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中級者以上結果発表

2024年11月20日週の兼題

氷柱

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 海風や氷柱傾いで地震の家

    富山の露玉

    選者コメント

    夏井いつき

     上五「海風や」の詠嘆からの、中七下五の展開に強いリアリティがあります。「氷柱傾いで」いるのは強い「海風」のせい? と思ったとたん、別の理由がぬっと顔を出してくるのです。下五「地震」は「なゐ」と読みます。氷柱は垂直に伸びているのかもしれませんが、「地震の家」自身が傾いている? とも読めます。その事実に、読者は胸を刺されるのです。
  • 銅像の氷柱まみれの翼かな

    でんでん琴女

    選者コメント

    夏井いつき

     今回、氷柱のついた銅像・仏像・地蔵などの句は相当数ありましたが、この句の工夫は、下五「翼かな」の詠嘆だけで、どんな容の銅像なのかをありありと描き切っている点です。翼のある銅像は、神話の女神でしょうか、太陽に近づき過ぎたイカロスでしょうか。銅製の翼から垂れるさまを表現した「氷柱まみれ」という措辞も、描写に徹底してこその賜物ですね。
  • ぽたぽたの加速ひんまがった氷柱

    公木正

    選者コメント

    夏井いつき

     「氷柱」の一物仕立て。前半「ぽたぽたの加速」とは何? 「ひんまがった」とは何? と思ったとたん「氷柱」という季語が出現。どういう状態の氷柱であるかが、的確に描写されています。太陽が力を取り戻してくると、溶ける速度がぐんぐん「加速」していき、氷柱は「ひんまがった」ものになっていく。光まみれになりながら、溶けていく氷柱です。

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