俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2024年11月20日週の兼題

氷柱

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • バンパーの古疵小さき氷柱生す

    ろまねす子

  • 朝練の蛇口の小さき氷柱かな

    鈴野蒼爽

  • もりもりと氷柱の瘤のたくましい

    嶺乃森夜亜舎

  • 生意気な氷柱を殺すてふ仕事

    樹海ソース

  • 富士の氷穴溶岩流に氷柱

    竜退治の騎士

  • 研ぎすますかなしみ能登の氷柱かな

    うに子

  • 清純な朝日は嫌いなの氷柱

    ひでやん

  • サイドミラーにもご丁寧に氷柱

    石本コアラ

  • ごきげんよう氷柱の朝の子どもたち

    檜鼻ことは

  • 氷柱光る朝の回廊僧の列

    麗し

  • 友が逝く氷柱に透ける空の蒼

    雨李

  • とんからと氷柱太らせ眠らせて

    春海のたり

  • どこからが氷柱どこからが過ち

    うからうから

  • ワイパーに氷柱明日も帰れない

    杜まお実

  • あるいは音が凍て付く果ての氷柱

    平山仄海

  • 三日目の氷柱そろそろ倦怠期

    山内彩月

  • 氷柱だけが真つ直ぐ悲しんでくれる

    青井えのこ

  • 仄暗き海辺の氷柱しょっぱいか

    那津

  • 一昨日の辺りで折れてゐる氷柱

    稲畑とりこ

  • 高く鳴りさうな氷柱を叩き行く

    家守らびすけ

  • 間口一間六十本の氷柱かな

    香依蒼

  • 風止みてあをあをと喪明けの氷柱

    谷川ふみ

  • バンパーを支えて六日目の氷柱

    玉庭正章

  • 氷柱斜めにそろふなり風つよし

    喜寿の嵐

  • 氷柱落ち山河堂々現れり

    岡田瑛琳

  • 氷柱太る役行者の洞穴に

    高木音弥

  • 幾ばくを呑んで氷柱のこの一本

    古瀬まさあき

  • 軒氷柱今日も太しや朝は米

    コンフィ

  • 決まらない会議二時間氷柱落つ

    若井柳児

  • 鎖樋うつすら透けてゐる氷柱

    音羽凜

  • きりんからん星砕くごとつらら折る

    しゃれこうべの妻

  • 諸行無常あれは氷柱の落ちた音

    澪那本気子

  • 原罪のきれい氷柱を日に透かす

    ひねもす

  • てらてらと輓馬のごとき大氷柱

    すりいぴい

  • 外祖母の家や氷柱が太い太い

    彫刻刀

  • トイレから見える氷柱に街明かり

    綿鍋雪

  • 雨樋のつらら男手なき暮らし

    太之方もり子

  • 氷柱てふひとがはじめてもつ刃物

    ツナ好

  • 藁屋根に蛇眠りゐる氷柱かな

    寺尾当卯

  • 雫して氷柱や芯をひかり食む

  • そそり立つ岩場のつらら臨死船

    吉 や

  • 湯めぐりや氷柱の隙間から薄日

    あみま

  • 氷柱とは淋しき楽器夜を歌ふ

    ピアニシモ

  • 雀発つ氷柱の先に満つるみづ

    小室雅俊

  • きょうだいと氷柱の家を売る話

    ヤヒロ

  • クラークの指の重たき氷柱かな

    高山佳風

  • 内定蹴つてやる氷柱折つてやる

    石井一草

  • 独房の柵より太い氷柱かな

    GONZA

  • やわらかいところに朝はくる氷柱

    酒井おかわり

  • せせらきに小さき氷柱の堰ありぬ

    巴里乃嬬

  • 歎異抄明けて氷柱に迎えらる

    林常住

  • 陰口に出られぬトイレ氷柱美し

    山中 あぎ

  • まつすぐな氷柱の下に佇つてみた

    あまぶー

  • 先端の氷柱になれぬひと雫

    羊似妃

  • 仔馬立つ馬房の朝に氷柱あり

    大和田よつあし

  • その奥に父と母ゐる軒氷柱

    宥光

  • 漏水の取材現場や大氷柱

    じょいふるとしちゃん

