【並選】

• 富士見野の再出勤のみち朝雲雀

  沢野鬼ぐるみ

• 雲雀舞う飛躍を期する再雇用

  平山千鶴

• 揚雲雀緩和病棟淡く微睡む

  満嶋ハト

• たましひがよびあふやうに揚雲雀

  松浦　姫りんご

• 嫡出と非嫡出の雲雀啼く

  ＨＮＫＡＧＡ

• 雲雀来て我は峠を後にせり

  杉岡ライカ

• 制服の採寸長し初雲雀

  ゆず柴

• 雲雀飛ぶ空へ伸ばす手は病床

  とんぶりっこ

• をちこちにシェリーの雲雀見え隠れ

  春菜理央

• 雲雀啼く角突き牛のどう声と

  犬淵貉

• まつすぐに雲雀よ越へよ軍事線

  石本新香

• 幼な子のなんでどうして揚雲雀

  さくら悠日

• やや出世して休みの日雲雀飛ぶ

  黙々笛

• 退屈な釣りのお供や雲雀鳴く

  中井無心

• 川敷を球児わかれて夕雲雀

  佐藤さらこ

• 雲雀啼く転職先へ足軽く

  千代 之人

• 鳴ひばり坐禅和賛のブレスどこ

  豆はな

• 雲雀には見えているのか空の道

  空木眠兎

• 笑ってと雲雀がうたう別れの日

  岬りこ

• 道々に串団子買ふ雲雀かな

  夏　六葉

• ｙ軸に真青のありて揚雲雀

  吉谷　地由子

• エンディングノート書き終え夕雲雀

  Q&A

• オルガンの中風わたり雲雀鳴く

  美月　舞桜

• 雲雀啼くふるさとの駅下車もせず

  空心菜

• 県境は川のまんなか揚雲雀

  梓　渓

• 揚雲雀空へ空へとクレシェンド

  一井かおり

• わが郷は湖の底落雲雀

  紅のジーナ

• 雲雀鳴く「よう喋るなあ嫁はんか」

  西田武

• 天界の入り口知らす揚雲雀

  阿部文彦

• その歌を模せば雲雀の啼きやみて

  鳥乎

• 揚雲雀舌を転がるロゼワイン

  とはち李音

• 雲雀鳴く山の麓に古墳群

  横山三水

• 揚雲雀うつる月日の町工場

  ぉ村椅子（志村肇）

• 揚雲雀白髪増えたといふ指摘

  瀬央ありさ

• 白亜の天守へ揚雲雀ひゆうい

  花はな

• 婚礼の文を返すや揚雲雀

  中谷素太

• 出生の吾子の名書く手揚雲雀

  縞ふみ

• 立哨に昼の喇叭や雲雀和す

  佐藤俊夫

• セロトニン増えよ雲雀の声を浴ぶ

  睦月くらげ

• 疑ふこと知らぬ声なり揚雲雀

  紗羅ささら

• 朝明けの風を育てる雲雀かな

  藤井桃圓

• 戦中の黒き議事堂雲雀鳴く

  椿泰文

• 女にはあれこれ内緒雲雀舞ふ

  いなほせどり

• 空だけが知ってる雲雀の音域

  芝歩愛美

• ラジコンを飛ばす河原に揚雲雀

  仲間英与

• 揚雲雀上京一日目の深空

  山口葵生

• 四万十よ高き高きに雲雀飛ぶ

  野中泰風

• 草の丈みな雲雀野を雲雀ほど

  もりさわ

• 糸電話の長きおしゃべり雲雀鳴く

  くぼたみどらー

• 瓦礫より生まれゆく詩や雲雀啼く

  佐藤レアレア

• 田園の第一楽章揚雲雀

  ふじこ

• 有り余る空も雲雀の一部かな

  赤馬福助

• あの瓦礫残りしままか鳴く雲雀

  暇禍

• 揚雲雀かすかに唸るトラクター

  成瀬　朽木

• クレープの長き行列初雲雀

  彩香

• 塀よりは米軍の土地雲雀啼く

  となりの天然水

• 船頭の竿ぐいと押し揚雲雀

  宮武濱女

• 段丘の我が町愛でし雲雀かな

  立歩

• 揚雲雀見下ろす先は平穏か

  桃香

• 夭折を悼む雲雀とLovin'You

  弘法小子

• 雲雀野に撮りたるB級の映画

  葉ざくら

• 菜園に雲雀と下手な鍬の吾と

  苺井千恵

• 見積もりの承諾メール揚雲雀

  コーヒー博士

• 五島列島の海に散骨あげ雲雀

  村上薫

• 山彦に雲雀飛び入り参加かな

  気まぐれ亭いるか

• 一群の雲へ雲雀の一騎駆

  山田蚯蚓

• 聞き做しやおけらを嗤ふ夕雲雀

  深紅王

• 揚雲雀空にファスナーつけました

  千尋

• 雲雀啼く今朝の歯磨き粉は辛い

  柴桜子

• また逢へる移動パン屋や揚雲雀

  風友

• 水のある場所に人恋ふ雲雀かな

  石原由女

• 今君を好きな気持ちや雲雀落つ

  鶴見つる

• 雲雀鳴くひこうき雲は乱れをり

  みづたま

• 新人の電話は重し初雲雀

  橋本鳩子

• 牧柵や食む牛の背に雲雀立つ

  イガチョフ良一

• 雲雀翔べ串本町の空青し

  宝塚御殿子

• 父さんが居なくなった日揚雲雀

  登盛満

• 淀川のゆるき流れや揚雲雀

  岡崎秀惠

• 自由とは雲雀の飛べる高度かな

  田中紺青

• 実家へと鳴いて誘う雲雀かな

  平川一空

• 若勢の鍬打つ速さ落雲雀

  戸部紅屑

• 雲雀鳴く宣託の空揺れやまず

  石浜西夏

• 揚雲雀野外の簡素喫煙所

  ふくびきけん

• 落雲雀空のにほひの優しき死

  秋津穂　実

• 志無くて七癖揚雲雀

  みやざき白水

• 週末のランニング雲雀を聴く呼吸

  円谷琢人

• 天と地のあはひにご機嫌な雲雀

  山下水音

• 天空の「空」のひろさや雲雀啼く

  野瀬藻石子

• 碧天の明日香に小風揚雲雀

  龍哉

• 揚雲雀上り詰めたら落ちるだけ

  中防美津子

• 野に仰臥抱く晴天雲雀なく

  むじーじ

• 婿入りの軽トラ荷下ろして雲雀

  林りんりん。

• 揚雲雀帰れるとこまで行ってみよ

  徹光よし季

• 雲雀鳴け周回遅れのランナーに

  砂山恵子

• 舌の根の乾ききるまで鳴くひばり

  高田杏

• 行く先は縦長き空揚雲雀

  高永　摺墨

• フリックをあきらめましたあげ雲雀

  栗花落カナヲ

• 右上の車窓の雲雀急降下

  小富古尾巣

• 揚雲雀そらのほころび縫う翼

  津島野イリス

• 雲雀舞う主不在の椅子ニ脚

  巳智みちる

• 雲雀鳴く叱る教師でいて欲しい

  野原　華

• 雲雀たちドミノ倒しのごと喋る

  千和にの

• 雲雀なく右肩下がり三行半

  ねむり猫

• 痩せ雲雀ファウルフライは歌に変え

  イシデ電

• 雲雀消ゆ空踏み外す夢のごと

  三尺玉子

• 湖の真上の空へ揚雲雀

  市橋正俊

• 初戀の尾の短くて雲雀ゆく

  三群梛乃

• 揚雲雀天まで橋のあるやうに

  大和田美信

• 里親も実親も親雲雀鳴く

  はるく

• 草踏みし霊峰遥か雲雀舞ふ

  徘徊狂人

• 下書きのカンバスに鳴く揚雲雀

  星影りこ

• 揚ひばり子は劇中の水の精

  竹村マイ（蚊帳のなか)

