【並選】
黒服の屯してをり小六月
葛城蓮士
六冊目の筆談ノート小春の日
葉村直
小春日や古アパートの海鼠文字
笹間明明
旧友の猫背治つてゐて小春
田面類
小春日や戦隊ショーの展示場
美馬ひとみ
小春日やどろぼう市のほつれゐて
すがりとおる
おくるみはクリーム色や小春の子
ひなたか小春
小春日や女工哀史の赤レンガ
なかの花梨
イヤフォンにブギー流るる小春かな
戌亥
海小春三陸を行くディーゼル車
ちびつぶぶどう
こはるこはると私はここにある
へらみし
小春日や重い瞼はスクワット
花純広場
小春追うフローリングに老いた猫
暇禍
リハビリや杖の畦道小春風
東 湘輝
小春小春ぐーちょきぱーの小さき指
河村静葩
飼い猫の抜け毛もあもあ飛ぶ小春
奈良の真
窓外の主翼小春の日に白し
梨西瓜
小春日の定年退社空ぬける
細木さちこ
引っ越しに助っ人ふたり小春かな
蘂六
散骨の遺灰揺蕩う小春凪
黒澤墨青
入院の小春の窓や夫婦鳩
野狸彦
小春日のスカイツリーの根に凭れ
村上優貴
吾子よぷちぷちと何をつぶしてゐる小春
枯丸
ピカソの名長々として小春かな
狩谷わぐう
百年を長けて矢竹の小春かな
葵新吾
小春凪短気が釣れる太公望
蓮風
並木道水も光も小春かな
中野風鈴
教科書の隅に小春を見つけたり
入口弘徳
小春日に何をそないに急がはる
山くじら
封じ込めたはずの微塵子小春かな
幸久
いかり肩ゆるむ小春や人の波
鵬
行先は小春任せやバスに乗る
日々拓人
チャリの爺さんみぎひだりなく小春
ぉ村椅子(志村肇)
フランスの影に小春の揺るる芯
鈴野蒼爽
図書館のカード更新して小春
花伝
ギャロップの烏小春のバス通り
山羊座の千賀子
小春日や砂のケーキに葉をまぶし
稲畑とりまる
小春日や艫綱たるむ遊漁船
香壺
片言で値切る小春の蚤の市
夏草はむ
宿帳の偽名凜凜しき小春凪
長谷機械児
あっかんべ何処まで続く小春かな
佐藤きりん
アルバムに女装の父や小春風
オキザリス
戒名に俗名一文字小春かな
谷町百合乃
深き影抜けて小春のカーブへと
葉るみ
①か④小春のマークシート
オルフ
音楽葬の欠片染む小春風
黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
黒艶の野太きしっぽ猫小春
じょいふるとしちゃん
パッキンと飛ぶ爪追うて小春かな
笠井あさり
このごろ持久走ばかり…また小春
打楽器
小春日や下肢にあまみの外気浴
二十八
小春降る三尺四方の猫だんご
小西天
節くれの指を撫でたる小春かな
如月 さら
犬の毛のほぐれて小春日和かな
はんばぁぐ
子の絶えし家をゆるりと小春凪
荻原き乃
車椅子の母と小春の動物園
小倉あんこ
やせ猫の板塀のぼる小春かな
蒼鳩 薫
句集並ぶフリマの茣蓙へ小春風
山川腎茶
小春日やぼろGパンの似合ふ彼
淡海かこ
助手席の無口なきみと小春かな
ヒマラヤで平謝り
おしりふき百枚撒かれたる小春
みおつくし
町初見小春一日乗車券
柚和
花形のランプシェードを拭く小春
小鳥ひすい
卒塔婆も土へと還りゆく小春
栗の坊楚材
小春日や手には馴染まぬ新硬貨
白プロキオン
何にでもなれる気のする小春かな
山田蹴人
遠き日の写真小春を文机に
はれまふよう
説法を心に寂聴逝く小春
きょんちゃん
母と娘の修羅の喧嘩や小春凪
衷子
女坂ゆつくり登る小春かな
円 美々
劇場の最寄りの駅を出て小春
広木登一
ぐぅぐっぱぁ小春の足の指体操
野瀬藻石子
畝一本立てたよと白寿の小春
たろはしろ
小三治のまくら聴きたい小春かな
藤鷹圓哉
小春風ぶっとばしたるダンプカー
どいつ薔芭
冷凍のコロッケ揚げて割る小春
博さん
マウントをカウント分別の小春
森翠
小春日やキリン歩めば首もゆく
木塚夏水
朽ちかけた母屋ゆがみて小春満つ
ぼたんぴ
靴下の穴を繕う小春かな
縁穐律
小春やや能面のほお緩ませる
地球人
同じ日のあった気がする小春かな
犬山裕之
小春日や赤ワインにも聖書にも
岡山小鞠
小春日の百のオペラを聴いてなほ
真子井こはく
ソファーの妻栗色に寝る小春かな
北藤詩旦
小春日や天平美女の頬ゆたか
いしはまらんる
ランドセルのやつぱり重き小春かな
宮崎まご助
一片の残骨集め墓小春
ココかざはな
