俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2025年12月20日週の兼題

冴ゆ

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 連山冴ゆるフロントガラスいっぱいに

    どくだみ茶

  • 冴ゆる夜やT-rexの化石吠ゆ

    細葉海蘭

  • ほの青く冴ゆ遠どほの観覧車

    奥田圭衣

  • 電線に区画されたる星冴ゆる

    桜月夜

  • さよならを叫べば冴えてゆく肺腑

    石井一草

  • 讃美歌の止みて出棺鐘冴ゆる

    山田季聴

  • ほの暗き鏡の寝ぐせ指冴ゆる

  • 若き棋士冴ゆる局面続きをり

    吉谷地由子

  • ラハールに呑まれし國の冴ゆる刻

    世良日守

  • ステロイド伸ばす背中や冴ゆる星

    九重かずら

  • 消防車のドプラー効果冴ゆる夜

    みのやん

  • 運否天賦吽形像の義眼冴ゆ

    とんぼ

  • 耳鳴りや怒りにも似て湖冴ゆる

    那乃コタス

  • 冴ゆる夜のガラスのくまが寂しそう

    のんきち

  • 冴ゆる月妻母の顔棄てをんな

    江口朔太郎

  • 冴え冴えと腰痛用のコルセット

    海音寺ジョー

  • 鉛筆をとぐ木の匂ひ冴えてなほ

    夏雨ちや

  • 冴ゆる夜の天人五衰の領巾靡く

    翡翠工房

  • 香もなき霊安室の電燈冴ゆ

    白鳥国男

  • 試薬冴ゆ育休明けの検査室

    幸田梓弓

  • 授与所へと巫女の小走り冴ゆる朝

    京あられ

  • 夕冴えの熱もつ小指強ばれり

    このみ杏仁

  • 冴ゆる陽に蕾光りぬ通学路

    宮澤博

  • 風冴えて子を深く抱くすべり台

    相野谷笑子

  • うつむけば冴えたる床の見えにけり

    仁和寺ゑんど

  • 冴ゆる夜のどこかへ鍵の落ちるおと

    五味海秀魚

  • 冴ゆる海不発弾まだ息を吐く

    小林俊行

  • 残業を明日に残し冴ゆる夜へ

    桃猫

  • 冴ゆる鐘迫る退職チョーク箱

    有島 正保

  • 柳刃を仕上げ砥石へ月冴ゆる

    豆柴

  • 山に冴え自転車の鍵開く下校

    海越桃香

  • 昨晩はスーパームーンとか冴ゆる

    達坊

  • 命冴ゆ巌に放つ金楔

    來花

  • ケサンラのささやく声に月冴ゆる

    白井百合子

  • 床の間の万里一空に鐘冴ゆる

    秋谷 忍

  • 今日の日を惜しむがごく月の冴え

    阿部文彦

  • 昇る陽が神と思えし冴ゆる朝

    咲 まこ

  • 街あかり小さく冴ゆる夜の離陸

    日永田陽光

  • ラーゲリに餓死する伯父や冴ゆる星

    たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部

  • ひとりの夜睡眠薬のシート冴ゆ

    みづちみわ

  • 白き花ひとをこばみて香の冴ゆる

    京有楽草

  • 冴ゆる夜や古傷の脚引きづりぬ

    円美々

  • 冴ゆる川ミット打つ音迫りけり

    本田踊留

  • 雲間より微かに見ゆる「希望」冴ゆ

    坂本秋風

  • レジ袋三円冴ゆる昼休み

    鷹見沢 幸

  • 星は冴ゆロザリオを繰る太き指

    木村弩凡

  • 冴ゆる夜の三日月やけに目に刺さる

    猫ふぐ

  • 夕暮れを跨ぐ海峡汽笛冴ゆ

    まこちふる

  • 詐欺電話の声のくぐもり月冴ゆる

    三高 姫

  • 冴ゆる灯やまた間違えるパスワード

    万里の森

  • 冴ゆる夜笑う鍵穴焦る指

    龍哉

  • 車椅子の母と冴ゆる夜の検査

    仁山かえる

  • 潮冴えて白む彼岸のポートタワー

    横縞

  • 磯釣りの濃き潮の香に冴ゆる青

    地球人

  • 黙々と素振り千本風冴ゆる

    田上南郷

  • 冴ゆる夜や給湯室に若き声

    洒落神戸

  • 冴ゆる朝眼鏡の汚れが落ちない

    灰田兵庫

  • 月は冴ゆ野良猫に生まれた君と

    蔦すみれ

  • 崖の草尖りて海へ月冴ゆる

    細川鮪目

  • ドロップの七色のひび声冴ゆる

    月野風花

  • ビンと鳴る三味のさわりや冴え冴えと

    藤本秋蝶

  • 再登校ピッコロのラの冴ゆる門

    野井みこ

  • 公園に一人冴ゆるかな鉄棒

    俳邦山

  • 冴ゆる夜や火傷の吾と若き母

    渋谷晶

  • 冴ゆる指ヘレンケラーを体感す

    金子 あいか

  • 言葉なく船出の祖母に冴ゆる空

    六甲山太郎

  • 冴ゆる日の鴉のこゑの高さかな

    太平楽太郎

  • 夜席のハネ太鼓鳴る月冴ゆる

    大西秋桜

  • 角打ちに呷る剣菱声冴ゆる

    新山晶花

  • 座敷童子のララバイ畳廊下冴ゆ

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • 冴ゆる夜のサウナ通いの独り者

    星児deノエル

  • 冴ゆる夜や記念硬貨のタロとジロ

    ジン・ケンジ

  • ばかものや独り歩みし冴ゆる風

    青日

  • 冴ゆる夜煮えたぎる湯へ哺乳瓶

    冬島 直

  • 冴ゆる夜の老眼鏡の重さかな

    キティキティdeノエル

  • 古城跡の東西駆ける冴ゆる風

    むねあかどり

  • 尾を羽根を隠せ夜笛に冴ゆる街

    松山めゐ

  • 木に白き猿のぽこぽこ山冴ゆる

    ねこむらさらむこね

  • 月冴ゆる吾に問ふべきことのあり

    加賀くちこ

  • 冴ゆる夜の母の忘れし処方箋

    羽衣ノエル

  • カーナビに名の出ぬ峠冴ゆ日中

    潮湖島

  • 借り物の喪服の丈の冴ゆるかな

    花仮面deノエル

  • 冴ゆる夜の眼裏の蒼風の碧

    宮井そら

  • 冴ゆる星再度母校で甲子園

    川端こうせゐ

  • 冴ゆる夜の刺繍のやうに六本木

    叶田屋

  • 冴ゆる黄や週休二日のショベルカー

    杉浦萌芽

  • 冴ゆる夜の唇割つてけだものの息

    百智

  • 飛行機のかたちの干菓子月冴ゆる

    綱川羽音

  • 百合の香の葬列に満ち星冴ゆる

    唐澤うに

  • 冴ゆる夜や監視カメラの灯は白し

    岩田呟雀

  • 月冴ゆる受験前夜のママコール

    だっく

  • 息二つ足音冴ゆる影薄し

    朧月 幸乃丞

  • 床板も矢道も弦音も吾も冴ゆる

    諫鼓苔深

  • 冴ゆる脳ヘミングウェイの猟銃よ

    九頭龍 一鬼

  • 鳥眠る森は真白く月冴ゆる

    藤永桂月

  • 爪切りて獣と気付く夜の冴ゆる

    麻中蓬子

  • 余白しかない湖に冴ゆ吐息

    八光地蔵

  • 犬の首輪光らせ今朝は声も冴ゆ

    井田みち

  • 月冴えて硯の陸をしづしづと

    郡山の白圭

  • 冴ゆる夜や鏡の吾の他人めく

    笑笑うさぎ

  • 冴えろ冴えろ親知らずは歯肉を裂く

    紅紫あやめ

  • 厨冴ゆ瓶の蜂蜜結晶す

    虎堂吟雅

  • 這って這って厠へ向かう冴えた夜

    望月ぽん

  • 星冴ゆる鉄路より濃く吾の影も

    団栗あんパン

  • 冴ゆる灯やフォークリフトの爪鈍く

    松田迷泉

  • 街は冴え古伊万里風の猪口を買う

    森無田

  • 冴ゆる朝虚空に響く素振りの音

    安曇 平

  • ボタ山の黒深くして月冴ゆる

    森葉豆

  • 銀河冴ゆレッドリストにじ・ん・る・い

    冬野志奈

  • 早鞆の瀬戸に神事の利鎌冴ゆ

    一夏たけの坊

  • サイレンの赫き尾冴ゆる武蔵野を

    黒子

  • 冴ゆる朝プラカード持ち振る軍手

    岩鼻 のこ

  • 冴ゆる夜の卓平行でない木目

    たけろー

  • 一筋の色なき縁や小指冴ゆ

    森脩平

  • 鍵穴の音のみ響き夜も冴ゆ

    釋愚拙

  • 冴ゆる夜のなめらかに伸ぶ鬼の角

    石神湖畔

  • 大三角冴ゆ叔母九十五吾八十

    笑酔

  • 半券冴ゆ野田秀樹役野田秀樹

    藤白真語

  • 冴ゆる夜や川音は遠き窓明かり

    鳥不驚

  • 冴ゆる夜や車庫の灯りの点くを待つ

    案浦笑里

  • 病棟は二十三度や星冴ゆる

    麗し

  • 冴ゆる夜やタクト振り切る終止線

    花見鳥

  • 灯冴ゆる王手の声は蒼く揺れ

    むさし野まさこ

  • 月夜の英吉利領事館ピアノの音冴ゆる

    天雅

  • 相輪は鈍き金色古刹冴ゆ

    山吹なお

  • 水薬冴ゆ看病のひとりごと

    佐野明世

  • 冴ゆる夜や施錠されてる黄金風呂

    ぜのふるうと

  • 深々と星冴えわたる黄泉の国

    余熱

  • 冴ゆる夜の秒針に突き刺されてゐる

    高橋寅次

  • 眼下には光の帯や星冴ゆる

    さいたま水夢

  • 石冴ゆや五センチの神彫り出づる

    一斤染乃

  • 放水の飛沫を抜けて火の気冴ゆ

    宗珂

  • 墓原に星降る被災地の冴ゆる

    日月坊

  • 御渡りの馬具の金具の冴ゆる音

    小林一平

  • 一行の日記の余白冴ゆ夜更

    ざうこ

  • 空気冴ゆ立ち漕ぎの坂約10度

    みうらけんじ

  • 川冴ゆる水面占めたる電波塔

    小野寺幸平

  • 切る髪も消えろ自分も冴ゆる夜も

    水口真奈

  • 月照らす影の呼吸や冴え冴えと

    桂葉子

  • 福耳の端より走る冴え蒼し

    多事

  • 冴ゆる夜や銀色の衝きあぐる腰

    あたなごっち

  • 予備校の最後の灯消ゆ冴ゆる夜

    千の葉

  • さえざえと吠ゆる闇夜のスフィンクス

    小川野雪兎

  • 日の出待つ山頂冴ゆや鍋の湯気

    村雨藍

  • 冴ゆる夜の円周率の終わり方

    風花美絵

  • 勾玉の冴えて古代の山の影

    うどん大明神

  • 冴ゆる夜や合掌造りの障子に灯

    コーノ凡士

  • 採蜜の叶わぬ巣箱山冴ゆる

    風薫子

  • 冴ゆる空そらそら歩け日が昇る

    中島穂華

  • 少年の太棹冴ゆる津軽の夜

    甘えび

  • 鏡台の紅筆冴ゆる故郷かな

    ちょうちょう

  • 竜神の降り来し峰や風冴ゆる

    久森ぎんう

  • 寝転びてオーロラ待つや風冴ゆる

    高比良星嶺

  • 空つぽの腸冴え冴えと手術待つ

