【並選】
朝練のシュートのアーチ山眠る
諏訪ヤス子
空振に狼狽え見せず山眠る
田畑せーたん
恐竜のこゑを遠くに山眠る
ぎんやんま
山眠る茶碗の底に夜の憂ひ
竹田むべ
山眠る仔牛の影に小さき角
やまさきゆみ
前を行く熊鈴止むや山眠る
ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
山眠る手動ドアの重たさや
晴好 雨独
ゲレンデの喧騒の下山眠る
玉川 徳兵衛
人住まぬ軍艦島や山眠る
増田 道衛
山眠る吉見百穴てふ鼻腔
石井一草
ひと回り肥えて杉の木山眠る
中 兎波
山眠る靴に小石の当たる音
木村となえーる
息子などゐなかつたのだ山眠る
霜田あゆ美
曾祖父は十七代目山眠る
わかば萌
やっと黒字の帳簿閉じ山眠る
露口全速
神々を宿す大岩山眠る
まりい@木ノ芽
飛行機が墜落しました山眠る
いくたドロップ
山眠る小氷河期の木目の密
西村青夏
山眠る義父は独りで逝きました
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
山墓をどうにかせねば山眠る
岡井風紋
イマジンのBGMや山眠る
高田杏
ザビエル像秘しし長櫃山眠る
関津祐花
小屋番の施錠合図に山眠る
はるく
山眠りかはるがはるに水盗む
ぼたんぴ
山眠る浴びて眠って浴びる酸ケ湯
広島 しずか80歳
焼け跡の黒き柱や山眠る
可笑式
セロファンのやうなみづうみ山眠る
剣橋こじ
風聴いて山も木霊も眠りけり
吉川拓真
山眠るくぐる人なき朱鳥居
野狸彦
山眠る栗鼠のうずめた実は何処
雪音
山眠る霊柩車追うバスの中
弥日
山眠る臨月の子の見る夢は
佐々木のはら
山眠る移民のマグに細き湯気
つきのひと
山眠り月静けさに堪えかねる
花和音
山眠る王の棺に石の蓋
久森ぎんう
ひとすじのきれいなけむり山眠る
三重丸
山眠る旋回ノブにさす朝日
杏是りゐ菜
山眠る次々開くパラシュート
西村小市
ととんとんと阪急電車山眠る
じょいふるとしちゃん
チャイの湯気火の爆ぜる音山眠る
かんこ鳥
短調のロシア民謡山眠る
山﨑菫久
墨の香や心静めて山眠る
犬散歩人
試験日の朝は平常山眠る
瀬戸ティーダ
山眠る空をくじらの影ゆうゆう
渋谷晶
吉備なだらか古墳うつぶし山眠り
樋口滑瓢
山眠る友逝きし日も飯を喰ひ
定吉
山眠り千の切株てふ静寂
西原みどり
山彦の退屈な日々山眠る
風花まゆみ
杉玉の酒蔵の裏山眠る
⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
山眠る産み月の息遠くまで
百瀬一兎
金つばのずつしりとして山眠る
土屋ひこぼし
ショベルカーに引っ掛かれつつ山眠る
ALLY満る
山眠る追えぬ人物相関図
ぐりえぶらん
散骨は遺族七人山眠る
池田 凜
愚痴吐けば寝て忘れろと山眠る
篠原雨子
山眠り赤牛の腹ゆうるりと
海峯企鵝
宅配のパエリア熱し山眠る
吟 梵
山眠るリハビリ室の電子音
ことまと
ジージーと唸る鉄塔山眠る
長谷川ひろし
山眠るビール工房逞しき
林真紗湖
山眠るしづかにはづす本の帯
ギル
高射砲陣地跡抱き山眠る
多々良海月
母の愚痴ほろほろこぼれ山眠る
平野水麦
山眠る風は野山を梳き直す
千風もふ
山眠るチェーン規制の四角い灯
もりさわ
山眠る動かぬ魚にネムリ鈎
清鱒
山眠る術後の傷を晒しつつ
塩風しーたん
山眠る切れ長の眼の磨崖仏
てまり
山眠る「フェリシダーヂ」を聞いてゐる
足立智美
父祖のゐる山を包みて山眠る
瞳子
畑広くラジオは流れ山眠る
千の葉
指先の軟膏の香よ山眠る
富佐野ほろよい
りすぐみのつみ木のたふや山ねむる
すずさん
掌の石を墓石に山眠る
卯年のふみ
山眠る掩体壕の錠錆びて
新濃 健
伏流のハウスの葉もの山眠る
明惟久里
単線の黄色一両山眠る
不二自然
山眠る隠し扉のある王墓
秀田狢
山眠る臍からきゅっと縮ませて
澤田 紫
夜勤終え踏み出す一歩山眠る
高市青柘榴
嘱託といふ気楽さや山眠る
戸部紅屑
山眠る電動歯ブラシは寿命
あらい
今朝ひとつ言語の消えて山眠る
平野光音座
絶筆の章の余白や山眠る
主藤充子
全伐の道のジグザグ山眠る
佐藤儒艮
山眠り子を打つ母となりけるか
霞山旅
友達を失くす星座や山眠る
宗本智之
赤い実の種は黄色ぞ山眠る
