俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2021年10月20日週の兼題

小春

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 小春日や古アパートの海鼠文字

    笹間明明

  • 黒服の屯してをり小六月

    葛城蓮士

  • 六冊目の筆談ノート小春の日

    葉村直

  • 旧友の猫背治つてゐて小春

    田面類

  • イヤフォンにブギー流るる小春かな

    戌亥

  • 小春日や女工哀史の赤レンガ

    なかの花梨

  • 小春日やどろぼう市のほつれゐて

    すがりとおる

  • こはるこはると私はここにある

    へらみし

  • 海小春三陸を行くディーゼル車

    ちびつぶぶどう

  • 小春日や戦隊ショーの展示場

    美馬ひとみ

  • 小春追うフローリングに老いた猫

    暇禍

  • おくるみはクリーム色や小春の子

    ひなたか小春

  • 飼い猫の抜け毛もあもあ飛ぶ小春

    奈良の真

  • 小春小春ぐーちょきぱーの小さき指

    河村静葩

  • リハビリや杖の畦道小春風

    東 湘輝

  • 吾子よぷちぷちと何をつぶしてゐる小春

    枯丸

  • 小春日や重い瞼はスクワット

    花純広場

  • 入院の小春の窓や夫婦鳩

    野狸彦

  • 引っ越しに助っ人ふたり小春かな

    蘂六

  • 窓外の主翼小春の日に白し

    梨西瓜

  • 小春日の定年退社空ぬける

    細木さちこ

  • 散骨の遺灰揺蕩う小春凪

    黒澤墨青

  • 並木道水も光も小春かな

    中野風鈴

  • ピカソの名長々として小春かな

    狩谷わぐう

  • 小春日のスカイツリーの根に凭れ

    村上優貴

  • 百年を長けて矢竹の小春かな

    葵新吾

  • 教科書の隅に小春を見つけたり

    入口弘徳

  • 封じ込めたはずの微塵子小春かな

    幸久

  • 小春日に何をそないに急がはる

    山くじら

  • 図書館のカード更新して小春

    花伝

  • 小春凪短気が釣れる太公望

    蓮風

  • ギャロップの烏小春のバス通り

    山羊座の千賀子

  • フランスの影に小春の揺るる芯

    鈴野蒼爽

  • 行先は小春任せやバスに乗る

    日々拓人

  • 小春日や砂のケーキに葉をまぶし

    稲畑とりまる

  • チャリの爺さんみぎひだりなく小春

    ぉ村椅子(志村肇)