小春日や箸が一組増す水屋
長楽健司
はあいと妻の空返事小春かな
高山佳風
アフガンの一隅照らす小春かな
松高網代
羽根ギョーザ辣油を花として小春
白鳥古丹
逝きし部屋かたされて今日小春来る
haruwo
渡り切る羊待つバス島小春
関とし江
小春凪ホットサンドのキッチンカー
ふもふも
ちくおんき温ワインまわる小春かな
蕗野弥音
舗装なき巡礼の道小春風
さくやこのはな
小春波光大事に乗せてくる
いなほせどり
三回忌小春の海へ子を送る
鶴岡木の葉
板一枚くつくつと彫りわが小春
朱契
お礼肥撒きて一服小春かな
さぶり
気散じな小春のなかにまどろみぬ
林真紗湖
地球が窓辺ニ畳になる小春
宏峰
ローカル線小春乗り込む始発駅
菊池克己
小春日や川面を走る鯉の泡
一純。
小春とは金平糖のあはき色
伊奈川富真乃
インクラインの小石をはじき行く小春
愛燦燦
おばさんの待って居そうな小春かな
森 佳月
小春日の鳩に放るやポップコーン
なしむらなし
トースター新居に贈る日小春たれ
榊裕江子
小春日や大小交じるドッグラン
もふ美
誘われるままに旅立つ小春かな
GONZA
小春日や雀も猫も犬の椀
越前岬
つかの間の小春の海や東尋坊
一茶お
育毛に萌すうぶ毛や小春風
醒子
喧嘩した校庭の隅小春来る
快晴ノセカイ
小春日のおかっぱ跳ねるケンケンパ
平野水麦
小春日や外に椅子出すカフェテラス
塩野谷慎吾
雲ふたつ犬の尾に揺る小春かな
久蔵久蔵
子守唄うたう聖母よ小春空
はっしー
つやつやの免許を仕舞ふ小春かな
庄司直也
爪を磨ぐ猫は小春をあばれをり
ノアノア
小春日や素足の半跏思惟像
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
小春日や吾子と語りし詩のありて
播磨陽子
屋根上のアンテナ撤去小春かな
石岡女依
バスタオル優しく乾く小春かな
安井コスモス
二次予選突破通知や小春かな
at花結い
火葬場の空の眩しき小春かな
登盛満
一人住む姪に小春の古着市
靫草子
小春日や生命線が少し伸ぶ
蓼蟲
貰い物の物また貰う小春かな
みやま千樹
小春日や小銭わずかな小銭入れ
森一平
怨憎会なくて小春の日和かな
小林拓路
小春日に代われるならば子の悪阻
ゆすらご
小春にはあまたの御手があるらしき
吉川拓真
小春日や遺言そこにあったとは
升 丁茶
理由などなくてなんだかふふっ小春
このみ杏仁
音のなきあくび連なる小春かな
嶋田奈緒
母帰宅しっくい壁に小春かな
まー坊
小春日やガラムマサラを小匙半
不二自然
小春日や国宝展の日本刀
きのと
因数分解閃きたる小春
清水縞午
玻璃戸拭く小春の雲に触れもして
紀和やよい
ナース来て小春の窓を開けにけり
木村ひむか
戒名に諧調とあり小春空
越智空子
小春日や「あ」の字をぎゅっと母の背へ
主藤充子
皴の手を翳す青空小春影
幸
友達を裏切った日も小春日だった
閑々鶏
風という風に名前のあり小春
灰色狼
小春日や銀座のパフェのてんこ盛り
朶美子(えみこ)
小春ゆく偏西風の東好き
山内 負乗
五橋ごといこふ小春のランニング
明惟久里
ホーム入る母の名刺繍する小春
林 和寿
表札の少し寂れて小春の日
ま猿
新品のプリンタうごきだす小春
ちかひか
小春日や長い廊下の祖母の家
りんごのほっぺ
小春日や延命否と書き記す
らくさい
検診の待合室の小春かな
聞岳
弟をせたろうて待つ小春かな
柿司
くるくると包帯ほどく小春かな
香栄
放牧の尻尻尻へ小春風
始の子
小春日や羽を伸ばしてゐる孔雀
宥光
小春日のショパンひかりの粒となる
幸田柝の音
こんな日を小春日和というんだね
あつちやん
すべり台大小ありて小春かな
弘友於泥
猫よけのペットボトルの水小春
ヤヒロ
小春日や母の故郷小さき島
よぶこどり
円卓のよもやま話為る小春
上津 力
杉の空寺の磴行く小春かな
佐藤のぶ子
背を丸め小春の駅のマスコット
ぎんやんま
寿のトラック小春日和なり
⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
小春って一両列車の行くがごと
ときわ露草
灯台の集める鳥や小春凪
亜桜みかり
木漏れ日に柔軟剤の小春かな
山井直