亀田かつおぶし
定位置に収まる農具山眠る
平としまる
千の手と千のまぶたや山眠る
竹村マイ@蚊帳のなか
山眠る積み木の端の歯型かな
大紀直家
山眠るお化け峠へさしかかり
正岡丹ん
眠る山木霊鋭く返しけり
うぢ一樹
山眠る昼のカツカレーの余韻
伊予吟会 宵嵐
山眠る展望茶屋のうどんの香
まるかじり
写真家の沸かすコーヒー山眠る
フージー
山眠るたたき大工と鉛筆と
椋本望生
山眠る燐寸の箱の不死鳥図
宥光
山眠る心まで枯れないうちに
Kかれん
弟の最期の留守電山眠る
のつり
山眠る月面ほどに凪ぎし銀
せり坊
柴犬の鼻の向く先山眠る
邦生
きゆきゆきゆつと鳴子こけしや山眠る
重夫
赤福のお行儀の良さ山眠る
青野遊飛@蚊帳のなか
主語やたら大きな話山眠る
ほしのあお
故郷のくじら加工場山眠る
たけぐち遊子
山眠るキルト刺す手は黙々と
あらら
ホスピスはしづもる火宅山眠る
ちりちり芥
山眠る搾乳のゴム手ぬくし
うめがさそう
山眠る熱あればみる母の夢
えりべり
ラテアート吹いて崩して山眠る
青海波
円墳のまるく鎮もり山眠る
うさぎまんじゅう
山眠るグリム童話は死の匂ひ
たろりずむ
山眠るバイト帰りのホットパイ
京あられたけむら
テルミンの低き音色に山眠る
ヒマラヤで平謝り
山眠る無投票との報せあり
江良 中
共同湯電球仄か山眠る
小川さゆみ
山眠る盆の木屑の美しきこと
百瀬はな
山眠る巣鴨の町のその色で
山水
鯉魚石のいま龍となる山眠る
ももたもも
かけ水に砥石とろりと山眠る
ふじこ
恐竜の卵温め山眠る
君島笑夢
山眠る古寺の赤きレンタカー
真名女
山眠る硫黄の匂う湯守の手
東京堕天使
山眠る懐に河伯の祠
千賀子
山眠る黄色のセスナ旋回す
うはのそら
お見舞いの言葉の余韻山眠る
花南天anne
脂身は日向の匂ひ山眠る
えむさい
山眠る卒塔婆の墨の薄れつつ
いなだはまち
配管工の修理を終えて山眠る
洛北人
沓脱石囲われてをり山眠る
たていし 隆松
母の灰を空吸ひ終へて山眠る
枯丸
山眠る千枝は廁に行ったきり
成瀬源三
山眠るでっかい猪に
抱かれて
松高網代
山眠る悠久を育てるように
庄司直也
棟上げの幕はためきて山眠る
山井直
分断は日本のせいらし山眠る
藤田康子
吐く息の音はしろがね山眠る
る・こんと
小さき手は乳房つかみ山眠る
松本裕子
不法放置の軽トラックや山眠る
独星
墓荒れてしまうだろうな山眠る
あつむら恵女
八階は終の棲家や山眠る
伊藤順女
空鉛となりにけり山眠りけり
伊藤辰弥
ソ連より届く電波や山眠る
多喰身・デラックス
読書灯手元の影絵山眠る
哲山(山田 哲也)
石版を授けし神の山眠る
遣豪使
窯跡のレンガの欠片山眠る
安春
足揉み器五分働き山眠る
いなほせどり
山眠る金糸雀色の月を抱き
猶猶
山眠るゆるゆる焦げる胡桃味噌
柳絮
空き缶の中へ吸殻山眠る
慢鱚
交響曲第五章期す山眠る
山香ばし
手放して今は他人の山眠る
宗平 圭司
山眠る名産品を売る車内
睦 陽花
夕の尾根残り火のごと山眠る
KOMA
山眠るたっぷり煮出す野菜くず
ベーグル
ひかげれば日陰の艶や山眠る
登りびと
お話の続きはあした山眠る
うた歌妙
寮長の骨酒まろし山眠る
林りんりん。
遺失物温めて山眠りけり
大和田美信
山眠るゆるりゆるりと開く茶葉
田辺ふみ
クマーリの眼は黒々と山眠る
吉永尚
山眠るカンファレンスの磨りガラス
acari
山眠るこんちくしょうを丸飲みし
葉月のりりん
山眠る山彦山へ帰りけり
茫々
山眠り砥石は斧に細りけり
醒子
温室のガラスの湿り山眠る
このみ杏仁
山眠るくじらのうたの周波数
天陽ゆう
山眠るどこも開かぬ鍵一つ
うしうし
赤ヘリの影の孤独に山眠る
たつき
ゲレンデもヒュッテも温し山眠る
あるる
関取の尻どっしりと山眠る
どくだみ茶
老犬の脊柱円き山眠る
戌亥
叙情歌の流るるラジオ山眠る
江戸川青風
行き場なき汚染残土や山眠る
M・李子
電線の反射軽やか山眠る
安溶二
山眠る祖父の墓前にCAMELかな
星月さやか
老人ホーム山眠ること幾度
京野さち
ひび割れし天狗の鼻や山眠る
おぐら徳
ふところの埴輪あやして山眠る
月硝子
山眠るカーナビの履歴すべて消す
むらぴ
うすき日を踵の皹へ山眠る
靫草子
けもの道塗り込め山は眠りけり
中山月波
山眠る未だほの温き父の骨
