文字朱の褪せてゐる薄暑光
石垣よーせい
ごみを結ひ軽き浜辺や夕薄暑
麦のパパ
薄暑光ピンチハンガー一つ白
久米穂風
夕薄暑具材の踊る中華鍋
石川順天
がらくたの呼吸に触るる薄暑かな
刈屋まさを
詰めて乗るエレベーターの薄暑かな
河島 八々十
残業の蛍光灯は薄暑臭い
迫久鯨
境内の子ども土俵の薄暑光
浩子赤城おろし
街薄暑背伸びして見るジャグリング
素数
蓋開けて息継ぐ古墳薄暑かな
香依蒼
初七日の白木位牌へ薄暑光
西村青夏
夕薄暑三十路半ばで売るギター
港のパン屋
サティ似の絵描き薄暑の港町
あみま
苔むせる樹皮反り返る薄暑かな
立山穂高
古書店を巡りてカレー街薄暑
宏楽
ジャズフェスの果てて中洲の夕薄暑
うからうから
高三の席替え静寂な薄暑
鬼殻
差入は果実サンドとする薄暑
宥光
ジェット機のにおい薄暑の覗穴
ぉ村椅子(志村肇)
薄暑光文はブルーでガラスペン
千葉睦女
犬の舌みづと薄暑をまるめをり
はなぶさあきら
言葉無きデモ行進や街薄暑
百瀬はな
ゆえに薄暑とは窓の半開とす
あらかわすすむ
かき玉汁のだしあっさりと薄暑かな
仲 操
迷彩の手差し洗いて薄暑光
彩 詩充
深煎りを濃く淹れし午後薄暑かな
牧笛子
回送バス傾ぎて曲がる夕薄暑
樋口滑瓢
トロットの芦毛薄暑のリズミカル
鳥乎
梳き鋏入れて追いつく薄暑かな
阿部油
道三の城は高みに薄暑光
市橋正俊
夕薄暑温泉街の日和下駄
ふじかつとび
胸えぐる薄暑の月の細さかな
壱太
ふところに犬ころ抱きて夕薄暑
豚々舎 休庵
薄暑光ヘルパーの爪切りしづか
福田みやき
目の覚めて薄暑にしみるメスの跡
一井蝸牛
アニサキスにょきにょき薄暑の出刃包丁
苺井千恵
池の亀首をもたげて薄暑かな
宝塚御殿子
釜炊きのお米のやうな薄暑の香
いくたドロップ
人工島の高架を曲がりゆく薄暑
小豆白虎
分骨の包み胸元夕薄暑
紫水晶
黒板に「大空襲」薄暑の放課後
忘
おしゃべりな補助輪眩し薄暑かな
野原茉莉
嘘なのか君のひとみの街薄暑
風花美絵
騒々しく横切る電車薄暑かな
香西京子
教室の傘干すにおい薄暑かな
花彼岸
夕薄暑施術にはづす首飾り
石田将仁
モノクロの呉の焼け跡薄暑光
鷹星
マネキンの着替へ眺める夕薄暑
藤井赤童子
突つ掛けの路地を蹴りゆく薄暑かな
ひだ岩魚
定宿は再開未定薄暑の夜
柴田藤安
出店並ぶ糺の森や夕薄暑
ジン・ケンジ
花手水ふれて薄暑の立石寺
よみちとせ
どこまでも行けてしまいそうな薄暑は嫌い
羅蒐
ジェンセンの銀のピッチャー薄暑光
卯月紫乃
麺線の揃いしうどん薄暑かな
大
薄暑の分娩室より親と成り
孔明
中華街路地迷い込み夕薄暑
こきん
卵焼き綺麗に巻ける薄暑かな
万里の森
白髪染めやめて生きます薄暑光
葉月庵郁斗
薄片は白亜紀の夢谷薄暑
俳句王
子をあやす駅の待合夕薄暑
眠 睡花
寄り道の境内ほの暗き薄暑
日向こるり
おしやべりの阻む薄暑の遊歩道
紅三季
投薬の種類変わりし薄暑かな
山尾政弘
夕薄暑小銭ばかりの財布かな
かつたろー。
薄暑来ぬフジコの鳴かすカンパネラ
種種番外
歌舞伎揚格子の中の薄暑かな
めい
高圧線鳥の其々薄暑かな
斧 的部
膝正し猿におひねり旅薄暑