チョコ味のシェイクを二杯小春かな
なつめモコ
擦り切れたデニムの膝に風、小春
こいぬ
養生がとれてベランダ小春風
るびちゅ
二人して遊び着買ひし小春かな
俳菜ひろこ
あんぱんは艶めき小春日の銀座
果禄
一つ一つ遺品の重さ知る小春
田端 欲句歩
またひとつ石を小春のロンパース
日向こるり
小春日や砥石の水のやはらかし
泰山
小春日をストライダーの駆け抜けり
素空
監視カメラの死角だけ小春風
ふわり子
肩先のワクチン疼く小春かな
酔下弦
遊山箱さげて小春の奥津城へ
上村 風知草
小春来て駅のピアノは「子犬のワルツ」
藤井舞月
採点の甘くなりゆく小春かな
アロイジオ
見下ろせば通天閣や小春の日
まりい@木ノ芽
わがあだ名を呼ぶAIや小春空
加良太知
バリカンの静かに動く小春かな
千の葉
消毒の手に心地よき小春かな
高岡春雪
夕刊のトップニュースが小春の日
亀田荒太
ポケットのチョコ染み匂う小春なり
清水千種
膝に置く淡路バーガー小春凪
石井瑩
小春日の風が触れても痛む痕
桂葉子
小春よし祖父命名の名を生きて
瀬央ありさ
丘の上に開ける町や小春凪
青柿
小春日やおむつ外せばはしゃぐ脚
夢見昼顔
今バスが小春へ突入したところ
高野きぬ
皿を割って割れたねと言う小春かな
曽我真理子
蟻はもう見えない所まで小春
正岡丹ん
一畳を猫と分け合ふ小春かな
堀雅一
猫のまね少ししてみる小春かな
しゅういずみ
寂しさの句点に小春置かれをり
村瀬っち
スウィングジャズ古りし畳の小春かな
伊藤順女
ドからソへのぼりゆく屁やけふ小春
すずしろゆき
小春日のごっつごっつの手に光芒
花紋
ロザリオの珠へ涙の沁む小春
晴田そわか
小春日の吾子の技なる大車輪
上津嘉子
もう会えぬ友よ小春の道の果て
海瀬安紀子
万年筆黒じゃない色好く小春
むらのたんぽぽ
面会は駐車場なり小春かな
露口全速
引き抜けば黒土われて小春の香
中島 真珠
小春凪離婚届と釣竿と
柳浦総師
退職の子の荷の届く小春かな
陽光
小春空円く支える観覧車
祐
チャンネルを合はせ小春のクラップクラップ
梵庸子
新しく中古の本を買う小春
鈴木裕公仁
開演を待つ教え子の目に小春
藤白月
療病の犬抱く散歩小春かな
比良山
ベランピングの器具は真っさら小春かな
沙那夏
小春日の入浴母の背薄し
風蘭智子
向こう岸まで来てをりし小春かな
たむらせつこ
小春日をクシコスポスト響もせり
羊似妃
アンパンマン号通過小春の無人駅
苺井千恵
炭鉱の三軒長屋小六月
由づる
灯油缶運べし母の小春かな
福田みやき
手土産に小春をつれて訪ねけり
睦月くらげ
オルゴール左手が愛でる小春かな
Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
小春日や干し殻叩く過疎の婆
下村ひじり
えくぼの児と小石を投げる沼小春
絵十
世田谷の窓開け放つ小春哉
朝月沙都子
納骨のビィオロン空へ小春かな
台湾もっか
じぐざぐに跳ね回る栗鼠小春かな
遥風
小春日や肩を揉む手に力なし
細川小春
子の背を掻けば背骨のある小春
青海也緒
小春日やようなきひとのまねをして
新城典午
目脂とろとろと小春を老いる犬
高橋無垢
錆び深き門扉の空き家をも小春
山中陽子
小春日やアルデンテまでもう二分
四丁目
全麻オペ受ける背中へ小春の陽
向日葵@いつき組広ブロ俳句部
小春日をたのしんでいる遊具たち
岩木順
車椅子列ねシルバー園の路小春
下田せっちやん
かげろふといふ菓子届く小春かな
あまぶー
懐に溜めておきたし小春かな
虎穴虎児
花の名を祖母に教はる小春かな
大谷如水
波寄せて赤き鳥居や島小春
さいたま水夢
小春日や光に君を呼ぶ祈り
蒼來応來
小春日や鳩のうなじのよう光り
瀬尾白果
戒名に雲の文字あり小春かな
大熊猫@四句八句
屋上遊園地小春日の五分待ち
ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
「open」のひとつ看板小春かな
さとう菓子
小春日やをとこの靴の大きこと
杏是りゐ菜
小春の水屋食器を広く並べ置く
みのる
上司みな出張中で小春なり
笑松
腹白き鳥あまた往く小春空
紅小雀
古着屋のSale賑わう小春かな