八幡風花
山眠る家出には頃合いもよし
楽花生
村飢えし昔話や山眠る
市橋正俊
山眠る堰の吐く飛沫の無音
月岡方円
山眠る職員は皆欠伸して
Q&A
山眠る祈る炎にヤクのにほひ
綾竹あんどれ
仏壇の折鶴飛ばず山眠る
山口雀昭
楽譜足すデクレッシェンド山眠る
山城道霞
どどどぉんと採石発破山眠る
清水祥月
獨逸語の解剖ノート山眠る
和泉穣
山眠る宿に預けしラフロイグ
永想
列島は大きな切れ字山眠る
酒井おかわり
対称に割れぬ割り箸山眠る
宮坂暢介
戦況を告ぐるラヂヲや山眠る
ひでやん
ぎくしやくと骨軋ませて山眠る
万喜ミツル
馬跳びの声の向こうに山眠る
向原かは
作業着に「太一」の徽章山眠る
斎乃雪
山眠るふりする土の根の強さ
桂葉子
バリトンの溶け行く小川山眠る
片岡 龍酪
山眠る目印の石中腹に
音のあ子
東雲に子の産まれけり山眠る
夏の小町
寡婦へ死はまことゆるやか山眠る
矢野貴子@金カル
山眠る遠くペルシャのガラス瓶
背馬
悪役がヒーローの夜山眠る
立石神流
九族の墓を集めて山眠る
叶
大スベりかます楽日や山眠る
大黒とむとむ
羊飼いは独り身のまま山眠る
亀の
ファゴットのオクターブ下げ山眠る
由づる
警戒レベル2孕み浅間山眠る
雨霧彦@木ノ芽
予定日は山笑ふ頃山眠る
あたしは斜楽
弔いの旗静々と山眠る
和泉明月子
斥候のコーリャン粥や山眠る
すがりとおる
はめごろし窓のくもりよ山眠る
豆闌
山眠る子は学校を二回辞め
五十 理化
まんじゆうのやうに讃岐の山眠る
朶美子(えみこ)
震度七爪跡消えて山眠る
石橋猿山
めぼ覆う眼帯ぼわり山眠る
みやま千樹
息荒きヒルクライムの山眠る
輝凛
山眠る言いたいことある父の顔
沙那夏
アルバムの眠る子は吾山眠る
丹波らる
黝き眠れる山と山の間
川岡すえよし
山眠る定理のごときぶな木立
鷹取 碧村
鎌倉に晶子の歌碑や山眠る
細川小春
山眠りまた太き足太き腹
千暁
むらさきの帯稜線に山眠る
田中勲
メイプルシュガァひと匙の幸山眠る
at花結い
山眠る自転車のギア変える音
西田武
山眠り孔雀の羽は生え揃ふ
月石 幸
山眠るヘッドライトに獣の影
万葉剣
山眠りケーブルカーの点検中
杉尾芭蕉
山眠る飯を喰ふもの生きてをり
斉藤百女
山眠る俳句入門十冊目
やまだ童子
バリトンの欠員二人山眠る
伊吹はたき旧名狩谷わぐう
石鹸に付ける石鹸山眠る
居並小
絶縁の身内の訃報山眠る
星乃ぽっち
一村を抱く湖水や山眠る
斗三木童
山眠る長距離バスのかたんかたん
田中ミノル
山眠る薄荷残りしドロップ缶
前田麺
三山は涅槃のごとく眠りけり
香壺
薄ら日のスノードームや山眠る
咲元無有
山眠るネットラジオの時差二秒
こいぬ
頂きにホテルを据えて山眠る
さゐあけみ
マニ車は微かに軋む山眠る
竜胆
犬神様の祠をとぢて山眠る
髙橋弓女
ボンネットバスの墓場や山眠る
港のパン屋
山眠る蝸牛のやうなループ橋
さるぼぼ@チーム天地夢遥
黒い雨のかすかな記憶山眠る
みどりがめ
山眠る「弟が行方不明で」
ぉ村椅子(志村肇)
地図に無き川の川音山眠る
竹内一二
山眠る雲の流れの疾き朝
かつたろー。
山眠る直線だけの採石場
樹朋
切断の傷盛り上がり山眠る
空豆魚
白粥をふくめば神戸山眠る
茶
あばら骨多さうな山眠りけり
堀口 房水
山眠るバスを待ってる庵主さん
とんぼ
無医村の赤き点滅山眠る
一石渓流
下りくる男に狐臭山眠る
にゃん
山眠るクレーム無しの懇談会
有田みかん
源流はゆたかに白し山眠る
にゃん
山眠る祖父の形見の銀時計
野口日記
武蔵野行く電車は昏し山眠る
時まる
山眠るひそむ獣の咀嚼音
深草あやめ
こじ開けし祖母の引き出し山眠る
さくやこのはな
迷家にありし古井戸山眠る
榊昭広
山眠る誰が棄てたか蓄電池
澄海
山眠るボート倉庫の南京錠
南風の記憶
山眠る観光ガイド研修会
川村湖雪
山眠る未完の嘘をきらめかし
阿部猪子
縄文の北のまほろば山眠る
篠田ピンク
耳鳴りと息づかいだけ山眠る
まつといのいち
色あせた御柱四つ山眠る
羅美都
実弾の轟く裾野山眠る
風の鳥
山眠る機上から富士アナウンス
HNKAGA
死顔の見知らぬ貌山眠る
稲畑とりまる
屠畜場の灯りて昏し山眠る
げばげば
山眠る吾が拍動の確かさよ
茉叶
武骨なる形見のナイフ山眠る
星埜黴円