  • 軒氷柱死はだんだんとみづのいろ

    げばげば

  • みちのくや婆が氷柱を薙ぎ払ふ

    ま猿

  • 上のレの音かな山小屋の氷柱

    ほうちゃん

  • 氷柱泣く牛舎のモモの乳が出ぬ

    鈴白菜実

  • 静かなる怒気は氷柱となりにけり

    けーい◯

  • 氷柱ぽき中吉のけふ始まりぬ

    さくら悠日

  • 白湯すする氷柱の檻に永らへて

    喜田紫陽

  • 小走りに氷柱の下を通りけり

    塩野谷慎吾

  • けむ出しに垂るや琥珀の玉つらら

    儚子

  • 氷柱から音楽室の灯りかな

    内藤羊皐

  • 氷柱垂る政宗像の馬の鼻

    みうらけんじ

  • マーラーの重音溜めて氷柱太る

    ふもふも

  • 今朝は氷柱コラムは相続放棄

    むらぴ

  • つららのららがモディリアーニの顎みたい

    凪太

  • 青空や今日の氷柱は2H

    蘂六

  • 永平寺のつらら観に来てゐるやうな

    中原柊ニ

  • 消灯の託児所小さき氷柱かな

    反芻医 時光

  • 玄関に朽ちるちらしや軒氷柱

    だっく

  • 氷柱のみ長く伸びたる小間物屋

    山口絢子

  • 氷柱処理:仙人トンネル28

    佐藤茂之

  • 左から順に氷柱の譜を打ちぬ

    ギル

  • OraOradeShitoriでつらら落ちさうで

    亀田荒太

  • 光堂の鳳凰金色の氷柱

    岡山小鞠

  • 馬小屋の太い氷柱鳥小屋の細い氷柱

    亀田かつおぶし

  • あの家の氷柱はかなしき共鳴管

    あらい

  • トンネルのつるはしの跡氷柱垂る

    横山雑煮

  • 筆先の墨汁つららよりしずく

    絵夢衷子

  • 能登はるか垂氷に透ける空のあお

    さとう隆明

  • 炭鉱の氷柱の長い町のこと

    森2五歩

  • 岸壁に氷柱落として出帆す

    宮沢 韋駄天

  • おほつらら薙ぐ軸足を生に置き

    播磨陽子

  • 子を叱る母や氷柱の先丸し

    落句言

  • 肥えてまた氷柱へ致死量のひかり

    北藤詩旦

  • 友達は来ず氷柱折る舐める食う

    みたまん

  • 休校の午後氷柱折るモンスター

    青海也緒

  • 神様が調律したる氷柱なり

    広瀬康

  • 捜索の続くメットに付く氷柱

    唯野音景楽

  • よく伸びる淋しき家の氷柱かな

    佐藤志祐

  • 先輩は修治と修司大氷柱

    津軽わさお

  • 軒つらら殴りて帰る弔問客

    藤里玲咲

  • 人は死ぬ氷柱は墜ちる釈迦は往く

    九頭龍 一鬼

  • 氷柱溶け龍のうろこの色だろう

    だいやま

  • バンパーの氷柱牙として出勤

    だがし菓子

  • 龍の腹てふ渓谷千本の氷柱

    ののはな誉茂子

  • ラーメンの湯気よ駅裏の氷柱よ

    豆闌

  • 北国は子らも氷柱もよく育ち

    愛燦燦

  • 青空の百の氷柱に百の空

    山路碧水

  • シャッターの街を氷柱の太りゆく

    天雅

  • 灯油買ふ酒屋の軒の氷柱かな

    むらのたんぽぽ

  • 月光ひらひら膨らみゆく氷柱

    岸来夢

  • 誂へしかに山宿の大氷柱

    酔下弦

  • 瓦斯メーターの数字の下の氷柱かな

    草夕感じ

  • 朝刊に戦地の空よ太氷柱

    彩明

  • 大庇迫り出し列をなす氷柱

    森爺

  • 掻き落とす氷柱踏み踏み開ける店

    亀山酔田

  • ステンドグラスへ放電せし氷柱

    花はな

  • 戸隠や柄杓に氷柱まだ落ちぬ

    黒木しるこう

  • 納骨は延期四回目や氷柱

    ペトロア

  • 休日のつらら刺繍のつづきせり

    浅乃み雪

  • 落としたる氷柱の残骸に氷柱

    嶋田奈緒

  • ないのですかあまいつららはおかあさん

    雨森 茂喜(あめのもり しげき)

