【佳作】
啓蟄や血の沸点はたぶんある
彩 詩充
啓蟄の土やはらかく納骨す
にゃん
啓蟄や地方競馬のファンファーレ
駒村タクト
石棺発掘啓蟄のざわめき
秋野木吾
啓蟄の眼玉にかろき骨の熱
冬のおこじょ
啓蟄の田や種壺に波状紋
このみ杏仁
啓蟄のみづへ甘へよ汝の手よ
麦のパパ
啓蟄の土に火薬の匂いあり
あなうさぎ
啓蟄や踵の胼胝の盛りあがり
平本魚水
啓蟄や背後霊いま取れたとこ
夏目あかり
啓蟄の眼のうつる腕時計
綾竹あんどれ
啓蟄の地熱まばゆきなゐの国
秋津穂 実
啓蟄の退居の鍵の余熱かな
藤里玲咲
啓蟄やアリクイの舌細長く
田畑 整
啓蟄のノジュール砕くタガネの刃
翡翠工房
啓蟄の匙の凹みを陀羅尼助
石上あまね
光の矢吹き上げる地の息啓蟄
津島野イリス
啓蟄や雑記帳から詩一編
森中ことり
啓蟄の赤子のよだれかぶれかな
立石神流
啓蟄やヘラで掘り出す足の跡
富佐野ほろよい
穴ふたつありや啓蟄鼻炎薬
イシデ電
啓蟄や古木の洞の獣臭
美津うつわ
啓蟄のお経が少し甲高い
世良日守
啓蟄の巡査に雨のにほひかな
大岩摩利
啓蟄や採血痕のうす黒き
百瀬一兎
啓蟄や耕すやうにルビをふる
常幸龍BCAD
啓蟄の教壇というただの台
慢鱚
啓蟄や時間は誰のものなるか
むらのたんぽぽ
遺言は啓蟄の日の樹木葬
空木花風
啓蟄の瓦礫置き場に咲くなにか
小川さゆみ
啓蟄や朝のひょろひょろ鳴くケトル
青水桃々(俳句迷子の会)
胃もたれを横たへ啓蟄のベンチ
きつネつき俳句系Vtuber
啓蟄の天地ぽふぽふはじけおる
ももたもも
ゴム長へ啓蟄のゴム継当てす
丁鼻トゥエルブ
啓蟄や備前の壺の耳まるし
仲間英与
啓蟄の海は膨張してるよな
壱太
啓蟄の暗渠を水の猛々し
藍創千悠子
啓蟄やぷるぷるヘリコプター眩し
佐々木のはら
啓蟄や薄桃色のプロテイン
高永 摺墨
啓蟄や木の根の聡き北の国
篠田ピンク
啓蟄やS字もクランクも脱輪
高橋寅次
転がる跳ねる啓蟄の金平糖
日向こるり
むず痒き空気がここに在る啓蟄
長谷機械児
啓蟄や堰堤に立つ測量士
須磨ひろみ
啓蟄や「内示の内示」という噂
あまぐり
啓蟄のひねればきゅんと鳴く蛇口
久森ぎんう
啓蟄や風の電話は話し中
灰色狼
啓蟄を絆創膏の臭ひ立つ
内藤羊皐
啓蟄のあえかに乾く御朱印帳
坐花酔月
啓蟄や黴臭き田の権利証
地球人
啓蟄や嘶きさうに洗濯機
青井えのこ
啓蟄の農学校の畑無言
みうらけんじ
糸電話ぴりぴり啓蟄の闘志
成瀬源三
啓蟄や蝶のパスタを湯に放つ
花見鳥
啓蟄や打ち叩き合ふ鳩と鳩
高尾一叶
啓蟄の古樽イソップは奴隷
葉村直
まだ捲れぬ痂皮や啓蟄の蹠
沖庭乃剛也
啓蟄の雨はスウィングしてをりぬ
高木音弥
噛み終へて啓蟄の詩としてガムは
伊藤映雪
啓蟄の地につける背やシュラフの夜
さとうゆうき
中卒がなんだ啓蟄あおぞらだ
川村ひろの
しれりと発芽啓蟄の松ぼくり
さおきち
創始者のような顔して啓蟄は
三隅 涙
啓蟄やジャズの裏拍うつ踵
常磐はぜ
啓蟄や転がす用の無き鉛筆