• トランポリンデビューした日の揚雲雀

  小石日和

• 雲雀啼く天に河原にサッカー場

  東　湘輝

• 揚雲雀転入届出しました

  坂野ひでこ

• ヨーヨーのロケット高し揚雲雀

  アポカリプス

• すれ違ふ雲雀の声と空の青

  小林昇

• 揚雲雀苦手はいまも逆上がり

  月影　重郎

• 初ひばりゴールキーパーデビューの日

  髙橋花紋

• 揚雲雀雷の子が落ちた野を

  泉晶子

• プラズマの実験は雲雀を鳴かす

  足跡新太

• 目ん玉にキスする雨や雲雀消ゆ

  赤木ありこ

• 木曽三川一望にして揚雲雀

  ひだ岩魚

• 転院はいまだ決まらず雲雀かな

  山本マユミ

• 雲雀雲雀高いところが好きな癖

  宥光

• 揚雲雀仏の顔も三度まで

  笑詠化

• 仮橋まで迂回三分舞雲雀

  小川しめじ

• 恋人よ雲雀は鳴かず飛び去つた

  王朋亡

• 谷一つ跨ぐ鉄橋揚雲雀

  井上れんげ

• 塵多き工場へそそぐ雲雀の音

  浅乃み雪

• 揚雲雀蒼天はもう行き止まり

  一慎

• 陽光の礫となりぬ揚雲雀

  峰泉しょうこ

• 雲雀へと風は冠羽のうらが好き

  北藤詩旦

• 雲雀落ち色なき空となりにけり

  可笑式

• 私だけ知らぬ噂や雲雀ひびく

  井上鈴野

• 讃美歌のやうな清き死ひばりなく

  春野ぷりん

• 雲雀にも十八番のあるやと手を休め

  花咲めだ香

• 山伏の拓きし道や揚雲雀

  滝上 珠加

• 祈祷とは医師の敗北告天子

  土佐藩俳句百姓豊哲

• 地と雲の中点として揚雲雀

  家守らびすけ

• 雲雀行き遅れて風の色褪せり

  黒木しるこう

• 揚雲雀赤根の里に山頭火

  中島尚之

• 雲雀啼く旗日の棹の高かりき

  霧賀内蔵

• 軽やかに断れたらね雲雀鳴く

  京あられ

• 発着の音止む空の雲雀かな

  佐久凡太郎

• 腕立て伏せできない朝へ来る雲雀

  着流きるお

• 落雲雀子の鳴く声に手繰られて

  卑弥呼

• 反復の熱量眩し揚雲雀

  坂　由美乃

• 放射線治療への径ひばりなく

  あが野みなも

• 表札を蒼に塗り替え揚雲雀

  花彼岸

• イカロス堕ちて雲雀だけの青天

  杜まお実

• 平城京跡を啄む雲雀かな

  野ばら

• Ｙ軸の雲雀世情と没交渉

  始の子

• 血の採れぬ夫と見てゐる雲雀かな

  水須ぽっぽ

• 雲雀雲雀カフカの階段の底を

  沢胡桃

• 農道に軽トラととと揚雲雀

  永田千春

• 雲雀ひばり光となれず啼きにけり

  石井一草

• 踏切の供花色忘れ高雲雀

  美濃紫

• 友と開く黄ばんだ楽譜ひばりかな

  櫂野雫

• 揚雲雀こゑの彼方を目にて射る

  君島笑夢

• 雲雀揚ぐ深部の湿る木の駅舎

  木公男8888

• 揚雲雀鐘の音緩む郷の丘

  谷　道悦

• 取り壊し終えて一服揚ひばり

  六浦筆の介

• そばかすのごと雲雀そばかすの笑み

  山香ばし

• カヌー部のコールよ雲雀の鳴き声よ

  どすこい早川

• ケア帽子取って正午の雲雀かな

  福田みやき

• 散骨のうしろ雲雀が鳴つてゐる

  石村まい

• 美しいガラクタ銜え雲雀飛ぶ

  高辺知子

• ヴィナーカフィひと息ほど佳き巣をひばり

  そわかそわか

• 揚ひばり光の弓の蒼さかな

  染野まさこ

• 鍬積める自転車過ぎぬ朝雲雀

  もりたきみ

• ひばりひばり天のとりこのひばりかな

  このみ杏仁

• 一両の電車とことこ雲雀鳴く

  細葉海蘭

• 雲雀とはしあわせ含む周波数

  白庵

• 揚雲雀プレオープンの定食屋

  羽野あき

• 野球部は休憩タイム揚げ雲雀

  広島　しずか80歳

• 雲雀野へ母の遺灰をひとつまみ

  中里　凜

• 英雄生まれたり雲雀鳴きやまず

  居並小

• 白杖の友に教える雲雀かな

  みやかわけい子

• 帯祝い母となる日の雲雀かな

  増本空ふね

• 雲雀鳴き気付けば鬱の失せにけり

  伊藤順女

• 中空の点が雲雀の声で鳴く

  糸川ラッコ

• 雲雀翔ぶ留学生が笛を吹く

  夜野　百幸

• 看取後の空にやすらふ揚雲雀

  渡部克三度

• 傍らに英字新聞雲雀鳴く

  近未来

• 揚雲雀「嫌い」は恋と気づいた日

  海野青

• 真つ直ぐに雲雀輪を描く鳶どち

  春海のたり

• 揚ひばり最後の校歌斉唱す

  うみのすな

• ハレの日にああいへばかういふ雲雀

  猫丸

• 雲雀の子光あつめて砂浴びす

  中津川　聖翠

• 雲雀もつれて薬待つ玻璃の空

  伊予素数

• 過ぎた日は取り戻せない揚雲雀

  中山月波

• 五分刈りの頭ざりざり初雲雀

  赤尾てるぐ

• 青空に声転がってゆく雲雀

  岡田道一

• 水色の朝を知らせに雲雀飛ぶ

  藤永桂月

• 揚雲雀いびつに丸き地球かな

  河島　八々十

• あと九か月の欠格揚雲雀

  男鹿中熊兎

• 雲雀翔け空ほど遠く音の糸

  氷室雪月

• 葛飾の朝をおし上げ揚雲雀

  菫久

• 押し上げし空の境に雲雀鳴く

  三河三可

• 雲雀鳴くロードサービス待つ間

  松田迷泉

• 揚雲雀声だけでなく私見て

  中村雪之丞

• 閉眼の声明に和す雲雀かな

  冬乃子

• カチンコと「カット」の声や落雲雀

  夢見昼顔

• 風を彫る螺旋軌道や揚げ雲雀

  菅田斑猫

• ワンオンのバックスピンや雲雀落つ

  あたしは斜楽

• 粘りなき空の彼方へ雲雀行く

  ぎんやんま

• 眼裏に光の粒子ひばり鳴く

  村瀬ふみや

• 自転車をぎこぎこ雲雀鳴く下校

  西野誓光

• 新聞や雲雀の合図まず厠

  星夢　光風

• 私の言葉ざらざら揚雲雀

  島田ポン吉

• 駐禁切らるるを眺め揚雲雀

  小公園噴水

• 筋トレの老人クラブ揚雲雀

  うはのそら

• ひばり鳴く小忠実な伯母のお針箱

  さく砂月

• 初雲雀生きるとは音放つこと

  剛海

• 短命はむしろ革命落雲雀

  まんぷく

• 雲雀飛ぶー・ーのリズムかな

  うすい木蓮

• 留守電の金策のこゑ夕ひばり

  トラヴィス　ビックル

• ひらがなの名前のズック初雲雀

  我孫子もふもふ

• 女でよかったと言えるのか雲雀

  青みどり

• 街のゴミ燃えて空へと雲雀かな

  悪七兵衛

• 青空のすつぽりつつむ雲雀かな

  こま爺

• 雲雀落つ揺れて小さきマッチの火

  月城龍二

• 揚雲雀しょうがっこうにいくんだよ

  季切少楽・いつき組広ブロ俳句部

• 雲雀鳴く川は警戒水域に

  あきちゃんはよーせい

• 跡継の尽きる旧家や揚雲雀

  渡邉竹庵

• 防人の峠や妻を呼ぶ雲雀

  白眼　緑照

• 風欲す四年売地に棲む雲雀

  為六宇近

• 骨壺に喉仏置く揚雲雀

  キッカワテツヤ

• 雲雀鳴く区画整理地捉われず

  ムシ・ミカミ

• 揚ひばり虚空を開きたいと言う

  つちや郷里

• 雲雀舞う朱雀門へとかかる雲

  豚々舎　休庵

• この家を出ていく朝や揚雲雀

  高田多寡太

• 日のひかりの溌剌として雲雀抱く

  山本先生

• 雲雀啼くぼくの正気を揺らしつつ

  百瀬一兎

• 多摩川に懸河之弁の雲雀なお

  秋谷　忍

• 図書館に休館の札雲雀鳴く

  坂本 羊雲

• 流木の仲間呼ぶ歌聞く雲雀

  ＧＯＮＺＡ

• ギアチェンの声の得意げ揚雲雀

  仮名鶫

• 復興の兆し奥能登雲雀跳ぶ

  北美三風

• 天の網ひばりこぼれて落ちにけり

  ウロ

• 雲雀消ゆ空に置き去る夢ひとつ

  さいとう歌月

• 全力で歌う「アイアイ」雲雀来る

  窪田ゆふ

• 七度死に帰る大部屋夕雲雀

  水間澱凡

• 低空を制して雲雀あがるあがる

  沢井如伽

• 実家鎖し空き家となして夕雲雀

  山田不律

• とほくなる父の背中や夕雲雀

  駒村タクト

• 縄文の田下駄の跡や揚雲雀

  風の鳥

• 雲雀かもなるほど空が生きている

  石原しょう

• エロティシズム雲雀と見分けられるひと

  また会う日まで

• ダグアウト空には雲雀吾鼻血

  斎藤三藤斎

• 重力は弧を描くなり落雲雀

  一ノ瀬なつめ

• 雲雀野にただぼうっとしそれも良し

  三須渓迷

• 開けられぬ窓から雲雀あと三日

  槌屋藤内

• 雲雀雲雀雲雀もう生徒はいない

  理酔蓮

• 生も死も下校も一人夕雲雀

  長操

• 揖斐川の流れ悠々揚げ雲雀

  美濃仙人

• 吾の中の見知らぬ他人告天子

  田口大寒六

• 青空のぷいと吐き出す落雲雀

  sekiいつき組広ブロ俳句部

• かけっこは同着一位揚雲雀

  まるにの子

• 機嫌よく割れた煎餅揚雲雀

  松本こっこ

• 声のみの雲雀財布持たぬ散歩

  中川青嵐

• 氏神へ優勝祈願初雲雀

  小野陽笑

• 揚雲雀あの暁星に加はらむ

  謙久

• 白球は放物線を初雲雀

  角田　球

• まだ空の欠片にあらず揚雲雀

  三月兎

• いくたびの雲雀の歌の消へ落ちぬ

  haruwo

• 新人のまた馬糞ふむ揚雲雀

  円海六花

• 刺繍針刺して雲雀の声聞こゆ

  桂葉子

• 膝小僧すりむく雲雀啼く家路

  若林くくな

• 揚雲雀カレーのおたま買いに行く

  大野美波

• 旅立ちの駅は無人や初雲雀

  淡湖千優

• 天空の果て見つけたり揚雲雀

  大熊寝子

• 大空を手に入れたのか雲雀の子

  雨水　二三乃

• 空亦空恋亦恋の雲雀かな

  鶴舞櫻山

• 陥没のフェンスも見慣れ揚雲雀

  アニマル可秘跳

• 日差しより鳥語振りたる揚雲雀

  渡辺わたる

• ベランダに雲雀の声のある新居

  鈴木すゞ

• 揚雲雀いっつも何か探してる

  青山ちひろ

• 雲雀ひばり優しい空に包まれて

  竹の子

• 天問へば風過ぎるのみ告天子

  山根もなか

• 廃仏や苔むす影へ揚雲雀

  竜眼ジジ

• 職業欄“詩人”“雲雀”と続きをり

  ふにふにヤンマー

• 草千里雲雀の声を聞きながら

  岩木順

• 翩翻と空を蹴るなり落雲雀

  布村　柚子

• 畑の土乾きて父の背に雲雀

  空乃さゆり

• 揚雲雀棟上げの菓子高く放る

  木ぼこやしき

• 妻逝きてお話好きの雲雀来る

  川辺世界遺産の居候

• 今年より宅地化ひばり来ぬ隣

  太井　痩

• ぼくを閉じ込める空へと揚雲雀

  四條たんし

• 工場群背に上り行く夕雲雀

  望月ゆう

• 地祭りの祝詞ひびいて揚雲雀

  夏目あかり

• どこまでもペダルかるがる鳴く雲雀

  森野みつき

• 揚雲雀満車表示の道の駅

  柊瞳子

• 揚雲雀第三走者首位に立つ

  堀邦翔

• 青空てふ海へ雲雀の溺れけり

  たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部

• 水切りの残す波紋や揚雲雀

  谷 斜六

• 青空や籠のひばりを呼ぶ手順

  明神おぼろ月

• 子を伸ばす言葉を探す揚雲雀

  下條ちりり

• 初雲雀探して我は空の中

  天王谷　一

• 対岸へ渡し待つなり揚雲雀

  達坊

• 運転再開雲雀の河へゆく

  不二自然

• 父からの弁当開いて初雲雀

  松山松男

• 雲雀鳴く切り取り線を描くやうに

  浦野紗知

• 揚雲雀畔にて母のかしは飯

  八幡風花

• 除染土を抱ふる町よ雲雀啼く

  井納蒼求

• 給食のパンうっちゃるや夕雲雀

  金子泰山

• かはらけを拾う遺跡や揚雲雀

  狩谷わぐう

• 実験のグラフ鮮やか揚雲雀

  春あおい

• 快晴の清らな風をよむ雲雀

  ちくりん

• 青空の疼きを嗅ぎし雲雀かな

  菅井香永

• 揚雲雀エラーコードは４０４

  ぼたにこ

• 雲雀鳴く都市近郊のヴィンヤード

  島田スパイスの飼い主

• 庭に子ら空には雲雀生きている

  西町彰子

• 降り立ちて雲雀案外太り肉

  品川雅史

• 雲雀飛ぶ年金暮らし始めをり

  森きやつか

• 雲雀天に草刈りロボは停止中

  日暮ひぐらし

• 雲雀に問ふ下校の吾子の位置情報

  木村ひむか

• 日直の出欠確認揚雲雀

  藤咲大地

• 酔いどれをなぶるが如く揚雲雀

  岩瀬正人

• 青空を駆け上ぐように叫天子

  松坂　コウ

• スマホ撮る空はみ出して揚雲雀

  佐々木　一栗

• 直売所の列は土手へと揚雲雀

  志きの香凛

• スピーカーズコーナーさびれ揚雲雀

  ふゆの都々逸

• 揚雲雀あのこはパパになりました

  まぐのりあ(蚊帳のなか)