  • その芯は光の泡の氷柱かな

    原 水仙

  • 氷柱垂る夜通し向ける砲の先

    大塚迷路

  • 氷柱伸ぶ眠るけものと狩るけもの

    栗田すずさん

  • つらら打つ春の調律師のやうに

    柿司 十六

  • 空気割る楔のごとき氷柱かな

    外鴨南菊

  • 終わりなき祈りのすがた草氷柱

    熊谷 温古

  • 覚悟とはかくもざらざら大氷柱

    千夏乃ありあり

  • 投降か自決か氷柱尖る夜

    沙一

  • 舫綱つららひかりて今日は晴

    じゅんこ

  • 氷柱落つ詩とは光の純度だらう

    嶋村らぴ

  • つらら薙ぎ折り開店や大内宿

    佐藤儒艮

  • 買ひたての傘が折られてゐて氷柱

    関津祐花

  • 弔問の止まない夜の氷柱かな

    ツユマメ・広ブロ俳句部

  • 星屑を満タンにして大氷柱

    夏草はむ

  • 強かをつるつるにしたのが氷柱

    広島じょーかーず

  • 氷柱飼う水の闘う意思として

    あなぐまはる

  • 廃校に氷柱貧しく育ちけり

    はぐれ杤餅

  • 先にまで夜の詰まつてゐる氷柱

    多々良海月

  • 真っ直ぐ行って氷柱立派な家を右

    弘友於泥

  • 長いのが子供が育ててる氷柱

    水蜜桃

  • 金槌の柄に極細の氷柱かな

    ほしの有紀

  • つらら咲く鳥は牙無き空の覇者

    トマト使いめりるりら

  • スコップを裏にし母の氷柱打ち

    赤尾てるぐ

  • 五合目の風しか知らぬ氷柱かな

    ムーンさだこ

  • 父危篤寮の氷柱は雫せり

    新濃 健

  • 宅配便つららの真下いま通る

    ひだ岩魚

  • 吾の胸の千尋の底を氷柱鳴る

    栗花落カナヲ

  • 大氷柱たゆむ源泉掛け流し

    伊予吟会 宵嵐

  • 草つらら迷子の小鬼のゐる気配

    足立智美

  • カーバイトランプ排障器の氷柱

    定位置

  • 硬き氷柱や炊き出しの声高く

    小川しめじ

  • 自販機の眩き駅舎氷柱肥ゆ

    谷本均

  • じょんからの激し氷柱はほのあをく

    えりべり

  • 氷柱光る笑うだろうか今日母は

    紫水晶

  • つららばふんあきらめるつてそんなおと

    もりさわ

  • 氷柱落つソプラノはひりひりとして

    大地緑

  • 星きよら氷柱のきよら風きよら

    細葉海蘭

  • 全館の灯油のにおい氷柱かな

    ぉ村椅子(志村肇)

