【並選】
啓蟄やラザーリングの痛痒し
川端こうせゐ
啓蟄や雲が流るる畝傍山
ニッシャン
啓蟄や空には白き流れ雲
上津 嘉子
啓蟄や紙垂揺らす風地鎮祭
日向浜
啓蟄やトラクター快音の畠
水間澱凡
啓蟄や老いに抗ふ硯箱
喜寿にありけり
啓蟄やカーテン足りぬ窓へ朝
千葉右白
啓蟄や隣のあんちゃんとび職に
小島神泉
啓蟄のマジシャン先に鳩を出す
水無月 八子
啓蟄や通夜の家よりわらひごゑ
遠山比々き
啓蟄やモラトリアムをもぞと出て
鹿達熊夜
啓蟄の足裏くすぐる芝地かな
ふあんた
啓蟄やホースを水の脈打つて
菅井香永
啓蟄や三年越しのプロポーズ
玲風
トトメス二世は隣人かも啓蟄
林りんりん。
啓蟄や客足伸びて道の駅
田畑せーたん
啓蟄や図鑑紐解く時間好き
立歩
啓蟄や大阪メトロ夢洲へ
みのやん
啓蟄や小鳥の墓はあの辺り
ふゆこみち
啓蟄や世界の動き出す気配
ばちゃ
啓蟄や開幕戦へ長き列
三崎扁舟
啓蟄や川の記憶のほうの道
だいやま
啓蟄や桜田門の闇に問ふ
まつおえりか
啓蟄や鍬を持つ手を憚りて
塩風しーたん
啓蟄を犬と石段まんまん中
粋田化石
啓蟄に助教のチーク濃かりけり
川澄 爽葉
啓蟄ヤマタノオロチなら退治
埼玉の巫女
啓蟄やF10タップする小指
あたなごっち
啓蟄や着る綿のシャツ日本製
伊東海芋
啓蟄の落語家の口尖りをり
嶋田奈緒
啓蟄や深酒覚悟のテラス席
天照昭光
啓蟄や錠剤の殻鋭かりけり
有村自懐
啓蟄を身じろぎもせず眠る子よ
深草あやめ
啓蟄のほふく前進猫の耳
古乃池糸歩
啓蟄や昨日留まぬ父の今日
猫またぎ 早弓
乗り過ごして海啓蟄のエコバッグ
中島 真珠
啓蟄や利休鼠の寺作務衣
みらんだぶぅ
啓蟄の北ウイングの授乳室
板柿せっか
啓蟄やバブル時代の下水道
吟 梵
啓蟄や靴は光と音出して
美んと
啓蟄やむすび二つとたまごやき
スモールちもこ
啓蟄や旧りし蓐のにほひ立ち
haruwo
啓蟄や地下鉄ホームまで五分
ichihoppe
啓蟄やまだ癒えきらぬ傷数多
野地垂木
啓蟄の指紋が銀河中につく
高遠見上
啓蟄や提札のままランドセル
始の子
啓蟄の畑に塗り初む薄みどり
コダマヒデキ
啓蟄の眠りをほどく力かな
いりこのにゃらつめ
啓蟄の空とジーパン色褪せて
森葉豆
啓蟄の白き遊び場河口湖
もりお
啓蟄や電車乗り継ぎ上京す
渡邉花
啓蟄や飛ぶクルマから淡き雲
坂本 羊雲
啓蟄やぽろりと本音出る人ら
ことまと
啓蟄や失せし鋏は黄色の柄
金子泰山
打ち直す啓蟄の境界線を
黒蜜かりんとう
啓蟄や犬を飼ふとは笑ふこと
福田春乃
啓蟄や「志望動機」を書きあぐむ
山田不律
踏み分けていく啓蟄の地に急所
横山航路
啓蟄や元保護猫の首に鈴
馬場めばる
啓蟄やクレヨン持てば渦描く子
日月坊
啓蟄の朝トシのあめゆじゅが降る
酒井均
啓蟄に生まれし水を汲みに行く
広島立葵
啓蟄やぷるん赤子の尻の痣
愛柑(あかん)いつき組note俳句部
啓蟄の貌へ近づくかをりかな
小夏
啓蟄のニキビと自我とインカメラ
品川雅史
啓蟄やダイオウグソクムシぴくり
柊琴乃
啓蟄や学級日誌を読みふける
織 紫子
啓蟄や一錠減らす降圧剤
玉響雷子
啓蟄や含みて白湯の甘かりき
谷町百合乃
啓蟄や樹皮は光りて主張せり
南全星びぼ
啓蟄やめくる字引の音軽し
たこ山焼之輔
啓蟄のC3出口の猥雑さ
神谷たくみ
啓蟄のポップコーンにバターの香
小園夢子
啓蟄のつちくれ手捻りのとぐろ
天陽ゆう
啓蟄や空ひろびろと過疎の村
勘太郎
啓蟄や生まれたくて河童となり
村木年子
啓蟄の部屋は抜け殻草枕
ふじかつとび
啓蟄や瓶を幾つも煮沸する
春 あおい
啓蟄や卵子保存のニュース視る
中村笙平
啓蟄や巨石眺むる人の群れ
よみちとせ
啓蟄や次々開くパイプ椅子
蒼空蒼子
啓蟄やポロンと遂にFコード
石原由女
人生の仕事納めなり啓蟄
蔦すみれ
啓蟄のサイレン長き発破かな
吉野川
啓蟄や書庫の奥より古き本
一寸雄町
啓蟄の夕よ第二子妊娠す
着流きるお
啓蟄の荷はこれっぽち独立す
さく砂月
啓蟄やラマーズ法の鼻呼吸
沢 唯果
啓蟄や拍動強き親知らず
雨野 理多
啓蟄をたたき起こさむ地震ひとつ
島田雪灯
啓蟄や輪廻の時を赦されて
陶笛有味音
啓蟄やこむら返りのダンゴムシ
しんしん
けふ啓蟄けふ啓蟄と啼いてゐる
井納蒼求
啓蟄や赤子咥へる己が足
伊藤柚良
啓蟄を火の山蟲の出づる場所
茜むらさき
噛み千切る啓蟄のバゲットの端
三水低オサム
啓蟄や辞書の付箋の蠢動す
山下水音
啓蟄や尾尻は高々と戦ぐ
田上南郷
啓蟄や心音拾ふ聴診器
夢見昼顔
啓蟄や這い出る隙間うす光り
沢野鬼ぐるみ
啓蟄や土鍋の飯へヨード卵
家守らびすけ
啓蟄や土蔵を開ける主有り
笑詠化
啓蟄や丘よりながむ海のはて
かじま木犀
啓蟄のぬつと人吐くメトロかな
三月兎
啓蟄やよその子直に背の伸びる
富山の露玉
啓蟄や炮烙の茶葉だんだんと
久えむ茜咲
啓蟄や断捨離すべき人のこと
森一平
啓蟄の翅音かすかに宵の窓
三木青猫
啓蟄の漢和辞典を開きをり
比良山
啓蟄や八十年目の爆心地
紗藍 愛
啓蟄や二又のささくれを抜き
王朋亡
啓蟄や義母のお出まし何ぞ言ふ
有田みかん
啓蟄や舵の尾羽の鳶の声
栗田 もとえ
啓蟄や土手に奉仕の老人会
いごぼうら
啓蟄やものみな明き雨のなか
えりべり
啓蟄や土を知らない裸足の子
丸山晴耕
啓蟄や未来の見えぬ埴輪の目
一走人
啓蟄や土竜は髭を出しており
菊池克己
啓蟄のあやしき穴に園児の輪
堀邦翔
啓蟄や何かが待つてゐる先へ
中島穂華
土踏まずに腎のツボあり啓蟄や
蘂六
吾の中の吾も知らぬ吾を知る啓蟄
安曇 平
啓蟄やLINEの通知音またか
豆はな
啓蟄の土に杭打つ売地かな
秋葉 翠
啓蟄の新譜をフライングゲットでき
星田羽沖
啓蟄のユッケを黄身のうごめけり
たーとるQ
つちの波動すなの波動よ啓蟄
猪子石ニンニン
啓蟄や根の髭触るものありて
田中一升
啓蟄やバイブス上がる野外フェス
大谷 走郎
啓蟄に光の雨ぞ降りしきる
岬りこ
啓蟄や刺繍の裏の膨れゆく
吉谷地由子
再びの鍬を手に啓蟄の母
篠雪
啓蟄の電波時計の乾電池
電柱
啓蟄や新潮文庫読み返す
さぶり
啓蟄や羊水を突くて・あし・いのち
在在空空
啓蟄やこんな川でも魚跳ね
梅朶こいぬ
啓蟄やくすぐったきと声のす
大竹昭子
啓蟄や産み月の歩の重重し
彩桜里
啓蟄のしつけ教室最終日
ののはな誉茂子
啓蟄にロゼをしゅぽーん香の余韻
働太蔵
啓蟄や雨戸開ければ匂いたつ
鱈 瑞々
啓蟄や太陽の塔動きたり
笹間明明
啓蟄や卵の棚はがらんどう
吉川花ほっぺ
啓蟄や空部屋多きコーポラス
望月ゆう
啓蟄や切り株の皮剥がれ落ち
香山浩
啓蟄のまずめを燥ぐ小鮒かな
白上誠陽
ガラスの虫跡啓蟄のドライブ
すかーてぃっしゅ
啓蟄や入試帰りの二人組
ニリンギ
啓蟄や学者ファーブル書斎を出づ
とんぼ
啓蟄や穴の不思議は木の根元
古川光一
啓蟄や高速道路になる田んぼ
阿部油
啓蟄やe-TAXと首っ引き
伊藤てまり