小山晃
小春日やただいま留守にしております
かんこ鳥
遮光器土偶目に縄文の小春かな
吟 梵
マンホールの蓋黒光る小春かな
海峯企鵝
ノリタケが並ぶ小春の蚤の市
野ばら
路地小春チョークの丸はけんけんぱ
高田杏
たぷたぷと客待つ舟の小春かな
百瀬はな
小春日や耳の形は父に似て
石塚彩楓
まん丸な木喰仏の笑み小春
虚実子
どこまでも道案内の小春かな
遊泉
顧客回り片手の空かぬ小春かな
西田武
小春日や定期検診待つ長蛇
高市青柘榴
会ふのが週7に変はる小春ゆく
四月一日五月
立てしことナースに告げる小春かな
丹羽寒国
窯のピザ枝で引き寄す山小春
曲がりしっぽ
小春日や激辛カレー作ろうか
岡井風紋
ゆららかに干物の列小春満つ
山河穂香
ゆるやかに小春の舟の一丁櫓
渡邉竹庵
「エリーゼのために」小春の薄き壁
染井つぐみ
猫とでも話せるやうな小春かな
なおじい
連続する小春日日本沈没
土田耕平
小春日のテニスコートにひとり待つ
藤井赤童子
土曜日も郵便ポスト見る小春
中島走吟
電卓の8みずっぽくなる小春
藤 雪陽
母の深呼吸の背中小春空
ペトロア
人待ちの小春やクラフトコーラ飲み
野口日記
石垣にもたれ弁当小春かな
中村笙平
小春かな軒に立て置く猫車
ひでやん
大福の喉ごしやさし小春風
海野碧
大名行列に職員も居て小春かな
玉響雷子
小春日や母のズボンのボタン付け
白薔薇
琥珀までバターを焦がす小春かな
いくたドロップ
ワイシヤツの野良着となりし小春かな
三水
小春空スキップためす老いふたり
さとう夢虫
小春かな学徒奉仕を語る母
小田ビオラ
遠富士の千住新橋小春風
てんちょう
土匂ふ小春日和の開墾地
長谷川ひろし
人妻を攫ひて環七の小春
藤岡美波
腹部超音波検診小春です
真崎正樹
縁側に父の不在の小春のしづか
宮間ミヤマ
小春日や雲梯の子は腕まくり
工藤悠久
ナースコール押して目を閉じる小春
森田まなみ
小春日の掃き出し窓へ回覧板
平としまる
ぼた山の町はふるさと小春かな
蜥蜴の尻尾
小吉を透かし小春は指の先
粋田化石
転職の面接終わる小春かな
田畑 整
小春日や空家査定の散歩道
福井三水低
爪切りの爪おとなしい小春かな
神谷たくみ
ゆるぎなき小春の天と大塔と
海猫
小春日や戦を終えて達磨に目
山水
車外へとつたないギター音小春
パッキンマン
小春日や引っ越すことになりました
小笹いのり
名付け辞典に付箋三枚小春風
荒木俊充
深海魚うとうとしてる小春の日
齋藤夜明鳥
小春日の廊下貼り付く絆創膏
丹波らる
はんなりと琥珀の気泡溶け小春
月見柑
交差点白杖スイッとゆく小春
クロまま
小春日の茶葉開く音を聞きゐたり
霞山旅
小春日の話相手はさくら猫
英子
ベランダに糞落としたる鳩小春
重夫
小春日の芝に雉鳩腹をつけ
木村となえーる
小春日の空を広げる庭師かな
松葉学而
犬のおっぱいだらりと長く小春かな
石崎京子
再会は映画のように気取り小春
安溶二
塀の猫落ちそうになる小春
れんげ畑
寄り添うて母の小言を聞く小春
根本葉音@花芭蕉句会
新硬貨のせる手ひかる小春かな
伊豆郁音
五段目の三脚脚立より小春
清鱒
真青なる小春や龍も馬も翔ける
しろねこ
窓際へこけし背の順小六月
真宮マミ
小春日の霞ヶ浦に帆曳船
月影の桃
卵かけご飯の美味き小春かな
はまゆう
福島の大衆食堂の小春
如月ドロップ
ストレートパーマ在宅明けの小春かな
井田みち
三角の窓ある車小春風
あさのとびら
ささむけのやはらかく反る小春かな
る・こんと
ベンツの塗装六層目の小春かな
黒田
小春日に祖国の地踏む遣唐使
大阪駿馬
釣り銭の光る硬貨や小春かな
瀬戸ティーダ
小春日や円空物を真似しをる
寺尾当卯
鉢植えに声かけ移動小春空
空流峰山
空解けや小春のマスクうちそろえ
也和
小春日の練切はほのかな黄色
秋野茜
文箱に小春を仕舞ふ日が暮れる
風花まゆみ
肩こりのふにゃりとほどけ小春かな
小川さゆみ
みちのくの小春にこそ光合成
真喜王
ひとりゐる外は小春の純喫茶
みやかわけい子
小春の日片手に花の帰り道
壱太
鳥葬は痛さう小春日のけむり
松山めゐ
月曜の小春を歩きたがる鳥
大和田美信
老画家の小春の光追ふ小筆
中 兎波