  • 鉄橋の鋼の匂ふ氷柱かな

    菫久

  • つらゝことのはいづれで刺してあげましよや

    らん丸

  • Openのネオンの滲む氷柱折る

    平野芍薬

  • 折ったのは星の入ってない氷柱

    川越羽流

  • ひとすぢの氷柱未納の封を切る

    Q&A

  • パワハラの訓告受ける氷柱折る

    立川茜

  • 刃毀れの氷柱が機械科の窓に

    岡根今日HEY

  • 自らの骸を墓標として氷柱

    気まぐれ亭いるか

  • 大氷柱機械油の匂ふ窓

    中田邦光

  • 飛び散らん光子の檻として氷柱

    四條たんし

  • 筆箱にしまへるほどのつららかな

    暖井むゆき

  • 氷柱はればれ神々なべて酒が好き

    RUSTY=HISOKA

  • 封鎖陸橋錆虫油氷柱

    居並小

  • 病臥に聞く氷柱の伸びる音かすか

    宗平圭司

  • 波怒る能登金剛や崖氷柱

    横山三水

  • 渓流の流れ激しや草氷柱

    玲風

  • サイドミラー氷柱バリバリ開きたり

    卓司

  • ラの音となるまで氷柱透きとほる

    三月兎

  • 軒氷柱まだ解けぬまま工事の日

    蝸牛

  • 吊り橋のゆっくりと揺れ大氷柱

    西村小市

  • 旧駅舎月夜の氷柱地に届かん

    大久保加州

  • 養豚場の氷柱を落とす留学生

    コーヒー博士

  • 日曜の氷柱や光り合ふ家族

    大和田美信

  • 氷柱折る生家は明日から虚ろ

    三水低オサム

  • 老犬の足裏の傷や草氷柱

    髙橋弓女

  • 重力のかたちきよらに氷柱かな

    吉田竹織

  • 産声は未だ聞こえず氷柱伸ぶ

    俳句ファイヤー立志

  • ラッタルの氷柱三陸沖荒れる

    星埜黴円

  • うるみたる氷柱ひかりを産卵す

    山崎千晶

  • 日時計の学校晴れて大氷柱

    山田蚯蚓

  • 垂氷折る冬の三日月折るやうに

    まきうち祐

  • 千本の氷柱に映る千の月

    木村隆夫

  • 予定なき旗日つららのゆるるまで

    くろけん

  • 氷柱折る墾田永年私財法

    幸田梓弓

  • 茅の切り口軒氷柱数百

    空乃さゆり

  • 茅葺の茅の太さの氷柱かな

    じゃすみん

  • 氷柱ごつごつ子宮などあるからだ

    空豆魚

  • 土色の氷柱やマッドガード蹴る

    もふ美

  • モーテルに氷柱やネオンは筆記体

    川澄 爽葉

  • クオッカの口角氷柱の鋭角

    坂本梨帆

  • 風待ちの港船の氷柱太し

    島田スパイス

  • 残骸の氷柱きらきら通学路

    夏湖乃

  • ひかりひかり氷柱と呼ぶに頼りなき

    山本先生

  • 氷柱割る営繕さんの頼もしき

    キートスばんじょうし

  • 氷柱にくちづけくちびるに火傷の甘さ

    岬りこ

  • 氷柱のしずく消毒かおる廊下

    美月 舞桜

  • 快晴を氷柱鉄鎖を反り攀づる

    冬のおこじょ

  • 青空のかきんと痛い氷柱かな

    古賀

  • 毛沢東像の脆き氷柱折る

    宇野翔月

  • バンド練終えて氷柱の尖ってる

    羽野あき

  • 氷柱咲くバックヤードの予備水槽

    ナノコタス

  • 少年のしづかに尖り氷柱の夜

    可笑式

  • 氷柱伸ぶ風呂は別棟いとこんち

    ゆすらご

  • 氷柱小さしバンパーの傷深し

    滝上 珠加

  • 宿坊の氷柱は蒼く太りたり

    石塚彩楓

  • 早足に氷柱潜れば牛の鼻

    海峯企鵝

  • 猫轢かれてる氷柱溶けかけている

    千代 之人

  • 供花濡らすガードレールの氷柱かな

    うみのすな

  • 母訪ふ氷柱のしづく首に跳ね

    る・こんと

  • アリバイの一部始終を知る氷柱

    椋本望生

  • 軒氷柱ひかりとけだすように濡れ

    岬ぷるうと

  • 氷柱並んだ子ども食堂増えた

    みやま千樹

  • 草氷柱光る鎌倉切通

    君島笑夢

  • 病犬うつら氷柱の太る夜

    日永田陽光

  • 軒氷柱払ひ隣家を遠ざくる

    よこいちやこ

  • 電飾に氷柱閉店五分前

    苺井千恵

  • 極太の今朝の氷柱や勝手口

    中井無心

  • 氷柱伸ぶ立入禁止措置の家

    笑松

  • 人間に倦めば氷柱のよく尖る

    錆田水遊

  • 日の色の歪む氷柱や棄教せり

