俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2025年11月20日週の兼題

冬至

【曜日ごとに結果を公開中】

【類想】

選者コメント

夏井いつき

◆「冬至」は二十四節季でもある、時候の季語です。

 歳時記によっては、「冬至粥」「冬至南瓜」などを傍題にしているものもありますが、基本的には人事の季語であることは、当然押さえておきたいですね。

 「柚子湯」「冬至風呂」「冬至湯」も人事の季語ですが、季語「冬至」でもって柚子湯や冬至湯を描いている作品もあり、それらから学ぶべきテクニックもありそうです。

 

◆「冬至」と「柚子」「南瓜」の季重なりがあるのは、中級コースとしては勉強不足。敢えての季重なり……というつもりかもしれませんが、俳筋力の少ない状態でのそれは、ほとんど失敗します。まずは兼題「冬至」に真っ向から立ち向かいつつ、季語の本意を一つずつ覚えていくことに専心しましょう。


◆もう一つ、中級コースとして気になったのは、調べの問題です。

 「冬至」が三音の季語なので、下五を「冬至かな」としている句が相当数ありました。その中でも、中七に意味の切れがあり、調べが切れているのに、下五「冬至かな」となっているものは、下五の「かな」が十全に生かされません。

 声に出して読んでみれば分かるのですが、下五「かな」は、上からの意味と調べを全て受けとめて、「かな」と詠嘆するのが定石です。

 その点において、相当数を選外としました。内容が悪くないだけに実に勿体ないと思う句もありましたが、この機会に「かな」について再考を促したいと思います。

 佳作以上の作品で、下五「かな」が成功しているものもありますので、是非参考にして下さい。


◆更に、佳作以上の作品には、さまざまな型がでてきます。季語「冬至」が、一句のどの位置にあるのか、それを確認していくだけでも、型の勉強ができます。俳句を型の上から分類整理していくことを、強く推奨します。


◆類想については、毎回のことですが、季語「冬至」ならではの類想もあれば、どんな季語でもでてくる類想もあります。

 ご自身の中に、類想データを蓄積していくことが、凡人脱出の確実な方策ですから、本サイトの類想データを、自身の血肉にするつもりで読んでいくのも、地道な筋トレです。



※今回の兼題「冬至」中級者以上投句欄へのご投句は、投句数4109句、投句人数1720人となりました。以下、類想句の一覧です。

類想一覧(選外)