小春日や鉢植えへみづ浸みる音
雪音
小春日や巨大要塞脱出す
渥美こぶこ
片付けに一日の暮るる小春哉
喜多輝女
小春風おたんじょうびの穴子丼
うた歌妙
小春日の路地オルゴール三巡目
小豆白虎
和菓子屋のドアに小春のテープ跡
山城道霞
暴れだす洗車のホース小春かな
きべし
小春日や借金取りの顔円し
むじーじ
綿ぼこり昭和ラヂオの小春かな
てるきち
若者の多き小春の投票所
春空えぬ
舞良戸を放ち小春の能舞台
竹田むべ
小春日や離婚届に美しき文字
錆田水遊
小春日や物干し棹のシャツの穴
宮村土々
退官を決めてしみじみ小春凪
夏の町子
手鏡の空の温度や小春日和
青田奈央
ポタージュのとろみとんがる小春かな
芍薬
老軍鶏の蹴爪は細き小春かな
叶
Gパンと古着揺れるや小六月
安春
延命の父との会話小春かな
ときめき人
海底にのたり小春のネムリブカ
暖井むゆき
箸づかひほめられ今朝の小春かな
伊予吟会 心嵐
あの船に乗らば亜米利加小春凪
杏と優
小春日や傷の痛みと生きていく
木村 木霊
缶持つ手震ふ小春の産声に
石井一草
小春日をワッフル抱いているわたし
Gustav
市長来る仮設住宅は小春日
つきのひと
子供ぐつ数多小春の御寺かな
留野ばあば
人と分かれ行く黄昏も小春かな
関津祐花
不登校何となく癒え小春風
中冨木綿
小春日に全員殺す攻略本
独星
小春日の良く伸びる爪陽に透かす
清白真冬
語り了へて小春の吐息長きかな
鷹取 碧村
海の音遠くに聞きて小春かな
森爺
余念なき農家の小春日和かな
余田酒梨
病院の待合賑はふ小春かな
瞳
小春日や地肌見せたるちんどん屋
立部笑子
田部井さんのレリーフに会う小春かな
露崎一己句
寂聴の法話流れて小春かな
夢堂
小春日や睫毛やさしき盲導犬
カオス
安定期てふ花嫁よ小春日よ
佐藤儒艮
小春日のそらはうたっているみたい
稲畑とりこ
くまさんの絵本立ち読む小春かな
小澤ほのか
美女司書の薦めし本や小春空
東京子
小春凪杖はソ領を指しにけり
新右衛門
ポロシャツの看護師の肘小春かな
菊池洋勝
森のカフェ小春の溢れたるスプーン
宮武濱女
歯科多き小春の町を歩みをり
中根由起子
小春日やお尻むずがる筑波山
串田芋二郎
小春日の金管バンドきらきらす
直
子らに手を引かれ小春の観覧車
岩本夏柿
夫婦連れ多き待合室小春
もりたきみ
異人館クレパスで描く小春かな
西村小市
太陽は真珠の温度小春風
遣豪使
心拍の胸から胸に小春かな
リーガル海苔助
しあはせは小春のひかりうけし君
島田あんず
ヘッドホン掴み小春のフォービート
斗三木童
子パンダのふにゃりぐにゃりん小春風
蓮花麻耶
ハナマルのマルの間に間に小春満つ
山香ばし
半襟にまち針を打つ小春かな
ラーラ・K
同じこと何度聞いてもいいのよ小春
松井くろ
振り向けばころぶ小春のだるまさん
遠山比々き
小春なら彼女を笑はせてみろよ
岡本朧
単館映画封切りの日は小春
森山遊鳥
弟に涙を拭いてこはるかな
松村隆
ゆらめくカーテン小春の部活動
ろひさま
リハビリの窓開け放つ小春かな
ひぐちいちおう(一応)
スペースシャトル飛び立ち小春薫る
代議マン
洗面台鏡に映る小春かな
月見草
お裾分けしたくなるよな小春かな
田邉真舟
ヘリコプターの音のみぞする小春空
あなうさぎ
小春の日動物はみな目をつむる
雷
澄み渡るコーヒー香り小春かな
パツキン2号
真っ白な宝くじ買う小春かな
涅槃girl
路地裏でプリズムかざす小春かな
ゆみづき
君還る気がする今日の小春かな
山田檸檬
グリッサンドの微睡みへ小春風
石神涼汰
谷地多き北鎌倉の小春かな
茫々
小春日や介護施設の面会日
晴好 雨独
小春なる白山に姫います
加世堂魯幸
もう咲かぬオリーブ切り落とす小春
紫月歪丸
作業所のフィナンシェ完売の小春
竜胆
鬼ころし小春のでんぐり返しかな
紀友梨
杖つきて父一人来る小春かな
佐藤志祐
球ひろひの金髪ゆれて小春かな
村木年子
金継の問わず語らず小春かな
邦生
地域猫小春をたむろして会議
千波佳山
小春日や焼きそばを食ふ誕生日
昇華
小春日や脚立の上の音弾み
吉川花ほっぺ
小春日やみすゞの歳を追ひ越しぬ
渡邉桃蓮
木の股にコアラ仰向く小春かな
井納蒼求
小春日や伯母の湯灌の粛々と
