俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2022年12月20日週の兼題

寒卵

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 目が覚めぬ目が覚めぬ寒卵割る

    イサク

  • 満月が富士の天辺寒卵

    蒼鳩 薫

  • 寒卵飲む禽獣となりにけり

    寒卵飲む禽獣となりにけり

  • 産声を待って三秒寒玉子

    玉野汐音

  • 神奈川の家を思へり寒卵

    稲畑とりまる

  • 寡黙なる昭和一桁寒卵

    妹のりこ

  • 心臓とおんなじくらい寒卵

    星乃ぽっち

  • 山の端に朱の射し始め寒卵

    なかの花梨

  • 養生と前置きをせり寒卵

    犬山裕之

  • 寒卵くらがりに割る留守居かな

    河島 勇人

  • 熨斗付きのパック真白の寒卵

    井納蒼求

  • 湯治場に物売りの声寒卵

    吉武茂る

  • 寒卵投下作戦辣油編

    結壱隆月

  • 寒卵昔結核療養所

    江坂衣代

  • マニキュアを塗らぬ娘や寒卵

    佐藤香珠

  • 父からの敬語の手紙寒卵

    あなぐまはる

  • 朝ドラのこの娘は強い寒卵

    小鳥ひすい

  • 悪役の台詞は長し寒卵

    羽野あき

  • 寒卵曇り硝子に濾す朝日

    恵勇

  • 寒卵豊かな灯りゴツホの夜

    英ルナ

  • 胎動の目覚めぽこぷく寒卵

    蜥蜴の尻尾

  • 寒卵つかみどころのなき女

    蘭丸結動

  • 寒卵ならべる二個の相寄らず

    kikuti-aya

  • 父母の老いてむつまじ寒卵

    かぬまっこ@木ノ芽

  • 守一の供物は一つ寒卵

    海原 洋

  • ミサイルは幾ら寒卵は子らへ

    乃の

  • 寒卵ラジオにて聴く第九かな

    熱田俊月

  • アメ横へ軽トラの荷は寒卵

    馬門宗太

  • 鑿鏨夜気寒卵鏖

    平野光音座

  • おのおのの分に重力寒卵

    華胥醒子

  • みづからの殻を割る寒卵割る

    松本笑月

  • 散薬の振る音たのし寒卵

    潮見悠

  • 薄き濃き原初がごろり寒卵

    帝釈鴫

  • 関東の癇癪持ちや寒卵

    寺尾当卯

  • 寒卵タイの木彫りの無愛想

    宇田建

  • 未だ暗き登頂の朝を寒卵

    若井柳児

  • 湖北では傘忘るるな寒卵

    とき坊

  • 光射す不治の病へ寒卵

    一富士リリー

  • 蒼白に光れり真夜の寒卵

    森一平

  • 帰国せし真夜の牛丼寒卵

    緒方朋子

  • 割ってみたし寒卵とかθとか

    あたなごっち

  • 豚骨の湯気の真ん中寒卵

    谷本均

  • 両耳にヘルペスの跡寒卵

    花紋

  • 井戸水をひかりざらりと寒卵

    岸来夢

  • 寒卵ご飯に割つて禰宜の朝

    杉尾芭蕉

  • 角打ちやまづ丸揚げの寒卵

    紺乃ひつじ

  • 三日目の朝七度二分寒卵

    秦 理露

  • 朝五時の光集むる寒卵

    一久恵

  • 寒卵皿へ真つ直ぐな衝撃

    たーとるQ

  • 緘黙の忙しき心寒卵

    野井みこ

  • 骨盤の歪みに沿うや寒卵

    安田 栞

  • 夫婦岩登る太陽寒卵

    みなみはな

  • 寒卵われにやさしき土踏まず

    おきいふ

  • 寒卵分けてつなげた神戸の灯

    下條ちりり

  • ケージを零れ青白き寒卵

    はれまふよう

  • 弟子入りの朝寒卵二つ割る

    富士桜花

  • 恐竜の羽毛何色寒卵

    弘友於泥

  • 寒卵ポルターガイスト起こる夜

    伊藤映雪

  • 寒卵予後の食道落ちてゆく

    麗し

  • 菜箸をたてよこたてたて寒卵

    しゃれこうべの妻

  • 寒卵湯気にあばれて朝御飯

    三島ひめばしょう

  • にこにこと阿呆になりし寒卵

    長嶋佐渡

  • 歌舞伎町の朝白々と寒卵

    時まる

  • ビピンパの縁へ寒卵の加速

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 戦力外通告寒卵ひと呑み

    ぐでたまご

  • 寒卵無くしたものは些事として

    北村季凛

  • 寒卵殻割り未来完成図

    宥光

  • 三度目の不妊治療や寒卵

    梶井大地

  • 寒卵数へる指と割る十指

    三休

  • はじめてのおつかいまして寒卵

    蒼空蒼子

  • 寒卵道路工事の熱の香よ

    てつなお

  • 厳かに剥がすシールや寒卵

    鈴木麗門

  • 割る前の何だかおごそか寒卵

    ピアニシモ@金カル

  • ゆたかなる思春期の膿寒卵

    暖井むゆき

  • 静々と指を沈めて寒卵

    冬野とも

  • 大盛の飯を窪ませ寒卵

    もふ美

  • ニルヴァーナここに寒卵の中に

    濃厚エッグタルト

  • 友人の声朗々と寒卵

    松元転石

  • 戦争は他国の事よ寒卵

    宮武桜子

  • 採血の夜に加ふる寒卵

    大木典子

  • 寒卵ただの遊びを思ひ切り

    大和田美信

  • 蒲柳とは縁なき母の寒卵

    野々村澄夫

  • 寒卵よ人となること許されよ

    北藤詩旦

  • 寒卵三度の食事に切る十字

    みやま千樹

  • ささやかなビッグバンあり寒卵

    ときめき人

  • みちしほのをさなのことば寒卵

    夕虹くすん

  • 安堵と遺憾辞職の朝や寒卵

    あまぐり

  • 掌に無欠のかたち寒卵

    玉響雷子

  • 掌に寒卵いのち毀はれさう

    山内彩月

  • 初産の少し小さき寒卵

    種種番外

  • 稽古後の畳のにおい寒卵

    どみ どみそ

  • 力瘤くらべてゐたり寒卵

    ひねもす

  • ちゃぶ台に寒卵あり小津監督

    カオス

  • 産みたての寒卵祖父の咳渇く

    野山遊

  • 早朝の父のかつかつ寒卵

    ぉ村椅子(志村肇)