    よこはまじいじ

  • 月冴ゆる血の一滴も凍らせず

    萩原祥子

  • 冴ゆる夜や呟き止まぬ古時計

    みろくざか

  • 月冴えて硬直したる街明かり

  • 荒山の枝切る鋏風冴ゆる

    高永 摺墨

  • 痛むほど冴ゆる静寂不動の気

    みゆむうしば

  • 風・音・話・全てを無にし静夜冴ゆ

    弥勒夕陽

  • 心底の深き鎮魂更に冴ゆ

    はれみちる

  • 客途絶へ火落とす屋台閑夜冴ゆ

    ゆきなごむ

  • 生き生きと生き切った友星冴ゆる

    ゆすらご

  • 頬にひらく指の刹那や弦音冴ゆ

    ろまねす子

  • 冴ゆる着信音「島根で震度5」

    芝歩愛美

  • ハイビーム冴ゆ影失っている毛玉

    みずくらげ

  • 国歌斉唱冴ゆるセンターマイクかな

    みらんだぶぅ

  • 自己採点終へてラジオの声冴ゆる

    音羽凜

  • 藍と朱の染分け冴ゆる西の空

    朋部 琉

  • 冴ゆる月剃刀の如影を断つ

    三村武信

  • 研いだ刃は冴ゆ朝にまたよく似合う

    久米穂風

  • 天守へと急勾配の冴えにけり

    井納蒼求

  • トラクターもう走らせて夜明け冴ゆ

    古都 鈴

  • 月冴えてゐて新聞の文化面

    田邊辺

  • 渇筆の和紙を擦る香の冴え冴えと

    柚木みゆき

  • 夜明け冴ゆ胸元にドルフィンマーク

    山城道霞

  • 鼻腔冴ゆとほくの空の割れてより

    沖原イヲ

  • 口笛の途切れて街の冴ゆるかな

    桃園ユキチ

  • 濡れ鼻や109のネオン冴ゆ

    一條流花

  • 罰走中合間に座る土冴えて

    くじら12号

  • 冴ゆる夜の契り儚し吾子よ嗚呼

    松本笑月

  • 冴ゆる夜や二十五年の勤務終え

    坂本 羊雲

  • 溝に臥す犬の末期や月冴ゆる

    山川土時

  • ミサ終えし尖塔の先月冴ゆる

    千葉睦女

  • 親族の集まる廊下冴ゆる夜

    浦野紗知

  • ベツドから冴ゆる街の灯睨みつけ

    菊池克己

  • 地震やめば天井の闇冴えにけり

    飯村祐知子

  • 月冴ゆる仁王の眼力増す

    雨李

  • 星冴ゆる呉の抜錨水光を噛む

    源琳寧

  • 守るべき人に守られ星冴ゆる

    山内彩月

  • 黒犬の吼ゆる門扉よ月冴えて

    杏乃みずな

  • 月冴えて水の匂ひのする女

    武田ラーラ

  • ほろ酔いの同級生や冴ゆる駅

    ユキト

  • 冴ゆる夜の机上に残る季語ひとつ

    志村宗明

  • 冴ゆる夜や棺掛け上の腕時計

    町田明哉

  • 首冴えて寝違えるのを待つばかり

    曇ゆら

  • 冴ゆる月怒りの根っこほどけぬが

    お皺の局

  • 冴ゆる夜のアリーナ保護者説明会

    水豚庵

  • 星冴ゆる靴に挟まる石の音

    立山穂高

  • 冴ゆる夜や故郷を後に40年

    朝里いつか

  • 二人の修復に珈琲冴ゆる夜を

    高田ちぐさ

  • 風冴えて花束稚児を抱くやうに

    藤里玲咲

  • 冴ゆる夜やヨガマット背の優男

    風花まゆみ

  • 冴え冴えと舌に張り付くピルの味

    野村齋藤

  • 湖冴えて空の硬さのそのままに

    すりいぴい

  • 星座盤回せば冴ゆる北の空

    白庵

  • 冴ゆる夜や寝息は近く背は遠く

    櫻心

  • 傭兵は地の塩なれや北斗冴ゆ

    すがりとおる

  • 月暈が後光のごとし月冴ゆる

    阿部ケイの寿砂

  • 冴ゆる夜の調弦合はぬヴァイオリン

    太田けいこ

  • 糧食尽く極夜が重く冴えてゆく

    真井とうか

  • 第九暗譜の苦行冴ゆる月高し

    真咲よしの

  • 冴ゆる夜へ煙や煙製鐵所

    雑魚寝

  • 山冴ゆる箱罠の口開けしまま

    みつれしづく

  • 月さゆや星ことごとくきれいです

    石井京子

  • 日暮冴ゆ三味線の音のやはらか

    坂土海夏

  • 神鶏は足元照顧空は冴ゆ

    須田爪黒

  • ヴィーナスベルトの夕空冴えにけり

    有野 安津

  • 電話にて星座を習ふ海冴ゆる

    陽花天

  • 吾の後を歩幅半分の音冴ゆる

    藻玖珠

  • 冴ゆる夜を黒猫の眼のきはだちぬ

    霧賀内蔵

  • 冴ゆる夜や渡らぬ赤を待つてみる

    平山仄海

  • 重機冴ゆ天にいつぽん釘を打つ

    錆田水遊

  • 冴ゆる夜に夢見ているか犬の耳

    月下檸檬

  • そりたてるハモンの刃痕月冴ゆる

    はなだ杢

  • 五七日の法要のあさ読経冴ゆ

    伊藤てまり

  • 月冴えてただユニゾンの潔さ

    小山まきに

  • しるべなき分かれに冴ゆる風ばかり

    つぶ金

  • 冴ゆる夜や金商人の黒い髭

    大谷 走郎

  • 邪気払う「にらみ」場内冴え冴えと

    吉川花ほっぺ

  • 渋谷の夜冴ゆる義眼の白光り

    ペトロア

  • 剖検室計りの針の錆や冴ゆ

    猪子石ニンニン

  • スターリンク衛星の灯も冴ゆ暮れは

    佐野ちゃり

  • 冴ゆる朝遺影の父の若きかな

    亀くみ

  • ワンルーム冴えて秒針加速せり

    水京

  • 冴ゆる国フレンチプレスの外の国

    兎野紫

  • 月冴ゆる印鑑滲む診断書

    灰色狼

  • 剃刀で開ける封あり冴ゆるかな

    朗子

  • 冴ゆる夜や街灯光の端の吾

    家守らびすけ

  • 冴えざえと並びをりたる形見草

    霜川このみ

  • 目に綾な造花乗せられ墓冴ゆる

    おこそとの

  • 冴ゆる夜や替える老父の紙パンツ

    葉多 豊

  • 十指組む手にロザリオや星冴ゆる

    峰泉しょうこ

  • 東雲を覆ふ鴉のこゑ冴ゆる

    鈴白菜実

  • 冴ゆる夜の通天閣の翡翠色

    一寸雄町

  • 冴えかえる矢音三十三間堂

    老人日記

  • 朝の冴ゆるを聴くか薄目の野良猫よ

    茶門みぞれ

  • 一斉の放水の空飛騨は冴ゆ

    林常住

  • 冴ゆる夜や砂を動かす波の音

    金子月二

  • 圧力二回熟る牛スジ窓冴ゆる

    オアズマン

  • 走るほど吐く息の冴ゆ脳の咲む

    北爪いく葉

  • 冴え冴えと月をくもらす白いくも

    桔梗

  • 星冴ゆる軋む母屋の黒柱

    疋田千優

  • 川音冴ゆ廃墟あまたの温泉街

    幸田柝の音

  • 終電のごとり車庫へと月冴ゆる

    春よ来い

  • 連山へ心音冴ゆるサキソフォン

    きのえのき

  • 昭和百年眠る鏡や月冴ゆる

    花南天あん

  • 冴ゆる夜や眠りし父のラジオ鳴る

    千曜 桜

  • 焼け落ちた家の欠片へ冴ゆる風

    入道 まりこ

  • 冴ゆる日の猫吾を無視し古き椅子

    坂本宙海(そおら)

  • 冴ゆる夜を消灯する義母の無言

    風友

  • 冴ゆる朝臨時ダイヤの紙赤し

    野川お湯

  • 冴え極む駅の立ち食い蕎麦の湯気

    松本こっこ

  • 野々宮の媚茶の社殿風冴ゆる

    千寿 ココ

  • 風冴ゆや墓を仕舞ひて寺を出る

    聞岳

  • 冴ゆる夜の青き炎のIH

    阿万女deノエル

  • 幼子の3000Hzの声や冴ゆ

    大岡秋

  • 冴ゆる夜に揺らぐヤンキー達の円

    甘中翔

  • 鉄路冴ゆ始発に乗れず缶コーヒー

    二上 鷹山

  • 冴ゆる夜の暴れさうなる父とゐて

    明日ぱらこ

  • 再誕の道歩む如星冴ゆる

    想予

  • ひねもすの厨の仕込月冴ゆる

    森一平

  • 冴ゆる夜や淡谷のり子のブルースよ

    宇田女deノエル

  • 米粒の指先に冴ゆ朝支度

    可りん

  • 月冴ゆる硬貨に星の色残る

    佐藤志祐

  • 声冴ゆる撮影待ちのエキストラ

    ときめき人

  • 心音のやうな雨音冴ゆる音

    西野桃果

  • 作品に「了」の字を書く月冴ゆる

    西宮ケイ

  • 注射待つ猫の犬歯や声冴ゆる

    ひねもす

  • 神戸冴ゆ幾千本の竹灯籠

    わおち

  • かがり火や篠笛冴ゆる大蛇舞

    相沢 薫

  • 橋梁の冴ゆや汽笛の甲高き

    唯野音景楽

  • 月冴ゆる君が近くにいる孤独

    盛堂恒子

  • 冴ゆる夜や胸に魔よけの守り札

    檜鼻ことは

  • 空冴ゆる都会のへりは疵だらけ

    はれまふよう

  • 京都駅0番ホーム冴ゆるベル

    なかの花梨

  • 冴ゆる夜は肘かけ椅子に星を抱き

    島田あんず

  • 邪気払う冴ゆる手水に息つまる

    谷 道悦

  • 真空の宇宙冴ゆ鳴き砂の浜辺

    霧 澄渡

  • 冴ゆる夜やカラスの騒ぎ何ごとぞ

    大田白梅

  • 朱のにじむ捨印の虚ろ月冴ゆ

    ねむり猫

  • 冴ゆる夜や夫に王手の駒の音

    岡井稀音

  • 風はいま沈黙まもり声冴ゆる

    紙谷杳子

  • 納骨に集ふ縁者や風冴ゆる

    あらいすみこ

  • 別れにも手順ありけり星冴ゆる

    津々うらら

  • 猫の脇温し冴ゆる朝暗し

    田村美穂

  • 鞆の津に細き路地伸び星冴ゆる

    高橋風香

  • 冴ゆる夜病む子の素足爪長し

    美月 舞桜

  • 冴ゆる夜や養鶏場に十万羽

    横山雑煮

  • 冴ゆる夜に当直医師の走る音

    月見人

  • レーザーポインター冴える星を射る

    ふわり子

  • 冴ゆる夜や点滅返す営業車

    塩田奈七子

  • 豪邸の更地となりし冴え冴えし

    さくら悠日

  • 冴ゆる音の頭上に振られ神楽鈴

    有田みかん

  • 冴ゆる夜や僕はきしきし泣いてます

    まきうち祐

  • 旧友を偲びし夜の尿意冴ゆ

    さかえ八八六

  • バス停にてストレッチ空冴えわたり

    亀亀子

  • 灯り背に黒タイ緩め星冴ゆる

    松岡徘徊狂人

  • 蔵に入る杜氏の眼や月冴ゆる

    杜野 ほたる

  • 冴ゆる夜の駅や「空車」のくっきりと

    かずポン

  • 漆黒の薬師三尊冴えにけり

    石塚碧葉

  • 冴ゆる夜の姓なき家に番地票

     蔵原 貢次郎

  • 牧場冴ゆチーズフォンデュのふつふつと

    ふくじん

  • 冴ゆる月レンズの視野へ隕石孔

    棗椰子(なつめやし)