青野遊飛@蚊帳のなか
小春日の老婆片眉ひょんと挙ぐ
星埜黴円
ひきこもりわづかに抜けて小春風
榊昭広
猫は◯婆◯◯として小春
釜眞手打ち蕎麦
会ふたびに痩せゆく父の小春かな
キッカワテツヤ
室外機に枕をひとつ置く小春
桃花
仁王門に阿弥陀のおはす小春かな
卑弥呼
肺の影消えて小春のひかりかな
福本巴亜人
乳母車より老犬の嗅ぐ小春
深山むらさき
短時間外出許可証や小春
山本先生
斎場の人それぞれに小春かな
一歩亭九案
小春日の学芸会はにぎわへり
ゆかりん
右足の小指タンスに打ち小春
伊予吟会 宵嵐
トランプをまじないの数切る小春
川村湖雪
妻の下着をタオルに隠し干す小春
江良 中
縄目浅き縄文土器の小春かな
田辺ふみ
分断と対立の星の小春
理酔
小春日や鼻歌高しパンを買う
楠 美翠
小春日や引退犬のいとけなし
森脩平
パンダ舎の櫓のあたりに居る小春
花結い
小春空にぎってひらいて病臥の手
藤咲大地
解体跡地にキッチンカーと小春
妹のりこ
尻尾のみ生きてる猫や小春風
高橋寅次
小春日や水漏れ痕を保険屋と
河南朴野
小春日の恋咲くメリーゴーランド
ヴィッカリー趣乃
解熱剤こぼした朝の小春かな
空木眠兎
小春日や蛙柔らかなる骸
もりさわ
ままごとにウルトラ兄弟ゐて小春
一斤染乃
ミッキーとミニー手招く小春かな
ねずみ男
嘘をつくのは喉のあたりの小六月
かん かんし
小春でも荒む口唇ROCKは死んだ
羅蒐
地下足袋の鋏鳴らして小春空
知恵さん
小春日に母の爪切る午後のこと
白井百合子
模擬店にネクタイで寄る小春かな
和泉穣
小春日や十分カットの赤ランプ
音羽凜
承和色の小春をベビーカーかたた
すずさん
防人の大の字となる野に小春
たていし 隆松
植垣の手入れ上々小春かな
余熱
小春日や喧嘩相手のいない椅子
天陽ゆう
小春日の石のベンチのつめたさよ
羅美都
小春の地われ大袈裟な斬られ役
司啓
したためた退学届ああ小春
匠屋呑男
さて今日はどの山行くか小春かな
やまだ童子
つい老人と成りて小春を乾燥す
大塚迷路
ユリカモメ帰り加茂川小春かな
みつみん
白内障手術終えたる小春かな
山口雀昭
溶けたまま固まる石鹸小六月
かつたろー。
正午五分前バスを降りれば小春
緋乃捨楽
黒猫の堂々とゆく小春かな
一走人
小春日や工場跡に不発弾
杵築きい
地球儀のほこり拭き取り小春空
あまぐり
三回目小春の蒼へ荼毘に付す
28ひろきち
庭仕事あともう一つ小春の日
ひーたん@いつき組広ブロ俳句部
すっぱりとフルーツサンド切る小春
松田てぃ
太陽の粉たるほこり降る小春
千暁
水切りの石は小春を四つ跳ね
野地垂木
小春日や微動だにせずフラミンゴ
千葉睦女
退寮し移る小春や三畳間
津軽わさお
小春猫陽水流る古いラジオ
晴鍬旅人
変はりなき朝の検温小春かな
宗本智之
海峡へ嘶き優し崎小春
津軽ちゃう
血道透くまぶた小春を蓄電す
西川由野
小春日の静かに暮るるばかりなり
風慈音
骨壺や小春日和の祖母の部屋
ダンサーU-KI
小春日の光を食みて部分蝕
国東町子
小春日や駅のベンチに五十分
弥日
小春日や先立たれたる者同志
新多
小春日にやさしき人のハンバーグ
秀田狢
肉まんの真ん中にある小春かな
阿々田幸汰
小春日や形見の紬そで通す
星影りこ
北国は小春束の間鬼を待つ
津軽まつ
小春日や唐変木でええやないか
直心
鐘の音や小春は絵手紙のなかに
たつき
キスする鳩眺む忘我の小春日や
亀亀子
小春日や婿はやさしく愚痴をきく
野の花 誉茂子
亀陸に次々上がる小春かな
文月あつみ
小春日やいつも笑顔の人と泣く
喜心
小春すら知らずB棟五号室
京あられたけむら
小春日やネットで囲碁の日曜日
誠馬ノマド
念願の下宿小春の退寮生
篠田ピンク
里親となりし小春の譲渡会
若井柳児
懐石の色とりどりに京小春
竹春エリザベス
子がすねて終わる小春のページワン
河原つばめ
小春日や洗濯と猫にいたづらと
水蜜桃
渋滞の東名追突した小春
玉野汐音
やんわりと小春の景をこわす櫂
写俳亭みの
小春日や土佐弁の母上京す
向原かは
小春日や離婚の友のノンシャラン
江藤すをん
ギターケースに小銭を投げる小春かな
とんぼ
小春まで福祉タクシーなら行ける
里山子