  • 痩せてゆく指輪の隙間寒卵

    港のパン屋

  • 寒卵家庭科室の成分表

    アンサトウ

  • 花まるのテストゆでたて寒卵

    美村羽奏

  • 震災の祈りの朝や寒卵

    雑魚寝

  • ぱんぱんの母の右足寒卵

    星月彩也華

  • どつしりと黄身の浮きたる寒卵

    中山月波

  • ぐぐぐつとこめた親指寒卵

    空流峰山

  • 寒卵再建の胸迫り上がる

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • やり直す人生ぽこり寒卵

    林真紗湖

  • 寒卵旅のひと日の始まりに

    藤井赤童子

  • 割り入れば力瘤めく寒卵

    夢見昼顔

  • 「小さな死」また「小さな死」寒卵

    チームニシキゴイ 太刀盗人

  • ラジオから今日の運勢寒卵

    ひなた和佳

  • 雌鶏は淋しと泣いて寒卵

    伊藤辰弥

  • 寒卵夜ごと小さく死ぬからだ

    津島野イリス

  • 産卵日の印字鮮やか寒卵

    広島 しずか80歳

  • 寒卵供へて怖ろしくなりぬ

    山田喜則

  • 労咳の見舞いは笊の寒卵

    菊池克己

  • 放射線治療は無痛寒卵

    二重格子

  • 朝日あび鶏の屎覆ふ寒卵

    ぶうびい

  • 物憂しと伸ばす指先寒卵

    葦屋蛙城

  • 頼もしや並ぶ納豆寒卵

    竹田碧空

  • 寒卵てのひらひとつぶん満つる

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 寒卵垂直降下する土星

    高遠見上

  • 大砲にみどりのゆびや寒卵

    福田みやき

  • 認知症の優しくたたく寒卵

    加良太知

  • 寒たまご大縄跳を走り抜く

    にわのこでまり

  • 寒卵割る喧騒は埠頭より

    門田なぎさ@金カル

  • 寒卵コトリと父のいない朝

    夏草はむ

  • 八十億みな飯は食ふ寒卵

    番人

  • 寒卵この世に落ちて乾きけり

    彼方ひらく

  • 病棟へ藁苞さげて寒卵

    やっせん坊 池上

  • 寒卵触れる寮母の手のゆたか

    芦幸

  • 合否待つ真白な朝へ寒卵

    栗田すずさん

  • ジェラシーのタンゴ流るる寒卵

    狩谷わぐう

  • 湯治場のざるにこんもり寒卵

    はまゆう

  • 寒卵明日こそノーと言ってみる

    沖原イヲ

  • じいちゃんのラヂオ体操寒卵

    つづきののんき

  • 再開の日記五日目寒卵

    安溶二

  • 寒卵涙袋の佳きフラウ

    高尾里甫

  • 三十年遅れの青春寒卵

    ふくろう悠々

  • 寒卵いただきますといふ祈り

    露草うづら

  • 段ボール手紙の下に寒卵

    ろひさま

  • 寒卵みっけ世界の中心で

    へなけん

  • 凶弾の記事にくるまれ寒卵

    たま走哉

  • 寒卵そろそろ目立つ喉仏

    松田てぃ

  • 寒卵神も仏もみな無口

    荒一葉

  • 寒卵銅板鍍金のやうな面

    夏目十貫

  • 寒卵帰京の朝の静かなる

    澄海まさと

  • 考えは煮詰まった寒卵パンッ

    阿部八富利

  • 千歳の鼓に呑むや寒卵

    あるべきようは

  • 抓むより握れば重し寒卵

    落句言

  • いきものは生存機械寒卵

    栞虫かじり

  • 赤ペンやこれはわたしの寒卵

    澤田捨楽

  • からからのホテル朝餉に寒卵

    鳥羽ししまる

  • 白昼の月細くあり寒卵

    愛柑

  • 好日やはるると割るる寒卵

    まるちゃんにいさん

  • 寒卵を二〇個買つて恋した日

    きゅうもん@木の芽

  • 寒卵翼の生えた子供たち

    夢雨似夜

  • 寒卵じゆつと花咲くフライパン

    中 兎波

  • 寒卵無聊を託つ父の背や

    哲庵

  • 厨房に大量に着く寒卵

    美年

  • 覆りやすき世歩む寒卵

    詠頃

  • 飛蚊症溶けない寒卵混ぜても

    ぜのふるうと

  • ばあちやんはカラザも使ふ寒卵

    西野誓光

  • 寒卵薬師如来の左手に

    黒澤墨青

  • 寒卵飲干し上腕二頭筋

    陽光

  • 寒卵夜は術後の水晶体

    吉野川

  • 寒卵力の色の朝ごはん

    駒爺

  • 理由ありてしづくのかたち寒卵

    市橋正俊

  • 子規の膳二つ添えられ寒卵

    塩風しーたん

  • 子も蛇もどこか膨らみ寒卵

    夢実

  • 寒卵朝の鶏舎に湯気の立つ

    おかだ卯月

  • 発令の夜ちくわぶと寒卵

    不二自然

  • 寒卵割りて全き世界地図

    うみのすな

  • その黄身は春の色なり寒卵

    西村小市

  • 寒卵めしを肉厚な滑落

    中島 真珠

  • 寒卵強気に生きる選択肢

    木村隆夫

  • 書き終えた昂りに割る寒卵

    瀬尾白果

  • トーキョーハソウユウトコロ寒卵

    清水 三雲

  • 寒卵どの店もまだ支度中

    快晴ノセカイ

  • 対話型指導へと舵寒卵

    孔明