夕虹 くすん
臨月をくるむ薄暑の風甘し
さかえ八八六
薄暑かな各庭庭の端境期
赤尾実果
薄暑の夜疼き清めるピアス穴
メレンゲたこ焼き
嚙み合わぬ会話薄暑の受話器置く
S・葉子
薄暑なり猫の肉球首にあて
花屋英利
筆洗の水強くなる薄暑かな
村岡花風
漆喰の歴史の吐息薄暑かな
桂葉子
味噌蔵の土壁出でて薄暑光
弥勒夕陽
吐水龍ちよろちょろ吐きて薄暑かな
み藻砂
ゲートボール終え休む東屋園薄暑
甘泉
館を背に飛沫高だか薄暑かな
沢瀉
雑誌には薄暑と私のグラビア
鳥田政宗
着られざりし軍服出づる納屋薄暑
春那ぬくみ
新しき硝子のポット薄暑かな
古都 鈴
時間あり布引を訪う夕薄暑
希布
認知機能検査してみる薄暑かな
村上薫
軽暖の福神漬を弄び
洒落神戸
ペタペタと靴底笑う薄暑かな
いその松茸
本館の取り壊されし街薄暑
大久保加州
薄暑来ぬ清き上生菓子の透け
縞ふみ
バーベキューの金串洗ふ夕薄暑
上村 風知草
親も子も恐竜の骨出ぬ薄暑
越前俊水
水玉の生地買い走る薄暑かな
井上美月
大楠を前に語り部薄暑かな
余熱
駅広場に若手芸人街薄暑
みうらけんじ
摩崖仏薄目開けたり薄暑かな
琵琶湖のおばさん
ちちははの記憶を薄暑に干せたなら
いりこのにゃらつめ
二十年前のブラウス街薄暑
うさぎ柚和
往診の白衣片付け街薄暑
竜退治の騎士
校長へ渡す似顔絵里薄暑
八幡風花
絶滅危惧種足元に咲く薄暑かな
木村カズ
置き配可(^^)猫自由です薄暑光
あが野みなも
歯が欠けて歯医者通いや夕薄暑
かんこ鳥
薄暑なりティッシュは二枚で一組
きつネつき
日替わりのメニューボードや昼薄暑
小山 晃
横断旗等しくひるがえる薄暑
白石 美月
延着のバス待つ長き列薄暑
吟 梵
コマ外し無言で離す手薄暑
山くじら
安曇野の水車の軋み薄暑かな
川島欣也
夕薄暑誰ぞ弾きゐるマンドリン
日暮ひぐらし
バス停の手話の二人へ薄暑光
おかえさき
ホペイロのくちぶえ湿る薄暑の夜
坐花酔月
STEPN起動薄暑の高尾駅
白プロキオン
暴れ出す水やりホース薄暑光
このみ杏仁
南蛮の酢の香籠れる夕薄暑
柚木みゆき
御所西の足腰御守薄暑かな
小林番茶
ナイターの地方球場夕薄暑
菊池克己
くるぶしのまだ瑞々しい薄暑かな
那津
中とほる梅田の地下の薄暑かな
比良山
薄暑来ぬセコム少なき通学路
庄司直也
お迎えのペダル重たき薄暑かな
北のすずめ
むらさき・き・みどり薄暑を輪切り跳ぬ
鶴小なみ
ガス燈の灯る順番夕薄暑
球追
精神科の回転ドアを出て薄暑
草臥れ男
老いっぱいの百円バスや街薄暑
篠田ピンク
夕薄暑飛行機雲を見る父子
美津うつわ
お岩木へ捧げじょんがら音薄暑
津軽ちゃう
薄暑の荷造り試し婚止める
林りんりん。
水替えの墓地の往復薄暑かな
田畑せーたん
薄暑光好きに透き通りし生家
剛海
手術痕痛む日もあり夕薄暑
ルーミイ
鼻と耳のピアスはとりなさい薄暑
中島走吟
靴ひもをほどく背中の薄暑かな
わたり 和
PS5提げて薄暑の帰り道
ぜのふるうと
鎌倉の螺髪くろぐろ街薄暑
布村 柚子
列車入る北鎌倉に薄暑かな
中田二俊
薄暑光風に強まる応援歌
空豆魚
路上カフェ店主と語る薄暑かな