栗山おかか
己が影濃き啓蟄の水の底
石田将仁
啓蟄や緩き斜面へハンドリム
あが野みなも
啓蟄の胡椒はミルに爆ぜゐたる
亘航希
啓蟄の水音羽音沓の音
桜井教人
啓蟄やここは鶏小屋あった場所
門田なぎさ
嘴や啓蟄の土くすぐりて
山崎千晶
啓蟄の真夜を蠢く親知らず
小川野雪兎
通勤ラッシュ啓蟄のアクエリアス
里 山子
啓蟄やシャベルに重き土間の土砂
樫の木
啓蟄や影の明るき墓を買ふ
苫野とまや
しと圧し出だす啓蟄の一木へ
ギル
嘴は餌を啓蟄の砂利ごと漁る
ふるてい
啓蟄や耳に虫めく管ふたつ
なしむらなし
啓蟄や鎖解かるる貸しボート
布村 柚子
パチンコの確変そうか啓蟄か
さるぼぼ17
エル・クンバンチェロ啓蟄の野外堂
はぐれ杤餅
啓蟄に金色の鞠失くしけり
丸山隆子
啓蟄のバタのもろもろ伸び切らず
岬ぷるうと
毒ガスの遺構啓蟄のにはたづみ
北野きのこ
海は仄暗し啓蟄は生臭し
長澤 創次郎
啓蟄や張り紙謳ふ稚児募集
咲弥あさ奏
ランマーの打つ啓蟄の土その他
深山むらさき
解凍のしづくは啓蟄のにほひ
沖原イヲ
啓蟄や真田の井戸に匂ふ水
ジン・ケンジ
子宮口開けよ啓蟄の産院
沢胡桃
啓蟄の痒みにひかるステロイド
横縞
4Bで描く啓蟄のやはらか
沢拓庵◎いつき組カーリング部
啓蟄や埴輪の犬の尻に穴
十月小萩
日給を手に啓蟄の美術館
山城道霞
啓蟄の風オーボエのチューニング
まこちふる
屋上に啓蟄の草六本木
山吹なお
啓蟄に満たされメレンゲの心地
本村なつみ
啓蟄の罫線ふきのとうのいろ
比良田トルコ石
啓蟄の地を叩き行く吾子の杖
青海也緒
啓蟄や測量音のぴんと鳴る
藤本 仁士
啓蟄や血豆が硬くなってきた
ざうこ
啓蟄や仏足石をくすぐる陽
いかちゃん
啓蟄の小さき渦巻く用水路
浦野紗知
啓蟄や水門くぐるものの影
刈田陽子
パントマイムいま啓蟄に引つ張られ
広木登一
月のもの懈き啓蟄の昼餉
渡辺桃蓮
啓蟄や土偶の髪の赤漆
赤尾てるぐ
啓蟄の雨とは熊掌の匂ひ
眩む凡
けいちつや子にうつすらとつちふまず
ぐでたまご
啓蟄や孵りさうなる古語辞典
山内彩月
啓蟄や犬の嗅ぎたる雨水管
武井かま猫
啓蟄や嘉瓶のくびれへ光
しゃれこうべの妻
啓蟄や花一輪は買えるコイン
ツナ好
啓蟄といふかほツタンカーメン王
古瀬まさあき
啓蟄も薄暮新宿都庁前
あみま
押し棒のあと啓蟄のてのひらに
西村 棗
陽は啓蟄紅白幕の脹れたる
山本先生
啓蟄は美談の蜜を選んだか
濱野 五時
啓蟄の20Hzの震えかな
花亭五味
啓蟄や鍬に楔のがたがたす
円美々
啓蟄のみづ嬉々としてみづうみへ
コンフィ
啓蟄の触角かぜに邂逅す
玉庭正章
啓蟄やポイントで買ふ亀の餌
長谷川水素
啓蟄や薄暮に灯る街をゆく
麦野 光•いつき組広ブロ俳句部
啓蟄のにはたづみ又にはたづみ
中原柊ニ
啓蟄や水のかがやき忙しき
月城龍二
啓蟄や母の箪笥を運び出す
じょいふるとしちゃん
啓蟄の沼の明るき一日よ
宇のななみ
啓蟄や納骨堂に射すひかり
山川凛