  • 牧場の草に置きたる寒卵

    はたのせんせい

  • 清貧の今は昔や寒卵

    洒落神戸

  • 寒たまご東天に明けの明星

     どいつ薔芭

  • 叡山の不滅燈明寒卵

    よぶこどり

  • PCR検査前夜の寒卵

    粋田化石

  • どんぶりに蕎麦押しのけて寒卵

    釜眞手打ち蕎麦

  • 青空の光に匂ふ寒卵

    ぎんやんま

  • 納豆を撹きて百回寒卵

    中鉢矢的

  • 少年期終はる寒卵のあぶく

    登りびと

  • 無愛想な叔父の手土産寒卵

    恋瀬川三緒

  • けふを生くためのこの詩と寒卵

    立部笑子

  • つるつるの初孫重し寒卵

    ちびつぶぶどう

  • 寒卵進路指導は長引いて

    千代 之人

  • 寒卵坂の下には湊町

    小川野棕櫚

  • 金春色透くあすなろの寒卵

    青居 舞

  • 寒卵縫い目正しい手術痕

    城内幸江

  • マリアにと革の袋に寒卵

    鯛 風

  • 寒卵まるつと飲みて始発乗る

    reion

  • 寒卵食することは祈ること

    青木りんどう

  • 寒卵一個で二杯の飯を食う

    壱太

  • 昼月の引力浴びる寒卵

    ふくじん

  • なだらかな金星丘へ寒卵

    砂楽梨

  • 寒卵泡立つBarの深夜二時

    ジン・ケンジ

  • 寒卵啜りくゎくしゃく吉田寺

    吟  梵

  • 一万の気孔の呼吸寒卵

    水無月

  • 二つ割れば違ふ手応へ寒卵

    中根由起子

  • 寒卵さみしき人は太るらし

    うに子

  • 献身へおせんころがし寒卵

    千葉信子

  • 太陽が寝ぽうしている寒卵

    絵夢衷子

  • 鶏糞の尖る山並み寒卵

    てまり

  • 定年の日の定食の寒卵

    秋月

  • ほの温き満願の日の寒卵

    青野遊飛@蚊帳のなか

  • 一病と生きていきます寒卵

    岡山小鞠

  • 寒卵かざす婆の手籾の殻

    平野水麦

  • いわれればかしこそうなり寒卵

    花屋英利

  • 攻略の一手深夜の寒卵

    猫ふぐ

  • 痩身に朝日のしむや寒卵

    歩く鳥

  • 人生に余白ありけり寒卵

    土谷海郷

  • 寒卵を割るやMー1グランプリ

    博さん

  • 寒卵持たせてみたき麗子の手

    ま猿

  • 寒卵のケースは正十二面体

    藤咲大地

  • 吾子の掌の熱さの残る寒卵

    西田武

  • 子規も飲み蛇笏も飲みし寒卵

    泰山

  • 早暁の車内の黙や寒卵

    そめやまさみ

  • 五十円高く売られて寒卵

    伊藤てまり

  • 寒卵ぷるるん飯のくぼみに点く

    はんばぁぐ

  • 寒卵来たり土鍋へ米二合

    みつれしづく

  • 吾はひとり友らもひとり寒卵

    月岡方円

  • 寒卵膜を鼓動が震わせて

    みのる

  • ばあちやんの笑顔はしづか寒卵

    きのえのき

  • からうじて薬要らずや寒卵

    上村 風知草

  • 寒卵泣く子いねかと太い声

    おこそとの

  • 手の中に眠りたるかな寒卵

    キッカワテツヤ

  • 寒卵の黄身の弾力みずみずし

    はっしー

  • 寒卵医者にも治せない病

    そうり

  • 寒卵割れば生まるる小さな死

    五十 理化

  • 惚けたふりしてゐる母の寒卵

    檜鼻ことは

  • 長寿とはときにかなしき寒卵

    林石爽子

  • 朝日匂ふ真四角の卓寒卵

    ほしの有紀

  • 寒卵二十四円の重みあり

    八十六九

  • 星占ひ見つゝ食ひをり寒卵

    かりかり久助

  • 寒卵溶いておかゆへ描く○

    西村柚紀

  • 空青し産みて虚しき寒卵

    大阪駿馬

  • 竹笊の左手ずしり寒卵

    ユ綺

  • 妾腹ひとりにひとつ寒卵

    西田月旦

  • ざらとする夫の手に似て寒卵

    葉月けゐ

  • 水道管ピシッ寒卵が固い

    山口鵙

  • 今二ヶ月と言い出せぬ寒卵

    あやっぺ

  • 立ち食いのかき揚げそばの寒卵

    たかはし千百

  • 寒卵割れば失せゆく肩の凝

    愛燦燦

  • 五メートルリハビリ進む寒卵

    しんしん

  • 寒卵肥後のくにから来たる人

    いしざわきさらぎ

  • 寒卵カーフレイズは二百回

    富佐野ほろよい

  • 丸薬の減り寒卵溶く夕餉

    音羽凜

  • 羽根こびり付いて寒卵の紅し

    古瀬まさあき

  • 生きよ君君の前には寒卵

    ゴー俳句翁

  • 寒卵考の年まであと五年

    荒磯魚々

  • 痩せし掌の握りて温し寒卵

    野瀬藻石子

  • 震央と震源の距離寒卵

    悪七兵衛

  • 関取と山盛り飯と寒卵

    竹春エリザベス

  • 今日の肌着なく昨日は寒卵

    宮康平

  • 寒卵身に覚えなき請求書

    辻野 花

  • 寒卵ペースメーカーの右胸

    木ぼこやしき

  • 子を諫む母の眦寒卵

    石浜西夏

  • 寒卵如何ばかりかは存えむ

    ひぐちいちおう(一応)