啓蟄の庭にあらはる錆びた釘
那須のお漬物
啓蟄や大きな穴と小さなの
沢瀉
啓蟄や金庫奥にも遺言あり
藤源卿
啓蟄や白い朝陽の射す寝床
眞さ野
啓蟄の地球わづかに膨らみぬ
むったん
上質な呼吸啓蟄の窓を風
星詩乃すぴか
啓蟄や音変えながら鳴るタイマー
上村茶娘
啓蟄やシフトの合わぬ子のとなり
キッカワテツヤ
啓蟄やふつふつ滾る老いの意地
津軽わさお
啓蟄や男もすなるタジン鍋
津軽ちゃう
啓蟄や軽々昇るつづみ星
瓢箪鮎
啓蟄の一員となる山野かな
おおにしまこと
啓蟄や案外せまい蔵の跡
まぐのりあ(蚊帳のなか)
啓蟄の雨の造りし朝の庭
登盛満
啓蟄や津軽の土は埋もれしまま
津軽まつ
糧探す啓蟄の日の山歩き
白井百合子
啓蟄や集くロケ地の喫茶店
孔明
啓蟄やゲラのデータを受信せり
鳥羽南良
啓蟄や畑に梳き込むオルトラン
はまゆう
啓蟄やヒエログリフの解読書
秋桜みりや
啓蟄や赤児すっくと一人立つ
野々原ラピ
啓蟄や恐竜の声まねており
羅美兎
啓蟄のかほりももいろのクレヨン
青空まる
啓蟄や宿主ひとつ使ひ捨て
錆田水遊
啓蟄や離島の球児晴れ晴れと
藤 無南
早朝の挨拶増えて啓蟄か
大和田よつあし
啓蟄や肩甲骨の螺子緩む
早足兎
啓蟄や清潔好きなコロナの子
池内ときこ
啓蟄や野趣いつぱいのお裾分け
あらいすみこ
啓蟄や赤函の辞書引く「衝動」
八十六九
啓蟄や夫愛用の虫メガネ
谷川ふみ
啓蟄や抱く子の指の指す方へ
ゆすらご
啓蟄やレンブラントの襟の襞
巳智みちる
紺色のカチューシャ啓蟄のバス来
源早苗
啓蟄や詩人は旅に我出社
加藤多作
啓蟄のディンギーよいざ帆を上げよ
宇佐美ミズク
啓蟄やアンモナイトが吸う夕陽
鷹星
啓蟄や癌闘病に放免日
今野佑紀
啓蟄の赤子の拳開きたり
おかえさき
啓蟄の長きトンネル国境
かぬまっこ木ノ芽
啓蟄や鳥高らかに風となる
松岡徘徊狂人
啓蟄や梅枝を切れば細き声
越智空子
啓蟄の糸くずフィルタ気にかかる
at花結い
啓蟄ややさしいけんかと弔辞受く
横山ひろこ
啓蟄や須恵器に残る猫の跡
森 毬子
啓蟄やみづはなみなみ注ぐが良し
五味海秀魚
月ゆがむ啓蟄のころ大気濃く
あおのめ
啓蟄やなにやら動く畳縁
渡辺わたる
啓蟄やチケット見たりまた見たり
リコピン
啓蟄やとんと大地を蹴る加減
ほうちゃん
啓蟄や腰を伸ばして庭に立つ
窪田耕作
啓蟄やこれより海へつづく道
さいたま水夢
啓蟄の我が登山靴甘く鳴く
浜 友輔
啓蟄や塞翁が馬とふ命
逢來応來
啓蟄やさ迷う日付変更線
山香ばし
啓蟄の穴を一度は振り返る
木内龍
啓蟄に洗う巨躯たるピカチュウを
半ズボンおじいさん
啓蟄の日に雲梯を得意げに
せいしゅう
啓蟄や新妻告げる胎動を
千葉睦女
啓蟄やおまえも行けと道祖神
白眼 緑照
啓蟄やタイムカプセルを開ける日
かつたろー。
啓蟄の封の切り口ジグザグと
Early Bird
啓蟄やシフォンケーキの花割れに
円海六花
啓蟄や姿勢をただす始業ベル
浅井カバ先生
啓蟄や山のかたちの非対称
蜜がけまやこ
啓蟄や雨戸を閉めて子は五年
カリヨン
啓蟄や少女の声のごと歌ふ
西郡うり
啓蟄に凝り固まつた言葉吐く
さとう昌石
啓蟄や縁丸みたる五合枡
也和
啓蟄や相部屋の病室を発つ
福間薄緑
啓蟄や翼生えたる吾子の背に
真喜王
ひきこもり啓蟄の陽を見つめ居る
田中ミノル
芥子餅噛みゐて啓蟄来たりけり
落句言
啓蟄や抱きしむる犬今逝きぬ
伊沢華純
あえかなるねつ啓蟄の手のひらに
渋谷晶
啓蟄やのたる仮名字の稽古中
一久恵
啓蟄やぐりとぐら焼くパンケーキ
卯之町空
啓蟄や遂に前歯が角ぐめり
阿山きし
啓蟄やドアをノックするのは誰だ
西田武
啓蟄や砲無き台場東京湾
橋本諒駿
啓蟄やジヤヴエリン黄金芝を爆ぜ
鈍亀
啓蟄や遺跡の眠る丘は今
こうだ知沙
啓蟄や野外授業の明るくて
渡邉春生
啓蟄やラジコンカーの暴走す
中里 凜
啓蟄や日向に古き土を干す
睦月くらげ
この後がつかえています啓蟄です
空流峰山
啓蟄の日や初恋の人と逢ふ
朶美子(えみこ)
啓蟄やルールの変わる草野球
クラウド坂の上
啓蟄や埋まってるやも不発弾
おこそとの
啓蟄や噂の菓子を買いに出る
acorn
啓蟄や古き手紙を棄てる朝
緩木あんず
啓蟄や数字の並ぶ掲示板
京あられ
啓蟄や来季は嫁を娶りたし
誠馬ノマド
啓蟄やウルトラマンは砂の中
一慎
深夜便欠航啓蟄のマック
たけろー
啓蟄や水も血潮も流れ出す
坂本秋風
啓蟄やきょうは新刊発売日
いつか
啓蟄やまだ柔らかき土踏まず
檜鼻ことは
啓蟄や虫愛づる子も土を這う
西町彰子
被災地や野も山も海も啓蟄
春蘭素心
啓蟄やダイオウイカも恙無く
仲村夏子
啓蟄や多足の闇の息のなか
龍田山門
啓蟄や世界最強パスポート
風花美絵
啓蟄の九時、保育園説明会
白子ポン酢
啓蟄や昼のサイレン間延びして
はぐれ雲
啓蟄や仁王の足の指の反り
白猫のあくび
啓蟄や退職の日まであと九日
田村 宗貞
啓蟄の夕日チーズグラタンの香
清鱒
啓蟄のバス停留所風立ちぬ
山尾歩
啓蟄に園児の円陣おむつ姫
石井真由美
啓蟄や四股踏む子らの声空へ
小倉あんこ
鱗粉ぱらぱら啓蟄のキャンバスへ
晴田そわか
啓蟄や鄙の叔父からくる祝辞
みやかわけい子
啓蟄のラクトアイスと学割券
のんきち
恐竜の子の食む啓蟄のビスコ
TAKO焼子
啓蟄や恐竜の巣の上は土
そめいゆ
啓蟄や今月号は虫眼鏡
みなみはな
深呼吸して啓蟄の5号鉢
曇ゆら
啓蟄の漢和辞典のむずがゆき
鷹取 碧村
啓蟄の麻婆ならばよう跳ぬる
ろまねす子
啓蟄やスナックを出て恋の歌
亀田荒太
啓蟄の土器の欠片を避けながら
永井無々
啓蟄や豪華フェリーの二等室
高嶺織人
啓蟄や試書さりさりとガラスペン
内田ゆの
啓蟄の皆おどろかすこだまかな
千歳みち乃
啓蟄の呼気肋骨より搾り出す
清水 三雲
啓蟄やグーチョキパーで打鍵の子
二重格子
啓蟄の量りの針の微動かな
勇緋ゆめゆめ
啓蟄や時が満つれば濃く匂ふ
木村ひむか
啓蟄や床を這ひては去痰薬
加藤水玉
啓蟄やトランポリンをポンくるり
ひすい風香
啓蟄の気になる右の眉毛かな
ヤヒロ
啓蟄や人間どもの生活音
球追
啓蟄や熱の入りし朝練習
かとしん
啓蟄や妊娠検査薬赤し
武志望
啓蟄の吉報抗がん剤不要
真咲よしの
啓蟄や吾子はごろんと寝返りす
浅井ひろ子
啓蟄の湾のブレードよく回る
畑中幸利
記念碑に啓蟄の矢をぶっ刺して
紅紫あやめ
水光る田啓蟄の波大も小も
諧 真無子
啓蟄や関守石の棕櫚の黒
ナノコタス
啓蟄の令に重力ゆるみけり
華胥醒子
啓蟄の介護所閉鎖我の黙
服部勝枝
啓蟄の二時間列ぶ二郎系
柳絮
啓蟄の野原撮りかけのフイルム
陽花天
啓蟄や戻しすぎたる干し若布
ぐりえぶらん
巡る吾草木も空も啓蟄も
わぎゃん
啓蟄やコンビニまでは行けるかも
どらまにあ
啓蟄や赤き絵画のありし部屋
石神湖畔
啓蟄に沈下橋駆る獣かな
野中泰風
啓蟄や深きメトロを人いきれ
たつき
啓蟄やきのこの山のチョコ硬し