• リハビリの杖を和ます雲雀かな

  宏楽

• 良き人はみな空の上揚雲雀

  ななかまど

• 風つかみ果たして雲雀おりくるよ

  だいやま

• 鴨川は南に流れ揚雲雀

  草夕感じ

• 逆上がり蹴る足の先雲雀鳴く

  一条春枕

• きらきらと声をひろげて揚雲雀

  むったん

• 揚雲雀おもやかな陽に逆らひて

  霜川このみ

• 軽トラを停めて見守る雲雀かな

  中村笙平

• 水切りの石対岸へ揚雲雀

  竜胆

• 十戒の大地雲雀は仔を育て

  鈍亀

• 揚雲雀馬車馬を退く定年日

  津軽わさお

• 啄木の十五の心翔ぶ雲雀

  津軽まつ

• 発音をカタカナの辞書揚雲雀

  和泉穣

• 揚雲雀母の生家の跡に佇つ

  岡井風紋

• 腹すかせ恋よ夢よと揚雲雀

  悠雨木　はな

• 黒駒の馬上の太子揚雲雀

  野々原ラピ

• 滲む空に影の滲むや揚雲雀

  大

• 継ぐ息のコンマ三秒上げ雲雀

  山田季聴

• 閉校の集合写真揚雲雀

  卯之町空

• 坂の上の寺未だ見えず嗚呼雲雀

  朝宮馨

• 揚雲雀コーンフレーク買う日和

  寺嶋杳杳

• 雲雀鳴くかつては夢のニュータウン

  おのまい

• 揚げきつて雲雀に時速ゼロの青

  渡辺宵雨

• 雲雀うるさい老人性の鬱かも

  藤井かすみそう

• やあやあと名乗る口上揚雲雀

  シュリ

• サイクリングロード遥か雲雀鳴く

  南全星びぼ

• 閉塞の砂洲を高々雲雀鳴く

  田畑せーたん

• お砂場の小さなお山ひばり鳴く

  むい美縁

• 取り立ての雲雀太陽いなしけり

  塩風しーたん

• 生国は笛鳴る雲に雲雀啼く

  楽花生

• 揚雲雀土手に寝転ぶテストあけ

  千葉睦女

• 雲雀啼く不比等四男の屋敷跡

  青居 舞

• あの世でもきっと雲雀の声がする

  青星ふみる

• 気張れ気張れ雲雀吠ゆ検定の朝

  八十六九

• 定年やネクタイゆるめ揚げひばり

  釋愚拙

• 鉄橋をワンマン列車揚雲雀

  舟端玉

• 軽トラの農具跳ねるや夕雲雀

  玲風

• 初雲雀いよいよ雲がちぎれ飛ぶ

  榊昭広

• 転校生の下校途中の雲雀かな

  山もと　日月坊

• あっと言ふ子の指の先揚げ雲雀

  琵琶湖のおばさん

• ニュートンの額に糞や揚雲雀

  彩　詩充

• ヨーヨーの糸の振動揚雲雀

  空地ヶ有

• 戒名は自分で決める揚雲雀

  Vn 花のん

• 深き天雲雀が声の消へし跡

  田中一升

• 剥き出しの自分ヒリヒリ揚雲雀

  濱本典々

• 揚雲雀歳に抗うこといくつ

  松本笑月

• かくれんぼ終わりの合図ひばり鳴く

  だがし菓子

• 白クレヨンひばりの声を波線で

  花屋英利

• 雲雀鳴くプリーズモアスローリー

  毛利尚人

• カブ停めてベンチでゴロ寝初雲雀

  二十八

• 追いかけて躓く野原揚雲雀

  余熱

• 落雲雀はるかなる人胸に住む

  大竹昭子

• 渦巻きのキャンディーじゃりじゃり夕雲雀

  千葉右白

• 棟札と大空統べる揚雲雀

  石岡女依

• メニエールふらら雲雀はお元気そう

  坂本梨帆

• 石切り場見下ろす崖や揚雲雀

  渡部　あつし

• もてなしは雲雀の声と野の仏

  しんしん

• 臥す父に雲雀の声を待ち望み

  日向浜

• 縄文の巨柱遥かに揚雲雀

  篠田ピンク

• ずる休みしてもいいのに雲雀鳴く

  三崎扁舟

• 筑波嶺の風に負けずや揚雲雀

  白山一花

• 初雲雀踊る埴輪のまるいくち

  立田鯊夢

• 雲雀上がるサーカステント去りし日も

  早足兎

• 委任状の朱肉たつぷり雲雀鳴く

  浩子赤城おろし

• 畑から武人埴輪よ雲雀鳴く

  無弦奏

• 雲雀翔ぶ大工は昼も誇らかに

  彩桜里

• 永別の朝の雲雀は高く啼き

  佐川碧

• 耕運機行ったり来たり揚雲雀

  妹のりこ

• ひばり鳴く昭和年号いま遠し

  砂月みれい

• 雲雀いた届いたお骨はそっけなく

  クロチョイス

• きよらなる雲雀の息を分け進む

  野良古

• 揚雲雀五年過ごした街を出る

  信濃のあっくん

• 雲雀鳴く滑走路いま白々と

  林廉子

• 揚雲雀むかしアイヌの国でした

  渡邉春生

• 島国や雲雀に小さき地平線

  星詩乃すぴか

• 股鍬を杖にし談話雲雀鳴く

  ツユマメ・広ブロ俳句部

• 河川敷光まみれの雲雀かな

  ことまと

• 揚雲雀悔いは昨日に置いてきた

  なかおくじら

• 結願や宝杖堂に揚雲雀

  須磨ひろみ

• ヴァイオリンを支へる顎や遠雲雀

  虎堂吟雅

• 田の神の笠へ雲雀のとまりけり

  白猫のあくび

• 目瞑れば死はすぐそこに落雲雀

  黒蜜かりんとう

• 産院の一時の静寂初雲雀

  かつたろー。

• 雲雀とぶ後世はひばりに生まれたし

  亀亀子

• 釈尊の掌の中揚雲雀

  妄

• 雲雀鳴く朝の光を紡ぐやう

  コンフィ

• 揚雲雀空に小鈴をころがせり

  咲 まこ

• 学童の疎開迎えし揚雲雀

  妄児

• 揚雲雀河原野球の球弾む

  加和志真

• 図書館のうらへ自転車揚雲雀

  やまもと葉美

• 大病院彼方に見ゆる揚雲雀

  五十嵐　三連単

• 利き耳をくすぐる雲雀泣のツボ

  まっちゃこ良々

• 津和野路の峠の教会揚雲雀

  森　日美香

• 初雲雀故国の空の狭からず

  風慈音

• 雲雀鳴く審判員のホイッスル

  誠馬ノマド

• 息漏れるトランペットや雲雀鳴く

  太之方もり子

• スコップと雲雀遺跡を目覚めさす

  猪倉さえこ

• モヒカンは崩れてナンボ揚雲雀

  蜜がけまやこ

• ぶつからぬやうにまつわり過ぐ雲雀

  渥美　謝蕗牛

• 街路樹の影や光や雲雀恋ふ

  サツキトラヲ

• 揚雲雀リードの伸びは2メートル

  森　佳月

• 風の花口に番いの雲雀かな

  半ズボンおじいさん

• 雲雀飛ぶ寝臭き部屋を飛び出せり

  日月見　大

• 揚雲雀夕べUFO飛んだ野や

  そうま純香

• 雲雀より低きピッチャーフライかな

  かこよし

• 大虛は雲雀の行けぬところなる

  狷狷亭猩々

• 伝令のように田毎に飛ぶ雲雀

  はまゆう

• 蒼天を摩するがごとし揚雲雀

  森一平

• 早すぎる母校閉校揚げ雲雀

  天照昭光

• 乗り遅れドレミドレミと雲雀かな

  寺尾向日葵

• 揚雲雀あなたと生きる世界線

  鈴木来穂

• 動力の陽よ傾くな揚雲雀

  渡辺香野

• 上向けば涙は落ちず雲雀かな

  蘂六

• 神業の息継ぎ鳴き止まぬ雲雀

  ハルノ花柊

• この人と決めしその時初雲雀

  吉川花ほっぺ

• 雲雀野や天翔る馬車待つこころ

  藤井赤童子

• 夕空に壊れたやうな落雲雀

  岡田瑛琳

• 新たなる我が人生や揚雲雀

  紗藍　愛

• 夕雲雀紛れ込みたき大都会

  百瀬はな

• 揚雲雀三人暮しを誘ふ吾子

  テレシア

• 透き通る雲雀の声の現在地

  奏月 葉音

• ヤギ鳴いて雲雀が飛んで過疎の村

  犬井山羊

• 吊り橋の底の瞬き雲雀行

  大和田よつあし

• 夕雲雀友と家とも別れきて

  やっちゃんち

• 揚雲雀廃墟団地の5号棟

  古川一光

• 原発は明日より稼働揚雲雀

  素因数分解

• 空に雲雀じいちゃんの紙垂ひらひら

  守屋 淨久

• 雲雀急降下す飯盒炊爨

  オアズマン

• 雲雀野や老いと若きとすれ違ふ

  いさな歌鈴

• 前略に続く雲雀の響きあり

  紫小寿々

• オリーブの鉢植ゑかへて初雲雀

  池　閑茶

• 退役の盲導犬舎に雲雀鳴く

  内田ゆの

• 揚雲雀昼の月までゆくつもり

  とも子

• 喜びを空一杯の雲雀かな

  渡邉花

• 雲雀舞う重信川や空青し

  れんげ畑

• 錆び付いた火の見やぐらや揚げ雲雀

  宇田女deノエル

• 雲雀舞いト音記号の飛跡かな

  藤　無南

• 落雲雀あをに攻撃的な恋

  夏風かをる

• 野の声を継ぎ足してゆく雲雀かな

  野点さわ

• 弁当を届ける雲雀鳴く丘に

  青木りんどう

• 首飛んだ将門塚へ落雲雀

  石鎚山大三郎

• みどり児の耳へ雲雀のこゑの泡

  原　水仙

• ハイヒール脱いで雲雀のあとを追ふ

  こうだ知沙