  • 寒卵「やればできる子」やめる朝

    パンの木

  • 寒卵重し不妊はどちらのせゐ

    倉木はじめ

  • 自家製のたまり三滴寒卵

    ひだ岩魚

  • 真っ白なスケッチブック寒卵

    いなほせどり

  • 寒卵雨の匂ひの銀座裏

    さいたま水夢

  • 長男は別格の土地寒卵

    ほしのあお

  • 寒卵あした来ることうたがはづ

    幸田柝の音

  • 寒卵朝日差したる食堂車

    陽花天

  • 特別の日の白粥の寒玉子

    アントワネット@ノエル

  • 朝稽古終えて茶碗へ寒卵

    きなこもち

  • 我が身から生まれし女の子寒卵

    瀬戸ティーダ

  • 身支度の夜明けは遠く寒卵

    麻生四里

  • 寒卵バクダン低気圧過ぎて

    北野きのこ

  • 幸いなる慈雨の調べよ寒卵

    ともかわすてむ

  • 寒卵あったかマフィンと珈琲と

    古都 鈴

  • 寒卵ひと言だけの置手紙

    えりべり

  • 寒卵しみづ汲むごと掌に

    クロまま

  • 竹行李の籾殻深し寒卵

    雨霧彦@木ノ芽

  • 倒れてゐたいときもあるわよ寒卵

    あまぶー

  • 退院日近し寒卵を買いに

    瀬央ありさ

  • 紀の川の寒卵呑む母ありや

    やどかり

  • 預言者のまなこ濁るや寒卵

    内藤羊皐

  • 寒卵まかないさんの京訛り

    木野桂樹

  • 寒卵ずっしり貯金箱みっしり

    空豆魚

  • 薄紙を剝がして宝珠寒卵

    佐藤 位相朗

  • 寒卵一人で生きていいですか

    細木さちこ

  • 大吉をぐいと引きたり寒卵

    乃筈三拍

  • 中卒の創業者の眼寒卵

    武者小路敬妙洒脱篤

  • 寒卵富士のくぼみは何個分

    山本 マユミ

  • 寒卵自宅療養九日目

    白薔薇

  • くす玉を作るお仕事寒卵

    はぐれ杤餅

  • 寒卵割つて発光するすき家

    坐花酔月

  • 鶏鳴や海より日出て寒卵

    ハチ太郎

  • 寒卵あのねえちやんが認知症

    小池令香

  • 銀匙で打つ罅の殻寒卵

    ペトロア

  • 寒卵に愚妻の愚痴を奉り

    ちゃるこ

  • 寒卵十年日記の最終日

    くさ

  • 寒卵残りし殻の置き所

    新城典午

  • 寒卵割って息吸う朝餉かな

    吉川花ほっぺ

  • 母剥ける陣痛の夜の寒卵

    神山やすこ

  • ラテ欄の祝ふ縦読み寒卵

    ちょうさん

  • 寒卵ゴクリ階段三つ飛ばし

    佐藤烏有

  • 働ける日々の明るし寒卵

    川越羽流

  • 三度目の職に挑戦寒卵

    萱原綾川

  • メモ紙に寒卵クエスチョン付

    黒蜜かりんとう

  • 寒卵位牌の中の嶽の文字

    星埜黴円

  • 寒たまご山家湯宿のおもてなし

    川島欣也

  • 球根と同じ成分寒卵

    千歳みち乃

  • 二十一グラムより重い寒卵

    大熊猫@四句八句

  • くくくひと米寿の喉を寒卵

    でんでん琴女

  • 愛といふ小言寒玉子かしやかしや

    花南天anne

  • 割る音もひびく朝なり寒卵

    大久保加州

  • 寒卵握力計は1.5

    葉月庵郁斗

  • 寒卵足下にさらす黄身と殻

    宮川武久

  • 寒卵ぐりとぐらならこのサイズ

    濃紫えみ

  • いい国と暗記せし日の寒卵

    黒蜜きな子

  • 炎揺れ窯焚く夫に寒卵

    せいしゅう

  • 土間にある暗き机や寒卵

    犬井山羊

  • 寒卵割りていよいよ婿にいる

    ゐるす

  • 寒卵今日のため息はきれい

    公木正

  • 老害を諫め朝げの寒卵

    山くじら

  • 寒卵終日誰もゐない卓

    石上あまね

  • 弓を引く素足に袴寒卵

    またね

  • 寒卵光あまりにやはらかし

    風慈音

  • 労咳の父だけありし寒卵

    桃香

  • 寒卵ぬくし実験棟さむし

    板柿せっか

  • 寒玉子突っ張りを受く胸厚し

    むじーじ

  • 寒卵立てて清しさ少しなり

    庭野環石

  • 旅先に鐘聞く朝餉寒卵

    一港

  • 寒卵飲みラマーズのひいひいふ

    河本かおり

  • 夜明け前鶏舎の灯寒卵

    那須のお漬物

  • 寒卵火宅の漢の喉仏

    篠原雨子

  • 昭和の男の目尻や寒卵

    葉るみ

  • 寒卵陰極まりて陽となり

    猫凡

  • 飲み干せば脈打つやうな寒卵

    髙橋弓女

  • 寒卵性なき生にある光

    青田葵

  • 寒卵すする余生のど真ん中

    安井コスモス

  • 幾何学的な曲線よ寒卵

    dragon

  • 寒卵卵の部首はふしづくり

    中島走吟

  • 寛解の予後五十年寒卵

    遠山比々き

  • 寒卵こつりと世界は広がれり

    森 日美香

  • 寒卵眩しみ朝の古旅館

    酔下弦

  • ライバルや寒卵いま爆ぜそうな

    大西どもは

  • やはらかく妻に見らるる寒卵

    小木さん

  • 箸先をよける寒卵の気骨

    広木登一

  • 寒卵割って身軽にしてあげる

    三井伽那

  • おくやみ欄見てから割りぬ寒卵

    朱鷺9条

  • 寒卵白身にしょう油はじけをり

    じょいふるとしちゃん

  • 三年も消えぬ痘痕よ寒卵

    原神 かたな

  • 朝粥へ味噌ごま油寒卵

    すずしろゆき

  • 寒卵ふつくらとした金星丘

    三月兎

  • 麻痺残る手に寒卵の重力

    加藤栗庵

  • 叶うなら子規に飲まさん寒卵

    コケコッコー

  • 信条は大器晩成寒卵

    高田杏

  • 二度寡婦となりし祖母の手寒卵

    由づる

  • 出社拒否しそうな朝の寒卵

    ぐりえぶらん

  • 霊園の帰り無人機寒卵

    鳳凰美蓮

  • 牛小屋に牛声太し寒卵

    茫々

  • 寒卵ガンマナイフの入る朝に

    椋本望生

  • 全きは赤子や立つる寒卵

    ららら句らら

  • 結願や懇ろに積む寒卵

    at花結い

  • こけし彫る一人親方寒卵

    さとう夢虫

  • 帰ってくれ泣ぐ子はいねえ寒卵

    在在空空

  • 寒卵付けて朝日の牛丼屋

    和季

  • 水天宮寒卵丼待つ妊婦

    美津うつわ

  • 一段と厳しき戦地寒卵

    糺ノ森柊

  • 大漁旗掲げてふるさと寒卵

    卯月紫乃

  • 寒卵の慈味人間の悪巧み

    河野灰土

  • 嬰のふぐりやはらか寒卵

    満る

  • コロンブスは方向音痴寒卵

    横山雑煮

  • 教会のバザー盛況寒卵

    津々うらら

  • 未来いつものっぺらぼうや寒卵

    稗田鈴二郎

  • 寒卵や満期案内メール来る

    ほうじ茶

  • 寒卵明日は職場へ復帰せむ

    日向こるり

  • 姪つ子のくるぶし寒卵つるり

    安達りんだう

  • 一番は駅伝部員へ寒卵

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 十月目のわが足みえぬ寒卵

    河合郁

  • 特売は小玉十五個寒卵

    鶴岡木の葉

  • 寒卵つややか母の手ひややか

    夏立也

  • さあ今日はマンモグラフィー寒卵