テレシア
隠れ家の納屋に薄暑が邪魔をする
山崎なお
坦坦麺生まれし四川ビル薄暑
津軽まつ
遠浅の浜は西から薄暑光
風早杏
薄暑空雲はいいなの亡父の声
橋本諒駿
スカイツリーの空を劈く街薄暑
ことまと
枡酒を盛りこぼしたる薄暑かな
dragon
忘れもの室へ薄暑を取りに行く
樹海ソース
邪気を梳く名人櫛や木曽薄暑
ときめき人
フィラリアの薬嫌がる薄暑かな
なつめモコ
菜園の鎌研ぐ音や薄暑光
岩本夏柿
ゴンドラのチャオと漕ぎ行く夕薄暑
山田季聴
夕さりの城址あまやかなる薄暑
玉家屋
白杖の探る薄暑のバス乗り場
海野青
割るる音まざる薄暑の瓶回収
深山むらさき
段ボール(小)が足りない夕薄暑
飯村祐知子
試験日の薄暑の夕のサボタージュ
haruwo
伸びきつたホースの先や夕薄暑
丹波らる
箸一本酸っぱさすくう薄暑なり
榊裕江子
寄り道の薄暑の午後の人魚塚
理酔蓮
怒られて嗤ひを返す薄暑かな
蒼空蒼子
会釈して横断する子等薄暑光
山 ゆり
水紋に映る薄暑の震へけり
太平楽太郎
駐車場満車奈良公園薄暑
もりたきみ
忘却のまつ毛につどふ薄暑かな
坂口いちお
牛乳の覆ひ被さる喉薄暑
菅井香永
松の形に庭師頷く薄暑かな
鈴白菜実
目印のインドカリー屋無き薄暑
中嶋奈緒子
ねるねるねるねぐるぐるまぜる薄暑
松本こっこ
逝く人と分かつ白布や夕薄暑
エヴァーグリーン
ラッセンの光る薄暑のダイニング
藤原素粒子
薄暑めく午後ワッフルコーンの湿り
坂本雪桃
窯焼きの煙真すぐに薄暑かな
桜月夜
カーステの残しゆく歌夕薄暑
となりの天然水
歩行マシン最中の水や薄暑光
森一平
鉄の香と石炭の香の驛薄暑
秋星子
薄暑かな九回裏もツーアウト
勘太郎
動き出す振りこ薄暑の修理部屋
青野遊飛(蚊帳のなか)
ゴミ袋の多言語表記路地薄暑
木村隆夫
足浴を猫の見守る薄暑かな
千賀子
足首に母の名児らへ薄暑光
佐藤烏有
こぶしのやはらか薄暑の授乳室
おかだ卯月
夕薄暑喪服にかける清め塩
森爺
ショウベン逞しからずや嗚呼薄暑
シュレディンガーの獏
ドリンクの結露薄暑のスタンド席
夏湖乃
車椅子といざ新幹線薄暑かな
赤坂みずか
昭和のビルまたひとつ消え街薄暑
Nakahara結月
杖ついて薄暑長谷寺媼らも
Karino
わが町や坂道多き夕薄暑
池田 凜
信号の影に立ちたる美女薄暑
山乃尾乃道之翁
薄暑光小波ぎりぎり濡れぬ靴
戸部紅屑
ブラインド下ろし薄暑を暗転す
はまゆう
公園の鴉王国薄暑かな
木寺 仙游
薬味の香まだ浅くして薄暑かな
五味海秀魚
猫ならば赦さるることをす薄暑
夏雨ちや
無事と云う返信ありて薄暑光
田口大寒六
誘導かろやか薄暑の駐車場
四丁目
カブの僧はためく袈裟や薄暑来ぬ
遅狐
B♭鳴らぬウクレレ薄暑かな
きべし
点滴の管揺らぎをり薄暑光
じゅんこ
合同の自主防災の笛薄暑
新濃 健
平凡なる薄暑朝から大谷
乃の
縁側を笑ひ転げて薄暑光
夏 しのぶ
通学路傘の杖振る薄暑かな
岸壁の龍崎爺
鴨川の風に吹かるゝ薄暑かな
大谷如水
洗われぬうちに犬を吸う薄暑
羽織茶屋
スープカレーの野菜の青き薄暑かな
山内 負乗
校名入りバッグぱんぱん薄暑光