小笹いのり
靴紐の解け啓蟄に跪く
佐野明世
啓蟄や水門開けば朝日の香
むさし野まさこ
螺髪脱ぐ啓蟄の明るき御空
紫小寿々
啓蟄のアラーム音や朝を伸ぶ
オキザリス
啓蟄の絵馬のキョウコの消えかけて
木ぼこやしき
ポッターの杖振る啓蟄の空へ
高橋風香
啓蟄やゼンタングルの草群れて
高田ちぐさ
啓蟄やオープンカフェの西銀座
巣組龍虎
啓蟄や階段軋む夜半の雨
藤永桂月
啓蟄や錆丸き廃校の鉄棒
木村弩凡
啓蟄の昼をnanacoの決済音
ぜのふるうと
啓蟄やパフェを覚える吾子の口
まっちゃこ良々
啓蟄や点滴ベッドに見る夢
広島 しずか80歳
啓蟄や初恋相手シングルに
雅蔵
啓蟄や鎖の犬も尾を振らむ
立町力二
啓蟄や内示の空を宇宙船
てるきち
啓蟄や乾いた泥をぬぐう指
島陽広
啓蟄や屋根に鴉の歩く音
とも子
啓蟄や陽に温まる膝小僧
霜川このみ
啓蟄や次いで生まれし孫まごまご
西野桃果
啓蟄や皿にナイフの当たる音
幸久
啓蟄や捨ててなかつた日記帳
鷹見沢 幸
啓蟄のねじ穴一晩の木屑
波多露音
啓蟄や故郷の墓も賑わうか
五十嵐 三連単
啓蟄や与ふる初乳吸ふ力
櫻心
啓蟄や吾子を砂場へ吾は木陰
ぐりぐら京子
啓蟄や開け方知らぬ非常口
冬野志奈
啓蟄の陽に白く反る石の苔
空乃さゆり
啓蟄や子の押す友の車椅子
松山めゐ
啓蟄や弁当箱はおろしたて
笑姫天臼
啓蟄の何もかもずぶ濡れの朝
中根由起子
啓蟄や故郷はまだ地震の後
なかおくじら
啓蟄や畑の堅きを考へ告げ
くろけん
啓蟄や芋観音の幟に祖
山田怠洋
啓蟄や喪のバスの出る日影道
ぶうびい
啓蟄や賃上げデモに巻き込まる
どいつ薔芭
啓蟄の母に家出の気配かな
岡田雅喜
啓蟄の甍燦々御影堂
はなぶさあきら
昨日のメンコ勝負付けに啓蟄
狩谷わぐう
啓蟄や米食う国がざわめきぬ
猫ふぐ
啓蟄や三人の鬼の囁きて
谷口詠美
啓蟄やビオラの弦を張り替えて
玉野文
啓蟄やギプスの脚のもぞ痒く
みやま千樹
啓蟄やびゅんびゅん素振りしている子
遥風
啓蟄やパン粉へ落とす生卵
武田ラーラ
甘やかな啓蟄そそぐ陽の方へ
森重聲
啓蟄や手ぐしでなおす子の寝癖
紅三季
啓蟄の木箱に小さき穴一つ
亜桜みかり
啓蟄の二度目が行かぬ二重跳び
西川由野
啓蟄や爺の鋤鍬こと始む
オアズマン
啓蟄や洗濯物の日の匂い
太之方もり子
啓蟄の表情筋をほぐしけり
うに子
啓蟄の一足先の背を掴む
富永武司
啓蟄のふとした二十三年後
鈴木裕公仁
啓蟄や匂い連れ来る風緩む
鵬
白杖の櫂啓蟄の船出かな
さかえ八八六
啓蟄の畦道くすぐったそうにし
岡田道一
啓蟄やベンチきしきし草野球
大西秋桜
啓蟄のビルを射抜いてゆくひかり
夏風かをる
啓蟄やベートーヴェンにつける歌詞
ふくじん
啓蟄や粉浮く靴の磨き上げ
谷 道悦
啓蟄やしんと味噌蔵奥は闇
どくだみ茶
啓蟄や母にはかせる介護くつ
松坂 コウ
啓蟄や最上川背にジム通い
古葉寅万
啓蟄や洩れ出づる輪廻転生
飯沼深生
啓蟄や持ち手は龍の柄の杖
でんでん琴女
啓蟄や「目覚めよ」とヨハネの声が
桜月夜
啓蟄や深爪の指しなやかに
北山 烏兔
啓蟄や昼食中の診療所
万里の森
啓蟄や東京駅の浅き花壇
細川鮪目
啓蟄や畳を滑る反射光
橋本こはく
啓蟄の神社や赴任地の門前
うた 歌妙
啓蟄や喪中はがきを本棚へ
富山湾
啓蟄や訪問販売追い返し
大月ユリコ
啓蟄や役目終へたる単語帳
哲庵
啓蟄が沸騰点になりすます
正岡田治
啓蟄の土ふかふかと乾きゆく
風薫子
啓蟄や柱の節の蠢きて
松田寛生
啓蟄や欠けたる夜の羅針盤
モッツァレラえのくし
取り壊されし歩道橋と啓蟄
坂本梨帆
啓蟄の長き行列くじを売る
二丁目
啓蟄や小言増えたる母と姉
若葉わかば
啓蟄や海面はためく紙テープ
松風花純
啓蟄や鍬にちぎれしものの鳴く
仁和田永
啓蟄の対局顔面受けときた
坪山紘士
啓蟄や舗装道路に雨の香す
鈴木古舟
鳥瞰や啓蟄の街艶やかに
花南天anne
殆どが偶偶啓蟄に出づる
大塚迷路
啓蟄や柔軟剤はフローラル
あすかきょうか
啓蟄や未だ覚めやらぬ二上山
大阪駿馬
ゆるゆると乾物あくびして啓蟄
古都 鈴
啓蟄や作り置きするハンバーグ
金田庭園
啓蟄や履歴書を買ふ引きこもり
俳句ファイヤー立志
啓蟄や顎に出でたる小さき疣
ちやあき
啓蟄を飛び出す馬の十二頭
宇都宮駿介
啓蟄の首を傾げば空傾ぐ
桃園ユキチ
啓蟄や恐れずに手を差し出せた
榎美紗
啓蟄や高いソの音楽々と
後藤三梅
啓蟄のワインにとほき鄙の文字
藤白真語
啓蟄やベランダにいる知らぬ鳥
無花果邪無
廃屋も孵るところとして啓蟄
三無季生
甘きトリートメント啓蟄の夜
犬鈴
啓蟄や往復はがきはトロピカル
美月 舞桜
啓蟄の龍眠帖に四分休符
川屋水仙
啓蟄の土へ掃き出す棕櫚箒
みつれしづく
啓蟄や顔剃りて旧友に会う
亀亀子
啓蟄やベンチに父の杖こつり
岸来夢
啓蟄やマコトの草の種マケリ
吉 や
啓蟄や寝言も英語だったらしい
石本コアラ
啓蟄や貝殻ためる宝箱
月見柑
啓蟄やトウシューズより光の香
野村齋藤
啓蟄や五体をさらす地下出口
鈴野蒼爽
啓蟄の薬草香る化粧水
いつき組広ブロ俳句部・井上れんげ
植木屋のゴーグル啓蟄のひと日
春海のたり
啓蟄やベンチに開く弁当箱
洒落神戸
啓蟄や隣人宅の客若し
瀬央ありさ
啓蟄や山や潮の香気まぐれに
種種番外
啓蟄や人も宇宙へ飛び出る
荒木響
啓蟄や点字ブロック掃き浄む
塩の司厨長
啓蟄や小鳥のごとく俯けり
江良 中
啓蟄やあまり話さぬ人に寄る
蘭丸結動
啓蟄やシャツの背に五センチの風
砂楽梨
啓蟄や塩一握り飼葉へと
ふわり子
啓蟄や産声響く鉄扉
馬門宗太
啓蟄や八年振りなるマイロッカー
かなの りえこ
啓蟄や光は影を食んでゐる
はごろも856
啓蟄や白髪染め液混ぜる夜
美年
啓蟄や小雨なら傘なしで行く
さとうナッツ
啓蟄やKioskで買ふ創刊号
深紅王
啓蟄の土に挑めり三輪車
かわいはる
啓蟄やチョルノービリの微振動
灰田兵庫
啓蟄や増える移住者筑波山
恋瀬川三緒
啓蟄や外宮前発二連バス
坂土海夏
不登校の子の弾く啓蟄のワルツ
仁山かえる
啓蟄や井戸端会議多くなり
加和志真
啓蟄や土曜日めける月曜日
水京
啓蟄や江ノ島沖の波荒く
ひろ志
啓蟄や響き高なるヴィヴァルディ
松浦 姫りんご
啓蟄や海の安らかさへ還す
久保田A
啓蟄の靴下破る足の爪
平としまる
啓蟄や四本目の腕生えてきさう
金海銀葩
啓蟄や入江をなぞる路線バス
唯野音景楽
啓蟄やいす取りゲーム二連勝
ひなた和佳
啓蟄や昭和百年とふ区切れ
市橋正俊
啓蟄や歩き出しそな道祖神
なかの花梨
空へ撃つ啓蟄のペットボトル
すりいぴい
啓蟄のグッデイ皆と待ち合わせ
霧 澄渡
啓蟄や文具にテプラ貼り終える
伊久多彩葉
富士五湖の空から啓蟄を想ふ
平山仄海
節穴に気配啓蟄の枕木
加山シンゴ
啓蟄やノート新たに名を記す
本久優千
啓蟄や似てるボタンを縫い付ける
久米穂風
啓蟄の校庭をゆくビラ一枚
丹波らる
啓蟄をワニが笑ひて牙ぞろり