    くみくまマフラー

  • 難聴の吾にコツンと寒卵

    夏の町子

  • 四阿に坐禅のをのこ寒卵

    達坊

  • 寒卵割り鈍色の朝明ける

    殿さまペンギン

  • 寒卵いくさ忘ると祖父がわる

    天東あさじ

  • 贅沢は味方寒卵を三個

    糸川ラッコ

  • 寒たまご黄身は明かりをみごもりぬ

    大津美

  • けふ父はパナマあたりか寒卵

    伊藤 柚良

  • 麻黄湯ごっくん寒卵ぷるん

    オキザリス

  • 寒卵ラジオの君は弱音吐く

    あーすススメ

  • 完徹の管理本部に寒卵

    笑松

  • 寒卵ゾンビ映画が見れません

    クロチョイス

  • 正論は受け付けません寒卵

    大山和水

  • ふっくらと蚯蚓ゐる土寒卵

    ひすい風香

  • 黎明や厨に明き寒卵

    けーい〇

  • 寒卵カッシーニの浪漫

    いごぼうら

  • 寒卵ずずず生涯未婚率

    多喰身・デラックス

  • 退院のきみ軽四に寒卵

    池 閑茶

  • 完璧を演じて九年寒卵

    橘鶫

  • 民宿の親父並べる寒卵

    はなぶさあきら

  • 靴紐のぎゅっとアンカー寒卵

    落人家楽人

  • 左手は出世の相や寒卵

    植木彩由

  • 太陽の呪文のかたち寒卵

    本村なつみ

  • 手術痕さする手で割る寒卵

    梨西瓜

  • 山越ゆる噴気ま黒き寒卵

    吉田竹織

  • 寒卵微細な夢は正社員

    望月朔

  • 寒卵に内なる灯あり夜の厨

    睦 陽花

  • 自販機は売り切れ赤き寒卵

    もりたきみ

  • 看取りてふ豊かな時間寒卵

    野ばら

  • 寒卵割りて層なすひかりかな

    ほこ

  • てのひらの上のようじん寒卵

    独星

  • 寒卵立てて売らるる薬師堂

    大庭慈温

  • 卵屋の木箱の寒卵うようよ

    ざうこ

  • 寒たまご子宮全摘して帰宅

    むらぴ

  • 寒卵レ点のごとく朝の月

    朱契

  • 寒卵呑んでまじないかける朝

    駒野繭

  • 病歴の身内どこまで寒卵

    ももたもも

  • 寒卵住民コードめく日付け

    小川都

  • 内職は五個で一円寒卵

    小山晃

  • ヒマラヤの塩てっぺんに寒卵

    柳絮

  • 寒卵ぼくらはやる気満々です

    のつり

  • 寒卵爪半月の似る養子

    る・こんと

  • ほろほろと日暈零るる寒卵

    永田千春

  • 優等生なんてレッテル寒卵

    井原冴

  • 寒卵鶏舎の雄の眼の険し

    吉 や

  • 寒卵空に羽ばたく大鳥居

    天満

  • 昼起きて腓返って寒卵

    森コリゴリ

  • 納豆の糸美しき寒卵

    藤永桂月

  • 寒たまごおはようきれいきいろい死

    銀紙

  • 親の顔見てみたき寒卵かな

    山本先生

  • 埋めらるる万の親鶏寒卵

    野地垂木

  • 合否待つ担任の朝寒卵

    花和音

  • 寒卵ひとつカーキの略帽へ

    西川由野

  • 土堤に沿ふ無人販売寒卵

    いたまきし

  • 自堕落な独り者なり寒卵

    亀山酔田

  • 復興の年月手には寒卵

    空木花風

  • 寒卵余生の地たる避難先

    伊奈川富真乃

  • 数式が寝転んでいる寒卵

    勘太郎

  • 楽屋には脇役ばかり寒卵

    瓦すずめ

  • 白銀に明け方の月寒卵

    石丸武

  • 朝刊に吐息の沁みて寒卵

    たつき

  • 寒卵これが光の重さかな

    嶋村らぴ

  • 変な子と裏で言ふ友寒卵

    丸山隆子

  • 入院時面会は不可寒玉子

    長谷機械児

  • 家族とは歪なうつわ寒卵

    天陽ゆう

  • 竜か火かどちらかになる寒卵

    関津祐花

  • 仏壇へ上げてすぐ割る寒卵

    原 水仙

  • 針箱に制服ボタン寒卵

    月石 幸

  • 異常なしのエコー写真や寒卵

    しかもり

  • 闘病や体温計と寒卵

    くにた

  • 助け合ふ集落三戸寒卵

    せいち

  • 寒卵眩し36.9℃

    ぞんぬ

  • 寒卵父は右手であいさつし

    紅塩寝子

  • 寒卵混ぜて性的マジョリティ

    伊予吟会 宵嵐

  • レイノーの白き手寒卵の丸み

    どくだみ茶

  • 養鶏場の傍ら寒卵の売店

    虎堂吟雅

  • 人の手が怖い恋しい寒卵

    桃園ユキチ

  • 籾殻より寒卵五個肥立ちにと

    としなり

  • 寒卵朝のラジオの名調子

    かん かんし

  • 子に生きる意味問われ割る寒卵

    大紀直家

  • 透析のあさ白米と寒卵

    スモールちもこ

  • 転籍を済ませて二人寒卵

    いなだはまち

  • 津軽にぞ貝焼き味噌に寒卵

    津軽わさお

  • 寒卵割って今日より「高齢者」

    苺井千恵

  • 冷え性の指に割られて寒卵

    ゆみづき

  • 欠点はひとつもなくて寒卵

    フージー

  • 寒卵飯かっこんで配達へ

    田畑 整

  • これよりはころがるばかり寒卵

    主藤充子

  • 舌が綺麗てふ褒め言葉寒卵

    千田とまと

  • 養鶏のほとぎつしりや寒卵

    迫久鯨

  • 寒卵啜りて夜勤明けの医師

    武田ラーラ

  • 寒卵啜りて傘寿床上げぞ

    新濃 健

  • 耳鳴りの気づき無言の寒卵

    美濃紫

  • 稽古部屋に寒卵の殻堆き

    和泉攷

  • 生命の影柔に延ぶ寒卵

    ササキベル

  • まだ眠る母へ朝餉の寒卵

    清水明美

  • 太陽の張力ぷるぷる寒卵

    靫草子

  • 毒舌は健在の父寒卵

    戸部紅屑

  • うかうかと寒卵に血また生きる

  • 寒卵さんしちにじふいちたすに

    斉藤百女

  • 声掛けて一個いただく寒卵

    三重丸

  • 寒卵ひとつながらのこころばへ

    北代晋一

  • 駆け上がる百の階段寒卵

    有田みかん

  • 避雷針突き刺す朝は寒卵

    陽香

  • 寒卵過去問めくる指に塩

    四季春茶子

  • 寒卵割りて開闢轟けり

    ゆうすけ

  • 原発のカーボンフリー寒卵

    正念亭若知古

  • 寒卵生理の重き君へ割る

    多々良海月

  • 寒卵ころがる先に痩躯な手

    すいーとぽてと

  • 寒卵無人直売販売所

    まるかじり

  • 太陽を粉砕するや寒卵

    水鏡新

  • 坊の朝ヒマラヤ塩と寒卵

    acari

  • 寒卵沁む外出自粛期間

    北爪いく葉

  • 寒卵鶏冠の赤に黙礼す

    吉田わさび

  • ゲルニカのごとく罅入る寒卵

    桜鯛みわ

  • 陽のいろの水のプリズム寒卵

    森海まのわ

  • ひかめける黄身のふもとや寒卵

    仁和田永

  • 夜明け前馬籠の宿の寒卵

    津軽ちゃう

  • つやつやの離婚届と寒卵

    ノセミコ

  • 寒卵俺は癒しの要らぬ人

    やまだ童子

  • コンクリに割れた寒卵の骸

    紙威楓

  • 親指に漲る力寒卵

    海峯企鵝

  • 寒卵煮れば事たる酒のあて

    佐川碧

  • 寒卵朝陽を包む珠として

    楽花生

  • 箸黄身の膜に沈みて寒卵