  • 里山は天動説なり月冴ゆる

    飛来 英

  • 量子論冴ゆ光とは粒と波

    HNKAGA

  • 冴ゆる夜の薄着のランナー白煙り

    桃姫

  • 冴ゆる夜チャイの香りの漂ひて

    南全星びぼ

  • 青白くうねる巨木や冴ゆる月

    長岡美衣珠

  • 冴ゆる空奉曳団ののぼり旗

    おおいし 陽葵

  • 北辰の冴え冴え呼ばふ迷ひ道

    正念亭若知古

  • 絶対の孤独噛みしむ未明冴ゆ

    田中ミノル

  • 恋冴ゆる握らむとす手の湿り

    藤鷹圓哉

  • 拍子木の音の鋭さ月冴ゆる

    仁成

  • 鍛へずに大事に使ふ骨身冴ゆ

    楽椿

  • 鉄塔の幾何学模様冴え冴えと

    赤尾実果

  • 星冴ゆる蛸突き漁へ櫓のきしみ

    えいぎょ

  • 夜明け冴ゆ砂場鉄棒のぼり棒

    木染湧水

  • 輪郭も清に路地裏朝は冴ゆ

    西田武

  • 星冴ゆる坂村真民記念館

    れんげ畑

  • 石像は神の体温へと冴ゆる

    嶋村らぴ

  • 冴ゆる気や表情筋を鍛える夜

    西乃冬雅

  • 海沿ひに街灯の列月冴ゆる

    髙見艀舟

  • 冴ゆる夜や切子グラスは瑠璃の冴え

    鈴木古舟

  • 君の座の空ろのままに夜を冴ゆ

    桜井タケ女

  • 冴える朝人身事故に因る遅延

    せいち

  • 東雲に冴ゆるサドルは薄き白

    五十嵐 三連単

  • 冴ゆる夜の爪が微かに蛍光す

    関津祐花

  • ともに行く子どもの吾よ星冴ゆる

    風蘭智子

  • 俯いた能面冴ゆる陰の意志

    谷野なおなお

  • 水墨の白紙に一筆黒く冴ゆ

    中藤古希

  • 病院の銀の持ち手やただに冴ゆ

    辻本 四季鳥

  • 眼鏡置く音の尖りて夜冴ゆる

    淺野紫桜

  • 冴ゆる夜のブリキの兵隊の螺子よ

    香依蒼

  • 冴ゆる夜に冴えてをるなり我が頭脳

    於大純

  • カノープス冴えて百光年の老い

    恵勇

  • 冴ゆる夜に飛べない鳥の名を知った

    むらのたんぽぽ

  • 宝剣のモルゲンロート山冴ゆる

    吉 や

  • 冴ゆる朝襷に重き百十部

    庭野環石

  • 久しぶり話し疲れた夜道冴ゆ

    林口竹

  • なまめかし赤きペディキュア冴ゆる朝

    みしまちづる

  • 座布団の白菊冴ゆる鈴祓ひ

    松山松男

  • 廃校の時計は疼き星冴ゆる

    城内幸江

  • 冴ゆる夜の鍵盤ミダス王の指

    花屋英利

  • 冴えわたる堂に千一の観音

    林真紗湖

  • 産綱の傷のほんたう月冴ゆる

    ケロリン

  • 上京の暗き始発や眼冴ゆ

    細木さちこ

  • チキン売る濁声吸うて冴ゆる月

    空豆魚

  • 冴ゆる月夜に張り付く星々よ

    鳳凰美蓮

  • バリトンの声明冴ゆる二月堂

    近藤和草

  • 訪ふ人の少なき寺の冴ゆるなり

    荒木ゆうな

  • ペン先の割れて青色インク冴ゆ

    一日一笑

  • 冴ゆる夜や車輪の軋む操車場

    文室七星

  • 軍艦や岩国沖の冴ゆる島

    響楽境

  • 天井の古き靴跡宿冴ゆる

    吉村尚

  • 冴ゆる夜の遺愛の黒のベルベット

    紫鋼

  • 冴ゆる夜や流木に似し母の腕

    能研ショテカ

  • 冴ゆる月水面に影を尖らせて

    森爺

  • 金網の塗装の剥がれ薔薇園冴ゆ

    一久恵

  • 冴ゆる朝日受くる赤き消火栓

    柴そら

  • 月冴ゆる職安の灯の消ゆる頃

    ぎんやんま

  • 冴ゆる夜やなゐに軋める避雷針

    茗乃壱

  • 一番星ひとみとなりて天に冴ゆ

    家古谷 硯翠

  • 背のチェロの影踏み帰る月冴ゆる

    吟  梵

  • トレモロの響く夜や古下宿冴ゆ

    白上誠陽

  • 星冴ゆる砂漠は声を飲み込んで

    えいみ

  • 還暦の賽の河原へ嗄声冴ゆ

    福田みやき

  • 冴ゆる月ケンケンパーの丸たどる

    哀乃縁

  • 縦型の信号冴ゆる富良野かな

    煌星アニカ

  • さえざえと果てる献花に無の欠片

    そまり

  • 安宿のシーツの白く冴ゆ未明

    あやっぺ

  • 誰かゐる職員室の灯の冴ゆる

    喜田紫陽

  • 冴ゆる夜や吾の杖の音に導かれ

    ほんちゃん

  • 冴ゆる朝サナトリウムの息づかい

    猫塚れおん

  • 見上げたる旧監獄の門冴ゆる

    夏草はむ

  • 月冴ゆる鯨は高く潮を吹く

    いこん

  • アポロンの石膏像や月冴ゆる

    こうだ知沙

  • 己が身はドクターヘリに冴ゆる空

    中島裕貴

  • 冴ゆる夜のわさびいなりを二つほど

    アントワネットdeノエル

  • 夜の厨小匙の塩の冴ゆるかな

    与志魚

  • 微睡から覚む機上の青、冴ゆ

    坂本雪桃

  • 冴ゆる夜の作者不詳の追悼歌

    春野ぷりん

  • 月冴ゆる記憶のピース星巡り

    奏月葉音

  • 大峰の山に法螺の音月冴ゆる

    埼玉の巫女

  • 何を祈願しようかとにかく冴ゆる

    渡部克三度

  • 厨冴ゆ朝の包丁は重し

    香羊

  • 玄関の鍵の回らず星冴ゆる

    ふう兎

  • 月冴ゆるメタセコイアの影の中

    小原実穂

  • 亡犬の鈴と歩かむ冴ゆる月

    杼 けいこ

  • 冴ゆるなり深爪の手にうしほの香

    和崎蓮

  • ポンプ漕ぐ滲む指の血冴ゆる朝

    93kgのプッコラ

  • 媼虎猛き静けさ瞳冴ゆ

    渡延 音珂

  • レイトショー終へて支那そば星冴ゆる

    一港

  • ガニ股で網打つ父や夜冴えて

    橋本諒駿

  • 宮島の消えずの霊火闇に冴ゆ

    空郷 阿房人

  • 空冴ゆやストレッチャーに凸凹を

    風かおる

  • 石鎚冴ゆ校内マラソンホイッスル

    定位置

  • 銀河冴ゆコスプレ撮るも撮られるも

    玉造 連翹

  • 冴ゆる夜や短冊一葉なほ白し

    喜寿にありけり

  • 風冴えて魚藍観音愛らしく

    胡桃ぼたん

  • 半地下の納骨堂の如来冴ゆ

    バンブー

  • 冴ゆる夜や耳朶はとぼけていたり

    松島泉

  • 震災を無常観にて声冴ゆる

    石鎚山大三郎

  • 鬼平の七巻終えて月冴ゆる

    芝野浅次郎

  • 冴ゆる日の気持ち良さげな湯灌かな

    わたなべ☆いつせい

  • 冴ゆる夜や歯を食ひしばる生理痛

    伊藤恵美

  • 冴ゆる夜の夫とラーメン啜る音

    加納仁桜

  • 冴ゆる夜の濁り深めるカラザかな

    内藤羊皐

  • 冴ゆる夜や入院支度慣れっこに

    生季音

  • 張り込みのあんパン固し月は冴え

    うめやえのきだけ

  • 夜道渡るピクトグラムの青や冴ゆ

    武 志望

  • 冴ゆる夜の便座の微温もどかしく

    佐川碧

  • 透明な術後の痛み月冴ゆる

    伏見丹耶

  • 大気冴ゆ各細胞の息遣ひ

    義日月

  • 月冴ゆる静まり返る漁師町

    かとしん

  • 月冴えて春琴抄な針に糸

    シュリ

  • チェーンフェンスに鹿の歯跡や月冴ゆる

    延命寺

  • 蒼空に無音の孤独月冴ゆる

    水蜜桃

  • 冴ゆる夜や外階段のピンヒール

    じゅんこ

  • 子には子の親には親の月冴ゆる

    空心菜

  • 風冴ゆる廃線駅の窓ガラス

    渡辺わたる

  • 冴ゆる朝きーんと耳の調律す

    すがのあき

  • 野良猫の目ん玉光り真夜冴ゆる

    渡邉志づ

  • 冴ゆる野や踏めばこぼるる土の音

    帷子川ソラ

  • 通夜客の見送りの列星冴ゆる

    三日月なな子

  • 薙刀の少女一列声冴ゆる

    ほしのあお

  • ガラス窓顔のむかふに月や冴ゆ

    儚子

  • 機長アナウンス冴ゆる東京の夜

    清松藍

  • ミニチュアも欠航の旗さゆるかぜ

    稲川ほろろ

  • 冴ゆる夜の箪笥の底の金貨かな

    露崎一己句

  • 冴ゆる空パンザマストの途切れけり

    仮名鶫

  • 鬼怒川の揺るる吊り橋風冴ゆる

    辻 花和音

  • 幻聴のひくりに目覚む独夜冴ゆ

    あまぶー

  • 訃報来て冴ゆる夜へと出しかな

    虎穴虎児

  • 月冴ゆる踏みつけらるる邪鬼の顔

    小泉久美子

  • 吊橋を渡る一歩や山冴ゆる

    愛燦燦

  • 金色のひかりよ生れよ影冴える

    井川矢亜子

  • 鍵つ子の右肩冴ゆる日本海

    子猫のミル

  • 冴え冴えとガラスの刺青江戸切子

    山崎千晶

  • 冴ゆる朝の白湯整腸剤苦し

    如月 ゆう

  • 電柱に花束ひとつ冴ゆる月

    駄々

  • 朝五時のねじりのポーズ冴ゆるなり

    智 幸子

  • 漆黒の海のクレーン星冴ゆる

    千・いつき組広ブロ俳句部

  • 帰り道雲は悠々冴ゆる月

    寺嶋杳杳

  • 投光器につるはし冴ゆる午後十時

    弘友於泥

  • 幕間のマイクと椅子と鼓動冴ゆ

    野点さわ

  • 冴ゆる灯やレントゲン撮影の無音

    石川さん子

  • 冴ゆる夜や熱を持ちゆくコルティ器

    和住 緋弧

  • 冴ゆる夜ぽつりぽつりと昭和歌

    佐々木 佳芳

  • 波の音や残月冴ゆる松林

    加藤水玉

  • 冴ゆる夜や千古の青磁貫入す

    広島あーやあーや

  • 冴ゆる来光軽井沢の弟

    愛柑いつき組note俳句部

  • 母逝くや山木も風もなべて冴ゆ

    蓮見玲

  • 逆さまのSLIMと犬らの冴ゆる夜

    ノリウェイ

  • 人影の手術室へと冴ゆる朝

    亀山酔田

  • 証拠ないドコモショップの帰り冴ゆ

    Karino

  • アフレコを褒められ帰路の星冴ゆる

    鳥田政宗

  • 逃避との境焼山寺道冴ゆ

    弘法小子

  • 言の葉の冴ゆる最中を王は老ゆ

    長谷川水素

  • 声低きぶつかり稽古冴ゆる朝

    田畑 整

  • デトックス五臓六腑に月冴ゆる

    陽柑

  • 冴ゆる影川底に置く鯉の群れ

    町神

  • 松冴えて研ぎ澄まし舞う能楽堂

    小箱 守

  • 通用口向き変へられし灯冴ゆ

    汀望人

  • 冴ゆる夜や天井の龍咆哮す

    岡山小鞠

  • 月冴えて畑に広がる茶の畝り

    大関 邦友

  • 冴ゆる夜がいま肺胞に届きけり

    白子ポン酢

  • バリケードテープの遊具月冴ゆる

    茂田野マイ子

  • 声冴える天寿と言いし司会かな

    中村笙平

  • 独り居の深夜の鍵の穴冴ゆる

    比良山

  • 母逝きて坂登る果て冴ゆる青

    さとうぽの

  • 月冴えて火攻めの窯の火の白し

    高尾一叶

  • うごきだす鳥獣戯画や月冴ゆる

    木村カズ

  • 冴ゆる夜や村正拭ふ鬼の人

    神島六男

  • 冴ゆる夜やガードレールの深き傷

    裕月 遥

  • 冴ゆる夜の白き陰翳瑞気たつ

    秋葉 翠

  • ベルリンの壁の薔薇へと風冴ゆる

    剣橋こじ

  • お腹の子ぐるり臍まで酸素冴ゆ

    蜜がけまやこ

  • 建方の鉄骨冴ゆる宙に住む

    都築減斎

  • 酔いざまし自販機もたれ冴ゆる夜

    星夢 光風

  • 冴ゆる夜や一合酒に酔ひしれて

    渡邉花

  • 星冴ゆや金串で孔穿ちたる

    山崎なお(前回は、お休みをしました)

