【並選】
段畑の拝む宇和海鰯雲
津軽まつ
さばさばと負けを認めて鰯雲
伊予吟会 宵嵐
見送りてはやバッキンガム宮鰯雲
きゅうもん@木の芽
眼鏡屋を出て真新し鰯雲
伊江かつじ
側溝へ十円いわし雲綺麗
深町宏
滑走路旅立つ音に鰯雲
渡邉花
試乗車のバックミラーに鰯雲
東原桜空
鰯雲もう引きずらないと決めた
岡山小鞠
鰯雲カリヨンの音色が届く
伊藤辰弥
校長の訓話は続く鰯雲
井田みち
鱗雲楽譜は読まぬ子のピアノ
紺乃ひつじ
鰯雲銀婚式のあと別居
剣橋こじ
鰯雲三年ぶりに開く市
篠田ピンク
初めての湯灌や鰯雲白し
コーヒー博士
泉屋のクッキー紅茶いわし雲
木染湧水
鰯雲目的地までナヴィの声
いなだはまち
パックマンめくや気球と鱗雲
藤咲大地
鰯雲引かれる牛の目に涙
猫楽
置き配の扉いわし雲の朱く
武智しのぶ
鰯雲案内図から消えた町
富士桜花
三宮テナント募集いわし雲
川上生煎
八歳の長女抱きたき鰯雲
みおつくし
友情の最後は嫉妬いわしぐも
冬のおこじょ
鰯雲ひとりごはんの昼休み
蓮田やどかり
伊島から沼島の方へ鰯雲
中村笙平
神渡る石畳なり鰯雲
パーネ・メローネ
喪服着て搭乗ゲート鰯雲
謙久
噴煙を追ってそのまま鰯雲
北岳醍醐丸
カルデラの腹式呼吸いわし雲
秋野木吾
高熱の吾子の瞳を鰯雲
千代 之人
鰯雲へと立ち漕ぎの跨線橋
深山むらさき
補聴器がはずれてますよ鰯雲
川越羽流
いわし雲に一盞終の旅なれば
天東あさじ
いわし雲世にそつくりは三人とか
よかわもりお
ダッシュ百本紅くなりゆく鰯雲
羽衣
相づちのパターンは三つ鰯雲
霜田あゆ美
乳を飲むまつげ上向き鰯雲
紀友梨
ゴーストノートは鰯雲の隙間に
升 丁茶
年下の友の葬終え鰯雲
宗平 圭司
キーパーの強き右腕鰯雲
向原てつ
鰯雲迷路のやうな漁師町
ふじこ
ジャフバッチ残し解体鰯雲
野山遊
かさぶたの下はももいろ鰯雲
和季
鰯雲みんな勝手な事ばかり
絵夢衷子
意味もなく置きたる遺品いわし雲
砂山恵子
雨雲の切れてその奥鰯雲
釜眞手打ち蕎麦
六十年暮らして更地いわし雲
もぐ
溜息を吐くたび増える鰯雲
河本かおり
散髪が今日の予定や鰯雲
林常住
鰯雲赤し煙草の火種落つ
土谷海郷
引継ぎも昼過ぎには済み鰯雲
西田武
鰯雲おかゆいところないですか
露口全速
いわし雲書けない漢字またひとつ
Nakahara結月
鰯雲ずらずら右折車の後ろ
平良嘉列乙
ままごとに母の口癖鰯雲
Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
転職の面接かへり鰯雲
むったん@狐狸山会
新車並ぶ空色シャッターと鰯雲
ぐりぐら京子
鰯雲に泣いてお勝手より入る
明後日めぐみ
君はもう他の園の子鰯雲
服部あや
ふたりして朝餉に並び鰯雲
あらら
鰯雲退部届けと吾を置いて
しみずこころ
鰯雲実習生は腹が空く
ひすい風香
鰯雲遠洋に発つ貨物船
白髭
亡き人のアバラ骨に似た鰯雲
稲見あやた
いわしぐもほどけゆうひにのまれそう
大紀直家
鱗雲ポンプ車ブーム伸びてゆく
美月 舞桜
日暮れまで「海ほたる」から鰯雲
水間澱凡
我老いぬ記憶は千千に鰯雲
石川 浩
粗末なる偉人の生家いわし雲
くりでん
家族とは血の繋がらず鰯雲
松本笑月
ぷつぷつと血は膝に湧く鰯雲
睦 陽花
鰯雲クラーク像の指湿り
白庵
降るやうにあまねく白や鰯雲
まこ@いつき組広ブロ俳句部
鰯雲まるでマリオの8-3
あらい
足場組む職人ふたり鰯雲
もりたきみ
とりとめのない立ち話いわし雲
字坊人造
鰯雲踏めば弾んだ転がった
石崎京子
駒駆ける大草原や鰯雲
川島欣也
不明の子元気でをつて鰯雲
多事
鰯雲ヒトが二足で歩いた日
芦幸
用水路の石碑は旧字鰯雲
阿波オードリー
気の抜けたサッカーボール鰯雲
小笹いのり
録画デッキの壊れし朝や鰯雲
宗本智之
鰯雲軽やかにつく松葉杖
吉谷地由子
医師告ぐる経過観察鰯雲
端 花菖蒲
抱へ買ふ襁褓一式鰯雲
くま鶉
靴底のガム削ぎ落とし鰯雲
田中ミノル
鰯雲道に迷いて街を知る
諸塚凡志
子を喪くし猫彷徨えり鰯雲
猫凡
アクセルを弛め鰯雲へカーヴ
海野あを
鰯雲地球めぐりし靴の紐
千葉信子
アンカーがアンカーを抜き鰯雲
里すみか
省みること多くなり鰯雲
三崎扁舟
同僚のやさしき嘘やいわし雲
ざうこ
旅先の地域新聞うろこ雲
上津 力
比叡より鳶鳴く京へ鰯雲
佐久凡太郎
鰯雲三年ぶりに山車動く
西町彰子
段々畑下れば海や鰯雲
笑酔
ままごとをこまごま広げ鰯雲
旺上林加
加太の沖鰯雲追ふ武蔵丸
茶
鰯雲亡き友のジャンベで踊る
ダンサーU-KI
忌明けのおろし天そば鰯雲
音館由佳
晩学の窓逆光の鰯雲
西村青夏@金カル
鰯雲幾多呑み込む夜ぞ巨鯨
森脩平
組み体操上に立つ子と鰯雲
山法師彰子
けふの日の天井らしき鰯雲
青田奈央
鰯雲洗濯物が乾かない
原島ちび助
国境に礫累々と鱗雲
at花結い
鰯雲地では狐の野辺送り
リーガル海苔助
0点に10を書き足せ鰯雲
ゆみづき
パソコンの買い替え時や鰯雲
松山茜柑
除伐終え空拓けしや鰯雲
諫鼓苔深
一片の鰯雲にも名が欲しい
緋夢灯
鰯雲二十ノットを見送つて
雁梛
いわし雲だあれもいないひゃくねんご
始の子
鰯雲たぶん最後の犬を連れ
稗田鈴二郎
国境に連なる尾灯鰯雲
佐野明世
我もまた海より来たり鰯雲
紗羅ささら
鰯雲母と名のらば許せるか
春海のたり
薬局の福引五等いわし雲
玉響雷子
プレゼンの明日に迫る鰯雲
百瀬はな
いわし雲生徒がずらりと窓の外
かいゆ
鰯雲暴風明けの空やさし
桃香
安曇野にちひろの館いわし曇
せりよさ
鰯雲ついの話が真剣に
柚和
住む事の無き町に降り鰯雲
亀山酔田
鰯雲散歩の犬は其方退け
杉柳才
王冠をざらざら捨てて鰯雲
百瀬一兎
舟宿の大看板や鰯雲
愛柑
カプチーノに泡の一生鰯雲