• 初雲雀タイムカプセル掘り出す日

  玉響雷子

• 初雲雀天声届く一周忌

  大和杜

• サワの字は四に幸です告天子

  あらい

• 川風に白球追ふや揚雲雀

  前田いろは

• 命呼ぶ日向にけふの雲雀かな

  猫またぎ　早弓

• サッと影ジッと雲雀や草の家

  儚子

• からからの口でまだ鳴く雲雀かな

  オキザリス

• 揚ひばり廃校跡の美術館

  有村自懐

• 逆光に雲雀のこゑを見失ふ

  天陽ゆう

• 母宛のこれは恋文初雲雀

  sol

• 退く日雲雀を見上げ背伸びする

  風谷エクレア

• 四日後に還暦控へ雲雀かな

  わたり　和

• 雲雀鳴く忍び返しを飛び越えて

  椋本望生

• 立ち向かう雲雀や冠羽の猛きこと

  半熟かさぶた

• バラックの撤去期限や落雲雀

  砂楽梨

• ニュートンを知らぬ子どもら揚雲雀

  うどん大明神

• 揚雲雀平和が少し残る空

  あなうさぎ

• 仇野や雲雀の声に色めけり

  永井無々

• 落ちてくる雲雀突ついた雲の端が

  亜桜みかり

• 線香のけぶり直なり揚雲雀

  かわいはる

• 舞雲雀ひかりを抱へきれず落つ

  青井えのこ

• ブーメラン二度戻らずや雲雀鳴く

  岸壁の龍崎爺

• 忙しなき雲雀よ所在なき我よ

  佐藤烏有

• 静寂の遠さ高さを雲雀鳴く

  いごぼうら

• あの雲雀カリフォルニアを知るらしく

  ほのぼぉの　（蚊帳のなか）

• 揚雲雀父はじめての参観日

  こうたろう

• 夕雲雀すこし向こうの雲の横

  ichihoppe

• こだま四方から雲雀は八羽かな

  もりお

• 戦いの無き青空に揚雲雀

  上津　嘉子

• 揚雲雀暫し農婦の小手翳す

  さぶり

• ラジオからヒットパレード揚雲雀

  蒼空蒼子

• 産声や空の雲雀の高さまで

  伊藤柚良

• 混じりなき空を貫く雲雀かな

  森野翔

• ひばりひばりダビデの和音奏でけり

  山崎なお（Ｓｅ２は、休みやすみに）

• 白亜紀を越え雲雀は高く凱歌

  須川えい

• 揚雲雀空の果てってありますか

  リコピン

• 里山の霽雲待てり雲雀啼く

  せいしゅう

• コンバインの泥に遊べや朝雲雀

  ふくろう悠々

• 今日は2ページ進んだんだぞ夕雲雀

  吉永那夫子

• 雲雀野や筆洗にほふ美術の子

  ぶうびい

• 夕雲雀みな東へ飛び立てり

  くま鶉

• 雲雀啼く海の匂ひの石に寝る

  毬雨水佳

• 雲雀舞い正午サイレン鍬を置く

  高石蓬莱

• またすこし雲雀にもどる老母かな

  龍田山門

• 高鳴きの雲雀洗い立ての産着

  西野桃果

• 福音の余韻や窓に雲雀舞う

  榎美紗

• 二本目の畝もぐにゃぐにゃ揚雲雀

  広木登一

• 揚雲雀ねこに放りし軍手かな

  坊　いち坊

• 万引きの小五の漫ろ雲雀揚ぐ

  本村なつみ

• 経木よりおにぎり二つ揚雲雀

  高橋寅次

• 太陽のにおいたぷんと揚雲雀

  真夏の雪だるま

• 制服の採寸を待つ初雲雀

  古都　鈴

• どこからを空と呼ぼうか揚雲雀

  久森ぎんう

• ひばりのリバーブこいぬのまばたき

  水きんくⅡ

• 空に野に心にひかり初雲雀

  森中ことり

• をやみなきひかりのらせん揚雲雀

  坐花酔月

• 揚雲雀能登への帰心募る媼

  津軽ちゃう

• 出来るなら雲雀となって吾見たき

  甘泉

• 母の字の私の名まえ雲雀舞ふ

  どゞこ

• 雲雀啼く天空近き父母の墓

  夏の町子

• 雲雀騒ぐや青空に立つ水皺

  常磐はぜ

• 三輪山に日の斑差しゐる夕雲雀

  片平仙花

• 雲雀啼く癖字の父の喜寿礼状

  井田みち

• 揚げ雲雀電柱の端尖りたる

  緩木あんず

• 朝雲雀小さく青く筑波山

  山姥和

• 揚雲雀郵便ポストまで五分

  青水桃々（俳句迷子の会）

• 火葬炉の弾ける音や揚雲雀

  一井蝸牛

• わらわら畦入る雲雀おどろかない

  うた　歌妙

• 揚雲雀村をつらぬく土の道

  キートスばんじょうし

• CQCQ初雲雀より入感す

  小川さゆみ

• 一二三と大縄跳びや雲雀鳴く

  村木年子

• 揚雲雀ビードロ吹いて畝間見る

  中島諒吾

• 落雲雀厚い雲間の青いとこ

  眞さ野

• でかい虫咥える雲雀と睨めっこ

  三三ミミ

• 骨壷を運ぶ手の皺雲雀鳴く

  夏川三木子

• 生々しき土の匂ひや揚雲雀

  村岡花風

• 寝ころんで話相手の雲雀かな

  青い烏

• 伸びしろは私がきめる揚雲雀

  おかもとふあんた

• リーマスを強く押し出す揚雲雀

  留辺蘂子

• 雲雀野にゐてさみしさのふりをする

  ラムラム

• この星は明るかりけり揚雲雀

  柿司 十六

• 片付けのいらぬ死にざま雲雀鳴く

  青野遊飛（蚊帳の中）

• 五頭山と故郷を測る雲雀かな

  月岡方円

• 世田谷の空や押し拡げて雲雀

  阿山きし

• 回廊の遠きに温羅や叫天子

  亘航希

• 円背の野良着の影や揚雲雀

  たつき

• 揚雲雀友の転校すると言う

  聞岳

• 押しピンのやうに雲雀の留める空

  翡翠工房

• 哀しみの聲を隠すや夕雲雀

  吉武茂る

• 給食の匂ひここまで揚雲雀

  久えむ茜咲

• 刑務所の塀の高きよ揚雲雀

  ののはな誉茂子

• 寝仏の蹠たひらか揚雲雀

  樹海ソース

• 川面ゆくパドル軽やか揚雲雀

  海月のあさ

• 雲雀まだ空を見るまでただの笛

  梅鶏

• 翳す手の血管青し雲雀飛ぶ

  小笹いのり

• 転職へ銀の斧たる雲雀かな

  神谷たくみ

• 桟橋に転覆の船雲雀鳴く

  星醒

• 忘らるる墓や雲雀の声ひとつ

  苫野とまや

• 雲雀鳴く一切の音吸い込んで

  春蘭素心

• 上潮の川ふくよかに揚雲雀

  日永田陽光

• 四方山の扉放てや揚雲雀

  てるきち

• 雲雀鳴き富士の野干は狼狽える

  玉響海月

• 雲雀吐くありとあらゆる絵空事

  江口朔太郎

• 揚雲雀空の厚みに挑むやう

  はごろも856

• ふるさとの訛りや暮れる野に雲雀

  海沢ひかり

• 雲雀落つその重さごとひかりごと

  沢　唯果

• 啼雲雀今日は我が家の地鎮祭

  小倉あんこ

• ひばり野や夢の中でも目を閉ぢて

  冬こみち

• 井戸埋めに来てます雲雀跳ねてます

  小豆白虎

• 揚雲雀吾子はあの山一合目

  ひすい風香

• 地に置きし小さき影や揚雲雀

  迫久鯨

• 青空のどこも真ん中揚雲雀

  クラウド坂の上

• 雲雀啼く吾子の死なかつたかのやうに

  晴田そわか

• 早退の子と下校する雲雀かな

  中島走吟

• 雲雀たからかに弟が生まれた日

  渋谷晶

• 太陽に直訴雲雀は空を斬る

  高橋風香

• ぬるま湯のやうな畑の雲雀かな

  岡田雅喜

• 空青く雲雀の鳴くは金の声

  篠雪

• 残像を目で追ふ雲雀滑空す

  海音寺ジョー

• 蒼き香や雨は雲雀の休翔日

  麦野 光・いつき組広ブロ俳句部

• 口笛や藪に雲雀の緋き喉

  つまりの

• 草むらにひとり雲雀とつながれる

  花とわこ

• 農夫みな無口なりけり雲雀舞ふ

  コダマヒデキ

• 初雲雀歴女必見古墳群

  ふじかつとび

• 雲雀鳴く傍聴券の長き列

  小島やよひ

• リハビリの脚はかくりと揚雲雀

  さおきち

• 五線譜を巡る旅路へ雲雀かな

  紅紫あやめ

• 憧れてふ胸の疼きや揚雲雀

  武田ラーラ

• 雲雀啼く地球のあつちこつち瓦礫

  長谷機械児

• ころからとカウベル去りて夕雲雀

  丁鼻トゥエルブ

• 雲雀までぽけっとするかこの空は

  どらまにあ

• 天空の領土はここと揚雲雀

  竹春エリザベス

• 拍手を空へ揚雲雀よ北へ

  麦のパパ

• 雲雀鳴く手話で子らにも教えたり

  吉田春代

• 母の字のゆたかな余白雲雀鳴く

  碧西里

• 転職のこころざし抱く揚雲雀

  美んと

• 放棄地に佇ちて雲雀の声を浴ぶ

  梵庸子

• 三本のオバケ煙突夕雲雀

  東京堕天使

• ポン菓子の米ときざらと揚雲雀

  花南天anne

• 体内の鈴を激しく振る雲雀

  無花果邪無

• 雲雀鳴く古代の空は蒼からむ

  坂本宙海(そおら)