山眠るヘッセの蝶の粉々に
中田ひで
乾燥警報カサコと山眠る
理酔
山眠る真夜のパソコン我映す
藤井舞月
引出しの奥のミルキー山眠る
梓弓
テアトルの白き緞帳山眠る
古賀未樹
山眠る鉋をかける手は玄し
鷹之朋輩
クマムシの砕けし月の山眠る
井納蒼求
禿鷹やくちいくちいと山眠る
種種番外
終バスは明日の始バス山眠る
日向こるり
山眠るけたたましく湯沸きにけり
佐野 明世
千羽鶴折れど折れどや山眠る
清水千種
山眠る御召御納戸色の夕
叶田屋
高縄の河野一族山眠る
門屋定規
柿色のシリコンバレー山眠る
佐藤志祐
ナイターの灯り彼方に山眠る
杜乃しずか
局員の赤き自転車山眠る
はなあかり
山眠る塹壕ぽかとくちあいて
夏雨ちや
山眠る研究室を明け渡す
ヅラじゃない
特盛の激辛麺や山眠る
みなみはな
「土地売ります、坪千円」山眠る
佐藤志祐
山眠り母の心拍安定す
吉川花ほっぺ
水曜の街は定休山眠る
播磨陽子
山眠る空き家に掛けるカレンダー
谷山みつこ
リモートの進路講話や山眠る
オルガネラ
雨脚のこだましんしん山眠る
博さん
山眠る化学工場跡地かな
新多
噴き上ぐる糸杉越しに山眠る
火炎幸彦
ピザ窯の冷えて邪魔くさ山眠る
トポル
ねえさんの子をあやす声山眠る
大野美波
充電の減るまま眠る山眠る
門のり子
ビル街の奥青黒く山眠る
あなうさぎ
山眠る一礼深き誘導員
福井三水低
山眠る銀朱の渋谷へと晩鴉
萩野つき
隠し湯の岩きんきんと山眠る
蓮花麻耶
十日目のやつと青空山眠る
野地垂木
木の数を余さず数え山眠る
白鳥国男
養鱒の採る卵なり山眠る
菊池洋勝
御祈祷の吾の名のあとは山眠る
昇華
咆哮は詩人か虎か山眠る
吉野川
波たひら運河きらめき山眠る
里甫
地球儀に凹凸はなし山眠る
夢見昼顔
山眠る象はバオバブ齧り初む
晴田そわか
山眠る退職の日の空澄みて
嵐菜
山眠るコンビナートのオレンジに
幸久
補聴器のハウリングまた山眠る
松井くろ
山眠る握り拳をデッサンす
矢橋
舌先の潰れし血豆山眠る
山川腎茶
山眠る国道端のモアイ像
蓼蟲
山眠る振り子時計がふるふると
村田かっこう
薪割りを教へる五郎山眠る
高橋寅次
骨だけのビニールハウス山眠る
深山むらさき
伝赤人の墓山眠る呼吸音
としなり
つばらつばらの菓子ふんわりと山眠る
真宮マミ
さびれたる鳥居の傷や山眠る
安部亜喜代
中継のシュプレヒコール山眠る
TAKO焼子
厳かに荒ぶる風や山眠る
砂楽梨
山眠る天狗の嗤い百里まで
いごぼうら
とむらいの五千なる灯よ山眠る
河南朴野
山眠る色が足りぬか黙る空
白井 佐登志
最澄の箒の撫でて山眠る
弘友於泥
山眠るネパール人の転校生
くりきんとん (10歳)
五十年前の臍の緒山眠る
キッカワテツヤ
行く雲と同じ色して山眠る
一走人
蒸らしたるモカの呼吸や山眠る
月見柑
哮り立つアマラとカマラ山眠る
山本先生
山眠る宿のシチューに黒き肉
西川由野
やま眠るけものの夢はたねの色
高尾里甫
インターを右折故山の山眠る
達坊
お悔やみを記事で知る朝山眠る
井田みち
漆黒のマグマ溜りや山眠る
世良日守
引き千切る方眼ノート山眠る
万寿果
山眠る厨に伏せてある土鍋
古都 鈴
手の中の小さき翅音や山眠る
糺ノ森柊
分校の遊具御巣鷹山眠る
アンサトウ
山眠る籠のインコは騒がしく
カオス
弟が帰らぬ理由山眠る
加世堂魯幸
胎の子の跳ねるしやつくり山眠る
常磐 はぜ
千本の桜の思案山眠る
和鹿島荒巻
山眠る法螺貝の音のくぐもりて
真井とうか
手のツボを押して離して山眠る
いたまきし
杣人の甘き鈴の音山眠る
くま鶉
消えさうな猿の足跡山眠る
季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
山眠る私の歩みが軽いのか
島 静寂
手をつなぐわらべ唄なり山眠る
灰頭徨鴉
金色の堂の読経や山眠る
28ひろきち
起震車の去りし校庭山眠る
夏野あゆね
新聞に短観の記事山眠る
入口弘徳
母子像の冷たき乳房山眠る
みやかわけい子
山眠る水道管のきしむ夜
森野しじま
全財産ぽっけにちゃりん山眠る
くさ
物置の祖母の火鉢や山眠る
里山疎水
麻酔ゆるやかに痛みへ山眠る
稗田鈴二郎
日に三度計る体温山眠る
富山の露玉
吊革の鳴きて終点山眠る
ひなた和佳
山眠る信号だけが動く街