  • 森暗し一曲聴こゆ笛の冴ゆ

    むじーじ

  • 婚約の窓やビル群夜景冴ゆ

    泗水ハオ

  • 祠冴ゆ白きとぐろがご神体

  • 冴ゆる国道ABSの振動

    浅井ねむり

  • 冴ゆる朝真白になりし老眼鏡

    杜まお実

  • 空に神話螺鈿光の道冴ゆる

    森田正治

  • 雑踏の孤高ますます冴ゆばかり

    國本秀山

  • 冴える夜や土星に見ゆる穴二つ

    赤尾てるぐ

  • 冴ゆる鐘マグロ初セリ耳を裂く

    宮沢 韋駄天

  • 継続・転勤・退職・その他帰路冴ゆる

    青海也緒

  • 表札冴ゆ入口一つの同居かな

    葉るみ

  • 組み上げし鉄骨牛舎冴ゆる梁

    百瀬はな

  • ドア多き屋敷にひとり夜の冴ゆる

    いそ野ふらぼん

  • 暮れなずむアクロポリスに月冴ゆる

    福島 昇天

  • 風冴ゆる鳩のすくめる細き首

    本多 弘幸

  • 月冴えて賢次の列車通るらん

    中村 自在

  • 冴ゆる夜の鳥籠を揺る息遣ひ

    橘鶫

  • 誰も祈るごとくに冴ゆる駅ホーム

    酔下弦

  • 水を打つ静か耳鳴り風冴ゆる

    じんのzoz

  • 冴ゆる夜やビーフシチューと銀の匙

    もふ美

  • 人冴えて東京駅は無表情

    野原 華

  • 冴ゆる夜の母の吟行てふ家出

    空地ヶ有

  • 銀河冴ゆゴッホの耳に白き布

    青野みやび

  • 月冴ゆや眠りを奪ふ既読スルー

    木下風民

  • マイルスに火照りし律動銀河冴ゆ

    千葉転石

  • 蝋溶けて累累と冴ゆ二七日

    落句言

  • 瓶底に居らばや空の蒼く冴ゆ

    空 遥翔

  • 冴ゆる夜や特攻基地のありし跡

    月影 重郎

  • 黒光る階段冴ゆる天守閣

    かわいはる

  • 冴ゆる河岸びゅびゅうびゅびゅうと遊ぶ子よ

    福山くるみ

  • 金杯の夢の千切れた馬券冴ゆ

    松尾 鶯

  • 矯正の痛みは惰性に冴ゆる夜

    西 雨音

  • 空冴ゆる四万十川に星の降る

    竜退治の騎士

  • 沙弥草履ほつれ一つや朝冴ゆる

    松崎重三郎

  • 風冴ゆる扁額拝し一礼す

    きべし

  • オーロラの音なき揺らぎ天地冴ゆ

    acorn

  • 無音てふ中に無音の音冴ゆる

    豊美島生男

  • みじめな私を射通せシリウス冴ゆ

    斯波 子庭

  • 渡り廊下冴ゆ朝練のあいうえお

    原田くろなつ

  • 冴ゆる夜や鼓膜に震ふ星の声

    哲庵

  • 運転見合わせホームは星冴ゆる

    春蘭素心

  • 月冴ゆ地獄は安い酒がいい

    りんたろう

  • 月冴ゆや言い訳はなお嘘めいて

    沙那夏

  • 月冴ゆる卒寿の母の脳鈍る

    向日葵姐、いつき組広ブロ俳句部

  • 冴える夜や山毛欅の弾けのまたひとつ

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 風冴ゆる波間に重し佐渡の影

    北斗星

  • 雨あがる高層ビルのエッジ冴ゆ

    堀雅一

  • 冴ゆる野に一眼レフのシャッター音

    小山晃

  • 冴ゆる月天使はみんな眠りをり

    立野音思

  • 声冴ゆや見る間に遠ざかるきずな

    吉丈月子

  • 冴ゆる夜や己が唾に噎せ込みて

    川越羽流

  • 風冴える浴びすぎて落ちそうな愚痴

    だいやま

  • 冴ゆる夜や赤き薬包紙の中身

    宇佐美好子

  • 遺骨抱く車窓はるかに月の冴ゆ

    後藤三梅

  • 金箔のモザイク冴ゆる大聖堂

    多々良海月

  • 冴ゆる夜やiPhoneで聴く藤井風

    増山銀桜

  • 亡骸を掬ひし須磨の波冴ゆる

    月絵絵雲

  • 風やみて輪郭冴ゆる瀬戸の島

    白井佐登志

  • 風冴えて星と競ふや機の点滅

    ださんさん

  • 月冴えて歩く気分は素浪人

    木村深夜

  • 遠き日の恋文燃やす炎冴ゆ

    木村 葉吾人

  • 冴ゆる夜を祖母の吉四六ばなしかな

    山口葵生

  • 喉元の釦の硬さ月冴ゆる

    河上摩子

  • 外国人大工九割風冴ゆる

    赤尾双葉

  • 取り壊し蠢く鋼音冴ゆる

    前原鶏頭

  • 学舎冴ゆ今日も絶交して帰る

    中村想吉

  • 冴ゆる灯や古書の頁の香ほのか

    のりこうし

  • 籠球の冴ゆるコートの白き角

    高原としなり

  • 負け惜しみきっとバレてる月冴ゆる

    糸田 つぶさ

  • 星冴えてめぐるや移植記念日

    空 ひろ

  • 非常階段錆びた鉄骨に冴ゆ

    まるかじり

  • 冴ゆる星や握りて離る握手会

    ぽんたちん

  • 月冴ゆるコンビニ無人の駐車場

    虹岡思惟造

  • 冴ゆる朝オリーブオイルの発光

    笹 靖子

  • 復旧の現場や簡易トイレ冴ゆ

    小手川とし

  • 尻を掻く猿の真顔や冴ゆる山

    嶋田奈緒

  • 冴ゆる夜曇りガラスの異国の地

    ほのちゃん

  • 月冴えて置き配のまま主はまだ

    コモドドラゴン

  • 冴ゆる夜や白き震への鼻カニユレ

    阿波の風

  • 十五日参りの御神酒口に冴ゆ

    まりい木ノ芽

  • 星冴えて十津川村のキャンプ場

    小林番茶

  • 単身へ戻る日曜嘆冴ゆる

    伊ナイトあさか

  • 不燃ごみガシャキン冴ゆる月曜日

    山羊座の千賀子

  • 薄明のマケット冴ゆる鑿の音

    どせい舎

  • 冴える夜や棺の母の白き顔

    ゆず柴

  • 非常ベル飛び起き闇夜の冴ゆるかな

    井上美月

  • ばかやろうキリキリ冴えて涙目だ

    希布

  • 手水舎に大楠の影月冴ゆる

    香壺

  • 冴ゆる夜や瞬きのごと星落つる

    菊地静月

  • 白い空映し流るる川冴ゆる

    みつき 夏

  • レコードは中島みゆき冴ゆる夜

    くぅ

  • 冴ゆる朝物干し竿へ重き服

    丸井ねこ

  • 裏切りの行為は夜の音冴ゆる

    星影りこ

  • 百三十八億光年冴ゆる今

    澤木樹心

  • 冴ゆる夜の貧しき時計とき刻む

    鈴野蒼爽

  • 身の内の獣の匂ひ星冴ゆる

    山下健太朗

  • 冴ゆる夜や音なきヘッドホンを付け

    大和田美信

  • 冴えざえと旧監獄の尖り屋根

    守田散歩

  • 還暦が来る前日や空も冴ゆ

    奈保

  • 経堂の書を這う塵も冴ゆる朝

    ふみ

  • 冴ゆる夜やマクベス夫人教唆する

    中岡秀次

  • 冴える星タンバリンいま振り上げて

    ルーミイ

  • 母屋の蔵へ錠前の黒く冴ゆ

    新濃 健

  • みろくの世西へ晩鐘音冴ゆる

    片平仙花

  • 音叉冴ゆ宇宙の波と重なつて

    うた 歌妙

  • ジョイント音冴えて気動車暮るる野へ

    和田宏泉

  • 宿の窓富士の隣に月冴ゆる

    滝美音

  • 水瓶の冴ゆる旧家に靴を脱ぐ

    清水縞午

  • 帰り道空転タイヤ唸り冴ゆ

    ニリンギ

  • 冴ゆる夜や詐欺のメールの点滅す

    川崎ルル

  • 暁に映ゆ鉄塔の冴ゆるかな

    伊藤 蒼邨

  • 風冴ゆる工事現場の旗の人

    渡辺 小豆

  • 授乳せば色なき爪の冴え冴えと

    吉田一葉

  • 冴ゆる夜の祈り正法御和讃の持鈴

    逢來応來

  • モーツアルト冴ゆる星が瞬く音

    十亀

  • 冴ゆる夜の病牀六尺声のして

    小田毬藻

  • 暁の月は冴え吾は猫送る

    宗平真実

  • 冴ゆる夜や〆のラーメンあと五組

    土佐俳句人

  • 冴える朝むすめふさほせ狩る鼓膜

    青い小鳥

  • 冴ゆる路地猫のしっぽについて行く

    西柊

  • 巻貝の年輪冴える夜に生まれ

    なか かよ

  • 留守番の心ざわりと冴ゆる夜

    なつめモコ

  • 海神の立つ佐渡島月冴ゆる

    じゃすみん

  • 隔離室出窓に冴ゆる月ひとつ

    横山ひろこ

  • 冴ゆる夜や星座辿れば北斗星

    卑弥呼

  • 三年の合唱練習風冴ゆる

    千葉水路

  • 合鍵の合わぬ鍵穴冴ゆる月

    葉月庵郁斗

  • 生国や山鳴りがいま夜を冴えて

    川村ひろの

  • 街冴ゆる帰路を急ぐ白杖の音

    眞由美

  • 星冴ゆる黒曜石は糞となり

    輝棒

  • マネキン吊る登攀具店冴ゆる夜

    彫刻刀

  • 冴ゆる夜のわれを取り込みさうな枝

    二城ひかる

  • 月冴ゆる蝦夷の獣を眠らせて

    コタロー

  • 鳴り潜むネオンサインを馳せて冴ゆ

    スズナ

  • 風冴ゆる靡く袖下水面月

    沼田衛次

  • 爆音の黒雲月冴ゆを覆う

    吽田のう

  • 色水の光すら冴ゆ次節かな

    山本葉舟

  • 沿道に灯冴ゆる再配達のバン

    石川穴空

  • シャーペンの音の冴ゆ居間午前二時

    北乃薫衣草

  • 碧ひく彗星の冴ゆ謎乗せて

    三宅翔丞

  • 朝冴ゆる庭師の置いた竹箒

    うましか(志村肇)