• わが子にも嘘つくつもり揚雲雀

  文茶影

• 観音の抱くみどりごやひばり鳴く

  高田ちぐさ

• 落雲雀夫の便りを携えよ

  広島あーやあーや

• 揚雲雀やがて光と混じり合う

  空流峰山

• 各々の献杯の声揚雲雀

  夏　しのぶ

• ドーナツの真中に雲雀捉えたり

  桜月夜

• 町議選無投票らし揚雲雀

  あまぐり

• 雲雀よ歌え着工予定迫る地に

  靫草子

• 棒浮きの中り止みたる雲雀かな

  也和

• 揚雲雀野の婚ならば永からむ

  刈田陽子

• 下駄音の風呂棟に消ゆ朝雲雀

  北野小町

• 園庭や多動の子らと聞くひばり

  松山めゐ

• 車椅子の坂前傾に揚雲雀

  古乃池糸歩

• 雲を射抜く雲雀の声よ丸き眼よ

  東田　一鮎

• 知・血・値・恥・地の戦闘を眺むる雲雀

  立石神流

• 初雲雀売っても金にならぬ土地

  宇都宮駿介

• 養鶏の長靴まぶし揚雲雀

  栗田すずさん

• 地の気泡ぐんぐん雲雀振り切れる

  中島　真珠

• 雲雀発つピッチを三歩上げてみる

  みたまん

• 揚雲雀そとへ黒板消しぱんぱん

  彫刻刀

• 機の音の絶えし美濃路や夕雲雀

  石田将仁

• 雲雀鳴く祖父の田んぼに家の建つ

  麗し

• #イマソラ落ちる夕雲雀

  正岡田治

• 初ひばり建売住宅展示場

  谷川ふみ

• われ立てば空近づくや揚雲雀

  きつネつき俳句系Vtuber

• 晴天や雲雀の舌の良き震へ

  はなぶさあきら

• 防大入校式晴天初雲雀

  ジン・ケンジ

• 巡礼の坂登る背に雲雀鳴く

  真咲よしの

• 天と地を縫ひ終へ雲雀眠りけり

  霞山旅

• 雲雀鳴くしきりと喉の渇く日よ

  谷町百合乃

• 臨海の塔にいつかの雲雀かな

  加山シンゴ

• 揚雲雀家族を遠く眺める者

  地球人

• 泥団子三つ雲雀へ入る合図

  白石美月

• その中の一羽は空となる雲雀

  笑松

• もう猫を探すの止めて雲雀見る

  梨山碧

• 揚雲雀四国三郎小波立つ

  　銀　次郎

• 雲雀野の二人の恋やぎこちなく

  小池博美

• 鯱の高さで鳴くや揚雲雀

  　蔵原　貢次郎

• 参考書を資源置き場に揚雲雀

  空　春翔

• ドクターヘリの窓を拭くひと告天子

  ろまねす子

• 学校は郷の真ん中揚雲雀

  　九郎四郎

• かにかくに日本のゆくへ雲雀籠

  熊谷 温古

• 揚雲雀見えない星の目を覚す

  千歳みち乃

• 天にひばり地に我病みて草原に立つ

  虎の尾

• 狙うはダブルテイクか天穹へ雲雀

  沢拓庵◎いつき組カーリング部

• 揚雲雀こころの鬱を見透かして

  仲 操

• ひたち野にひかりたなびきひばりなく

  とんぼ

• ひばり野や合い言葉は「きずな」「ゆうき」

  風薫子

• 手弁当匂ひ裏山揚雲雀

  詩

• 小さく丸きハカダチの背叫天子

  星埜黴円

• 群緑のダムを震わす雲雀かな

  中村青女

• 雲雀聞く洗濯物のはためく日

  acorn

• 行き止まりの陽だまりの家あげひばり

  仁山かえる

• 二番線発つ子の背や初雲雀

  オニチョロ

• 銃はみな草へ沈めよ雲雀鳴く

  野村齋藤

• 嫁の来て雲雀ひと鳴き言祝ぎぬ

  北乃薫衣草

• 見つからない隕石は雲雀だから

  眠　睡花

• 畑から建て売り建つや雲雀鳴く

  石神湖畔

• 揚雲雀蒼きト調の響きかな

  太平楽太郎

• 揚雲雀雲間に淡く残る月

  森爺

• 営巣は王墓のたもと告天子

  どくだみ茶

• 自らの声食むように鳴く雲雀かな

  どいつ薔芭

• 原っぱの朽ちたボールや揚雲雀

  鈴木古舟

• 金色の日を喰ひ千切り揚雲雀

  沖原イヲ

• 空きれいインスタ映えに雲雀待つ

  笑姫天臼

• 揚雲雀幸せな人の鈍感

  笹間明明

• 黒ボクの雲の端から揚雲雀

  さぶろう

• 初ひばり手持ち無沙汰なチューインガム

  森葉豆

• 補助輪がとれたとLINE初雲雀

  わおち

• 天空に雲雀の声といふ時間

  山内彩月

• 薄れゆく雲雀の聲を追うこだま

  清水ぽっぽ

• 雲雀落つ休耕田の只中に

  菊池克己

• コーヒーの硬きプルタブ雲雀翔つ

  上村　風知草

• ひと鳴きが哲学になる雲雀かな

  道楽人生

• 雲雀ひばりあの魂を引き留めて

  飯沼深生

• おお雲雀我だけの我なりし日々

  風蘭智子

• 猿田彦雲雀震わす空の下

  千賀子

• 雲雀きく丘の明るき地平線

  ルーミイ

• 意を決し空になりゆく雲雀かな

  山川土時

• 気まぐれのジョギング耳擽る雲雀

  北爪いく葉

• 雨や雲雀の冠羽めりめり立ちあがる

  眩む凡

• 雲雀鳴く撃たれることはあるまいと

  神谷史記

• あを空へ飛び込むごとく揚雲雀

  えりべり

• 啼き止みし告天子や已に赦さるる

  ミカンスキー

• エンストのバイクの重さ落雲雀

  清水　三雲

• 舞雲雀八分音符を振り零す

  羊似妃

• ケアマネには饒舌な母揚雲雀

  at花結い

• 雲雀かな声聴く部屋に陽の目射し

  畑 けん

• 鳳凰のごとき雲雀の冠羽かな

  森脩平

• 揚雲雀弓をまた引き絞る朝

  たけぐち遊子

• 風の色光にほどく雲雀かな

  reion

• うちゅうじん赤ちゃんだいてひばり見る

  寺尾ロゼッタ

• 雲雀鳴くナイチンゲールではないと

  神谷篝火

• 初雲雀空の扉を開きけり

  花見鳥

• 雲雀鳴く大山横に光る海

  浜 友輔

• 瀬戸内の段々畑揚雲雀

  山崎　佳世

• 学び舎の杜に雲雀のかまびすく

  豊岡重翁

• 落雲雀基地へ戻らぬオスプレイ

  あたなごっち

• 捨て畑に雲雀は羽を休めけり

  こみやふるる

• 網膜のきりりと痛み落雲雀

  まこちふる

• 神旗待つ相馬の空よ揚雲雀

  ひなた和佳

• 雲雀鳴く日曜ニュースつけて消す

  たけろー

• 堕天使を尻目に落つる雲雀かな

  岩瀬アトム

• 老いて得たる友と歩めば揚雲雀

  朗子

• 雲雀野の水車ゆるゆる回りをり

  樋口滑瓢

• 雲雀鳴く暇に見上ぐる朝の空

  本気のめんそ

• 揚雲雀受験番号ありました

  ゴーマ

• 流刑地の上皇の恋告天子

  細川鮪目

• 揚雲雀影はあたしが預かろう

  公木正

• 耳鳴りを遮るヒュルル揚雲雀

  加賀くちこ

• 丘に立つ墓石雲雀を見上げをり

  仲村夏子

• 遠まわり雲雀へつづく歩道橋

  佐野明世

• 眩しさや雲雀を探す空の丈

  くさ

• 円形の雲間雲雀の鳴いた跡

  楊梅江風

• 地下足袋を雲雀がひとつ越してゆく

  湯屋ゆうや

• ごろ寝の吾の鼻先から空揚雲雀

  みしまはぐし

• 義手を地に突く傷兵や雲雀啼く

  いずみ令香

• あざやかにうらぎる少女揚雲雀

  うに子

• 仰ぎつつ足場固めむ揚雲雀

  有野 安津

• 雲雀揚がる日に一便の飛行場

  島田スパイス

• 病室の天井は白揚雲雀

  ナタデココ

• 揚げ雲雀陸になりたる能登の海

  老人日記

• 空が息吐き切る如く雲雀落つ

  西村　棗

• 揚雲雀ゴールへ呻るリモコンカー

  那須のお漬物

• 揚雲雀若草山も三輪山も

  立山穂高

• 青春や野にやすろうて揚雲雀

  立町力二

• 避難所の炊出し準備雲雀啼く

  くぅ

• 米軍基地の王者は我と啼く雲雀

  ざうこ

• 雲雀啼く蔵に使へぬ燻煙器

  内藤羊皐

• 草原の夕陽はでかし雲雀鳴く

  天雅

• 陽の飛沫隈なきまでに揚雲雀

  石上あまね

• 揚雲雀みぢんも天を疑はず

  中根由起子

• 邪念みな吹つ切るごとく揚雲雀

  鷹見沢　幸

• 雲雀なく野外劇場ひとりごち

  風花美絵

• 営業のスパイキーヘア揚雲雀

  となりの天然石

• たおやかや雲雀の高度は絶妙

  妙

• 雲呑を包む手の皺雲雀啼く

  飯塚煮込

• 円陣のカメラあてなし野の雲雀

  黒麹　糀

• ひたすらに空を啄む雲雀啼く

  ねこむらさきご

• たましひを一つ持ち去る揚雲雀

  一日一笑

• 死火山の深きふところ雲雀鳴く

  蓮井理久

• 何もなきただの草はら雲雀鳴く

  あみま

• 告天子賢治の畑に揚がりけり

  杏乃みずな

• 点さへも見えず雲雀の空深し

  越智空子

• 頭上では雲雀来るなと高く鳴く

  猫山野ムベ

• 生きめやも雲雀は今を鳴いてゐる

  蜥蜴の尻尾

• 烈風を統べる雲雀の美しき聲

  春那ぬくみ

• 狂おしく空の深さを知る雲雀

  世良日守

• 思い出というもの雲雀飛ぶ辺り

  入口弘徳

• 空砲の演習場に揚雲雀

  白倉黄鶺鴒

• 雲雀鳴く吾も吾子も泣く発表会

  西町花冠

• 惣菜を母に持たされ夕雲雀