霞山旅
いわし雲終えし故郷の墓仕舞ひ
荒一葉
原付の和尚の背筋いわし雲
駒村タクト
鰯雲でいだらぼっちと眺める
星夢 光風
未接種という選択肢鰯雲
真宮マミ
やり遂げたあとは待つのみ鰯雲
岡崎ゆきこ
籠の鳥懐かず鰯雲へ文
大和田美信
プレハブの校舎解体鰯雲
みやかわけい子
カロートに骨壺ふえて鰯雲
おがたま
鰯雲サービスエリアのメロンパン
Early Bird
鰯雲「21グラム」の葬列
パンの木
廃校に錆びた鉄棒いわし雲
さいたま水夢
ガラポンのハズレも1日鰯雲
いごぼうら
綿菓子はザラメの吐息いわし雲
かんこ鳥
合理的配慮鰯雲を仰ぐ
西村柚紀
人が死ぬ時はあっさり鰯雲
大津美
欲しい本もろ手に溢れ鰯雲
赤波江春奈
鰯雲嗚呼土砂崩れの掛川
ちびつぶぶどう
大阪の風は純情うろこ雲
麻生ツナ子
鰯雲集ひてやがて昇る龍
立野音思
会社辞めトンネル抜けて鰯雲
松本俊彦
鰯雲心専用のガーゼかな
飛信隊 信
鰯雲ここは自由と聞いていた
灰田兵庫
ワーゲンの曲線と吾と鰯雲
うからうから
ぽんぽん舟浅草抜けて鰯雲
辻野 花
駆け落ちのボストンバッグ鰯雲
満る
鰯雲波止場の猫の背の曲線
宮間ミヤマ
丸薬の胃の腑に苦き鰯雲
祐
鰯雲追加で並べるパイプ椅子
梅鶏
同じ駅降りてライバル鰯雲
木ぼこやしき
漣の立つ吾がこころ鰯雲
佐川碧
鰯雲横一線のゴールイン
さかえ八八六
鰯雲製菓工場の屋根平ら
あなうさぎ
鰯雲あとに戻れぬあの言葉
はなかっぱ
ノーサイド芝に膝つく鰯雲
犬散歩人
鰯雲ホース展張やり直し
三水低オサム
東京を見に行く峠いわし雲
まあぶる
いわし雲万馬券手に握りしめ
桂葉子
鰯雲若き漁師の胡座の子
千賀子
再診の赤いゴム印いわし雲
若井柳児
墓じまい西を動かぬ鰯雲
山くじら
眼鏡買う端から端まで鰯雲
細木さちこ
魚群これ雨のたましひ鰯雲
星野はいかい
鰯雲より一本の縄梯子
矢野貴子@金カル
朗らかな灰田勝彦鰯雲
山田喜則
ちぎつてもちぎつてもあを鰯雲
恵勇
人生の今どのあたり鰯雲
森一平
ケーブルカー赤く地を蹴りいわし雲
くぼたみどらー
鰯雲親子三代米作る
中井義雄
朽ちかけの漁船ばかりや鰯雲
小川さゆみ
荒くれる火口の峰や鰯雲
キッカワテツヤ
鰯雲一枚めくる下は闇
熊谷 温古
鰯雲子は徴兵に従ひぬ
おのまい
週明けのため息と欠伸と鰯雲
ぱぷりかまめ
浜に浮くアートは巨船いわし雲
小山晃
鰯雲離島に残る舟屋群
塩風しーたん
おにごっこいっしょに動くいわし雲
ゆづさくら
いつまでも折り合ひつかぬ鰯雲
勘八
鰯雲PCRの列遅々と
定吉
鰯雲息子ひとりで暮らしてる
和泉次郎
納骨の了ひ夕さる鰯雲
谷町百合乃
15分開かぬ踏切鰯雲
久米穂風
鰯雲廃業決むる四代目
中里 凜
鰯雲やさしい人からいなくなる
歩く鳥
母子寮の屋上せまし鰯雲
板柿せっか
鰯雲帰りの会で読む太宰
ギル
艦三笠主砲の目標いわし雲
平野水麦
騎乗後のブラシをかけて鰯雲
田畑 整
米に水吸わせてぶらり鰯雲
あやっぺ
鰯雲ちつぽけな吾に数多の祖
真井とうか
さよならまた鰯雲の向こうで
閑々鶏
かなしいことなんかじゃないよ鰯雲
月岡方円
鰯雲二句一章が攻めて来る
落句言
鰯雲レンガ駅舎の線対称
岸来夢
晴天に生まれ逝く人鰯雲
まぐのりあ@蚊帳のなか
同期皆子会社へ散る鰯雲
野々村澄夫
刑務所の頭上は鰯雲疎ら
成瀬源三
理髪師の剃刀をゆく鰯雲
小川野棕櫚
鉄臭き懸垂後をいわし雲
石上あまね
鰯雲鳴らし太郎の進む進む
片岡六子
鰯雲戦は野暮の為せる罪
たこぼうず
ベルトコンベア鰯雲出荷中
銀紙
鰯雲点眼薬にバーコード
さくら悠日
潮流は北向き鰯雲流る
夏椿咲く
惚れるなといわし雲さやさや二人
としなり
教室を抜けて千曲の鰯雲
原颯太
鰯雲果ては癩園残る島
地球人
荷をひとつ降ろして鰯雲広し
河村静葩
みんなから遅れるゴルフ鰯雲
神山やすこ
もろもろのけふの斜陽のいわし雲
麻生四里
鰯雲潮の響きも通いをり
木村三球
淡海は大き鏡や鰯雲
うぢ一樹
鰯雲人づてに聞く店仕舞ひ
横山子守熊
掻きむしる爪痕のよう鰯雲
逆神
空に咲くフーガのやうに鰯雲
いたまきし
戦場の滾る碑文や鰯雲
てるきち
鰯雲はるかホスピス棟の友
淡湖千樹
けふもまたカプセルホテル鰯雲
英子
子の生きる糧はまだ無し鰯雲
卯年のふみ
パンゲアは国境ない島いわし雲
迫久鯨
鰯雲境内にある臨時かふぇ
けろけろたま蛙
ライフルの先を動かぬ鰯雲
山路碧水
鰯雲ジャージの違ふ転校生
大熊猫@四句八句
帆船ゆ手旗信号いわし雲
ふじかつとび
タワマンに突付かれ揺れる鰯雲
ゆぃ
荷台の豚意外と静か鰯雲
あまぐり
鰯雲透き間に光る飛行体
田畑せーたん
洋城のいわし雲響くハ短調
上北沢くつき
電線と並列でした鰯雲
紫月歪丸
ひしやぎたるバンパーまぶし鰯雲
染井つぐみ
美術館へ向かう坂道鰯雲
荘司彩舟
せんぐ撒く上棟式や鰯雲
美村羽奏
放課後の基地は原っぱ鰯雲
アンサトウ
鰯雲寺町二条の洋菓子屋
どみ どみそ
いわし雲地球が丸いと知るあの日
銀溟さきのすけ
五合目の静かな岩を鰯雲
とまや
鰯雲キリンの首の進化中
神谷たくみ
鰯雲第三旅客ターミナル
誉茂子@野の花
戦場の集団墓地やいわし雲
たかみたかみ
ひび割れしテニスコートや鰯雲
登盛満
天才の脳裡に素数鰯雲
あたしは斜楽
鰯雲一片ずつは違う顔
木村となえーる
鰯雲青果市場の灯のしづか
栗田すずさん
コツコツと歩む義足や鰯雲
どくだみ茶
鰯雲タイヤ引きずるサブ球場
かもん丸茶
残り餌を鳶に投げるや鰯雲
老翔
銀髪を空に解禁鰯雲
あすか蘭紅
外壁へ足場いわし雲の讃歌
一走人
賄いのエプロンたたみ鰯雲
アリマノミコ
パチスロの帰り悲しみの鯖雲
アルセーヌ
鯖雲やけさ六度目の赤信号
雨野理多
鰯雲眼下の機影乗り継ぎて