夏雨ちや
啓蟄や木登りの子ら枝に座す
雨李
啓蟄の飴がみるみる駆ける馬
柚木みゆき
啓蟄や正門狭き志望校
山崎 佳世
啓蟄や万博予約完了す
からすちゃん
啓蟄の長篠矢弾顔を出す
楊梅江風
啓蟄や鋭き嘴は見漏らさず
かいぐりかいぐり
啓蟄の仕掛け時計のロンドかな
高木石塊
啓蟄や出口矩形の地下通路
ふじこ
啓蟄や腸はみな闇に動く
稲畑とりこ
啓蟄や草の海征く駆逐艦
菅田斑猫
啓蟄も我には遠くあと五分
森無田
啓蟄や裏側のことねほりはほり
髙田祥聖
啓蟄のリュックに太田胃散かな
北村 崇雄
給油缶手に付く匂ひやもう啓蟄
綿鍋雪
啓蟄や有精卵に流るる血
森脩平
啓蟄や答案用紙配らるる
上村 風知草
啓蟄やかつて踏切だった場所
ふみづきちゃこ
突風に撓ふ「ああ」啓蟄の翅
北爪いく葉
啓蟄や面会謝絶の解けるころ
空心菜
登り窯から啓蟄の風のいろ
加賀くちこ
啓蟄やもぞもぞもぞとセル揺らぐ
しいなはづき
啓蟄にうがいも弾む昼休み
夏川三木子
讃美歌のこだま啓蟄の振動
美織
啓蟄やキャスキッドソンの店に列
平岡梅
啓蟄や胃カメラぬ〜と這いまわる
増山銀桜
啓蟄やいまだ雨戸の閉ぢた部屋
藤井かすみそう
顔彩も入れ啓蟄の旅鞄
杏乃みずな
啓蟄の大地に大の字を描く
悠雨木 はな
啓蟄のぐにゃりと動く地球かな
福原あさひ
啓蟄や白無垢の立つ家裁前
赤木ありこ
啓蟄や空を見ながら髭を剃る
砂山恵子
啓蟄や羅漢の耳朶に陽のしづく
きのえのき
啓蟄やコロボックルをみいつけた
岡山小鞠
啓蟄や水縹に染まる天窓
大
青い目の人形啓蟄を疎む
清白真冬
啓蟄や草匂い立つ片手鍬
さぶろう
啓蟄の土弾く鉛筆五角形
武藤睦礼
啓蟄やくたびれはてし園児帽
片山蒼心
啓蟄や肩甲骨のむず痒く
伊藤恵美
啓蟄の町パペットの小劇場
藤井俊季
啓蟄や魚腹の緩やかな起伏
小室雅俊
啓蟄のコインランドリーにひとり
北乃薫衣草
啓蟄の土や呼吸の湯気ゆらら
かこよし
差し色はオレンジ啓蟄の銀座
神島六男
啓蟄や二足歩行の怪物も
お皺の局
啓蟄や雲は山頂開けており
細木さちこ
啓蟄や両国驛は出発点
辻󠄀勢
啓蟄や登窯から火は伸びて
久世 桜子
啓蟄や雑草の根もむずむずし
岡塚敬芳
啓蟄の森のシアタードライブイン
佐藤知春
啓蟄や紙面の文字のぎゆうぎゆうと
刈屋まさを
啓蟄や砂場にぽつぽつ雨の染み
おかだ卯月
啓蟄やダンス動画の振り入れて
鈴木来穂
山火事のニュース啓蟄の朝と識る
房総とらママ
啓蟄やぼりぼり頭掻くゴリラ
一日一笑
啓蟄之命百億死百億
九頭龍 一鬼
啓蟄の更新長きコンピューター
あおき そら
啓蟄にわたしの灰汁は疼きだす
城内幸江
啓蟄や和平後土地に不発弾
中野風鈴
啓蟄や不要データを消去して
日月見 大
啓蟄や都会の駅の案内図
秋田俳楽
啓蟄や切符つるりと吐きだされ
辻 花和音
啓蟄や這い出た虫にアヒンサー
石鎚山大三郎
啓蟄や汝も頭部より生まれ来し
羊似妃
啓蟄や指輪を仕舞ふオルゴール
星月彩也華
啓蟄や空は父なる顔をして
帝菜
啓蟄や汚れを落とす換気扇
いこん
啓蟄や悪友二人より便り
蓮井理久
啓蟄や物思ひつつ芋刮ぐ
空 ひろ
啓蟄や築古は更地となりぬ
おおいし 陽葵
啓蟄の選挙ポスター剥がしけり
草夕感じ
啓蟄の雪の音サイレンが裂く
朋部 琉
啓蟄や圧力鍋で朝カレー
井田みち
啓蟄やバイクにマップ高野線
テラゴン
啓蟄の備前じゃ窯をこじ開ける
小山 晃
いるはいるは啓蟄待ちきれないやつら
雨森 茂喜
啓蟄や好きな女と飯を食う
新山晶花
竹竿軽し啓蟄の空模様
白井佐登志
啓蟄の風に抱かるる樹木葬
龍哉
啓蟄や遥か大地に象の群
奏月 葉音
啓蟄やクレーの線描にある自由
三高 姫
啓蟄や無かった道が目の前に
風蘭智子
啓蟄や瓦礫残りし畑に立つ
暇禍
啓蟄や一気呵成に山動く
まきうち祐
啓蟄やいらぬ本みな一掃す
佐川碧
啓蟄や汚部屋に涌ける孵化の殻
留辺蘂子
啓蟄にスニーカーめちやめちや洗ふ
夏山栞
啓蟄や白亜のマリア艶めきて
豆柴
復興の鯖缶啓蟄の市へ
秋野茜
啓蟄や虫封じの札煤け
猫楽
啓蟄のポーカー手札にはジョーカー
加藤栗庵
啓蟄やホラ吹き男のノンフィクション
sol
啓蟄の甘美な風や野へ空へ
千・いつき組広ブロ俳句部
啓蟄やレール追う眼差し高く
有骸蟲蜴
啓蟄の進路希望調査かな
さくら悠日
啓蟄やシャチ現れる昼の庭
大関 邦友
啓蟄や地すべり地割れ修復へ
あらかわすすむ
啓蟄の顔出す完治せぬ病
島 白椿
啓蟄や紙端の縒れし単語帳
Dr.でぶ
啓蟄やツンドラに眠る同胞よ
くちなしの香
啓蟄や昨日より短いシャワー
足跡新太
啓蟄や天敵もまた目覚めをり
⑦パパ・いつき組広ブロ俳句部
啓蟄や有象無象の最後われ
碩 無山
顔面を張る啓蟄の向かい風
松本こっこ
啓蟄やひと頃の泥絡ふ靴
山河穂香
啓蟄や猫の乳首の眩しそう
四丁目
啓蟄や哺乳瓶出づ墓仕舞
八幡風花
啓蟄ややたら分厚いカツサンド
群多亡羊
啓蟄の丸まりたがる画家の髭
桜鯛みわ
啓蟄や鏡に老のmemento-mori
儚子
啓蟄や窓を飛びだす綿ぼこり
向原てつ
啓蟄の杭に売家の幟立つ
素数
啓蟄やおほぞら今日も生まれたて
福花
啓蟄や靄晴れてゆく向きに帰依
つくも果音
啓蟄や実家の跡地値下げせり
紫鋼
啓蟄の芽を出しそうな肉団子
空豆魚
啓蟄や図書館で観る小津映画
蓮田つばき
啓蟄や土もときめく光あり
渡延 音珂
啓蟄の土の香憂ふ雨後なり
淡湖千優
啓蟄の口や尻から感嘆符
凪太
啓蟄や石庭の波描き直す
呆け鴉
老猫や啓蟄の日々変わりなく
大久保一水
啓蟄や刻む石碑にてんでんこ
バンブー
ハカセてふ子や啓蟄の石返す
鈴白菜実
啓蟄や政府めデモを邪魔してらあ
野点さわ
啓蟄や金子みすゞの詩溢る
荒木ゆうな
啓蟄のラジオ懐メロつづく午後
鶴小なみ
啓蟄や残り僅かの消臭剤
梅田三五
啓蟄やぷつんと切るる螺の腸
能研ショテカ
包丁を研ぐ啓蟄の煌めきと
はれまふよう
啓蟄の鳶見下ろすや風の無し
香羊
啓蟄や蔵の扉のぎぎと開く
琵琶湖のおばさん
啓蟄や宝探しの骨董屋
沼宮内 かほる
啓蟄やうどんを食いに土手を往く
斎藤三藤斎
啓蟄かもう切っている趾の爪
水木合歓
啓蟄のコックピットにベッドメリー
黒木しるこう
啓蟄の土や大陸移動説
堀雅一
啓蟄や束ねる紐の十文字
木染湧水
啓蟄や警察犬の鼻の先
空山プラネタリウム
啓蟄や口より歌のはみだせり
森野みつき
啓蟄や歯のぐらぐらを舌で押す
絵十
啓蟄やインバウンドに埋まる街
伊藤なお
啓蟄や焙煎室の老マスター
ペトロア
啓蟄や画廊に覗くパステル画
相沢薫
あれもこれも我も啓蟄のさなか
鶴富士
家出少年啓蟄の検問に遭ふ
峰 乱里
地下は迷宮啓蟄の出口8
伏見丹耶
啓蟄や思ひ定むる「樹木葬」
山川腎茶
ねりけしのぐにゃりぺちゃりと啓蟄は
蝸牛
啓蟄の鷺のくちばし贄垂らし
夏湖乃
啓蟄や割印ずれて朱朱し
うみのすな
啓蟄や大混雑の大食堂
ルーミイ
啓蟄や歯科の治療も終はりたり
