俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2021年10月20日週の兼題

小春

【曜日ごとに結果を公開中】

【佳作】

  • 観るだけの小春の住宅展示場

    佐藤知春

  • 革靴に油分与へてゐる小春

    森田かな

  • アルバムの気泡小春へ逃がしけり

    かむろ坂喜奈子

  • さくらねこ小春におのが不均等

    花屋英利

  • 小春やなんて愉快な葬儀だろう

    赤馬福助

  • 小春の舎五十日しか生きぬ鶏

    磯田省吾

  • ミニブタのしっぽぴぱぴぱ振る小春

    平良嘉列乙

  • こはるこはるこはる猫呼ぶ母こはれ

    イサク

  • 見えてきたケルンの裏手まで小春

    ウロ

  • 百恵派の爺のラジカセから小春

    加地祐作

  • 縁側の小春ぎゅぎゅっと虫眼鏡

    杜まお実

  • 亡骸は小春にゆらぐ子が歌ふ

    冬のおこじょ

  • 客でない客の集まる小春の日

    でんでん琴女

  • 復職の朝や小春のオフィスビル

    木ぼこやしき

  • 小春日の陽射し捕らへる鉋屑

    内藤羊皐

  • ゆで玉子むいて小春の十個かな

    平本魚水

  • 金胡麻の香る小春の担々麺

    夏 湖乃

  • 子ら拾うごみの渋谷のそら小春

    とものた

  • 小春日や交互に使う箆と刷毛

    せいち

  • キャラメルを剥く指先の小春かな

    大小田忍

  • 小春日の三角定規は反抗期

    座敷わらしなつき

  • 小春空たこやき器をかつてしまふ

    磐田小

  • チャオちゅーる入れとくね小春に眠る

    寿貢

  • 小春こはる山頂の菓子袋破裂

    おたまじゃくし

  • 神さぶる白猫の透く耳小春

    たけぐち遊子

  • ムエタイの拳打ち鳴らして小春

    伊藤映雪

  • 小春日や生家に二十八の窓

    そうり

  • 音速の小春に轢かれる3番線

    尾木三十一

  • 小春かな猫を通せる守衛室

    古賀未樹

  • 小春日のスープボウルに青い鳥

    真冬峰

  • 小春風鳥と分け合ふマーラーカオ

    品川笙女

  • 刻まれし父の名二年目の小春

    江藤薫

  • 病院の小春の窓は立方体

    小川都

  • 日雇いにあぶれ小春の鳩になる

    みづちみわ

  • 礫を蹴る稲荷山古墳は小春

    坂口浩樹

  • 小春とは一つの純化かつ退化

    まんぷく

  • 六甲を下りて書店へ小春なり

    毒林檎

  • わたし一人小春日和の月曜日

    みなみはな

  • 喪の明けて卵きれいに割れ小春

    居並小

  • アスファルト切り剥がされてゐる小春

    清永ゆうこ

  • びんずるさまも小春のかたぬき菓子

    夕虹くすん

  • はじめてのBや小春の模試結果

    万葉剣

  • 落ちてまた落ちて鉄棒また小春

    ありあり

  • 撫牛のゆつくり磨かれて小春

    久保田A

  • 足場板撓みて戻る小春かな

    新子熊耳

  • 資源ごみの軽い金曜日は小春

    あたなごっち

  • 点描の小春スタッカートの街

    シュリ

  • 小春日や活きの良すぎる足の爪

    城内幸江

  • 大阪をくぐるジャズボートや小春

    池内ときこ

  • 珈琲に小春少々ミル回す

    はるく

  • 麻酔残る口ドア開ければ小春

    剛海

  • 白犀の耳ぱたぱたと小春かな

    やまさきゆみ

  • 昇進?僻地じゃねえか小春空

    くさ

  • 小春なり煎餅匂ふ研究室

    久我恒子

  • 五回目の面接小春のガムを噛む

    じゃすみん