水蜜桃
山眠る枯葉が土となるまほう
里山子
山眠る廃館室外機ずらり
仁山かえる
山眠るミサイルはここまで来ない
曽我真理子
山眠る公衆電話は空っぽ
清白真冬
山眠り夜景に澄んだ息を吐く
芍薬
人のこと言える立場か山眠る
虎八花乙
ほのあかるき遥拝の窓山眠る
眠 睡花
ためらいの大言壮語山眠る
ちびつぶぶどう
山眠る派手な表紙の終活本
森中ことり
ゴンドラに斜面を貸して山眠る
塩野谷慎吾
エンジンの止まれば飯か山眠る
戸口のふっこ
電線の太さ色々山眠る
28あずきち
山眠る胎児ひとりが醒めてゐる
横縞
山眠るロープウェーの客疎ら
誠馬ノマド
絶壁に誰のハーケン山眠る
奈良の真
神鹿に奇形の角や山眠る
ちゃうりん
山眠る不動明王ただグレー
竜田側
本線へウインカーの灯山眠る
和季
山眠る母の遺骨は真珠色
花咲明日香
山眠る開かず返す参考書
音羽凜
眠りたる山や新駅反対派
あさのとびら
山眠る空の青さの濃きところ
龍田山門
投函はハガキ一枚山眠る
くりでん
断層の匂ひ立つ朝山眠る
きなこもち
避難命令は出たまま山眠る
江藤薫
ペンギンの知らぬ処で山眠る
橘鶫
授乳後のぎゆるぎゆるお腹山眠る
多事
山眠る灰寄せの音かすかなり
細木さちこ
山眠る数分おきの救急車
紅紫あやめ
山眠るほぼ大豆から成る暮らし
村上右佐
兵庫津の生活の忙し山眠る
はなだんな
オシラサマの足音みしり山眠る
まがりしっぽ
山眠る此処龍の手の影の中
ふるてい
山眠る夜を許さぬ鶏舎の灯
土田耕平
鬼狩りの一族の墓山眠る
広瀬 康
雷鳥の車内あたたか山眠る
丸山隆子
山眠る瓦斯ちちちちち点火せぬ
木染湧水
夜通しのコンビナートや山眠る
宮村土々
湖底より明智の史跡山眠る
田端 欲句歩
山眠る水は静かに燃えている
Vn 花のん
シのずれし象牙のピアノ山眠る
葉村直
音読の「手ぶくろを買いに」山眠る
もりたきみ
山眠る地滑りの疵深く負ひ
丹羽寒国
山眠る家族だったと零す宵
あきののかなた
山眠る間はやまびこ禁止です
三浦にゃじろう
山眠る星の寿命の終わりたる
笹間明明
唐臼は倦まず弛まず山眠る
パーネ・メローネ
山眠る全身の樹を尖らせて
こなねこ
異体字の「津輕」完読山眠る
ぶうびい
渓谷のディーゼルの揺れ山眠る
小川野棕櫚
山眠り合掌造りニ百に灯
中島 真珠
鉛筆の影のとんがり山眠る
板柿せっか
カーナビの指す崖底よ山眠る
あなぐまはる
焦げくさき縄文土器や山眠る
くろけん
最賃で働いてます山眠る
寺尾当卯
山眠るポロッポ鳩も電線に
透史
山眠る生酛造りの仕事唄
干しのいも子
飯桐の実はふさふさと山眠る
余熱
桃紅の「これでおしまい」山眠る
yoko
よう喋る四歳ウルサイ山眠る
新開ちえ
鬼泣きの堂に閂山眠る
ツカビッチ
大鳥居残るうぶすな山眠る
三泊みなと
青く怒る蔵王権現山眠る
なかの花梨
山眠るレコード盤の溝深し
上村 風知草
終バスの尾灯のまぶし山眠る
冬水 常
素戔嗚のあくび響みて山眠る
谷口詠美
山眠るじょんがら終えてしまう撥
宇田建
テレビ見ぬ暮らし五日目山眠る
片栗子
天動説の星座は翔ける山眠る
越智空子
弔ひの輿賑やかに山眠る
海野碧
ひとりには広すぎる家山眠る
中里 凜
火に軍手干し肉炙り山眠る
二重格子
棲まふもの皆引き連れて山眠る
伊予吟会 心嵐
土静かに急いて山眠るうちに
羽織茶屋
山眠る地獄沼への道隠し
津軽わさお
山眠る右へ曲がれば鵺の池
野の花 誉茂子
いちにいちにと杖先に山眠る
瑠璃星
ホルマリン漬けの蛇皮山眠る
小池令香
ささくれの多き吾子の手山眠る
暖井むゆき
山眠る車庫から覗くトラクター
白井百合子
山眠る報道ヘリの入り乱れ
濃イ薄イ
鎖場にただ二人おり山眠る
川村記陽子
山眠る温泉街に廃墟群
根本葉音@花芭蕉句会
ハングルは水をムルてふ山眠る
石川聡
頂きの古き祠や山眠る
よかわもりお
複眼の空は虹色山眠る
きのえのき
山眠る千人風呂に客一人
津軽ちゃう
山眠る臨終の日は晴れ渡り
今野淳風
リヤカーの無人販売山眠る
苺井千恵
釉薬の雲たれるごと山眠る
さとう菓子
予定超え終わらぬ手術山眠る
杵築きい
山眠る地酒天麩羅田舎蕎麦
あつちやん
山眠るやつぱ東京行つちまお
紫小寿々
山眠る砂利道走る赤いバス
水無月
獣毛に煙立つ雨山眠る
葵新吾
夕暮れはウルルの如し山眠る