岡塚 敬芳
鰯雲洗濯岩のごと堅し
松山 松男
いわしぐもさみしがりやにやさしくて
亀田かつおぶし
鰯雲砂糖輝くメロンパン
上田ASH
茶臼山大阪城へ鰯雲
森コリゴリ
いわし雲亡き児の足形の朱色
空想婆
鰯雲キルト十枚貼りにけり
酔蚊眼
保護猫を迎えに行く日鰯雲
月石 幸
法要に欠席決めて鰯雲
内藤羊皐
事故車より流れるラジオ鰯雲
雪井苑生
鰯雲今日は都会の遊牧民
福良ちどり
旅船の無線交信鰯雲
千葉睦女
腹ペコの子と二人乗り鰯雲
抹茶子
束の間の夢の新車や鰯雲
大木典子
ファックスの紙吐き続くうろこ雲
谷川ふみ
凸の字の表彰台や鰯雲
夢雨似夜
子の真似るお辞儀深々鰯雲
瀬央ありさ
鰯雲三方海を八甲田
野々原ラピ
先程が旬であったか鰯雲
優木ごまヲ
スタートの火薬香るや鰯雲
くずもち鹿之助
漁労長出漁思案の鰯雲
余熱
鰯雲コントローラーつながらぬ
くりきんとん
鰯雲光芒差し込む二時間目
くるみ割り人形
裁判の長引いてゐる鰯雲
ことまと
轆轤座の足の痺れや鰯雲
せいしゅう
縫ひ付ける名札は数多いわし雲
たけぐち遊子
鰯雲嗚呼knivesは複数形
だてまき
宰相の像は冷たし鰯雲
なしむらなし
鰯雲踏ん張る仁王膝にひび
よぶこどり
鰯雲ToDoリストあと二つ
れんげ畑
母逝きし日と似た空の鰯雲
伊藤なおじい
角取りてオセロパタパタ鰯雲
橘萌香
挽歌にはまだ生々し鰯雲
犬山裕之
円楽の笑顔鰯雲笑う
国東町子
地震のあと何事もなく鰯雲
葉月けゐ
薫らせるHOPE見送る鰯雲
黒子
豆腐屋も米屋も元気だ鰯雲
斎藤さんけん
半端ない地面の引力鰯雲高い
秋ひろ
釣竿に当りの気配いわし雲
三好敦女
アラートに慄く朝や鰯雲
三水
鰯雲愈々天の横たはる
山もと あき坊
宮入のお囃子かすか鰯雲
山中 揚
飼い猫の尾のピンと立つ鰯雲
写俳亭みの
いわし雲だめな自分を数え上ぐ
冬野とも
鰯雲母を失くした子の上に
竹田むべ
いわしぐもいたいのとんでいかないよ
浜千鳥
この先は閉鎖病棟鰯雲
竜胆
『考える人』を考ふ鰯雲
中原柊ニ
鰯雲漁港に残る巡視船
露崎一己句
うぶ声や明けゆく空のいわし雲
篁 橙花
鰯雲ようやく今日の百箇日
中村すじこ
連れ帰る保護犬は「空」鰯雲
苺井千恵
エレベーターどこまで昇る鰯雲
中村乎雲
ぬか床のやうやうとして鰯雲
鶴屋桃福
けふやつと誰も休まず鰯雲
鈴白菜実
鰯雲子に不機嫌の理由聴く
土屋ひこぼし
雲梯は禁煙ですよー鰯雲
ま猿
鰯雲ちやんとした服子と買ひに
野ばら
鰯雲聴く耳持たぬ耳大し
青柿
「知らんけど」多くて鯖雲のくすくす
北藤詩旦
鰯雲民宿になる廃校舎
夏目たんちゃん
鰯雲あお向けの子犬の寝息
憩 真七桜
鰯雲はなれて歩く反抗期
さとう夢虫
いつの日か危惧種となるや鰯雲
水彩子
鰯雲むかし私の部屋だつた
槌屋藤内
鰯雲客と一緒に四万歩
山内三郎
寄宿舎の弦なきギター鰯雲
山羊座の千賀子
バス降りていちくみにくみ鰯雲
新城典午
頭上には豊かな老後鰯雲
五十 理化
いわしぐも岬に風の写真館
やまさきゆみ
鰯雲さして不幸でなき暮らし
檜鼻ことは
鰯雲ぱらり投げたり御賽銭
乃筈三拍
鰯雲教師呼び出すスピーカー
和泉攷
馬猛り立つ鰯雲へのファンファーレ
木村ひむか
鰯雲焦がしチーズの伊豆のカフェ
28ひろきち
一両だけの列車野を分け鰯雲
るびちゅ
年金の減る通知かや鰯雲
松葉学而
大阪やビルの隙間の鰯雲
麗し
とたん屋根ぱつたんぱたん鰯雲
清水千種
鰯雲有刺鉄線抜ける猫
天風月日
メトロノームテンポ五十や鰯雲
さくやこのはな
いわしぐも恋愛線の痒み増す
酒井おかわり
返信は出に○付け鰯雲
新多
帆柱を描くや湧き立つ鰯雲
木寺 仙游
三勝ニ敗や動かぬ鰯雲
うた歌妙
大縄の土を撥ね上げ鰯雲
菅井香永
鱗雲彼が最期に見た景色
柳絮
語り部の遠野の空や鰯雲
上津 嘉子
いわし雲消失点は岩手山
山田蚯蚓
上履きは揃えて避難いわし雲
つきのひと
欲しいものは誰にも言わず鰯雲
鈴野蒼爽
聞き分けの良き子なりしよ鰯雲
寂し野欅
生きている理由は二つ鰯雲
桃園ユキチ
神様のたべかたきれい鰯雲
オキザリス
上体反らし鰯雲が逆さま
シュリ
わが肺胞にごりぬ鰯雲のせゐ
水須ぽっぽ
いわし雲遺言状に猫のこと
たま走哉
鰯雲洗濯物が温かい
博さん
峡谷の混浴愉し鰯雲
竹春エリザベス
鰯雲下校の群れの右往左往
晴好 雨独
けもの道を借りて野湯まで鰯雲
ペトロア
飯盒の蒸れてふつふつ鰯雲
きなこもち
蹴球のネット繕い鰯雲
美音
銀の滑走路より鰯雲
木佐優士
鰯雲回覧板の留守二件
そまり
片鱗の鰯雲逃げ孤独擬す
華園ありす
弓削島の献上塩や鰯雲
紅小雀
鰯雲彼も人の子年を取る
ひろ志
名工のかざす切っ先鰯雲
山吹なお
潰瘍が治つたできた鰯雲
はぐれ杤餅
鰯雲母校百周年の計
杢いう子
鰯雲真なる折田先生像
京のさち
ヘルメット脱げば遥かに鰯雲
山内 負乗
補集合に座す昼休み鰯雲
むらぴ
あいつスネ夫あいつ出木杉鰯雲
丹波らる
対岸のお化け煙突うろこ雲
小池令香
鰯雲自分まはりは明るくす
さとうナッツ
柿色の小紋のやうないわし雲
よみちとせ
大縄の記録更新いわし雲
雪音
リハビリ始めたとLINE鰯雲
広島しずか80歳
西方の出自謎めくいわし雲
市橋正俊
肩車された迷い子鰯雲
杵築きい
三輪車のわだちや鰯雲きらり
時まる
ジャングルジムに王者立ちたり鱗雲
ミセス.アラン
嗚呼こんな美しきあさ鰯雲
タリタ クミ
鰯雲テトラポットと貨物船
伊藤正規
いわし雲母さん甘き響きかな
渋谷背馬
触図とふ美しき凸凹鰯雲
羊似妃
鰯雲消しゴムが生む空の蒼
鷹星
いわし雲作業所出でしタガログ語
由づる
遺言は無し父鰯雲になる
加賀くちこ
パチンコに負けて一服いわし雲
秦 理露
「マンションを建てるな」の旗鰯雲
羽野あき