  • 蹲うは飛躍の兆冬至かな

    恋瀬川三緒

  • とりあへずあるものを着る冬至かな

    松山へこ

  • 日は入りて衣重ねる冬至かな

    菊地静月

  • 湯あがりの妻の芳香冬至なり

    秋内 壱玖

  • 老いた母苦労ねぎらう冬至かな

    松本錦明

  • 冬至とて少し早めの晩酌を

    おおにしまこと

  • 鴉まで早仕舞いする冬至かな

    中防美津子

  • 冬至来る薬の量の増えにけり

    まりい木ノ芽

  • 薄れゆく北に居し日と冬至の日

    野瀬藻石子

  • 子等の声湯屋から響く冬至かな

    渡部 あつし

  • 日の出位置四つ比べる冬至かな

    栗田 もとえ

  • 行く道の先まだ見えず冬至かな

    えいみ

  • 漆黒の暁正に冬至かな

    平川一空

  • 冬至の夜やまたひとつ薬増え

    柴桜子

  • 冬至の日みるみる殖える猿団子

    みらんだぶぅ

  • ドアの先部屋に冬至の暗さかな

    吉田春代

  • 欠礼の葉書また増し冬至かな

    虎穴虎児

  • カピバラの鼻が上向く冬至かな

    おのまい

  • 米粒の長さづつ延ぶ冬至かな

    宏楽

  • 冬至の日遊び足りぬと子ども泣く

    深澤 健聖

  • 亡き友とこころで語る冬至の夜

    水野 孝

  • 夢広がるほど闇深し冬至の夜

    近藤マタネ

  • 雲間より不思議な光冬至の日

    今林快波

  • 雲流れ冬至の日の出頬に受け

    藤本夕空

  • 友が逝き葉書いちまい冬至の夜

    風谷エクレア

  • 鍋蓋を開けて湯気浴ぶ冬至所作

    村上熊子

  • 迷い来て冬至に灯る道の先

    秋沙雨

  • ゴミ出しはスマホライトで冬至かな

    君塚美蕉

  • 冬至とは日の折り返し中華粥

    田口大寒六

  • 「一陽来復」唱えてつかる清しき湯

    岬りこ

  • 俯きし頬を撫ぜゆく冬至かな

    江良 中

  • 長き影だけが道連れ冬至かな

    山田翔子

  • 柚子三つ浮かべて遊ぶ冬至の湯

    どいつ薔芭

  • 行く末の幸はぼんやり冬至かな

    河野灰土

  • 多忙にて焦る心の冬至かな

    風花

  • しみじみと母語りだす冬至の夜

    日暮ひぐらし

  • 賑やかな同窓会歌う冬至

    三宅翔丞

  • 湯に遊ぶ香り豊かに冬至の日

    渡邉花

  • 冬至から一発逆転ホームラン

    糸田 つぶさ

  • 長風呂に煮物つつけば冬至かな

    小澤五月

  • 鉛色峰より迫る冬至かな

    岡崎佐々紅

  • 箪笥まで日の届きをる冬至かな

    小林理真

  • 女子トーク菓子を買い足す冬至の夜

    千曜 桜

  • 届け出し空を仰げば冬至かな

    風かおる

  • 冬至とか日をたしかめて日の早し

    佐藤 位相朗

  • 太陽のそそくさ仕舞ふ冬至かな

    独楽

  • 猫背気にせず急ぎ足冬至行く

    犬井山羊

  • 朝粥の鍋にでんぷんけふ冬至

    白庵

  • 退院すあごまでつかる冬至の湯

    水木合歓

  • 行ってきます背に陽を受くる冬至かな

    川口里山

  • はや冬至年初の計に積もる塵

    航海

  • 今日はパス冬至越えたら大掃除

    さんさわさん

  • 外つ国の人と湯浴みの冬至かな

    渡嘉敷五福

  • 手を繫ぐ丸い背中に冬至の陽

    花咲明日香

  • 朝刊に[ん]の字探す冬至かな

    紅 珊瑚

  • 常よりも皆長風呂の冬至かな

    中井無心

  • 柚子の香の入浴剤よ冬至の夜

    くろべぇ

  • 斜めより茜空なる冬至かな

    上津 力

  • 無灯火の漕ぎ手にヒヤリ冬至かな

    吉川花ほっぺ

  • 星明り地の底照らし冬至かな

    北郷傘寿

  • 冬至鍋一人のたつきにも馴れて

    よこいちやこ

  • 要介護温もる母の冬至かな

    菅原ゆう

  • 人生の冬至も今日とおもひけり

    風虎

  • 天国の父母へ冬至の報せ

    ヤヒロ

  • あかあかとビルに黄昏る冬至かな

    アキトユウ

  • 行きつけの風呂のポスター知る冬至

    伊予 南天子

  • 人のごと浸かるカピバラ冬至の湯

    奈良の真

  • 祖母八十祝い長風呂冬至の日

    まつおえりか

  • 部屋の奥日の射している冬至かな

    於大純

  • 描く夢きりりと真顔冬至空