    仁和田永

  • 何者にもなれず氷柱溶けかけてゐる

    ノセミコ

  • 風饐えて廃炉にぬるき氷柱垂る

    霧賀内蔵

  • つららつらら校門前で回れ右

    ももたもも

  • 足跡の無くて氷柱の生家かな

    葦屋蛙城

  • 朝一番つららを落とす養豚舎

    中岡秀次

  • インターホンのレンズ氷柱の影一寸

    藤咲大地

  • 氷柱さみしコタンの星は低くあり

    つちや郷里

  • 軒氷柱遺品に埋もれた詩一編

    素因数分解

  • 生きるのを疲れてしまふ氷柱折る

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 太陽光パネルに氷柱育ちけり

    水須ぽっぽ

  • 教室をラとソの音の氷柱かな

    清水縞午

  • まず氷柱落として子らを通す軒

    玉家屋

  • 水沢の岩の氷柱やうどん打つ

    呆け鴉

  • 小康や氷柱は朝日滴らせ

    いかちゃん

  • 氷柱これが月より抜いて来し牙か

    堀口房水

  • 旅先の太き氷柱の蒼きこと

    くぅ

  • 汚職事件のニュース氷柱が青白い

    着流きるお

  • 軒樋の継ぎ目継ぎ目の氷柱かな

    井納蒼求

  • 豚舎の朝四十並びし氷柱折る

    黒田栗まんじゅう

  • 砕かれし氷柱残されチャイムの音

    小田毬藻

  • 東京の子らへ取りやるつららかな

    植木彩由

  • 良き方の氷柱折り家裁を辞する

    江口朔太郎

  • 小さき絵馬小さき氷柱と並びをり

    砂山恵子

  • 一本の太き引力軒氷柱

    麦のパパ

  • 氷柱折るユンボ始動の五分前

    おおきどくん

  • みちのくの夜汽車はつらら生やし来る

    樋口滑瓢

  • 合宿は四泊極太の氷柱

    ヒロヒ

  • 産褥の耳や氷柱を落とす音

    遠山比々き

  • つらら垂る社宅の錆びし受水漕

    巣組龍虎

  • 透明になるまで太る良き氷柱

    七瀬ゆきこ

  • ドアミラー閉じて氷柱の折られけり

    クラウド坂の上

  • 鈴の音のような垂氷のひかりかな

    中村すじこ

  • おとうとは届かぬ氷柱吾の氷柱

    亘航希

  • 墓碑銘は要らぬ氷柱をぶっ刺して

    沢 唯果

  • 氷柱つらつらグロッケンの音の粒

    いたまき芯

  • トンネルの氷柱作業者のゴーグル

    青居 舞

  • 氷柱垂る君を忘るる途中です

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • 氷柱肥ゆ筋腫とおなじしづけさで

    山田不律

  • 氷柱して井伊直弼の墓何処

    星田羽沖

  • 氷柱もてウォッカの炎鎮めたり

    堀邦翔

  • 野球部は朝練氷柱落とすつて

    平本魚水

  • ブルドーザさらばつららよ母の家

    西浦 貴浩

  • 艫綱を氷柱舟迄つゞきけり

    満生あをね

  • 氷柱きらきら産院の窓曇る

    星月彩也華

  • 各々に勝利の氷柱凱旋す

    野地垂木

  • 氷柱とるコーヒー用のコッヘルに

    千和にの

  • 峡谷や気泡の蒼き大氷柱

    王朋亡

  • 折れてゐる氷柱の家や夜の燈

    絵十

  • 崖氷柱垂れて猿の背湯気立てる

    山田季聴

  • さりげなく離村を質す軒氷柱

    蒼空蒼子

  • ひかりあう旅の朝と氷柱かな

    さく砂月

  • 氷柱太し産屋の牛の息熱し

    山下水音

  • 氷柱透きとほれ言を刃とするなかれ

    いさな歌鈴

  • 空っぽの鳥かご星を抱く氷柱

    いずみ令香

  • 軒のつらら上半分は空の色

    くぼたみどらー

  • ナウマンも観しや白川氷柱群

    佐藤烏有

  • 東雲の氷柱きりりと吉田寮

    藤白真語

  • 難産の仔牛まぶしき柵氷柱

    戸部紅屑

  • 御神燈並ぶ氷柱は果てしなく

    半ズボンおじいさん

  • 分校長つらら落しは口伝の任

    花屋英利

  • シェルターにたどり着きたる夜の氷柱

    武田ラーラ

  • 入口の氷柱体育教師折る

    ふくびきけん

  • 太りゆく氷柱星明りの痛み

    小川さゆみ

  • 五本目は溶けきつて死ぬ氷柱かな

    たーとるQ

  • 囚われてみたし氷柱の鳥籠に

    橘鶫

  • 短めの氷柱新宿三丁目

    朶美子(えみこ)