あまぐり
薄暑光物質みな原子から成るや
小倉あんこ
交番の迷子にグリコ街薄暑
庭野環石
三つ編みを衿にはずませ薄暑かな
くぼたみどらー
鐘楼の太き橦木や薄暑衝く
外鴨南菊
街薄暑ピザ窯の薪匂いけり
空木眠兎
参道の木々が薄暑の風を編む
千代 之人
職人はまだ屋根の上夕薄暑
楽椿
角打ちに揃う馴染みや夕薄暑
東京堕天使
街薄暑階段急ぐピンヒール
杜野 ほたる
勝ち馬に寝藁敷き終え薄暑かな
さぶろう
みな帰宅までを薄暑の昏きかな
だいやま
虎柄のあふれる列車夕薄暑
山内彩月
腹帯干す妻のまぶしき薄暑かな
花和音
船旅の支度すすまぬ薄暑かな
そめいゆ
居眠りの生徒三人薄暑かな
深草あやめ
スカートを二枚薄暑の試着室
深町宏
面接の椅子のひんやり薄暑なり
リコピン
新生児ねむる仏間の薄暑かな
金子泰山
安達太良の薮ぬけ眺む薄暑かな
南波舟
バクラヴァの蜜も滴る薄暑とか
森無田
来ぬ人を歪み硝子の夕薄暑
新城典午
太陽の片割れ匂ふ薄暑きぬ
市橋ふんちん
借景の窓指紋浮く薄暑かな
島陽広
乳母車足をばたばた薄暑光
はぐれ雲
補導せし子らのうなじや薄暑の夜
大 広秋
薄暑とは庖丁式の鯉の鰓
沢胡桃
大蛇めくデモ行進や街薄暑
島田雪灯
熱弁の時間超過の薄暑かな
岡 草紅葉
綿弓塚短冊ゆれて薄暑かな
PONホンダ
胸乳やや重くしをるる薄暑かな
さとうナッツ
式神がゐるよ薄暑の橋のうへ
渋谷晶
みどり児の伸びのスイッチ薄暑光
白子ポン酢
ジョッキめく給水塔や街薄暑
南方日午
横浜の中華街に薄暑の月
まるかじり
イニシャルKリングの裏へ薄暑光
羊似妃
鋸引けば森が匂へり峡薄暑
岡井風紋
死産せし仔犬に墓を薄暑光
永井無々
入院は真新しい靴薄暑かな
麗し
親友が旅立つ朝の街薄暑
全美
洗車後張り付く羽に薄暑光
秋谷 忍
食後のカバ歯磨きせがむ薄暑かな
立町力二
サイン会薄暑の大盛堂書店
浦野紗知
駆け巡る太陽の子どもたち薄暑
三無季生
同棲に終止符ふさわしき薄暑
十月小萩
清澄の海道つづく薄暑かな
西郡うり
坂上る影軽やかな薄暑かな
峰 乱里
夕薄暑遠回りして風の道
加藤水玉
青き封筒に入れれば薄暑きぬ
宇野翔月
薄暑光手のりインコが消えちやつた
青空まる
濃き峰の背景画干す薄暑かな
トウ甘藻
朝市のひよこが走る庭薄暑
砂山恵子
薄暑の空へ訓練の消防士
多々良海月
野外フェスギター繰る手に薄暑光
鳴海沓子
研ぎの音念仏めける薄暑かな
也和
目覚めぬ弟二度目の薄暑かな
笹靖子
空と海とローソンと薄暑は青
八光地蔵
病棟の風呂待つ廊下薄暑光
若井柳児
橋桁のかげを薄暑のフラダンス
武者小路敬妙洒脱篤
リビングにボサノヴァ満ちて薄暑光
小川テル子
新品のお寺に出逢ふ薄暑かな
卓鐘
推し待ちの一樹に頒つ薄暑光
伊予素数
薄暑なり神は世界を曝したく
髙田祥聖
雀二羽遊ぶ薄暑の一里塚
とも子
水といふ堅さのけはひ薄暑なり
藤咲大地
ピヨピヨの速い青信号薄暑
川越羽流
免許証書き換え迫る薄暑かな
笑詠化
金刀比羅の一段飛ばし薄暑光
風の木原
少年の助走はしずか薄暑光
豊後の李子
旅の途や薄暑の車窓昼の酒
ミント
斑鳩の薄暑鴟尾の蒙古斑