いわし雲抜け道の真中に鴉
大山和水
幾千のユニオンジャックいわし雲
田口大寒六
鰯雲大東京に孫四人
ぐずみ
点滴や窓より鰯雲大漁
八幡風花
山姥の佳き日へ紅のいわし雲
菜々の花畑
書置きを残し鰯雲の羽田
高橋寅次
鰯雲浪人なのに初恋
うみのひつじ
満杯の高床倉庫いわし雲
秋月
亡夫の墳墓刻々といわし雲
三泊みなと
濃い黒の瓦の波を鰯雲
青柳修平
立ち食いのじゃこ天うどん鰯雲
野口真砂輝
路線バス越えぬ県境鰯雲
森 佳月
能登東京機体眼下に鰯雲
中 兎波
鰯雲門限ぎりぎりの立ち漕ぎ
長谷機械児
鰯雲下ばかり見て歩く癖
どいつ薔芭
霊山の稜線あらは鰯雲
羽後っち
円楽も猪木も逝きぬ鰯雲
多喰身・デラックス
朝ぼらけ鶏とモスクと鰯雲
宇田建
世事不安鰯雲ただあればいい
つくばみらい亭
羊飼いムンフ鰯雲の先へ
池之端モルト
枝打ちの欅あかるし鰯雲
岬ぷるうと
ケータイに慣れぬ母より鰯雲
まがりしっぽ
鰯雲向こうにきつと飢餓の国
岡田雅喜
いわし雲たぶんボタンの掛け違い
千加乃子
嘘に嘘を重ね鰯雲に穴
嶋田奈緒
カミカゼの還ることなし鰯雲
榊昭広
切符なき智恵子の空や鰯雲
蜥蜴の尻尾
楠のうろ象の眼に似て鰯雲
栗の坊楚材
鰯雲修女の手紙投函す
中田二俊
オルガンの音の溢れて鰯雲
森爺
後悔もあれやこれやといわし雲
空流峰山
餅を投ぐ若きオーナー鰯雲
陽光
白鍵の素直な音や鰯雲
真名女
遺言の草案練れば鰯雲
岡井風紋
日銀は円の形よ鰯雲
dragon
日雇いの母のモンペや鰯雲
周坊
缶けりは孤独なあそび鰯雲
天陽ゆう
NTTの戴帽式や鰯雲
舟御前@ノエル
新聞の隅に我の名鰯雲
柳浦総師
シロップに光の斑いわしぐも
本村なつみ
はげかけの横断歩道いわし雲
でんでん琴女
鰯雲見えぬ気体は何種類
暖井むゆき
この坂を越せば菩提寺いわし雲
ラーラ・K
紅コキアぽこぽこ空は鰯雲
瑞陽庵
鰯雲知りたいことはなにもない
上市まさ
鰯雲一位のペンに験担ぎ
孔明
校庭の門閉じられて鰯雲
大谷如水
一片に一つの愁い鰯雲
林真紗湖
駐車場所忘れうろうろ鰯雲
長谷川ひろし
ふくよかに薬缶遺れり鰯雲
さるぼぼ@チーム天地夢遥
放浪の果ての自画像いわし雲
鈴木麗門
模擬店を片せば風の鰯雲
ぞんぬ
馬を組み取り合う鉢巻き鰯雲
おん ころころ
ISSのロボットアーム鰯雲
干しのいも子
鰯雲生まれて色の無い国へ
水蜜桃
一行が鰯雲指す旅の宿
逢來応來
罅割れて空痛かろう鰯雲
笠山静香
エゾリスや鳥語聞きつけ鰯雲
青空まる
鰯雲なんで怒ってたんだっけ
ウカイケンタロウ
青春のおさらひをして鰯雲
大森半ライス
サキソフォン吹くや寄り来る鰯雲
椋本望生
燃やせぬと返さるる遺品鰯雲
濃厚エッグタルト
鰯雲しづしづ大師の生身供
花南天anne
富士山を捕らへて遊ぶ鰯雲
知恵さん
火災報知器誤作動の朝いわし雲
小倉あんこ
mont-bellでサライなオヤジ鰯雲
川端こうせゐ
関東平野一望の鰯雲
くるみだんご
少しずつ記憶の壊れ鰯雲
聞岳
アプリ払いに床屋で五分鰯雲
かずポン
ママよりもみよちゃんがすき鰯雲
千暁
貧血の窓が切り取る鰯雲
茉叶
すつと退くミスター・サトや鰯雲
蘭丸結動
手びねりに指紋でつけた鰯雲
夏目十貫
鰯雲裏道抜けて徒歩十分
弥日
診察の順待つ黙や鰯雲
佐伯仙明
鰯雲海に未完の城しづか
羊 羽太
馬の背に揺られ広ごる鰯雲
そうま純香
空港へ向かう吾あり鱗雲
夏の町子
移動スーパーゆくてには鰯雲
仲 操
鰯雲傾ぐ丸太のコースター
白玉みぞれ
いわし雲漁港衰へ止まざりし
君島笑夢
ミッフィーがのぞいていそういわし雲
島田ポン吉
類のなき雲形定規鰯雲
斧 的部
廃線のウォークラリーや鰯雲
清水明美
くしゃくしゃの保険証手に鰯雲
光峯霏々
病み明けの休日出勤鰯雲
研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
鳥影のエンドロールや鰯雲
みうら朱音
鰯雲映るお寺の掲示板
28あずきち
高跳びの棒カラコロン鰯雲
大槻税悦
鰯雲天竜川の竜の果て
夜ノ森ムーミン
火葬場のけふは葬なく鰯雲
とんぼ
橋げたに掛かる流木いわし雲
田村利平
鰯雲かの人の消息は不明
枯木 花
屈託の我に鰯雲のひかり
acorn
仮免や鰯雲へとクラクション
じゃすみん
恋人といわし雲選る昼マック
藤田ゆきまち
鰯雲期限の迫るクーポン券
むねあかどり
退院を伝えるべきか鰯雲
谷本均
鰯雲午後廃坑で幻燈会
春風流士
鰯雲ブルーインパルスのハート
風ヒカル
あの姉と共に住むのか鰯雲
奈良の真
鰯雲第二志望の定まらぬ
打楽器
鰯雲屋根職人の腕確か
樹魔瑠
ぬれせんを売る駅助役いわし雲
東京堕天使
青空を駆逐し鰯雲は朱
丁鼻トゥエルブ
鱗雲T-REXと鳩の距離
橘鶫
料金所すっと夕陽の鰯雲
会津西原
バイオリンねだる地団駄鰯雲
駒野繭
東大に漱石の脳いわし雲
睦月くらげ
鰯雲坂の途中の欅の木
安春
同僚のシケモク鰯雲赤し
野井みこ
ファミレスの跡地に質屋鰯雲
ひなた和佳
老朽化ビル群鰯雲襲来
おきいふ
担架から真正面に鰯雲
へなけん
防潮堤越え鰯雲帰ってく
播磨陽子
末っ子の明日は嫁ぐ日鰯雲
壱太
東天は昏し鰯雲は赫し
はなぶさあきら
自転車の空気十円いわし雲
高尾里甫
墓に彫る行年五十いわし雲
松本裕子
鰯雲ちいさく前へならえの手
イサク
ステロイド舞ふ肺胞や鰯雲
中山月波
鰯雲横切つてゆく成田発
杉尾芭蕉
渡船今「三津浜/古深里」鰯雲
大山香雪蘭
岬馬逝きぬ琥珀の鰯雲
晴田そわか
いわし雲立体とする空は夜
haruwo
鰯雲バケツの雨を草にやる
河島 勇人
肺癌の進行を知る鰯雲
たまのねこ
鰯雲その地にはもう何もない
可笑式
ちくしょうもにくたらしいも鰯雲
高市青柘榴