  • 小春日や艫綱たるむ遊漁船

    香壺

  • 宿帳の偽名凜凜しき小春凪

    長谷機械児

  • いかり肩ゆるむ小春や人の波

  • アルバムに女装の父や小春風

    オキザリス

  • 片言で値切る小春の蚤の市

    夏草はむ

  • あっかんべ何処まで続く小春かな

    佐藤きりん

  • 黒艶の野太きしっぽ猫小春

    じょいふるとしちゃん

  • 音楽葬の欠片染む小春風

    黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部

  • ①か④小春のマークシート

    オルフ

  • 戒名に俗名一文字小春かな

    谷町百合乃 

  • 深き影抜けて小春のカーブへと

    葉るみ

  • パッキンと飛ぶ爪追うて小春かな

    笠井あさり

  • このごろ持久走ばかり…また小春

    打楽器

  • 節くれの指を撫でたる小春かな

    如月 さら

  • 犬の毛のほぐれて小春日和かな

    はんばぁぐ

  • 小春日や下肢にあまみの外気浴

    二十八

  • 小春降る三尺四方の猫だんご

    小西天

  • 子の絶えし家をゆるりと小春凪

    荻原き乃

  • 車椅子の母と小春の動物園

    小倉あんこ

  • やせ猫の板塀のぼる小春かな

    蒼鳩 薫

  • 町初見小春一日乗車券

    柚和

  • 小春日やぼろGパンの似合ふ彼

    淡海かこ

  • おしりふき百枚撒かれたる小春

    みおつくし

  • 花形のランプシェードを拭く小春

    小鳥ひすい

  • 助手席の無口なきみと小春かな

    ヒマラヤで平謝り

  • 卒塔婆も土へと還りゆく小春

    栗の坊楚材

  • 句集並ぶフリマの茣蓙へ小春風

    山川腎茶

  • 小春日や手には馴染まぬ新硬貨

    白プロキオン

  • 何にでもなれる気のする小春かな

    山田蹴人

  • ぐぅぐっぱぁ小春の足の指体操

    野瀬藻石子

  • 母と娘の修羅の喧嘩や小春凪

    衷子

  • 説法を心に寂聴逝く小春

    きょんちゃん

  • 女坂ゆつくり登る小春かな

    円 美々

  • 畝一本立てたよと白寿の小春

    たろはしろ

  • 劇場の最寄りの駅を出て小春

    広木登一

  • 小三治のまくら聴きたい小春かな

    藤鷹圓哉

  • 遠き日の写真小春を文机に

    はれまふよう

  • 朽ちかけた母屋ゆがみて小春満つ

    ぼたんぴ

  • 冷凍のコロッケ揚げて割る小春

    博さん

  • マウントをカウント分別の小春

    森翠

  • 同じ日のあった気がする小春かな

    犬山裕之

  • 小春日やキリン歩めば首もゆく

    木塚夏水

  • 小春風ぶっとばしたるダンプカー

    どいつ薔芭 

  • 靴下の穴を繕う小春かな

    縁穐律

  • 小春やや能面のほお緩ませる

    地球人

  • ソファーの妻栗色に寝る小春かな

    北藤詩旦

  • 小春日や赤ワインにも聖書にも

    岡山小鞠

  • 小春日や天平美女の頬ゆたか

    いしはまらんる

  • 小春日の百のオペラを聴いてなほ

    真子井こはく

  • 渡り切る羊待つバス島小春

    関とし江

  • 一片の残骨集め墓小春

    ココかざはな

  • ランドセルのやつぱり重き小春かな

    宮崎まご助

  • アフガンの一隅照らす小春かな

    松高網代

  • 羽根ギョーザ辣油を花として小春

    白鳥古丹

  • ちくおんき温ワインまわる小春かな

    蕗野弥音

  • 舗装なき巡礼の道小春風

    さくやこのはな

  • 小春日や箸が一組増す水屋

    長楽健司

  • はあいと妻の空返事小春かな

    高山佳風

  • 逝きし部屋かたされて今日小春来る

    haruwo

  • 小春凪ホットサンドのキッチンカー

    ふもふも

  • お礼肥撒きて一服小春かな

    さぶり

  • 三回忌小春の海へ子を送る

    鶴岡木の葉

  • 小春波光大事に乗せてくる

    いなほせどり

  • 小春とは金平糖のあはき色

    伊奈川富真乃

  • 気散じな小春のなかにまどろみぬ

    林真紗湖

  • ローカル線小春乗り込む始発駅

    菊池克己

  • 地球が窓辺ニ畳になる小春

    宏峰

  • 板一枚くつくつと彫りわが小春

    朱契

  • 誘われるままに旅立つ小春かな

    GONZA

  • 小春日の鳩に放るやポップコーン

    なしむらなし

  • 小春日や川面を走る鯉の泡

    一純。

  • インクラインの小石をはじき行く小春

    愛燦燦

  • おばさんの待って居そうな小春かな

    森 佳月

  • トースター新居に贈る日小春たれ

    榊裕江子

  • 小春日や大小交じるドッグラン

    もふ美

  • 小春日や雀も猫も犬の椀

    越前岬

  • つかの間の小春の海や東尋坊

    一茶お

  • 子守唄うたう聖母よ小春空

    はっしー

  • 育毛に萌すうぶ毛や小春風

    醒子

  • 小春日のおかっぱ跳ねるケンケンパ

    平野水麦

  • 雲ふたつ犬の尾に揺る小春かな

    久蔵久蔵

  • つやつやの免許を仕舞ふ小春かな

    庄司直也

  • 小春日や外に椅子出すカフェテラス

    塩野谷慎吾

  • 喧嘩した校庭の隅小春来る

    快晴ノセカイ

  • 小春日や素足の半跏思惟像

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • 小春日や吾子と語りし詩のありて

    播磨陽子

  • 爪を磨ぐ猫は小春をあばれをり

    ノアノア

  • 屋根上のアンテナ撤去小春かな

    石岡女依

  • バスタオル優しく乾く小春かな

    安井コスモス

  • 一人住む姪に小春の古着市

    靫草子

  • 火葬場の空の眩しき小春かな

    登盛満

  • 二次予選突破通知や小春かな

    at花結い

  • 小春日に代われるならば子の悪阻

    ゆすらご

  • 貰い物の物また貰う小春かな

    みやま千樹

  • 怨憎会なくて小春の日和かな

    小林拓路

  • 小春日や小銭わずかな小銭入れ

    森一平

  • 小春日や生命線が少し伸ぶ

    蓼蟲

  • 小春にはあまたの御手があるらしき

    吉川拓真

  • 音のなきあくび連なる小春かな

    嶋田奈緒

  • 理由などなくてなんだかふふっ小春

    このみ杏仁

  • 小春日や遺言そこにあったとは

    升 丁茶

  • 戒名に諧調とあり小春空

    越智空子

  • 小春日やガラムマサラを小匙半

    不二自然

  • 因数分解閃きたる小春

    清水縞午

  • ナース来て小春の窓を開けにけり

    木村ひむか

  • 母帰宅しっくい壁に小春かな

    まー坊

  • 小春日や国宝展の日本刀

    きのと

  • 友達を裏切った日も小春日だった

    閑々鶏

  • 玻璃戸拭く小春の雲に触れもして

    紀和やよい

  • 小春ゆく偏西風の東好き

    山内 負乗

  • 小春日や「あ」の字をぎゅっと母の背へ

    主藤充子

  • 皴の手を翳す青空小春影

  • 五橋ごといこふ小春のランニング

    明惟久里

  • 風という風に名前のあり小春

    灰色狼

  • 小春日や銀座のパフェのてんこ盛り

    朶美子(えみこ)

