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中級者以上結果発表 秀作
2025年1月20日週の兼題
雲雀
【曜日ごとに結果を公開中】
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木曜日
金曜日
屋上に柵のあること揚雲雀
ぞんぬ
選者コメント
夏井いつき
選
なぜ屋上に柵があるのか。勿論安全のためですが、俳句という詩の一節として書かれると虚を衝かれます。「揚雲雀」の声に誘われ自分も雲雀になって、うっとりと柵を越えてしまいそうな。そんな麗らかな日の屋上です。
揚雲雀空にひかりの臼ありや
恵勇
選者コメント
夏井いつき
選
雲雀が揚がっていく空を見上げます。なんと眩しい春の空なのだろうと目を細めているのでしょう。昔話『塩吹き臼』のように、空には光の臼があるのだろうか。心を過ったそんな思いが、素朴な感動の一句となりました。
雲雀飛びつんざく風の変換器
二重格子
選者コメント
夏井いつき
選
「雲雀」が鳴き荒んでいるのは、何か危険なことが起こっているのか、天気急変の予感か。「飛びつんざく」という二つの動詞が、「雲雀」にも「風」にも影響を及ぼしつつ、「風の変換器」という詩語に収斂していきます。
かなしみは膿むからひばり泣き止まぬ
ノセミコ
選者コメント
夏井いつき
選
「ひばり」の声に、切なさや悲しみを感じとることもあります。「かなしみ」の感情はいつもまでもジクジクと痛んで、心を膿ませる。だから「ひばり」は泣き止まないのだよ、という春の哀歌でもあるのですね。
ひばりひばり陽の酸っぱさを確かめに
じゃすみん
選者コメント
夏井いつき
選
「ひばり」が太陽に向かって昇っていく句は沢山ありましたが、「陽の酸っぱさ」を確かめるためにという発想そのものが詩です。春の若い太陽の酸っぱさを味わっては、鳴くひばりたち。下五「確かめに」の余白も佳き効果となっています。
産めるかな雲雀の消える東京で
澪那本気子
選者コメント
夏井いつき
選
野原がなくなり、この間まであった空地にはどんどん建物が建って。こんな「東京」で、果たして子供を産んで育てることができるのだろうか、という自問。「産めるかな」という口語の呟きに、企まないリアリティがあります。
記したし地図に雲雀のなにもかも
ツナ好
選者コメント
夏井いつき
選
「地図」にその地のさまざまな情報を書き込んでいく。それは、何らかの作業ではなく、「雲雀」という存在を楽しむための行為なのかもしれません。後半の「雲雀のなにもかも」という表現に明るさと喜びが満ちています。
湖へひかりの槌として雲雀
磐田小
選者コメント
夏井いつき
選
揚がっていく雲雀に対する「ひかりの槌」という表現にオリジナリティがあります。「へ」という方向を示す助詞によって、一句に奥行きと広がりが生まれ、その空間を「雲雀」の声は「ひかり」のように揚がっていき、落ちてくるのです。
みちのくや祈りの芯として雲雀
伊藤映雪
選者コメント
夏井いつき
選
「みちのくや」という詠嘆から、3月11日東日本大震災への追悼の句だと受け止めました。揚がっていく「雲雀」の声の軌跡を「祈りの芯」と表現したところに詩が生まれ、雲雀の鳴く優しい水色の空は、祈りの器のようでもあります。
妻とあの雲雀の空へ就農す
みずくらげ
選者コメント
夏井いつき
選
「妻とあの雲雀の空へ」までは、ロマンチックな物語で終わりそうな気分がしますが、下五「就農す」で一句の空気がガラリと変わります。雲雀の空を見上げつつ、吾と妻が耕す大地が広がっていく。俳句のメカニズムを巧く使いこなした作品です。
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