  • 10号に富士の習作小春の日

    ひろ志

  • シャンプーハットは月へと帰還小春空

    ことのは もも。

  • 小春日や庭師の開く遊山箱

    大庭慈温

  • 小春日の象舎の前に慰霊の碑

    桜井教人

  • 鶏の地べたに座る小春かな

    綺楽よしじ

  • 事実婚九年小春日に味噌汁

    西田月旦

  • 巻物はときわぎ小春日の署名

    M・李子

  • 縄跳びがによろりと落ちてゐる小春

    今野淳風

  • チャコペンで小春を可視化してみよう

    さとけん

  • 小春日を春と思ひて祖父逝きぬ

    ふるてい

  • 三割が鉄の重さの星、小春

    鳥羽南良

  • 小春日やボート並びて閘門待つ

    秦 理露

  • 小春日や猫は尻だけ窓の外

    冬樹 立

  • 足踏みのオルガンふんがふが小春

    ぐりえぶらん

  • ハシビロコウ動くを待ちに待ち小春

    影山らてん

  • ひざに置く骨箱の重世は小春

    定吉

  • 大円や小春日和のレース鳩

    長谷川水素

  • 鳥の声こはるびよりの図鑑より

    中山月波

  • 藁と糞とって小春を入れにけり

    ほしの有紀

  • 殺処分のニユース小春日の無音

    はなあかり

  • ぷかりぷかりトドは小春に漂う

    眠 睡花

  • 小春日やカバの欠伸の口へ水

    ギル

  • 出動は小春日特殊清掃員

    アンサトウ

  • バクの鼻小春捕へてくすぐつたい

    綾竹あんどれ

  • 小春日の光の匂ひ病む姉へ

    池田 凜

  • 両辺を快晴で割ってx=小春

    光峯霏々

  • 神木は太し小春のけんけんぱ

    青蜥蜴

  • 小春日や仏足石は村はずれ

    そうま純香

  • 巨大猫抱ふ小春の膝を折り

    おきいふ

  • 小春日を投票を視る係かな

    南方日午

  • 手触りに小春モケット生地のバス

    斎乃雪

  • ためいきは二酸化炭素こはるびより

    古賀

  • 貧血に耐へし小春の五時限目

    港のパン屋

  • 子の寝相メビウスの輪に似て小春

    ぐでたまご

  • きっかけは尋ねた釣果小春凪

    オペラ座の俳人

  • 助っ人の父は三振小春空

    常磐 はぜ

  • マヨネーズ色に小春の草枯れる

    和季

  • 苗桜ひょろり小春のかたちとて

    克巳@夜のサングラス

  • すべり台すべる猫をる小春かな

    彼方ひらく

  • 乱丁の頁のかどを愛で小春

    ずしの蓬

  • シーグラスきやらきやら拾ふ声小春

    坐花酔月

  • 花嫁のなみだ撮られてをり小春

    RUSTY=HISOKA

  • 小春日や白紙を満たす素数の和

    KII

  • 内股に歩くにはとり居て小春

    椋本望生

  • 小春日をS字に撓ふベーシスト

    くま鶉

  • 錦糸町-両国間に揺れ小春

    大黒とむとむ

  • 小春日や額に傷の猫とゐる

    可笑式

  • 小春日や骨の一つにあるチタン

    ことまと

  • アクセルを踏んで小春のプランB

    柳絮

  • 糸巻や巻く巻くまるくなる小春

    渋谷晶

  • 客かへり小春のひかりだけの家

    山田菫舎

  • 鼻唄のカラメルプリンめく小春

    小だいふく

  • のんだくれたぬききつねねここはる

    三浦にゃじろう

  • 沖へ出て原子炉白き小春かな

    古田秀

  • 小春なり点滴ひいて三百歩

    新田 淑@狐狸山会

  • 手のひらをひよこあふるる小春かな

    ベーグル

  • 消しゴムのスーパーカー弾く小春

    海音寺ジョー

  • ペンギンがかなり本気で跳ぶ小春