  • ホーム入る母の名刺繍する小春

    林 和寿

  • 新品のプリンタうごきだす小春

    ちかひか

  • 表札の少し寂れて小春の日

    ま猿

  • 小春日や長い廊下の祖母の家

    りんごのほっぺ

  • 検診の待合室の小春かな

    聞岳

  • 弟をせたろうて待つ小春かな

    柿司

  • くるくると包帯ほどく小春かな

    香栄

  • 小春日や羽を伸ばしてゐる孔雀

    宥光

  • 小春日や延命否と書き記す

    らくさい

  • 放牧の尻尻尻へ小春風

    始の子

  • 小春日のショパンひかりの粒となる

    幸田柝の音 

  • こんな日を小春日和というんだね

    あつちやん

  • すべり台大小ありて小春かな

    弘友於泥

  • 寿のトラック小春日和なり

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 小春日や母の故郷小さき島

    よぶこどり

  • 猫よけのペットボトルの水小春

    ヤヒロ

  • 円卓のよもやま話為る小春

    上津 力

  • 一つ一つ遺品の重さ知る小春

    田端 欲句歩

  • 背を丸め小春の駅のマスコット

    ぎんやんま

  • 杉の空寺の磴行く小春かな

    佐藤のぶ子

  • 灯台の集める鳥や小春凪

    亜桜みかり

  • 小春って一両列車の行くがごと

    ときわ露草

  • 擦り切れたデニムの膝に風、小春

    こいぬ

  • チョコ味のシェイクを二杯小春かな

    なつめモコ

  • またひとつ石を小春のロンパース

    日向こるり

  • 二人して遊び着買ひし小春かな

    俳菜ひろこ

  • あんぱんは艶めき小春日の銀座

    果禄

  • 木漏れ日に柔軟剤の小春かな

    山井直

  • 養生がとれてベランダ小春風

    るびちゅ

  • 小春日や砥石の水のやはらかし

    泰山

  • 小春日をストライダーの駆け抜けり

    素空

  • 肩先のワクチン疼く小春かな

    酔下弦

  • 採点の甘くなりゆく小春かな

    アロイジオ

  • 遊山箱さげて小春の奥津城へ

    上村 風知草

  • 監視カメラの死角だけ小春風

    ふわり子

  • 小春来て駅のピアノは「子犬のワルツ」

    藤井舞月

  • わがあだ名を呼ぶAIや小春空

    加良太知

  • 見下ろせば通天閣や小春の日

    まりい@木ノ芽

  • 夕刊のトップニュースが小春の日

    亀田荒太

  • 消毒の手に心地よき小春かな

    高岡春雪

  • バリカンの静かに動く小春かな

    千の葉

  • ポケットのチョコ染み匂う小春なり

    清水千種

  • 丘の上に開ける町や小春凪

    青柿

  • 膝に置く淡路バーガー小春凪

    石井瑩

  • 小春日の風が触れても痛む痕

    桂葉子

  • 一畳を猫と分け合ふ小春かな

    堀雅一

  • 小春日やおむつ外せばはしゃぐ脚

    夢見昼顔

  • 今バスが小春へ突入したところ

    高野きぬ

  • 小春よし祖父命名の名を生きて

    瀬央ありさ

  • ドからソへのぼりゆく屁やけふ小春

    すずしろゆき

  • 蟻はもう見えない所まで小春

    正岡丹ん

  • 猫のまね少ししてみる小春かな

    しゅういずみ

  • 小春日のごっつごっつの手に光芒

    花紋

  • もう会えぬ友よ小春の道の果て

    海瀬安紀子

  • 寂しさの句点に小春置かれをり

    村瀬っち

  • スウィングジャズ古りし畳の小春かな

    伊藤順女

  • 皿を割って割れたねと言う小春かな

    曽我真理子

  • 小春日の吾子の技なる大車輪

    上津嘉子 

  • 小春凪離婚届と釣竿と

    柳浦総師

  • 引き抜けば黒土われて小春の香

    中島 真珠

  • ロザリオの珠へ涙の沁む小春

    晴田そわか

  • 万年筆黒じゃない色好く小春

    むらのたんぽぽ

  • チャンネルを合はせ小春のクラップクラップ

    梵庸子

  • 面会は駐車場なり小春かな

    露口全速

  • 退職の子の荷の届く小春かな

    陽光

  • 小春空円く支える観覧車

  • ベランピングの器具は真っさら小春かな

    沙那夏

  • 療病の犬抱く散歩小春かな

    比良山

  • 開演を待つ教え子の目に小春

    藤白月

  • 向こう岸まで来てをりし小春かな

    たむらせつこ

  • 新しく中古の本を買う小春

    鈴木裕公仁

  • 小春日をクシコスポスト響もせり

    羊似妃

  • アンパンマン号通過小春の無人駅

    苺井千恵

  • 灯油缶運べし母の小春かな

    福田みやき

  • 手土産に小春をつれて訪ねけり

    睦月くらげ

  • 小春日の入浴母の背薄し

    風蘭智子

  • 小春日や干し殻叩く過疎の婆

    下村ひじり

  • 炭鉱の三軒長屋小六月

    由づる

  • じぐざぐに跳ね回る栗鼠小春かな

    遥風

  • オルゴール左手が愛でる小春かな

    Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部

  • えくぼの児と小石を投げる沼小春

    絵十

  • 世田谷の窓開け放つ小春哉

    朝月沙都子

  • 納骨のビィオロン空へ小春かな

    台湾もっか

  • 小春日や肩を揉む手に力なし

    細川小春

  • 子の背を掻けば背骨のある小春

    青海也緒

  • 小春日やようなきひとのまねをして