啓蟄や生きた形に死せる母
けーい〇
啓蟄の山肌セスナの影深し
巴里乃嬬
啓蟄の山羊踏む土の厚みかな
犬井山羊
啓蟄の梅干しひとつ乗るうどん
せいち
啓蟄は雨やスパーリングに野次馬
彫刻刀
啓蟄や神経痛の鳩時計
蜘蛛野澄香
啓蟄や煙草は耳に鎌を研ぐ
玖良咲
啓蟄や一本の杭打込まる
志村宗明
逆上がりまた啓蟄の土埃
せんとう一波
停戦のテーブル啓蟄のみそら
河上摩子
人事待つや啓蟄の職員室
みなづき光緒
啓蟄のドックに腹を晒す船
すずなき
啓蟄の花立のみづ野へかへす
ま猿
啓蟄は雲よりやはらかな固体
嶋村らぴ
啓蟄やでっかい猿が脇を掻く
理酔蓮
啓蟄の影水槽を騒ぎけり
多々良海月
啓蟄の野辺にあばらの浮いた犬
西村青夏
啓蟄やぴつたり閉まる喉の弁
毬雨水佳
崖下に住み啓蟄の街見上げ
いちすぺ
手つかずの古紙啓蟄の内示前
こうたろう
啓蟄や孵化するやうに剥く果実
トマト使いめりるりら
啓蟄や灯へ傾ぐ夜のスプラウト
河島 八々十
啓蟄や墓として置く石清ら
恵勇
啓蟄や月のひかりのしつぽ欲し
日永田陽光
啓蟄の地軸ほど良い角度かな
小田毬藻
啓蟄や擽るやうに轆轤蹴る
げばげば
啓蟄や測量士補はダム現場
新濃 健
タワマンの吹き抜け啓蟄のひかり
津々うらら
規制線張る啓蟄の街なかに
あまぶー
啓蟄の神苑ひかり夥し
舟端玉
欠けの無き啓蟄の点字ブロック
関津佑花
啓蟄や天の岩戸の活断層
まるちゃんにいさん
啓蟄のぽこぺん背につんつつつん
武井 超凡
啓蟄の鼻を濡らして雨は甘し
橋本有太津
仁丹をこぼして啓蟄の坩堝
中村すじこ
印影ぱよよん啓蟄があかるい
イサク
啓蟄や古墳売る人欲しい人
春野ぷりん
啓蟄や蹄に沈む土光る
となりの天然水
啓蟄の鳩ふくらかに濡れてをり
うすい木蓮
啓蟄の原子炉まだ動いてゐた
伊予吟会 宵嵐
啓蟄やフンコロガシのページ閉づ
杜まお実
啓蟄のエジプト文字の歩きさう
川越羽流
啓蟄ヤ下ノ畑ニイル先生
東京堕天使
啓蟄の街路樹は陽に黒ずめり
千夏乃ありあり
賑やかなる啓蟄牛の尾しなる
正風當
啓蟄の土にお湿り我に白湯
泗水ハオ
奇譚ひとしきり啓蟄のコピ・ルアク
植木彩由
啓蟄の畏み畏み受くる雨
糸川ラッコ
啓蟄や核処理場は静まれる
市橋あまま
啓蟄の石段アザーンは空へ
駄々
啓蟄や石棺の蓋ずれてをり
高山佳風
アボガドの種さみしかり啓蟄
きゅうもんde木の芽
啓蟄や路地の祠に卍紋
sekiいつき組広ブロ俳句部
啓蟄のつまさき壁のホールドへ
陽光樹
開墾や啓蟄の土ってほろろ
赤尾双葉
一握の啓蟄の土鉢に足し
川島欣也
亀思うどこが啓蟄なのだろう
山崎なお
啓蟄やエコバッグからエコバッグ
幸田梓弓
啓蟄を重さうに押す太極拳
三浦海栗
啓蟄やおどる埴輪の鼻たかし
紙谷杳子
定年を啓蟄の日のニキビかな
西田月旦
啓蟄や縄文土器の欠片接ぐ
竜胆
啓蟄や古代祭祀の石並ぶ
まりい木ノ芽
啓蟄の土塊アダムの産まれさう
天雅
啓蟄や一段高き開祖の碑
小川都雪
好きだったレゲエ鳴る啓蟄の通夜