寿貢
キャタピラの跡生々し山眠る
里すみか
懐に月の社や山眠る
まるちゃんにいさん
善行の返る善行山眠る
津軽まつ
鉄塔の白き輪郭山眠る
研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
山眠る幹はドクドクみづ湛へ
木ぼこやしき
百坪の空き家解体山眠る
石岡女依
午後二時に届く夕刊山眠る
小豆白虎
コンビニの閉店時間山眠る
田畑整
山眠るよろづの言を棄つるなり
風慈音
山眠るこつちは鹿のあばら骨
飯村祐知子
獣らの心音のみぞ山眠る
はごろも856
ドローン来る山の眠りを迂回して
黒蜜かりんとう
山眠り星降る夜のブラームス
桃香
日本てふ弧状の雫山眠る
かむろ坂喜奈子
菩提寺も閂かたく山眠る
谷町百合乃
底の街百粁隔て山眠る
佐藤俊夫
ラジオからフォーレミサ曲山眠る
河野灰土
山眠る休眠預金没収され
諧 真無子
牛小屋に隣る味噌部屋山眠る
中根由起子
弾切れの首なし拳銃山眠る
清水縞午
蔵深く醪ふつふつ山眠る
留野ばあば
山眠る豆電球のごとく月
田中木江
静かなるワインの澱や山眠る
ラーラ・K
山眠る土偶の腹に丸き闇
稲畑とりこ
せせらぎは悲歌鉱毒の山眠る
石田将仁
白神の統ぶる橅林山眠る
野々原ラピ
時限爆弾めきて子眠る山眠る
句楽岡徨詩
救護ヘリ去つて無音や山眠る
朝月沙都子
五つ目の変異にわかに山眠る
あやっぺ
山眠る長押へ祖父の村田銃
山くじら
獲麟の罪負い西の山眠る
磯田省吾
山眠る湯もとの村の配管工
オサカナクッション
体毛をみな逆立てて山眠る
洒落神戸
山眠る昏き己こぼす熾火かな
利尻
山眠り足駄ぱこんと折れにけり
ぐずみ
跳び箱の着地さまざま山眠る
武井かま猫
軽トラの排ガス白し山眠る
畠山 悊央
いつぴきのかへるをおもひ山眠る
青海也緒
山眠る明日への糧のウヰスキー
ざうこ
山眠る採卵鶏は殺処分
おかか丸
酌むためのほしじし吊るし山眠る
メレンゲたこ焼き
影海へ深く青くや山眠る
敦子
山眠る本当に好きなのは猿
野井みこ
山眠る般若心経掠れおり
泡波
言の葉の消えし空白山眠る
陽光樹
濡れ顔の馬頭観音山眠る
海音寺ジョー
校庭に声三つほど山眠る
黒麹 糀
プレゼンのレジュメ綴じ綴じ山眠る
千葉羅点
山眠る戻らぬ人と暇つぶし
鈴木勝也
山眠るゴミと並びし参考書
雅屋少将
8Bの鉛筆削る山眠る
夏風かをる
山眠る森林組合の椅子に
夕虹くすん
蔵書票ふちの縁まで山眠る
ひねもす
山眠る全ての色を消し去りて
真喜王
10キロの貫通トンネル山眠る
神谷たくみ
マリンバの低きトレモロ山眠る
みつれしづく
山眠る鳥に五色を与えては
美馬ひとみ
巨大なる影を落として山眠る
金太郎
日本は月の直径山眠る
北大路京介
玄武てふ巌を臍に山眠る
ツナ好
山眠る灰皿へ遣る花器の水
ほろろ。
山眠る夜を工事の貫けり
千波佳山
銃眼の全き十字山眠る
玉庭マサアキ
銘切りの銀の音ぎらり山眠る
坐花酔月
山眠る賽銭集金する仕事
石井ちづ
山眠る観音岩のあるところ
秋熊
足跡は夜番の獣山眠る
木村ひむか
山眠る採掘調査地の無人
倉木はじめ
山眠るちょっと撫でたいかたちして
髙田祥聖
山眠る図書館の読み聞かせ会
俳号考え中のユキ
次の自治会長決めて山眠る
紺乃ひつじ
山眠るコタンに灯る火はきれい
柳浦総師
隊長の美しき引き際山眠る
うに子
一昨年のビーコン静か山眠る
新子熊耳
小さき手のアルペジオなり山眠る
鳥羽南良
山眠る校歌の遅く聞こえる日
牧野冴
山眠るとは辛抱の山暮らし
ヤヒロ
乳臭き赤子ぬくぬく山眠る
ふくじん
山眠る屍ほろほろ骨と帰す
松田てぃ
軟膏のにほふ耳たぶ山眠る
丹下京子
吟遊や旧約聖書の山眠る
蝶番
休廷の窓の明るく山眠る
さくさく作物
産み果てて藁舐むる牛山眠る
澤村DAZZA
行先を告げぬ獣や山眠る
詠頃
ひじ川の鯉睦み合ひ山眠る
渡邉桃蓮
薄青きビーカーの間に山眠る
加良太知
山眠りバレルの酒は深まりぬ
千代 之人
実といふ実分け呉れたのち山眠る
直
山眠る石を貫く古木あり
ありあり
カーナビの嘘がうっせー山眠る
武者小路敬妙洒脱篤
山眠る祈りはビーズ通す糸
一斤染乃
追焚きの橙ランプ山眠る
お天気娘
ポケットに仁丹の粒山眠る
荻原き乃
山眠る痩せた獣のあばら骨
ダック