    新城典午

  • 錆び深き門扉の空き家をも小春

    山中陽子

  • 目脂とろとろと小春を老いる犬

    高橋無垢

  • 小春日や鳩のうなじのよう光り

    瀬尾白果

  • 小春日をたのしんでいる遊具たち

    岩木順

  • 小春日やアルデンテまでもう二分

    四丁目

  • かげろふといふ菓子届く小春かな

    あまぶー

  • 全麻オペ受ける背中へ小春の陽

    向日葵@いつき組広ブロ俳句部

  • 車椅子列ねシルバー園の路小春

    下田せっちやん

  • 懐に溜めておきたし小春かな

    虎穴虎児

  • 花の名を祖母に教はる小春かな

    大谷如水

  • 波寄せて赤き鳥居や島小春

    さいたま水夢

  • 屋上遊園地小春日の五分待ち

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 上司みな出張中で小春なり

    笑松

  • 戒名に雲の文字あり小春かな

    大熊猫@四句八句

  • 「open」のひとつ看板小春かな

    さとう菓子

  • 小春日やただいま留守にしております

    かんこ鳥

  • 小春日や光に君を呼ぶ祈り

    蒼來応來

  • 小春の水屋食器を広く並べ置く

    みのる

  • 小春日やをとこの靴の大きこと

    杏是りゐ菜

  • 腹白き鳥あまた往く小春空

    紅小雀

  • 古着屋のSale賑わう小春かな

    小山晃

  • 路地小春チョークの丸はけんけんぱ

    高田杏

  • ノリタケが並ぶ小春の蚤の市

    野ばら

  • たぷたぷと客待つ舟の小春かな

    百瀬はな

  • マンホールの蓋黒光る小春かな

    海峯企鵝

  • 遮光器土偶目に縄文の小春かな

    吟  梵

  • 会ふのが週7に変はる小春ゆく

    四月一日五月

  • 小春日や耳の形は父に似て

    石塚彩楓

  • 顧客回り片手の空かぬ小春かな

    西田武

  • どこまでも道案内の小春かな

    遊泉

  • 立てしことナースに告げる小春かな

    丹羽寒国

  • 小春日や激辛カレー作ろうか

    岡井風紋

  • 小春日や定期検診待つ長蛇

    高市青柘榴

  • まん丸な木喰仏の笑み小春

    虚実子

  • 母の深呼吸の背中小春空

    ペトロア

  • 窯のピザ枝で引き寄す山小春

    曲がりしっぽ

  • 猫とでも話せるやうな小春かな

    なおじい

  • 「エリーゼのために」小春の薄き壁

    染井つぐみ

  • 土曜日も郵便ポスト見る小春

    中島走吟

  • ゆららかに干物の列小春満つ

    山河穂香

  • ゆるやかに小春の舟の一丁櫓

    渡邉竹庵

  • 連続する小春日日本沈没

    土田耕平

  • 電卓の8みずっぽくなる小春

    藤 雪陽

  • 小春かな軒に立て置く猫車

    ひでやん

  • 人待ちの小春やクラフトコーラ飲み

    野口日記

  • 小春日のテニスコートにひとり待つ

    藤井赤童子

  • 石垣にもたれ弁当小春かな

    中村笙平

  • 大福の喉ごしやさし小春風

    海野碧

  • 大名行列に職員も居て小春かな

    玉響雷子

  • 小春日や母のズボンのボタン付け

    白薔薇

  • ワイシヤツの野良着となりし小春かな

    三水

  • 琥珀までバターを焦がす小春かな

    いくたドロップ

  • 小春空スキップためす老いふたり

    さとう夢虫

  • 土匂ふ小春日和の開墾地

    長谷川ひろし

  • 人妻を攫ひて環七の小春

    藤岡美波

  • 小春かな学徒奉仕を語る母

    小田ビオラ

  • 腹部超音波検診小春です

    真崎正樹

  • 小春日の掃き出し窓へ回覧板

    平としまる

  • 遠富士の千住新橋小春風

    てんちょう

  • 小春日や雲梯の子は腕まくり

    工藤悠久

  • 縁側に父の不在の小春のしづか

    宮間ミヤマ

  • ナースコール押して目を閉じる小春

    森田まなみ

  • 小吉を透かし小春は指の先

    粋田化石

  • 小春日や空家査定の散歩道

    福井三水低

  • ぼた山の町はふるさと小春かな

    蜥蜴の尻尾

  • 爪切りの爪おとなしい小春かな

    神谷たくみ

  • ゆるぎなき小春の天と大塔と

    海猫

  • 転職の面接終わる小春かな

    田畑 整

  • 車外へとつたないギター音小春

    パッキンマン

  • 名付け辞典に付箋三枚小春風

    荒木俊充

  • 小春日や引っ越すことになりました

    小笹いのり

  • はんなりと琥珀の気泡溶け小春

    月見柑

  • 小春日の茶葉開く音を聞きゐたり

    霞山旅

  • 交差点白杖スイッとゆく小春

    クロまま

  • 小春日や戦を終えて達磨に目

    山水

  • 小春日の話相手はさくら猫

    英子

  • ベランダに糞落としたる鳩小春

    重夫

  • 小春日の芝に雉鳩腹をつけ

    木村となえーる

  • 深海魚うとうとしてる小春の日

    齋藤夜明鳥

  • 小春日の廊下貼り付く絆創膏

    丹波らる

  • 小春日の空を広げる庭師かな

    松葉学而

  • 寄り添うて母の小言を聞く小春

    根本葉音@花芭蕉句会

  • 塀の猫落ちそうになる小春

    れんげ畑

  • 五段目の三脚脚立より小春

    清鱒

  • 新硬貨のせる手ひかる小春かな

    伊豆郁音

  • 再会は映画のように気取り小春

    安溶二