  • 富士目指すごと冴えて第三京浜の朝

    斉藤百女

  • 状況終え向う廠舎の灯冴ゆ

    たていし 隆松

  • 耳朶の痛点ひしと銀河冴ゆ

    無弦奏

  • 冴ゆる風撫でるや骨を軋ませて

    山川道樂齋

  • 冴ゆるなり閉店告示店主逝く

    林 恵光

  • 喧嘩して独りドライブ星冴ゆる

    青女の花

  • 果てを突き灯る岬やぽつと冴ゆ

    えみまる

  • 湯呑冴ゆ老いか甘えかつかぬまま

    奥井地洋

  • 髪切って真っ直ぐ歩く街や冴ゆ

    香山リカ

  • 打ち切られた進路相談冴ゆる帰路

    二十八

  • 冴ゆる夜の灯火のやうにヴォカリーズ

    ふじこ

  • 冴ゆる朝生きる覚悟を問われおり

    雨森 茂喜

  • 冴ゆる夜や息吐き切りて空の黒

    樽井薫

  • 針金を捻じる指に血風冴ゆる

    岡田瑛琳

  • 鼓冴ゆ姫に化けたる鬼の舞

    栞虫かじり

  • 夜明け冴ゆ渋谷スクランブル交差点

    かねつき走流

  • 熱の子を家鳴りあばれる窓や冴ゆ

    風早杏

  • 無灯火の文芸部員に月冴ゆる

    鶴舞櫻山

  • 月冴ゆるヒーローだった兄の通夜

    めでかや

  • 外階段冴ゆや右足左足

    京野さち

  • 新調のシャカシャカ翔ける朝冴ゆる

    みたまん

  • 竿振るや風冴えわたる防波堤

    東門俊一朗

  • 新宿冴ゆ広場のチューリップは造花

    加藤栗庵

  • 祝詞冴ゆ産着の吾子のしゃっくりよ

    小鳥遊こはく

  • 冴ゆる夜のシャッタ-の鍵黒き音

    川蜷

  • 念仏の声冴ゆ数珠に苔瑪瑙

    狭霧文哉

  • 冴え冴えと送り先不明の葉書

    窪田ゆふ

  • 真空を超えて届きし冴ゆる星

    田辺富士雄

  • 留守電のたつたひと言月冴ゆる

    北田立緒

  • 星冴ゆる何故かあくびの出てしまふ

    絵十

  • 鍋釜の眠る厨や夜の冴ゆ

    三上 栞

  • 隣人のフェイクダイヤのピアス冴ゆ

    冬のおこじょ

  • 音冴ゆや固めた斜面を切るエッジ

    ムシ・ミカミ

  • 人伝に聞く父の死や月冴ゆる

    松田寛生

  • NAVIは道なりに百キロ月冴ゆる

    三河三可

  • 冴ゆる夜やダイヤル錠のカチと合ふ

    オキザリス

  • 月冴ゆる波折の音か咆哮か

    羊似妃

  • 老犬の冴ゆる廊下の心拍数

    夏 しのぶ

  • 難攻不落の城壁反りて月冴ゆる

    どこにでもいる田中

  • 終末ケア告げ来る医師のまなこ冴ゆ

    美竹花蘭

  • 鐘冴ゆや法衣裂けたるニ撞きめ

    らん丸

  • 冴ゆる夜母はテレビの音を下げ

    恋瀬川三緒

  • 月冴ゆる足場組みたる氏神社

    小林理真

  • 青き菜をサクリと断つる刃先冴ゆ

    野原りん

  • 橋冴えて踏んだ強さで凹みたる

    小公園噴水

  • 炎噴くトラック過ぎる夜冴ゆる

    刈屋まさを

  • 冴ゆる夜の星の骸は花と揺れ

    haruwo

  • 音読の跳ねる吃音空は冴ゆ

    橋本鳩子

  • 青空は芯へ向かって冴えにけり

    飯沼深生

  • 骸なる蜘蛛は人無き土間に冴ゆ

    紫水晶

  • 冴えてくる雲ひとつない夜の幕

    雨を知るコオリ

  • 風冴ゆる青きベンチのにほひかな

    春の幸

  • 冴ゆる夜や剃刀と化す細い月

    壱太

  • 筆を抜く半紙に浮かぶ文字冴ゆる

    島陽広

  • 冴ゆるころラマーズ法に産声に

    正岡田治

  • けあらしに影差す小舟汽笛冴ゆ

    村上熊子

  • 初めて見る埋葬許可書冴ゆる夜

    雨戸 ゆらら

  • 暁の冴ゆる風音やかたほとり

    篠川 翠

  • 冴ゆる夜や清めの塩の残る袖

    ゴーマ

  • 邪は明るき業や冴ゆる月

    草夕感じ

  • 月冴えて魔女の大鍋くつくつと

  • 靴下よ冴ゆる夜勤の水たまり

    山次

  • 月冴えて瓦礫の街にひとりゐた

    ウラッキー

  • ゲネプロに夜の女王のアリア冴ゆ

    今乃武椪

  • ふるさとは過疎の地冴ゆる棚田の地

    小田龍聖

  • 冴ゆる日々北の大地の我が母校

    小田虎賢

  • 月冴ゆる並木道の消失点

    スマイリーk

  • 協議書にまだ出ぬ答え月冴ゆる

    森重聲

  • 上京の準備気忙し月冴ゆる

    深森佳鶴

  • 干し並ぶ地下足袋の影月冴ゆる

    岩瀬正人

  • 老松に舞ひたる翁月冴ゆる

    富永武司

  • 御神木枯れて刈られて冴ゆる夜

    神谷たくみ

  • 冴ゆる朝ぬか床生かす指あかし

    つづきののんき

  • 地下降りて冴ゆる暗闇鞍馬寺

    寺尾向日葵

  • 快速の止まらぬ駅や風冴ゆる

    剛海

  • 若者の腰に鍵束冴ゆる夜

    佐藤茂之

  • 蔵屋根に小さき鐘馗や星冴ゆる

    宥光

  • 退院日待合室の時計冴ゆ

    故里恋心

  • 冴ゆる風見えぬ力が身に沁みる

    池田  凜

  • 夜勤明けほどける体月冴ゆる

    近藤マタネ

  • 月冴ゆるさながら夜叉となりぬべし

    羽柳武助

  • 古地図に考の字冴ゆる満州と

    宗平圭司

  • 百千のゼムクリップの渦冴ゆる

    東山すいか

  • 解剖の授業待たるる器具冴ゆる

    ふみの手帯

  • 星冴えてコンビナートは銀の森

    野々村澄夫

  • 先見えぬ夫の介護や部屋の冴ゆ

    春のまさ女

  • 冴ゆる灯や遠くに白き浅間山

    上津 嘉子

  • 幻に金剛割るる如く冴ゆ

    IquedaQuenshi

  • 冴ゆる夜は病室の壁なぐりたく

    はっとりじいじ

  • ポスト冴ゆ封筒の白き角つんと

    那津

  • 修験者の「懺悔・懺悔」に山の冴ゆ

    六根清浄

  • 父の死の報は冴ゆる夜鼓動疾し

    もちのくも

  • 夜の美空切れ長の目に冴ゆる月

    摂田屋酵道

  • 能面の冴え冴えとした土間の壁

    おまち 草

  • 天守台そびえ転用石の冴ゆ

    小川都雪

  • 冴ゆる夜朱肉のうまくのらぬ印

    槇原九月

  • 少年の路上ライブの声冴ゆる

    タケザワサトシ

  • 月冴ゆる猫抱き緩歩す橋の上

    恵守蒼天

  • 冴ゆる夜無音の中の音を聴く

    丸山隆子

  • 冴ゆる夜や磨く硬貨の錆深し

    藤咲大地

  • 地鎮祭若き宮司の祝詞冴ゆ

    伊藤なお

  • 遺伝子は無限に憑依星冴ゆる

    砂山恵子

  • 岨道の鈴もゆらにと岩に冴ゆ

    中田二俊

  • 明け方の靴音冴ゆと死刑囚

    あたしは斜楽

  • 漁火の機窓に冴ゆるひとところ

    たこぼうず

  • 冴えわたる夜半を突き抜くバイク音

    児玉すず子

  • 冴ゆる夜の太陽の塔腕太し

    じょいふるとしちゃん

  • 改宗の誓いモスクの灯冴ゆる

    水越千里

  • 言の葉の冴えて虚空に固まりぬ

    渡辺宵雨

  • 電線の冴えて碧空搔きむしる

    雪さやか

  • 準夜勤終えてサドルは冴えにけり

    あねもねワンヲ

  • 次の世の棲家は何処星冴ゆる

    鶴岡木の葉

  • 水の星冴ゆ宇宙移民計画

    妹のりこ

  • 海冴ゆる湯気立つ岸へ船つづく

    利尻

  • 鳥影へレンズ調節冴ゆる朝

    さがみ湧水

  • 初恋や牛乳瓶に冴ゆる口

    萩野穂々々

  • ゆっくりと茶柱立ちぬ冴えし朝

    金治宜香

  • ハシュタ冴ゆただただ仰ぐオーロラよ

    田村 宗貞

  • 夜空冴ゆベテルギウスを掴まえる

    御簾紫音

  • 冴ゆる星三たび目となる喪主勤め

    大月 銀

  • 光よりうまれし雫冴ゆる葉へ

    森野みつき

  • 冴ゆる身を持て余してや万歩計

    あさのとびら

  • 祈り満ち冴ゆる三宮の夜明

    東原桜空

  • 寺冴ゆるぽつりぽつりと遍路くる

    海猫

  • パトライト消えてウインチ音冴ゆる

    芦幸

  • 冴ゆる夜や帰らぬ猫の五百日

    細田裡子

  • 鐘冴ゆる十円玉を花立に

    銀猫

  • 冴ゆる朝北斗の位置を確認す

    無花果邪無

  • 柏手の響天まで冴え渡れ

    航海

  • 神馬舎の奥は神山青き冴え

    糸川ラッコ

  • 冴ゆる月父恋しがる母を抱く

    小川しめじ

  • 銀紙の冴ゆや板チョコ分かちあふ

    くずもち鹿之助

  • 粛々と進む蕎麦切る音冴ゆる

    君塚美蕉

  • 膝の上子が甘え寄る外は冴ゆ

    陸野 かめぽん

  • 弓引くや親指の根の軋み冴ゆ

    暁 雲海

  • 冴ゆる夜は巨木の悲鳴ニプシなり

    北美三風

  • 声冴ゆやをとこふたりの八畳間

    野瀬藻石子

  • 月冴えて陶器の罅の内明るし

    鹿野川小舟

  • 月冴ゆる屍鯨埋設保管中

    石浜西夏

  • 冴ゆる夜や『ドレミの歌』を自分へと

    泉吉桃宝

  • 冴ゆる夜やドローン向かふ発電所

    田邉真舟

  • 月冴ゆる貨車繋がるる時に声

    神戸のトシくん

  • 職歴の無き履歴書や冴ゆる星

    ピアニシモ

  • 炭住の折れた煙突冴ゆる月

    猫またぎ 早弓

  • 登校の反抗期等や声冴ゆる

    おおきどくん

  • 武蔵野の空へ中央線や冴ゆ

    梵庸子

  • 風冴ゆや駅舎混雑人身事故か

    虎の尾

  • 西へ向かふ死者の足跡月冴ゆる

    萩女

  • 冴ゆる夜の千人風呂の硫黄泉

    卯之町空

  • 冴ゆる日や愛してゐるといふ本音

    ことまと

  • 精米の冴ゆる白さや研ぎの水

    田村利平

  • 精密に削られし朝鋭利に冴ゆ

    奥山 言成

  • 冴え渡る原子番号1の音

    馬場福朗

  • 薄暮冴ゆ碧き造船所のキリン

    季切少楽・広ブロ俳句部

  • 腹の皮をにぎり締む夜や渇き冴ゆ

    原神 かたな

  • 冴ゆる朝テレビ点けても観なくても

    みにとまあいこ

  • 自販機の売切ランプ冴ゆる夜

    谷本均

  • イムジン河隔て無人の街冴ゆる

    玖良咲

  • 初産の六人部屋や富士冴ゆる

    夢雨似夜

  • 読み足らぬ狩行の詩や冴ゆる月

    中原柊ニ

  • 一本の脚の鳩見失ひ冴ゆ

    ほしの有紀

  • 月冴えて日本列島美しき

    池 閑茶

  • 冴ゆる星海峡を風吹き裂きぬ

    林 うんべらーた

  • 銀河冴ゆ黄泉比良坂この辺り

    浩子赤城おろし

  • 冴ゆる夜の泣き声脳の奥痛い

    とんぶりっこ

  • 冴ゆる息刻む手元が待つ主

    石川白蜂

  • 電気ウキじわつと沈み風冴ゆる

    山口康煌

  • 耳鳴りの身を貫きて無音冴ゆ

    白神ハムサンド

  • 冴ゆる夜の酒瓶の蝮動きをり

    青星ふみる

  • 冴ゆる音建長寺に残る祈り

    原貼女

  • 詩集冴ゆひらがなの輪郭歪む

    東沖和季

  • ​目冴ゆるや幻覚空の保育器よ

    紙野句丹

  • 星冴えの登山マキネッタの噴火

    虎有子

  • また開く各停のドア冴ゆるバネ

    八一九

  • 冴えわたる青空富士よ独り占め

    林 和寿

  • 星冴ゆる山の麓のスタジアム

    横山三水

  • 乗り継いでアイガー冴ゆる山の宿

    椿泰文

  • 小児病棟ナースコールも冴ゆる夜

    ロシナンテ

  • 万物はみな静止画の如く冴ゆ

    原颯太

  • 冴ゆる朝十年ぶりの逢瀬いざ

    堀邦翔

  • 星冴えて縁側の鉢話し出す

    黒蜜きな子

  • 尺八のムラ息強し風に冴ゆ

    かぬまっこ木ノ芽

  • 脈々と地層に冴ゆる化石かな

    蜥蜴の尻尾

  • くしゃりともできぬモニター通知冴ゆ

    三群梛乃

  • 星冴える宇宙の果てに色なきか

    木寺 仙游

  • 水冴えて重き屈折向かい席

    絵夢衷子

  • 理科室の人体模型空気冴ゆ

    杉柳才

  • 冴ゆる夜は骨まできっと月の色

    森毬子

  • 冴ゆる夜や選択肢なき告知受く

    岡井風紋

  • 月冴ゆる母の眠りを妨げて

    花星壱和

  • 星冴ゆるまた土曜日の逢瀬かな

    杉尾芭蕉

  • 冴ゆる朝目覚めぬままの髪結う手

    砂月みれい

  • 安コップ弾く指かな冴ゆる夜

    みみみ

  • 聖堂の夜明けの冴ゆや樹の嗚咽

    如月ゆみこ

  • 大楠の齢を知らず月冴える

    中島尚之

  • 冴ゆる朝メンテナンスの重機達

    橋大(きょうだい)

  • 家減りし湖岸の村や星の冴ゆ

    桃山直(円海六花改め)