髙野雁梛
街薄暑出番まだこぬカーニバル
浜 友輔
薄暑来ぬ狩衣の列はスニーカー
沖庭乃剛也
さておいて古書店はいりゆく薄暑
どゞこ
胎動の音はしづかに島薄暑
山口葵生
実のついた苗買うべきかさて薄暑
西田武
モッツァレラ焦げて薄暑のキッチンカー
山姥和
薄暑かな隣家の犬の裸なる
一条春枕
街薄暑ラーメン店に色紙書き
たけろー
薄暑光街は十字に分けられて
風花まゆみ
テント干す部室のにほひ薄暑また
くろけん
拝みつつハガキ投函夕薄暑
酔蚊眼
混雑や薄暑の匂ふ山手線
田村利平
グライダーひかる薄暑の山こえて
ほこ
観覧車てっぺんに着く薄暑かな
中村笙平
耐え切れず洗濯ばさみ飛ぶ薄暑
馬門宗太
髪ゴムを嵌める手首や薄暑光
海谷泰水
薄暑かな人は誰かの生まれ替わり
リーガル海苔助
格子戸の貫の埃や薄暑光
陽
旅先に夫を許す薄暑かな
水須ぽっぽ
一斉に壊れる家電薄暑かな
綿鍋雪
千本の鳥居くぐれり薄暑光
陽光樹
紫雲木の空の広ごる薄暑かな
小園夢子
薄暑光はにわの口と目の射影
中原柊ニ
夕薄暑ゆっくり動く鯉の唇
吉永那夫子
人差し指ぶって薄暑踏む中指
立石 神流
薄暑の事務室保護者からの電話
苫野とまや
薄暑の塵や開扉の北円堂
てつなお
夕薄暑坊主頭の帰り道
鶴富士
飛球追う選手の口は開く薄暑
たこ山焼之輔
傍らにゐぬ人のゐる夕薄暑
龍田山門
縁のなき黄金展の街薄暑
哲庵
マンモスの恥骨のあたりより薄暑
朝月沙都子
めいめいのゆびのたけぶえ薄暑来ぬ
かゐみすず
信号の点滅待てぬ街薄暑
ゆきなごむ
うらがへす薄暑の石や白衣の子
西野誓光
チアのポニーテールみな揺れて薄暑
窪田ゆふ
回転の展望フロア街薄暑
夢見昼顔
洋菓子を迷ふ薄暑の北野坂
水きんくⅡ
真っ暗の廃墟に薄暑光微か
原島ちび助
旅かばん薄暑の窓を開け放す
加賀くちこ
ビスキュイの焼き上がる十五時薄暑
向日葵姐いつき組広ブロ俳句部
ゲネプロのヨレた台本薄暑かな
at花結い
青空に緑のピザカー薄暑なり
山本蓮子
薄暑なりあの日の我はこのあたり
どらまにあ
薄暑なり昭和九十九年の
斉藤百女
将棋部と並ぶ薄暑の献血車
井上鈴野
在りし日を糾すがごとく薄暑あり
山百合
ややありて揃う薄暑の応援歌
木染湧水
悪玉は太陽フレアてふ薄暑
有野 安津
車椅子畳む薄暑の退院日
青木豊実
薄暑なる三半規管に天地真理
吉野川
さりさりとノイズ薄暑の放送室
真井とうか
横顔も薄暑も包むヒジャブかな
はまお
バーボンおかわり薄暑のショットバー
どすこい早川
吊るし脱ぐシャツ薄暑のマッチョ倶楽部
としなり
軽暖の畑に祖父母と離職の吾
仁山かえる
植木屋の薄暑に架ける梯子かな
谷川ふみ
薄暑には亡き王女のパヴァーヌかな
青柳修平
薄暑光ドラムメジャーの服赤し
神島六男
面取らば薄暑の風のとほりけり
青水桃々
切りたての髪よ薄暑の通院日
明後日めぐみ
動かない電車の空調に薄暑
清鱒
いちめんに煌めく絮毛薄暑の空
haru_sumomo
失恋の手を放したる薄暑にて
閏ゆうすみ
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!
投句はこちら