    ちゃうりん

  • 日常や道に吐瀉物ある小春

    どみ どみそ

  • 小春日や犬を荼毘から連れ帰る

    田中勲

  • ぼわと出る双子の黄身や小六月

    満る

  • 水揚げは千のひかりとなり小春

    浦野紗知

  • 汲み置きの水は小春を吸ひ込みぬ

    吉武茂る

  • 出棺のフォンが小春の耳の底

    あずお玲子

  • 大仏が海を眺めてゐる小春

    久森ぎんう

  • 小春日や猿を捕獲と無線告ぐ

    葉月けゐ

  • 小春日よ野島断層数ふるよ

    としなり

  • 小春かな躁のときだけある電話

    新蕎麦句会・凪太

  • 小春日やおかんに習ふ変化球

    たま走哉

  • 木馬ゆらゆらEテレと小春日と

    登りびと

  • カンガルーの袋を出でし小春かな

    ツカビッチ

  • はねまはる仔ヤギ小春のビブラート

    にゃん

  • ピザ生地は回り小春の芳しき

    板柿せっか

  • 葬列を離る小春の居酒屋へ

    篠原 雨子

  • 古書店の全集小春の塵ぬぐひ

    剣橋こじ

  • 貰い手のついて小春の老チワワ

    秋沙美 洋

  • 吾が胎児小春の猫を蹴つてをり

    いさな歌鈴

  • 小春日や父が掴めるブーケトス

    多々良海月

  • 廃屋に重機小春の猫の島

    矢想

  • 懸賞を出して小春の用終はり

    久留里61

  • 教室はヤクルト色の小春かな

    常幸龍BCAD

  • 朗読のまにまに三組は小春

    高尾里甫

  • お返事が来ない小春のせいですね

    足立智美

  • おとしぶたぷるぷるしてるこはるかな

    大紀直紀

  • 噛み殺すあくび小春の薬剤師

    うしうし

  • 小春日やテトラポッドは乾きをり

    新濃 健

  • 指の皮硬し小春の革を縫ふ

    Julien

  • 古本の活字にへこみあり小春

    中岡秀次

  • 達仏のおん手があったかい小春

    Kかれん

  • 園芸部員掌に小春ほのと

    まるかじり

  • 窓をひらく小春の脳はすこし重い

    オサカナクッション

  • 鳩目のみ作る工場の小春かな

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 編棒太いだの細いだのと小春

    東京堕天使

  • 十七のチワワのショコラ小春へ跳ぶ

    伊藤辰弥

  • 撓み減る干し竿小春てふ浮力

    戸部紅屑

  • もう鬼に見つけてほしい小春かな

    辻野 花

  • 手を合わせ五秒小春の水みくじ

    ヅラじゃない

  • 使い捨てライターにゅっと小春の火

    稗田鈴二郎

  • さやうなら小春のいすにねむるひと

    夏雨ちや

  • コツメカワウソの握手ちひさき小春かな

    七瀬ゆきこ

  • 母は小春吾を覚えてをりますか

    池之端モルト

  • 挙げた手の小春を掴む人違ひ

    川越羽流

  • 小春風スワンボートに一人無理

    楽市

  • 巡業のふんどし干され寺小春

    むったん@狐狸山会

  • 小春日をもて寂聴の忌となさん

    柚木みゆき

  • 自販機に英字の水のあり小春

    京野さち

  • 死ぬことをみんな忘れている小春

    龍田山門

  • 逢ひたくば小春のバスに乗りたまへ

    トポル

  • 中古車の店に小春やかしら右

    吉野川

  • 妹のやうにとほのく小春かな

    玉庭マサアキ

  • ラジカセは小春の畑へ志ん生を

    あいだほ

  • 紙は木と気づきし図書館の小春

    真名女

  • はちきれるほどの郵便街小春

    くりでん

  • こころごと妻を小春へ明け渡す