  • 犬のおっぱいだらりと長く小春かな

    石崎京子

  • 小春日の霞ヶ浦に帆曳船

    月影の桃

  • 窓際へこけし背の順小六月

    真宮マミ

  • 小春日に祖国の地踏む遣唐使

    大阪駿馬

  • 真青なる小春や龍も馬も翔ける

    しろねこ

  • 卵かけご飯の美味き小春かな

    はまゆう

  • ささむけのやはらかく反る小春かな

    る・こんと

  • ストレートパーマ在宅明けの小春かな

    井田みち

  • 福島の大衆食堂の小春

    如月ドロップ

  • 三角の窓ある車小春風

    あさのとびら

  • 釣り銭の光る硬貨や小春かな

    瀬戸ティーダ

  • 小春日の練切はほのかな黄色

    秋野茜

  • ベンツの塗装六層目の小春かな

    黒田

  • 小春日や円空物を真似しをる

    寺尾当卯

  • 空解けや小春のマスクうちそろえ

    也和

  • ひとりゐる外は小春の純喫茶

    みやかわけい子

  • 文箱に小春を仕舞ふ日が暮れる

    風花まゆみ

  • 鉢植えに声かけ移動小春空

    空流峰山

  • 肩こりのふにゃりとほどけ小春かな

    小川さゆみ

  • みちのくの小春にこそ光合成

    真喜王

  • 小春の日片手に花の帰り道

    壱太

  • 老画家の小春の光追ふ小筆

    中 兎波

  • 鳥葬は痛さう小春日のけむり

    松山めゐ

  • 片付けに一日の暮るる小春哉

    喜多輝女

  • 月曜の小春を歩きたがる鳥

    大和田美信

  • 小春日や鉢植えへみづ浸みる音

    雪音

  • 小春日や巨大要塞脱出す

    渥美こぶこ

  • 小春風おたんじょうびの穴子丼

    うた歌妙

  • 小春日の路地オルゴール三巡目

    小豆白虎

  • 舞良戸を放ち小春の能舞台

    竹田むべ

  • 小春日や借金取りの顔円し

    むじーじ

  • 綿ぼこり昭和ラヂオの小春かな

    てるきち

  • 暴れだす洗車のホース小春かな

    きべし

  • 和菓子屋のドアに小春のテープ跡

    山城道霞

  • 若者の多き小春の投票所

    春空えぬ

  • 小春日や離婚届に美しき文字

    錆田水遊

  • 小春日や物干し棹のシャツの穴

    宮村土々

  • 退官を決めてしみじみ小春凪

    夏の町子

  • 老軍鶏の蹴爪は細き小春かな

  • 小春日や傷の痛みと生きていく

    木村 木霊

  • ポタージュのとろみとんがる小春かな

    芍薬

  • 手鏡の空の温度や小春日和

    青田奈央

  • 海底にのたり小春のネムリブカ

    暖井むゆき

  • Gパンと古着揺れるや小六月

    安春

  • 箸づかひほめられ今朝の小春かな

    伊予吟会 心嵐

  • 延命の父との会話小春かな

    ときめき人

  • 缶持つ手震ふ小春の産声に

    石井一草

  • 市長来る仮設住宅は小春日

    つきのひと

  • あの船に乗らば亜米利加小春凪

    杏と優

  • 人と分かれ行く黄昏も小春かな

    関津祐花

  • 子供ぐつ数多小春の御寺かな

    留野ばあば

  • 小春日の良く伸びる爪陽に透かす

    清白真冬

  • 不登校何となく癒え小春風

    中冨木綿

  • 語り了へて小春の吐息長きかな

    鷹取 碧村

  • 小春日をワッフル抱いているわたし

    Gustav

  • 小春日に全員殺す攻略本

    独星

  • 田部井さんのレリーフに会う小春かな

    露崎一己句

  • 余念なき農家の小春日和かな

    余田酒梨

  • 寂聴の法話流れて小春かな

    夢堂

  • 海の音遠くに聞きて小春かな

    森爺

  • 病院の待合賑はふ小春かな

  • 小春日や睫毛やさしき盲導犬

    カオス

  • 小春日や地肌見せたるちんどん屋

    立部笑子

  • 安定期てふ花嫁よ小春日よ

    佐藤儒艮

  • くまさんの絵本立ち読む小春かな

    小澤ほのか

  • 小春日のそらはうたっているみたい

    稲畑とりこ

  • 美女司書の薦めし本や小春空

    東京子

  • 歯科多き小春の町を歩みをり

    中根由起子

  • 小春凪杖はソ領を指しにけり

    新右衛門

  • ポロシャツの看護師の肘小春かな

    菊池洋勝

  • 夫婦連れ多き待合室小春

    もりたきみ

  • 森のカフェ小春の溢れたるスプーン

    宮武濱女

  • 小春日の金管バンドきらきらす

  • 心拍の胸から胸に小春かな

    リーガル海苔助

  • 小春日やお尻むずがる筑波山

    串田芋二郎

  • 異人館クレパスで描く小春かな

    西村小市

  • 太陽は真珠の温度小春風

    遣豪使

  • 子らに手を引かれ小春の観覧車

    岩本夏柿

  • しあはせは小春のひかりうけし君

    島田あんず

  • ヘッドホン掴み小春のフォービート

    斗三木童

  • ハナマルのマルの間に間に小春満つ

    山香ばし

  • 同じこと何度聞いてもいいのよ小春

    松井くろ

  • 振り向けばころぶ小春のだるまさん

    遠山比々き

  • 子パンダのふにゃりぐにゃりん小春風

    蓮花麻耶

  • 半襟にまち針を打つ小春かな

    ラーラ・K

  • 小春なら彼女を笑はせてみろよ

    岡本朧

  • 単館映画封切りの日は小春

    森山遊鳥

  • 弟に涙を拭いてこはるかな

    松村隆

  • リハビリの窓開け放つ小春かな

    ひぐちいちおう(一応)