岡井風紋
啓蟄や弛む五体の蝶番
ふもふも
啓蟄や黒鍵力強く押す
ねこむらさきご
啓蟄や七福神の笑う声
富士桜花
啓蟄や槌音盛る両隣
楽和音
啓蟄やピクルス抜きを二個頼む
高田多寡太
啓蟄や逆立てておく種袋
野田百合
啓蟄の杜の都の匂いかな
瀬野広純
啓蟄の朝や埃に気づく窓
福来良
啓蟄や土一掴み嗅いでみる
広島あーやあーや
啓蟄のチンチンナブルム鈴凜々
弘友於泥
啓蟄や水の惑星なる地球
じゅんこ
啓蟄や虫の図柄の古き銭
立野音思
啓蟄や引き抜かれたる庭の石
北大路京介
啓蟄や好きなことから始めよう
小林番茶
啓蟄や宇宙に量子の揺らぎあり
嵐菜
啓蟄や生後三日のおおあくび
広島じょーかーず
吟行は啓蟄の声聞く頃と
三上 栞
啓蟄を食へば禿頭治りさう
佐藤茂之
啓蟄や人に酔ひたる上野駅
小田嶋隅雀
啓蟄のなにが嬉しいのかと飲む
林口竹
啓蟄やけふはゆつくり歯磨きす
花はな
啓蟄や散つては集く黄の帽子
靫草子
啓蟄や水槽の亀あくびする
葉吾人
啓蟄や完成したる骨の竜
あるる
啓蟄や信楽焼の大ふぐり
コモドドラゴン
啓蟄やチョコレートは今日も苦い
ユキト
啓蟄や土塊をかむバックホウ
石塚碧葉
啓蟄や縁側におく鳥の餌
ピアニシモ
啓蟄や明るい色の服がない
赤坂みずか
糠床や啓蟄のにほひよく混ぜて
足立智美
啓蟄や娘のアザの切除の日
しみずこころ
啓蟄や箱をはみ出す蛸の脚
芋 二郎
啓蟄や買ってたプラモの箱開けし
沖乃しろくも
啓蟄の野に己が身を放ちたり
喜多丘一路
啓蟄の一戸思春期更年期
薫夏
啓蟄や相続さつと済ませたり
夏 しのぶ
啓蟄や曾祖父の継ぐ時計つけ
伊ナイトあさか
啓蟄や陽を背に受けてスケッチす
小春風 幸
啓蟄や青春18きっぷ買う
希布
暗渠となり川啓蟄を忘れる
藤鷹圓哉
啓蟄の彼の地この地の天気かな
北の灯
啓蟄や風に浮世の匂ひあり
亀田かつおぶし
啓蟄やリオデジャネイロへ続く穴
石川穴空
啓蟄や水の饒舌ドナウ河
アムゼルえりこ
しんとした室外機啓蟄の朝
諫鼓苔深
啓蟄や人形はまた暗い房
匹田小春花
啓蟄の日差し古民家ピザ屋さん
あらい
啓蟄やフォッサマグナは鎮もれり
リカ
啓蟄やゾウ舎の水もあたたかく
小川テル子
啓蟄の回転ドアを出て燦と
亀山酔田
啓蟄の夜はトルコ行進曲鳴る
南りぱりこ
啓蟄に辞めたラーメン屋のバイト
須藤縦横
生臭き啓蟄の生臭き風
まるかじり
啓蟄の土を踏みしむ馬丁かな
土佐藩俳句百姓豊哲
啓蟄や傷んだ土は陽が恋し
水瀬曜
啓蟄や天泳ぐ足逆上がり
町神
啓蟄や赤子の柔き爪を切る
秋野しら露
啓蟄や迎え二人は門の外
わたなべ☆いつせい
啓蟄に峠を越えて都入り
青柳修平
啓蟄の水は蛇口へ口を寄せ
ひだ岩魚
啓蟄やあたい惚れたら恐いんよ
中村想吉
啓蟄や土を嗅ぎつつ鼻に泥
飛来 英
啓蟄や楽器の合わせお願いす
黙々笛
啓蟄や医者が手当つる我の背な
湯屋ゆうや
啓蟄や気泡ぷかりと神祀池
弥勒夕陽
啓蟄のパトカー洗う一課長
横山雑煮
啓蟄の膝へたまご色の湿布
海野青
啓蟄の味噌部屋ふくふくと匂ふ
栗田すずさん
啓蟄や平らな道を躓きぬ
さ乙女龍チヨ
啓蟄や吾子の癇癪破裂せり
はれみちる
啓蟄や鋏一丁新調す
ナオコ タイラー
啓蟄や墓石の罅に薄き苔
ゆきなごむ
啓蟄の掃除機コードすと戻る
だっく
啓蟄や子育てひろばに読む絵本
伊藤 蒼邨
啓蟄や白湯注ぎたる工芸茶
雪さやか
啓蟄や急勾配の墓掃除
風花
啓蟄や古墳土塊微動させ
森爺
たてがみのゆるるポニーよ啓蟄よ
綱川羽音
啓蟄や仕舞い込みたる食器出し
春のまさ女
啓蟄や旧渋谷川遊歩道
ひでやん
啓蟄や習ってみよう苦手な絵
まろのり
啓蟄や郵便受けにチラシ増へ
あさぬま雅王
啓蟄にアンネの空は濁りしか
小里京子
啓蟄や等高線の持ち上がり
谷本均
啓蟄の岸に鳥海まぎれなし
稲川ほろろ
啓蟄や農家の叔父の逝きし朝
山中 あぎ
啓蟄の玄き背わたを除きけり
爪太郎
啓蟄や月二集いて九年目
林 水城
啓蟄の朝むくむくと桜島
清松藍
啓蟄やさて家探しに居候
かんこ鳥
啓蟄の遠き故郷思ひけり
ウラッキー
啓蟄や東寺の塔は動かざる
林真紗湖
啓蟄やわが家に祖母の嫁ぎし日
金治宜香
啓蟄や鼻から通す内視鏡
角田 球
啓蟄やつひに見つけし捜し物
ほこ
啓蟄や瞬きで元気のサイン
山本マユミ
啓蟄や爪切る音の跳ねるごと
愛燦燦
啓蟄や醒めてみる夢新しき
るびちゅ
啓蟄や亀はもつたり伸びをして
森里綾里
啓蟄や今日だけ遠い停留所
小柳ジョージ
啓蟄や東京駅へベビーカー
毛利尚人
啓蟄や引越屋から褒め言葉
猪倉さえこ
啓蟄や土に染み込む夜の雨
田村美穂
啓蟄や死んだ兵士の腐る頃
定位置
啓蟄や洗車のホースカロカロ解く
葉るみ
啓蟄やぼんぼん時計三つ打つ
東山すいか
啓蟄や福島に風また温く
彩明
啓蟄の地下鉄出口から光
夏草はむ
啓蟄の土踏み締めし二遊間
ちょうさん
啓蟄の耳をくすぐるテーマ曲
ほしのあお
啓蟄や株式欄をまずは見る
雨霧彦(木ノ芽)
啓蟄や畔ふらふらと三周目
野州てんまり
啓蟄やうごめく音のさまざまに
銀 次郎
啓蟄のただしく生きて惑ひけり
空木眠兎
あの頃の啓蟄の泥つけたまま
木村深夜
啓蟄や妬みの触覚そろりそろ
花彼岸
啓蟄や返却期限過ぎた本
だがし菓子
啓蟄やヨーイ手をつく子とつぼみ
山田雅己
啓蟄にマクロレンズを磨きけり
山口絢子
啓蟄や一人暮らしの家探し
中村あつこ
啓蟄や有休気ままにプラモデル
緑瀬易義
啓蟄や名刺百枚新校長
山羊座の千賀子
啓蟄のスマフォのバイブ墓の前
神酒猫
啓蟄や長短のある色鉛筆
北田立緒
啓蟄や小中高は不登校
大雅
啓蟄の空気に混じる甘さかな
小湊 八雲
啓蟄や乳児のこえの機内満つ
竹原かよこ
啓蟄の腹をこぼるゝ砂一粒
満生あをね
啓蟄や猫背の妻の肩甲骨
はるく
草千里燃ゆる啓蟄ツアーかな
高岡春雪
啓蟄や大人のためのチェロクラス
野ばら
啓蟄のぼろ屋を撃破するユンボ
小林土璃
啓蟄や十二支そろひ飴細工
酔下弦
啓蟄やビアズリー展サロメ観に
藤井赤童子
啓蟄や大樹のうろを満たす朝
坪田恭壱
啓蟄や杜氏は蔵を出て国へ
あたしは斜楽
啓蟄や氏名点呼のたゆたへり
滝上 珠加
啓蟄や南北線が宙を行く
梨山碧
啓蟄や北の離れの開かずの戸
東沖和季
啓蟄や地球儀まわすゆっくりと
星影りこ
啓蟄の雨心臓に届きさう
もりさわ
啓蟄や空き缶棄つる穴二つ
京野さち
啓蟄や木々の根っこをくすぐれり
羽住玄冬
佳き便り我が学舎にこれ啓蟄
永松薫風
啓蟄やパソコンで書く遺言状
円路
啓蟄やタウンワークは三冊目
高辺知子
夕されば啓蟄の街酔い歩く
香取扇公
啓蟄の和太鼓や心臓はここ
大地緑
啓蟄や雲に陽の透く中仙道
美濃仙人
猫構へをる啓蟄の吹き溜まり
細田裡子
啓蟄や道化振る友逝ったのに
紫水晶
啓蟄や箪笥に匂うナフタリン
きべし
啓蟄や周波をさぐるカーラジオ
赤馬福助
啓蟄やDNAは点と線
リーガル海苔助
啓蟄や夜のキッチンよぎるもの
櫂野雫