  • 冴ゆる夜に全き素数見つかれり

    居並小

  • 腑に潮の臭いやシンク冴ゆ

    柚子こしょう

  • 冴ゆる朝神の息吹の聞こえけり

    リコピン

  • ヘ短調冴ゆグノシエンヌ一人きり

    織 紫子

  • 嫌なこと綺麗さっぱり冴ゆる夜

    木村となえーる

  • 難問の模解の余白星冴ゆる

    和泉穣

  • 月冴ゆる零時以前の恋人よ

    火星ラジオ

  • 冴ゆる夜の屋台に昇る湯気柱

    中田邦光

  • 残り月ひと欠片群青に冴ゆ

    飯田蛙子

  • 昇段試験は天覧席より冴えてゆく

    松本独り

  • 電飾の冴えて生身を寄せ付けず

    紗羅ささら

  • 風冴ゆる沖の笑顔や網をひく

    田乃無骨池田

  • 月冴ゆる峠に獣の匂いかな

    みなみはな

  • 冴ゆる夜の新幹線の音は濃し

    朝宮馨

  • バス待ちて星冴ゆる音ききにけり

    青葡萄

  • 冴ゆる夜の市電の音のますぐなり

    村木年子

  • 地鳴り冴ゆ一センチずれし吾の家

    風の母

  • 公園に切り込む風の太刀や冴ゆ

    沖乃しろくも

  • 冴ゆる夜や死にゆく白色矮星

    十六夜の花札

  • 涙冴え頬の産毛の影となる

    だん がらり

  • 待望のケサランパサラン鼻腔冴ゆ

    柑青夕理

  • 夜をこめて冴ゆる伽藍の鬼瓦

    蜘蛛野澄香

  • この星は吾唯足るを知らず冴ゆ

    ぐりえぶらん

  • 冴ゆる月被災ピアノのハ短調

    安春

  • 月冴えてざわざわと過ぐ群鯨

    小金

  • 真空のやうな広場に口語冴ゆ

    高遠みかみ

  • 冴ゆる夜や白銀色に寒冷紗

    金子泰山

  • 逆さ屏風のまろ顔に指す紅の冴え

    きゅうもんde木の芽

  • バレリーナに還る先生星冴ゆる

    猪倉さえこ

  • 冴ゆる夜や熟考のチェックメイト

    ナゾラブ

  • 悲話に死は甘く語らる夜は冴ゆる

    男鹿中熊兎

  • 国境は静か砂漠の水路冴ゆ

    感受星 護

  • 冴ゆるまでエッシャーの坂上がりをり

    乃咲カヌレ

  • 高々と開けし空の冴えにけり

    登盛満

  • 星冴ゆる辻󠄀井伸行のカンパネラ

    東田 一鮎

  • 母形見通す袂に風冴ゆる

    笹団子

  • 冴ゆる夜のブリュレや明日は会えるかな

    白沢ポピー

  • 吾が唇を弾きて冴ゆる死化粧

    春海のたり

  • 冴ゆる夜や獣の匂いかすかなる

    冬乃子

  • 冴ゆる風睨む八方絵図の竜

    奈良の真

  • 登校の鈴の音近し冴ゆる朝

    清水千種

  • 月冴えてタンカー島のごとき影

    楽花生

  • 星冴ゆる駅員一人指呼とる

    山口雀昭

  • 星冴ゆる川の袂に古墳群

    横山山水

  • テレビ消し窓開け聴くや鐘冴ゆる

    小澤翔明

  • 冴ゆる丘ハモニカ少年死んだ空

    人見直樹

  • 能管の冴えて鏡の松青し

    竹田むべ

  • 笛の音は神の気息ぞ堂に冴ゆ

    タケ

  • 星冴ゆる機種変更が消した過去

    徹光よし季

  • 死はきっと無限宇宙の星の冴え

    武藤あきみ

  • 藁草履つつっ錫杖の音冴ゆる

    みやざき白水

  • 冴ゆる声連絡船の二等室

    馬門宗太

  • 告白は湖畔のテント冴ゆる夜

    橋本 有太津

  • 冴ゆる夜や曇り硝子の浅き傷

    つくばよはく

  • 傷跡は鎖骨の砦月冴ゆる

    櫂野雫

  • 街灯はLED冴ゆる帰宅

    清鱒

  • 校歌冴ゆ坂の向こうが吾が母校

    内木場 拓庵

  • 冴ゆる夜の岬へ細く白き道

    たけぐち遊子

  • 暮れなずむ瓦礫置き場に風の冴ゆ

    石原由女

  • 冴ゆる夜の指にざらつく硬貨かな

    ふもふも

  • 買ひ手待つ空き家に車風冴ゆる

    へこりん

  • 井戸水を上げるモーター音冴ゆる

    どれみすみ

  • アスファルト母の杖から冴え始む

    濱野 五時

  • 野辺山の宇宙電波の冴ゆる夜

    鳥見山歩人

  • さえざえと雲去る毎に星の顔

    もりお

  • 冴ゆる夜や研究室に助教と吾

    黍団子丸

  • 風冴ゆるシャッター街のうどん屋さん

    むらぴ

  • 尿捨てて廊下を戻る冴ゆる夜

    坂野ひでこ

  • 冴ゆる夜や父の蘇生を待つ廊下

    秋月

  • 五枝の松より島を駆く島は冴ゆ

    成瀬源三

  • 星や冴ゆ空き家の数の増え続け

    川島欣也

  • 冴ゆる夜の宇宙基地めくコンビナート

    高田杏

  • 冴ゆる夜やバイオリンの音闇を裂く

    ゆぃ

  • 冴ゆるなり天守に鯱の反りきつて

    堀田保胤

  • 遠賀冴ゆ三池が動く濁り水

    立町力ニ

  • 冴ゆる冨士勤め上げよや晦日迄

    岡崎佐々紅

  • 冴ゆる月空になったか鉄の檻

    み藻砂

  • ライカ製角張るカメラ塔冴ゆる

    ふゆの都々逸

  • 冴ゆる夜の砥石に落とす水清ら

    なしむらなし

  • 待合冴ゆ父は峠を越えるべし

    さ乙女龍チヨ

  • 冴ゆる夜の堀を都会の灯硬く

    となりの天然水

  • からくりの卒ないお辞儀冴ゆる宿

    本村なつみ

  • 冴ゆる夜にココアに光与えたる

    梨山碧

  • 合鍵を返して冴ゆる観覧車

    フージー

  • さざ波を蹴散らす水脈や冴ゆる月

    小林土璃

  • 冴ゆる夜や構図を決むる紙の月

    如月ドロップ

  • 湖の底沈みたる村月冴ゆる

    齋藤 満月

  • 発車ベル冴ゆまでの窓越しの手話

    雲乗リュウカン

  • 冴ゆる朝影だけ先に会社着く

    大滝茂生

  • 冴え冴えと窓の錠解く懐紙かな

    北野小町

  • 沈みきるとぎ汁の澱星冴ゆる

    村岡花風

  • 冴ゆる夜や笑ひこぼるるひとの家

    所沢のローライダー乗り

  • 星冴ゆる君と余生の前半戦

    植木彩由

  • 鐘冴ゆる阿修羅三面耳四つ

    空山プラネタリウム

  • 退院や朝日ナイフのやうに冴ゆ

    坪田恭壱

  • 冴ゆる夜や塾の灯りの白きこと

    坂 由美乃

  • 焼入れへ滾る刀身冴ゆる夜

    橘 春香子

  • 天青く歩く人々冴ゆる刻

    笑詠化

  • 冴ゆる夜や星のエコーを鰓呼吸

    大地緑

  • 月冴ゆる宅急便のドアー音

    夏目たんちゃん

  • 奥飛騨の道の冴ゆるや親子猿

    夜ノ森ムーミン

  • 風冴ゆる夜更けの砂丘波の音

    とき

  • 冴ゆる朝澱む小川へ風の波

    とも子

  • 玻璃割るる音の夜更を冴えしむる

    永井無々

  • 星冴ゆる窓の框の蛹の生死

    球追

  • 冴ゆる朝一番乗りの剣道場

    染井 亀野

  • 月冴ゆる小瓶の中に蒼い砂

    大野美波

  • 風が冴ゆ空の端っこ星囲い

    月夜案山子

  • 終列車見送る駅夫星冴ゆる

    笑松

  • 冴ゆる夜や月の光に見る刃文

    沢 唯果

  • 犬の骸冴えてその毛の白きこと

    鶴屋桃福

  • 鉄塔は歩き出しさう月冴ゆる

    アンサトウ

  • 星冴ゆる榊で囲ふご神霊

    Early Bird

  • 紙切れば真水の音として冴ゆる

    北藤詩旦

  • 「G線上のアリア」の響き星冴ゆる

    椋本望生

  • 袿脱ぐ明石の君や庭冴ゆる

    朝日雫

  • 富士桜6番池に士富冴ゆる

    響け!進太郎

  • 使われぬ津波タワーに冴ゆる月

    鹿達熊夜

  • 柏手や木々のあはひに夜の冴ゆる

    縄田ゆみこ

  • 冴ゆる夜の仏舎利塔に骨鳴れり

    刈田陽子

  • 星冴ゆる夜の高さの時計台

    まるちゃんにいさん

  • 星冴ゆや地球の睡る音とゐる

    明月詩悠

  • あしびきや大津皇子の陵冴ゆ

    いなほせどり

  • 冴ゆる夜が指から入りこむからだ

    平良嘉列乙

  • 足取り重し月冴ゆるロータリー

    ニシガミタツキ

  • 冴ゆる夜の腹話術師の閉ぢぬ口

    ま猿

  • 黒き影がさりと動き森冴える

    花咲めだ香

  • 冴ゆる夜や青く揺らめく殺菌灯

    鷺沼くぬぎ

  • 冴ゆる日や妻と二人でプロレスに

    玉響海月

  • 金管楽器冴ゆる質屋のガラス棚

    伊藤映雪

  • 朝靄にいななき冴ゆる厩舎かな

    風谷エクレア

  • 青空に声冴えわたり空を割る

    宇都宮千瑞子

  • 黒猫の骨壺は白冴えにけり

    黒猫かずこ

  • 宴果てて更なる独居月冴ゆる

    美濃仙人

  • 太秦冴ゆ斬らるるのみの役終はり

    たーとるQ

  • 冴ゆる夜や三垂線の交差点

    森 佳月

  • 冴ゆる夜や竹の園生の清らなり

    広島 しずか80歳

  • 声冴ゆるディープスリーを放つ影

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 冴ゆる朝雫のように夢失せる

    内山清白

  • 二ヘルツのずれ冴ゆる夜のストラディバリ

    月見柑

  • 土も冴ゆ湯灌の手にほくろ馴染む

    ふくろう悠々

  • ヒール音響く惑ひの心冴ゆ

    遥風

  • 創傷の乾ききつたる牧場冴ゆ

    広瀬康

  • 月冴えて胸裏を話す二人かな

    髙橋弓女

  • 「元気です」葉書の額に富士は冴ゆ

    杉岡ライカ

  • 冴ゆる夜の紫煙の先の鼻赤し

    岡田きなこ

  • 時間差で冴ゆ踏切の警報機

    松山茜柑

  • サイレンの残響散って風冴えて

    くすみ輝く

  • 影冴ゆる漬物石や口噤む

    松岡久男

  • 冴ゆる夜や2B鉛筆削る音

    スモールちもこ

  • 冴ゆる夜や路上ライブのチップ缶

    青居 舞

  • 冴ゆる夜や打ち込みタイルの美術館

    舟端たま

  • 半通夜に涙流せし冴ゆる頬

    イガチョフ良一

  • 病みあがり音冴ゆる吾のバイオリン

    夏の町子

  • 星冴える初めての駅空が広い

    花はな

  • 新刊に並ぶ本屋の冴ゆる朝

    パーネ・メローネ

  • 冴ゆる朝夜勤明けてのワンカップ

    中村雪之丞

  • 冴ゆる笛スクラム圧し土を噛む

    大和田よつあし

  • 冴ゆるなりヒルズ聳ゆる六本木

    星田羽沖

  • ビートルズの声冴ゆオリンピック冴ゆ

    俳句川棒人間

  • 研修や冴ゆる廊下に試練あり

    岩岳太郎

  • モノレール冴ゆる都会を突き抜ける

    辰巳電柱

  • 玄関にたなびく蜘蛛の糸や冴ゆ

    瀬戸 岬

  • 夜の冴えて星の光も聴こえそう

    梅鶏

  • 現し世の鼓動鎮まり御堂冴ゆ

    河野灰土

  • 冴ゆる夜の布地を泳ぐ刺繍針

    砂楽梨

  • 冴ゆる夜のインターフォンの黒き影

    今林快波

  • 冴ゆる夜や休刊誌置く予約席

    蘭丸結動

  • 森を駆く獣ふたすじ月冴ゆる

    中山月波

  • 赤ランプ点灯冴ゆるサーバ室

    宮坂暢介

  • 星座冴ゆばら星雲はあの辺り

    ピコリス

  • 筆鋒を立てて厳しき線を冴ゆ

    豆闌

  • 点滴のしずくの無音冴えにけり

    夏山栞

  • ステンドグラス撫づシスターの指冴ゆる

    ヒマラヤで平謝り

  • 内風呂の留まる父や冴ゆる星

    毛利尚人

  • 冴ゆる夜や星あかりのみ零れおり

    広島立葵

  • 冴ゆる夜や男は愛を拗らせる

    幸久

  • 月冴ゆる戦地の手紙小抽斗

    斧 的部

  • 遠巻きの現場フラッシュライト冴ゆ

    さとう昌石

  • 額縁に冴ゆる写楽の寄り目かな

    亘航希

  • 胸底へ冴ゆる星座の彼方かな

    月岡方円

  • 冴えわたる無言さえ音として立つ

    竹村マイ(蚊帳のなか)

  • 天冴ゆる棟へ幣束結びたり

    さく砂月

  • 東京行きのブランドスーツの声冴えて

    鰯山陽大

  • 冴ゆる夜の友と違える線路道

    悪七兵衛

  • 天を突く撥や出雲の神冴ゆる

    三尺玉子

  • 風冴ゆやただ大逃げのラストラン

    升 丁茶

  • 冴ゆる夜やカッター精密に軋む

    慈雨

  • タッチパネル触れて冴え冴え年金日

    坂本なおひさ

  • 影冴ゆる二五のわたし何者

    中川 せん

  • 小夜冴えて固き足音夫帰る

    どいつ薔芭

  • 犬歯冴ゆ命がけで生きてゆく

    井上鈴野

  • イグアスの飛沫浴びるや心冴ゆ

    一井かおり

  • 早暁の呼び合う声や月冴ゆる

    浅井カバ先生

  • 冴ゆる夜へきゆるんと応ふ風見鶏

    でんでん琴女

  • 月冴ゆやひたひたあるく軍鶏の肩

    爪太郎

  • 冴ゆる空へと出棺のクラクション

    北村 環

  • 冴ゆる夜や過度に鮮明なるテレビ

    井上れんげ・いつき組広ブロ俳句部

  • 冴ゆる夜や荷車を押す長き坂

    長嶋 無有子

  • ヒロシマや石と鉄骨冴えかえる

    久保田 老酒

  • 補聴器を外した世界星冴ゆる

    なかおくじら

  • 城崎の冴ゆる夜へと消雪路

    真喜王

  • 月冴ゆる無縁仏にカップ酒

    信濃のあっくん

  • 冴えわたる夜を研ぎだして出刃小出刃

    ひだ岩魚

  • 冴ゆる夜の束ねた髪やヘリパッド

    千鳥城、広ブロ俳句部カナダ支部

  • ミレニアム問題仮説冴ゆる夜

    秋桜みりや

  • 月冴えて涙の甘さ濃くなりて

    染野まさこ

  • 冴ゆる夜やバースプーンの楚々として

    つちや郷里

  • 冴ゆる山一点の光まなこ射す

    藤本夕空

  • 背後より電気自動車冴ゆる朝

    島田スパイスの飼い主

  • 部屋冴ゆる一つ使わぬ夫婦箸

    GONZA

  • 飯森の冴ゆる朝日に頭垂れ

    川辺世界遺産の居候

  • 波冴ゆる廃船の雀発ちにけり

    一慎

  • 声冴ゆる北緯三十八度線

    はるく

  • キリシタン墓地や冴えたる波の音

    あま門

  • 釉の色を深めて焔冴ゆ

    仁和田永

  • 冴ゆる朝鈍い痛みの鉄扉かな

    やまだ童子

  • 冴ゆる夜の踏めばミシミシ哭く階段

    清白真冬

  • 冴ゆる夜や黒のネクタイ掛かりをり

    和泉攷

  • 冴ゆる夜や独り八雲を読み耽る

    山川腎茶

  • こっちだよと公園で冴ゆる水晶

    樺山 鴻春

  • 手すりには金属の鳥街冴ゆる

    中川青嵐

  • 襟剃りて吾が艶量るこの夜冴ゆ

    ロジック・ファットフィールド

  • 四千年働く書記の象眼冴ゆ

    林りんりん。

  • 朝イチの太刀の切先冴ゆカット

    むい美縁

  • 電柱も月もすくりと冴ゆる夜

    豚々舎 休庵

  • やけくその鼻唄冴ゆる雨戸越し

    野州てんまり

  • 星冴ゆや天満に寄席のはぬる音

    戸部紅屑

  • 病棟の廊下の果てに冴ゆる富士

    岬りこ

  • 冴ゆる夜やしんと三菱一号舘

    朶美子(えみこ)