消しゴムでひとつ消したし鰯雲
高雪
鰯雲晴れて九人の草野球
虎穴虎児
質屋からテレビの帰る鰯雲
水無月
売れ残る木馬にカバー鰯雲
小豆白虎
素嬪に百の手筈や鰯雲
山口鵙
鰯雲鬼の洗濯板のうへ
藤白月
卒論のテーマ漸く鰯雲
くぅ
鰯雲執行猶予付きの生
高遠見上
いわし雲誰に習ひし前倣へ
弥勒夕陽
泣くために呑む一息や鰯雲
る・こんと
ちぢれ麺さっさと喰って鰯雲
清水祥月
風紋や天心目指す鰯雲
篠川 翠
鰯雲条坊の京彷徨へり
みゆむうしば
空き地ゆくあれがボス猫鰯雲
ひだ岩魚
けふずつとうねる鰯雲のゆたか
かゐみすず
騎馬戦の勝鬨は白鰯雲
はれみちる
鰯雲経由で返す部屋の鍵
日向こるり
鼻歌は音程気まま鰯雲
ねむり猫
鰯雲千の寓話の結末は
花伝
対岸は寅さんの町鰯雲
靫草子
鰯雲下り勾配10%
也和
「P空有」見過ごし眺む鰯雲
ゆきなごむ
恋人の聖地全天に鰯雲
樹朋
ヴァルハラへ棺棺棺と鰯雲
帝釈鴫
鰯雲漁船のエンジンぽっぽっぽっ
沙那夏
パのひとつ足りぬケンケン鰯雲
あずお玲子
鰯雲エミューの頭頂に巻き毛
空豆魚
鰯雲ヒジャブを巡る抗議デモ
ヤヒロ
零れたるシュレッダー屑鰯雲
瑠璃星
ついて来る野辺の送りの鰯雲
まー坊
鯖雲や庫裡に遊べるペルシャ猫
佐藤レアレア
善人も悪人もゐて鰯雲
富田健朗
ゆるすことなかれ君等よ鰯雲
松山めゐ
ペンギンの島の賑わひいわし雲
空木花風
いわし雲網縫ふことは生きること
オペラ座の俳人
鱗雲ビーチグラスの傷丸い
はまお
教室を声が横断鰯雲
齊藤巻繊
微熱せる食器スポンジ鰯雲
阿部猪子
先頭を走つたつもり鰯雲
モッツァレラえのくし
先生の拳骨固し鰯雲
久森ぎんう
鰯雲世界を閉じる瞼かな
妹のりこ@金カル
帆船の帆のぷっくりと鰯雲
花紋
鰯雲円安となる功罪は
HNKAGA
一冊を読み終へ見上ぐ鰯雲
池田 凜
鰯雲膝笑いだす停留所
パッキンマン
ふるさとなんかだいっきらい鰯雲
大浦みもざ
いわし雲失敗ひとつ空に投げ
茜むらさき
鯖雲や主指揮は女子の鼓笛隊
風の木原
クレーンに吊られる駱駝いわし雲
石岡女依
天の原や西に陣取る鰯雲
華胥醒子
舷灯の静かな重み鰯雲
井原冴
熊笹に川の流れよ鰯雲
大村真仙
鰯雲忙しく動く人の波
紋舞蘭
湯治場の木立に透けし鰯雲
紫鋼
行楽の合流口に鰯雲
種種番外
金平糖ほどの勇気か鰯雲
仁和田永
目疲れに栞はさめば鰯雲
垣岡凡才
宵越しの憂ひさへ溶く鰯雲
きゅうせき
龍の口より受くる水鰯雲
諏訪ヤス子
乗り捨てし遊具まだ揺れいわし雲
黒蜜かりんとう
鰯雲おーいおーいと父の声
小池博美
鰯雲チョークの高い破線音
正岡丹ん
鰯雲いつでも刺は不意に刺す
猫ふぐ
道端の銀座のカラスや鰯雲
星影りこ
鰯雲吸い殻拾う奉仕の日
太之方もり子
いわし雲校歌は未だうろ覚え
ヒマラヤで平謝り
高跳のバー越える今、鰯雲
なかの花梨
鰯雲えんしゆうりつはおはらない
影山らてん
鰯雲にしん御殿に滲みけり
流流
ポンペイの落書き語る鰯雲
叶田屋
人類の始めは魚卵うろこ雲
小川都
鬼籍入る二人の兄や鰯雲
山水
鰯雲叶わなかったこと三つ
里山子
子の文は千葉の消印鰯雲
竹内一二
激チャする朝のマドンナ鰯雲
菫久
鰯雲コインパークとなる実家
坐花酔月
珈琲の熱さ程良し鰯雲
むじーじ
円楽はイヤホンで聴く鰯雲
てつなお
隊列の吾子はいずこや鰯雲
あおのめ
鰯雲かつこに入れて訳しけり
ひねもす
鰯雲うさぎの耳たぶに触る
もりさわ
墓石買う郷にガキ友鰯雲
オアズマン
鰯雲かつてはありし百貨店
とき坊
ゼッコウとかナカナオリとか鰯雲
比良田トルコ石
水色と薄桃の海鰯雲
ななお
詩集より溢れる海や鰯雲
北大路京介
荒らされたままの生ごみ鰯雲
赤馬福助
佳き事を告ぐる早口鰯雲
ぎんやんま
カーナビの薦める隘路鰯雲
清白真冬
ぐるりんと逆児なおりて鰯雲
竹村マイ@蚊帳のなか
鰯雲発熱外来の天幕
びんごおもて
鰯雲つち黒く濃くトラクター
柴口裕香里
義手で弾く平均律や鰯雲
広瀬 康
坂漕ぎて残り10%鰯雲
飛来 英
六割は聞き取れぬ檄いわし雲
吉行直人
いわし雲きらきら白砂へ波紋
緑の手
鰯雲ほんとの海を知らぬ子と
露草うづら
国道のうどん自販機鰯雲
ときめき人
喧騒はいづこの空や鰯雲
野口八藤
香川県象郷村の鰯雲
黒麹 糀
包丁の実演販売鰯雲
しんしん
月幽か一朶の鰯雲ひかる
のつり
公園でもユニフォームなんだ鰯雲
おかげでさんぽ
鯖雲や昭和おかみの鼻柱
たつき
鰯雲マシン油臭ふライトバン
慢鱚
街並は底へ底へと鰯雲
美年
エキストラ軍団ワァーと鰯雲
渥美こぶこ
浪人や鰯雲に明るき溝
玉庭正章
一名様見上げ放題鰯雲
加山シンゴ
鰯雲元少年は出所して
大黒とむとむ
絶対値外して仰ぐ鰯雲
柊琴乃
俺はインコ爪に剥せる鰯雲
池内ときこ
鰯雲マドモワゼルはお茶会へ
角野角子
鰯雲群れてリニアの止まる駅
安寿
鰯雲君の既読のつかぬまま
伏見丹耶
ホチキスの勝てぬ厚さや鰯雲
うみのすな
鰯雲脚立の「A」の影翳る
港のパン屋
ひとりみてみながみあげるいわし雲
飯村祐知子
とりあへず並んでみます鰯雲
さとう菓子
東京は雨さいたまは鰯雲
宮坂暢介
湯気さえも行き先のあり鰯雲
田季たまき
鰯雲とく点ごとのハイタッチ
石川聡
主体性いくつになれば鰯雲
風花美絵
鰯雲このごろ野良を見かけぬが
直
鰯雲不眠のわれを応援す
池 閑茶
今日はもう何も言ふまい鰯雲
吟 梵
押すポット昼餉の畑を鰯雲
紫小寿々
鰯雲足りぬおはじき探す子ら
黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
海望む異国の墓標いわし雲
酔下弦
スマホしまう見慣れぬ町の鰯雲
沖原イヲ
鰯雲あしたの駅に弾くピアノ
ありあり
被災地を五秒の車窓いわし雲
ノアノア