    道楽人生

  • 沈む気を奮い立たせて冬至かな

    田畑せーたん

  • 冬至の暮四時半灯る観覧車

    西乃羊雲

  • 始発待つ地軸傾き冬至有り

    野平無凸

  • 洋犬の萎れし尻尾冬至かな

    藤源卿

  • 子の迎えどつぷり暮るる冬至かな

    沼宮内 かほる

  • 日めくりの時の早さよ冬至来る

    渡邉志づ

  • 目を閉じて五分肩まで冬至の湯

    越前俊水

  • 茶の湯気に眼鏡曇らせ冬至かな

    田村美穂

  • 鳥群れて梢広がる冬至かな

    夏の町子

  • まどごしの日ざし柔らか冬至かな

    猪飼篤彦

  • 豆腐屋のラッパ遠くで冬至かな

    坂本秋風

  • 老うてなほ背中を流し合ふ冬至

    あさのとびら

  • 一陽来復一度や二度にへこたれず

    さ乙女龍チヨ

  • 冬至の日追い焚き二回終い風呂

    仲間英与

  • 宝くじ買い求めるや冬至角

    岡塚敬芳

  • ツイてると冬至七種噛みしめて

    小島 三毛

  • 「まだ遊ぶ」子等駄々コネる冬至かな

    薄安

  • 筑波属く冬至●黒球温度計

    帝釈鴫

  • 磔のオリオン急かす冬至かな

    麻中蓬子

  • この命に来復は無し冬至かな

    黒澤墨青

  • カピバラの長湯にっこり冬至かな

    ゆず柴

  • 雲間の陽に「ぬぐいな一」と母冬至

    南波舟

  • 暮れてなほ遊び惜しみて冬至の日

    児玉すず子

  • 冬至の日光と闇の間かな

    内山清白

  • 分かれ道まよい佇み冬至かな

    儚子

  • ふるさとや香る冬至のもらひ風呂

    白倉黄鶺鴒

  • 街路樹の影長々と冬至かな

    竹春エリザベス

  • しづかなり冬至の夕日沈むまで

    鷹見沢 幸

  • 信号をみな早足の冬至かな

    高橋寅次

  • 冬至の夜かさこそ急ぎ風通る

    沖乃しろくも

  • ベランダに薄き日の差す冬至かな

    塩野谷慎吾

  • 百貨店溢るる明かり冬至頃

    咲 まこ

  • 冬至かな柑橘の香の布団の夜

    ちょうさん

  • 冬至来て午後の微睡み夜の帷

    木村ルカ

  • ボッと火の点くガスコンロ冬至かな

    渡辺桃蓮

  • 駐車場迄の吾の影長し冬至

    八光地蔵

  • そぼろ煮や母の味する冬至かな

    田乃無骨・池田

  • 「冬至はね」毎年語る祖母の皺

    天宮ほたて

  • 目覚ましは二階で鳴って冬至かな

    青い空加納

  • リハビリの一歩も遅々と冬至かな

    竹原かよこ

  • 余生なほのんびり過ごす冬至の日

    かじまとしこ

  • リビングに陽のたつぶりと冬至かな

    峰泉しょうこ

  • カピパラと温泉の記事冬至知る

    平岡梅

  • 雀等も群れて語らう冬至かな

    朋部 琉

  • 気がつけば暮れそむる街冬至かな

    高木美月

  • 夫留守の夕餉はひとり冬至かな

    温州みかん

  • 至福なる正午の湯あみ冬至かな

    みうらけんじ

  • 鴉さえ夕陽を惜しむ冬至かな

    加藤水玉

  • 門前で玉こん喰らふ冬至かな

    紫鋼

  • 冬至の湯破顔一笑のカピバラ

    龍哉

  • 忙しない冬至の母を真似て粥

    杼 けいこ

  • 心做し家路を急ぐ冬至かな

    佐々木 佳芳

  • お先にとほのかに香る冬至の日

    輝棒

  • 冬至の日黄経270度

    鶴舞櫻山

  • 郷里より届きし荷物冬至の香

    柴田藤安

  • 冬至とやなにはともあれ風呂に入る

    伊藤勘太郎

  • 木漏れ日の温もり嬉し冬至かな

    やっせん坊 池上

  • 冬至の夜こそり酌みたり二合半

    五十嵐 三連単

  • 日だまりへ鴉白猫冬至の日

    森 毬子

  • 下校子の騒めき渡る冬至かな

    達坊

  • 寝床より肘で這い出す冬至かな

    ふにふにヤンマー

  • この日待ち冬至持ち込む手斧音

    山口雀昭

  • 地軸の傾き冬至の空仰ぐ

    浅井ねむり

  • 大過なく一年過ぎる冬至かな

    ニッシャン

  • 星を見て出勤退勤冬至にて

    どらまにあ

  • 冬至朝吾子は粥より卵かけ

    弥勒夕陽

  • 山肥えて熊の眠りを乞ふ冬至

    はれみちる

  • 街路樹のイルミネーション冬至酒

    スマイリーk

  • 一陽来復木洩れ日を踏むわが散歩