  小川野雪兎

• 輪唱の響き微かに雲雀かな

  山川凛

• 野の児らにはじき出されし雲雀かな

  たむらせつこ

• 宮跡を横切る私鉄あり雲雀

  山中　あぎ

• 新しい鉛筆雲雀の飛び立ちし朝

  綿鍋雪

• 掻き傷を掻く落雲雀落雲雀

  長谷川水素

• 雲雀啼く入身転換天地投げ

  蝸牛

• 脚立より高い雲雀の懇談会

  久米穂風

• まぶしさや空に雲雀の声ばかり

  川屋水仙

• 雲雀佳き声三人娘佳き声で

  藤鷹圓哉

• 五時限の眠たき古文雲雀鳴く

  若井柳児

• 雲雀鳴く隣家のピアノアンダンテ

  金田庭園

• 雲雀聞き寝ぐせのままに畦を行く

  美織

• 焦点を何に定むる揚雲雀

  ペトロア

• 雲雀語はわからぬままを良しとしょう

  野地垂木

• 雲雀鳴く白磁に青菜飯三口

  高重安眠

• 雲雀と来る新車の福祉タクシーよ

  団栗あんパン

• 大地より賜るちから揚雲雀

  花水木

• 天の闇雲雀の声に起こされて

  粋庵仁空

• 河川敷満塁打追う初雲雀

  飛来　英

• 出発のバスの置き場に雲雀鳴く

  山尾歩

• 遊山箱の先に雲雀の見え隠れ

  むさし野まさこ

• 火星まで帰るつもりか揚雲雀

  千鳥城.いつき組広ブロ俳句部カナダ支部

• 降り立つを忘れた雲雀おったとさ

  ほうちゃん

• 雲雀鳴く愛はこんなに喋るのか

  加納仁桜

• 雲雀舞うまさら産着のましろき手

  櫻心

• 洗濯機がたごと響く雲雀かな

  玉川緑風

• 野の声を四方へとひらく雲雀かな

  あらかわすすむ

• ひばり亡き令和のみそらひばり鳴く

  於大純

• 雲雀鳴きゃ小っ恥ずかしいラブレター

  小室雅俊

• 揚げ雲雀水平線に雲のなく

  香依蒼

• 難民を追うドローンや揚雲雀

  霧　澄渡

• 志願一人挙手高々と揚雲雀

  花亭五味

• 滑走路は陸の端つこ雲雀啼く

  橘鶫

• 雲雀の声降るや下山の一礼に

  泗水ハオ

• 朝のコーヒー雲雀の声の明かし

  増田楽子

• 天心に挑む雲雀や羽冠熱り

  花和音

• 祖父に髪刈らるる兵士雲雀翔べ

  伊沢華純

• 必勝を目指す校旗や揚げ雲雀

  そめやまさみ

• 雲雀だね恩師と仰ぐ空広し

  彩明

• 新校舎落成式に雲雀鳴く

  みうらけんじ

• 揚雲雀空の大きなスタジアム

  さかえ八八六

• 学校へまだ行けぬ子や夕雲雀

  主藤充子

• クレーン車の回りてひばり三角比

  髙橋弓女

• 葬送のフルート君へ揚雲雀

  新山晶花

• （一月一日）黙祷を捧げる空や揚雲雀

  原島ちび助

• 若いね、と昼間のビルに雲雀くる

  安達りんだう

• 揚雲雀日がな一日を統べにけり

  佐藤　藍魚

• なぞなぞの次もなぞなぞ揚雲雀

  ひねもす

• 今の世は孤独ですよと雲雀なく

  林口竹

• 澱みたる靄を軽々揚雲雀

  くつの　した子

• 或る雲雀高さの禁を犯しけり

  寺尾当卯

• まつさらに雲雀の空のまつぷたつ

  島田雪灯

• あかつきの知覧の空を揚雲雀

  愚老

• 雲雀さんよ谷地も明日には火入れとか

  唯野音景楽

• 大安に転居挨拶ひばり鳴く

  細木さちこ

• 雲雀鳴くゆゑに死にたし生きたしと

  九頭龍　一鬼

• 雲雀鳴く鹿倉山の見える席

  辻󠄀勢

• 天空はひかりの器揚雲雀

  香壺

• 筑紫野は終の住処やひばり鳴く

  春よ来い

• 自己紹介来る来る来る来ひばり鳴く

  水豚庵

• 青空に連呼の雲雀大野原

  池田 　凜

• 浮雲は森のサーバー揚雲雀

  佐藤知春

• 吉報を届けるやうに揚雲雀

  白子ポン酢

• 啼けるだけ啼いてしまえよ雲雀ども

  赤尾双葉

• のど自慢大会果てて雲雀飛ぶ

  伊藤なおじい

• それぞれに人待つ明かり雲雀鳴く

  巴里乃嬬

• 夕空の遠くが霞み雲雀鳴く

  田中えっぬー

• 卵三つ食われし雲雀杭に居り

  中嶋奈緒子

• 雲雀揚がる新型車輌習熟中

  定位置

• 揚雲雀クレイアニメの樹々おどる

  オーガストスガワラマサト

• 次々に飛び出す絵本揚雲雀

  酒井均

• 球審の右手上がるや揚雲雀

  杉柳才

• 青空に雲雀よブラウスは黄色

  みなづき光緒

• 墓じまい終えて一礼告天子

  ぽんたちん

• 三者懇談ＣからＡや鳴雲雀

  テラゴン

• バッカスの宴を盗む雲雀かな

  藤井俊季

• 舞雲雀拘りの家を売りし夕

  草加古鈴

• 人は皆死ぬとき静か雲雀鳴く

  いくたドロップ

• ごちやごちやの市民農園雲雀鳴く

  宇のななみ

• 雲雀ひばり思考彼方へ唄ふ父

  トウ甘藻

• 初子抱き宮の参道初雲雀

  PONホンダ

• 昇進にひるむ女や揚雲雀

  あま門

• 朝雲雀峠を急ぐ救急車

  竜退治の騎士

• 父の影踏んで歩く日雲雀鳴く

  高木音弥

• 今生の哀しみ背負い揚雲雀

  武蔵野青空

• 雲雀野を待つとはなしのバスの影

  蝦夷野ごうがしゃ

• 飛車角の動きで何をとる雲雀

  夏山栞

• 揚雲雀神主の来ぬ地鎮祭

  灰色狼

• 雲雀さえ天見つからぬ父が逝く

  加藤水玉

• 雲雀来て蛇口の水が生き返る

  水瀬曜

• 廃屋の主となりたる雲雀かな

  阿万女deノエル

• 揚雲雀なきやまず孤独死の叔母

  国東町子

• 雲雀啼く天空神は愉快な名

  鈴木裕公仁

• 百年の記念の塔や揚雲雀

  帝菜

• 雲雀野や田の神さあは眉下げて

  海峯企鵝

• 揚雲雀父遺したる田の広し

  坪田恭壱

• 陽をまるくまるくなぞるや揚雲雀

  嶋田奈緒

• ぺこちゃんの顔揺らしたり揚雲雀

  野々　りんどう

• 揚雲雀こゑはひかりとなりて降る

  伊藤恵美

• リズム良く歩く我へと初雲雀

  そまり

• たばしりて汀に遊ぶ落雲雀

  秋葉　翠

• 表札の妣の名にひび雲雀鳴く

  空山プラネタリウム

• 澄みわたる雲雀とも迦陵頻伽とも

  はぐれ杤餅

• 呑み込みし空を吐き出し落雲雀

  ふわり子

• 雲雀野や荷出しし部屋の掃き掃除

  楽和音

• ぶつけあふ角のあはれを知る雲雀

  つくも果音

• 軽音のリハは踊り場友雲雀

  紫鋼

• 棒高のポール撓ふや揚雲雀

  後藤三梅

• この町を出よう雲雀は砂浴びる

  恋瀬川三緒

• 雲雀野へゴム巻き放つプロペラ機

  月見柑

• 独立の初日の朝や揚雲雀

  杼　けいこ

• Googleに道順頼り揚雲雀

  虫倉蝉音

• 刀工の腕逞しや揚雲雀

  哲庵

• 雲雀鳴くサービスエリア富士眺む

  斧　的部

• 避雷針きりりと立ちて揚雲雀

  ピアニシモ

• あゝ雲雀早稲田となりの予備校よ

  あさのとびら

• 雲雀野や峠の先は妣の里

  石塚碧葉

• 雲雀きく自伐林業三代目

  秋白ネリネ

• 検診の結果聞く日や雲雀鳴く

  浅井カバ先生

• 翔ぶ雲雀気に留めしこと無き不思議

  小林番茶

• 手の中の紙コップの暖揚雲雀

  空　ひろ

• 揚雲雀朱から藍へと朝の空

  秋月

• ふくよかな雲雀何を迄ふ哉

  山尾政弘

• 進塁打だけの人生揚雲雀

  中村想吉

• 詠み残すから壊せる生家揚雲雀

  むらぴ

• 青空てふ画布を翩翻揚雲雀

  野々村澄夫

• イヤホンの懐メロ空に揚げ雲雀

  壱太

• 芸大の雲雀は風の調律師

  柊琴乃

• 雲雀唄う咽頭炎の吾の上に

  月石まちこ

• 雲雀鳴く畑の上空雲隠れ

  早坂　一周

• 流暢なひかりと絡む雲雀かな

  蜘蛛野澄香

• 自転車の往診の医師と雲雀飛ぶ

  りんごのほっぺ

• 声ひとつ見えぬ雲雀の名残かな

  スズランチイ子

• 富士浅間日光筑波揚雲雀

  楽椿

• 雲雀野やシートノックの胴間声

  風の木原

• 制服へ名入れ百件朝雲雀

  高尾一叶（えらいぞ、はるかちゃん！改め）

• 雲雀にはキルケゴールの己はあるか

  柑青夕理

• 餞別を辞退し乗車揚雲雀

  田中ミノル

• 雲雀野や目立たぬ事も生くる道

  鶴富士

• 雲雀二羽仲良きことに倦む朝を

  ほしのあお

• 揚雲雀多摩の河原の若き日よ

  玉川　徳兵衛

• 雨の日の雲雀いささか尖りをり

  はれまふよう

• 揚雲雀浦賀の渡船丁度今

  三上　栞

• 揚雲雀スクランブル訓練中

  増田　昴

• 雲雀には雲雀の重み風に乗る

  太田けいこ

• 雲雀その声よたれかにたれかよと

  絵夢衷子

• 礼服を車に積み込む揚雲雀

  萱沼八つ帆

• ひばり鳴く通園バスを急かさぬよう

  栗緒音

• 雲雀鳴く地元に友はもういない

  ふくじん

• 揚雲雀ダーツ真中に命中す

  いこん

• 揚雲雀明るく終へるひとりごと

  津々うらら