    鈴白菜実

  • 門前の太き訓戒寒卵

    神谷たくみ

  • 旅にして硫黄の臭ふ寒卵

    君島笑夢

  • 湯治場のにじむランプや寒卵

    安春

  • 寒卵割れば白身の粘り立つ

    比良山

  • 返礼へ今産みたての寒卵

    さぶり

  • 寒卵ユーラシアプレート微動

    一ノ瀬汚芋

  • 生き足りて東雲色の寒卵

    このみ杏仁

  • 茹でたてのうどんに光寒卵

    土佐藩俳句百姓豊哲

  • 寒卵理詰めだけでは生きられず

    畑山六十二

  • 単身やどん兵衛寒卵ひとつ

    小川テル子

  • 掌に鎮まる夜の寒卵

    そめいゆ

  • のぼさんも好物でした寒卵

    喜多輝女

  • 雪国らし寒卵のただならぬ

    木原トモ

  • 寒卵や三十万文字誤字脱字

    縁穐律

  • 自販機の無休寒卵の個室

    28あずきち

  • 寒卵退職の日にマルをつけ

    ひいらぎ

  • 一つづつ配られ寒卵の重み

    亜桜みかり@金カル

  • テラコッタ色の寒卵剥く明日は模試

    芍薬@独逸

  • 払暁の月は苛らぐ寒卵

    立山穂高

  • 鬱病にひかりの兆し寒卵

    ことまと

  • 骨透ける手や存へて寒卵

    悠雨木 はな

  • 引力の形に生まれ寒卵

    香依蒼

  • 独り身を貫くも良し寒卵

    中原柊ニ

  • 欲すべて失せにし祖父や寒玉子

    夏雨ちや

  • 病得て三日三晩の寒卵

    増田 昴

  • うたごえの聞こえし朝や寒卵

    あらら

  • 寒卵湯治の父の宿宛てに

    くぅ

  • 寒卵ふたつあとは日にち薬

    永想

  • 亡き母の声と思へよ寒卵

    立歩

  • 寒卵風の子だった頃の癖

    おんちゃん。

  • 僕の流儀一日六個寒卵

    藤鷹圓哉

  • 寒卵の中は吹雪と誰ぞ知る

    大塚迷路

  • 日光のにほひふくよか寒卵

    播磨陽子

  • 落ちてこぬ雲へはふつた寒卵

    渋谷晶

  • 寒卵かつん働きだす厨

    佐藤儒艮

  • 寒卵遺伝子書換完了す

    真喜王

  • 寒卵いのちの裏側は無骨

    ミセス.アラン

  • 寒卵割って空気を吸わす朝

    樹魔瑠

  • 肥後守光る懐中の寒卵

    堀ゆうき

  • 寒卵振れば浮力の不意にあらん

    白プロキオン

  • 岩塩に岩塩透ける寒卵

    元野おぺら

  • 寒卵平均余命など知らぬ

    明後日めぐみ

  • 寒卵小暗き厨明るうす

    Kかれん

  • アントニオ猪木の元気寒卵

    亀田荒太

  • 次男坊なまで飲み込む寒卵

    アリマノミコ

  • 聳え立つこころ一つの寒卵

    羽沖

  • 寒卵包む福島民友二面

    閑々鶏

  • 寒卵いただきますの掌

    吽田のう

  • 泥んこの長靴寒卵提げ来

    竹田むべ

  • 寒卵活字が踊る市況欄

    石川順天

  • 寒卵呑んで佳き日のまた増えて

    藤白月

  • 初めてのひよこクラブや寒卵

    水越千里

  • 寒卵まずは稲荷へ供へけり

    石塚碧葉

  • 寒卵割る指先の割れてゐる

    唯果

  • 電飾と炊き出しの街寒たまご

    まー坊

  • 骨壺に返す入れ歯や寒卵

    水須ぽっぽ

  • 二つまでよし学食の寒卵

    あさのとびら

  • 一月十七日寒卵喰らふ

    栗の坊楚材

  • 太陽のかけらもらひて寒卵

    はごろも856

  • 歯並びのきれいな娼婦寒卵

    るびちゅ

  • 折り紙の恐竜赤し寒卵

    小だいふく

  • 嘱託の夫に食わせる寒卵

    山尾政弘

  • 下請けは今日も怒鳴られ寒卵

    コーヒー博士

  • この村に生きると決めて寒卵

    戸口のふっこ

  • 湯治場のタイルの流し寒卵

    平としまる

  • 二つめの老眼鏡や寒卵

    駒村タクト

  • 隔離部屋にはボサノヴァと寒卵

    空想婆

  • 哲学に長けた貌する寒卵

    空木眠兎    

  • 寒卵届くヘルメット一杯に

    熊の谷のまさる@いつき組俳句迷子の会

  • シャガールの雄鶏歌ふ寒卵

    熊谷 温古

  • 寒卵透かしてみれば光る海

    桂葉子

  • かろんかろんと鍋へ沈める寒卵

    碧西里

  • 浮き沈み愉しむ釜の寒卵

    豊島月舟斎

  • 寒卵ふいに粟立つ胎動よ

    望月とおん

  • 作業着は青寒卵剥きがたし

    牧野冴

  • てのひらにぬくもりほろろ寒卵

    万里の森

  • 新しき書店十坪寒卵

    くま鶉

  • 二人とは一人と一人寒卵

    井上れんげ

  • ゴムで釣る笊の銭入れ寒卵

    井上几兆

  • 寒卵五百万羽の殺処分

    三重野とりとり

  • 鼻歌や白梅色の寒卵

    真子井こはく

  • 身に巣くふ鬼を鎮めし寒卵

    谷川ふみ

  • 潮水で米研ぐ漁師寒卵

    老人日記

  • 藁苞の曲線美しき寒卵

    六地蔵と狛犬

  • 和平案拒否寒卵腐りさう

    亘航希

  • 雲もなき今朝の虚空や寒卵

    奧元信行

  • 寒卵父が秀才だつた町

    梵庸子

  • 寒卵割れてひかりのやうに影

    眩む凡

  • 寒卵ゆるりと老いて気ままなり

    おぼろ月

  • 寒卵妊婦の眠き散歩かな

    かつたろー。

  • 子の唄の日々に新し寒卵

    きみどり

  • 発熱や独り暮らしの寒玉子

    ゴーマ

  • 一行の職歴永し寒卵

    さかえ八八六

  • 疝痛の馬房の白む寒卵

    杏是りゐ菜

  • あの雲は再結晶か寒卵

    さくさく作物

  • 羊水は陽だまり色に寒卵

    さくやこのはな

  • うす青に明けゆく浅間山(あさま)寒卵

    杏乃みずな

  • 合格の御守り五つ寒卵

    さくら悠日

  • 寒卵初めての唇はいつも

    さとマル

  • 術中の献血父へ寒卵

    伊沢華純

  • 寒卵駅の直売販売機

    しみずこころ

  • 大とろのごとく溶くるや寒卵

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 死は人の完成形よ寒卵

    Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部

  • 寒卵産み落とされし陽の幾つ

    シュリ

  • 朝刊のトップは辞職寒卵

    一井蝸牛

  • 初老の繰り言ぷるんと寒卵

    一走人

  • 量り売るどろぼう市の寒卵

    すがりとおる

  • 寒卵くわんくわんと目眩止む

    だいやま

  • 両の手の子宮の形寒卵

    GONZA

  • 寒卵山に重なる山の影

    KII

  • はてしなきりんねのかたちかんたまご

    稲畑とりこ

  • 懐かしき納屋のほこりや寒卵

    M・李子

  • 寒卵白湯には白湯のにほひあり

    たかみたかみ@いつき組広ブロ俳句部

  • 割り見ればこれぞ正しく寒卵

    たまのねこ

  • 戦ない国に生まれて寒卵

    芋 二郎

  • 寒卵明日返事をする前に

    羽織茶屋

  • 寒卵掌に泣くわれは喪失期

    タリタ クミ

  • 寒卵いま太陽の軌道上