  • 梟の首は真後ろ闇冴ゆる

    余田酒梨

  • 断定語ばかり浴びたり冴ゆる街

    風の鳥

  • パリの夜日本語冴ゆるカフェテラス

    楽和音

  • 鱗冴ゆここは炭鉱だつた国

    麦のパパ

  • 堂冴ゆる弥勒菩薩の指の反り

    仲 操

  • 坐禅堂師の衣擦れに刻冴ゆる

    為参

  • 神奈備の稜線しるし落暉冴ゆ

    アーモンドよーせい

  • 冴ゆる夜や飴玉のやうな木星

    紫檀豆蔵

  • 冴ゆる世にはあと息吐き生きている

    小田和子

  • 仏壇の菓子を貪る母の冴ゆ

    青野遊飛(蚊帳の中)

  • ありのままあるがままにて冴ゆる月

    長操

  • サイレンが全部こっちへ冴ゆる夜

    三崎扁舟

  • 平然と前言翻せば冴ゆ

    伊予吟会 宵嵐

  • 4年目の金帰月来冴ゆる夜

    深澤 健聖

  • 冴ゆる夜や背後に迫る靴の音

    塩野谷慎吾

  • 冴ゆる夜は木々も気配を薄くせり

    日暮ひぐらし

  • 冴ゆる夜や白磁の影のひとしずく

    清水ぽっぽあっと木の芽

  • 門灯のかすかな震へ星冴ゆる

    湖乃しじみ

  • 踊り子の踏み込む床や音の冴ゆ

    一条春枕

  • 頸椎の微かな痛み冴ゆる星

    玉家屋

  • スピーカー冴ゆる雅楽の繰り返す

    豆はな

  • 誰が為の正論だろう月冴ゆる

    わかば

  • テレビから訃報相次ぎ星冴ゆる

    加藤多作

  • うつほ木や風の冴ゆれば風に果て

    風慈音

  • 鍵盤の冴ゆるバッハのト長調

    神楽れもん

  • 月冴ゆる研究室の青き椅子

    アロイジオ

  • 夜明け前無影灯消え冴ゆるメス

    三つ葉躑躅

  • 晨朝の音声冴ゆる大本堂

    宝塚御殿子

  • モノリスの無音の冴えてヒト絶えて

    寺尾当卯

  • 体中焼肉臭いねって冴ゆる道

    ナオコ タイラー

  • 竿竹の埃拭いて風の冴ゆ

    ほのぼぉの (蚊帳のなか)

  • 駅舎の灯冴えて始発のドア開きぬ

    くろべぇ

  • 鉄塔にかかるシリウス冴ゆ夜明け

    花とわこ

  • 鉄橋の冴えてぎぎぎと軋みけり

    宇都宮駿介

  • 闇の奥海鳴り響き大気冴ゆ

    白井半月

  • 抜け出せぬ悩みスパイラル月は冴ゆ

    海堂一花

  • 星冴ゆる見かはすほどの地震のあと

    山田不律

  • 街冴ゆや時間解凍するボタン

    安達りんだう

  • 蛍光ペンの緑の先の角は冴ゆ

    海峯企鵝

  • 風冴る独り暮の郵便受

    中村あつこ

  • 星冴えてネットミームになった俺

    あらい

  • 舫綱軋むばかりの村冴ゆる

    俳句王

  • 新聞のポストの硬く冴ゆる朝

    独楽

  • 沿道に母校の幟冴ゆる気よ

    まるにの子

  • 針生検結果ひとりでといふ冴ゆる夜に

    靫草子

  • 災害地東雲待つや未明冴ゆ

    栗田 もとえ

  • 鈴冴ゆる「薫蓋樟」をさざめかせ

    藤井かすみそう

  • 冴ゆる夜の縫ひ目のごとく心電図

    笹野夕

  • 薄暗きコンビニの跡星冴ゆる

    風間 燈華

  • 線香のぱきんと折れて冴ゆる朝

    宮下ぼしゅん

  • ギターケースの投げ銭の音冴えざえと

    むったん

  • 月冴ゆる美馬のうだつの影黒く

    むったん

  • 月冴ゆる鍵の掛かりし遊具たち

    風間 爺句

  • 冴ゆる夜や何故か開いてる非常口

    秋野木吾

  • さえざえと骨断つ音や吊るしぎり

    愚老

  • 「熱い熱い」と吾子や泣く冴ゆる夜

    野中泰風

  • 屠殺場で働く母や月冴ゆる

    まつおえりか

  • 川跨ぐプラットホーム月冴ゆる

    姫川ひすい

  • 熊よけの鈴の音冴ゆる往還道

    田畑せーたん

  • 冴ゆる夜や蛇口がきゆうと二回鳴き

    谷 斜六

  • 冴ゆ冴ゆ冴ゆ手先足先鼻先

    只野黙念

  • 風冴ゆる避難小屋の戸開かぬ間も

    佐藤マンジャロ

  • 川面の灯毀り乱るる音の冴ゆ

    神山すい如

  • 賃走の過ぐ彼方冴ゆ電波塔

    at花結い

  • 触手話の伝ふ花屋や鼻冴ゆる

    丹波らる

  • ターバンの冴ゆる瞳の少女かな

    塩風しーたん

  • 冴ゆる夜や般若の口の奥に闇

    竜胆

  • 電気式煙草や吐息だけが冴ゆ

    不知飛鳥

  • 冴ゆる夜や遠く夜鳴きのいるような

    服部勝枝

  • 万物の「歩」から「と金」へ冴ゆる朝

    吉田達郎

  • 三味線のかすかに冴えて神楽坂

    雨霧彦(木ノ芽)

  • 足爪の切る音冴ゆる夜更かな

    ちやあき

  • 鐘冴ゆる白衣佇む大窪寺

    祐 紀杏里

  • 冴ゆる堂眼差若き阿修羅像

    黒澤墨青

  • 声冴ゆる気管切開せし病室

    花水木

  • 冴ゆる灯や童話の中の枯れた井戸

    馬場めばる

  • 埒雪ぐ翁の面や義足冴ゆ

    ハッピーセット不埒なたかだ

  • 白杖の朝日に冴ゆる変拍子

    すずしろゆき

  • 冴ゆやいま硯のおかに珠のみづ

    ももたもも

  • 冴の字さと読む決断の机上冴ゆ

    虹博筋

  • 指切るるほどの白さや冴ゆる月

    dragon

  • 冴ゆる夜のスプーンの中に映る顔

    振戦太郎

  • 冴え冴えと防空壕の闇深し

    阿蘇の乙女

  • 山形は骨の髄まで星冴ゆる

    早坂 一周

  • 鐘撞きの善男善女星冴ゆる

    中島走吟

  • 封じ手の桂馬の冴ゆる廊下かな

    黒麹 糀

  • 壊るる母の瞳のみ冴ゆ夕べ

    八幡風花

  • 大叔母の遺言状や朱肉冴ゆ

    青に桃々(いつき組俳句迷子の会)

  • 声冴ゆる花咲く如く猫の髭

    渡辺香野

  • 今はもう更地の実家星冴ゆる

    一走人

  • 友の死を知らで半年月冴ゆる

    中里凜

  • 月冴ゆる求肥巧みな指に快

    咖喱亭 章之輔

  • ガラス踏み吹き出す血潮冴ゆる夜

    そうま純香

  • 倫敦にすくむ尨犬鐘冴ゆる

    黎明

  • 鐘冴ゆる午前零時の古時計

    ふじかつとび

  • 煙り真横パルプ工場風冴ゆる

    高石蓬莱

  • 休刊日のポスト空つぽ冴ゆる月

    亜桜みかり

  • 殺菌灯の冴ゆる真夜ウイルス軋む

    満嶋ハト

  • 早起きといふには暗し月冴ゆる

    梅朶こいぬ

  • 月冴ゆるビタミンカラーの分娩台

    若林くくな

  • 篝火の綾なす風や杜冴ゆる

    reion

  • 隅金冴ゆ僕には読めぬ本ありて

    水きんくⅡ

  • 風冴えて愛の捨て場もなき家か

    たいらんど風人

  • 月冴ゆる銜煙草のたなびきて

    すかーてぃっしゅ

  • 星冴ゆる戦争知らぬメタセコイア

    森中ことり

  • 手に灯油缶ほっぺたに冴ゆる夜気

    紗藍 愛

  • 冴ゆる夜や竹灯籠の吾子の名よ

    成川汐風

  • 掃除機を止めれば冴ゆる遠き鐘音

    島紡衣

  • 蛇を描く溶接ビード鉄も冴ゆ

    八幡 豊

  • 御朱印のとめはねはらいはらい冴ゆ

    柊琴乃

  • 来ぬ原稿代筆LINEは訃報冴ゆ

    君家兌子

  • 誰もなき不眠の椅子に星冴ゆる

    菅田斑猫

  • 火柱の神事果て奈良冴ゆる星

    美津うつわ

  • 冴ゆる朝気持ち多めの塗り薬

    足跡新太

  • 菜刻むただ一心の厨冴ゆ

    友咲恵子

  • 星冴ゆる棄て難きこの父祖の土地

    古川一光

  • 鐘楼の一突き蒼し里冴ゆる

    らいかの星

  • 冴ゆる夜の爆音赤の改造車

    伊達ノ半蔵

  • 一円のお釣り大事と今夜冴ゆ

    三和了子

  • 月冴えて退職届の封を閉じ

    こきん

  • 月冴ゆる裏を見ている白内障

    羅美兎

  • 多摩川の奥に北岳風冴ゆる

    梓 渓

  • モルヒネの投与の母や窓冴ゆる

    青野すみれ

  • 星冴ゆる薄明の富士祈り息

    時田チクタク

  • エンジン音冴ゆる深夜の二号線

    麦野 光・いつき組広ブロ俳句部

  • 月冴ゆる駅や少女の弾き語り

    梅田三五

  • 風冴えて校内記録会三位

    明後日めぐみ

  • 冴ゆる夜やシンクを穿つ水の音

    勝本熊童子

  • 柱くぐりする為だけの朝冴ゆる

    紫小寿々

  • 冴ゆる街ロープウェイは夜を滑る

    野地垂木

  • 冴ゆる夜やヘッドホンから反戦歌

    柿司 十六

  • 冴ゆる夜や母の目尻に塗る軟膏

    星月彩也華

  • 衣桁掛けの鉄の風鈴冴ゆる夜

    平野水麦

  • 銀河冴ゆ車に残る冷めたカフェ

    野田遊水

  • いざ奈良へ蔵王権現藍の冴ゆ

    まぐのりあ(蚊帳のなか)

