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中級者以上結果発表

2025年12月20日週の兼題

冴ゆ

【曜日ごとに結果を公開中】

特選

  • 千の罅冴ゆや伽藍に余震また

    常幸龍BCAD

    選者コメント

    夏井いつき

     「千の罅」とは一体何か。しかもそれが、冷え冷えと冴え切っているというのです。中七の詠嘆「冴ゆや」から、映像が切り替わり出現するのが「伽藍」。更に「余震」と畳みかけられることによって、状況の全てが立ち上がります。寺院の建物には地震による千の罅。その数詞の体感的リアリティ。「また」の一語の着地が不安を搔き立てます。
  • 冴ゆる夜の耳石は月に共振す

    秋津穂 実

    選者コメント

    夏井いつき

     「冴ゆる夜」という時間と空間。何もかもを透き通らせるかのような凛凛とした寒気が、我が「耳石」にも影響を及ぼすかのようだという体感。カルシウムの細かな粒である耳石は眩暈の原因ともなります。その症状を「月に共振」していると感じとったのかもしれません。冴ゆる夜の月もまた、平衡感覚を失いかけているかのようです。
  • 冴え冴えと鉈のはつりの木端かな

    佐々木棗

    選者コメント

    夏井いつき

     「鉈」は、山林作業等で使用される刃物。「はつり」とは、削る・切る・壊すなどの作業を指します。枝を打っているのか、木材を削いでいるのか。分厚い鉈を振り下ろす度に飛び散る木端。その勢いによって、周辺の空気が冴え冴えとしてくるようだという感知が鮮やかです。木端から立ち上る新鮮な木の香もまた、冴え冴えと匂い立ちます。

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