寺町の坂のだらだら鰯雲
夏雨ちや
綿棒の芯毛羽立てり鰯雲
弦欧淹
なけなしの遺産分割鰯雲
伊藤てまり
鰯雲スーラの筆にある浮力
山城道霞
鰯雲ぼくが透明だった頃
小川めぐる
鰯雲私は此処に居たいんだ
ゆすらご
逆らつてしまつた朝のいわし雲
磐田小
ドラコンのゆくへしらずや鰯雲
つくも果音
あそこで、ほら、生れるわたし鰯雲
山内彩月
キーウへと続いてさうな鰯雲
一井蝸牛
クリップで止めた履歴書いわし雲
城内幸江
赴任地は札幌ビルの間の鰯雲
遊羽女
ガード下暗き隙間の鰯雲
浜友輔
かへり来ぬこだま空ぢゆう鰯雲
巴里乃嬬
錆色の鉄路の終に鰯雲
青居 舞
海神の万のため息鰯雲
蒼鳩 薫
銀ばばの店取り壊し鰯雲
柿司
四万十川の柴づけ漁や鰯雲
石塚碧葉
さめてゆく歯茎の麻酔いわし雲
中岡秀次
いわし雲戦車も橋も錆の中
うしうし
踏切のドット点滅鰯雲
みなみはな
車内へと山の匂いや鰯雲
二重格子
転校生数えて帰る鰯雲
いろはニホ
渋スクの空知らぬ群れいわし雲
老人日記
鰯雲数試終了迄二分
花和音
手術の日告げられる日のうろこ雲
阿万女@ノエル
空を葺く龍の吉日鱗雲
宮村土々
鰯雲買い忘れたよヨーグルト
古都 鈴
鰯雲縦に並んだ信号機
縁穐律
石の割れアンモナイトや鰯雲
亀の
鰯雲情熱の形はこんな
工藤雨読
ままごとの2LDK鰯雲
杏乃みずな
鈍行の旅はよきかな鰯雲
ちゃあき
校庭に組み上がる搭鰯雲
黄鶺鴒
瀬戸内の見えぬ街に来鰯雲
灰色狼
鰯雲掃除機はぐるんガーガー
水木合歓
後悔は数限りなく鰯雲
あみま
傷口に脈が集まる鰯雲
空木眠兎
潮の香や祖母逝く明けの鰯雲
薫夏
気の早い靴を買う日の鰯雲
アマビエ俳句倶楽部福乃尻尾
シノニムの言の葉ぞくぞくうろこ雲
うはのそら
ドクターヘリ夕日の鰯雲に消ゆ
倉木はじめ
鰯雲全身麻酔醒めにけり
みつれしづく
工船の荷揚げの声や鰯雲
阿部八富利
鰯雲海へ向かうロープウェイ
眠 睡花
放流の果てたるダム湖鰯雲
宮武濱女
亡き猫の縞目のやうな鰯雲
柚木みゆき
この星は笑顔の星じゃ鰯雲
理酔
ぽぽぽぽぽひとつつまんでいわしぐも
伊原一歩
鰯雲の監督係保健室
安
鰯雲広し家出は鍵握り
樹海ソース
思春期をやうやく過ぎて鰯雲
高木音弥
ママチャリの範囲の暮らし鰯雲
三月兎
鰯雲箱庭に母似の人を
牧野冴
転職の多き履歴書いわし雲
夜音 友
鰯雲巻積雲の名はかたし
千風もふ
欠けてゆく母の記憶よ鰯雲
宝もなこ
飯盒は五人にひとつ鰯雲
えりいも
小さきの隣も小さき鰯雲
たけろー
予選は四位通過せり鰯雲
一純。
鰯雲横切るあれは伊丹行き
京あられ
喫茶店ありそうでなし鰯雲
云々 美雲
朽ちてゆくトーテムポール鰯雲
sol
モルワイデ図法の緯線いわし雲
綱川羽音
鰯雲見分けたこの日足軽く
白井 佐登志
子供らの笛の音超ゆる鰯雲
青鷹
陰性のメール真昼の鰯雲
芍薬
いわし雲見上ぐ幣舞橋の像
雅王
鰯雲二塁へ滑り込む九番
ひでやん
点眼の仰げばぼける鰯雲
佐渡の爺
鰯雲見上げて君の誕生日
中島穂華
いわしぐもひとりじゃシーソーあがらない
星月さやか
描けない空の青さや鰯雲
細川小春
試合終へ抱き合ふ選手鰯雲
もふ美
戸袋にすずめ出入りの鰯雲
笹間明明
同僚の病名を聞くいわし雲
清水 三雲
鰯雲永代供養の墓じまい
ゆかりん
鰯雲にはなるまいぞなるまいぞ
弘友於泥
鰯雲エレベーターは点検日
虎八花乙
非正規も給料日なり鰯雲
望月朔
ベランダの微温きスリッパ鰯雲
桜鯛みわ
鰯雲自転車は乗りすてて行く
中根由起子
島渡る橋の次々いわし雲
洒落神戸
ナガサキの爆心地より鰯雲
入口弘徳
坂を登ればダムの放流いわし雲
富山湾
鰯雲完璧などはあてにせず
勘太郎
恋なども成就し難し鰯雲
二丁目
満腹が分からなくなる鰯雲
赤松諦現
鰯雲翳すクジラの大欠伸
詠頃
病窓の鰯雲明日が見えぬ
山川腎茶
更地より拝む山脈いわし雲
今野淳風
転調に転調重ぬ鰯雲
灰頭徨鴉
白バイの止める自転車鰯雲
はまゆう
体操で始む現場の鰯雲
麻きなり
いわし雲子ら東京に育ちけり
このみ杏仁
パー出して吾れがピッチャー鰯雲
笹野夕
鰯雲飛行機雲は北へ伸ぶ
山村 立歩
鰯雲二段ベッドを棄てに行く
鳴海沓子
鰯雲きららか援軍の来たり
あまぶー
ランナーの引力いわし雲遡上
ちゃうりん
国民の従順恐し鰯雲
吉川拓真
五軒中二軒は空家いわし雲
山香ばし
カートリッジ替えて手紙や鰯雲
悪七兵衛
鰯雲隣家の倅の弾くエレキ
朝霧七海
兄になる子と見る電車いわし雲
きのえのき
せつせつとすき込む堆肥いわし雲
余田酒梨
体毛は健気な鎧いわし雲
南方日午
途切れざるラダーの音や鰯雲
シュロバッタ
内海のフェリー着岸鰯雲
反芻医
事故死せるあいつの苦学鰯雲
火炎幸彦
大鍋に湯がく根菜鰯雲
吉武茂る
鰯雲白き旗立て野辺送り
石塚彩楓
恐竜の背中に似てる鱗雲
百卓@ノエル
ぺこ缶の2Bが躍る鰯雲
戸口のふっこ
潮焼の産毛きらきら鰯雲
小緑ふぇい
明日はまた冷え込むといふ鰯雲
田面類
鰯雲遺産分割協議終へ
白居 千夜
パチンコの看板新た鰯雲
きべし
鱗雲銛突くやうにビルの建つ
石井一草
スタジアム満員いわし雲続く
はごろも856
鰯雲新幹線は長崎へ
春よ来い
鰯雲たった一度の母の「ごめん」
おんちゃん。
鰯雲ただ断片の記憶来る
田中勲
鰯雲今日の仁淀は青からず
北代晋一
胡蝶蘭と名付け今日の鰯雲
万里の森
遺言のさつぱりしすぎて鰯雲
おかだ卯月
「揚げたてを二つ」家路の鰯雲
ユ綺
あつあつのコロッケ五円いわし雲
メレンゲたこ焼き
鰯雲明るき夕を警邏終ふ
音羽凜
鰯雲沖まで次も無人駅
えりべり
三日目の在宅の朝鰯雲
毛利尚人
たむろするヤンキー優し鰯雲
佐藤儒艮
砲丸の跡へとレーキ鰯雲
さくさく作物
天狗住む山に流るる鰯雲
藤永桂月