啓蟄や喜寿の戀とて欺かず
秋内 壱玖
啓蟄の学級花壇掘り起す
くぅ
啓蟄の御所にくぐもる仏蘭西語
京有楽草
啓蟄の土を絵の具に描く赤子
宇佐美好子
啓蟄や下検分の通学路
俳句王
三振またも啓蟄の草野球
Q&A
啓蟄に軽やか左官鏝の音
鳥乎
啓蟄の通学路こもらぬ跡よ
橋本鳩子
啓蟄に次待つ人の銀座線
くろべぇ
啓蟄や土に混ぜ過ぎオルトラン
鳳凰美蓮
啓蟄や世間騒がす人数多
れんげ畑
啓蟄や走る我越す土手の風
木下風民
啓蟄や点滴痕の青紫
風の木原
啓蟄やタイムカプセル示す地図
三河三可
啓蟄にアイラッシュカーラーの光
神谷車林
啓蟄や文豪ひょろり無精髭
縞ふみ
啓蟄のさなぎゆらゆら空の夢
須田爪黒
土砂降りの午後の啓蟄しずもりぬ
髙橋弓女
啓蟄の星を握りて孫生まる
宗平圭司
啓蟄やデニムの穴に白い肌
北五帆
啓蟄や磁気抉り出す不発弾
野々村澄夫
悪気無き子らに啓蟄早まれり
高岡 春雪
啓蟄に動いて動いて動き回る
近未来
啓蟄や鳥啼き交わすハイトーン
はなだんな
啓蟄の寺にあつまれ鼓笛隊
水豚庵
啓蟄や踏み砕かれど祖国なり
777
啓蟄や細いトングの刻みネギ
松山茜柑
パーパス掲ぐ啓蟄の社長室
満嶋ハト
啓蟄のなかなかでてこないガチャポン
立川猫丸
啓蟄の我が眷属は胸毛濃し
海峯企鵝
啓蟄や畳んで閉じて埋めしものを
笹 靖子
啓蟄や手形は成長しないまま
北野小町
啓蟄の踊る地球を湯がいてる
青みどり
啓蟄に疾うに失くした恋が出た
水蜜桃
啓蟄やギプス外されそっと歩く
鋼岳
啓蟄や旅立つ朝の赤城山
浩子赤城おろし
啓蟄の一手穴熊囲いへ金
織部なつめ
啓蟄やポケモンGOにひとたかり
たこぼうず
啓蟄や地球むずむず晴れ渡り
蜥蜴の尻尾
啓蟄の石段の角丸みをり
水きんくⅡ
啓蟄や愛犬介護南向き
平山千鶴
啓蟄や琥珀の羽虫億回忌
犬淵貉
啓蟄の答辞に沁むる泪かな
黒山万牛
メンソール啓蟄の押入れに置く
藤咲大地
啓蟄や煌めき速く打つ鼓動
加納仁桜
啓蟄や吊天井へ柝音高し
えいぎょ
啓蟄や乾ききったる井戸の跡
小林昇
啓蟄や新たな道を示すナビ
田村利平
啓蟄や容赦もなくて基礎工事
佐藤 位相朗
啓蟄や婚姻届の色明し
トウ甘藻
啓蟄や夢の残りは風に棄て
山路碧水
啓蟄の風はこしょばい靴磨く
かねつき走流
啓蟄や尿管結石微動せり
虹岡思惟造
啓蟄やまだ未勝利の四歳馬
二十八
啓蟄や大腸内視鏡検査
土井あくび
啓蟄や振替輸送のモノレール
六浦筆の介
啓蟄のソファー内示に頷きて
梵庸子
啓蟄や菰焼く煙畔つたふ
枝葉
啓蟄の車庫に居並ぶ耐火服
狷狷亭猩々
啓蟄や外野の声の風に乗り
倉持くらもん
啓蟄の点字もぞもぞもぞもぞす
石井一草
啓蟄の土きしむ音伝わりき
うそつきやじろ
啓蟄やオープンセールのベーカリー
原島ちび助
啓蟄やイーゼル肩に野の小径
風虎
啓蟄を摘む指先たどたどし
庭野環石
啓蟄や十二センチの靴求め
林廉子
啓蟄やテールランプの列長く
風来坊健丸
啓蟄の盛り土あかあか屋敷跡
村岡花風
啓蟄の大樹の微熱掌
紗羅ささら
啓蟄や未だやはらかき鳥の糞
中防美津子
啓蟄の地下雑踏に蹲みぬ
蝦夷野ごうがしゃ
驚蟄の言祝ぐ夕べ土鍋飯
棗椰子(なつめやし)
啓蟄の一文書きて赤ポスト
桐山榮路村
啓蟄や観覧車また回りだす
佐々木 一栗
啓蟄の日の地下街に迷ひけり
碧萃生
啓蟄の土にかがみて児のゆばり
中嶋奈緒子
啓蟄の手薬煉をひく闇サイト
羽柳武助
啓蟄や腹で詩を読む日本人
水鏡新
啓蟄や足湯たちよる石畳
輝棒
啓蟄の静けさ卵ご飯を食ぶ
久下 真一
啓蟄や再会を待つカレンダー
平野恵風
啓蟄の色に迷うは午後の風
柑青夕理
啓蟄や資材置き場は更地へと
百瀬はな
啓蟄や竹馬の友の声聞かば
み藻砂
啓蟄や夢を小さく畳みつつ
正雪
啓蟄の面白きこと探しけり
佐藤 聰
啓蟄や髭剃り負けのひきこもり
居並小
啓蟄や落ちは饅頭怖いとす
おおきどくん
啓蟄や指さす先に新任地
岡田瑛琳
啓蟄やくちばし強く土を打つ
清水ぽっぽ
啓蟄やパレットに出すチューブ絵の具
塩野谷慎吾
車椅子おして啓蟄だねと云ふ
ヒマラヤで平謝り
啓蟄や学びたがりの人だかり
天鳥そら
啓蟄のバスに響くや佐渡おけさ
雅 寝子
啓蟄や動かぬ我に母の声
太田けいこ
啓蟄や子は公園の河馬の背に
龍野ひろし
啓蟄や大和座りの仏様
沙那夏
啓蟄のポルトガル語ベトナム語
悪七兵衛
啓蟄や鍼灸院の扉に陽
黎明
啓蟄やさつくりほろりメロンパン
冬野 とも
啓蟄や魔法陣めくマンホール
主藤充子
啓蟄や思ふと叶ふことがあり
國本秀山
啓蟄や三年借りた畑〆る
奈良岡歩
啓蟄や手のひらを打つゴムホース
水須ぽっぽ
啓蟄の更地にもどる隣家かな
立山穂高
啓蟄や社長遅刻の地鎮祭
蔵豊政
啓蟄やドラ1投手の剛速球
火星ラジオ
啓蟄やゴルフボールの眠る池
いたまき芯
雨風日差し啓蟄のプロトコル
宥光
啓蟄や米の力で藩つくり
ささき良月
啓蟄や地雷を避けて伸ぶる草
乃の
啓蟄の蔵カフェ店主豆を挽く
桐山はなもも
啓蟄や一人キャンプの闇の音
釋 証真
啓蟄の渓流放つ稚魚の群れ
渡辺 小豆
啓蟄や海の緩さは未だ遠く
君塚美蕉
啓蟄や道路工事のショベルカー
kikuti-aya
「甲」「乙」の読み上げ啓蟄の事務所
守田 散歩
啓蟄の小径明るき切通し
無弦奏
啓蟄や虫歯の奥に正露丸
黒猫かずこ
啓蟄の新宿駅に吐き出さる
堀口房水
啓蟄の孔雀はいつもより気さく
橘鶫
啓蟄や父の位牌を選ぶ母
花とわこ
啓蟄やグリコのハートとは鳥の
ぞんぬ
啓蟄や妻の一言虫封じ
平川一空
啓蟄や籤は大抵外れです
田辺富士雄
啓蟄や隣家の改築槌の音
横山三水
説教聞く啓蟄の鈴虫寺よ
円谷琢人
啓蟄の土の香ジェノベーゼの昼
さがみ湧水
啓蟄に香味のあらばカルヴァドス
風慈音
啓蟄やをんな喪服を捨てて笑む
らん丸
啓蟄や笑つてしまふほど寝ぐせ
香田ちり
啓蟄や光が波の量子論
弘法小子
啓蟄の人の声して研究室
梓 渓
啓蟄の長き行列新規店
もふ美
啓蟄や畠ともつかず庭の景
君島笑夢
啓蟄の蹠をつつく歩き神
香壺
啓蟄やはたきの音の軽やかに
細葉海蘭
啓蟄にあわてんぼういると思う
くみくまマフラー
啓蟄や旧きの匂ふ百葉箱
下條ちりり
羽あるものと衝突す啓蟄や
田中田田蟲
啓蟄や手品得意な副園長
立田鯊夢・いつき組広ブロ俳句部
啓蟄や焼きマシュマロは糸引いて
紅のジーナ
啓蟄や公園将棋拮抗す
宮下ぼしゅん
啓蟄やパズーのラッパ響く朝
松田迷泉
啓蟄のビニル袋に吐く不満
土佐俳句人
啓蟄や柱時計の捩子を巻く
村上 継鳥
啓蟄や停電に人わらわらと
西瓜頭
啓蟄や大地目覚めし土匂う
満の湯
啓蟄や公園三周目は坂路
安溶二
啓蟄の知恵の輪かつと外れけり
和住 緋弧
啓蟄や外側からも窓掃除
くすみ輝く
啓蟄の孔雀の首のまえへまえ
一港
啓蟄に置いてけぼりの禿びた土地
藤原ゴルゴン
驚蟄やAIらの談話の中
宇野翔月
啓蟄や路地を闊歩の鶏集団
うはのそら
解体の足場じわりと啓蟄か
寺尾向日葵