  • ゆらめくカーテン小春の部活動

    ろひさま

  • 小春の日動物はみな目をつむる

  • 洗面台鏡に映る小春かな

    月見草

  • ヘリコプターの音のみぞする小春空

    あなうさぎ

  • スペースシャトル飛び立ち小春薫る

    代議マン

  • 真っ白な宝くじ買う小春かな

    涅槃girl

  • 澄み渡るコーヒー香り小春かな

    パツキン2号

  • 谷地多き北鎌倉の小春かな

    茫々

  • グリッサンドの微睡みへ小春風

    石神涼汰

  • お裾分けしたくなるよな小春かな

    田邉真舟

  • 君還る気がする今日の小春かな

    山田檸檬

  • 路地裏でプリズムかざす小春かな

    ゆみづき

  • 作業所のフィナンシェ完売の小春

    竜胆

  • 小春なる白山に姫います

    加世堂魯幸

  • 小春日や介護施設の面会日

    晴好 雨独

  • もう咲かぬオリーブ切り落とす小春

    紫月歪丸

  • 地域猫小春をたむろして会議

    千波佳山

  • 杖つきて父一人来る小春かな

    佐藤志祐

  • 金継の問わず語らず小春かな

    邦生

  • 球ひろひの金髪ゆれて小春かな

    村木年子

  • 鬼ころし小春のでんぐり返しかな

    紀友梨

  • 小春日や脚立の上の音弾み

    吉川花ほっぺ

  • 小春日や伯母の湯灌の粛々と

    青野遊飛@蚊帳のなか

  • 小春日やみすゞの歳を追ひ越しぬ

    渡邉桃蓮

  • 小春日や焼きそばを食ふ誕生日

    昇華

  • 木の股にコアラ仰向く小春かな

    井納蒼求

  • 小春日の老婆片眉ひょんと挙ぐ

    星埜黴円

  • 猫は◯婆◯◯として小春

    釜眞手打ち蕎麦

  • ひきこもりわづかに抜けて小春風

    榊昭広

  • 会ふたびに痩せゆく父の小春かな

    キッカワテツヤ

  • 室外機に枕をひとつ置く小春

    桃花

  • 肺の影消えて小春のひかりかな

    福本巴亜人

  • 乳母車より老犬の嗅ぐ小春

    深山むらさき

  • 仁王門に阿弥陀のおはす小春かな

    卑弥呼

  • 短時間外出許可証や小春

    山本先生

  • 妻の下着をタオルに隠し干す小春

    江良 中

  • 小春日の学芸会はにぎわへり

    ゆかりん

  • トランプをまじないの数切る小春

    川村湖雪

  • 斎場の人それぞれに小春かな

    一歩亭九案

  • 右足の小指タンスに打ち小春

    伊予吟会 宵嵐

  • 縄目浅き縄文土器の小春かな

    田辺ふみ

  • 分断と対立の星の小春

    理酔

  • 小春日や鼻歌高しパンを買う

    楠 美翠

  • 小春日や引退犬のいとけなし

    森脩平

  • パンダ舎の櫓のあたりに居る小春

    花結い

  • 小春空にぎってひらいて病臥の手

    藤咲大地

  • 解体跡地にキッチンカーと小春

    妹のりこ

  • 尻尾のみ生きてる猫や小春風

    高橋寅次

  • 小春日の恋咲くメリーゴーランド

    ヴィッカリー趣乃

  • 解熱剤こぼした朝の小春かな

    空木眠兎

  • 小春日や蛙柔らかなる骸

    もりさわ

  • 小春日や水漏れ痕を保険屋と

    河南朴野

  • ミッキーとミニー手招く小春かな

    ねずみ男

  • 嘘をつくのは喉のあたりの小六月

    かん かんし

  • 地下足袋の鋏鳴らして小春空

    知恵さん

  • 小春日や十分カットの赤ランプ

    音羽凜

  • ままごとにウルトラ兄弟ゐて小春

    一斤染乃

  • 小春でも荒む口唇ROCKは死んだ

    羅蒐

  • 承和色の小春をベビーカーかたた

    すずさん

  • 小春日に母の爪切る午後のこと

    白井百合子

  • 模擬店にネクタイで寄る小春かな

    和泉穣

  • 小春の地われ大袈裟な斬られ役

    司啓

  • 防人の大の字となる野に小春

    たていし 隆松

  • 小春日や喧嘩相手のいない椅子

    天陽ゆう

  • したためた退学届ああ小春

    匠屋呑男

  • 植垣の手入れ上々小春かな

    余熱

  • 正午五分前バスを降りれば小春

    緋乃捨楽

  • 小春日の石のベンチのつめたさよ

    羅美都

  • さて今日はどの山行くか小春かな

    やまだ童子

  • 庭仕事あともう一つ小春の日

    ひーたん@いつき組広ブロ俳句部

  • ユリカモメ帰り加茂川小春かな

    みつみん

  • 白内障手術終えたる小春かな

    山口雀昭

  • 溶けたまま固まる石鹸小六月

    かつたろー。

  • すっぱりとフルーツサンド切る小春

    松田てぃ

  • 黒猫の堂々とゆく小春かな

    一走人

  • 地球儀のほこり拭き取り小春空

    あまぐり

  • つい老人と成りて小春を乾燥す

    大塚迷路

  • 太陽の粉たるほこり降る小春

    千暁

  • 水切りの石は小春を四つ跳ね

    野地垂木

  • 退寮し移る小春や三畳間

    津軽わさお

  • 三回目小春の蒼へ荼毘に付す

    28ひろきち

  • 小春日や微動だにせずフラミンゴ

    千葉睦女

  • 小春日の静かに暮るるばかりなり

    風慈音

  • 小春猫陽水流る古いラジオ

    晴鍬旅人

  • 海峡へ嘶き優し崎小春

    津軽ちゃう

  • 骨壺や小春日和の祖母の部屋

    ダンサーU-KI

  • 小春日や工場跡に不発弾

    杵築きい

  • 変はりなき朝の検温小春かな

    宗本智之

  • 血道透くまぶた小春を蓄電す

    西川由野

  • 小春日や駅のベンチに五十分

    弥日

  • 小春日の光を食みて部分蝕

    国東町子

  • 小春日や先立たれたる者同志

    新多

  • 小春日にやさしき人のハンバーグ

    秀田狢

  • 小春日や形見の紬そで通す

    星影りこ

  • 肉まんの真ん中にある小春かな

    阿々田幸汰

  • キスする鳩眺む忘我の小春日や

    亀亀子

  • 北国は小春束の間鬼を待つ

    津軽まつ

  • 小春日や婿はやさしく愚痴をきく

    野の花 誉茂子

  • 鐘の音や小春は絵手紙のなかに