  • りんりんと月を放ちて大氷柱

    富佐野ほろよい

  • 口濡らすひとつに氷柱でんでら野

    このみ杏仁

  • クラーク像たわわに氷柱太らせり

    安春

  • 隧道のゆたかなる罅大つらら

    みづちみわ

  • 氷柱落つゴム長はぐしゅぐしゅ進む

    名之芽のなめ

  • 鳥つぎつぎに氷柱のしづく甘からん

    幸田柝の音

  • 通夜明けて仄かに青き氷柱かな

    京野さち

  • キリストの手首も穿つ大氷柱

    イシデ電

  • 嘶きは野を恋ふ氷柱より雫

    長谷川水素

  • 氷柱落ちる図鑑の鳥が威嚇する

    ふくろう悠々

  • 星原よ氷柱は恐竜の背びれ

    綱川羽音

  • 夜行バス降りて氷柱の山荘へ

    せり坊

  • 氷柱折る心が五ミリ軽くなる

    孔明

  • 出撃の我よ氷柱よ青空よ

    仁山かえる

  • 氷柱伸ぶ昴のよはひ測るため

    元野おぺら

  • ちやくちやくと氷柱の伸びる鬱の家

    中 兎波

  • 母になる人がさはりにゆく氷柱

    奥田羊歩

  • 喪の家の氷柱ぬらぬら溶け出せり

    大岩摩利

  • へし折ってください氷柱強情で

    アンサトウ

  • 女将亡く氷柱は長く堅い窓

    水間澱凡

  • びつしりと氷柱こころは棘のやう

    渋谷晶

  • 通勤や氷柱が今日に突き刺さる

    中島 真珠

  • わが家は二束三文長つらら

    笑姫天臼

  • つららおるぼくはかしこくなりました

    丹波らる

  • 大氷柱落ちるシベリアがとび散る

    山姥和

  • 百葉箱の氷柱引き返す足跡

    仲 操

  • 喪ごころの膨らむ夜や軒氷柱

    星詩乃すぴか

  • 氷柱折る嘘はキラキラ太りゆく

    妹のりこ

  • 空白のひと日氷柱と共に過ぐ

    竹内ユキ

  • 氷柱より夕べの星の溶け始む

    夏椿咲く

  • 肥え太る氷柱に騒ぐ家鳴かな

    長谷機械児

  • さかしまの太陽氷柱のなか昇る

    常磐はぜ

  • つららつらら不実な母に似てきれい

    本村なつみ

  • 昭和初年とうきやう驛の軒つらら

    桜井教人

  • 猿田彦祀る宮居の小氷柱

     九郎四郎

  • 安曇野はひかりの孵化器軒氷柱

    秋津穂 実

  • 不登校きれいなだけじゃない氷柱

    花星壱和

  • 弘法の御廟へ氷柱突き刺さる

    中島走吟

  • 係留のスワンボートの嘴氷柱

    むったん

  • 目覚ましは氷柱を叩き落とす音

    板柿せっか

  • つららしたたりたましひのにごるかな

    鷹取 碧村

  • 炭鉱の風を氷柱の墓標かな

    蜥蜴の尻尾

  • 真芯は星のひかりの氷柱かな

    桜鯛みわ

  • 囚われて氷柱の国を出られない

    島田雪灯

  • まぐあひの獣や氷柱太くなり

    世良日守

  • 草木の眠りたくはへ大氷柱

    青木りんどう

  • 福岡の氷柱短し寺古し

    八幡風花

  • プリズムのやう追憶のやう氷柱

    さとうナッツ

  • 吹きさらしの回廊包囲せし氷柱

    天陽ゆう

  • 氷柱持つ手のひら手相変わりそう

    八田昌代

  • あかつきの氷柱を垂れてゆく樹液