  • 天平のまろき列柱月冴える

    羽住博之

  • 冴ゆる夜庭の蛇口に入り込む

    黙々笛

  • 冴ゆる駅人身事故のアナウンス

    不二自然

  • 静寂冴ゆ白線引かれ行く道路

    坪山紘士

  • 風冴ゆる列車の中で焼くスルメ

    篠田ピンク

  • 冴ゆる朝筑波の口笛徹りけり

    家空太郎

  • 冴ゆる夜の限界電機洗濯機

    健央介

  • 風冴ゆるテープ仕舞いし連絡船

    野々原ラピ

  • 八甲田をゆきし行軍冴ゆる生

    津軽わさお

  • 冴ゆる夜のワイングラスに映る影

    風虎

  • 墓掃除カラスの声は冴え渡り

    風花

  • 小島なる廃帝陵の門扉冴ゆ

    有村自懐

  • 大目玉食らつた我へ月が冴ゆ

    ヒロヒ

  • 冴ゆる夜や狼の声兜太の声

    岡田雅喜

  • 星冴ゆる「むかしむかし」は父の作

    りえ

  • 冴ゆる身の千人風呂に浮く酸ヶ湯

    津軽ちゃう

  • 「手術中」ランプ消えずに冴ゆる夜

    春野たんぽぽ

  • 冴ゆる夜のメトロノームに追いつけず

    早足兎

  • 文書きて一途に書きて夜の冴ゆる

    夕まだき

  • 富士山の爆発都市の影冴ゆる

    君島笑夢

  • 冴ゆる灯の外灯「悔い改めよ」

    山田蚯蚓

  • 風冴ゆるワインたぷたぷ坂下る

    小橋真梨子

  • ふちをなぞり指を切りたし冴ゆる月

    大成武子

  • どの店も満杯街の夜も冴ゆる

    いのぐっち

  • 風冴ゆる三方海の我が郷土

    津軽まつ

  • 硬き足首冴ゆ踏み出せぬ一歩

    森ともよ

  • 返済日近し冴ゆる夜のキッチン

    コーヒー博士

  • 陸亀の電球青し月冴ゆる

    立石神流

  • 月冴ゆる屋外隔離喫煙所

    ふくびきけん

  • 夜間受付同意書の署名冴ゆ

    伊予素数

  • 阿智村の天にあふるる時空冴ゆ

    竹春エリザベス

  • 冴ゆる夜に己の足を重ねけり

    沢瀉あみ

  • 冴ゆる夜のサイレン陣痛の妻よ

    ぐでたまご

  • 天覧の相撲の後の街の冴え

    大黒とむとむ

  • 一筆の墨の香冴ゆる硯かな

    空木眠兎

  • 冴ゆる夜ジャングルジムは月に発つ

    三嶋乃千尋

  • 黙の人へ名もなき介護月冴ゆる

    渥美こぶこ

  • 森の音冴ゆ近々に雨の降る

    笹イボ太郎女

  • 風の冴ゆガラス細工のときとなり

    丸山美樹

  • 指冴ゆる生きていること問う詩集

    芳賀たかこ

  • 閉店や再開発の朝冴ゆる

    竜眼ジジ

  • 冴ゆる朝旅立つ影の細り行く

    村上秀造

  • 指さきに鼓動の疼き冴ゆる夜

    匹田小春花

  • 墨の香の冴えて一画ぐいと引く

    鷹取 碧村

  • 防火衣や冴ゆる曇りへ放水す

    犬淵貉

  • CDの拍手古きや冴ゆる夜

    谷町百合乃

  • 祝詞ゆるゆる金幣のひかり冴ゆ

    佐藤レアレア

  • 講堂冴えて暗幕に包まれ仮眠

    しんしん

  • 冴ゆる月調べのごとき君の嘘

    大和杜

  • 墨冴ゆる武蔵の筆の余白かな

    柳絮

  • 病院の待てる列冴え背のまろし

    畑中幸利

  • 本当は赤が好きなの冴ゆる日の

    百卓deノエル

  • かすかなる衣擦れの座禅堂冴ゆ

    眠 睡花

  • 胸の内に遠吠え渡る街の冴ゆ

    鈴木来穂

  • 冴え冴えと猟銃の音森を裂く

    福原あさひ

  • 臥して聞く夫の米研ぐ音冴ゆる

    古乃池糸歩

  • 冴ゆる朝ケレップ水制へさざなみ

    木ぼこやしき

  • ぬつくりと立ちてキリンに冴ゆる朝

    在在空空

  • 後輩の喪主は母上月冴ゆる

    えりべり

  • 子の寝顔残す病室星冴ゆる

    前田いろは

  • 棟梁の指図原野を冴え渡る

    野野あのん

  • かくしごとかくせぬしごと冴ゆる月

    鈍亀

  • 午下の歩へ水面の浮葉杜は冴ゆ

    三島ひめばしょう

  • 星冴ゆる腰折れ歌のひとつ出来

    渡嘉敷五福

  • あてもなくまた曲がる角星冴ゆる

    みやかわけい子

  • 鑿跡に風冴え渡る石切場

    中根由起子

  • 鳥散りて冴ゆる絵の如どの星も

    秋沙雨

  • 花首を刎ねたる刃の冴ゆるかな

    板柿せっか

  • 冴ゆる朝空にメールが届くやも

    カリヨン

  • 風冴えて藁打つ婆の手や赤し

    藤 無南

  • 耳鳴りの中に交わる冴ゆる風

    中村すじこ

  • 冴ゆる世のシャワー震へて水を吐く

    なるみろ

  • 筋ジスの手を冴えるねと摩りけり

    滝澤凪太

  • 風冴ゆる施設の母の面会日

    水野 寿香

  • 冴ゆる空裂きて誰かを運ぶヘリ

    イサク

  • 良く生きて父母に会いたし冴ゆる星

    琵琶湖のおばさん

  • 冴ゆる朝脱水予防の白湯一杯

    飯沼比呂倫

  • ブレーキの軋むおと冴ゆ古自転車

    そぼろ

  • 冴ゆる枝悲鳴のように散乱す

    二重格子

  • 手習ひの墨磨る音や冴ゆる夜

    秋内 壱玖

  • 冴ゆる夜に「きぼう」見上げる影ひとり

    鱈 瑞々

  • 柩の顔に埋めし花や唇の冴ゆ

    墨海 游

  • 月冴ゆる通天閣の見えぬ窓

    林省造

  • 足首を挫けば痣の青冴ゆる

    ヤヒロ

  • 閉院を余儀なくされし医師冴ゆる

    宮内みゃあ

  • 冴ゆる夜やロボット兵士めくビル群

    桂佐ん吉

  • 直滑降耳奥にまで冴ゆる音

    吉 勇之助

  • 冷血と呼ばれ唇硬く冴ゆ

    おのまい

  • 戸口冴ゆ老婆の判のあえかなり

    波多露音

  • 冴ゆる夜の鉄瓶ちちんと独り言つ

    青山央

  • 冴ゆるほど良き面構え行けおのこ

    理酔蓮

  • 冴ゆる夜や一人で揺らす歩道橋

    大岩摩利

  • 寝過ごして熱海の駅の月冴ゆる

    高山藹然

  • 海冴えて北斎の波ちりぢりに

    紅のジーナ

  • 冴ゆる夜や最後に抜ける親しらず

    星醒

  • 星辰のあらわに冴ゆる鬼ヶ城

    板橋とをし

  • 冴ゆる夜の老犬介護の添い寝かな

    卓司

  • 趾間冴ゆ常連居ぬ図書室

    touka.k

  • 冴ゆる夜を地続きに待つ一間あり

    もりさわ

  • 風冴ゆる沖の濃くなる水平線

    吉田春代

  • 冴ゆる夜や痛む鳩尾寝つかれず

    早川 さき子

  • 梁掴むロングアームの冴ゆるなり

    伊藤柚良

  • 冴ゆる夜計器の針の揺れひとつ

    影夢者亜

  • 冴ゆる夜やしゃかしゃかと振るプロテイン

    きなこもち

  • 冴ゆる夜や万古沈みて法隆寺

    佐藤 位相朗

  • 月冴ゆやジジ抜きの指一直線

    欅学堂

  • 石山の石感嘆の声冴ゆる

    須磨ひろみ

  • 月冴ゆる今宵の父の穏やかに

    我孫子もふもふ

  • 冴ゆる月黒塚は舞ひ吾は解かる

    やっちゃんち

  • 大都会風の谷間の言語冴ゆ

    田中みどり

  • 天文台観測の夜星の冴ゆ

    たけひら鞍琵

  • 冴ゆる月ブレーキの利きは上々

    滝上 珠加

  • 張りぼての空砲冴ゆる下関

    永嶋夜久

  • 冴ゆる駅の電車は空へ走り出す

    睦月くらげ

  • 冴ゆる日やオペの手順を篤と聴く

    さぶり

  • 家庭科室冴えてトルソーは裸体

    立田鯊夢

  • 顔と人格幾つもありて冴ゆるかな

    田口大寒六

  • 湧き水の跳ぬる音皆透けて冴ゆ

    青柳修平

  • あをあをと冴ゆる月影閉づる貝

    黒岩牡丹

  • 冴ゆる午後隙間だらけの農事小屋

    西川 たもつ

  • 冴ゆる夜耳ちりちりと音集め

    あおのめ

  • 理科室は拷問部屋めいて冴ゆる

    石本コアラ

  • ほぞ削る一打ち鑿の影冴ゆる

    東京堕天使

  • 冴ゆる夜や秒針の音のカッカッカ

    渥美 謝蕗牛

  • 賛美歌の和音りんりん冴ゆるミサ

    花蜜伊ゆ

  • 冴える夜を滑るカーソル診察室

    TAKO焼子

  • 冴え冴えと知覚過敏の歯茎刺す

    あが野みなも

  • 冴ゆる夜やホスピスの娘の細い息

    中井無心

  • 地球儀の大国に触る指の冴ゆ

    越智空子

  • 冴ゆる空滑りきつたり三十度

    白山おこ女

  • 冴ゆる日やみな押さぬバス降車ボタン

    栗山おかか

  • パチンコ屋三軒連なりて冴えて

    Q&A

  •         声冴えて作法通りの茶会かな        

    誠馬ノマド

  • 鏡冴ゆ少し曇ってくれないか

    石原しょう

  • 仁王像光と影に冴ゆる夜

    甘泉

  • けふはゴミ第一号なり鉄扉冴ゆ

    どゞこ

  • 兄看取り車窓に蒼き月の冴ゆ

    高本蒼岑

  • 遅れ来し訃に書きこたふ冴ゆる夜半

    藤井赤童子

  • 冴ゆるかな一人ひとりのゴッホ展

    くみくまマフラー

  • 月冴えて生命線の溝深し

    菫久

  • 太陽に向いてたつ家村は冴ゆ

    戸口のふつこ

  • 厚底のコスプレの子ら銀河冴ゆ

    大柴 連翹

  • トーテムポールの眼差し遥か月冴ゆる

    ミセスコロンボ

  • 深更や箔押し冴ゆる事典閉づ

    あまぐり

  • 希死念慮告げて眠る子星冴ゆる

    玉響雷子

  • バス停の「再開未定」冴ゆる能登

    岸壁の龍崎爺

  • 冴ゆる夜や君の車の煙消ゆ

    福間薄緑

  • 声冴ゆや町のてっぺん目指す子ら

    小倉あんこ

  • 銀河冴ゆパトカーを抜く救急車

    石上三年

  • 月冴ゆる明日は腹水抜く日なり

    笑姫天臼

  • 冴ゆる夜死期近き猫来る寝床

    星埜黴円

  • 青い眼の嫁御のハグや空港冴ゆ

    夢みのり

  • 八郎の守りし村や冴ゆる月

    さおきち

  • 待受は神馬の写真音冴ゆる

    よこいちやこ

  • 冴ゆる夜を唸る百二十六枚刃

    可笑式

  • 海鳥の寝につく浜の星冴ゆる

    桃香

  • 月冴ゆや進路相談終えしあと

    秋田俳楽

  • 冴ゆる夜や歯の根も合わぬ闇を噛む

    北郷傘寿

  • 見舞いすらできぬ院内月冴ゆる

    村上薫

  • 冴ゆる夜や鋭き口笛響く路地

    紗凡

  • 廃線は明日百年の星冴ゆる

    真夏の雪だるま

  • 呼び出しの冴ゆる拍子木さざめきに

    千賀子

  • 月冴ゆや鉄の扉を押し閉める

    桃花

  • 鉄塔の巣跡や深き空の冴ゆ

    日向こるり

  • 無人家や塵と光と無音冴ゆ

    月見里ふく

  • 日本人被害はないとニュース冴ゆ

    天宮ほたて

  • 冴ゆる夜の涙なりけりさざれ石

    島田ポン吉

  • 教室に始めと響く声冴ゆや

    暇禍

  • 冴ゆる夜のピエロめく赫き自画像

    天陽ゆう

  • 髭跡を伝ふ指先冴ゆる朝

    飯野 山茶花

  • 音冴ゆる明治神宮土俵入り

    玉野汐音

  • 骨片の冷めてゆくゆく夜は冴ゆる

    大塚迷路

  • 行進の足音冴ゆるペンギン舎

    せんとう一波

  • 星冴えて戯画のうさぎの踊りだす

    ななかまど

  • 冴ゆる夜や電話室ある山の宿

    中尾鎖骨

  • 壁掛けの振り子の銀の冴えにけり

    藤井俊樹

  • 冴ゆる夜チリチリキンと耳の鳴る

    宇のななみ

  • 冴ゆる夜や家出代わりのレイトショー

    雨水 二三乃

  • 冴ゆる夜の湖に煌めく銀波かな

    かこよし

  • 正絹の冴えしめやかに裁ち鋏

    丁鼻トゥエルブ

  • 冴ゆる夜のスウプを掬ふ銀スプーン

    平野芍薬

  • 骨と骨ぶつかる音や蹴り冴える

    青い空加納

  • 歌舞伎町の路地や鴉の声冴ゆる

    苫野 とまや

  • 米軍機訓練空域星冴ゆる

    桜井教人

  • 鍵の音スリッパの音月冴ゆる

    慈夢りん

  • 子の街のライブカメラの灯冴ゆ

    原浩朗

  • 冴ゆる夜やスワンボートの眼に白点

    本田ぜらちん

  • 家の灯や家族の影は獣冴ゆ

    三隅 涙

  • 冴ゆる夜の防犯灯の無音見ゆ

    ぶうびい

  • 冴ゆる夜の重き扉に眠る象

    久留里61

  • 鹿割けるナイフの手際森冴ゆる

    花亭五味

  • 素足なり冴ゆる夜更けのマリア像

    木村ひむか

  • 銭ばかり冴ゆる帳簿や町工場

    慢鱚

  • 両岸に工場夜景冴え冴えと

    白猫のあくび

  • "Ceasefire"鉄条冴ゆるサンパルソン

    佐藤烏有

  • 物置のじじじと蛍光灯冴ゆ

    小笹いのり

  • 鳥よけのテグス張られて冴ゆる池

    深山むらさき

  • 冴ゆる夜や大使館警備員の指輪

    伊藤ペンタ郎

  • さゆる灯のほどなく消ゆる石灯籠

    蓮田つはき

  • 冴ゆる夜やかっかっと刻む古時計

    柚木 啓

  • 点滅の信号は青冴える青

    井口あき子

  • 冴ゆる夜や大道芸のペイ決済

    瀬央ありさ

  • 夫婦関係プランBとなり冴ゆ

    ばちゃ

  • 盤石の桟橋冴ゆるへら師かな

    白山一花

  • 電柱に津波の水位鐘冴ゆる

    碧西里

  • 美濃馬場冴ゆる舞台に太鼓の音

    杉山オリゼ

  • 冴ゆる夜や臨終を告ぐ電話待つ

    sol

  • カストルとポルックスゐる零時冴ゆ

    白眼 緑照

  • 馬頭琴の音色遥かに星冴ゆる

    黒蜜かりんとう

  • 冴ゆる夜をチョコモナカジャンボを買いに

    里 山子

  • 今は亡き星浮かびたり冴ゆる夜や

    一井蝸牛

  • 早世の叔父の自画像青く冴ゆ

    茂木りん

  • 頂上に突き出る大樹星冴ゆる

    毬雨水佳

  • 縞鯵の三枚卸し出刃の冴ゆ

    那須のお漬物

  • 先づ米を研ぐ洗ひ場や冴ゆる朝

    ねこの☆さんぽ

  • 冴ゆる夜やトラック便のまぶしき灯

    沼宮内 かほる

  • 経机線香ひとすじ冴ゆる夜半

    白倉黄鶺鴒

  • 月冴えて退院予定は明後日

    塩の司厨長

  • 元日本代表の冴ゆる柏手

    始の子

  • 布走る裁ちばさみの刃音冴えて

    くぼたみどらー

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