    たつき

  • 亀陸に次々上がる小春かな

    文月あつみ

  • 小春日やいつも笑顔の人と泣く

    喜心

  • 小春日や唐変木でええやないか

    直心

  • 小春日やネットで囲碁の日曜日

    誠馬ノマド

  • 小春すら知らずB棟五号室

    京あられたけむら

  • 念願の下宿小春の退寮生

    篠田ピンク

  • 子がすねて終わる小春のページワン

    河原つばめ

  • 里親となりし小春の譲渡会

    若井柳児

  • 小春まで福祉タクシーなら行ける

    里山子

  • やんわりと小春の景をこわす櫂

    写俳亭みの

  • 渋滞の東名追突した小春

    玉野汐音

  • 懐石の色とりどりに京小春

    竹春エリザベス

  • 小春日や洗濯と猫にいたづらと

    水蜜桃

  • 小春日や土佐弁の母上京す

    向原かは

  • ギターケースに小銭を投げる小春かな

    とんぼ

  • 小春日や物干し台の所狭し

    麦秋

  • 小春日や離婚の友のノンシャラン

    江藤すをん

  • 掃除機の音のあちこち小春かな

    Mコスモ

  • シナモンの香る焼きたてパイ小春

    うさぎまんじゅう

  • 輸送機の音や会議の窓小春

    澄海まさと

  • こんなにもかろし小春の壷の骨

    緑の手

  • 小春日やきしむ家船碇泊中

    銀 次郎

  • 小春日よ同音の無い報恩講

    賢精

  • 気迫のストライク小春の引退

    星月さやか

  • 小春日や鏡時計と蒸しタオル

    中鉢矢的

  • 茶請けは手作り干しいも雲小春

    笑酔

  • もう五歳蝶ネクタイの小春かな

    ゆぃ

  • 小春てふ疲れし畝を癒やすため

    竹内一二

  • 小春なり明日は肱川あらしなり

    松山茜柑

  • 小春日の佇む影や無人駅

    里甫

  • お鈴にもうっすら小春の埃かな

    砂楽梨

  • 口ずさみ砂山つくる子の小春

    かゐみすず

  • 小春日や尼僧のいぶきなまめきぬ

    吉谷地由子

  • 街小春キッチンカーのカピバラめく

    中田ひで

  • つやめける真珠一粒小春かな

    ひすい風香

  • カレーパンを二つ食つて小春

    鈴木麗門

  • 真っ黒な花種つみとる小春日

    広島 しずか80

  • 小春とはエコーに揺るる吾子の顔

    詠頃

  • 小春日やテイクアウトのスープカレー

    Q&A

  • ヘソ下の鉄棒握る小春かな

    一色 那真呼

  • 小春日や電気羊を耳に飼う

    山口無史

  • 有丈の甲羅並べて小春かな

    和泉攷

  • 調味料ぬるし小春のぬくぬくし

    如月宗局

  • 軽石の分かつ小春と暗き海

    28あずきち

  • 面白く鳥立つ門の小春かな

    青き銀椀

  • 遊園地はスローモーション小春風

    まこちふる

  • 小春日和伸びたカセット巻き戻す

    諧 真無子

  • 小春日やシルバーカーの立ち話

    ぶうびい

  • 杖挙げて交はす挨拶街小春

    ひだ岩魚

  • 警官が警官に道訊く小春

    澤田 紫

  • 湯けむりや小春の坂に遊びをり

    堀隼人

  • ぬか床の調子が良くて小春日で

    ピアニシモ

  • 門前に並ぶ露天や街小春

    田中ようちゃん

  • 手をふれば手をふる園児小春かな

    髙橋弓女

  • 小春日や地べたに転ぶ昼休み

    水無月

  • 病室を出る車椅子追う小春

    あたしは斜楽

  • 山襞青く軽トラ市の小春

    林たまさか

  • 渋谷の朝をピンクに塗りたくて小春

    人見直樹

  • ワイパーとタイヤ交換小春よし

    千賀子

  • 小春空赴任の街に別れ告げ

    いつか

  • 浚渫を四人ながむる小六月

    咲元無有

  • レイアップシュートリングに小春風

    颯萬

  • 小春の缶詰五百円に値切る

    宇田建

  • にせものの舞妓ちらほらいて小春

    田場千種

  • 留年なんて気が気じゃないわ小春風

    村上右佐

  • お一日鬼門に塩の小春かな

    小島神泉

  • 抱くのに丁度よき幹小春かな

    かえるしろ

  • 地下道を抜け出しハチ公小春かな

    叶田屋

  • 爪を切る音ととのつて小春かな

    えむさい

  • 手伝いの子に大きな軍手小春空

    今治八十八

  • 小春のあくび旗でごまかす警備員

    羽衣

  • 茶の席の日差しあまねき小春かな

    さゐあけみ

  • 小春来て獣薄目で眠りおり

    楽花生

  • 小春日や猫の隙間に身を置いて

    乙華散

  • 抱瓶の紐柔らかな小春かな

    木染湧水

  • 入江には小舟舫へる小六月

    君島笑夢

  • 小春日や人形供養する御堂

    金太郎

  • 家業でも継ぐか小春のサンルーム

    碧西里

  • しぼみゆく心ぞう小春を進まん

    仁山かえる

  • 受付のロボットわらふ小春かな

    時まる

  • 外国の艦海峡を過ぎ小春

    HNKAGA

  • 太陽に軍配昇る小春かな

    平坂謙次

  • 小春日や屋根屋の親父落ちてきた

    谷口詠美

  • 面会は解禁小春の日なたに座す

    のつり

  • ロンバクの練習によき小春かな

    丸山隆子

  • 夫婦岩めぐる幾艘小六月

    津島野イリス

  • 鶏の暇なく歩き小春かな

    杉尾芭蕉

  • 点滴のきらきら小春流れ込む

    かのたま

  • タッチ入力できず小春の空乾く

    はなだんな

  • ボルト膝今日の小春を歩き切る

    アリギリス

  • 山門を過ぎてすり寄る鳩小春

    田村利平

  • 死を恐れるなと檄小春日の空

    花実人生

  • 元彼と出くわす小春日のイオン

    夏野あゆね

  • 小春日や母とのLINE「んだ」連呼

    越智いと

  • 小春日の夜はオスカーピーターソン

    ただ地蔵

  • 婚礼のふたり撮るひと街小春

    まどん

  • 誰もみな良い人だつたころ小春

    武井かま猫

  • ビー玉にひかり集まる小春かな

    雪井苑生

  • 手術済みて六人部屋へ小春の日