    ちゃうりん

  • 結局は一人になって寒卵

    Nakahara結月

  • 寒卵みどりごの髪ふあふあと

    雨野 理多

  • 掌に獣のけはひ寒卵

    あおのめ

  • 寒卵御空の父へ腹八分

    てるきち

  • いつからがどこからが死か寒卵

    浦野紗知

  • 雌鶏の滾る鳴きごゑ寒卵

    トウ甘藻

  • 寒卵飲んで吐息に獣の香

    あずお玲子

  • 安らひて目覚めし朝や寒卵

    円路

  • 寒卵持つ手に皺の跳梁し

    あずさ ゆみ

  • 震災の授業の夜の寒卵

    とまや

  • 久遠墓に決めし友あり寒卵

    岡井風紋

  • 初めての胎動ぬらり寒卵

    とんぶりっこ

  • 研究のテーマは「あなた」寒卵

    あつちやん

  • 遺句集に添へて有りけり寒卵

    岡田雅喜

  • 寒卵百回超えた二重跳び

    加賀くちこ

  • 寒卵一つ鶏舎のまだ暗し

    あなうさぎ

  • 金毘羅や饂飩に金の寒卵

    とんぼ

  • つまらなき猫のニュースや寒卵

    あらい

  • 親である痛さ寒卵があまい

    加座みつほ

  • 循環のひかりの層や寒卵

    あるる

  • 不器用が好きと言われて寒卵

    ななかまど

  • 炊きたてにたてまつらむや寒卵

    夏湖乃

  • 寒卵暴れん坊は好かれがち

    ねむり猫

  • 寒卵海に天使の梯子立つ

    いこん

  • いち日を生きる練習寒卵

    うからうから

  • 黄身二つ大師の加護の寒卵

    夏目タンチャン

  • 真一文字に銜へし絵筆寒卵

    ウロ

  • 初恋は遺影の人です寒卵

    ぱぷりかまめ

  • 寒卵捨てて阿修羅の人となる

    河村静葩

  • 3.5人の朝を迎へる寒卵

    ふじかつたび

  • 寒卵レギュラー落ちの兄の朝

    海老名吟

  • 青空の硬さを割りぬ寒卵

    ふじこ

  • 寒卵余命にあらず与命なり

    えりいも

  • 父の家の遺稿縛れり寒卵

    おかげでさんぽ

  • 寒卵余命三月の胃が欲す

    灰田兵庫

  • ばらばらの生の形や寒たまご

    ふのんへん宗悟

  • 寒卵あさざの父の纏う湯気

    灰頭徨鴉

  • 偏屈の謝罪や今朝の寒卵

    ぼたにこ

  • 脳みそにたくさんの歌寒卵

    ぽにゃんぽにゃん

  • 寒卵ゆでる耳の縁がかゆい

    まあぶる

  • 二十年まへはよそもの寒卵

    まんぷく

  • 寒卵割れるか脳は詩を生むか

    もりさわ

  • 裏木戸の見舞いはだかの寒卵

    ゆうじい

  • 割り出でてなほ頑なに寒卵

    ゆきなごむ

  • 泡立てる手の筋重し寒卵

    ゆすらご

  • 寒たまご防疫服を脱げど闇

    ろまねす子

  • 寒卵夫再燃のブルワーカー

    渥美こぶこ

  • 修行終え飯一膳の寒卵

    安藝 卯月

  • 背開きの音や未明の寒卵

    剣翔寺亜太琉

  • 五冊目の十年旅券寒卵

    謙久

  • ざらつける地平に遺蹟寒卵

    原   紀

  • 寒卵せかいはどうせうつくしい

    古賀

  • 禍の過ぎて明るき寒卵

    戸井島はな

  • 心臓は長持ちだつて寒卵

    虎八花乙

  • 寒卵三輪明神に願をかけ

    後藤三梅

  • 地球にも痣のありけり寒卵

    光峯霏々

  • 黙破る一人の朝の寒卵

    向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部

  • 寒卵食らうや推しの誕生日

    角野角子

  • 老いて尚かき込む飯や寒卵

    宏楽

  • みどり児の拳に力寒卵

    笠山静香

  • また星の弾けるニュース寒卵

    工藤雨読

  • 火星人は敵が味方か寒卵

    幸久

  • 寒卵配る光をしぼるかに

    山城道霞

  • 帰漁待つスープに落とす寒卵

    叶田屋

  • ユニセフのポスター寒卵重し

    山川真誠

  • 寒卵まずはスノーダンプの朝

    看做

  • ふくませる乳のあをすぢ寒卵

    山田不律

  • 寒卵早朝のかげ揺らしおり

    山田蚯蚓

  • よく噛んでよく笑ふ子や寒卵

    幸田梓弓

  • 寒卵割るや終末時計0時

    広瀬 康

  • 憂鬱と寒卵とを丸飲みす

    江良 中

  • 満月の朝寝坊割れた寒卵

    岩崎京美

  • ホスピスに届く寒卵はきれい

    綱川羽音

  • 母の風呂ひと月ぶりや寒卵

    荒井まき子

  • 鼻歌の児へ甘くして寒卵

    香羊

  • 殻よりの開放みづき寒卵

    山本たか祥

  • 寒卵Jアラートの響く朝

    山本蓮子

  • 獨逸捕虜絵日記古書と寒卵

    亀の

  • あの不便この不便善し寒卵

    始の子

  • 寒卵啜れば身体髪膚活

    香壺

  • 両掌ほどの心臓寒卵

    高橋寅次

  • ガンバレと油性マジック寒卵

    吉川拓真

  • 寒卵をランプと思うまで睡る

    酒井おかわり

  • 寒卵飲めば増えてゐる残機

    久保田A

  • 寒卵一つは妣に供へたり

    高木音弥

  • 寒卵放つて殻はあつけらかん

    黒子

  • 寒卵の味は戦前の昭和

    宗平圭司

  • 寒卵割って満期の話なぞ

    久留里61

  • 書き終えた遺書より重き寒卵

    秋野茜

  • 合宿の朝餉楽しや寒卵

    佐藤レアレア

  • 寒卵寺内医院は休診日

    宮間ミヤマ

  • 寒卵五百野球部合宿所

    佐藤茂之

  • 染付の青海波へと寒卵

    佐野明世

  • 避難所に一つ残りし寒卵

    秋野木吾

  • パトカーに敬礼をして寒卵

    舟御前@ノエル

  • 右耳にタバコ両手に寒卵

    宮坂暢介

  • 寒卵割れば自立は自ずから

    春海のたり

  • 寒卵割れば星座の光る音

    斎藤さんけん

  • 寒卵腹を内より蹴る強さ

    宮武濱女

  • 喪中ハガキの軽きこと寒卵

    菜々の花畑

  • 天平の鴟尾金色の寒卵

    桜井教人@金カル

  • 寒卵下ノ畑ニ居リマスよ

    春風流士

  • 寒卵包む新聞崩御の字

    諸塚凡志

  • 祖父は二食や味噌汁へ寒卵

    小笹いのり

  • 寒卵チラシの箱に溢れたり

    居並小

  • 戴帽式廃止寒卵飲む

    小川さゆみ

  • ハングルの成り立ち重く寒卵

    桜月夜

  • 喉といふ脆きをするり寒卵

    京野さち

  • 寒卵はガベルだ夜をコンとひらく

    笹野夕

  • たましひと思へば小さし寒卵

    錆田水遊

  • 接線は衛星軌道寒卵

    三水低オサム

  • 鎮魂の鐘早朝の寒卵

    小川めぐる

  • 寒卵を割るなけなしの贅沢よ

    玉響海月

  • 請願は握り潰され寒卵

    小川若葉

  • 前向けば風は気弱に寒卵

    山口朝子

  • 小岩井の朝日きんいろ寒卵

    月見柑

  • 真空のはじまり何処寒卵

    山香ばし

  • 寒たまご卵子凍結三回目

    小倉あんこ

  • 寒卵藤田まことのドラマ見る

    丹波らる

  • 寒たまご有精無精問うてみる

    尚茶