啓蟄のパリ窓際の砂時計
磐田小
立ち昇る蒸散と呼気啓蟄の空
坂 由美乃
啓蟄や折り目のあまた旅ガイド
花水木
幻のデゴイチ啓蟄の駅舎
宗平真実
啓蟄や鎌に母鍬に父の名
越前俊水
ドラム式啓蟄の分解掃除
飯塚煮込
啓蟄の足裏に探る地の起伏
阿曽 遊有
啓蟄や亡き母に叱らるる夢
とはち李音
牛頭のどこか啓蟄の校庭
ぉ村椅子(志村肇)
啓蟄や隙間時間のスクワット
赤尾実果
啓蟄のダイヤ改正増便す
ぽんたちん
啓蟄を狙ひをりしか総罷業
美竹花蘭
啓蟄や冬虫夏草我手中
こみやふるる
啓蟄よ今日もミサイル飛ぶ空よ
釜眞手打ち蕎麦
啓蟄のポップコーンのよく爆ぜる
笑松
啓蟄や鳩舎開け放たれし空
虎堂吟雅
啓蟄や光を浴びて一休み
玉響海月
啓蟄や三脚埋まる柿畑
横山山水
啓蟄の墓地に喪服の人の影
小石日和
啓蟄や銀髪の詩の革命家
風早杏
啓蟄の息はスタッカートなり
もも
啓蟄や身振りそろへて太極拳
与志魚
啓蟄目覚め巡れやアドレナリン
北美三風
啓蟄や遮光率5%の木漏れ日
坂本雪桃
啓蟄や皆出払って酵母の香
香田 野分
父と祖父啓蟄生れなりにけり
佐久凡太郎
啓蟄の国会に入る黄のスーツ
三尺玉子
啓蟄の若き移住就農者
どすこい早川
啓蟄やドーナツもよし豚まんも
松高法彦
啓蟄やゆるりと地軸傾けり
仲 操
啓蟄やブルーライトヨコハマ泣く
天道虫
やっかいな伯父来るそうか啓蟄か
島田あんず
啓蟄やもぞもぞ動く墓の中
風の鳥
啓蟄の畑帰りや蕁麻疹
Kかれん
啓蟄や匂ひの残る穴ひとつ
菫久
啓蟄やスヌーズ二回分の罰
秋月
ワイパーは啓蟄のみづぬぐいけり
渥美 謝蕗牛
啓蟄や関節をほぐす体操
なか かよ
啓蟄や親指ほどの障子穴
ゆず柴
啓蟄やこわごわ跨ぐストライダー
まるにの子
啓蟄に座る尻毛のくすぐったい
藤原素粒子
赤子の顔見えず啓蟄乳母車
うさぎ柚和
啓蟄や大人の塗り絵始めたり
松葉学而
焼きたてを割る啓蟄のクリームパン
ほしの有紀
啓蟄や父母の手を引き赤門へ
北斗星
啓蟄の角まどかなる金平糖
前田いろは
啓蟄や犬驚ける吹き戻し
みやざき白水
啓蟄や開業百年祝ふ駅
露崎一己句
啓蟄やモザイクマツト敷き替へる
海猫
啓蟄の出窓に並ぶぬいぐるみ
渡辺香野
啓蟄の啓の辺りのむくむくと
空井美香
啓蟄や銀山の間歩ギーと開け
コーノ凡士
啓蟄やひとに尾骨のある痒み
みづちみわ
啓蟄や設計図手に見分す
コーヒー博士
啓蟄や手に新たなるタコ見つけ
川辺世界遺産の居候
啓蟄や外知る猫と知らぬ猫
大熊寝子
啓蟄や学徒の兵は忘れざる
坂口いちお
啓蟄やフイルム剥がすカップ麺
山尾政弘
啓蟄や予定書き込む青のペン
神楽れもん
啓蟄の再就職や靴磨く
たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
就活二年啓蟄の内定通知
林としまる
啓蟄の夢の手触り這ふ朝
原 水仙
啓蟄やスープの冷めぬ距離訪ぬ
そまり
啓蟄や地球のミリが動き出す
武田豹悟
啓蟄や二足歩行をうたがへり
文乃倉
啓蟄を知らぬ子ら掘るおとし穴
虎の尾
啓蟄や昭和百年土動く
中島尚之
啓蟄や文庫の天の不均一
木公男8888
啓蟄や沓脱石におろす下駄
青木豊実
啓蟄や鉄路遥かに響くらん
大 広秋
啓蟄や二時限目まで保健室
小川しめじ
啓蟄や玉子豆腐のやはらかさ
深山諒
啓蟄や明けの院より僧の列
野瀬藻石子
啓蟄や縄文の顎目覚めたる
とうごうじゅうぞう
啓蟄やキッシュ焼く香も芳しく
詩
啓蟄の脛のギプスをノックする
藤井桃圓
啓蟄やチョコに恋したショコラティエ
今乃武椪
啓蟄に絶句吟じて薬師堂
三須渓迷
啓蟄のしゆつと立ちたる冠羽かな
青居 舞
快気なり吾ゆるりんと啓蟄に
風間 燈華
啓蟄やトッポジージョはもう古い
宮川武久
啓蟄やなにゆゑひとは殺し合ふ
田口大寒六
啓蟄や砂糖とミルクやめました
竹の子
啓蟄の黒土泥濘む兵站線
三つ葉躑躅
啓蟄や禍なる黶消えてゐて
トラヴィス ビックル
啓蟄や雨後の街行く杖のひと
伊藤順女
紅鏡の啓蟄をよぶ光かな
原貼女
啓蟄やホットケーキに走る蜜
不二自然
啓蟄や砂金の混じる加賀の土
HNKAGA
啓蟄やハノンに悶ゆる薬指
鈴木 浮浮
啓蟄や砂場に出づるアンパンマン
林常住
啓蟄や術後二年で肺転移
竜退治の騎士
啓蟄のスタッカートのハノンかな
宮武濱女
啓蟄や空にも土にも白を混ぜ
兵頭紫峰
孫穴をあけ啓蟄のケーキ箱
黒岩牡丹
賑々し啓蟄のフィッシングメール
みしまはぐし
啓蟄や仄かに光る覗き穴
木村となえーる
啓蟄や書き込みのある古き本
くぼたみどらー
啓蟄の君は仄かな光の香
松本独り
啓蟄やパンにたっぷりハニーナッツ
絵夢衷子
啓蟄をふさぐ獣の骸かな
村田益次郎
啓蟄や満月を背に脱皮する
山根もなか
啓蟄や薄っすら開きし土偶の眼
鶴見ツル
啓蟄や今日も確かな腹時計
岩鼻 のこ
啓蟄や框へコンと靴の飛ぶ
江口朔太郎
啓蟄や老いの手笑う野の花が
甘泉
啓蟄や鮭おにぎりに卵焼き
白石美月
啓蟄や谷川さんの詩の絵本
山口葵生
啓蟄やスマホでレジに挑む義母
志きの香凛
啓蟄や迷彩色の貨物過ぐ
ふゆの都々逸
啓蟄や篩に満つる餡の色
伊予素数
啓蟄や狭い屋台に人溢れ
雅屋少将
啓蟄や書店のまへに父が立つ
豆村あつ
啓蟄や日本列島裏返す
安春
啓蟄やハンマ叩けばぴこと鳴る
佐藤さらこ
啓蟄や母のお通じカレンダー
山くじら
啓蟄や中華街まで少女らは
入口弘徳
啓蟄や偽卵を抱く籠の鳥
火炎幸彦
啓蟄をさぐる知命の鼻めがね
男鹿中熊兎
啓蟄を電波届かぬ人になる
苺井千恵
啓蟄のあうらに硬き石を踏む
河村静葩
啓蟄や少年ジャンプ借りてゆく
大野美波
はいはいの音がだばだば啓蟄だ
山田蚯蚓
啓蟄の娑婆にそろへし侏儒の靴
すがりとおる
啓蟄や骨董市の賑はひぬ
松元転石
啓蟄に生れにし君のそばに眠る
阿部八富利
啓蟄の置き肥にまろむだんご虫
白庵
啓蟄の花壇へ猫の来たしるし
千の葉
カツサンドに辛子啓蟄つーんとす
柿司 十六
土混ぜて啓蟄に陽のシャワーかな
海沢ひかり
啓蟄や自転車道を多民族
沢井如伽
啓蟄や抜智歯の音ややさみし
兎森へる
啓蟄や辞めてきたから水泳部
紫檀豆蔵
啓蟄に急かれて履歴投函し
千葉転石
啓蟄や膝を使って空気入れ
佳葉
啓蟄の風にけたけた絵馬の列
島田ポン吉
啓蟄や胎児はみづと戯れて
葉月庵郁斗
啓蟄や世界は1℃上がってる
黒蜜きな子
啓蟄や香味野菜をせいろ蒸す
若林くくな
啓蟄や沈むプレート地下ふかく
井上 几兆
ふくふくと息啓蟄の水たまり
髙橋花紋
啓蟄や耳をくすぐるバイオリン
野原 華
啓蟄のひかりしんしんチンアナゴ
松山松男
啓蟄や有給届使い切り
斧 的部
首都に雨防空壕の啓蟄に
鶴舞櫻山
啓蟄やしぶき眩しき競艇場
増本空ふね
啓蟄の土を転がる猫太し
花星壱和
ジャングルジム一気啓蟄のお日様
花蜜伊ゆ
啓蟄や顎で押さえる箱七つ
如月ドロップ
啓蟄や先頭の子の笛ラムネ
坂口あゆごんす
啓蟄や視力0.2の目覚め