佐東亜阿介改め境沢一千雄(富豪軍団)
啓蟄や火の國の川奔る奔る
RUSTY=HISOKA
茶ノ木扱ぐユンボや啓蟄を谺
戸口のふっこ
啓蟄のあぎとが土をぶっ放す
広瀬康
まるでかたつむり啓蟄のホルンは
じゃすみん
啓蟄やわれら日差しに寄りかかり
中山月波
啓蟄や鳥は光の粒として
やまさきゆみ
啓蟄や異動内示は椰子の島
冬乃子
啓蟄や雨の前方後円墳
竹田むべ
啓蟄や石積塚のふくらみて
あま門
大仏のひくひく啓蟄の小鼻
北藤詩旦
啓蟄の水路みどりに透きとほる
佐藤レアレア
幾万の死や啓蟄の空しづか
村瀬ふみや
啓蟄や湖底の底の耕運機
いなほせどり
啓蟄やウルトラマンの腹に皺
やまもと葉美
啓蟄の風車のつたり電気生む
GONZA
啓蟄の美容室明るめ希望
ツユマメ・広ブロ俳句部
啓蟄やあぶくぼこりとみづを蹴る
佐藤ゆま
啓蟄やオカリナに未だ土の音
剛海
啓蟄の空あたらしき杖母へ
窪田ゆふ
啓蟄やほぞ穴深く宮大工
戸部紅屑
啓蟄や朝の孤独を愛してる
フージー
啓蟄の土にひろがる詩の波紋
古賀
ゾウ舎にも啓蟄の陽のぬくみかな
うめやえのきだけ
啓蟄の濁りの中に鯉連む
加藤ねずみ
啓蟄やヒト科ヒト属ヒキコモリ
徹光よし季
啓蟄の雨やトラ舎に献花台
雑魚寝
吹上の啓蟄のみづゆたかなり
東田 一鮎
啓蟄や跡かたも無い防空壕
あきちゃんはよーせい
啓蟄のひかりの尾ふる栗鼠の朝
浅乃み雪
啓蟄はぽむんぽむんと弾みたい
染野まさこ
啓蟄や湯気にむくめく花かつを
トポル
啓蟄の土はため息吐いた土
平良嘉列乙
啓蟄の一打よ左心室出でて
四條たんし
啓蟄や蚯蚓色めく火焔土器
アンサトウ
啓蟄の水にあまたの目の殖ゆる
石浜西夏
啓蟄や癌と断ずる迅速診(ゲフリール)
星埜 黴円
啓蟄の扉ぎしぎし物を言う
あなぐまはる
啓蟄の爪ぬるま湯に洗ひけり
槇原九月
啓蟄の膝にギターのくびれかな
樹海ソース
啓蟄のソファーに醒めて浅き昼
霧賀内蔵
啓蟄やチラシの裏に詩のつぼみ
ノセミコ
先禿びし刃や啓蟄のトラクター
白神ハムサンド
啓蟄やコラソンは心臓のこと
公木正
啓蟄や二歩目はつんのめる義足
つちや郷里
啓蟄のサラダやはらかそれを混ず
すまいる そら
啓蟄のきれいな石をうらがへし
森海まのわ
FMからユーミン啓蟄の土曜
平野芍薬
啓蟄や夜は膨らみて香を放つ
シュリ
腹に脚仕舞ひて啓蟄の雀
夏椿咲く
啓蟄や人になりたてなのだらう
白沢ポピー
啓蟄やまなこ濡らして出で来る
日暮ひぐらし
啓蟄の香炉に硬き燃え残り
乙華散
啓蟄の外反母趾を労りぬ
寺尾当卯
啓蟄や音楽室のがらんどう
我孫子もふもふ
啓蟄や薬で散らす虫垂炎
余田酒梨
啓蟄や青ととのはぬ空わかし
玉家屋
啓蟄やみづうみは果実の匂ひ
七瀬ゆきこ
啓蟄の鯉ひるがへる尾のちから
葦屋蛙城
啓蟄や東塔に湯気立つを見ゆ
ほのぼぉの(蚊帳のなか)
次回の兼題も
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