    葉村直

  • 眩しさや氷柱は濡れてゐる泉

    眩む凡

  • 早出なる司書は氷柱を薙ぐ係

    深山むらさき

  • 氷柱折るか悩みなんか無いくせに

    海音寺ジョー

  • 明日抜歯氷柱の先は少し丸

    内田ゆの

  • ISS追えば氷柱の切っ尖へ

    at花結い

  • 永訣や澄みて尖りて氷柱美し

    舟端玉

  • 居留地にぼんやり氷柱見てをりぬ

    宮下ぼしゅん

  • 回覧板ためて氷柱のよく肥えて

    さるぼぼ17

  • 氷柱みな11°なり物理棟

    くさ

  • つららつららコンビニにパン届かない

    里山子

  • 昇りゆく星の骸として氷柱

    きつネつき俳句系Vtuber

  • 転校やスコアボードの氷柱折る

    富山湾

  • 太陽を十グラム吸ひ氷柱落つ

    深町宏

  • 会話にも氷柱にもあり消失点

    ぐりえぶらん

  • 四年目の脱稿北窓の氷柱

    成瀬源三

  • 開戦や軒氷柱しくしく育つ

    ぞんぬ

  • トンネルの水漏れ氷柱でか過ぎる

    紫小寿々

  • 星を乞ふ傲慢が欲し氷柱太る

    横縞

  • 氷柱折り水疱瘡の子に与ふ

    岡田雅喜

  • ヘリの音止まず有刺鉄線に氷柱

    伊予素数

  • 曲家の氷柱とぎれし厩口

    とんぼ

  • 氷柱くぐり長蛇の稚内税務署

    坐花酔月

  • 海鳴りを吸ひ込む桟橋の氷柱

    明惟久里

  • 明朝体のつららポップ体のつらら

    ぐでたまご

  • 夜の音あつめて氷柱伸びにけり

    たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部

  • 絶縁の父の訃報や軒氷柱

    晴田そわか

  • 正直な氷柱へそ曲がりな氷柱

    宮坂暢介

  • 上質な朝の孤独のごと氷柱

    門田なぎさ

  • 恍惚と捻じ曲がりたる氷柱かな

    アロイジオ

  • しりしりと鳴き交はしては夜の氷柱

    綾竹あんどれ

  • 影長き氷柱の美しき歪

    干しのいも子

  • 焔に火のこゑ氷柱にみづのこゑ

    沖庭乃剛也

  • タケシんちの氷柱くじらのヒゲみてえ

    かねつき走流

  • 氷柱透くラフマニノフの褪せぬ影

    reion

  • しゆんしゆんと真闇吸ひたる氷柱かな

    くま鶉

  • 氷柱舐めるやごろつきのナイフのやうに

    蜘蛛野澄香

  • 条件に足す「無宗教」氷柱伸ぶ

    ひなた和佳

  • 故郷の朝日の氷柱鳴るごとし

    与志魚

  • 惑星はなべて凸凹氷柱伸ぶ

    細川鮪目

  • 野の果を灯すらむぷや草氷柱

    刈田陽子

  • 老女史の朱入れ氷柱の先丸し

    森脩平

  • しろがねの夜を吹きこめて大氷柱

    沖原イヲ

  • 氷柱ぶっこわす志望校落ちた

    老人日記

  • 氷柱伸ぶ星の軌跡を撮る仕事

    浦野紗知

  • 氷柱二寸檻の獣の眼の赫し

    日月見 大

  • 宿場町さみしき氷柱寄せ合へり

    靫草子

  • 警光灯氷柱を赤く人群れて

    中嶋奈緒子

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