  • 寒卵補助券ゆずる最終日

    松山茜柑

  • 完璧をこの手に寒卵百円

    真井とうか

  • 寒卵給食室のエアダクト

    人宙人

  • 母思う心のような寒卵

    炭酸泡水

  • 陰性後はこんこん寒卵の日々

    仁山かえる

  • 角の無き影にもたれり寒卵

    松山松男

  • 赤紙の朝生まれたる寒卵

    水蜜桃

  • 寒卵載せて青磁の小宇宙

    地球人

  • ざらざらと心ある夜や寒卵

    水木合歓

  • 母として母子手帳記す寒卵

    菅井香永

  • 臍の緒の繋ぐ明日や寒卵

    清白真冬

  • 総画は大吉寒卵の円ら

    西村青夏@金カル

  • 寒卵見慣れた筈の祖母の文字

    西町花冠

  • 点滴の父のこぶしや寒卵

    西野桃果

  • 黙想の子の背いろいろ寒卵

    青に桃々@いつき組俳句迷子の会

  • 時計巻く祖父とわたしと寒卵

    青井えのこ

  • 血脈に受けし明るき寒卵

    青田奈央

  • 不整脈ぽくんぽくん寒卵ぽくん

    石岡女依

  • もうどこも痛くない朝寒卵

    松本俊彦

  • 願かけに一日二つ寒卵

    沼宮内 かほる

  • 寒卵生まれぬことは選べない

    上市まさ

  • 退院や吾の碗吾の箸寒卵

    常磐はぜ

  • 哺乳瓶ぽつん寒卵ころん

    新右衛門

  • 寒卵堅し一生反抗期

    新蕎麦句会・凪太

  • 死ぬまでは一緒の誓い寒卵

    森 佳月

  • 寒卵やる気スイッチ押してくれ

    森無田

  • かはたれの暗さに触る寒卵

    森爺

  • 養育費未納七割寒卵

    森脩平

  • 復職の月曜へ溶く寒卵

    深山むらさき

  • 母国語の通じる母国寒卵

    木佐 優士

  • 寒卵小銭を数へ買ふ暮らし

    中岡秀次

  • まづは今日なすべきことを寒卵

    木寺 仙游

  • あはれ掌にまろきひかりの寒卵

    石塚彩楓

  • 寒卵二ケあぶく銭にありつく

    赤馬福助

  • ドヤ街に爺様の朝や寒卵

    中田二俊

  • 新聞の見出し黒々寒卵

    赤尾てるぐ

  • 寒卵抗ひてなる溶き卵

    木染湧水

  • 幾重にも光の渦や寒卵

    朝ぼらけ

  • 寒卵今日のラッキーカラーは黄

    木村となえーる

  • 吾が腹に力や入れる寒卵

    野中泰風

  • 寒卵子ども食堂守る子ら

    野々原ラピ

  • 寒卵生き物係の小さき手に

    雪井苑生

  • 寒卵溶く腹の子のぽこと動く

    朝月沙都子

  • 寒卵食む出走のファンファーレ

    雪音

  • ぴかちゅうという名の鶏の寒卵

    千暁

  • こちこちの心を割って寒卵

    千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部

  • 遠征の朝を寒卵の二つ

    柚木みゆき

  • 臍の緒を経由してをり寒卵

    鳥羽南良

  • 逝く時は匙置くやうに寒卵

    遊羽女

  • 寒卵さらりと割つて今日を生く

    与志魚

  • 差し入れの太宰の本と寒卵

    誉茂子@野の花

  • 寒卵沈めば朝を透過させ

    千葉羅点

  • 一つずつ祈りて包む寒卵

    川端こうせゐ

  • 手に盛りし朝の光と寒卵

    羊似妃

  • クレーン車の雨中の検査寒卵

    鳥不驚

  • 寒卵の黄色解熱の空の青

    葉月ことり

  • 寒卵光りて菩薩の手に宿る

    葉子@金カル

  • 己が影に揺れて収まる寒卵

    葉村直

  • 地を削るやうな朝日や寒卵

    染井つぐみ

  • 籠に盛れば音符のような寒卵 

    直美YC

  • 掌に星の重力寒卵

    前田麺

  • 父の朝二ついつもの寒卵

    哲山(山田 哲也)

  • 検診の成績Aに寒卵

    全速

  • ぶつけたら戦争やむか寒卵

    遥風

  • 生物の定義はいのち寒卵

    陽乃姫

  • 東京と同じ温度の寒卵

    里山子

  • 明日絞める軍鶏の足あと寒卵

    天風月日

  • 寒卵母は我慢を笊に盛る

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • 臥す人の縁先に置く寒卵

    留野ばあば

  • 転居して膝を正して寒卵

    足立智美

  • 真実は常にひとつか寒卵

    田村利平

  • 老農の強き手のうち寒卵

    村岡花風

  • 賞罰なしと履歴書に記す寒卵

    竜胆

  • 餌やりは子供の仕事寒卵

    田中ようちゃん

  • 夜伽明け父とふたりの寒卵

    鈴野蒼爽

  • 寒卵超弦理論の紐を解く

    村上優貴

  • 寒卵たんぽぽいろの朝になる

    村瀬っち

  • 丁寧な暮らしの開始寒卵

    田辺ふみ

  • 特別の日の父といただく寒卵

    多可木@ノエル

  • 寒卵その重さ持て皿に清む

    対馬清波

  • 点滴の朝寒卵真っ二つ

    蓮花麻耶

  • 給食の寒卵分け妹にやる

    綺楽よしじ

  • 悉く神の曲線寒卵

    菫久

  • 寒卵悔いる言葉に音は無し

    斗三木童

  • 辞世句のアンソロジーか寒卵

    蓼蟲

  • 味噌汁の寒卵ちゆるつと吸ひぬ

    帯壱

  • 神棚の受験票下ぐ寒卵

    大小田忍

  • 父さんの居なくなった日寒卵

    登盛満

  • 寒卵ひかりをにぎるごと握る

    島田あんず

  • お互いに宜しく愚痴る寒卵

    沢拓庵

  • ひよこより5g重い寒卵

    藤 雪陽

  • 湯治宿地獄に吊るす寒卵

    谷口詠美

  • 二人目の子の宿るらし寒卵

    瞳子

  • 生臭き匂ひも全て寒卵

    谷町百合乃

  • 少年がクレヨンで描く寒卵

    入口弘徳

  • 婦人部の副会長の寒卵

    巴里乃嬬

  • 寒卵エイドリアンと叫べ俺

    梅鶏

  • 免疫のドキュメンタリー寒卵

    八尾の正吉

  • ぶりゆりんと白身はなるる寒卵

    飯村祐知子

  • つかのまの独身謳歌し寒卵

    尾木三十一

  • 鶏小屋の固き鍵穴寒卵

    美音

  • 寒卵割りて満月空に星

    美月 舞桜

  • モイライに長さ乞うより寒卵

    美乎梛

  • 寒卵を一個贖ふガード下

    美対かず

  • 18分沈む外湯に寒卵

    姫川ひすい

  • 食い初めの赤子泣きやむ寒卵

    百瀬はな

  • 寒卵一つで俺は放火した

    浜友輔

  • 寒卵どるりと殻を出でにけり

    武井かま猫

  • 渾身の赤子の拳固寒卵

    伏見丹耶

  • 三年目単身赴任寒卵

    福田かな子

  • おつかひは隣の部落寒卵

    文月あつみ

  • 妊活のサプリ寒卵のカラザ

    平良嘉列乙

  • 寒卵近ぢか選挙あるらしく

    慢鱚

  • 寒卵割る重力は恍惚なるか

    満嶋ハト

  • 寒卵声聞くほどに淋しき夜

    岬ぷるうと

  • 寒卵盗み取る手の甲に傷

    妄児

  • 恵みとはこの空色の寒卵

    有野 安津

次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
お待ちしています!

投句はこちら