• ジャイヴォロノフのパンを焼くヒバリよ来

  おおいし　陽葵

• 子らの声超えて雲雀は濃く鳴けり

  宇佐美好子

• 火葬場の順番待ちや雲雀鳴く

  山羊座の千賀子

• 揚雲雀地名に蛇のつく原野

  横山雑煮

• 雲雀落つジロさの畑のあのあたり

  林常住

• 揚雲雀ぴくつと動く牛の耳

  沼宮内　かほる

• 雲雀野に仁王立ちなり恋捨てる

  河村静葩

• ひばり鳴くととととうなる耕運機

  よみちとせ

• 夕雲雀支柱にならぶ古軍手

  山崎千晶

• 雲雀啼くやうやく絵本描けさうだ

  神島六男

• 雲雀野や責任持たぬ昼の酒

  中原柊ニ

• 千メートル十本目や揚雲雀

  高岡春雪

• 雲雀鳴くかつて住居の在りし町

  ２８あずきち

• 無言歌を弾くように鳴く雲雀かな

  佐藤　聰

• 告天子僕の信じる君の嘘

  庭野環石

• ひとしきりまばゆき夕日啼く雲雀

  桔梗

• ミュージカル「SIX」初日揚雲雀

  鳥田政宗

• 雲雀追ふ少年の目に陽の明し

  福井桔梗

• 真鍮の鈍き靴べら揚雲雀

  柳浦総師

• 廃坑の人なき町に揚雲雀

  北の灯

• 青空へ挑みてゆくは揚雲雀

  理真

• 一番くじ買うや雲雀はまだ鳴かぬ

  ユキト

• 雲雀来る教会の屋根平和の鐘

  ぐりぐら京子

• 初雲雀娘に譲る本真珠

  沙那夏

• 揚雲雀吾子送り出すバス停に

  能研ショテカ

• 君の返事や告天子さざめいて

  青桜ウインド

• 雲雀鳴きポッケにひとつ阿闍梨餅

  花空木

• 草と空恋し雲雀のフーガかな

  須田爪黒

• 発射台のロケット駆け昇る雲雀

  富士桜花

• 雲雀いまエンジン吹かすトラクター

  川蜷

• 陽のことば通訳すれば揚雲雀

  小川都雪

• 猿山を見下ろす雲雀睨むボス

  平岡梅

• 陽の暈へ切り込んでゆく揚雲雀

  岡山小鞠

• 四年ぶりの髪の刈り上げ揚雲雀

  酔蚊眼

• 繰り言の鳩説得の揚雲雀

  鈴白菜実

• 雲雀てふあかるき楽器岩の上

  陽光樹

• 揚雲雀くはへし詩の欠片落つ

  安春

• 時を駆けるかに空駆ける雲雀かな

  山川腎茶

• 検診の結果聞き入り雲雀鳴く

  こきん

• 三連符を息つづくまで初雲雀

  西郡うり

• 雲雀落つ野辺の送りの参列者

  高橋　基人

• この空へ生まれくる子よ揚ひばり

  島田あんず

• バンカラの「都ぞ弥生」夕ひばり

  吉　や

• 揚雲雀明潭巡り漣を

  蔵書室主人

• 全身で生を寿ぐ雲雀かな

  香羊

• 立札の朽ちた売地や雲雀鳴く

  きべし

• 柵杭の挙動不審な雲雀かな

  赤尾実果

• 揚雲雀軍靴の音はまだ止まず

  立野音思

• 雲雀野やエスケープした塾の模試

  伏見丹耶

• 雲雀鳴く息継ぎ無しに日曜日

  橋本有太津

• ひばり鳴くはちみつ溶ける頃なれば

  香田ちり

• 有り体を見せて気楽な雲雀かな

  小園夢子

• 揚雲雀鉄砲隊のぞろり出て

  わたなべ☆いつせい

• 揚雲雀いい案配のサポーター

  平としまる

• 静寂の朝の雲雀や電子音

  津木百合

• 故郷を捨てたか問へば雲雀鳴く

  冬野とも

• 雲雀鳴き止まず久しき友の町

  酔下弦

• 気の早き君に似てゐる雲雀かな

  小夏

• イーゼルを立てて初雲雀の冠羽

  佐藤ゆま

• 一音を譜へと書き足す落雲雀

  小里京子

• 街灯点く帰り遅れて鳴く雲雀

  馬門宗太

• 揚雲雀天球といふ籠のなか

  多々良海月

• 貧血へ雲雀のこゑの非情なる

  佐藤茂之

• 忠魂の石碑てっぺん雲雀うたう

  菜々の花畑

• 荒地野に白球弧を描き揚雲雀

  千曜　桜

• 飛鳥野の眩しき昼を揚雲雀

  石塚彩楓

• 揚雲雀棒高跳の空を蹴る

  谷本均

• 比叡より湖へと渡る雲雀道

  碧水

• 歌声が雲雀を隠す校舎かな

  森重聲

• 雲雀啼く色づき始む新世界

  富永武司

• 雲雀舞い風にほどける空の青

  葉吾人

• 揚雲雀ぽきりと折れたカーブミラー

  ゆすらご

• 天めざし雲雀歌うや野辺送り

  一雁低空

• 雲雀啼く留め置かれたるシルバーカー

  畑中幸利

• 青石はジュラ紀の青さ揚雲雀

  吉野川

• 揚雲雀未来という名の今日を行く

  風民

• こんな日は上を向こうよ揚雲雀

  亀田かつおぶし

• 雲雀から呪文受け取る老婆かな

  青柳修平

• 初雲雀今日の参加者二百名

  広島立葵

• 百年のボンボン時計雲雀鳴き

  西川たもつ

• 校庭をおしやべりなきむしひばりひばり

  足立智美

• 擬傷せし雲雀や骸あたたかし

  今乃武椪

• 河川敷雲雀の色の無音かな

  くじら12号

• 打ち上げた球追い越すか揚雲雀

  高本蒼岑

• 雲雀高くけふうるはしく箸をとる

  777

• 初ひばり老いの病舎にもて余す

  あるる

• 初ひばり上棟式を見返りて

  ほこ

• 踏切に電車を待つ子雲雀啼く

  伊藤　蒼邨

• 胎動はくすぐったいよねえ雲雀

  小川テル子

• 目の見えぬ吾を寿ぐか揚雲雀

  奈良の真

• 見えぬ糸思いのままに雲雀かな

  井上美月

• 雲雀野の古墳に見合ふ須恵器かな

  新濃　健

• 故郷は鉄塔だらけ揚雲雀

  多数野麻仁男

• 海風に鎮むアトピー揚雲雀

  阿部八富利

• フルートへ歌ふマリンバ揚雲雀

  孔明

• ドップラー効果雲雀は遠ざかる

  武　志望

• 病室の格子越しの初雲雀

  玉野文

• 町会の役員決めや雲雀鳴く

  青い空加納

• 哲学を拒む河原の雲雀かな

  さがみ湧水

• 踏切は鳥居の手前揚雲雀

  さ乙女龍チヨ

• 草の根へ産むや雲雀の卵三つ

  黒山万牛

• その話三度目ですよ雲雀鳴く

  慢鱚

• 片恋の続き託して揚雲雀

  山口絢子

• ひとり旅蒼穹遥か揚雲雀

  桃姫

• 揚雲雀市場にひらく翻訳機

  鶴小なみ

• 雲雀鳴くカラーバットでホームラン

  雅　寝子

• 鼻唄に勝り雲雀のアクセント

  三島ひめばしょう

• 初雲雀しばし使はぬトラクター

  北田立緒

• 雲雀つく真白な景色の万華鏡

  永松薫風

• てんてんと雲雀くろぐろ曇り空

  田村利平

• 山祇の燃ゆる息吹や雲雀翔つ

  刈屋まさを

• 鍬ふるう今日は晴天初雲雀

  美津うつわ

• 洗い立てのカーテン吊るや揚雲雀

  和住　緋弧

• もうちょいと働くべきか揚雲雀

  乃の

• 光る野に雲雀飛立つ巡礼路

  埼玉の巫女

• 消えゆきてなお空にある雲雀の歌

  辻本 四季鳥

• 揚げ雲雀待つらむ雲の佇まひ

  羽住玄冬

• 演劇部あいうえおあお揚雲雀

  秋野しら露

• 絶縁の六畳一間揚雲雀

  梅田三五

• コリオリの力や捻じれ落つ雲雀

  外鴨南菊

• バーバーの三色回る雲雀かな

  東山すいか

• 揚雲雀野球部の声届く空

  紫水晶

• 唇のカサつき雲雀は闊達

  絵十

• 促音の余韻散らして叫天子

  らん丸

• 雲雀発つ新隊員の匍匐先

  たていし 隆松

• 揚雲雀午後からは雨ですってよ

  Kかれん

• 田に農夫光の内へ揚雲雀

  亀山酔田

• 秘密めく左は藪の雲雀かな

  夜之本紙処

• 泣かないと決めた日そらを揚ひばり

  花星壱和

• 思ひ出はクラウドの中雲雀啼く

  鹿達熊夜

• 湯気立つアスファルト雲雀の空の下

  豆柴

• 雲雀ならヴァイオリンのラ・カンパネラ

  大地緑

• 退院の病院見上ぐ告天子

  アントワネットdeノエル

• 雲雀鳴く窓開く青き匂ひ嗅ぐ

  斉藤百女

• 相続の土地に他人名義の箇所ひばり

  加藤栗庵

• 雲雀鳴く村落にもソーラーパネル

  群多亡羊

• あれは雲雀よこれは私の音

  まるかじり

• 初めての出勤ふいに雲雀啼く

  小原実穂

• 引越車見送る空に夕雲雀

  くみくまマフラー

• 日曜のバス間引かれて雲雀啼く

  あさぬま雅王

• ガザ見遣り無傷の青へ揚雲雀

  美竹花蘭

• 雲雀鳴く砲弾の飛ぶ空嘆き

  あらいゆう

• 今だけは私ひとりに雲雀の空

  うさぎ柚和

• 揚雲雀病窓の吾見つけ給へ

  土井あくび

• 揚雲雀野手の揃わぬ草野球

  小田毬藻

• 揚雲雀地蔵の小さき赤頭巾

  坂本雪桃

• 吹きあがり雲雀泡立つ宮址かな

  くずもち鹿之助

• 杖と越ゆる熊野古道や揚雲雀

  えいぎょ

• ここからは雲雀の星や夕まぐれ

  高原としなり

• 降りそそぐ預言は光揚ひばり

  夏草はむ

• 選挙ポスターきらきらと雲雀かな

  野原茉莉

• 就活す儘よ儘よと揚げ雲雀

  くろべぇ

• 留守電に明日の約束揚げひばり

  朶美子(えみこ)