    市橋正俊

  • 淡き夢冬至の闇に色褪せる

    寒夜独酌

  • いち早く長く冬至の夜景かな

    伊藤なお

  • 世の塵をぜんぶ流して冬至の湯

    猫塚れおん

  • パンドラの箱を開けたる冬至かな

    霧 澄渡

  • 冬至越えリハビリの師は褒め上手

    服部勝枝

  • 十日後の夜を思うや冬至の夜

    橋野こくう

  • 子と浸かる五右衛門風呂の冬至かな

    のりこうし

  • 本棚にひかり差しくる冬至の日

    神楽れもん

  • 脱衣所のほのかに今日は冬至の湯

    Dr.でぶ

  • 残照の日々早くなり冬至くる

    花とわこ

  • とりあえず即席スープ冬至かな

    みみみ

  • 蓋取れば湯気ゆたかなる冬至かな

    このみ杏仁

  • ジョギングの今日はここまで冬至なり

    汀望人

  • 嫁来れば冬至の用意ぬかりなく

    池田  凜

  • 冬至の日地軸の傾き語りけり

    岡山小鞠

  • 喪中ハガキふと見直して冬至かな

    本多 弘幸

  • 日溜まりの弱き光に冬至知る

    宮沢 韋駄天

  • 陰口を利く口押さえ冬至かな

    福井桔梗

  • 家路まで気持ち早足冬至かな

    奏月葉音

  • 冬至だねいよいよだねと立話

    高木音弥

  • 南極の夜の明るき冬至かな

    夏山栞

  • 鍋揺らし煮くずれ旨し冬至かな

    祐 紀杏里

  • ハイビーム帰宅を急ぐ冬至かな

    響楽境

  • お日様の出番整う冬至かな

    尚茶

  • 冬至かな験担ぎ「ん」をセルフレジ

    さぶろう

  • 話し込み暮れる縁側冬至かな

    香西京子

  • パンプキンシチウとろとろ冬至かな

    藤本花をり

  • 雨戸引き隣となりも冬至かな

    高々多佳志

  • まろやかな香ほつこり冬至の湯

    夕まだき

  • 今日冬至時を知らせる夕チャイム

    山尾歩

  • フハフハと食べる喜び冬至かな

    雅蔵

  • 湯けむりの宿入り急ぐ冬至かな

    細木さちこ

  • 残業のひときは長き冬至かな

    陽光樹

  • 放課後の教室冬至の日射して

    風の木原

  • 一陽来復青空といふ贈物

    秋葉 翠

  • つれあいの影ひょろ長し冬至前

    おおいし 陽葵

  • 目覚め時朝はまだ来ぬ冬至かな

    石内宏明

  • いよいよに冬至微かないい予感

    海堂杢太郎

  • まだ五時半そとはまっくら冬至なり

    kikuti-aya

  • あと何年母の冬至の得意飯

    ムシ・ミカミ

  • 冬至の子遊び足りずに夜を更かす

    愚老

  • 冬至来て触れぬ指先まだ熱し

    影夢者亜

  • 未来から借りし一秒冬至明く

    葉吾人

  • 星落ちて地球傾き冬至かな

    山本マユミ

  • 日の届く座敷に眠る猫冬至

    希布

  • んの付く野菜探しぬ冬至かな

    滝美音

  • 冬至夜の笑ひころげて長電話

    三島ひめばしょう

  • ラジオより第九の聞こゆ冬至かな

    伊藤 蒼邨

  • あかちゃんの寝顔くつきり冬至の日

    陶笛有味音

  • ひょうひょうと卒寿の冬至湯に浸かる

    スズランチイ子

  • 寂光の包みし独り冬至かな

    金治宜香

  • 断捨離し心かろやか冬至の日

    みなみはな

  • 冬至の夜二人で交わす酒旨し

    大阪駿馬

  • 水平線冬至の夕日を飲み込まん

    石黒なを子

  • 厨はや雀色時冬至かな

    広島 しずか80歳

  • 南瓜割る鉈を持ち出す冬至かな

    宮川武久

  • 子と遊ぶ陽を延ばしたき冬至かな

    渡延 音珂

  • 陽を恋し待つ身は冬至ばかりなり

    家古谷 硯翠

  • 極楽やスーパー銭湯の冬至

    北乃薫衣草

  • 澄み渡る星空青く冬至過ぐ

    本久優千

  • 首すくめ手はポケットに冬至かな

    一本杉 

  • 目開けても目覚まし手探り冬至

    小箱 守

  • 一年の最も深き夜冬至

    飯沼深生

  • 卵割り湯気に落として冬至かな

    なか かよ

  • うっかりと昨日冬至とニュースみて

    たいら はな

  • 悲しみに区切りつけたし冬至かな

    りえ

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

投句はこちら