銃声のおもちゃじみたり山眠る
宮勘八
山眠る尾灯連なり曲がりけり
藤 白月
浄髪を拭う一の字山眠る
森脩平
古酒蔵となりし坑道山眠る
亀田荒太
追分を越へて平たき山眠る
紫鋼
野辺を行く棺の小さきや山眠る
犬山裕之
生前の父の字が好き山眠る
花伝
喪の床の日差ししづかや山眠る
神山やすこ
山眠るここまで来てもカツカレー
山田蹴人
山眠るカモメの中を漁舟かえる
越前岬
欲深き人みな拒み山眠る
銀 次郎
山眠るくるりと回し投網打つ
空木眠兎
麓には長き葬列山眠る
聞岳
病院の窓の退屈山眠る
岡田雅喜
絵手紙に遺されし字や山眠る
越智ぷちまり
裏紙に嘘ずっしりと山眠る
恵勇
山眠る波濤の轟音聞こえぬか
哲庵
山眠る巨人の鼻息が荒い
けーい〇
牛の怒気白き残して山眠る
ウロ
おちこちにカラミ煉瓦や山眠る
鈴木裕公仁
山眠り観音さまのお身拭い
夏草はむ
山眠る我関せずのカピバラよ
赤尾双葉
山眠る耳鳴りの底誰ぞ棲む
毒林檎
星星の軌跡半円山眠る
吉武茂る
山眠るシリウス右に従えて
神田行雲
関東平野遠く囲みて山眠る
鈴野蒼爽
ひょいと山眠り静かな時過ぎる
円 美々
山眠る禁煙ガムに土の味
イサク
白犀のうたた寝まどか山眠る
山河穂香
山眠るしゆしゆと湯の沸くアルミ鍋
久蔵久蔵
山眠る疫病の街に紙の月
白鳥古丹
玄武岩採掘場跡山眠る
栗の坊楚材
山眠る楽器の洞に残る音
妹のりこ
たたなずく山眠りをる奥信濃
花屋英利
遮断機と青の照明山眠る
春蘭素心
山眠る炭酸水で夜を割る
涅槃girl
次発待つ列にひとりや山眠る
ちかひか
山眠る列車を降りる女学生
岸野 草太朗
青空の鳥音もなし山眠る
風蘭智子
山眠るひとりで逝くと決めた父
紫蘭
山眠るラシーヌ賛歌聴きながら
蒼鳩 薫
樹雨しづやか神名備の山眠る
咲弥あさ奏
朽ちてなほ円空仏や山眠る
祐
山眠る城塞都市の建築史
真冬峰
無機物へ分解される山眠る
縁穐律
吠えたこと忘れるライオン山眠る
ゆすらご
呼吸するゴジラの背びれ山眠る
吉谷地由子
磨崖仏あらはなりけり山眠る
山中 揚(改:山中陽子)
落石注意の錆びし標識山眠る
きのと
麦味噌に麦の四五粒山眠る
果禄
水金地火木どってんすうと山眠る
河本かおり
山眠るレコードに針ふはり置き
黒澤墨青
足跡に浸み出したみづ山眠る
あまぶー
外つ国の沈みゆく島山眠る
ノアノア
初窯を二十日みとどけ山眠る
孔明
湯治場の夕餉は質素山眠る
野ばら
山眠る三号棟のリノリウム
浦野紗知
山眠る椅子がかくされていた朝
磐田小
背戸に研ぐ抜糸剪刀山眠る
克巳@夜のサングラス
オクターブ下げし重音山眠る
ひぐちいちおう(一応)
サプライズケーキの果実山眠る
青柳修平
山眠る子のテレワーク果ての無く
露崎一己句
官報に我と同じ名山眠る
ダンサーU-KI
山眠るシルクロードの夜の石
まあぶる
親の諾もらへず伊吹山眠る
藤井赤童子
山眠る問わず語りのカウンター
紅小雀
飯盒に米こびりつき山眠る
城内幸江
落款の朱は全し山眠る
石井瑩
千年バナジウム吐いて山眠る
黒田
山眠り頂上に濃き寺灯り
すずしろゆき
耳鳴りはドの音のまま山眠る
そうり
白老の牧よ種牡馬よ山眠る
蜥蜴の尻尾
縄文の地層あらわに山眠る
秋野茜
山眠る閉ざす門扉に「犬注意!」
せいち
山眠る象は象舎に猿は湯に
なしむらなし
隧道に風集きをり山眠る
まこ@いつき組広ブロ俳句部
おほらかにみづたくはへて山眠る
アロイジオ
山眠る吟句に白き倦怠期
あたなごっち
山眠る分銅減らす台秤
福田みやき
叡四山灯り絶やさず眠りをり
安井コスモス
逆縁の友の一礼山眠る
冬樹 立
未明より風鳴り出して山眠る
海老名吟
山眠る錫杖の音響きをり
たむらせつこ
ふくろふのやうなくちぶえ山眠る
藤 雪陽
山眠り刺し子の糸の月を描く
じゃすみん
新しき供花とマルボロ山眠る
陽光
山眠る町会長のえへん虫
嶋田奈緒
また何かニュースやってる山眠る
諸塚凡志
すり鉢の谷へごづごづ山眠る
北藤詩旦
山眠るコンテナ船のロシア文字
川蜷
山眠る洋書の入荷待ちにけり
梵庸子
ICU指輪を夫へ山眠る
杜まお実
鉄塔にかんじきの跡山眠る
福岡参山
リニアカー工事途切れて山眠る
どいつ薔芭
陽に当たる乾いた束子山眠る
玉野汐音
山眠る軒まで積みし薪ざっぽう
堀雅一
山眠る淹れてもらって飲む珈琲