• 雲雀去り写真と録音の声

  朋部　琉

• 空も地も晴れるといいな雲雀来い

  み藻砂

• 二歩奈良へ暗峠の揚雲雀

  松高法彦

• 告白の逡巡笑う雲雀かな

  八一九

• 肩書のない気楽さよ揚雲雀

  喜多丘一路

• 半日は雲雀を仰ぎ過ぎゆけり

  たいらんど風人

• 揚雲雀面接会のスーツ群

  月見里ふく

• 雲雀飛ぶホテルの廃墟より高く

  佐東亜阿介改め境沢一千雄（富豪軍団）

• 少女らの脚の伸びたる雲雀かな

  坂口いちお

• 過ちをみそぐ湖来て雲雀かな

  京有楽草

• 補聴器とフェンスに指や初雲雀

  宇野翔月

• 空にあるどこでもドアへ揚雲雀

  素数

• 揚雲雀千里同風能登の空

  ときめき人

• この道をとほる私に揚雲雀

  匹田小春花

• 大振りの雲雀の連れる荼毘煙

  石川穴空

• 軋轢を解くやうに翔ぶ初雲雀

  清松藍

• 草原や映る装飾符は雲雀

  織 紫子

• 青空に雲雀自由な詩を綴る

  藤本　仁士

• 雲雀鳴き小さき光のトラクター

  朽木　碧

• 揚雲雀わたしの胸を野原にし

  水木合歓

• ひばり鳴く空を小走り登校班

  細田裡子

• 山彦は山へかえして夕雲雀

  まるちゃんにいさん

• 断崖へせり出す畑揚雲雀

  風早杏

• 母何処まで行つたのだらう夕雲雀

  おかげでさんぽ

• 坂下で聞こえるチャイム朝雲雀

  川口里山

• 笑ふツボ同じ夫いて揚雲雀

  増山銀桜

• 揚雲雀姫を娶りに行く童話

  ナオコ タイラー

• 雲雀にも手が届きそうこんな日は

  奥山　言成

• ノーサイド笛の声聞く揚雲雀

  田邉真舟

• 垂直に結ばるる線吾と雲雀

  如月ドロップ

• 大空に居残り続け揚雲雀

  林真紗湖

• 雨の日や雲雀の声の途切れとぎれ

  風虎

• 誰一人降りぬ駅あり揚雲雀

  ウラッキー

• トラクターの音を遠くに揚雲雀

  いつか

• 昼風呂の窓に雲雀や定年後

  宗平圭司

• 雲雀歌うジブリのごとき朝が来た

  くすみ輝く

• 目の病気治る夢見て揚雲雀

  フージー

• 鯨啼く太古の空や落雲雀

  一港

• 言い触らす里の醜聞落雲雀

  木村弩凡

• 揚雲雀近鉄走る平城宮

  木寺　仙游

• てんやわんや頭上と草むらの雲雀

  林　水城

• 故郷の川は大きく雲雀ゐて

  國本秀山

• 雲雀のお喋り息継ぎは一瞬

  黒猫かずこ

• 膝上に図鑑雲雀は高々と

  健央介

• 太陽の言の葉訳せ告天子

  空井美香

• 婚礼の朝へ雲雀のアリア降る

  十月小萩

• 一点の命よ吾娘はこの雲雀

  駄々

• ふる里は曇り時々雲雀かな

  松田寛生

• 友の肩越しに啼いてる雲雀かな

  木村隆夫

• 管制の離陸の許可を待つ雲雀

  伊ナイトあさか

• あの辺が僕の家です揚雲雀

  でんでん琴女

• 仕事場の駐車じゃり道揚雲雀

  藤　えま

• まだ逝けぬ天はここよと揚雲雀

  原貼女

• 雲雀啼くユンボの鍵にドラミちゃん

  幸田梓弓

• 戦場と日常を縫ふ雲雀かな

  秋桜みりや

• 鮮やかな島出迎えの雲雀かな

  ジョージア

• レーダーの影に警官雲雀鳴く

  阿部油

• 野に雲雀二次関数を問うて消ゆ

  千葉転石

• 街の暁空は雲雀のものとする

  宗平真実

• 揚雲雀右に倣つて仰ぐ空

  中田邦光

• 白昼の月へ飛び立つ雲雀かな

  沙一

• 雲雀鳴くカート・コバーンのカーディガン

  いりこのにゃらつめ

• 探鳥会揚げひばりにてお開きに

  笹　靖子

• 粉骨の母よ波間に呼ぶ雲雀

  天道虫

• 揚雲雀母の畑を引継いで

  千の葉

• 唯一の自慢雲雀と話せます

  凪太

• 雲雀鳴くロケット滑り台こわい

  福原あさひ

• 揚雲雀日差しの弾むドッグラン

  やまさきゆみ

• 終戦の御使となれ揚雲雀

  播磨陽子

• 雲雀野に満塁弾の響きたり

  槇原九月

• 揚雲雀もひとつヨイトマケの唄

  すがりとおる

• 軍事ドローンの電波妨ぐ露國よ雲雀よ

  きゅうもんあっと木の芽

• 雲雀飛び立つひたむきに鳴くために

  なか　かよ

• 巣へ径を成せる雲雀や産月来

  落句言

• アンパンマン棺に納めん初ひばり

  中　兎波

• 老いらくの恋を許すな揚雲雀

  佐藤志祐

• 野良仕事空で労う雲雀かな

  大阪駿馬

• ご長寿のグランドゴルフ揚雲雀

  もふ美

• 雲雀逃ぐベクレルは雨粒に似て

  伊予吟会　宵嵐

• 青空についばむ光揚雲雀

  だっく

• 昼休み重機音止み揚雲雀

  ヤヒロ

• 制服に名札の擦れ揚雲雀

  空豆魚

• ひとり旅予期せぬ明日や揚雲雀

  草野立青

• 雲雀野に君と歌えば風そよぐ

  かんこ鳥

• 飛ぶ雲雀降りてこいよと叫ぶ子ら

  山本葉舟

• 物言わぬ母の傍ら雲雀ゐて

  マーサ

• コーラス練習多摩川土手の揚雲雀

  雨霧彦(木ノ芽)

• 重力にいま逆らはず落雲雀

  タケザワサトシ

• 揚雲雀オンマの捌く参鶏湯

  植木彩由

• 城山のラジオ体操揚雲雀

  ちょうさん

• 背の低きだけ世は広し揚雲雀

  弘友於泥

• 冠羽立て王の気概の雲雀かな

  北村　崇雄

• 隻眼の雲雀が土を吹き平す

  蘭丸結動

• バスは来ぬ雲雀が空に飽きるまで

  水口真奈

• 広島の雲雀か呉の雲雀かと

  京野さち

• 揚雲雀空き地の空と地を広げ

  宮坂暢介

• 採譜終へレコード軽し揚雲雀

  宮下ぼしゅん

• 示談に終わる愛つて何さ揚雲雀

  四方うみ哉

• 野の雲雀動き回つて無言かな

  野州てんまり

• 雲雀鳴くあと一駅のスタンプ帳

  松山茜柑

• 昼休みの公園統ぶる雲雀かな

  満生あをね

• アイデアは脳に雲雀は屋上に

  安溶二

• あかんぼのはだのしめりけ告天子

  夏雨ちや

• 揚雲雀句帳の残り一頁

  和泉攷

• 比翼塚の底へ告天子の弔歌

  岡根今日HEY

• 大仙の御陵の美空告天子

  秋内　壱玖

• かはらけの的をくぐりし揚雲雀

  大西秋桜

• 雲雀空ハープの弦を震わせて

  影夢者亜

• 薪割りの手元狂わし揚げ雲雀

  山くじら

• 雲雀鳴く歯磨きチューブしごく朝

  林　和寿

• さう高く揚がらずじまひ雲雀落つ

  よこいちやこ

• もう少し生きよと雲雀鳴く樹海

  火星ラジオ

• 木造の音楽教室雲雀啼く

  加藤多作

• 先導の待つ姿見ゆ揚雲雀

  村上熊子

• 雲雀飛ぶ河川工事に追われ跳ぶ

  清鱒

• 自転車で新居見学揚げ雲雀

  安曇　平

• 雲雀鳴く故郷を出五十年

  鶴岡木の葉

• 大空にこゑを余せる揚雲雀

  水無月　八子

• みどり児の視線の向こう揚雲雀

  江良　中

• 雲雀いわく日を削りたる名残らし

  鷹星

• 揚雲雀鉄路の過る宮址かな

  ふじよしの女将

• 揚雲雀眼鏡を新調しに里へ

  兵頭紫峰

• 夕雲雀車輪のエス字かっ歩する

  田乃無骨池田

• 大空へ殺意のごとく揚雲雀

  葉月庵郁斗

• 天辺でまず勝鬨や揚雲雀

  峰　乱里

• 神宿るらしき大岩揚雲雀

  小山　晃

• 雲雀鳴く祖父の五反に樹林墓地

  千・いつき組広ブロ俳句部

• 遠ざかりつつある機影揚雲雀

  火炎幸彦

• 揚雲雀はるか地軸の傾きで

  立川猫丸

• 町はづれの手作りパン屋揚雲雀

  じゅんこ

• 病棟の鍵の重さや叫天子

  うめやえのきだけ

• 初雲雀子等は都会に暮らしけり

  越前俊水

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています！