【佳作】
貨車百両大陸を行く鰯雲
小石日和
ミサへ焼く百のマダレナ鰯雲
明惟久里
鯖雲の端つこ故郷は廃る
対馬清波
鰯雲こゝろに抜けぬ棘いくつ
愚老
鰯雲104番目が欠けている
くさ
鰯雲子規の知らざる子規の背中
まんぷく
高原の空傾かせ鰯雲
山田蹴人
改札を抜け赴任地の鰯雲
Q&A
生家には未完の油彩鰯雲
GONZA
煌々たる中洲の夜を鰯雲
ふくじん
三限目まで居れた日のいわしぐも
主藤充子
ハモニカの音がぱふぱふ鰯雲
白プロキオン
楽さんに座布団百枚いわし雲
古賀
鰯雲あすは産休明けなるぞ
伊奈川富真乃
鱗雲きれい未明の風俗街
前田麺
鰯雲えらそうじやない墓がいい
島田あんず
鰯雲みみなりきいてゐるばかり
渋谷晶
あはうみの波のささらや鰯雲
ももたもも
いわしぐも一対三はけんかじゃない
かつたろー。
海と詩とイル・ポスティーノ鰯雲
めいおう星
人買ひ舟ぎいぎい夜の鰯雲
RUSTY=HISOKA
銭湯のぱこーんぽこーん鰯雲
はれまふよう
鯖雲や見合い話は腹が減る
嶋村らぴ
鰯雲長患ひの目に倦まず
常盤あけび
赫々と鰯雲ラジオは悲報
楽花生
ヒーローはあしたもひとり鰯雲
常磐 はぜ
月濾して明るき鰯雲の夜
横縞
いわし雲絵の具の白は貝のから
原 水仙
鰯雲墓場を囲む電気柵
いなほせどり
馬券投げ捨てた鯖雲遠かった
たーとるQ
くせ強き板書のリズムうろこ雲
KII
鰯雲ここに「銀巴里」ありました
朶美子(えみこ)
蜂蜜の結晶いわし雲はるか
コンフィ
ランマーはダダダヂズデド鰯雲
トポル
組体操危うし鰯雲びっしり
綾竹あんどれ
はじめての死はじめましていわし雲
すいよう
鰯雲機材繰りにて欠航す
ぐりえぶらん
どうせ吾は余る班決め鰯雲
西村 棗
この旅のエンドロールか鰯雲
秋野茜
鰯雲ざくざく裁つて別るる日
津島野イリス
あと五橋渡れば四国いわし雲
いさな歌鈴
仮免は一発やのに鰯雲
植木彩由
統べ尽くしたる鰯雲今日は嫌
大塚迷路
鰯雲ひがなひた切る入場券
ふるてい
屋上はまだ喫煙可いわし雲
亀田荒太
鰯雲数える今日も塾がある
ぐでたまご
鰯雲すこやかに膿むゆふまぐれ
夏湖乃
はろばろと川よ古墳よ鰯雲
梵庸子
鰯雲ワニの動かぬ一時間
村瀬っち
教室は水槽いわし雲が暮れる
山本先生
嫌われているほうが楽いわしぐも
ツナ好
退屈な東名5キロ鰯雲
うえばまさき
男らの八割がザコ鰯雲
あさのとびら
いわし雲触れて崩るるパイの層
丸山隆子
千枚のフロントガラスを鰯雲
あいだほ
錆臭き風の甲板鰯雲
一港
鱗雲見てゐて風紋の砂丘
すがりとおる
鰯雲三人居ればいい会社
長谷川水素
黙食を脱け鯖雲の校庭へ
はんばぁぐ
いわしぐもねこはしんだらかたくなる
すりいぴい
弔文は空一頁鰯雲
中島 真珠
水滸伝読み鯖雲に加はりぬ
髙田祥聖
壺はみな啞然の口を鰯雲
いかちゃん
高跳びの臍はちょうてん鰯雲
まこちふる
まだ硬いグローブ空へ鰯雲
寿貢
派遣さんと呼べれてをりぬ鱗雲
乃の
いいね、無視、ミュート、ブロック、鰯雲
加良太知
教頭のリレー実況いわし雲
げばげば
いわしぐもしっぽとけてるのがあたし
しゃれこうべの妻
キーウの空モスクワの空鰯雲
中鉢矢的
鰯雲黒し夜勤明けの饂飩
ジン・ケンジ
塹壕にまた夜が来る鰯雲
山田不律
鰯雲妻の悪夢は具体的
桜井教人@金カル
ハルカスの窓にゴンドラ鱗雲
西村小市
あの頃は南海ホークス鰯雲
あつちやん
チチキトクカエレ鱗雲ふくらむ
万葉剣
鰯雲高し工場群の幾何
久保田A
鰯雲水の硬さに慣れました
はるく
口尖る太陽の塔鰯雲
まりい@木ノ芽
いわし雲見て息に声たして_はあ
田中木江
いわしぐも5行5列目まるくて佳
司啓
たいくつをふるいにかけていわしぐも
さとけん
忘れかたをわすれた鰯雲むげん
一斤染乃
鰯雲そらにも緩くある起伏
熊の谷のまさる@いつき組俳句迷子の会
石灰のラインきゆりきゆり鰯雲
さゆり@金カル
いわし雲まぶしく車両基地を今
古瀬まさあき
絶望を千切れば希望いわし雲
七瀬ゆきこ
校門へ続く桟橋いわし雲
大庭慈温
鰯雲数えて日にち薬かな
けーい〇
研究所の漏斗こぽこぽうろこ雲
TAKO焼子
どの親もどこか毒親いわし雲
遠山比々き
右足は係船柱に鰯雲
星乃ぽっち
終点は岬の突端鰯雲
ピアニシモ@金カル
鰯雲ラヂオはしろうとのど自慢
M・李子
遮断機を潰して戦車鰯雲
新濃 健
鰯雲まわし干さるる相撲部屋
斉藤百女
鰯雲噴いて地球という鯨
新蕎麦句会・凪太
ペンギンの水に映れる鰯雲
久留里61
かの人は貝になれたか鰯雲
Kかれん
引き波にきゃらから小石鰯雲
富佐野ほろよい
先に泣くひとの勝ちなり鰯雲
すずしろゆき
鰯雲イザベラ・バード越えし径
星埜黴円
次回の兼題も
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