ぼたにこ
源流の小さきコップや山眠る
久留里61
山眠る軋む水車のワヤン・クリ
ま猿
夜行バス名変えし町へ山眠る
千葉睦女
六甲に希望の灯り山眠る
田邉真舟
山眠る灯油巡回販売車
みづちみわ
御嶽を流るる沢や山眠る
ときめき人
山眠る六十五歩の万歩計
白薔薇
大文字の火床へ雨や山眠る
えいぎょ
烽火場に火の跡は無し山眠る
夏湖乃
山眠る廃炉完了まで何年
田中舵郎
ハウリングの防災無線山眠る
でんでん琴女
山眠る四国や翔ける米軍機
野中泰風
薪爆ぜて片眼つぶるや山眠る
清水明美
小籠包口に弾けて山眠る
ふもふも
穴窯の煙の行くへ山眠る
しゅういずみ
夕映えのゴジラ岩吠え山眠る
品川笙女
老眼鏡二つ並べて山眠る
木玖子@ノエル
山眠りどこでも停まる町営バス
英子
出迎へは木彫熊なり山眠る
三浦金物店
山眠るリヤカに柴を吾と祖母と
栗田 もとえ
山眠る早朝ラジオ警報を
日々拓人
山眠る木立は空をわしづかみ
山本 マユミ
翼折れ薄目の虎よ山眠る
司啓
山眠る曇り硝子のミルク色
玉響雷子
亡き犬を埋めたスコップ山眠る
はぐれ杤餅
山眠る煮詰めしジャムの瓶四つ
泰山
山眠る「立入禁止」の赤赤と
剛海
山眠る結び目固き熊避鈴
素空
麻を織る娘十和田の山眠る
荒木俊充
眠りたる山とNHK第2
くみくまマフラー
えんぴつのタッチやはらか山眠る
乃筈三拍
ドライブの木管の音よ山眠る
瀬央ありさ
外れぬ指輪山眠る銀婚
蕗野弥音
湯のたぎる当直室や山眠る
小石日和
水無川てふ川流れ山眠る
なおじい
姥捨ての頃そのままにに山眠る
葉月けゐ
風が消す獣の匂いや山眠る
雛子なな
猫の目は濡れたビー玉山眠る
佐々木 洋治
極東に夫呑みこみし山眠る
常盤あけび
山眠るリバーサイドに印刷屋
いその松茸
房総の養蜂箱や山眠る
上津 嘉子
ふるさとを看取れば墓標山眠る
優木ごまヲ
生卵ふるりと胃まで山眠る
ねむり猫
立会の拇印ぼんやり山眠る
山羊座の千賀子
山眠る南京町の小籠包
岡山小鞠
廃業の後の空白山眠る
パッキンマン
芸人のラジオの笑ひ山眠る
毛利尚人
山眠る吾は終日尿近し
峰 乱里
信親の討たれし山も眠りけり
灰色狼
酒蔵の体温ゆるく山眠る
新城典午
山眠る文庫を買って帰宅せよ
公木正
熊鈴の部屋にちりんと山眠る
オキザリス
遠き眼の武人の埴輪山眠る
くらぎ よしか
山眠る山羊が活躍する映画
大小田忍
鉄塔の鈍色深し山眠る
石下ふみ
ひとつ灯の素掘り隧道山眠る
長谷川水素
神さまを待つ明け方の山眠る
森田かな
山眠る湖畔に奇異な歯の獣
白プロキオン
信州の烽火も遥か山眠る
相模の仙人
ちりれんげに白粥しろく山眠る
佐藤香珠
滑舌の悪しきエルフと山眠る
光峯霏々
魚獲れぬことを惑ひて山眠る
くめ仙人
静脈へ落ちる点滴山眠る
sol
山眠る市旗はポールに絡まない
ぞんぬ
山眠る缶を蹴るには錆びすぎて
清永ゆうこ
山寺に不動明王山眠る
おきいふ
手を挙げて死んでいく空山眠る
まんぷく
催眠の輪は緩やかに山眠る
快晴ノセカイ
灯台を見守るやうに山眠る
ピアニシモ@金カル
基礎残る解体の家山眠る
きべし
山眠る朝や無線のトロイメライ
青野彼路
山眠り先生は臨月になり
緋乃捨楽
山眠る色を星から貰うため
灰田兵庫
山眠る赤本閉じる音すまで
長楽健司
山眠る太極拳の朝早し
如月 さら
利休茶よ利休鼠よ山眠る
久我恒子
朱の尾羽インコ眠りて山眠る
るびちゅ
枝に鳥むっくりといて山眠る
もぐ
鉄塔は魔王のごとく山眠る
長谷機械児
四輪車あそこ迄かと山眠る
菊池克己
背に軽き母のねんぶつ山眠る
まー坊
山眠るほら吹き樵早来んか
さとう夢虫
柿の木に蔕の四角く山眠る
はまゆう
雲どこか墓碑めき山は眠れるか
すいよう
前置詞のごとき雲影山眠る
羊似妃
山眠る投了は一昨日のこと
旺上林加
鈴なりのブレーキランプ山眠る
遥風
演歌漏る独り住まいや山眠る
四丁目
ふうと山眠るかすかにエンジン音
小鳥ひすい
おかわりの声なき教室山眠る
風ヒカル
山眠る織り機に垂るるつなぎ糸
小川都
バス停に運休の札山眠る
釜眞手打ち蕎麦
縦に降る遥かなるみず山眠る
福田かな子
山眠る農夫は畠にあらわれず
ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!
投句はこちら