掃除機の音のあちこち小春かな
Mコスモ
小春日やきしむ家船碇泊中
銀 次郎
小春日や物干し台の所狭し
麦秋
こんなにもかろし小春の壷の骨
緑の手
輸送機の音や会議の窓小春
澄海まさと
シナモンの香る焼きたてパイ小春
うさぎまんじゅう
小春日よ同音の無い報恩講
賢精
気迫のストライク小春の引退
星月さやか
口ずさみ砂山つくる子の小春
かゐみすず
もう五歳蝶ネクタイの小春かな
ゆぃ
茶請けは手作り干しいも雲小春
笑酔
小春てふ疲れし畝を癒やすため
竹内一二
小春日や鏡時計と蒸しタオル
中鉢矢的
小春日の佇む影や無人駅
里甫
小春なり明日は肱川あらしなり
松山茜柑
小春日やテイクアウトのスープカレー
Q&A
つやめける真珠一粒小春かな
ひすい風香
カレーパンを二つ食つて小春
鈴木麗門
お鈴にもうっすら小春の埃かな
砂楽梨
街小春キッチンカーのカピバラめく
中田ひで
真っ黒な花種つみとる小春日
広島 しずか80
小春日や尼僧のいぶきなまめきぬ
吉谷地由子
調味料ぬるし小春のぬくぬくし
如月宗局
ヘソ下の鉄棒握る小春かな
一色 那真呼
有丈の甲羅並べて小春かな
和泉攷
小春とはエコーに揺るる吾子の顔
詠頃
面白く鳥立つ門の小春かな
青き銀椀
小春日や電気羊を耳に飼う
山口無史
遊園地はスローモーション小春風
まこちふる
杖挙げて交はす挨拶街小春
ひだ岩魚
軽石の分かつ小春と暗き海
28あずきち
小春日和伸びたカセット巻き戻す
諧 真無子
湯けむりや小春の坂に遊びをり
堀隼人
小春日やシルバーカーの立ち話
ぶうびい
警官が警官に道訊く小春
澤田 紫
病室を出る車椅子追う小春
あたしは斜楽
門前に並ぶ露天や街小春
田中ようちゃん
手をふれば手をふる園児小春かな
髙橋弓女
渋谷の朝をピンクに塗りたくて小春
人見直樹
ぬか床の調子が良くて小春日で
ピアニシモ
浚渫を四人ながむる小六月
咲元無有
山襞青く軽トラ市の小春
林たまさか
小春日や地べたに転ぶ昼休み
水無月
レイアップシュートリングに小春風
颯萬
ワイパーとタイヤ交換小春よし
千賀子
にせものの舞妓ちらほらいて小春
田場千種
小春の缶詰五百円に値切る
宇田建
小春空赴任の街に別れ告げ
いつか
留年なんて気が気じゃないわ小春風
村上右佐
お一日鬼門に塩の小春かな
小島神泉
地下道を抜け出しハチ公小春かな
叶田屋
爪を切る音ととのつて小春かな
えむさい
抱くのに丁度よき幹小春かな
かえるしろ
入江には小舟舫へる小六月
君島笑夢
小春のあくび旗でごまかす警備員
羽衣
茶の席の日差しあまねき小春かな
さゐあけみ
小春日や猫の隙間に身を置いて
乙華散
小春来て獣薄目で眠りおり
楽花生
手伝いの子に大きな軍手小春空
今治八十八
小春日や人形供養する御堂
金太郎
抱瓶の紐柔らかな小春かな
木染湧水
家業でも継ぐか小春のサンルーム
碧西里
外国の艦海峡を過ぎ小春
HNKAGA
受付のロボットわらふ小春かな
時まる
太陽に軍配昇る小春かな
平坂謙次
しぼみゆく心ぞう小春を進まん
仁山かえる
点滴のきらきら小春流れ込む
かのたま
面会は解禁小春の日なたに座す
のつり
小春日や屋根屋の親父落ちてきた
谷口詠美
夫婦岩めぐる幾艘小六月
津島野イリス
ロンバクの練習によき小春かな
丸山隆子
山門を過ぎてすり寄る鳩小春
田村利平
鶏の暇なく歩き小春かな
杉尾芭蕉
タッチ入力できず小春の空乾く
はなだんな
元彼と出くわす小春日のイオン
夏野あゆね
ボルト膝今日の小春を歩き切る
アリギリス
婚礼のふたり撮るひと街小春
まどん
小春日や母とのLINE「んだ」連呼
越智いと
ビー玉にひかり集まる小春かな
雪井苑生
死を恐れるなと檄小春日の空
花実人生
誰もみな良い人だつたころ小春
武井かま猫
小春日の夜はオスカーピーターソン
ただ地蔵
逃げ込んだここ小春日の島時間
ふくじん
手術済みて六人部屋へ小春の日
みつれしづく
撫で牛のこわばり解れつつ小春
火炎幸彦
小春とはいへど人の字三つ呑む
野良古
夫忘れ夫押す車小春かな
しんしん
いつもよりチラシも多く小春かな
畠山 悊央
小春とは焼きそばパンや鐘が鳴る
清水 三雲
Wi-Fiの遠く飛びゆく小春かな
洒落神戸
郵便屋さん犬撫でていく小春かな
