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中級者以上結果発表

2025年2月20日週の兼題

啓蟄

【曜日ごとに結果を公開中】

【類想】

選者コメント

夏井いつき選

◆今回の兼題「啓蟄」は、時候の季語です。

 歳時記によると、「(啓蟄の)地虫そのものも指す」と解説しているものも稀にあるようですが、「啓蟄=二十四節気の一つで三月六日ころ」の意(二〇二五年は三月五日)ですから、時候の季語と解するのが妥当です。

 時候の季語の「一物仕立て」はかなり高度ですから、基本的には「取り合わせ」になります。どんなモノを観た、聞いた、触った、味わった時に、「虫が地中から出てくるような頃だなあ」と感じるのか。そこに、実作のヒントがあります。

 

◆「啓蟄日」「啓蟄期」という使い方をした句も見受けられましたが、「啓蟄」そのものが時候の季語だと考えれば、敢えて「~日」や「~期」をつける必要はありません。

 下五に「啓蟄」を配すると、一音足りないので「啓蟄日」にしている? ……と疑われるケースも多々ありました。

 下五に四音の季語がきてしまう時は、語順や型を工夫することで解消できますので、「啓蟄日」「啓蟄期」など安易な解決法に頼らないことが肝要。俳筋力のトレーニングにもなりますので、頑張ってみましょう。

 

◆更に、これもいつも書いていることですが、

「啓蟄」だからこその類想句もあれば、どんな兼題でも必ず出てくるタイプの類想句もありました。

 ひとまず、今回の投句から、季語「啓蟄」の類想についてまとめたものを以下に記します。参考にして下さい。


イメージ

 ・ 明るさ ひかり 生命力 躍動

 ・ 未来 希望

 ・ 恋の予感


啓蟄の頃は……

 ・ 合格 不合格 

 ・ 卒業 進学 就職 異動 → 旅立ち 引越し

 ・ 納税 年度末 決算

 ・ まだ寒い (逆に)汗ばむくらい

 ・ いろいろな花も咲く 花粉も飛ぶ


虫たちの目覚め からの連想

 ・ まだ眠い 寝坊

 ・ 赤子の産声

 ・ 卵(玉子)


虫たちが地上に出てくるからの連想

 ・ 地下鉄 地下街

 ・ (逆に)引きこもり 不登校


 ・ 大地の息吹き 鼓動

 ・ 土が膨らんでくる → 地球など大きな景を膨らむと捉える

 ・ 庭は穴だらけ 土竜の穴

 ・ 土やら虫やらいろいろ蠢く


動物や人間

 ・ 犬や猫が土を嗅ぐ 掘る

 ・ 鳥たちがその虫を狙う 啄む


 ・ 農作業や庭いじり 草むしり 

 ・ 庭木の菰をはずす

 ・ 耕運機 鍬 鋤


 ・ 髪を切る 染めてみる

 ・ おろしたての靴 (パステルカラーなど春らしい)服

 ・ 気持ちよく歩く 走る 自転車のペダルを漕ぐ

 ・ 旅の計画を立てる 旅に出る 

 ・ (陽気が良くなり)眠い あくびをする


◆兼題に取り組む時は、どんなジャンルの季語で、どんな本意を持っているのか。歳時記を調べてから句作にかかりましょう。歳時記を一冊、手の届くところに置いておくことをおススメします。特に、中級コースに何度も挑んでいるけど、なかなか並選に入らない! という方には、特に強くおススメしておきます。



※今回の兼題「啓蟄」中級者以上投句欄へのご投句は、投句数5028句、投句人数1783人となりました。以下、類想句の一覧です。


類想一覧(選外)

  • 啓蟄で何やら蠢く三島畑

    午 勢至

  • 啓蟄や引越し予約塞がりし

    宏楽

  • 啓蟄や畑仲間に種もらひ

    理真

  • 啓蟄や耕運機出し試運転

    早坂 一周

  • 啓蟄のひかりの中に見たものは

    富良里旅人

  • 啓蟄のベランダ卵を産む鳩

    八光地蔵

  • 啓蟄のきざしにょきにょき古き鉢

    つづきののんき

  • 啓蟄やそろそろ我も蠢きぬ

    春よ来い

  • 啓蟄や地球がもそもそ動き出す

    柊瞳子

  • 啓蟄や両手に衣裳迷う妻

    重明

  • 啓蟄や本腰入れて庭しごと

    花咲めだ香

  • 啓蟄や手の皴つまむ孫の指

    渡部 あつし

  • 啓蟄や杵柄ふるう父の鍬

    山川土時

  • 啓蟄や吾子はじめての外歩き

    愚老

  • 啓蟄や鼓動高鳴る初出社

    岡崎秀惠

  • 啓蟄に舗装道路を掘り返し

    ミント・スチュワート

  • 啓蟄に反し世間に引きこもる

    小田和子

  • 畑の音遠く近くに啓蟄や

    石原しょう

  • 糠床に交わす啓蟄葉物から

    丘るみこ

  • 啓蟄や十年ぶりの同窓会

    中華風

  • 啓蟄の安らぐ午後のティータイム

    道楽人生

  • 啓蟄やかさぶた赫くグラデーション

    安達りんだう

  • 啓蟄やまづ農機具の試運転

    荒 一葉

  • 啓蟄や吾もいざ動かん吾の庭へ

    かべショージ

  • 啓蟄ややってみようか英会話

    村上薫

  • またぞろの道路工事か啓蟄に

    小林俊行

  • 啓蟄や雀の群れの下り立つ地

    ハルノ花柊

  • 啓蟄の我終わりなき引きこもり

    榊昭広

  • こころ溶けネコと戯る啓蟄や

    月谷 日耀

  • 啓蟄に矮鶏は頻りに土つつき

    神谷史記

  • 啓蟄やおろしたてのボーダーで行く

    るんるん十七音

  • 啓蟄や呼ばれ立つ背に力入る

    山海動静

  • 啓蟄や断捨離続き始めるか

    咲 まこ

  • ルーペ持ち昆虫学者啓蟄さ

    WEDA ASH

  • 啓蟄や別れを前にこころ決め

    枡矢書右衛門

  • 啓蟄やどくんどくんの躍動感

    小和布

  • 啓蟄や十年籠もり就職す

    入道 まりこ

  • 啓蟄やまずは髪切る予約から

    とおやまみんく

  • 啓蟄や隣町まで歩を伸ばし

    飯沼比呂倫

  • 啓蟄や税務署前に長き列

    永田千春

  • 啓蟄や雨後の土栗山肌に

    PONホンダ

  • 啓蟄やオープン戦の太鼓鳴る

    柴桜子

  • 啓蟄や学びが好きな五歳の児

    豊岡重翁

  • 啓蟄や黄土の匂いたゆたひて

    ゆかりん

  • 啓蟄に見よ面白きたのしき世

    村上熊子

  • 啓蟄や草刈りの音そこかしこ

    森の真林

  • 啓蟄の地球の息吹感受せり

    冬島 直

  • 啓蟄や土の匂いが蠢きて

    黒田 修一

  • 啓蟄を気に留めもせずせかせかと

    砂月みれい

  • 啓蟄や鳥鳴く声の平和なり

    ほんちゃん

  • 啓蟄や園児の列の大人びて

    栗緒音

  • 啓蟄や覗きたくなる戻り風

    小林乏硯

  • 啓蟄や保母の付添う園児列

    髙見艀舟

  • 啓蟄や地面に群れる鳥日がな

    笑酔

  • 啓蟄の実況あれば散歩かな

    黒麹 糀

  • 啓蟄や生命宇宙汎種説

    須川えい

  • 啓蟄や我慢の虫を解き放つ

    鶴岡木の葉

  • 啓蟄や土手をピヨピヨサンダルと

    夢雨似夜

  • 啓蟄や菰を外した松並木

    香西京子

  • 啓蟄の柔らかき土に降る雨の

    今井雨秋

  • 啓蟄やふらりふわりと登園路

    弓田 孝高

  • 啓蟄や旅のカタログそろへたり

    滝美音

  • 啓蟄や合格と告ぐ子に焼く卵

    吉永那夫子

  • 啓蟄や地面に上がり新世界

    そめやまさみ

  • 癌幾重啓蟄迎え母庭に

    高石蓬莱

  • 啓蟄や我が身叱咤す吾傘寿

    薄安

  • 啓蟄や見知らぬ土地への内示出る

    出水ゆみ

  • 啓蟄の蠢き風に含まれり

    山中えいみ

  • 啓蟄や誘い合う子の声弾む

    スマイリーk

  • 啓蟄を踏んづけている土踏まづ

    妙

  • 啓蟄や吾子ハイハイの愛しさよ

    桃姫

  • 啓蟄や我が家の妻は引きこもり

    あらい ゆう

  • 啓蟄や小鳥せわしく土を蹴る

    宮沢 韋駄天

  • 啓蟄や忘れ物なしいざ行かん

    小鳥コ

  • 啓蟄や散歩時間の早まりぬ

    酔蚊眼

  • 啓蟄日庭石の下気配なし

    寺木 風宣

  • 啓蟄や恩師へ伝えたき言葉

    くつの した子

  • 啓蟄やステップ軽く旅の空

    武蔵野青空

  • アレクサに啓蟄問うや怠け者

    塚本隆二

  • 啓蟄や狭庭に穴の二つ三つ

    竹内ユキ

  • 啓蟄や癇癪虫もぴくぴくと

    しおやま句吟子

  • 啓蟄や新生活の門出かな

    スズランのチイ

  • 啓蟄やシャツのボタンをふたつあけ

    橘散里

  • けいちつが書けぬ啓蟄の招待状

    斉藤百女

  • 啓蟄の追う鼻先の遊び猫

    雅由

  • 合格の子は啓蟄の朝巣立ち

    みゆむうしば

  • 啓蟄や漸く庭の動きだす

    池田  凜

  • 啓蟄や舌でまさぐる親不知

    樋口滑瓢

  • 鳥群れてトラクター追う啓蟄や

    森2五歩

  • 啓蟄や座した土手の湿り具合

    小手川とし

  • 顔出したばかりの草むしる啓蟄

    正念亭若知古

  • 啓蟄や鳥の群声風を切る

    三島ひめばしょう

  • 啓蟄や貸農園の鍬の泥

    こきん

  • 啓蟄や吾ももぞもぞとサナギ似て

    川口里山

  • 啓蟄の蠢く虫よ四匹余

    長操

  • 啓蟄や空いて三年の軒下に

    むらぴ

  • 驚蟄啓途するぞ負笈の旅を

    蔵書室主人

  • 目覚めては啓蟄むかえ気もそぞろ

    恵翠善

  • 朝に葉の緑映えばえ啓蟄や

    おんあいす

  • 啓蟄や昇る土の香青天へ

    千曜 桜

  • 啓蟄や声変わりしてはにかむ子

    森 日美香

  • 啓蟄や一人で乗れた一輪車

    みつき 夏

  • 啓蟄のバンカーショット砂弾む

    宝塚御殿子

  • 啓蟄に学び舎を出て未来進む

    畑 けん

  • 啓蟄や雀のつつく壁の穴

    桃香

  • 啓蟄や鳥の褒美となる小虫

    稲光虎介

  • 啓蟄に吾も布団から這い出して

    藤村 一寿

  • こも外す庭師の手甲啓蟄や

    雨戸 ゆらら

  • 啓蟄や心に虫の如きもの

    渡辺宵雨

  • 啓蟄の土丹念にほじる犬

    中田邦光

  • 菰外す手に啓蟄の微温き雨

    杉岡ライカ

  • 行ってきますと虚をつく歩み啓蟄

    中にきゅお

  • 啓蟄の嘴より垂らしゆく烏

    明神おぼろ月

  • 啓蟄や大地膨らみ農急ぐ

    満の湯

  • 幾億の虫喰われてなお啓蟄か

    猫丸

  • 啓蟄やそろりとしゃくり虫出ずる

    茶

  • 芝刈って肩揉みほぐす啓蟄や

    三天朱印

  • 啓蟄の朝や歩数計をオン

    一井かおり

  • 啓蟄の地下街ぬけて催事場

    紅 珊瑚

  • 啓蟄やおんもに敵はおほかれど

    岡崎佐紅

  • 啓蟄の古苑に常も無く降雨

    佐藤俊夫

  • 朝日射す足取り軽く啓蟄よ

    祐 紀杏里

  • 啓蟄や弱気の虫は居続ける

    木寺 仙游

  • 啓蟄や仲間と共にウォーキング

    タケザワサトシ

  • 啓蟄やおもしろ旅へ老ふたり

    近藤マタネ

  • 啓蟄の牧場の風やヴィヴァルディ

    椿泰文

  • 啓蟄の雨降るまじや浸る土

    家古谷 硯翠

  • 啓蟄の校庭脇ではしゃぐ子ら

    木村カズ

  • 啓蟄や風に薫や頬をなで

    内田高雲

  • 啓蟄や鬱の子連れてバスの旅

    中井無心

  • 啓蟄や鼻先震わす犬の顔

    さいとう歌月

  • 啓蟄の虫の如くに朝日浴び

    伊勢乃幸牛

  • 啓蟄の我ら師へ色紙送りをり

    くじら12号

  • 側溝ザワワ啓蟄の羽虫涌く

    国東町子

  • 啓蟄の土に這い広がる野草

    おのまい

  • 啓蟄や土嗅いで犬ハクション

    菅原ゆう

  • 啓蟄や旅に出なんと髪を切る

    渡嘉敷五福

  • 啓蟄の虫引き返しひきこもり

    森 佳月

  • 登山靴啓蟄なりて紐変える

    康寿

  • 啓蟄の踏みしめし土ふかふかと

    増田楽子

  • 啓蟄や日の目見た子に食われた子

    太井 痩

  • 啓蟄を待ち兼ねモグラ土を盛る

    高市青柘榴

  • 啓蟄やひきこもりの子コンビニへ

    案浦エミリー

  • 啓蟄の土の香ふわり鍬を打つ

    高本蒼岑

  • 啓蟄の大地に鼓動素足跳ね

    白倉黄鶺鴒

  • 啓蟄に小塚おちこち田んぼかな

    余熱

  • 啓蟄や草木も耐えて出にけり

    石内宏明

  • 啓蟄や土を押しのけ虫の声

    松尾芭蕉

  • 啓蟄やかくれんぼの子「まあだだよ」

    山田翔子

  • 啓蟄やリネンのシャツに風抜けて

    五島潮

  • 啓蟄や声なき歓喜の気配あり

    サツキトラヲ

  • 啓蟄や古希の体にムチを打つ

    岡田いっかん

  • 啓蟄の朝日やわらか地へ温度

    清水千種

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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