故郷のタイムラプスに鰯雲
森海まのわ
歯科医にもなれず鰯雲は白い
渡辺桃蓮
曲がり川すらすら書けて鰯雲
永田千春
鰯雲ペンフレンドももう大人
きみどり
人生訓たれて愉しき鰯雲
詩
白線を越えれば鰯雲に傷
碧西里
グライダー一機近寄る鰯雲
三休
鰯雲こくごの宿題まっしろけ
あかめちゃん
鰯雲喪服の我の影深く
縞ふみ
サウナから出て鰯雲見て戻る
遥風
四色のクラス鉢巻鰯雲
音のあ子
先頭はトラクター焦らされて鰯雲
ぼたにこ
恋とか進路とか鰯雲だとか
亘航希
尾根道に声谺する鰯雲
茫々
鰯雲糸の端は撚りひらきたる
えむさい
行乞の法衣ぼろぼろ鰯雲
香壺
鰯雲パーマが上手い美容院
殿村則子
この先もひとりで歩くいわし雲
まだら
父の骨拾ひ終はりぬ鰯雲
藤倉密子
鰯雲目途のつきたる庭仕事
木村木霊
楕円なる心と歩く鰯雲
紅紫あやめ
鰯雲半年先の合格札
青海波
いわし雲数えて夢が腐るまで
字土街海
鰯雲精一杯の家建てて
風花まゆみ
ぱらいそへいくんだみんな鰯雲
正念亭若知古
星一つ君も見えたかいわし雲
おかづ
鰯雲後任未だ見つからず
石本コアラ
だとしても空一面の鰯雲
糺ノ森柊
鉄骨に鳶職人と鰯雲
糸川ラッコ
アルパカの睫毛は金色鰯雲
佐々木のはら
鰯雲まだ伸びてゆく犠牲フライ
眩む凡
書きなぐる棋譜のトメハネ鰯雲
錆田水遊
鯖雲やそろそろ孵るガスタンク
千歳みち乃
人間に正規非正規鰯雲
西田月旦
旅終える小さき相棒いわし雲
野地垂木
桟橋へ最後に降りて鰯雲
大小田忍
閻王の哄笑さても鰯雲
荻原き乃
鰯雲ペダルぞ軽き朝の路
梅世耕
ずらずらと神在りの地の鰯雲
青野遊飛@蚊帳のなか
鯖雲や免許返納拒む父
小川野雪兎
鰯雲果実酒仕込み今日を終え
鳥不驚
思い出のギター手放し鰯雲
西町花冠
ハイウェイをかっ飛ぶバイク鰯雲
如月 ゆう
問3は解なし鰯雲紅し
アロイジオ
絶対に儲かる話いわし雲
内田こと
鰯雲寝湯の浮力とつり合うて
クロまま
逆さまの鰯雲の目歯科医の目
猫髭かほり
いわし雲車列ゆつくり太平洋
阿波の安藝
国葬をヘリがぶおぶお鰯雲
卯月紫乃
鰯雲今朝は白みそちと混ぜて
吉川花ほっぺ
鰯雲は見たカワウソのジャグリング
平野光音座
魚河岸のトラックの群れ鰯雲
清水縞午
つるはしのこおんこおんと鰯雲
登りびと
乾きたる書道用紙や鰯雲
たむらせつこ
鰯雲マンハッタンの102階
井納蒼求
骨董市の古銭の来し方鰯雲
東太
ラジオより株価情報鰯雲
香依蒼
鰯雲天守貫く心柱
萱原綾川
眼鏡やめたのね鰯雲がきれい
金朋かいと
鰯雲一人になりたいこともある
足立歩丹
逝く母をひとり送りぬ鰯雲
悠雨木 はな
笛吹かば鱗は泡に鰯雲
東田 一鮎@金カル
ミッションのサードからセコへ鰯雲
黒田
鰯雲声の明るき友が来て
栄松屋栄魚
鯖雲へ消ゆる旧舎を斫る音
鳥羽南良
妻と聴く余命宣告鰯雲
芦内矢想
四万十の尽きるところや鰯雲
野中泰風
鰯雲海馬にのこる妹の声
夕虹くすん
鰯雲堂へ一気の二百段
幸田柝の音
魚屋の井戸端会議いわし雲
孝崎有辺
藤子・F・不二雄の土管鰯雲
新右衛門
世辞零す舌に乾きや鰯雲
斎乃雪
鰯雲村上春樹読破せり
哲庵
鰯雲空へめり込む滑走路
花咲明日香
鰯雲けふは銭湯休業か
陽花天
鰯雲赤いポストへ小走りで
森 日美香
生涯を土にまみれて鰯雲
清川鮎太
漂流の部屋に日は暮れ鰯雲
龍田山門
生真面目な箸は親父似いわし雲
きのかずお
ラッコの子石を忘れてうろこ雲
杏是りゐ菜
ラジカセを囲む一団いわし雲
四丁目
雨樋のボールひび割れ鰯雲
高山佳風
ふみふみと夢見る猫や鰯雲
かなえの
早逝の母連れ戻る鰯雲
炭酸泡水
満室のビジネスホテル鰯雲
恋瀬川三緒
地下鉄地下を抜け鰯雲きれい
浦野紗知
月洗ふ波のごとくに鰯雲
直美羽YC
下牧した牛の数多や鰯雲
千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
付け文の余白散り散り鰯雲
村岡花風
努力つてまずはお試し鰯雲
じょいふるとしちゃん
留学生帰国鰯雲タイへ
みのる
カッシーニのキス鰯雲を突き抜け
藤鷹圓哉
ペン皿はひらめの形鰯雲
銀 次郎
天平の大仏の空鰯雲
帯壱
鱗雲浮かんで雲の傷を治癒
朱鷺9条
訓練の消防士いわし雲ゆく
ほしの有紀
J1へ復帰のシュート鰯雲
姫川ひすい
ボトルへと名水さらに鰯雲
こいぬ
日を追ひて横顔並ぶいわし雲
花屋英利
いわし雲跳ぬる小象の名はうらら
松田てぃ
三度目の月命日や鰯雲
柴桜子
吃水線グッと沈んで鰯雲
邦生
結局は人のしがらみ鰯雲
犬井山羊
シャカシャカとペダル鰯雲ゆたり
快晴ノセカイ
ミケはいまおそらく鰯雲のなか
立部笑子
フレイルにも窓2枚分の鰯雲
田村 宗貞
先生の投げたチョークや鰯雲
ゴーマ
レジを待つ時の長さや鰯雲
戸井島はな
燈台の白をちぎりて鰯雲
松元転石
ひとりまたひとりの墓標鰯雲
無弦奏
いわし雲奥の空色先に塗る
尚茶
スクイズのサイン見破る鰯雲
せいち
キャンパスへ踏みしめ登る鰯雲
はくたい
老眼は五周年也鰯雲
鱫水草央
宅配に万屋俵屋鰯雲
川岡すえよし
永の字を連ねる板書いわし雲
高梅 仁
地下鉄の五番出口へ鰯雲
那須のお漬物
風にのび風に泡めくうろこ雲
あるる
商談に降り立つ駅や鰯雲
山野麓
立ち会いの杭打込むや鰯雲
平としまる
瓦葺さかさにのぞく鰯雲
ほこ
仮定法過去の生き方いわし雲
平本魚水
いちにさん後屈すれば鰯雲
大阪駿馬
トスの先空一杯の鰯雲
矢部重夫
鰯雲前の読者の走り書き
河野灰土
鰯雲転校生を待つ試練
津軽わさお
鰯雲喰はれで流れ腐れゆく
鷹取 碧村
鰯雲とどのつまりは拗ねてをり
日々拓人
水底にわれひとりあり鰯雲
後藤三梅
イヤホンを伝ふバッハや鰯雲
さざなみ葉
海知らぬ祖母山峡に鰯雲
石井瑩