田中紺青
啓蟄や我の歩みに橋揺れて
大和田美信
啓蟄やタイムカプセル捜索中
ふくろう悠々
啓蟄や四肢に血の気の巡りくる
月影 重郎
今蓋を閉づ骨壺の考を啓蟄
感受星 護
啓蟄や窓開けて見る空模様
夜ノ森ムーミン
啓蟄や震災を知る黒き土
可笑式
啓蟄や結婚すると嘘ついて
満る
啓蟄の地下鉄列に待つ規律
る・こんと
啓蟄や齢百が寝酒する
月見輔
啓蟄や径に微か音と影
達坊
啓蟄や丹田あたりが痒くなる
風花まゆみ
啓蟄の献血ルームミルクティー
山姥和
啓蟄やふくよかな妃のおわしたる
やっちゃんち
啓蟄や吾の悲しみを俯瞰する
宮井そら
啓蟄の庭へと散髪の椅子を
北村 環
鯉痩せて水光ゆらす啓蟄や
呼幸
啓蟄の足爪切れば全部飛ぶ
羽野あき
丁寧に掃く啓蟄のグラウンド
中島走吟
啓蟄や風池風門さぐる穴
泉晶子
啓蟄に破天荒の意味調べおり
海堂一花
啓蟄やベランダの鉢に知らぬ花
月見里ふく
啓蟄やはんなりとした孤独譚
桂葉子
啓蟄やにゅるりにゅるりと詩を捻り
松本笑月
啓蟄や二十日遅れの上棟日
石岡女依
啓蟄の鯰押さへよ要石
栞虫かじり
啓蟄や寝て一畳の夜勤明け
ちくりん
啓蟄や土掻く六十億の肢
真夏の雪だるま
啓蟄や種は窓から捨てていい
小公園噴水
啓蟄やわが山色を取り戻す
むい美縁
啓蟄のチェロを弾きたる居候
高原としなり
啓蟄や主家に許され暖簾分け
竹村マイ(蚊帳のなか)
啓蟄の楽器屋ヒップホップの宵
謙久
心持ち軽き地球の啓蟄後
田中さち
啓蟄やココットココット母唄ふ
風友
啓蟄のまつしろな紙まるめをく
どゞこ
啓蟄を吸い込み飯をかっ喰らう
ムシ・ミカミ
啓蟄の風にホルンの調べ乗る
影夢者亜
啓蟄や軒並み塾の商店街
空地ヶ有
長針は啓蟄の影追い越して
黒子
啓蟄に胡座スランプの漫画家
鳥田政宗
啓蟄や土の匂いのプランター
庄司直也
朝影に吉報聴きし啓蟄ぞ
片平仙花
啓蟄や薬膳スウプ飲み干しぬ
くま鶉
啓蟄に瘡蓋はもう細胞化
酒井おかわり
啓蟄やもぞもぞ振れる地震計
黒澤墨青
啓蟄や蕾の螺旋緩みだす
風遊び為参
啓蟄やボール受け取る掌の痛み
佐藤志祐
啓蟄やダムの足場のおぼつかず
岩瀬正人
啓蟄やママゴスペルの練習日
福田みやき
啓蟄のサラダの皿は花ざかり
井上鈴野
致死量の啓蟄鳥に啄まれ
ぎんやんま
啓蟄の釜炊き飯のむすびかな
石本新香
啓蟄の壜の底這う地酒の香
小豆白虎
啓蟄のぼこぼこ土手の運河かな
上津 力
啓蟄や埴輪の口の甘臭ひ
楽花生
啓蟄や晴空仰ぐ売家の画
花屋英利
啓蟄やすこし居心地たしかめて
ウロ
啓蟄や村に移住の子沢山
いずみ令香
啓蟄の粗大ごみよりモンチッチ
椋本望生
啓蟄や初版の図録落札す
芝歩愛美
啓蟄や見合い話を承諾す
聞岳
啓蟄の出船の汽笛見ゆる丘
西川たもつ
退化していいかな啓蟄だけれど
八田昌代
啓蟄の季寄せに君のひらき癖
高尾里甫
啓蟄の朝の湖畔を路線バス
大久保加州
啓蟄や夫は黙つて玉子焼
あさのとびら
啓蟄や給水塔によき角度
夜之本紙処
啓蟄やゲートボールの球止まる
田辺ふみ
啓蟄や開式前のチューニング
reion
啓蟄の一献校旗返納し
椿 佳香
啓蟄や自宅待機の三カ月
奈良の真
烏國遥か啓蟄の村土固し
風谷エクレア
啓蟄の祖母の箪笥のナフタリン
雨水 二三乃
啓蟄や耳の産毛を擦る音
谷 斜六
啓蟄やとどまる風に叩かれて
渡部克三度
啓蟄や玉子割つたら黄身三つ
くさ
競りに沸く大漁の荷よ啓蟄よ
一条春枕
鴉居座る啓蟄の集積所
宮坂暢介
啓蟄やモラトリアムといふ揺籠
有野 安津
啓蟄の絵筆たっぷり水を抱く
内田こと
啓蟄やビルの下にも土のあり
秋白ネリネ
啓蟄や雑音ギギギ鳩時計
渥美こぶこ
啓蟄の穴に突っ込む我の首
外鴨南菊
花殻を摘んで啓蟄迎えたり
どこにでもいる田中
啓蟄や背骨の曲がる母ののび
裕月 遥
啓蟄や練習船の信号旗
西村小市
啓蟄や骨董市の古コイン
清水縞午
啓蟄や新規開発ビルの群
星夢 光風
啓蟄に元栓開き豆も挽く
紅葉さくら
啓蟄の顔出しパネル去りがたし
向日葵姐、いつき組広ブロ俳句部
啓蟄や膝の痛みは出て来ぬか
ゆぃ
啓蟄やシネマハウスのあった土地
千代 之人
啓蟄や用途未定の大空き地
ふくびきけん
啓蟄ぞ井月さんへワンカップ
佐藤烏有
啓蟄やサイズ合わせの園児服
白崎華芳
啓蟄や隣の部屋の長電話
へな☆けん
啓蟄の音も微かに水琴窟
白山一花
パンドラの匣開く啓蟄の闇
眠 睡花
啓蟄や退化のごとき皆の貌
升 丁茶
啓蟄や靴下片方づつ残り
小池博美
啓蟄や瞼を射抜く陽の強き
森野翔
外の音は啓蟄なのにしんとして
飾る
地震(なゐ)のあとほつる啓蟄生けるもの
三群梛乃
けいちつよちかいのキスを見るために
寺尾ロゼッタ
久方の瀆れや啓蟄のほとり
のんぬもんぬめぐ
啓蟄や雨宿りして鳥立ちぬ
青い空加納
啓蟄や舌痛いまま旅の朝
青星ふみる
啓蟄やレンズひしめく遊歩道
多数野麻仁男
啓蟄や絵皿に溶かす空の色
竹春エリザベス
啓蟄やもぐら叩きで子を負かす
季切少楽・いつき組広ブロ俳句部
啓蟄の野に彩色の筆
ふにふにヤンマー
啓蟄や箪笥の奥の茶封筒
井口あき子
啓蟄や吾子が吾に言うせっかちと
卯の花雅子
啓蟄の裏山もちょこいもちょこい
平野水麦
啓蟄や地上で何が起ころうと
朝宮馨
啓蟄に湧き水ぬくし神の森
野田遊水
啓蟄や踏切板の音も跳ぶ
千和にの
啓蟄や背中の痒き風呂上がり
杉柳才
啓蟄やベンチ婚活の未亡人
玉野汐音
啓蟄や庭の小径の設計図
碧西里
啓蟄の庭へテーブル出す女給
千鳥城・いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
啓蟄の土竜おぼれて陽をつかむ
來花
啓蟄や名前も知らぬ猫に会ふ
淺野紫桜
啓蟄やうたた寝過ぎる降車駅
わたり 和
啓蟄やトクホン臭いシーツ剥ぐ
なつめモコ
啓蟄や足袋の小鉤がよく締まる
西町花冠
啓蟄の会釈名知らぬ顔見知り
中川青嵐
啓蟄や七つ離れた兄の墓
豚々舎 休庵
啓蟄や両家六人旬の膳
やまだ童子
啓蟄や浦島になる大都会
田邉真舟
啓蟄や個展初日のドア開く
たけうち晴美
手術終え啓蟄の土を嗅ぐ老犬
杼 けいこ
啓蟄の感圧ペンのまろみかな
海音寺ジョー
啓蟄の榊の艶や地鎮祭
青木りんどう
啓蟄の道は御陵ヘ陪塚へ
よこいちやこ
啓蟄やならし保育の最終日
信濃のあっくん
啓蟄の逆上せてしまふ日なりけり
杉尾芭蕉
啓蟄や小鉢四つの日なたかな
草間八千代
啓蟄や迷ひ子のごとハクビシン
たけぐち遊子
啓蟄の轍たちまち日に乾き
久留里61
予報士のまとめ巧みにて啓蟄
独楽(こま爺)
啓蟄の牛も羊も野に放つ
老人日記
啓蟄やアウトサイドパスの小指
仮名鶫
啓蟄やポリープ一つ切除せり
卓司
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
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