    みつれしづく

  • 逃げ込んだここ小春日の島時間

    ふくじん

  • 小春とはいへど人の字三つ呑む

    野良古

  • 夫忘れ夫押す車小春かな

    しんしん

  • Wi-Fiの遠く飛びゆく小春かな

    洒落神戸

  • 撫で牛のこわばり解れつつ小春

    火炎幸彦

  • 小春とは焼きそばパンや鐘が鳴る

    清水 三雲

  • いつもよりチラシも多く小春かな

    畠山 悊央

  • 小春日や馬の背に乗る猫二匹

    石神湖畔

  • 墓石の汚れ始める小春かな

    林山小春

  • 園庭のパンダに跨って小春日

    林りんりん。

  • 郵便屋さん犬撫でていく小春かな

    古都 鈴

  • 逝くならば小春の昼が良いと友

    宗平 圭司

  • 所狭しと布団が並ぶ小春空

    橋本彩雅

  • おひとり様集ふ小春のバスツアー

    紺乃ひつじ

  • 日和下駄カロンカロンと小春かな

    明神おぼろ月

  • 小春日や葦の根元を波あそぶ

    市橋正俊

  • 連絡帳抱く小春日のららら

    青野彼路

  • 直しまた直し小春の月曜日

    丹下京子

  • つぎの犬飼わぬと誓う小春かな

    梓弓

  • 小春日や畳に伸びる椅子の脚

    桃香

  • 百獣に小春やはらか檻太し

    松本裕子

  • 踏石に庭履きハの字なる小春

    山内彩月

  • 淋しさの崩れしうしろ小春空

    魚返みりん

  • ウインクの小春日弾き改札へ

    TAKO焼子

  • 小春日やぶら下がりたる腕時計

    遊羽女

  • 偏差値の低いサドル並ぶ小春

    竜田側

  • 幾度も絵本なぞる手小春かな

    宮川武久

  • 小春日や拇印に託す遺言書

    濃イ薄イ

  • 晩年や独りの米を研ぐ小春

    三泊みなと

  • 小春日の畏妻の小さき靴下よ

    石田将仁

  • チョーカーの絡まりほどく小春かな

    萩野つき

  • 教科書の落書き動き出す小春

    ひなた和佳

  • 小春の階調フィルム写真めき

    森野しじま

  • マリア像の腕も白き小春かな

    ひともじ

  • 推し色のパーカーさざめきて小春

    紫鋼

  • 山川の素つ惚けをる小春かな

    黒麹 糀

  • 子を持てぬくらしもありて小春かな

    okapi

  • 秋田犬ひきとる夫の小春かな

    新開ちえ

  • 右腕の副反応や世は小春

    カワウソ三号

  • 小春日や文庫サイズの季寄せ手に

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 手作りのスープいとしき小春かな

    大野美波

  • 小春日やDIYのペンキあと

    一井蝸牛

  • 小春余る駝鳥の眼より小さき脳

    立石神流

  • 蜜蝋の如き小春に何もなく

    秋熊

  • 小春日や坂田は三組島は二年

    壬生谷

  • 象の背のうぶ毛チクチク小春かな

    長良くわと

  • お弁当裏に二粒の小春

    苔芝

  • 橅山を統ぶる白神小春風

    野々原ラピ

  • 夢殿の厨子開きたる小春かな

    おかか丸

  • ケチャツプをすぷと空撃ち小春かな

    しゃれこうべの妻

  • 小春の発熱外来ファン響く

    糺ノ森柊

  • エアコンを逃れ小春の外読書

    野井みこ

  • 軽石の渚に寄せる小春かな

    空魚

  • のり弁へ小春の箸を差し込みぬ

    北野きのこ

  • 小春日や口笛響く講義室

    庄野 酢飯

  • 甘納豆めく石畳ふわり小春

    せり坊

  • アルプスが全部小春の高ボッチ

    あみま

  • 作業着の白髪と鈴の小春かな

    お天気娘

  • 謝礼金全て募金し小春風

    ヤマコー

  • どこからかTakefiveの小春かな

    伊藤佃

  • なるべく地味なパジャマ包む日小春空

    冬水 常

  • いつもこの坂を登りて着く小春

    背馬

  • ファンデーション乗せ来る指の止まぬ小春

    遠音

  • 小春日や極彩色の曼荼羅図

    枯木 花

  • ゼツケンに完歩と記しいざ小春

    てまり

  • 人群れるゴリラの欠伸小春かな

    有田みかん

  • 三和土に物の怪姫の陰小春

    元喜@木の芽

  • 小春空大工足場でひと眠り

    まつといのいち

  • 胎動にゆたり手あての小春かな

    くろけん

  • 綴じ糸も紅き小春のお座布団

    わかば萌

  • お百度参り満願の日の小春かな

    峰 乱里

  • 帆影静かヨットハーバーの小春

    福岡参山

  • 小春かな歩き通して峠越ゆ

    よかわもりお

  • 雄弁な葉書の余白小春風

    ちりちり芥

  • 小春日やハンドタオルを遣い物

    美対かず

  • 寝入るまで小春のにほひそばにをり

    慢鱚

  • 遠近に年寄りのゐて小春かな

    永想

  • 大空にきずひとつなき小春かな

    ふじこ

  • 小春日や再々婚の友来る

    一石渓流

  • 小春日のカケラのようなマドレーヌ

    花咲明日香

  • 小春凪人はしあはせでもさびし

    藤田康子

  • 街道を下る小春の道しるべ

    鶴屋桃福

  • 君がゐてみぞおち熱くする小春

    清水明美

  • ぬいぐるみほつれて小春日の淫ら

    瓦すずめ

  • 開業を伝う小春の回覧板

    芝野麦茶

  • 小春日や土手3キロの2往復

    たこぼうず

  • 小春手に入れて老体ふと溶ける

    そまり

  • 予報士のこぞりて小春とのたまへり

    和鹿島荒巻

  • 小春日の遠く近くの友が来る

    門屋定規

  • よく撮れた写真ばかりを見て小春

    神山やすこ

  • 小春日や樹の根の絡む山の道

    いたまきし

  • 羊水の胎児二度寝の小春かな

    風の鳥

  • 二礼四拍手一礼なほり小春

    春蘭素心

  • 三代の木馬をゆらす小春かな

    かぬまっこ@木ノ芽

  • 裏口にギャルソンの紫煙小春空

    ほしのあお

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