鰯雲影踏みの影薄れゆく
永想
辺野古今せまし狭しと鱗雲
安井コスモス
図書館の二階の出窓うろこ雲
まち眞知子
さっきの記憶鰯雲が盗っていく
ふわり子
スマッシュのあとに残れり鰯雲
藤井赤童子
鯖雲や腕を遥かへクラーク像
そうり
四食目の白粥甘し鰯雲
蓮花麻耶
いわし雲うつむきながら歩く癖
小木さん
故郷の単線の駅鰯雲
菊池克己
反芻の牛の赤目や鰯雲
まるちゃんにいさん
闘球のジャケツ連ぬ鰯雲
尾木三十一
鰯雲湿って乾く求人誌
ふもふも
七回忌やボンネットの鰯雲
梶井大地
空き待ちの車両ぐるぐる鰯雲
みづちみわ
地下鉄の深き谷底いわし雲
伊藤順女
鰯雲ひとり営む美容室
公木正
鰯雲のごとき兵士たちの群れ
玉響海月
運転の下手になる父鱗雲
剛海
相模野の風の匂ひや鰯雲
桔梗
引越しの荷物見送り鰯雲
青木豊実
北の丸石垣城門鰯雲
沢瀉
沖浪や漁師が睨む鰯雲
ジョルジュ
鰯雲かれの上着の内のそら
和泉穣
鰯雲ほろほろ風の潮目なり
月見柑
なんとなく右折し鱗雲はるか
泰山
何マイル先まで畑か鰯雲
素空
鰯雲給水車へと伸びる列
葉るみ
いわし雲わたしはウェラーマンの孫
夏風かをる
陽にとけてまろき穴あり鰯雲
庭野環石
ハンセンの島突きささる鱗雲
アントワネット@ノエル
定年やビルを見遣りし鰯雲
誠馬ノマド
系統樹にノートは狭し鰯雲
足立智美
旅立ちの空をひろげる鰯雲
瀬尾白果
鰯雲数へ終わつて療養所
でんじゃらすババア
坂道を尾灯連なりいわし雲
まめばと
友の忌を生く清げなる鰯雲
羽奈あかり
猫なでて紛れる頭痛鰯雲
美乎梛
連なりしパイロンの赤鰯雲
新子熊耳
鰯雲夫にはくんを付ける君
やまだ童子
単身九年コロナ禍の鰯雲
竹暖簾
いわし雲花屋は窓が命です
オーガストスガワラマサト
まずまずの人生なりし鰯雲
かとしん
いわし雲長き白線ひく教師
クラウド坂の上
駅の灯の溶けだす朱の鰯雲
在在空空
鰯雲鍵を抜く鍵空き家なる
福田みやき
いわし雲豪華客船湾を出る
いこん
鰯雲今日でひとりになりました
白薔薇
ぷるぷると掲揚ポール鰯雲
ほしのあお
七輪に焚べる破局や鰯雲
桜月夜
週一のジム通ひの日うろこ雲
比良山
空一杯海月のごときいわし雲
一茶お
入道の力こぶ萎え鰯雲
松本 探句トップ
ハングルを拾うアンテナ鰯雲
かん かんし
鰯雲株暴落の月曜日
ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
枯節の味噌汁の朝鰯雲
ひーたん@いつき組広ブロ俳句部
仏具屋に待ちて鰯雲は無言
大西どもは
無口にも行間のあり鰯雲
ルナ
退勤と書きカフェラテと鰯雲
夏立也
逝きたいと冀う母鰯雲
ふゆの都々逸
吾子胸に献花の列に鰯雲
りんごのほっぺ
鰯雲ひとまず今日を乗り切れば
森中ことり
母の苦に思い至れり鰯雲
大 広秋
鰯雲はなれて響きあふ和音
みやま千樹
鎌倉や螺髪のやうな鰯雲
多々良海月
売気無き古本屋出で鰯雲
紫水晶
秒読みは100を切りたり鰯雲
三重丸
蓑笠掛け客待つ庵や鱗雲
岡田英明
また一軒タバコ屋消えて鰯雲
芋 二郎
更衣室の窓より遠き鰯雲
まるかじり
鰯雲元駄菓子屋の駐車場
居並小
大空は龍の孵卵器いわし雲
石垣 葉星
鰯雲ふくしま沖を通りけり
千曜 桜
新しい靴はそらいろ鰯雲
愛燦燦
ペリカンの嘴はたんまり鰯雲
かえるしろ
いわし雲記憶は美しくよどむ
夏草はむ
鰯雲少年に席ゆずられて
さきななゆうさら
晴れ晴れと友禅流し鰯雲
伊藤 柚良
猫が見る寝室の窓いわし雲
未ゃ
鰯雲青き虚空へ風静か
三島ひめばしょう
空と海互いに揺れるいわし雲
raito
鰯雲たかきさざ波高望み
はるぴょん
模擬試験我は何処や鰯雲
玉野汐音
白河の関へ一里や鰯雲
渡邉竹庵
鰯雲溶ける温度の露天風呂
フージー
英会話やめる勇気や鰯雲
梓弓
軒先の干物取り込む鰯雲
雅屋少将
終業の鐘は鰯雲をつれて
ぜのふるうと
自己否定するな若人鰯雲
津軽ちゃう
賑わいの市場食堂鰯雲
一日一笑
ストリートピアノ弾き了へ鰯雲
虎堂吟雅
鰯雲治山だのみの浦住まい
和鹿島荒巻
鰯雲流る場当たりの初日
山本たか祥
寂れゆく湯の街あまた鰯雲
いつか
屋上のぼっちカレーや鰯雲
蘂六
鱗雲千切れて澱となり夕べ
江良 中
気がかりは明日に委ねて鰯雲
さぶり
給水のための停車やいわし雲
仁山かえる
地下街のいつものランチ鰯雲
絵十
鰯雲エレベーター工場空へ空へ
西川由野
スクラッチ五枚削るや鰯雲
水鏡新
鱗雲ぎしぎしジェットコースター
ちかひか
し残したことの数々いわし雲
三重野とりとり
スカートのひだ生き返る鰯雲
空野千鶴
鰯雲鮫か海豚か軍用機
黒澤墨青
泣きたくてウクレレを弾く鰯雲
関津祐花
三畳の山頂は密鰯雲
吉田竹織
騎馬戦の勝者の拳鰯雲
慎吾
ジーンズは枯の手ざはり鰯雲
折坂玄
鰯雲人の汚れはよく落ちる
堀口 房水
完走の水の旨さよ鰯雲
一富士リリー
いわし雲黒板に誤字ひとつあり
野菊てくてく
鰯雲あの日の事を今日許す
風慈音
此畜生とペダル鰯雲追う
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
鰯雲延長戦は続きをり
文月あつみ
赤甍映える母校や鰯雲
ひぐちいちおう(一応)
ふわふわの藁に寝転び鰯雲
村上継鳥
鰯雲産ぶ声にゆれ父となる
江波由芽
偉人から僕鯖雲は回ってる
三河朱奇
先頭は場外弾や鰯雲
ねずみ男
ごろ寝して漱石読めり鰯雲
蘇子
かなしみはうろこ雲のひとつひとつ
くみくまマフラー
鰯雲の一番線は出雲行き
トウ甘藻
生駒山越えて大和へ鰯雲
岡本 戎
やっと寝たあお組屋根に鰯雲
浪速の蟹造
次回の兼題も
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