古都 鈴
墓石の汚れ始める小春かな
林山小春
園庭のパンダに跨って小春日
林りんりん。
逝くならば小春の昼が良いと友
宗平 圭司
小春日や馬の背に乗る猫二匹
石神湖畔
おひとり様集ふ小春のバスツアー
紺乃ひつじ
所狭しと布団が並ぶ小春空
橋本彩雅
直しまた直し小春の月曜日
丹下京子
日和下駄カロンカロンと小春かな
明神おぼろ月
小春日や葦の根元を波あそぶ
市橋正俊
つぎの犬飼わぬと誓う小春かな
梓弓
連絡帳抱く小春日のららら
青野彼路
踏石に庭履きハの字なる小春
山内彩月
小春日や畳に伸びる椅子の脚
桃香
幾度も絵本なぞる手小春かな
宮川武久
百獣に小春やはらか檻太し
松本裕子
ウインクの小春日弾き改札へ
TAKO焼子
淋しさの崩れしうしろ小春空
魚返みりん
小春日やぶら下がりたる腕時計
遊羽女
晩年や独りの米を研ぐ小春
三泊みなと
偏差値の低いサドル並ぶ小春
竜田側
教科書の落書き動き出す小春
ひなた和佳
小春日の畏妻の小さき靴下よ
石田将仁
チョーカーの絡まりほどく小春かな
萩野つき
右腕の副反応や世は小春
カワウソ三号
マリア像の腕も白き小春かな
ひともじ
推し色のパーカーさざめきて小春
紫鋼
秋田犬ひきとる夫の小春かな
新開ちえ
小春日や拇印に託す遺言書
濃イ薄イ
山川の素つ惚けをる小春かな
黒麹 糀
小春の階調フィルム写真めき
森野しじま
子を持てぬくらしもありて小春かな
okapi
蜜蝋の如き小春に何もなく
秋熊
小春日や文庫サイズの季寄せ手に
土佐藩俳句百姓豊哲
小春日やDIYのペンキあと
一井蝸牛
小春余る駝鳥の眼より小さき脳
立石神流
手作りのスープいとしき小春かな
大野美波
小春日や坂田は三組島は二年
壬生谷
象の背のうぶ毛チクチク小春かな
長良くわと
橅山を統ぶる白神小春風
野々原ラピ
夢殿の厨子開きたる小春かな
おかか丸
ケチャツプをすぷと空撃ち小春かな
しゃれこうべの妻
お弁当裏に二粒の小春
苔芝
小春の発熱外来ファン響く
糺ノ森柊
軽石の渚に寄せる小春かな
空魚
小春日や口笛響く講義室
庄野 酢飯
エアコンを逃れ小春の外読書
野井みこ
アルプスが全部小春の高ボッチ
あみま
のり弁へ小春の箸を差し込みぬ
北野きのこ
甘納豆めく石畳ふわり小春
せり坊
作業着の白髪と鈴の小春かな
お天気娘
謝礼金全て募金し小春風
ヤマコー
いつもこの坂を登りて着く小春
背馬
なるべく地味なパジャマ包む日小春空
冬水 常
ファンデーション乗せ来る指の止まぬ小春
遠音
三和土に物の怪姫の陰小春
元喜@木の芽
どこからかTakefiveの小春かな
伊藤佃
ゼツケンに完歩と記しいざ小春
てまり
小春日や極彩色の曼荼羅図
枯木 花
胎動にゆたり手あての小春かな
くろけん
小春空大工足場でひと眠り
まつといのいち
人群れるゴリラの欠伸小春かな
有田みかん
小春日やハンドタオルを遣い物
美対かず
綴じ糸も紅き小春のお座布団
わかば萌
帆影静かヨットハーバーの小春
福岡参山
雄弁な葉書の余白小春風
ちりちり芥
小春かな歩き通して峠越ゆ
よかわもりお
小春日や再々婚の友来る
一石渓流
お百度参り満願の日の小春かな
峰 乱里
寝入るまで小春のにほひそばにをり
慢鱚
大空にきずひとつなき小春かな
ふじこ
小春凪人はしあはせでもさびし
藤田康子
遠近に年寄りのゐて小春かな
永想
開業を伝う小春の回覧板
芝野麦茶
小春日のカケラのようなマドレーヌ
花咲明日香
君がゐてみぞおち熱くする小春
清水明美
ぬいぐるみほつれて小春日の淫ら
瓦すずめ
小春日や土手3キロの2往復
たこぼうず
街道を下る小春の道しるべ
鶴屋桃福
小春手に入れて老体ふと溶ける
そまり
予報士のこぞりて小春とのたまへり
和鹿島荒巻
小春日の遠く近くの友が来る
門屋定規
羊水の胎児二度寝の小春かな
風の鳥
よく撮れた写真ばかりを見て小春
神山やすこ
小春日や樹の根の絡む山の道
いたまきし
二礼四拍手一礼なほり小春
春蘭素心
三代の木馬をゆらす小春かな
かぬまっこ@木ノ芽
裏口にギャルソンの紫煙小春空
ほしのあお
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!
投句はこちら