    すりいぴい

  • リモコンは小春の部屋の何処にか

    富山の露玉

  • 小春とは寂聴さんの笑ひ皺

    樫の木

  • 卵黄の小春の膜にをさまりぬ

    宮坂暢介

  • ひつそりと小春のひかり編むしつぽ

    きのえのき

  • 小春日や薄目の鰐をフェンス越し

    いかちゃん

  • 空き缶を蹴れば小春の音ぽおん

    亀田かつおぶし

  • 小春の陽埃へ灰汁へ水垢へ

    銀紙

  • パンダの背ばかり見てゐる小春かな

    ももたもも

  • 盗賊かもめに小春の向かひ風

    露草うづら

  • 人類の滅んだ次の日の小春

    世良日守

  • 小春日や水車ぐわつとん逆回り

    岩橋春海

  • 在庫確認輪唱めいてきて小春

    しばた もめんこ

  • 韓の家のかたき閂小春風

    対馬清波

  • 子パンダのぷくぷくふとる小春かな

    うに子

  • 琴柱はずし木目を拭く小春

  • 小春日を競馬場まで負けにゆく

    利尻

  • 痩せ猫と一汁一菜なる小春

    小池令香

  • あかんぼのうんちにいきむ小春かな

    中里 凜

  • 公示日や小春をおりてくる埃

    けーい〇

  • 剥離紙のカール表札より小春

    仁和田 永

  • トゥクトゥクとノック小春の調律師

    古瀬まさあき

  • 小春日やアルパカの吐く唾臭し

    きなこもち

  • 背にかゆみ止め塗るホスピスの小春

    大槻税悦

  • 退部届小春なんぞに書きやがる

    堀口 房水

  • ゆつたりとじゅごん尾ひれを揺る小春

    石垣葉星

  • 小春日やペットボトルを滅多踏み

    公木正

  • 風きらら会社を辞めたきょう小春

    石川聡

  • 反抗期の寝顔小春のさざれ石

    ぼたにこ

  • 滲みに茶の匂ひ小春の電話帳

    ほろろ。

  • 小春日や中折れ帽とつえと犬

    飯村祐知子

  • 小春日や仏と同じ物を喰ふ

    蘭丸結動

  • タオルケットたたんで丸め積み小春

    俳号考え中のユキ

  • 小春日の箱おおかみの腹のごと

    ひねもす

  • 冤罪や十年分の小春浴ぶ

    澤村DAZZA

  • 何歳で死ぬのと聞かれをり小春

    髙田祥聖

  • 大仏の螺髪に小春置く日かな

    江戸川青風

  • 削蹄や小春の土の粒やさし

    さくさく作物

  • 永遠や兄は小春の野をどこか

    倉木はじめ

  • サイコパス便器前方の余白にある小春

    蟻馬次朗

  • 鳩鳩ひと鳩鳩小春日の駅は

    万喜ミツル

  • 雲を踏むやうに小春の吊り橋を

    干しのいも子

  • まだあったシリアル小春の昼ひとり

    羽織茶屋

  • 葬送や小春はこんなにも静か

    成瀬源三

  • あらためて迷ふ小春のロータリー

    田中木江

  • 緩慢な小春のバターナイフかな

    井上のなめ

  • 無縁墓に入れてごめんね小春だし

    小泉野魚

  • 主菓子の黄にほぐるゝや小春の座

    佐藤俊夫

  • 小春日やカバの歯ブラシかつぐ子ら

    げばげば

  • 臨月のおなか小春の臍たいら

    空豆魚

  • 小春のストーブごみ屋敷の隅に

    利賀セイク

  • をとつひはここはるだつたけふがこはる

    山田怠洋

  • 沐浴の耳を餃子にして小春

    西原みどり

  • 小春日や河馬の欠伸の十二秒

    河本かおり

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

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